JP5514875B2 - ロータシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機のロータに用いるロータシャフトに関する。
例えば、ハイブリッド車、電気自動車等に用いるモータ、ジェネレータ、モータジェネレータ等の回転電機においては、界磁巻線を設けたステータの内周側に、磁性体を設けたロータを回転可能に配設している。ロータは、ロータシャフトとそのロータシャフトに取り付ける磁性体とを用いて構成している。
図6に示すごとく、ロータシャフト93は、内周側部分931と外周側部分933とをフランジ部932によって連結して構成されており、鍛造等により一体的に成形して製造される。
ところが、製品が大型になると、上記の方法を用いて一体成形によって製造することが困難となる。そこで、ロータシャフトをインナシャフトとアウタシャフトとに径方向に分割した構造とすれば、製造を容易にすることができる。例えば、特許文献1では、アウタシャフト内にインナシャフトを焼き嵌めし、両者を締結することによってロータシャフトを構成している。
特開2007−166863号公報
しかしながら、上記のごとく、分割構造を採用した場合には、ロータシャフトをどのような位置で分割するかが問題となっていた。分割位置が適切でない場合には、インナシャフトとアウタシャフトとの締結強度が十分に確保されず、ロータシャフトに対して回転方向(周方向)に大きなトルクが掛かると、インナシャフトとアウタシャフトとの間の締結が緩んでしまうことがあった。
このようなことから、大きな回転トルクに耐え得るだけの締結強度を十分に有する分割構造のロータシャフトが望まれており、これを実現するための分割位置が検討されていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、インナシャフトとアウタシャフトとの締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られ、さらに軽量化を図ることができるロータシャフトを提供しようとするものである。
本発明は、回転電機のロータに用いるロータシャフトにおいて、
該ロータシャフトは、円筒形状を有するインナシャフトと、該インナシャフトの外周に配設されるアウタシャフトとに分割して構成されており、
上記インナシャフトは、厚肉部と、該厚肉部から軸方向の一端側に突出すると共に上記厚肉部よりも径方向の厚みが小さい先端部と、上記厚肉部から軸方向の他端側に突出すると共に上記厚肉部よりも径方向の厚みが小さい後端部とを有し、
上記アウタシャフトは、上記インナシャフトを挿嵌させる挿嵌穴を有する内筒部と、該内筒部の外周側に配設され、磁気回路を形成するための磁性体を取り付ける磁性体取付外筒部と、上記内筒部の外周から径方向外方に向けて形成され、上記内筒部と上記磁性体取付外筒部との間を連結するフランジ部とを有し、
上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上記厚肉部の外周面と上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面とを接触させ、互いの押圧力によって締結固定されており、かつ、上記アウタシャフトの上記フランジ部は、上記インナシャフトの上記厚肉部に対して径方向に対向する位置に配設されており、
上記厚肉部の外周面のうち、上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面との接触面の少なくとも一部には、凹凸が形成されており、
該凹凸は、上記厚肉部の外周面における上記接触面のうち、少なくとも上記厚肉部と上記フランジ部とが径方向に対向する部分に形成されていることを特徴とするロータシャフトにある(請求項1)。
本発明のロータシャフトは、上記先端部と上記厚肉部と上記後端部とからなる上記インナシャフトと、上記内筒部と上記フランジ部と上記磁性体取付外筒部とからなる上記アウタシャフトとにより構成されている。そして、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上記厚肉部の外周面と上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面とを接触させ、互いの押圧力によって締結固定されている。
すなわち、上記ロータシャフトは、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとが接触する面を分割面として、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとに径方向に分割して構成されたものと考えることができる。そして、上記の構成とすることにより、上記ロータシャフトをできるだけ中心に近い位置で分割することが可能となり、また、上記インナシャフトのうちの上記厚肉部の外周面を上記アウタシャフトと接触する面として機能させることができる。
