JP5513828B2 - 血液凝固アッセイ - Google Patents

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Description

本発明は、全血又は血漿のような体液における、血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を測定する方法に関する。
血液凝固及びその後の損傷組織の修復に続く凝血塊の溶解過程は止血と呼ばれ、それは細胞及び生化学的要素の両方が関与する非常に複雑な過程である。止血は、血管損傷の後、決った順序で起こる4つの主要な事象で構成される。凝固は、血管への損傷が内皮細胞を傷めるとほぼ瞬時に開始される。その過程の初期段階は、血管収縮と呼ばれ、これが損傷部への血流を制限する。次に、血小板がトロンビンによって活性化され、損傷部位に凝集して直ちに止血栓を形成する;この過程は、一次止血と呼ばれる。血栓の形成は、タンパク質フィブリノゲンによって刺激される。二次止血が同時に起こる;凝固因子と呼ばれる血漿中のタンパク質が複雑なカスケードで応答してフィブリン鎖を形成し、これが血小板血栓を強化する。凝固因子は、外因経路及び内因経路と呼ばれる2つの密接に連係したカスケードで作動する。出血性疾患が疑われる患者への最初の診断検査は、通常、いわゆるグローバル凝固試験である部分活性化トロンボプラスチン時間(aPTT)及びプロトロンビン時間(PT)で行われる。また、これらの検査は抗凝固薬療法のモニタリングにも使用される。aPTTは、主に内因性経路における因子の欠損の検出及びヘパリン療法のモニタリングに使用されるが、PTは、外因性経路における因子の欠損の検出及びビタミンKアンタゴニスト療法のモニタリングに使用される。aPTT及びPTの両者は、定量すべき凝固因子が欠損した血漿を患者のサンプルと混合することによって、単一因子の欠損の検出にも使用することができる。
先天性出血性障害を持つ多くの患者は、延長したaPTT、PT又は両者を有する。延長したaPTTと正常のPTを持つ患者は、内因性凝固経路に欠陥を有すると考えられる。その名称の通りaPTT検査におけるカオリン以外の全ての成分は血漿に対して「内因性」であることを示す。一方、延長したPT及び正常のaPTTを持つ患者は、外因性凝固経路に欠陥を有する(組織因子は血漿に対して「外因性」である)。aPTT及びPTの両者の延長は、共通経路に欠陥があることを示唆する。
PT反応では、凝固は、外因性経路の活性化によって、即ち組織因子、リン脂質及びカルシウムイオンの混合物の添加によって、患者の血漿サンプル内で開始させる。その後、生成したトロンビンがフィブリノゲンを十分に目視可能なフィブリン凝塊に変換させるまでの時間を測定する。これは、比較的感度が低く、また高サンプル量を必要とする検出法である。
外因性(又は組織因子)経路は、フィードバック活性化の役割という意味において凝固カスケードの最も重要な成分であるトロンビンが瞬時に放出される過程の「トロンビンバースト」を起こす。血管又は組織に対する損傷の後、組織因子(TF)が放出され、第VII因子と複合体を形成し、そしてそれを活性化する。TF−第VIIa因子複合体は、次に第IX因子及び第X因子を活性化する。第Xa因子及びその補因子である第Va因子はプロトロンビナーゼ複合体を形成し、それがプロトロンビンをトロンビンに活性化する。トロンビンは、その後、第V因子及び第VII因子を含む凝固カスケードの他の成分を活性化し、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)と結合している第VIII因子を活性化し、放出させる。最終的には、トロンビンはフィブリノゲンを不溶性のフィブリンに変換し、それによって凝塊が生成する。第XIII因子は、その後にフィブリン凝塊を安定化させる。
内因性(又は接触活性化)経路は、高分子キニノゲン(HMWK)、プレカリクレイン及び第XII因子で構成される最初の複合体形成で始まる。プレカリクレインはカリクレインに変換され、第XII因子を活性化して第XIIa因子にする。第XIIa因子は、第XI因子を第XIa因子に変換する。第XIa因子は第IX因子を活性化し、それはその補因子である第VIIIa因子と共にテナーゼ複合体を形成し、そしてそれが第X因子を第Xa因子に活性化する。外因性経路におけるように、第Xa因子及びその補因子である第Va因子はプロトロンビナーゼ複合体を形成し、それは再びプロトロンビンをトロンビンに活性化する。
「内因性」経路及び「外因性」経路の概念は、長年にわたり凝固の有用なモデルとしての役割を果たしてきた。これらの経路は余分なものではなく高度に相互接続されていることは、証拠が示している。例えば、組織因子−第VIIa因子複合体は、第X因子だけでなく内因性経路の第IX因子も活性化する。更に、たとえ内因性経路が完全であっても、深刻な第VII因子欠乏症の患者は出血する可能性がある。また、外因性経路が単独で正常の止血を達成するのに十分であるなら、第VIII因子又は第IX因子の欠損に関連する重篤な出血を予想する必要はないであろう。内因性及び外因性のシステムは第X因子に集中し、究極的にはトロンビン(第IIa因子)の生産に関与する単一の共通経路に至る。それらは別々のメカニズムによって開始されるけれども、内因性経路及び外因性経路は血栓形成に至る共通経路に収束する。
全外因性経路と内因性経路の両者並びにそれらの夫々の凝固因子の生化学的活性を正確に数量化することは、出血性疾患、血栓形成傾向の診断、そしてまた抗凝固剤療法のモニタリングなどにとって極めて重要である。現行の経路活性の検査方法では、血漿サンプルでそれぞれの経路が誘発された後、通常はフィブリン凝塊が現れるまでの時間を測光器で測定する。この基本原理の修正バージョンは、単一凝固因子の活性の定量用として存在する。これらの測光法は、しばしば第VIII因子のような量の少ない或る種の凝固因子を正確に定量するのに必要な感度が不足して、一般に高サンプル量を必要とし、それ故に全血サンプルではなく血漿を用いてしか実施できない。
別のグループの検査法は、凝固因子の酵素活性又は補因子活性を測定する発色試験である。これらの検査では、凝固因子によって特異的に切断され、その結果発色団の作用を阻害する消光分子を放出する、測光で定量可能な色変化をもたらす発色性ペプチドが使用される。これらの方法は、凝血塊検出アッセイに存在するのと同様の制限、即ち低感度及び全血サンプルに対する不適合性を有する。他の検出技術(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動、即ちFRET)を利用したこのプロトコルの改変が記載されている。これらの方法が発色団/クエンチャーペプチド共役に基づく検査の制限を克服するか、又はこれらの方法が実際の患者のサンプルに有効であるかどうかは、精製された成分を用いて評価しているので、明らかではない。更に、FRETを用いる方法は、FRET用の基質の合成の難しさ、ペプチド配列を使ってFRETでの供与部と受容部の間隔保持の困難さ、より多いサンプル量の必要性、妨害に関連する問題、全血ではなく血漿の使用等々、の技術的な問題を有する。上記の発色性及びFRETアッセイの別の一般的な問題は、使用されるペプチドが比較的短くなければならないことである。これは、同族のタンパク質分解性凝固因子の特異性を制限し、そして、これらのペプチドは1つの特定のタンパク質分解性凝固因子によってのみ切断されるのではなく、むしろ複数のタンパク質分解酵素による切断を受け易いため、これらのアッセイを間違った検査結果に陥れ易い。
止血障害を検出する別の検査方法は、特許文献1に記載されており、その中で、活性化血漿サンプル中での血小板凝集又は凝塊形成反応の結果として、シグナル発生システムの物質に物質間相互作用を起こし得る相互距離をもたらし、測定可能なシグナル発生に至らせることが記載されている。
:米国特許第2003/0027235A1号(Kraus et al.)
