JP5512907B1 - 混合気拡散用アダプタ、ピストンおよび2サイクルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】未燃混合気の異常発火を好適に回避すると共に燃費の向上を図り、かつ十分な動力を得る。
【解決手段】2サイクルエンジン1のピストン本体11と同径の円柱状に形成されてピストン本体11における燃焼室側端面F1に装着可能に構成されると共に、2サイクルエンジン1のシリンダブロック3(シリンダ)に開口された送気孔H1から混合気を導入可能に送気孔H1の開口位置に対応して周面Fbに開口された導入用開口部Haと、導入用開口部Haから導入された混合気をピストン本体11の往復動方向に沿って燃焼室S2に排出可能に燃焼室側端面F1に接する一面(当接面Fa)とは逆側の一面(燃焼室側端面Fc)に開口された複数の排出孔Hbとが相互に連通させられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2サイクルエンジンのピストンに装着可能な混合気拡散用アダプタ、2サイクルエンジン用のピストン、および2サイクルエンジンに関するものである。
2サイクルエンジンでは、シリンダ内におけるピストンの上動に伴って燃焼室内の混合気が圧縮されると共に新たな混合気がクランク室内に吸気され、かつ、燃焼室内における混合気の燃焼に伴ってピストンが下動させられることで燃焼室内の燃焼気が排気されると共にクランク室内の混合気が燃焼室内に送気される構成が採用されている。
この場合、下記の特許文献1に開示されている2サイクルエンジンでは、ピストンの上動に伴って圧縮された混合気が燃焼させられることでピストンが下動させられたときに、まず、燃焼室と排気通路(排気孔)とが連通させられた時点(ピストンの燃焼室側端面が排気孔の上縁部に位置するまでピストンが下動させられた時点)において、燃焼気の排気通路への排気が開始される。次いで、燃焼室と送気通路(送気孔)とが連通させられた時点(ピストンの燃焼室側端面が送気孔の上縁部に位置するまでピストンが下動させられた時点)において、ピストンの下動に伴ってクランク室内で圧縮されている新たな混合気の燃焼室内への送気が開始され、送気された混合気に押し出されるようにして燃焼気の排気が促進される。
この場合、2サイクルエンジンにおいて燃焼室内に送気される混合気は、燃焼室の下方に位置するクランク室から送気通路を介して燃焼室に送気される。このため、上記特許文献1に開示されている2サイクルエンジンにおいても、クランク室から燃焼室に混合気をスムーズに送気することができるように送気通路の形状が最適化されている。
具体的には、図11に示すように、上記特許文献1に開示されている2サイクルエンジンと同様に構成された2サイクルエンジン1x(以下、特許文献1に開示されている2サイクルエンジンと同様に構成された2サイクルエンジンの構成要素については、符号の末尾に「x」を付して説明する。)では、燃焼室の下方に位置するクランク室S1xから燃焼室S2xに混合気をスムーズに送気可能とするために、燃焼室S2xにおける上方部位(シリンダヘッド4x側)に向けて混合気を送気可能に送気孔H1xが開口されて送気路L1xが形成されている。これにより、この2サイクルエンジン1xでは、ピストン7xの下動に伴ってクランク室S1x内で圧縮された混合気が送気路L1x内を矢印Cxで示すように移動して矢印Dxで示すように送気孔H1xから燃焼室S2x内に排出される。
この後、クランクシャフト5xの回転に伴ってピストン7xが上動させられることによって送気孔H1xや排気孔H2xがピストン7xによって閉塞され(図示せず)、送気路L1xを介しての燃焼室S2xへの混合気の送気や、燃焼室S2xから排気路L2x(排気孔H2x)への燃焼気の排気が終了すると共に、燃焼室S2x内に送気された混合気が再び圧縮される。
特開平8−291780号公報(第3−6頁、第1−5図)
ところが、従来の2サイクルエンジン1xには、以下の問題点が存在する。すなわち、従来の2サイクルエンジン1xでは、燃焼室S2xの下方に位置するクランク室S1xから送気路L1xを介して送気される混合気を燃焼室S2xの上方部位に向けて送気孔H1xから排出する構成が採用されている。この場合、内燃機関内で移動させられる気体(混合気や燃焼気)は、その移動速度が非常に速いため、2サイクルエンジン1xにおいて上記のように送気孔H1xから燃焼室S2x内に排出された混合気は、送気孔H1xから排出された際の移動方向(燃焼室S2xの上方部位に向かう向き:矢印Dxの向き)に向かって移動し続けようとする。