そのため、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結部分の軸方向長さ、つまり締結部分全体の面積を十分に確保することができる。これにより、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの軸方向及び周方向における締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られる。
また、上記アウタシャフトの上記フランジ部は、上記インナシャフトの上記厚肉部に対して径方向に対向する位置に配設されている。ここで、上記フランジ部は、上記アウタシャフトにおける上記フランジ部が存在しない部分に比べて径方向の剛性が高い。また、上記厚肉部は、上記インナシャフトにおける他の部分に比べて径方向の剛性が高い。すなわち、本発明では、剛性の高い上記フランジ部を剛性の高い上記厚肉部の外方に配設している。そのため、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの軸方向及び周方向における締結強度を向上させることができ、耐回転トルク性をさらに高めることができる。
また、剛性の高い上記フランジ部を剛性の高い上記厚肉部の外方に配設することによって、例えば、従来(前述の図6参照)に比べて上記フランジ部の軸方向長さを短くして軽量化を図った場合(後述する実施例の図2参照)でも、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度及び耐回転トルク性を十分に確保することができる。これにより、上記ロータシャフト全体の軽量化を図ることができる。
このように、本発明によれば、インナシャフトとアウタシャフトとの締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られ、さらに軽量化を図ることができるロータシャフトを提供することができる。
実施例1における、ロータシャフトを用いたロータを回転電機に配設した状態を示す説明図。 実施例1における、インナシャフトとアウタシャフトとを締結してなるロータシャフトを示す説明図。 実施例2における、(a)〜(d)分割位置を変更したロータシャフトを示す説明図。 実施例2における、分割位置と耐回転トルクとの関係を示すグラフ。 実施例3における、(a)〜(d)フランジ部の位置を変更したロータシャフトを示す説明図。 従来例における、ロータシャフトを示す説明図。
本発明において、上記ロータシャフトは、例えば、ハイブリッド車、電気自動車等に搭載されるモータ、ジェネレータ、モータジェネレータ等に採用することができる。
また、上記ロータシャフトには、例えば、加速の際に内燃機関(エンジン)からの入力が上記ロータシャフトを伝わり、該ロータシャフトを回転させようとして該ロータシャフトに接合されている電磁鋼板の慣性質量が働くことによって回転荷重が入力される。
また、上記フランジ部の軸方向長さの85%以上が上記厚肉部に対して径方向に対向していることが好ましい(請求項2)。
上記厚肉部に対して径方向に対向している上記フランジ部の軸方向長さが85%未満の場合には、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度を向上させるという効果を十分に発揮することができないおそれがある。
また、上記インナシャフトは、上記アウタシャフトにおける上記内筒部の上記挿嵌穴内に焼き嵌めされていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを容易に締結することができる。また、本発明のような構成とすることにより、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを焼き嵌めによって締結した場合でも、その締結強度を十分に確保することができる。
また、上記の焼き嵌めは、例えば以下のようにして行うことができる。まず、上記アウタシャフトにおける上記内筒部の上記挿嵌穴の内径を上記インナシャフトの外径よりも小さく形成しておく。そして、上記内筒部を加熱して膨張させた後、該内筒部の上記挿嵌穴内に上記インナシャフトを挿入する。その後、上記内筒部を冷却して収縮させることにより、上記インナシャフトを上記アウタシャフトにおける上記内筒部の上記挿嵌穴において締結する。
なお、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上述の焼き嵌め以外の手法を用いて締結することもできる。
また、上記厚肉部の外周面のうち、上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面との接触面の少なくとも一部には、凹凸が形成されている。
これにより、上記インナシャフトにおける上記厚肉部の外周面の凹凸に上記アウタシャフトにおける上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面が接触して食い込むことにより、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度をさらに向上させることができる。