従って、患者サンプルにおいて凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を測定するための、特に生体内活性を反映し、そのようなタンパク質分解性凝固因子の存在及び/又は量及び/又は活性に関連付けることができ、迅速で正確な診断方法の開発が引き続き必要である。その方法は完全に自動化され、全血サンプルについて実施された場合でも正確であるべきである。
本発明は、サンプル中の血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を測定する方法に関する。反応混合物には、1つの組み合わせが提供される。その組合せは、(i)サンプル、(ii)血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接的に又は間接的に活性化するための活性剤、(iii)活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分、(iv)化学発光剤、及び(v)増感剤を含む。切断可能部分は、化学発光剤若しくは増感剤又はその両者に結合している又は結合する。化学発光剤と増感剤は、近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関係する。増感剤試薬が活性化され、そして反応混合物から発生している化学発光シグナルが測定され、そしてタンパク質分解性凝固因子の活性に関連付けられる。化学発光シグナルは、活性化タンパク質分解性凝固因子の活性に逆比例する。
幾つかの実施態様では、切断可能部分は活性化タンパク質分解性凝固因子の天然の基質であり、内生的にサンプル中に存在している。即ち、切断可能部分は、サンプルを反応混合物に添加することによって反応混合物に加えられる。これらの実施例では、切断可能部分は反応混合物中で化学発光剤及び増感剤と結合する。
幾つかの実施態様では、切断可能部分は反応混合物に添加される別の試薬に含まれる。これらの実施態様では、切断可能部分は好ましくは合成物質であり、最も好ましくはペプチドである。
幾つかの実施態様では、活性化タンパク質分解性凝固因子の活性は、タンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす、分析すべきサンプル中の1つ又はそれ以上の成分の存在又は活性を示す。幾つかの実施態様では、サンプルはタンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす単一成分が欠損している血漿又は全血と混合し、そしてタンパク質分解性凝固因子の活性は、サンプル中の単一成分の存在又は活性を示す。幾つかの実施態様では、活性化タンパク質分解性凝固因子の活性は、内因性又は外因性血液凝固経路の機能性を示す。幾つかの実施態様では、活性化タンパク質分解性凝固因子の活性は、1つ又はそれ以上の治療的抗凝固剤の存在を示す。
本発明の別の実施態様は、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子に対する、物質の活性化特性又は阻害特性を評価する方法である。反応混合物には、1つの組み合わせが提供される。その組合せには、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子、活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分、化学発光剤、増感剤及び被験物質が含まれる。切断可能部分は、化学発光剤若しくは増感剤又はその両者に結合する。化学発光剤と増感剤が近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関係する。増感剤が活性化され、そして反応混合物から発生する化学発光シグナルが測定され、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子に対する物質の活性化特性又は阻害特性に関連付けられる。被験物質の活性化特性又は阻害特性を評価するために、被験物質が添加されない反応混合物から発生する化学発光シグナルを測定する。
本発明の方法の実施態様を示す。 表1にまとめた実験の結果を示すグラフである。 PT試薬で外因性経路を活性化した場合の、因子欠損血漿で生成されるシグナルを示す図である。 aPTT試薬で内因性経路を活性化した場合の、因子欠損血漿で生成されるシグナルを示す図である。 エカリンでプロトロンビンを活性化した場合の、直接的なトロンビン阻害剤メラガトランを添加した血漿で発生するシグナルを示す図(上図)、及び直接的なトロンビン阻害剤のヒルジン(レフルダン(Refludan))を添加した血漿で発生するシグナルを示す図(下図)を示す。 エカリン(Ecarin)でプロトロンビンを活性化した場合の、希釈標準ヒト血漿で発生するシグナル(標準曲線)を示す図である。
本発明の方法は、既知の凝固アッセイに伴う多くの問題を克服する。本発明の開示に従って実施される凝固アッセイは、高感度である。本アッセイに要するサンプルの量はほんの少量であり、従って、現在使われている血漿サンプルとは対照的に、全血サンプルを使って実施することができる。更に、高ヘモグロビン濃度又は黄疸若しくは脂血症性のサンプル(HIL干渉と呼ばれる)のようなサンプルの量の多さに伴う他の問題も、また、高感度を維持しながら回避される。更に、本発明の方法は、多くの現在使用されている方法の低感受性に関する問題を解決する。
前述のように、本発明の方法は、サンプル中の血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性測定法を提供する。血液凝固カスケードには、上記した公知の内因性及び外因性経路、並びに共通経路が含まれる。本方法は、対象由来のサンプル、例えば、患者サンプル中の特定のタンパク質分解性凝固因子の活性(そしてそれ故、存在及び/又は量)を測定するために使用することができる。更に、本発明の方法は、血液凝固カスケードの外因性又は内因性経路における欠損について、サンプルを分析するための一般的なスクリーニング技術を提供する。例えば、PT又はaPTT活性剤を使って間接的にプロトロンビンをトロンビンに活性化し、正常のコントロールと比較してトロンビン活性の低下又は上昇を測定することにより、サンプルに内因性又は外因性経路の欠陥が確認されたら、欠損している特定の成分を決定するために、サンプルを以降の実験で解析することができる。これは、サンプルを検査する特定の成分を欠損した血漿又は全血と混合し、上記で概説した方法を実施することによって実行できる。
分析すべきサンプルは、血液凝固カスケードの少なくとも1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子を含む疑いのあるいかなるサンプルでもよい。サンプルは一般的に哺乳類の対象由来であり、全血又は血漿であればよい。分析すべきサンプルの量は、約0.01μL〜約50μL、又は約0.1μL〜約40μL、又は約0.5μL〜約30μL、等々である。特に関心のある1つの哺乳類の対象はヒトの対象であるが、他の動物種も、また、興味がある。
本発明のアッセイは、普通は、一般に最適なアッセイ感度が得られる水性緩衝媒体中で適度のpHで行われる。アッセイ媒体のpHは、通常約4〜約11の範囲、より通常的には約5〜約10の範囲、そして好ましくは約6.0〜約9.0の範囲である。pHは、血液凝固カスケードの成分の性質、活性剤、特異的な結合対における結合メンバーの結合性、アッセイの他の試薬に最適なpHなどに依存する。目的のpHを得るため及び測定中のpHを維持するために、種々の緩衝液を使うことができる。例示的な緩衝液としては、ホウ酸、リン酸、炭酸、トリス、バルビタール、HEPESなどが挙げられる。採用された特定の緩衝剤は重要ではないが、個々のアッセイには1つ又は別の1つの緩衝剤が好ましい。上記の方法には、様々な補助物質が使用されてもよい。例えば、緩衝剤の他に、媒体は、使用する媒体及び試薬類の安定剤、結合増強剤、キレート剤、保存剤、塩、特定のイオン、界面活性剤、遮断剤、タンパク質、還元剤などを含んでもよい。
血液凝固カスケードには、上記の内因性及び外因性経路並びに共通経路が含まれる。従って、「血液凝固カスケード」という用語には、カスケードの全部又はその一部が含まれる。血液凝固カスケードの構成成分には、内因性、外因性及び共通の経路に関与する因子、並びに一般に止血の過程に関係する因子が含まれる。血液凝固カスケードの構成成分には、例えば、凝固促進因子の、例えば、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)、第I因子(フィブリノゲン)、第II因子(プロトロンビン)、第IIa因子(トロンビン)、第V因子、第Va因子、第VII因子、第VIIa因子、第VIII因子、第VIIIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、第Xa因子、第XI因子、第XIa因子、第XII因子(ハーゲマン因子)、第XIIa因子、組織因子等、カリクレイン、プレカリクレイン、HMWKなどが含まれる。血液凝固カスケードの構成成分には、同じく、例えば、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンIII、C1エステラーゼ阻害剤、TFPI、ヘパリンコファクター2などの抗凝固因子及び凝固抑制因子;例えば、プラスミノーゲン、t−PA、プロウロキナーゼ、PAI−1、u−PAなどの線溶因子及びその阻害剤が含まれる。最も関心がある血液凝固カスケードの成分は、タンパク質分解性凝固因子である。殆どの凝固因子はセリンプロテアーゼであるが、一方、第V/Va因子、第VIII/VIIIa因子及びプロテインSなど他のものは、プロテアーゼの補因子である。他の興味ある血液凝固カスケードの成分には、安定化タンパク質、膜貫通タンパク質及び補因子、トランスグルタミナーゼなどが挙げられる。