このため、図11に示すように、送気孔H1xから燃焼室S2x内に排出された混合気は、矢印Exで示すように、まず、燃焼室S2xの上方部位に向かって移動し、シリンダヘッド4xによって押し戻されるようにして排気孔H2xに向かって燃焼室S2x内を移動することとなる。したがって、従来の2サイクルエンジン1xでは、送気された混合気が、燃焼室S2xにおける下端部側中央領域Aax(ピストン7xにおける燃焼室側端面F1xの中央部近傍の領域)や、上端部側外縁領域Abx(シリンダブロック3xとシリンダヘッド4xとの接合部位の近傍領域)に行き渡らない状態が生じ易くなっている。
この場合、この種の2サイクルエンジンでは、燃焼室内に送気された混合気に押し出されるようにして、排気孔からの燃焼気の排気が促進される構成が採用されている。したがって、従来の2サイクルエンジン1xにおいて上記したように燃焼室S2x内の下端部側中央領域Aaxや上端部側外縁領域Abxに混合気が行き渡らない状態では、これらの領域Aax,Abxに位置している燃焼気が排気されずに燃焼室S2x内に残留する事態を招き、次の燃焼行程において、残留している燃焼気の分だけ燃焼室S2x内全体としての酸素量や燃料量が低下したり、残留した燃焼気の部位において火炎伝播不良が生じたりする事態を招くこととなる。このため、従来の2サイクルエンジン1xでは、燃焼効率が低下して、十分な動力を得るのが困難となっているという問題点がある。
また、排気されるべき燃焼気が燃焼室S2x内に残留した場合には、その燃焼気の分だけ、新たに送気された混合気が矢印Bxで示すように排気孔H2xから排気路L2xに排気されてしまう。このため、従来の2サイクルエンジン1xでは、燃焼室S2x内で燃焼させるべき混合気の一部が燃焼行程に移行する以前に排気されてしまう分だけ燃費が低下すると共に、大量の混合気が排気されることに起因して排気路L2x内や排気路L2xに接続されている排気管内において混合気が異常発火する事態を招き易いという問題点もある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、未燃混合気の異常発火を好適に回避すると共に燃費の向上を図り、かつ十分な動力を得ることが可能な混合気拡散用アダプタ、ピストンおよび2サイクルエンジンを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の混合気拡散用アダプタは、2サイクルエンジンのピストン本体と同径の円柱状に形成されて当該ピストン本体における燃焼室側端面に装着可能に構成されると共に、前記2サイクルエンジンのシリンダに開口された送気孔から混合気を導入可能に当該送気孔の開口位置に対応して周面に開口された導入用開口部と、前記導入用開口部から導入された前記混合気を前記ピストン本体の往復動方向に沿って前記燃焼室に排出可能に前記燃焼室側端面に接する一面とは逆側の一面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられている。なお、本明細書においては、燃料と空気とが混合された気体であって、かつ燃焼室内における燃焼が開始されていない状態の気体を「混合気」という。
また、請求項2記載の混合気拡散用アダプタは、請求項1記載の混合気拡散用アダプタにおいて、前記シリンダに開口された排気孔に前記燃焼室内の燃焼気を案内可能に当該排気孔の形成位置に対応して前記逆側の一面から前記周面にかけて燃焼気案内用凹部が形成されている。なお、本明細書においては、燃焼室内において燃焼中の混合気、および燃焼を完了した混合気を総称して「燃焼気」という。
また、請求項3記載のピストンは、請求項1または2記載の混合気拡散用アダプタが前記ピストン本体における前記燃焼室側端面に装着されている。
また、請求項4記載のピストンは、2サイクルエンジン用のピストンであって、前記2サイクルエンジンのシリンダに開口された送気孔から混合気を導入可能に当該送気孔の開口位置に対応して周面に開口された導入用開口部と、前記導入用開口部から導入された前記混合気を当該ピストンの往復動方向に沿って前記燃焼室に排出可能に燃焼室側端面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられている。