特に、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを焼き嵌めによって締結させる場合には、上記の効果をより一層発揮することができる。
また、上記厚肉部の外周面における上記接触面のうち、少なくとも上記厚肉部と上記フランジ部とが径方向に対向する部分には、凹凸が形成されている。
これにより、上記フランジ部を剛性の高い上記厚肉部の外方に配設することによって上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度を向上させた部分において、締結強度をさらに高めることができる。これにより、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度をより効果的に向上させることができる。
また、上記厚肉部の外周面における上記接触面の凹凸は、例えば、ローレット加工を施すことによって形成することができる。また、その形状は、アヤ目等の凹凸形状とすることができる。もちろん、その他の加工方法を用いて凹凸を形成することもできるし、その他の凹凸形状とすることもできる。
また、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを焼き嵌めによって締結させる場合には、上記凹凸の高さを焼嵌代の半分以下とすることが好ましく、このようにすることで、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度を十分に得られる。
また、上記インナシャフトは、浸炭処理又は浸炭浸窒処理を施した材料であり、上記アウタシャフトは、機械構造用炭素鋼又はクロム鋼であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記インナシャフト及び上記アウタシャフトを構成する材料を上記のごとく選定することにより、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られるという効果をより一層発揮することができる。
なお、上記インナシャフトを構成する浸炭処理又は浸炭浸窒処理を施した材料としては、S15C、S20C、S30C、SCr415、SCr420等を用いることができる。
また、上記アウタシャフトを構成する機械構造用炭素鋼又はクロム鋼としては、S15C、S20C、S30C、S35C、S40C、S45C、S50C、S55C、S60C、SCr415、SCr420等を用いることができる。
また、上記内筒部は、上記フランジ部よりも軸方向の長さが長いことが好ましい(請求項)。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるロータシャフトについて、図を用いて説明する。
本例のロータシャフト3は、図1に示すごとく、回転電機1のロータ2に用いるものであり、円筒形状を有するインナシャフト4と、インナシャフト4の外周に配設されるアウタシャフト5とに分割して構成されている。
図1、図2に示すごとく、インナシャフト4は、厚肉部42と、厚肉部42から軸方向の一端側に突出すると共に厚肉部42よりも径方向の厚みが小さい先端部41と、厚肉部42から軸方向の他端側に突出すると共に厚肉部42よりも径方向の厚みが小さい後端部43とを有する。
同図に示すごとく、アウタシャフト5は、インナシャフト4を挿嵌させる挿嵌穴50を有する内筒部51と、内筒部51の外周側に配設され、磁気回路を形成するための磁性体54を取り付ける磁性体取付外筒部53と、内筒部51の外周から径方向外方に向けて形成され、内筒部51と磁性体取付外筒部53との間を連結するフランジ部52とを有する。
同図に示すごとく、インナシャフト4とアウタシャフト5とは、厚肉部42の外周面422と内筒部51の挿嵌穴50の内周面501と接触させ、互いの押圧力によって締結固定されており、かつ、アウタシャフト5のフランジ部52は、インナシャフト4の厚肉部42に対して径方向に対向する位置に配設されている。
以下、これを詳説する。
本例の回転電機1は、ハイブリッド車、電気自動車等に搭載されるものであり、主に駆動用として作用するモータである。なお、回転電機1は、主に発電用として作用するジェネレータであってもよいし、発電用及び駆動用の両方として作用するモータジェネレータであってもよい。
図1、図2に示すごとく、ロータシャフト3は、円筒形状を有するインナシャフト4と、インナシャフト4の外周に配設されるアウタシャフト5とに径方向に分割して構成されている。図2に示すごとく、分割位置は、ロータシャフト3の中心Xから距離Dの位置である。
図1に示すごとく、インナシャフト4は、円筒形状を呈しており、その軸方向両端部における外周面に設けたベアリング14を介してハウジング11に回転可能に配設されている。
図1、図2に示すごとく、インナシャフト4は、先端部41と厚肉部42と後端部43とからなる。厚肉部42の厚みは、先端部41及び後端部43の厚みよりも大きい。また、先端部41の外径は、厚肉部42及び後端部43の外径よりも小さい。また、厚肉部42及び後端部43の外径は、ほぼ同じである。また、先端部41及び厚肉部42の内径は、ほぼ同じであり、後端部43の内径よりも小さい。