本発明の方法では、活性剤を、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子を含むことが疑われるサンプルと結合させる。活性剤は、血液凝固カスケードの成分を活性化する、又は血液凝固カスケードを活性化するための薬剤である。本明細書で論じられるタンパク質分解性凝固因子の直接的活性化は、特定のタンパク質分解性凝固因子を活性化する又は調節する可能性がある他の因子の相互作用に依存することなく、活性剤が直接的に特定のタンパク質分解性凝固因子を活性化することを意味する。本明細書で論じられるタンパク質分解性凝固因子の間接的活性化は、活性剤がタンパク質分解性凝固因子の上流の血液凝固カスケードを活性化することを意味する。活性剤の性質は、活性剤が血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接的に又は間接的に活性化するかどうか、実施する検査の性質、分析する成分、検査に使用される切断部分などに依存する。活性剤は、単一の血液因子を活性化するもの又は内因性経路又は外因性経路のような経路を活性化するものであればよい。血液凝固カスケードの特定の成分を活性化するための活性剤として、例えば、負に荷電したリン脂質;例えば、トロンボプラスチンなどのリポタンパク質;組織因子、第IIa因子(トロンビン)、第VIIa因子、第IXa因子、第XII因子、第XIIa因子及びプロテインCなどの活性化セリンプロテアーゼ、PROTAC(登録商標)酵素、エカリン(Ecarin)、テキスタリン(Textarin)、ノスカリン(Noscarin)、バトロキソビン(Batroxobin)、トロンボサイチン(Thrombocytin)、ラッセルクサリヘビ毒(RVV)などのヘビ毒、のようなタンパク質の混合物又はこれらを含む製剤が挙げられる。血液凝固カスケード又はその部分を活性化する活性剤として、例えば、第IIa因子(トロンビン)、例えば、負に荷電したリン脂質のようなリン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン、エラグ酸、セライトなどの非特異的活性剤などの混合物又はそれらを含む製剤が挙げられる。活性剤のいくつかの具体例として以下のものが挙げられるが、例示目的であってこれらに限定されない:組み合わせで使用したとき内因性経路に係る反応、即ち、aPTT試験を開始させる、カオリン又はエラグ酸又はシリカ又はセライト、負に荷電したリン脂質、及びカルシウムイオン;組み合わせで使用したとき外因性経路に係る反応、即ち、PT試験を開始させる、トロンボプラスチン(即ち、組織因子)、負に荷電したリン脂質、及びカルシウムイオン。
活性剤の量は、血液凝固カスケードの成分又は血液凝固カスケード自体を活性化するために十分な量である。その量は、活性化されるタンパク質分解性凝固因子の性質、血液凝固カスケードの性質、実施される検査方法の種類、検査反応のスケールなどに依存する。従って、本発明の実施態様に従う方法において使用される活性剤の具体的な量は、上記要因を検討して決定され、実験的に決定されてもよい。
活性化工程は、測定がタンパク質分解性凝固因子の活性で可能な程度の活性化水準を達成するのに十分な長さのインキュベーション時間を必要とする可能性がある。インキュベーション時間及び他の条件は、活性剤の性質、活性化される成分の性質、血液凝固カスケードの性質、実施される検査の性質などに依存する。従って、本発明の実施態様に従う具体的な方法における継続期間及び他の条件は、上記要因を検討して決定され、実験的に決定されてもよい。活性化は、活性剤と協力して働く追加物質を必要としてもよい。そのような追加物質としては、例えば、タンパク質、緩衝剤、塩、界面活性剤、イオン、還元剤、キレート剤などが挙げられる。
本発明の方法では、薬剤は、タンパク質分解性凝固因子の活性を測定するため、又は血液凝固カスケードの成分の活性、存在及び/又は量を測定するために使用される。薬剤は、活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分、化学発光剤及び増感剤の3つの物質を含む。化学発光剤及び増感剤は、近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関連する。
切断可能部分は、その切断が血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性に関連させることができるなら如何なる部分でもよい。従って、切断可能部分の性質は、測定される血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の性質に依存する。切断可能部分は、合成の物質又は天然の物質であってもよい。切断可能部分は、タンパク質分解性凝固因子によって切断可能な、切断部位の切断が特異的タンパク質分解性凝固因子の存在及び活性に直接関連する切断部位を有する。切断可能部分は、切断可能部分を化学発光剤に結合させる手段、及び切断可能部分を増感剤に結合させる手段を含む。
幾つかの実施態様では、切断可能部分は、反応混合物に添加される合成物質である。幾つかの実施態様では、切断可能部分の切断部位は少なくともペプチドである。即ち、切断部位は主にアミノ酸で構成される。全体の切断可能部分は、ペプチドの部分が切断部位を含むペプチドであればよい。従って、切断可能部分は部分的に又は全部がペプチドであればよい。一方、ペプチドである切断部位は、非ペプチド鎖を含む切断可能部分の一部であってもよく、その非ペプチド鎖は、別の物質、例えば、粒子などと連結する非アミノ酸メンバー、特異的結合対のメンバーなどを含む。ペプチド性の切断部位は、切断可能部位の切断の結果化学発光試薬及び増感剤試薬が近接しないようにすることを第一に考慮して、ペプチド又は非ペプチド鎖内のどの位置に存在してもよい。ペプチドである切断部位の長さは、少なくとも約3モノマー単位(通常、アミノ酸単位)及び約150以下のモノマー単位、又は少なくとも5モノマー単位及び約130以下のモノマー単位である。ペプチド性切断部位を含む非ペプチド鎖の原子の鎖長は、約5〜約5000原子であってもよい。ペプチド性切断部位を含むペプチド鎖の長さは、約5〜約5000モノマー単位であってもよい。
本明細書に使用される語句の「少なくとも」は、特定された事項の数が、挙げられた数と等しいか又はより大きい可能性があることを意味する。本明細書に使用される語句の「約」は、挙げられた数がプラス又はマイナス10%異なる可能性があることを意味し;例えば「約5」とは、4.5〜5.5の範囲を意味する。
切断可能部分は、それ自体血液凝固カスケードの成分であってもよく、例えば、内生的にサンプル中に存在する又は別に試薬として添加される凝固因子又はその一部分であってもよい。その様な切断可能部分の例には、例示の目的であって限定するものではないが、第V因子に存在し又は第V因子で構成され、活性化プロテインC、第Xa因子、トロンビン又はプラスミンによって特異的に切断される部分;トロンビンによって特異的に切断されるフィブリノゲン;第IIa因子(トロンビン)、第Xa因子、又はエカリン若しくはテキスタリンなどのある種のヘビ毒によって切断される第II因子(プロトロンビン);トロンビン又は第Xa因子によって切断される第V因子;トロンビン又はそれぞれ第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子又は第XIIa因子によって切断される第VII因子; トロンビンによって切断される第VIII因子;第VIIa因子又は第XIIa因子によって切断される第IX因子;第VIIa因子又は第IXa因子又はRVVのようなヘビ毒によって切断される第X因子;第XIIa因子、トロンビン又は第XIa因子によって切断される第XI因子;第XIIa因子、カリクレイン、プラスミン又はトリプシンによって切断される第XII因子;トロンビンによって切断される第XIII因子;トロンビンによって切断されるプロテインSなどが挙げられる。
一般に、切断可能部分の長さは、測定されるタンパク質分解性凝固因子の必要配列及び化学発光剤並びに増感剤の性質などに依存する。その長さは、化学発光剤及び増感剤が近接している(即ち、切断可能部分によって一緒に結合している)場合に増感剤によって化学発光剤が励起されて産生されるシグナルが、化学発光剤及び増感剤が近接していない(即ち、切断可能部分によって一緒に結合していない)場合に得られるシグナルと比較して、有意な可測差であるような長さである。これらの薬剤は、以下でより詳細に論じる。
増感剤による化学発光剤の励起は、2つの薬剤が近接している場合に起こり、それは、例えば、数マイクロメートルの距離範囲内、特に600nm未満の距離範囲内、好ましくは200nm未満の距離範囲内である。
反応混合物中では、切断可能部分は化学発光剤若しくは増感剤又はその両者と結合している又は結合する。薬剤が使用できる種々の方法があり、それは本明細書に要約され、以下に詳細に説明される。1つの方法では、切断可能部分が反応混合物に添加される別の試薬に含まれるか、又は切断可能部分がタンパク質分解性凝固因子の天然基質としてサンプル中に含まれるかの何れかである切断可能部分と分析するサンプルが混ぜ合わせられる。化学発光剤は、血液凝固カスケードの成分が活性化された後に添加される。次に、増感剤の試薬が添加される。或いは、化学発光剤及び切断可能部分は(化学発光剤に結合した切断可能部分の単一試薬として、又は切断可能成分がその場で、即ち反応混合物の中で、化学発光剤に結合する2つの試薬として)分析するサンプルと混ぜ合わせてもよく、タンパク質分解性血液凝固因子は、増感剤を添加した後に活性化されてもよい。別の方法では、増感剤及び切断可能部分は(増感剤に結合した切断可能部分の単一試薬として、又は切断可能成分がその場で増感剤に結合する2つの試薬として)分析するサンプルと混ぜ合わせてもよく、タンパク分解性血液凝固因子は化学発光剤を添加した後に活性化されてもよい。別の方法では、化学発光剤、増感剤及び切断可能部分は(切断可能部分が化学発光剤及び増感剤の両者に結合した(予形成された)単一試薬として、又は切断可能成分がその場で化学発光剤及び増感剤に結合する3つの試薬として)分析するサンプルと混ぜ合わされ、次いでタンパク質分解性血液凝固因子が活性化されてもよい。
幾つかの実施態様では、切断可能部分を分析すべきサンプルと混ぜ合わせ、混合物は、もしサンプルにタンパク質分解性凝固因子サンプルが含まれるなら、分析中に(即ち、活性化の後に)切断可能部分が切断されるような条件下でしばらくの間インキュベーションする。切断可能部分は、切断可能部分を化学発光剤に結合させる手段、及び切断可能部分を増感剤に結合させる手段を含む。従って、インキュベーションの後、化学発光剤が混合物に添加され、切断可能部分と結合する、又は、もし切断可能部分が切断されているなら、切断可能部分と化学発光剤を結合させる手段を含む切断可能部分の一部分と結合する。切断可能部分と化学発光剤を別々に添加する方法は、本発明の方法に使用するための種々の異なる切断可能部分の簡易スクリーニングを可能にし、切断部分への活性化プロテアーゼの立体的接近性を良くすることができる。
切断可能部分及び化学発光剤を結合させる手段には、特異的結合対のメンバーが含まれてもよい。特異的結合対のメンバーの1つは切断可能部分に連結し、特異的結合対のもう一方のメンバーは化学発光剤に連結する。特異的結合対(「sbpメンバー」)のメンバーの1つは2つの異なる分子の1つであり、表面又は窪みにもう1つの分子の特定の空間的及び極性的構造と特異的に結合する領域、それ故相補的と定義される領域を有する。特異的結合対のメンバーは、抗原−抗体(モノクローナル抗体を含む)のような免疫学的対のメンバーであればよい。ビオチン−(ストレプト)アビジン、ホルモン−ホルモン受容体、酵素−基質、二重鎖核酸、IgG−プロテインA、DNA・DNA、DNA−RNAのようなポリヌクレオチド対などの他の特異的結合対は免疫学的対ではないけれども、sbpメンバーの範囲に含まれる。