さらに、請求項5記載のピストンは、請求項4記載のピストンにおいて、前記シリンダに開口された排気孔に前記燃焼室内の燃焼気を案内可能に当該排気孔の形成位置に対応して前記燃焼室側端面から前記周面にかけて燃焼気案内用凹部が形成されている。
また、請求項6記載の2サイクルエンジンは、請求項3から5のいずれかに記載のピストンを備えている。
請求項1記載の混合気拡散用アダプタでは、ピストン本体における燃焼室側端面に装着可能に構成されると共に、送気孔から混合気を導入可能に周面に開口された導入用開口部と、導入用開口部から導入された混合気をピストン本体の往復動方向に沿って燃焼室に排出可能に燃焼室側端面に接する一面とは逆側の一面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられている。また、請求項3記載のピストンは、上記の混合気拡散用アダプタがピストン本体における燃焼室側端面に装着されている。また、請求項6記載の2サイクルエンジンでは、上記のピストンを備えて構成されている。
したがって、請求項1記載の混合気拡散用アダプタ、請求項3記載のピストン、および請求項6記載の2サイクルエンジンによれば、クランク室から送気される混合気を燃焼室内の隅々まで満遍なく送気することができ、これにより、燃焼室内の燃焼気を好適に排気して、燃焼室内に混合気だけが存在する状態で圧縮行程に移行することができるため、火炎伝播不良を生じさせることなく、十分な量の酸素および燃料を燃焼室内で好適に燃焼させて十分な動力を得ることができると共に、燃焼室内に残留する燃焼気の存在に起因して排気孔から混合気が排出されてしまう事態を回避できるため、未燃混合気の異常発火を好適に回避することができ、かつ燃費を十分に向上させることができる。また、ピストン本体とは別体に形成した混合気拡散用アダプタをピストン本体に装着してピストンを構成したことにより、既存の2サイクルエンジンにおけるピストン(ピストン本体)に混合気拡散用アダプタを後付けすることで、上記のような効果を奏することができる2サイクルエンジンを提供することができる。
また、請求項2記載の混合気拡散用アダプタによれば、燃焼室側端面に接する一面とは逆側の一面から周面にかけて燃焼気案内用凹部が形成して燃焼室内の燃焼気を排気孔に案内可能に構成したことにより、燃焼室から排気孔への燃焼気の排気を妨げることなく、上記した各効果を奏することができる。
また、請求項4記載のピストンでは、送気孔から混合気を導入可能に周面に開口された導入用開口部と、導入用開口部から導入された混合気をピストンの往復動方向に沿って燃焼室に排出可能に燃焼室側端面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられている。また、請求項6記載の2サイクルエンジンでは、上記のピストンを備えて構成されている。
したがって、請求項4記載のピストン、および請求項6記載の2サイクルエンジンによれば、クランク室から送気される混合気を燃焼室内の隅々まで満遍なく送気することができ、これにより、燃焼室内の燃焼気を好適に排気して、燃焼室内に混合気だけが存在する状態で圧縮行程に移行することができるため、火炎伝播不良を生じさせることなく、十分な量の酸素および燃料を燃焼室内で好適に燃焼させて十分な動力を得ることができると共に、燃焼室内に残留する燃焼気の存在に起因して排気孔から混合気が排出されてしまう事態を回避できるため、未燃混合気の異常発火を好適に回避することができ、かつ燃費を十分に向上させることができる。
さらに、請求項5記載のピストンによれば、燃焼室側端面から周面にかけて燃焼気案内用凹部を形成して燃焼室内の燃焼気を排気孔に案内可能に構成したことにより、燃焼室から排気孔への燃焼気の排気を妨げることなく、上記した各効果を奏することができる。