同図に示すごとく、アウタシャフト5は、内筒部51とフランジ部52と磁性体取付外筒部53とからなる。磁性体取付外筒部53は、円筒形状を呈しており、内筒部51の外周から径方向外方に向けて形成したフランジ部52の外周側に設けられている。磁性体取付外筒部53の外周面には、回転電機1における磁気回路を形成するための磁性体54が取り付けられている。
また、アウタシャフト5のフランジ部52は、インナシャフト4の厚肉部42に対して径方向に対向する位置に配設されている。本例では、図2に示すごとく、フランジ部52は、軸方向長さLの85%以上の領域が厚肉部42に対して径方向に対向している。
図1に示すごとく、インナシャフト4とアウタシャフト5とを締結してなると共に磁性体54を取り付けてなるロータ2は、ハウジング11に固定したステータ6の内周側に配置されている。
そして、回転電機1においては、ステータ6に配設した界磁巻線61とロータ2に配設した磁性体54とによって、ロータ2を回転させる磁気回路又は発電を行う磁気回路が形成されている。
また、本例では、図2に示すごとく、インナシャフト4は、アウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50内に焼き嵌めされている。この焼き嵌めは、まず、アウタシャフト5の内筒部51の挿嵌穴50の内径をインナシャフト4の外径よりも小さくしておく。そして、内筒部51を加熱して膨張させた後、この内筒部51の挿嵌穴50内にインナシャフト4を挿入する。その後、内筒部51を冷却して収縮させることにより、インナシャフト4をアウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50において締結する。
すなわち、加熱膨張させた内筒部51を冷却することにより、内筒部51の挿嵌穴50は元の内径に戻ろうとする。ところが、内側にインナシャフト4を挿通してあるため、内筒部51においてインナシャフト4を締め付ける力が作用する。一方、インナシャフト4においてそれに反発する力が作用する。これらの力は、内筒部51の挿嵌穴50の内径とインナシャフト4の外径との差である焼嵌代によるものである。
これにより、インナシャフト4とアウタシャフト5とは、インナシャフト4における厚肉部42及び後端部43の外周面422、432とアウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50の内周面501とを接触させ、互いの押圧力によって締結固定される。
また、本例では、同図に示すごとく、インナシャフト4における厚肉部42の外周面422のうち、アウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50の内周面501との接触面422aの一部に、凹凸が形成されている。具体的には、厚肉部42の外周面422における接触面422aのうち、厚肉部42とフランジ部52とが径方向に対向する部分に、凹凸が形成されている。
そして、インナシャフト4とアウタシャフト5とは、上述した焼き嵌めの際、インナシャフト4における厚肉部42の外周面422の凹凸に、アウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50の内周面501が食い込んだ状態で締結固定される。
なお、接触面422aの凹凸は、ローレット加工を施すことによって形成されており、その形状は、アヤ目模様の凹凸形状となっている。また、凹凸の高さは、焼嵌代の半分以下となっている。
また、本例では、インナシャフト4を構成する材料としては、浸炭処理を施した材料であるSCr415を用いている。また、アウタシャフト5を構成する材料としては、機械構造用炭素鋼であるS50Cを用いている。
また、インナシャフト4及びアウタシャフト5は、切削加工等を行って所望の形状に形成されている。
次に、本例のロータシャフト3における作用効果について説明する。
本例のロータシャフト3は、先端部41と厚肉部42と後端部43とからなるインナシャフト4と、内筒部51とフランジ部52と磁性体取付外筒部53とからなるアウタシャフト5とにより構成されている。そして、インナシャフト4とアウタシャフト5とは、厚肉部42の外周面422と内筒部51の挿嵌穴50の内周面501とを接触させ、互いの押圧力によって締結固定されている。
すなわち、ロータシャフト3は、インナシャフト4とアウタシャフト5とが接触する面を分割面として、インナシャフト4とアウタシャフト5とに径方向に分割して構成されたものと考えることができる。そして、上記の構成とすることにより、ロータシャフト3をできるだけ中心に近い位置で分割することが可能となり、また、インナシャフト4のうちの厚肉部42の外周面422をアウタシャフト5と接触する面として機能させることができる。
そのため、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結部分の軸方向長さ、つまり締結部分全体の面積を十分に確保することができる。これにより、インナシャフト4とアウタシャフト5との軸方向及び周方向における締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られる。