幾つかの実施態様では、切断可能部分又はその一部を化学発光剤に結合させる手段には、切断可能部分上の抗原又はエピトープ部位、及び化学発光剤上の抗原又はエピトープ部位を標的とするsbpメンバーを関与させてもよい。抗原又はエピトープ部位に対するsbpメンバーは、化学発光剤にsbpメンバーが共有結合のような結合で、化学発光剤上に存在してもよい。一方、切断可能部分に対するsbpメンバーの増感剤への結合は、例えば、増感剤が抗ビオチン抗体又はストレプトアビジンのようなビオチンに対する結合パートナーを含んでおり、ビオチンに結合した切断可能部分のエピトープ部位を標的にする抗体のような、1対の異なるsbpメンバーの使用によって達成することができる。
幾つかの実施態様では、サンプルは、既に化学発光剤に結合した切断可能成分と混ぜ合わされる。この方法では、切断可能部分は、共有結合又は非共有結合によって化学発光剤に結合させる。典型的な非共有結合は、上記したようにsbpメンバーの使用である。
幾つかの実施態様では、切断可能部分及び化学発光剤は共有結合で結合されてもよい。結合は直接結合又は連結基によってでもよく、切断可能部分と化学発光試薬は1つ又はそれ以上の共有結合を使って結合される。共有結合の結合過程は、いかなる数の工程から成ってもよい。切断可能部分と化学発光剤を結合する連結基は、連結のための1つ又はそれ以上の官能基を含んでもよい。連結官能基は、水素以外の、通常は炭素、酸素、硫黄、窒素及びリンから成るグループから選択される原子を含むことができる。連結基は、脂肪族又は芳香族であってもよい。ヘテロ原子が存在する場合、酸素は通常、炭素、硫黄、窒素又はリンと結合したオキソ又はオキシとして存在し、窒素は通常、炭素、酸素、硫黄又はリンと結合した通常はニトロ、ニトロソ又はアミノとして存在し;硫黄は酸素と同様であり;リンは、炭素、硫黄、酸素又は窒素と結合するが、通常は、ホスホン酸塩及びリン酸モノ又はジエステルとして存在する。切断可能部分と化学発光試薬の間の共有結合を形成するための一般的な官能基としては、アルキルアミン、アミジン、チオアミド、エーテル、尿素、チオウレア、グアニジン、アゾ、チオエーテル及びカルボキシレート、スルホネート、並びにリン酸エステル、アミド及びチオエステルが挙げられる。各種の連結基は、業界でよく知られており、例えば、Cautrecasas, J. Biol. Chem. (1970) 245:3059 を参照されたい。要素の連結に有用な具体的な連結基としては、ジカルボン酸及び無水物、ポリアミン、ポリアルデヒド、並びに2−イミノチオラン塩酸塩、スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸エステル、m−マレイミドスクシンイミドエステル、N−スクシンイミジル−(4−ヨードアセチル)アミノ安息香酸エステルなどのヘテロ二官能性剤、及び当業者に公知の類似種が挙げられる。
切断可能部分と化学発光剤を連結する連結基の長さは、切断可能部分の長さに関して上記で論じた考慮すべき事項に依存する。連結基は、化学発光剤と増感剤の間の長さ又は距離の全体的な配慮に関して、切断可能部分の一部分と見なしてもよい。
タンパク質分解性凝固因子の活性化の後又は血液凝固カスケードの活性化の後に、化学発光剤が切断可能部分に結合して、又は切断可能部分に結合する手段を含む別の試薬としての何れかで未だ混合物に含まれていない場合、化学発光剤は混合物に追加される。従って、上記に論じられたように、化学発光剤はタンパク質分解性凝固因子又は血液凝固カスケードの活性化の前又は後に添加されてもよい。
前述のように、本発明の方法で使用される薬剤は、また、切断可能部分又はその一部に結合することができる増感剤を含む。従って、切断可能部分は、増感剤に結合する手段を含む。その様な手段には、切断可能部分への化学発光剤の結合について先に論じたように、sbpメンバーの相互作用が含まれる。一般的に、切断可能部分に化学発光剤を結合させる手段及び増感剤を結合させる手段は、切断可能部分の切断部位を挟んだ反対側に存在する。反対側にとは、タンパク質分解性凝固因子による切断部位の切断が、最終的に、切り離された化学発光剤を含む切断可能部分の一部分及び切り離された増感剤を含む切断可能部分の一部分を生じさせ、それによって、化学発光剤と増感剤を近接位置から排除する又は化学発光剤と増感剤が近接しないようにすることを意味する。
幾つかの実施態様では、切断可能部分又はその一部を増感剤に結合させる手段は、切断可能部分上の抗原又はエピトープ部位及び増感剤上の抗原又はエピトープ部位を標的とするsbpメンバーが関与してもよい。抗原又はエピトープ部位に対するsbpメンバーは、sbpメンバーが増感剤と共有結合するような結合によって増感剤上に存在してもよい。一方、切断可能部分に対するsbpメンバーの増感剤への結合は、例えば、増感剤が、例えば、抗ビオチン抗体又はストレプトアビジンなどのビオチンに対する結合パートナーを含み、ビオチンに結合した切断可能部分のエピトープ部位を標的にする抗体のような異なるsbpメンバー対を使用することによって達成することができる。
増感剤は、活性化の結果として化学発光成分を活性化する生成物を産生し、それが入れ替わりに検出可能なシグナルを発生するいかなる部分であってもよい。
多くの実施態様では、増感剤は、活性化時に一重項酸素を発生する能力がある。多くの実施態様では、増感剤は、通常光による励起によって一重項酸素を発生させる光増感剤である。光増感剤としては、光活性化され得る物質(例えば、色素及び芳香族化合物)又は化学活性化され得る物質(例えば、酵素及び金属塩)が挙げられる。光増感剤は、波長帯が約200〜約1100nm、又は約300〜約1000nm、又は約450〜約950nmの波長帯を吸収し、その励起波長における吸収極大の吸光係数が約500M-1cm-1より大きく、又は少なくとも約5000M-1cm-1、又は少なくとも約50,000M-1cm-1で光を吸収しなければならない。光によって励起される光増感剤は、比較的光に対して安定であり、一重項酸素とは効率的に反応しない。
幾つかの構造的特徴が、殆どの有用な光増感剤に存在する。光によって励起される殆どの光増感剤は、堅牢な、しばしば芳香族構造に保持された少なくとも1個、そしてしばしば3個又はそれ以上の共役した二重又は三重結合を有する。それらは、カルボニル若しくはイミン基又は周期律表の3〜6列から選択される重原子、特にヨウ素又は臭素のようなシステム間交差を加速する少なくとも1個の基を含んでもよいし、又はそれらは拡張した芳香族構造を有してもよい。典型的な光増感剤には、アセトン、ベンゾフェノン、9−チオキサントン、エオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、ヘマトポルフィリンのようなメタロポルフィリン、フタロシアニン、クロロフィリス(chlorophylis)、ローズベンガル、バックミンスターフラーレンなど、及びその様な化合物をより親油性又はより親水性にするための、及び/又は、例えば、sbpメンバーに結合する結合基としての置換基を有するこれらの化合物の誘導体が含まれる。利用できる他の光増感剤の例は、米国特許第5,340,716号及び同第6,153,442号に記載されるものであり、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれている。
化学発光剤は、光による直接若しくは活性化された励起、一重項酸素との反応、又は化学的活性化による化学反応を受け、分解と同時又は後に通常約250〜約1200nmの波長域内の光を放出することができる準安定性の反応生成物を形成する化合物を含む。幾つかの実施態様では、化学発光成分は、一重項酸素と反応しジオキセタン又はジオキセタノンを形成する物質を含む。後者は、通常、電子に富んだオレフィン類である。代表的な電子に富んだオレフィンは、エノールエーテル、エナミン、9−アルキリデン−N−アルキルアクリジン、アリールビニルエーテル、ジオキセン、アリールイミダゾール、9−アルキリデンキサンテン、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、及びルシゲニンなどである。他の化合物としては、ルミノール及び他のフタルヒドラジド、並びに光化学的に不安定な保護基で保護されることにより化学発光反応を受けることから保護されている、例えば、ホタルルシフェリン、アクアホリン(aquaphorin)などを含む化学発光化合物が挙げられる。
化学発光化合物は、好ましくは、300nmを越す、好ましくは500nmを越す、そしてより好ましくは550nmを越す波長で発光する。サンプル成分が光吸収に著しく寄与する場合、その領域を超えた波長の光を吸収しそして放出する化合物は、本発明の方法の実施態様において特に有用である。電子に富んだオレフィン類は、一般にオレフィンと共役した電子供与基を有する。より好ましいオレフィンは、室温で急速に(60分未満、好ましくは5分未満、望ましくは30秒未満で)減衰するジオキセタンを生じるものである。ジオキセタンは、発光体単独でも、又は蛍光エネルギー受容体と連結させてもよい。
他の化学発光化合物としては、例えば、ローダミン、臭化エチジウム、5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホニル、作用薬3−(2−チエノイル)−1,1,1−トリフルオロアセトン(TTA)とユーロピウム(Eu)のキレート(Eu(TTA)3)、作用薬2,2’−ジピリジル(bpy)とルテニウム(Ru)のキレート(Ru(bpy)3)のような蛍光色素分子が挙げられる。利用できる他の化学発光化合物の例は、米国特許第5,340,716号及び同第6,153,442号に記載されており、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれている。
多くの実施態様では、化学発光剤及び増感剤はそれぞれ支持体に結合している。本明細書で用いるように、語句の「結合している(associated with)」は、直接結合による又は連結基を介しての何れかによって1つの部分と別の部分との共有結合による結合、直接に又は部分に結合した特異的結合対メンバーによっての何れかによる1つの部分と別の部分の非共役結合による結合、1つの部分を別の部分に溶解又は合成することによる1つの部分の別の部分への合体、又は1つの部分の別の部分への被覆などを含む。