2サイクルエンジン1の構成を示す断面図である。 ピストン7(ピストン本体11および混合気拡散用アダプタ12)の構成を示す断面図である。 ピストン7における混合気拡散用アダプタ12の平面図である。 ピストン7における混合気拡散用アダプタ12の底面図である。 2サイクルエンジン1の動作について説明するための断面図である。 2サイクルエンジン1の動作について説明するための他の断面図である。 2サイクルエンジン1の動作について説明するためのさらに他の断面図である。 2サイクルエンジン1の動作について説明するためのさらに他の断面図である。 2サイクルエンジン1の動作について説明するためのさらに他の断面図である。 他の実施の形態に係るピストン7aの構成を示す断面図である。 従来の2サイクルエンジン1xの構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る混合気拡散用アダプタ、ピストンおよび2サイクルエンジンの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す2サイクルエンジン1は、「2サイクルエンジン」の一例であって、クランクケース2、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、クランクシャフト5、コネクティングロッド6、ピストン7、逆止弁8および点火プラグ9を備えている。
なお、実際の2サイクルエンジン1には、上記の各構成要素2〜9以外にもガスケットや固定用ボルトなどの各種の構成要素を備えており、また、シリンダブロック3内には燃焼室S2の内壁面を構成するスリーブが配設されると共に、水冷方式または油冷方式を採用している場合には、シリンダブロック3やシリンダヘッド4に冷却液の流路が形成されているが、本例の2サイクルエンジン1の構成についての理解を容易とするために、これらについての図示および説明を省略する。また、上記各構成要素2〜6,8,9の具体的な構成については公知のため、これらの構成に関する詳細な説明も省略する。
さらに、シリンダブロック3に形成されている送気路L1および送気孔H1や、排気路L2および排気孔H2の形状および位置は、あくまでも一例に過ぎず、送気路L1および排気路L2の形状や、送気孔H1および排気孔H2の開口位置については、2サイクルエンジン1に求められる特性に応じて適宜変更することができる。また、本例の2サイクルエンジン1では、同図に示すように、リードバルブ方式の逆止弁8を採用しているが、吸気逆止弁の構成はこれに限定されず、ロータリー方式やバタフライ方式などの各種の逆止弁を採用することができる。
一方、ピストン7は、「ピストン」の一例であって、図1,2に示すように、ピストン本体11に混合気拡散用アダプタ12が装着されて構成されている。この場合、ピストン本体11は、この種の2サイクルエンジンに搭載された既存のピストンで構成され、上面閉塞円筒状に形成されている。なお、ピストン本体11は、ピストンリングやオイルリングを装着するためのリング溝が周面F2に形成されてリングやシム等が装着されているが、これらについての図示および説明を省略する。また、混合気拡散用アダプタ12は、「混合気拡散用アダプタ」の一例であって、例えば、アルミニウム等の軽量金属や耐熱樹脂などによってピストン本体11と同径の円柱状に形成されてピストン本体11における燃焼室側端面F1に装着されている。
この場合、図2〜4に示すように、混合気拡散用アダプタ12には、シリンダブロック3(シリンダ)に開口された送気孔H1から混合気を導入可能に送気孔H1の開口位置に対応して導入用開口部Haが周面Fbに開口されている。なお、本例の2サイクルエンジン1では、シリンダブロック3に形成された3つの送気孔H1(図1では、3つの送気孔H1のうちの1つだけを図示している)に対応して3つの導入用開口部Haが形成されているが、「導入用開口部」の数、およびその形成位置は、「シリンダ」に形成された「送気孔」の位置および形成位置に応じて適宜変更することができる。
また、混合気拡散用アダプタ12には、導入用開口部Haから導入された混合気をピストン本体11の往復動方向(図1,2における上下方向)に沿って燃焼室S2内に排出可能にピストン本体11の燃焼室側端面F1に接する当接面Fa(「燃焼室側端面に接する一面」の一例)とは逆側の燃焼室側端面Fc(「燃焼室側端面に接する一面とは逆側の一面」の一例)に複数の排出孔Hbが開口されている。この場合、排出孔Hbの形成数および形成位置については特に限定されるものではないが、後述するように燃焼室S2内に排出される混合気を燃焼室S2内に満遍なく拡散させることができるように、平面視における燃焼室側端面Fcの中央部から導入用開口部Ha上の縁部(図2〜4における右端部側の縁部)までの半円状の領域を含む十分に広い領域に多数の排出孔Hbを点在させるのが好ましい。