また、アウタシャフト5のフランジ部52は、インナシャフト4の厚肉部42に対して径方向に対向する位置に配設されている。ここで、フランジ部52は、アウタシャフト5におけるフランジ部52が存在しない部分に比べて径方向の剛性が高い。また、厚肉部42は、インナシャフト4における他の部分に比べて径方向の剛性が高い。すなわち、本例では、剛性の高いフランジ部52を剛性の高い厚肉部42の外方に配設している。そのため、インナシャフト4とアウタシャフト5との軸方向及び周方向における締結強度を向上させることができ、耐回転トルク性をさらに高めることができる。
また、剛性の高いフランジ部52を剛性の高い厚肉部42の外方に配設することによって、例えば、従来(図6参照)に比べてフランジ部52の軸方向長さを短くして軽量化を図った場合でも、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度及び耐回転トルク性を十分に確保することができる。これにより、ロータシャフト3全体の軽量化を図ることができる。
また、本例では、フランジ部52の軸方向長さLの85%以上の領域が厚肉部42に対して径方向に対向している。そのため、フランジ部52と厚肉部42とを対向させて、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度を向上させるという効果を十分に発揮することができる。
また、インナシャフト4は、アウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50内に焼き嵌めされている。そのため、インナシャフト4とアウタシャフト5とを容易に締結することができる。また、本例のような構成とすることにより、インナシャフト4とアウタシャフト5とを焼き嵌めによって締結した場合でも、その締結強度を十分に確保することができる。
また、厚肉部42の外周面422のうち、内筒部51の挿嵌穴50の内周面501との接触面422aに、凹凸が形成されている。具体的には、厚肉部42の外周面422における接触面422aのうち、厚肉部42とフランジ部52とが径方向に対向する部分に凹凸が形成されている。そのため、インナシャフト4における厚肉部42の外周面422の凹凸にアウタシャフト5における内筒部51の挿嵌穴50の内周面501が接触して食い込むことにより、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度をさらに向上させることができる。
特に、上記の効果は、フランジ部52を剛性の高い厚肉部42の外方に配設することによって締結強度を向上させた部分であるため、締結強度をより効果的に向上させることができる。
また、本例では、インナシャフト4とアウタシャフト5とを焼き嵌めによって締結させるため、上記の効果をより一層発揮することができる。また、接触面422aの凹凸の高さを焼嵌代の半分以下としているため、締結強度を確実に向上させることができる。
また、インナシャフト4は、浸炭処理を施した材料のSCr415であり、アウタシャフト5は、機械構造用炭素鋼のS50Cである。このように、インナシャフト4及びアウタシャフト5を構成する材料を上記のごとく選定することにより、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られるという効果をより一層発揮することができる。
このように、本例のロータシャフト3は、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度を十分に確保し、優れた耐回転トルク性が得られ、さらに軽量化を図ることができる。
(実施例2)
本例は、インナシャフトとアウタシャフトとの分割位置を変化させた場合におけるロータシャフトの耐回転トルク性を評価したものである。
本例では、図3(a)〜(d)に示すごとく、インナシャフト4とアウタシャフト5との分割位置が異なるロータシャフト3(試料11〜14)を準備し、所定の焼嵌代A、B(A<B)に設定した場合の耐回転トルクを測定した。
具体的には、試料11は、図3(a)に示すごとく、実施例1と同様のロータシャフト3である。
また、その他のロータシャフト3の分割位置は、試料11のロータシャフト3の構成部位(図3(a)参照)で説明すると、試料12では、図3(b)に示すごとく、アウタシャフト5における内筒部51の中間位置である。また、試料13では、図3(c)に示すごとく、アウタシャフト5における内筒部51とフランジ部52との間である。また、試料14では、図3(d)に示すごとく、アウタシャフト5におけるフランジ部52と磁性体取付外筒部53との間である。
また、耐回転トルクは、計算によって求めた。なお、インナシャフト4とアウタシャフト5との摩擦係数は0.2程度である。
以下、表1に測定結果を示し、その測定結果を図4に示す。同図では、縦軸が耐回転トルク(N・m)、横軸が分割位置(mm)である。分割位置とは、図3(a)〜(d)に示すごとく、ロータシャフト3の中心Xからの距離Dである。
Figure 0005514875