支持体は、透明又は半透明であってよい、有機又は無機の、固体又は液体の水不溶性物質を含んで成ることができる。支持体は、ビーズ及び粒子を含む粒状物質、フィルム、膜、チューブ、ウェル、テープ、棒、例えば板のような平面の表面など、多数の形状のいずれもとることができる。多くの実施態様では、支持体は、用いられる媒体に懸濁可能である。懸濁可能支持体の例は、ラテックスのような高分子材料、脂質二重層又はリポソーム、油滴、細胞及びヒドロゲル、磁性粒子などである。他の担体成分としては、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(酪酸ブチル)などのポリマーが挙げられ、単独で又は他の物質と併せて使用される。
幾つかの実施態様では、粒子が支持体として用いられる。粒子は、少なくとも約0.02μmそして約100μm未満の平均直径を有してよい。幾つかの実施態様において、粒子は、約0.05μm〜約20μmまでの平均直径、又は約0.2μm〜約10μmまでの平均直径を有する。粒子は、有機又は無機の、膨潤性又は非膨潤性の、多孔質又は非多孔質の、中実の又は内部空隙を有する、好ましくは水に近い比重の、一般に約0.7g/mL〜約1.5g/mLの比重の、透明、半透明又は不透明な材料から構成される。粒子は、細胞及び微生物、例えば、赤血球、白血球、リンパ球、ハイブリドーマ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ウイルスなどの生体物質でもよい。粒子は、また、有機及び無機ポリマー、リポソーム、ラテックス粒子、磁性又は非磁性粒子、リン脂質小胞、カイロミクロン、リポ蛋白質などを含んで成る粒子であってもよい。幾つかの実施態様において、粒子は、ラテックス粒子である。
ポリマー粒子は、付加重合体又は縮合重合体で形成されてもよい。粒子は、水性媒体に易分散性であり、直接的に又は連結基を介して間接的にsbpメンバー又は化学発光化合物又は増感化合物への結合が可能なように、吸着性に又は官能性にすることができる。粒子は、また、天然の材料、合成的に修飾された天然の材料及び合成材料由来でもよい。有機ポリマーの中で特に興味あるものは、多糖類であり、特にSepharoseとして市販されているアガロース、Sephadex及びSephacrylとして市販されているデキストラン、セルロース、澱粉などの架橋多糖類;ポリスチレン、ポリビニルアルコール、アクリラート及びメタクリラート誘導体、特に遊離のヒドロキシル官能基を有するエステル及びアミド誘導体のホモポリマー及びコポリマーなどの付加重合体である。
化学発光化合物及び/又は増感剤化合物は、業界に公知のいかなる方法によって固体支持体に結合されてもよい。幾つかの実施態様において、化合物は、固体支持体内に又は固体支持体上の層内に溶解される。幾つかの実施態様において、化合物は、固相に被覆される若しくは直接固相に共有結合される、又は血清アルブミン若しくは免疫グロブリンのようなタンパク質を含むポリアミノ酸、又は、例えば、デキストラン若しくはデキストラン誘導体のようなポリサッカライド(炭水化物)、又はアルデヒド若しくはジアルデヒドなどの1つ又はそれ以上の担体分子の層を有してもよい。連結基はまた、固体支持と化合物を共有結合で結合させるために使用されてもよい。化合物を結合させる他の方法も、また、可能性がある。例えば、固体支持体は、例えば、(ストレプト)アビジン、抗体のような小分子のための接着剤の被膜を有し、そしてビオチン、ハプテンのような小分子を化合物に結合させることができる。又はその逆も同様である。支持体表面への化合物の結合は、直接又は間接、共有結合又は非共有結合であってもよく、一般に、文献から得ることができる周知の技術によって達成することができる。例えば、Cautrecasas J. Biol. Chem., 245:3059 (1970) を参照されたい。
試薬システムの様々な試薬の濃度は、一般に血液凝固カスケードの興味ある成分の濃度範囲などによって決定される。しかし、それぞれの試薬の最終的な濃度は、通常は、目的とする範囲にわたってアッセイ感度を最適化するために実験的に決定される。即ち、被検物質の濃度の有意な変動は、正確に測定可能なシグナルの差を提供しなければならない。様々な試薬の濃度は、通常、使用される薬剤の性質及び血液凝固カスケードの成分の性質などを考慮して決定される。
使用される薬剤の機能は、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上の成分の存在及び/又は量及び/又は活性を測定することに関連するタンパク質分解性凝固因子の活性の分析を支援することである。前述のように、タンパク質分解性凝固因子の直接的な又は間接的な活性化が薬剤に及ぼす影響は、タンパク質分解性凝固因子の活性を測定することによって評価し、それは別の特定のタンパク質分解性凝固因子又は補因子の存在及び/又は量及び/又は活性に関連付けることができる。もし特定のタンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上の成分が存在しないか又は活性化されない場合、切断可能部分の切断は、タンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす補因子の性質に依存して阻害されるか、又は活性化されるかの何れかである。組み合わせを含む反応混合物は、切断可能部分の切断部位の違う側に結合された化学発光剤及び増感剤を含んでいる。未知サンプルで得られるシグナルは、血液凝固カスケードの成分の欠損が知られているサンプルで得られるシグナル(コントロール)と比較し、シグナル量の差を、未知サンプル中のその成分の存在及び/又は量及び/又は活性に関連付ける。おおむね、化学発光化合物からのシグナル量は、活性化タンパク質分解性凝固因子の切断活性に逆比例する。
試薬システムの全ての試薬を反応混合物に添加した後、そして切断部位の切断及び他の過程のために必要な適切なインキュベーション時間の後、増感剤を活性化させるために反応混合物を処理する。増感剤の活性化は、増感剤の性質に依存する。増感剤の活性化には、光、熱、化学物質などを適用してもよい。光によって活性化される増感剤に対しては、反応混合物に光が照射される。
タンパク質分解性凝固因子又は血液凝固カスケードの成分を測定することによって、成分の定量的、半定量的及び定性的な検出又は成分の活性に言及する。成分の測定法は、定量的、半定量的及び定性的であればよい。用語の「検出する」及び「測定する」、並びに他の一般的な測定の類義語は、本発明の範囲に入るものとする。
血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の測定は、前記試薬とサンプルの混ぜ合わせを含む反応混合物からのシグナルの検出に関連する。シグナルの存在及び/又は量は、サンプル中の成分の存在及び/又は量及び/又は活性に関連する。特定の検出の様式は、増感剤と化学発光剤の性質に依存する。前述のように、多くの実施態様において、化学発光化合物からのシグナルの量は、活性化タンパク質分解性凝固因子の切断活性に逆比例する。
シグナルの存在及び/又は量の試験は、一般にシグナルを読み取る工程であるシグナルの検出を含む。シグナルは、通常機器を使用して読み取られ、その種類はシグナルの性質に依存する。計器は、分光光度計、蛍光光度計、吸光度計、ルミノメータ、ケミルミノメータ(chemiluminometer)、光量計、写真撮影装置などであればよい。検出されるシグナルの存在及び量は、サンプル中に存在している成分の存在、量及び活性に関連している。測定中の温度は、一般に約10℃〜約70℃、又は約20℃〜約45℃、又は約20℃〜約25℃の範囲である。1つの方法では、分析される濃度既知の成分を用いて標準曲線が作られる。先に論じたように、キャリブレータ及び他のコントロールもまた使用することができる。
光増感剤が使用される場合、上記の反応物質を含む反応混合物が照射されると、光増感剤は化学発光剤を活性化させる働きをする。反応混合物には、光増感剤を励起状態に変換するのに十分なエネルギーの波長を有する光線が照射され、そして分子状酸素を一重項酸素に活性化するのを可能にする。光増感剤の濃度は低く、約10-6〜約10-12M又はそれ以下であってもよい。一般に、光増感剤に関する上記実施態様については、反応混合物は、約300〜約1200nm、又は約450〜約950、又は約550〜約800nmの波長を有する光線で照射される。その結果生じるシグナルは、約550〜約800nm、又は約600〜約700nmの波長で、又は幾つかの実施態様では、約612nmの波長で測定される。このシグナルの量は、サンプル中の血液凝固カスケードの成分の存在及び/又は量及び/又は活性に関連している。
照射時間は、活性化された化学発光剤の寿命、光量及び求められる発光強度に依存する。寿命が短い活性化化学発光剤については、時間は1秒未満、通常約1ミリ秒でよいが、強力なフラッシュランプ又はレーザーが使用される場合はマイクロ秒と同じ位短くてもよい。長寿命の活性化化学発光剤については、照射の時間はより長くてもよく、低光量の安定光源を使用することができる。一般的に、照射の期間の積分光量は、光増感剤分子の少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは全ての光増感剤分子を、少なくとも1回励起するのに十分でなければならない。
上記の任意の方法で作られる発光又は光は、視覚的に、写真的に、光量計的に、分光学的に、又はその量を決定するいかなる他の便利な手段によって測定することができ、それは媒体内の被検物質の量に関連している。
ヘリウム−ネオンレーザーは、632.6nmでの励起のための安価な光源である。この波長の光を吸収する光増感剤はヘリウム−ネオンレーザーの輝線に適合しており、それ故、光増感剤が用いられる本発明の方法において特に有用である。他の光源としては、例えば、アルゴン、YAG、He/Cd 及びルビーなどの他のレーザー;フォトダイオード;水銀、ナトリウム及びキセノン蒸気ランプ;タングステン及びタングステン/ハロゲンのような白熱灯;及びフラッシュランプが挙げられる。
アッセイの具体的な実施態様
血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上の成分を分析する方法の以下の具体的な実施態様は、説明のためであり限定するために提供するものではない。