さらに、混合気拡散用アダプタ12の当接面Faには、上記の導入用開口部Haと各排出孔Hbとを連通させるための連通用凹部Hcが形成されている。この場合、図1,2に示すように、本例のピストン7では、ピストン本体11に混合気拡散用アダプタ12を装着した状態において、連通用凹部Hcの下方開口部位がピストン本体11の当接面Faによって閉塞され、これにより、ピストン本体11の当接面Fa、および混合気拡散用アダプタ12の連通用凹部Hcによって、導入用開口部Haから各排出孔Hbに混合気を案内する管状の案内路がピストン7内に形成されている。
また、図1〜3に示すように、本例のピストン7では、シリンダブロック3に開口された排気孔H2に燃焼室S2内の燃焼気を案内可能に排気孔H2の形成位置に対応して混合気拡散用アダプタ12における燃焼室側端面Fcから周面Fbにかけて燃焼気案内用凹部Hdが形成されている。
さらに、図3,4に示すように、本例のピストン7では、混合気拡散用アダプタ12をピストン本体11に固定するための図示しない固定用ネジを挿通可能な挿通孔Heが混合気拡散用アダプタ12に形成され、図1,2に示すように、ピストン本体11の周面F2と混合気拡散用アダプタ12の周面Fbとが面一となるように(ピストン本体11および混合気拡散用アダプタ12が平面視において同芯となるように)ピストン本体11の燃焼室側端面F1に混合気拡散用アダプタ12の当接面Faを当接させた状態で混合気拡散用アダプタ12がピストン本体11にネジ止め固定されている。
この2サイクルエンジン1では、図1に示すように、キャブレターやインジェクション装置(図示せず)が吸気管Paおよび逆止弁8を介してクランク室S1に接続され、かつシリンダブロック3の排気路L2に排気管Pbが接続された状態において、スタータ装置(キックペダル機構、スタータープーリ機構、およびセルモータ等)によってクランクシャフト5が回転させられてシリンダブロック3内でピストン7が上動させられることにより、図5に示すように、クランク室S1内の圧力低下に伴って逆止弁8が開口状態となり、吸気管Paを介して矢印Aで示すようにクランク室S1内に混合気が吸気される。また、シリンダブロック3内でのピストン7の上動に伴い、燃焼室S2内の気体(前回動作時の燃焼気や未燃焼混合気)が矢印Bで示すように排気孔H2から排気路L2に排気される。
次いで、クランクシャフト5のさらなる回転によってシリンダブロック3内でピストン7が下動させられたときには、図6に示すように、クランク室S1内の混合気が圧縮されてクランク室S1内の圧力が上昇し、これに伴って逆止弁8が閉塞状態となる。この際には、クランク室S1内で圧縮された混合気が矢印Cで示すように送気路L1内を燃焼室S2に向かって移動し、同図に示すように、ピストン7の導入用開口部Haがシリンダブロック3の送気孔H1に連通する状態となるまでピストン7が下動させられたときに、送気路L1内の混合気が導入用開口部Haからピストン7における連通用凹部Hc内に導入される。
この場合、本例のピストン7では、前述したように、シリンダブロック3内での上下動方向(同図における上下方向)に沿って混合気を排出可能に多数の排出孔Hbが開口された混合気拡散用アダプタ12を備えている。このため、導入用開口部Haから連通用凹部Hc内に導入された混合気は、同図に矢印Eで示すように、まず、燃焼室S2内をシリンダヘッド4に向かって上向きに移動させられ、シリンダヘッド4によって押し戻されるようにして、ピストン7に向かって下向きに移動させられる。したがって、送気孔H1xから燃焼室S2x内に斜め上向きに混合気が送気される従来の2サイクルエンジン1xとは異なり、本例の2サイクルエンジン1では、ピストン7の混合気拡散用アダプタ12(各排出孔Hb)から燃焼室S2内に排出される混合気が燃焼室S2の隅々まで満遍なく拡散される。