表1及び図4から、試料11、試料12は、試料13、試料14に比べて、耐回転トルクが高いことがわかる。すなわち、厚肉部42の外周面422と内筒部51の挿嵌穴50の内周面501とを接触させてインナシャフト4とアウタシャフト5とを締結固定した試料11、試料12は、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結部分の軸方向長さ(締結部分全体の面積)を十分に確保することができるため、両者の締結強度を十分に確保することができ、優れた耐回転トルク性が得られることがわかる。
(実施例3)
本例は、アウタシャフトのフランジ部の位置を変化させた場合におけるロータシャフトの耐回転トルク性を評価したものである。
本例では、図5(a)〜(d)に示すごとく、アウタシャフト5のフランジ部52(軸方向長さL)の位置が異なるロータシャフト3(試料21〜24)を準備し、実施例2と同様に所定の焼嵌代A、B(A<B)に設定した場合の耐回転トルクを測定した。
具体的には、試料21は、図5(a)に示すごとく、実施例1と同様のロータシャフト3である。また、試料22は、図5(b)に示すごとく、フランジ部52の位置を試料21よりも先端側に1.7mm移動させたものである。また、試料23は、図5(c)に示すごとく、試料21よりも先端側に8mm移動させたものである。また、試料24は、図5(d)に示すごとく、試料21よりも後端側に12.3mm移動させたものである。
また、耐回転トルクは、実施例2と同様の方法で測定した。なお、インナシャフト4とアウタシャフト5との摩擦係数は0.2程度である。
以下、表2に測定結果を示す。
Figure 0005514875
表2から、フランジ部52が厚肉部42に対して径方向に対向しており、その領域が十分である試料21〜23では、耐回転トルクが十分に確保されている。一方、フランジ部52のほとんどの領域が厚肉部42に対して径方向に対向していない試料24では、その他のものよりも締結強度が低い。
これにより、フランジ部52を剛性の高い厚肉部42の外方に配設し、フランジ部52と厚肉部42との対向領域が十分であれば、インナシャフト4とアウタシャフト5との締結強度を向上させ、耐回転トルク性をさらに高められることがわかる。
3 ロータシャフト
4 インナシャフト
41 先端部
42 厚肉部
422 外周面(厚肉部の外周面)
43 後端部
5 アウタシャフト
50 挿嵌穴
501 内周面(挿嵌穴の内周面)
51 内筒部
52 フランジ部
53 磁性体取付外筒部

Claims (5)

  1. 回転電機のロータに用いるロータシャフトにおいて、
    該ロータシャフトは、円筒形状を有するインナシャフトと、該インナシャフトの外周に配設されるアウタシャフトとに分割して構成されており、
    上記インナシャフトは、厚肉部と、該厚肉部から軸方向の一端側に突出すると共に上記厚肉部よりも径方向の厚みが小さい先端部と、上記厚肉部から軸方向の他端側に突出すると共に上記厚肉部よりも径方向の厚みが小さい後端部とを有し、
    上記アウタシャフトは、上記インナシャフトを挿嵌させる挿嵌穴を有する内筒部と、該内筒部の外周側に配設され、磁気回路を形成するための磁性体を取り付ける磁性体取付外筒部と、上記内筒部の外周から径方向外方に向けて形成され、上記内筒部と上記磁性体取付外筒部との間を連結するフランジ部とを有し、
    上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上記厚肉部の外周面と上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面とを接触させ、互いの押圧力によって締結固定されており、かつ、上記アウタシャフトの上記フランジ部は、上記インナシャフトの上記厚肉部に対して径方向に対向する位置に配設されており、
    上記厚肉部の外周面のうち、上記内筒部の上記挿嵌穴の内周面との接触面の少なくとも一部には、凹凸が形成されており、
    該凹凸は、上記厚肉部の外周面における上記接触面のうち、少なくとも上記厚肉部と上記フランジ部とが径方向に対向する部分に形成されていることを特徴とするロータシャフト。
  2. 請求項1において、上記フランジ部の軸方向長さの85%以上が上記厚肉部に対して径方向に対向していることを特徴とするロータシャフト。
  3. 請求項1又は2において、上記インナシャフトは、上記アウタシャフトにおける上記内筒部の上記挿嵌穴内に焼き嵌めされていることを特徴とするロータシャフト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記インナシャフトは、浸炭処理又は浸炭浸窒処理を施した材料であり、上記アウタシャフトは、機械構造用炭素鋼又はクロム鋼であることを特徴とするロータシャフト。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記内筒部は、上記フランジ部よりも軸方向の長さが長いことを特徴とするロータシャフト。
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