本発明の方法の1つの実施態様では(図1を参照)、切断可能部分が1つの末端にエピトープを、そしてもう一方の末端にビオチン(B)分子を含むペプチドである。ペプチドは、凝固因子中の1つのセリンプロテアーゼに対する切断部位を含む。ペプチドは、患者の全血サンプル又は血漿サンプルとインキュベートする。(ペプチドは、また、直接化学発光剤に結合されてもよく、その場合エピトープ結合対は必要ない。)凝固は、次に、外因性又は内因性経路の活性化因子によって又は単一の因子の活性剤によって(例えば、バトロキソビンによって)開始される。直接的に又は間接的に活性化された凝固因子は、次にペプチドを切断することができる。切断した後、ペプチドが直接化学発光剤に結合されていない場合、化学発光剤が添加される。化学発光剤は、化学発光化合物が溶け込んだ粒子(ケミビーズ)であり;その表面は、切断部位の1つの側に位置するペプチドのエピトープに対する抗体で被覆されている。増感剤が媒体に添加される。増感剤は、光増感剤が溶解された粒子(センシビーズ)であり、その表面には、切断部位のもう一方の側に位置するペプチドのビオチン(B)標識に対する結合パートナー、例えば、ストレプトアビジンが結合される。光増感剤を活性化するために、媒体は680nmで照射される。その結果生じるシグナルは、それぞれの凝固因子の活性に逆比例する。その理由は、強力なシグナル(化学発光剤と光増感剤が近接している)はペプチドが切断されないことを示し、従って、活性化された因子がないことを示す;これに対し、弱いシグナル(化学発光剤と光増感剤が近接していない)はペプチドが切断されたことを示し、従って、活性化されたタンパク質分解性凝固因子の存在又は活性を示すためである。シグナルは、因子それ自体(因子が直接活性化される場合)の濃度又は生化学的活性によって、或いは特定のタンパク質分解性凝固因子の活性に影響する1つ又はそれ以上の成分、例えば、(特定のタンパク質分解性凝固因子の上流に作用する経路又は凝固因子が活性化される場合)血液凝固カスケードの上流の凝固因子の濃度又は生化学的活性によって測定される。血液凝固カスケードの凝固因子の生化学的活性は、遺伝子変化、後天的合成阻害、治療薬剤、阻害性抗体、必要な補因子の欠如などにより影響が出易く、記載した方法の診断及び治療モニタリングの両方への使用を可能にする。本発明の方法の好ましい実施態様では、活性化タンパク質分解性凝固因子の活性は、患者サンプル中の1つ又はそれ以上の治療用抗凝固剤の存在及び/又は量を示す。本発明の方法は、例えば、患者のサンプルを、プロトロンビンを活性化する、例えば、エカリンのような活性剤、及び切断可能部分の切断が活性化プロトロンビンのタンパク質分解的に活性なメイゾトロンビン又はトロンビンのような産物の活性に関連させることができる切断可能部分を混ぜ合わせることによって、例えば、ヒルジン、アルガトロバン又はメラガトランなどの直接的トロンビン阻害剤の測定が可能である。サンプル中に直接的なトロンビン阻害剤が存在すれば、活性化プロトロンビンのタンパク質分解的に活性な産物の活性は阻害され、切断可能部分の切断は減少する。
本発明の方法の別の実施態様では、セリンプロテアーゼ及び非セリンプロテアーゼ凝固因子の両者の活性が測定できる。ペプチド(例えば、第Xa因子又はトロンビン特異的切断部位を備えている)は、それぞれの経路の定量化する凝固因子の下流(血液凝固カスケードで)のセリンプロテアーゼに応答する。ペプチドは、最初、定量化する凝固因子が欠如した血漿又は全血サンプル、プラス定量化する未知量の凝固因子を含む患者サンプルとインキュベートする。凝固は、次に外因性若しくは内因性経路の又は単一因子の活性化因子によって(例えば、ラッセルクサリヘビ毒、RVVによって)開始される。それぞれの凝固経路は、定量化する凝固因子が患者のサンプルに存在する場合のみ活性化され、そして、活性化の量は患者のサンプル中のそれぞれ凝固因子の生化学的活性に直接的に比例する。ペプチドの切断の後、もしレポーターペプチドが直接ケミビーズ(上記の如き)に結合していない場合、ペプチドのエピトープに対する抗体で被覆されたケミビーズを添加する。センシビーズ(上記の如き)は、もしケミビーズに直接添加されていない場合、その後に添加し、そして媒体に波長680nmの光を照射する。生じるシグナルを測定し、定量化する凝固因子に関連付ける。
出血性疾患の疑いのある患者の最初の診断検査は、通常いわゆるグローバル凝固検査のaPTT及びPTによって行われる。また、これらの検査は抗凝固薬療法のモニタリングにも使用される。aPTTは、主に内因性経路の因子の欠損の検出及びヘパリン療法のモニタリングに使用されるが、PTは、外因性経路の因子の欠損の検出及びビタミンKアンタゴニスト療法のモニタリングに使用される。aPTT及びPTの両者は、定量すべき凝固因子が欠如した血漿、プラス定量すべき凝固因子の未知量を含む患者のサンプルを混合することによって、単一因子の欠損の検出にも使用することができる。従って、本発明の方法の実施態様は、それぞれの凝固カスケードの結果としてのシグナル減少の測定に使用することができ、それは古典的aPTT及びPT方法で用いられている凝塊形成に至るまでの時間に関連させることができる。
既知のaPTT反応では、凝固は、内因性経路の活性化、即ち、エラグ酸又はカオリン及びリン脂質並びにカルシウムイオンの混合物の添加によって患者サンプル中で開始される。その後、生成したトロンビンがフィブリノゲンを十分目視可能なフィブリン凝塊に変換してしまうまでの時間が測定される。この既知の方法は、同様に高検体量を必要とする比較的感度の低い検出方法である。本発明の方法は、これらの既知の方法の欠陥を回避する。本発明の方法の幾つかの実施態様では、既知のaPTT法のレポーター分子のフィブリノゲンは、第XIII因子のような天然のトロンビン基質から誘導されるトロンビン感受性ペプチド断片で置き換えられ、ペプチド切断は化学発光剤及び増感剤を含む検出系を使うことによって検出される。本発明の方法の別の実施態様では、特異的なタンパク質分解性凝固因子の天然の基質、例えば、患者のサンプルに含まれる第XIII因子のようなトロンビン基質が切断可能部分として使用され、天然の基質の切断は、第XIII因子のような天然の基質の切断部位の違う側に結合することができる化学発光剤及び増感剤を含む検出系を使うことによって検出される。
幾つかの実施態様においては、特定のタンパク質分解性凝固因子を直接活性化するために活性剤が使用され、切断可能部分は特定のタンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有し、そして特定のタンパク質分解性凝固因子の活性が測定される。幾つかの実施態様では、活性剤が血液凝固カスケード又はその一部を活性化するために使用され、切断可能部分は血液凝固カスケードの下流にあるタンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有し、そして下流のタンパク質分解性凝固因子より上流にある1つ又はそれ以上の血液凝固因子の活性が測定される。幾つかの実施態様では、切断可能部分は血液凝固カスケードの下流にあるタンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有し、サンプルは下流のタンパク質分解性凝固因子より上流にある特定の凝固因子の含有が疑われ、組合せは更に特定の凝固因子が欠如した既知サンプルを含み、そして特定の凝固因子の活性は、下流のタンパク質分解性凝固因子の活性の測定によって決定される。
本発明の実施態様に従った特定の方法を実施するための試薬は、血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を分析するためのアッセイを都合よく実施するのに有用なキットに含めることができる。1つの実施態様では、キットは、パッケージされた組み合わせ中にa)血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接又は間接的に活性化するための活性剤、b)化学発光剤、及びc)増感剤を含む。別の実施態様では、キットは、更に切断可能部分を含む。薬剤は別々の物質として、又は、例えば、化学発光剤が切断可能部分に結合した試薬のような結合試薬として提供されてもよい。試薬は各々別の容器に入れてもよく、又は、試薬の交叉感受性及び安定性によって、様々な試薬を1個又はそれ以上の容器に混合させることができる。キットは、更に特定の方法を実施するための個々に包装された試薬を含んでもよい。
キット中の各種試薬の相対量は、本発明の方法の間に超こる必要のある反応を実質的に最適化する試薬濃度を提供するため、更に、アッセイの感度を実質的に最適化するために、広く変動してもよい。適切な状況のもとでは、キット中の1つ又はそれ以上の試薬は、通常は凍結乾燥された、賦形剤を含む乾燥粉末としてキットに提供することができ、それは、溶解した際、本発明の方法による方法又はアッセイを行うために適当な濃度の試薬溶液を提供する。キットには、更に、上記に示す本発明による方法の書面による明細を含めることができる。
前述のように、本発明の別の実施態様は、物質の、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子に対する活性化特性又は阻害特性を評価する方法である。反応混合物には、1つの組み合わせが提供される。その組み合わせは、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子を含むサンプル、及び検査すべき物質を含む。切断可能部分を含む試薬システムに及ぼす組み合わせの効果が評価される。切断可能部分は、血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有し、切断可能部分は化学発光剤又は増感剤又は両者に結合している又は結合する。化学発光剤及び増感剤は、近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関連している。切断可能部分の切断の程度である効果は、血液凝固カスケードの1つ又はそれ以上のタンパク質分解性凝固因子に及ぼす物質の活性化特性又は阻害特性に関連する。上記の方法は、上記に議論された変形の全てを含むタンパク質分解性凝固因子の活性の上記の分析方法に類似した方法で実施することができる。
タンパク質分解性凝固因子の活性化又は阻害について試験する物質は、合成物質又は天然の物質、又は合成的に改変された天然の物質であればよい。その物質は、例えば、ダビガトラン又はアルガトロバンなどの低分子トロンビン阻害剤、フォンダパリヌクスのようなヘパリン又はヘパリン誘導体、例えば、ダナパロイドのような第Xa因子阻害剤、ヒルジン又はその誘導体、ヘビ毒、例えば、アンチトロンビンIII又はC1エステラーゼ阻害剤のような生理学的阻害剤、薬学的な活性化合物及びその誘導体、tPA又はストレプターゼ、例えば、プロトロンビン複合体又は第VIII因子濃縮製剤の様な血漿因子濃縮製剤、酵素、タンパク質、阻害抗体、イオンなどである。
以下の実施例は、更に本発明の方法の特定の実施態様を、限定ではなく説明の目的で更に記載するが、それらは、本発明の方法の範囲を記載するものであって限定することを意図するものではない。他に表示がないかぎり、本明細書に開示される部及びパーセンテージは容量基準である。
全ての化学物質は、特に断りのない限りSigma-Aldrich社(St. Louis MO)から購入した。
以下のペプチドは、標準的なFmoc化学を用いて合成した。N末端のFLAG配列DYKDDDDK及びヒト第XIII因子由来のトロンビン感受性配列KLVPRGF、そして以下に示すスペーサー基によってビオチンに連結したC末端のグリシン残基から成るペプチドで構成された切断可能部分。全体の配列は次の通りであった:DYKDDDDKLVPRGFG−NHCH2−CH2−NH−ビオチン。