これに伴い、燃焼室S2内に存在していた気体(前回動作時の燃焼気や未燃焼混合気)が、燃焼室S2内に新たに送気された混合気に押し出されるようにして矢印Bで示すように排気孔H2から排気路L2内に好適に排気される。この場合、本例の2サイクルエンジン1では、ピストン7の混合気拡散用アダプタ12における燃焼室側端面Fcから周面Fbにかけて燃焼気案内用凹部Hdが形成されているため、ピストン本体11上に装着した混合気拡散用アダプタ12によって排気孔H2からの気体の排気が妨げられることなく、排気路L2内にスムーズに排気される。これにより、混合気の送気以前に燃焼室S2内に存在していた気体(前回動作時の燃焼気や未燃焼混合気)を燃焼室S2内に残留させることなく、燃焼室S2内に十分な量の混合気が送気される。
続いて、クランクシャフト5のさらなる回転によってシリンダブロック3内でピストン7が上動させられたときには、図7に示すように、燃焼室S2内に送気された混合気が十分に圧縮された状態となり、かつ、ピストン7の上動に伴ってクランク室S1内に新たな混合気が吸気される。この状態において点火プラグ9に点火用電圧が供給されることにより、燃焼室S2内の混合気が燃焼を開始する。この際に、本例の2サイクルエンジン1では、燃焼行程に先立って燃焼気等の不要な気体が十分に排気されて燃焼室S2内に混合気だけが存在する状態で圧縮されているため、火炎伝播不良を招くことなく、燃焼室S2内の混合気の全体が好適に燃焼させられる。
また、混合気の燃焼に伴ってピストン7が押し下げられて、図8に示すように、混合気拡散用アダプタ12における燃焼気案内用凹部Hdの底部がシリンダブロック3の排気孔H2における上縁部に位置するまでピストン7が下動させられたときには、燃焼室S2が排気路L2と連通した状態となり、同図に矢印Bで示すように、燃焼室S2から排気路L2内への燃焼気の排気が開始される。
この場合、ピストン7xの燃焼室側端面F1xがシリンダブロック3xの送気孔H1xの上縁部に位置する状態までピストン7xが下動させられたときに送気路L1xと燃焼室S2xとが直接連通した状態となる従来の2サイクルエンジン1xとは異なり、本例の2サイクルエンジン1では、ピストン7の導入用開口部Ha、連通用凹部Hcおよび排出孔Hbを介してシリンダブロック3の送気路L1(送気孔H1)と燃焼室S2とが連通した状態となる構成が採用されている。
したがって、本例の2サイクルエンジン1では、燃焼室S2内での混合気の燃焼に伴って上記のようにピストン7が下動させられて、図9に示すように、ピストン7(混合気拡散用アダプタ12)の導入用開口部Haがシリンダブロック3の送気孔H1の上縁部に位置する状態となっても、燃焼室S2と送気路L1との間に混合気拡散用アダプタ12(排出孔Hb、連通用凹部Hcおよび導入用開口部Ha)が存在する分だけ、燃焼室S2内の燃焼気が送気路L1に向かって逆流し難くなっている。これにより、いわゆる吹き返しの発生が好適に回避される。
この後、ピストン7の下動に伴って圧縮された混合気が矢印Cで示すように送気路L1内を燃焼室S2に向かって移動させられ、前述したように、ピストン7の混合気拡散用アダプタ12を通過して燃焼室S2内に送気される。
このように、この混合気拡散用アダプタ12では、ピストン本体11における燃焼室側端面F1に装着可能に構成されると共に、送気孔H1から混合気を導入可能に周面Fbに開口された導入用開口部Haと、導入用開口部Haから導入された混合気をピストン本体11の往復動方向に沿って燃焼室S2に排出可能に燃焼室側端面Fcに開口された複数の排出孔Hbとが連通用凹部Hcを介して相互に連通させられている。また、このピストン7は、上記の混合気拡散用アダプタ12がピストン本体11における燃焼室側端面F1に装着されている。また、この2サイクルエンジン1は、上記のピストン7を備えて構成されている。
したがって、この混合気拡散用アダプタ12、ピストン7、および2サイクルエンジン1によれば、クランク室S1から送気される混合気を燃焼室S2内の隅々まで満遍なく送気することができ、これにより、燃焼室S2内の燃焼気を好適に排気して、燃焼室S2内に混合気だけが存在する状態で圧縮行程に移行することができるため、火炎伝播不良を生じさせることなく、十分な量の酸素および燃料を燃焼室S2内で好適に燃焼させて十分な動力を得ることができると共に、燃焼室S2内に残留する燃焼気の存在に起因して排気孔H2から混合気が排出されてしまう事態を回避できるため、未燃混合気の異常発火を好適に回避することができ、かつ燃費を十分に向上させることができる。また、ピストン本体11とは別体に形成した混合気拡散用アダプタ12をピストン本体11に装着してピストン7を構成したことにより、既存の2サイクルエンジンにおけるピストン(上記の例におけるピストン本体11)に混合気拡散用アダプタ12を後付けすることで、上記のような効果を奏することができる2サイクルエンジン1を提供することができる。