化学発光剤は、本明細書でケミビーズ(Chemibead)と呼ばれる粒子試薬であり、米国特許第6,153,442号及び米国特許出願第20050118727A号に記載された方法に類似した方法で製造されたもので、その関連する開示内容は、参照することによって本明細書に組み込まれている。ケミビーズは、アミノデキストラン内部層及び遊離のアルデヒド官能基を有するデキサル(dexal)外部層を含んでいる。デキサルは、デキストランアルデヒドである;例えば、米国特許第5,929,049号及び同第7,172,906号を参照。この反応は、温度が約0〜約40℃、時間が約16〜約64時間、pHが約5.5〜約7.0、又は約6で、例えば、MESなどの好適な緩衝剤を用いた緩衝水性媒体中で行われる。反応は、例えば、カルボキシメトキシオキシム(CMO)のような好適な消光剤の添加及びそれに続く粒子の洗浄によってクエンチした。化学発光化合物は、2−(4−(N,N,ジ−テトラデシル)−アニリノ−3−フェニルチオキセンであった。
抗FLAGモノクローナル抗体M2(Sigma, St. Louis)に結合したケミビーズ(本明細書ではケミビーズ試薬と呼ばれる)は、以下の手順に従って製造した: 抗体を、G25カラムを使用して緩衝液(NaCl(300mM)、リン酸塩(10mM)、pH7.0)に透析した。その後、TWEEN 20(登録商標)界面活性剤を0.05%の濃度で添加し、抗体を攪拌細胞濃縮器で20mg/mLに濃縮した。次に、抗体(2mg)をケミビーズ(20mg)に添加し、NaCNBH3(25mg/mL)の添加によって共有結合を形成した。インキュベーション工程及び反応のクエンチの後、結合したケミビーズは、ダイアフィルトレーション(diafiltration)を用いて精製し、HEPES(50mM)、NaCl(300mM)、EDTA(1mM)、TRITON(登録商標)X405(0.1%)、BSA(1mg/mL)、PROCLIN(登録商標)300(0.15%)、硫酸ネオマイシン(0.1mg/mL)、pH8.0中で保存した。
増感剤は、本明細書でセンシビーズ(Sensibead)試薬と呼ばれる粒子試薬であり、米国特許第6,153,442号及び米国特許出願第20050118727A号に記載された方法に類似した方法で製造された。これらの特許文献の開示内容は、参照することによって本明細書に組み込まれている。光増感剤は、ビス−(トリヘキシル)−シリコン−t−ブチル-フタロシアニンであった。
〔実施例1〕
前記のように製造したトロンビン感受性ペプチドは、水に0〜1000ng/mLの濃度で溶解した。ケミビーズ試薬は100μg/mLに、センシビーズ試薬は500μg/mLになるように、HEPES(50mM)、NaCl(300mM)、EDTA(1mM)、Triton X(登録商標) 405(0.1%)、BSA(1mg/mL)、Proclin(登録商標)300(0.15%)、硫酸ネオマイシン(0.1mg/mL)を含むpH8.0の緩衝液で希釈した。標準ヒト血漿(SHP)及び因子欠損血漿はSiemens Healthcare Diagnostics Products GmbH(Marburg, Germany)のものを使用し、製造元の指示に従って調製した。血漿サンプルは、0.9%NaClで実験する直前に手動で希釈した。組換え組織因子基準PT試薬INNOVIN(登録商標)(Siemens Healthcare Diagnostics Products GmbH)は、製造元の指示に従って水で再構成した。一部の実験では、凝固阻害ペプチド(3mg/mL)(Bachem, Bubendorf, Switzerland)をINNOVIN(登録商標)試薬に添加した。
検査のために、血漿サンプル(10μL)、ペプチド(10μL)及びINNOVIN(登録商標)(10μL)を混ぜ合わせ、37℃で7分間インキュベートした。ケミビーズ試薬(10μL)を添加し、続いて37℃で3分間インキュベートした。その後、センシビーズ試薬(10μL)を添加し、反応液を37℃で更に6分間インキュベートした。次いで、反応容器を蒸留水で満たして250μLとし、680nmで照射した。化学発光シグナルは、市販の光検出器(DIMENSION VISTA(登録商標)、Siemens Healthcare Diagnostics Inc., Deerfield, Illinoisから購入)を使用し、612nmで100ms間測定した。
最初の実験で、ペプチドの最適濃度を決定した。幾つかの濃度を試験した(表1を参照、シグナルはkcountsで表示)。本発明の方法の概念と一致して、NaCl(0.9%)を用いて実施したコントロールと比較して、強力なシグナル(=外因性経路の活性)の減少が、1%SHP(=血漿0.1μL)という少量の試験においてすでに観察された。125ng/mLのペプチドを用いた時、試験の感度は最高であったけれども、1000ng/mLのペプチドは、全体として最も強いシグナルを与え、以降の試験に採用した。グラフ表現をしたデータを図2に示す。
Figure 0005513828
SHP−依存性のシグナル減少が、外因性経路の活性化によって引き起こされたのか否かを試験するために、単一成分が脱落したコントロール実験を行った。これらの試験は、シグナルの減少がSHP(外因性経路の成分を含有)及びINNOVIN(登録商標)(外因性経路の活性化物質である)の両者に依存し、そしてシグナルがペプチドに依存することを実証した(表2を参照、シグナルはkcountsで表示)。凝固阻害ペプチドは必ずしも必要ではなく、このことは希釈血漿サンプルの凝固は起こらなかったか、又はシグナル反応に影響しなかったことを示した。
Figure 0005513828
以下の試験により、検査システムのシグナルの減少は、外因性経路の凝固因子の欠損を検出するために使用できることが決定された。血漿サンプル中の第VII因子、第X因子又はプロトロンビンの各々の欠損は、外因性経路の全ての成分を含むSHPと比較した場合、トロンビン感受性ペプチドの切断の減少をもたらした。逆に、両者共に内因性経路の成分である第VIII因子又は第IX因子の欠損は、殆ど又は全くペプチドの切断に影響を及ぼさなかった。
図3に示すように、1:5希釈の血漿で得られた実験データは、上記を裏付けた。SHPを用いたコントロール反応との比較では、第VII因子、第X因子又はプロトロンビンの各々の欠損血漿サンプルで試験した場合、シグナルはより高かった。対照的に、両者共に外因性経路の成分ではない第VIII因子又は第IX因子の欠損した血漿サンプルは、SHPに匹敵するシグナルレベルを示した。これらのデータは、検査システムが外因性経路の因子の欠損を検出するためのグローバル凝固検査(スクリーニング)として用いることができることを示す。古典的PT反応と対照的に、1/10に満たないサンプル体積であればよく、それは高サンプル量に伴う問題(HILサンプル、高サンプル消費のため、全血アッセイが可能にならない)を軽減する。
〔実施例2〕
上記のように製造したトロンビン感受性ペプチドを水に溶解し、0〜1000ng/mLとした。ケミビーズ試薬は100μg/mLに、センシビーズ試薬は500μg/mLになるように、HEPES(50mM)、NaCl(300mM)、EDTA(1mM)、Triton X(登録商標)405(0.1%)、BSA(1mg/mL)、Proclin(登録商標)300(0.15%)、硫酸ネオマイシン(0.1mg/mL)を含むpH8.0の緩衝液で希釈した。標準ヒト血漿(SHP)及び因子欠損血漿はSiemens Healthcare Diagnostics Products GmbHから入手したものを使用し、製造元の指示に従って調製した。血漿サンプルは、0.9%NaClで実験する直前に手動で希釈した。リン脂質及び二酸化ケイ素活性剤を含むaPTT試薬Pathromtin SL(登録商標)(Siemens Healthcare Diagnostics Products GmbH)は製造元の指示に従って調製し、凝固阻害ペプチド(Bachem)(3mg/mL)を補充した。
検査のために、血漿サンプル(10μL)、Pathromtin SL(登録商標)(10μL)を混ぜ合わせ、37℃で7分間インキュベートした。CaCl2(50mM、10μL)及び抗FLAG結合ケミビーズ試薬(20μL)を添加し、続いて37℃で3分間インキュベートした。その後、センシビーズ試薬(20μL)を添加し、反応液を37℃で更に6分間インキュベートした。次いで、反応容器に蒸留水を満たし、680nmを照射した。化学発光シグナルは、100ms間測定した。
最初の実験で、ペプチドの最適濃度を決定した。2つの濃度を試験した(表3を参照、シグナルはkcountsで表示)。本発明の実施態様と一致して、NaCl(0.9%)を用いて実施したコントロールと対比して、強力なシグナル(=外因性経路の活性)の減少が観察された。1000ng/mLのペプチドは、全体として最も強いシグナルを与え、以降の試験に採用した。
Figure 0005513828
以下の実験で、本実施態様の検査システムのシグナル減少は、内因性経路における凝固因子の欠損を検出するために使用できることが示された。血漿サンプル中の第VIII因子、第XI因子、第X因子、第XI因子又はトロンビンの各々の欠損は、外因性経路の全ての成分を含むSHPと比較した場合、ペプチドの切断の減少をもたらした。反対に、第VII因子の欠損は、ペプチドの切断には殆ど又は全く影響しない筈である。
図4に示すように、血漿希釈液で得られた実験データは、上記の結果を示した。SHP又は第VII因子欠損血漿を使ったコントロール反応との比較では、第VIII因子、第XI因子、第X因子、第XI因子又はトロンビンの各欠損血漿サンプルを試験した場合、シグナルはより高く、これらの因子がペプチドの切断に必要であることを意味した。このアッセイは、内因性経路に関与する因子の欠損を良好に検出した。
従来のPT及びaPTTで得られた結果と、本発明の方法に従った上記のアッセイで得られた前記ペプチドの切断率の結果の比較を可能にするためには、同じ試薬で行う本アッセイ及び従来のアッセイは、標準ヒト血漿のような正常血漿プールの希釈液を用いて測定される。各希釈液について、各々の化学発光シグナル及び凝固時間を相関させる。この様にして検量曲線を作製し、それにより凝固時間を化学発光シグナルに相関させる。本発明の方法の実施態様の1つで測定される未知サンプルは、従って、それぞれの従来方法と相関させることができる。
〔実施例3〕
上記のように製造したトロンビン感受性ペプチドを、蒸留水に1μg/mLの濃度に溶解した。上記のケミビーズ試薬は100μg/mLに、上記のセンシビーズ試薬は500μg/mLになるように、HEPES(50mM)、NaCl(300mM)、EDTA(1mM)、Triton X(登録商標)405(0.1%)、BSA(1mg/mL)、Proclin(登録商標)300(0.15%)、硫酸ネオマイシン(0.1mg/mL)を含むpH8.0の緩衝液で希釈した。標準ヒト血漿(SHP)はSiemens Healthcare Diagnostics Products GmbHから入手したものを使用し、製造元の指示に従って調製した。血漿サンプルは、0.9%NaClで実験する直前に手動で希釈した。ヘビ毒のエカリン(Ecarin)は、Pentapharm(Basel, Switzerland)から購入し、メーカーの指示に従って調製した。直接トロンビン阻害剤のヒルジン(RefludanとしてPharmionから購入)及びメラガトラン(Astra Zenecaから購入)はメーカーの指示に従って調製した。
試験方法については、希釈血漿サンプル(10μL)及びエカリン(0.6〜2U/mL、10μL)を混ぜ合わせ、37℃で7分間インキュベートした。抗FLAG結合ケミビーズ試薬及(20μL)びセンシビーズ試薬(10μL)を添加し、反応液を7℃で更に6分間インキュベートした。次いで、反応混合物に蒸留水を満たし、680nmで照射した。化学発光シグナルは100ms間測定した。
最初の実験で、トロンビン阻害剤の標準ヒト血漿への直接添加が化学発光シグナルに及ぼす影響を、上記の試験設定で測定した。SHPサンプルに異なる量のヒルジン又はメラガトランを添加し、1:4希釈(0.9%NaClで稀釈)として上記の試験設定で試験した。図5に示すように、メラガトラン又はヒルジンの治療上必要な濃度での存在は、濃度依存的なペプチドの切断を減少させ、それぞれの阻害剤を含まないSHPサンプルと比較すると、より高い化学発光シグナルを生じさせた。従って、本アッセイは、直接的なトロンビン阻害剤の存在を検出することができる。
血漿サンプル中の直接的トロンビン阻害剤の濃度を定量的に測定できるようにするために、SHPの希釈液を用いて上記のアッセイを行った。プロトロンビンの活性化は、0.6U/mLに希釈したエカリンで行った。典型的な基準曲線を図6に示す。無希釈SHPのトロンビン活性を、任意に100%に設定した。ヒルジン(0.1μg/mL又は1μg/mL)を添加したSHPサンプルを、次に同じ設定で試験した。次いで、添加したサンプルの化学発光シグナルを基準曲線のそれぞれの値に対比させることによって、添加したサンプルにトロンビン活性値が与えられる。治療的必要量以下の濃度のヒルジン(0.1μg/mL)を添加したサンプルでは、445kcountsが測定され、これは添加しないサンプルの100%と対比すると、79.5%の残存トロンビン活性に相当した。治療的必要量の濃度のヒルジン(1μg/mL)を添加したサンプルでは、914kcountsが測定され、これは添加しないサンプルの100%と対比すると、32.3%の残存トロンビン活性に相当した。従って、直接的トロンビン阻害剤のヒルジンの濃度は、本発明の方法によって定量化することができる。
本明細書で引用する全ての刊行物及び特許出願は、それぞれの刊行物又は特許出願が参照することによって取り込まれるように具体的にそして個別に示唆されているように、参照することによって本明細書に取り込まれている。
上記の発明は、明瞭に理解することを目的に、説明図及び実施例によっていくらか詳細に記載されているが、本発明の教示を踏まえ、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲を逸脱することなしに或る程度の変更及び修正をそれに加えることができることは、当業者には容易に明白である。更に、本発明の十分な理解を得るために、上記の記述には、説明のため、特定の名称を使用した。しかし、本発明を実施するためには、特定の詳細事項は必要でないことは、当業者には明白である。このように、本発明の具体的な実施態様の上記の記述は、説明及び記述のために提供されるものであり、網羅的であることを又は本発明を開示された通りの形態に限定することを意図するものではない。上記の教示の観点から、多くの修正及び変更が可能である。実施態様は、本発明の原理及び実際の適用を説明するために、そしてそれによって本発明を他の当業者が利用できるようにするために、選択し記載した。

Claims (19)

  1. サンプル中の血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を測定する方法であって、
    (a)反応混合物に、
    (i)サンプル、及び
    (ii)血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接的に又は間接的に活性化するための活性剤、
    (iii)活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分であって、その切断可能部分は、化学発光剤及び増感剤の両者と結合しており又は結合することができるものであり、
    (iv)化学発光剤、及び
    (v)増感剤、
    ここで、化学発光剤と増感剤は、近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関係する、
    を組み合わせて用意すること;
    (b)化学発光シグナルを測定し、シグナルを血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性と関連付けること;
    を含む方法。
  2. 切断可能部分が反応混合物に加える別の試薬に含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 切断可能部分が別の試薬内の化学発光剤及び/又は増感剤に結合する、請求項2に記載の方法。
  4. 切断可能部分が3〜150のモノマー単位の長さのペプチドを含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 切断可能部分が、サンプルに含まれ且つ反応混合物において化学発光剤及び増感剤に結合する、活性化タンパク質分解性凝固因子の天然基質である、請求項1に記載の方法。
  6. サンプルが全血又は血漿である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 増感剤が、照射されると一重項酸素を発生しそして一重項酸素が化学発光剤を励起する光増感剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 化学発光剤が化学発光化合物を結合した粒子を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 増感剤が増感剤化合物を結合した粒子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 化学発光シグナルが活性化タンパク質分解性凝固因子の活性に逆比例する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. タンパク質分解性凝固因子が第II因子、第VII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子及びプロテインCを含むグループから選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. タンパク質分解性凝固因子を直接的又は間接的に活性化するための活性剤が、トロンボプラスチン、第IIa因子、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第XIa因子、第XIIa因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負に荷電したリン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン、エラグ酸及びセライトを含むグループから選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. タンパク質分解性凝固因子の活性が、サンプル中の分析すべきタンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす1つ又はそれ以上の成分の存在又は活性を示す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 更に、測定するタンパク質分解性凝固因子の活性に影響を及ぼす単一成分が欠損した血漿又は全血が反応混合物に添加され、且つ、測定すべきタンパク質分解性凝固因子の活性がサンプル中の上記の単一成分を示す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 活性化タンパク質分解性凝固因子の活性が、血液凝固カスケードの内因性経路の機能性を示す、請求項1に記載の方法。
  16. 活性化タンパク質分解性凝固因子の活性が、血液凝固カスケードの外因性経路の機能性を示す、請求項1に記載の方法。
  17. 活性化タンパク質分解性凝固因子の活性が、1つ又はそれ以上の治療的抗凝固剤の存在を示す、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法に使用するためのキットであって、以下の成分:
    a)血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接的又は間接的に活性化するための活性剤、
    b)化学発光剤、
    c)増感剤、及び
    d)活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分であって、化学発光剤を結合させる手段及び増感剤を結合させる手段を有する切断可能部分
    を含むキット。
  19. サンプル中の血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性を測定する方法であって、
    (a)反応混合物に、
    (i)サンプル、及び
    (ii)血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子を直接的に又は間接的に活性化するための活性剤、及び
    (iii)活性化タンパク質分解性凝固因子によって切断される切断部位を有する切断可能部分であって、その切断可能部分は、化学発光剤及び増感剤の両者と結合しているものであり、
    ここで、化学発光剤と増感剤は、近接している場合、増感剤の活性化が化学発光剤を励起させることに関係する、
    を組み合わせて用意すること;
    (b)化学発光シグナルを測定し、シグナルを血液凝固カスケードのタンパク質分解性凝固因子の活性と関連付けること;
    を含む方法。
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