また、この混合気拡散用アダプタ12によれば、燃焼室側端面Fcから周面Fbにかけて燃焼気案内用凹部Hdを形成して燃焼室S2内の燃焼気を排気孔H2に案内可能に構成したことにより、燃焼室S2から排気孔H2(排気路L2)への燃焼気の排気を妨げることなく、上記した各効果を奏することができる。
なお、混合気拡散用アダプタ12をピストン本体11に装着して構成したピストン7を有する2サイクルエンジン1を例に挙げて説明したが、図10に示すピストン7a(「ピストン」の他の一例)のように、ピストン本体11に相当する部位と混合気拡散用アダプタ12に相当する部位とを一体形成することもできる。
この場合、前述したピストン7では、ピストン本体11の燃焼室側端面F1と混合気拡散用アダプタ12の連通用凹部Hcとが相まって導入用開口部Haから各排出孔Hbに混合気を案内する管状の案内路が形成される構成が採用されていたのに対して、ピストン7aでは、連通用孔Hfによって導入用開口部Haから各排出孔Hbに混合気を案内する案内路が形成されている。また、このピストン7aでは、周面F2aに導入用開口部Haが開口されると共に、燃焼室側端面F1aに複数の排出孔Hbが開口され、かつ燃焼室側端面F1aから周面F2aにかけて燃焼気案内用凹部Hdが形成されている。
したがって、このピストン7a、およびピストン7aを備えて構成された2サイクルエンジン1によれば、前述したピストン7、およびピストン7を備えて構成した2サイクルエンジン1と同様にして、クランク室S1から送気される混合気を燃焼室S2内の隅々まで満遍なく送気することができ、これにより、燃焼室S2内の燃焼気を好適に排気して、燃焼室S2内に混合気だけが存在する状態で圧縮行程に移行することができるため、火炎伝播不良を生じさせることなく、十分な量の酸素および燃料を燃焼室S2内で好適に燃焼させて十分な動力を得ることができると共に、燃焼室S2内に残留する燃焼気の存在に起因して排気孔H2から混合気が排出されてしまう事態を回避できるため、未燃混合気の異常発火を好適に回避することができ、かつ燃費を十分に向上させることができる。
また、このピストン7aによれば、前述したピストン7と同様にして、燃焼室S2から排気孔H2(排気路L2)への燃焼気の排気を妨げることなく、上記した各効果を奏することができる。
1 2サイクルエンジン
2 クランクケース
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 クランクシャフト
6 コネクティングロッド
7,7a ピストン
8 逆止弁
9 点火プラグ
11 ピストン本体
12 混合気拡散用アダプタ
F1,F1a,Fc 燃焼室側端面
F2,F2a,Fb 周面
Fa 当接面
H1 送気孔
H2 排気孔
Ha 導入用開口部
Hb 排出孔
Hc 連通用凹部
Hd 燃焼気案内用凹部
He 挿通孔
Hf 連通用孔
L1 送気路
L2 排気路
S1 クランク室
S2 燃焼室

Claims (6)

  1. 2サイクルエンジンのピストン本体と同径の円柱状に形成されて当該ピストン本体における燃焼室側端面に装着可能に構成されると共に、前記2サイクルエンジンのシリンダに開口された送気孔から混合気を導入可能に当該送気孔の開口位置に対応して周面に開口された導入用開口部と、前記導入用開口部から導入された前記混合気を前記ピストン本体の往復動方向に沿って前記燃焼室に排出可能に前記燃焼室側端面に接する一面とは逆側の一面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられている混合気拡散用アダプタ。
  2. 前記シリンダに開口された排気孔に前記燃焼室内の燃焼気を案内可能に当該排気孔の形成位置に対応して前記逆側の一面から前記周面にかけて燃焼気案内用凹部が形成されている請求項1記載の混合気拡散用アダプタ。
  3. 請求項1または2記載の混合気拡散用アダプタが前記ピストン本体における前記燃焼室側端面に装着されているピストン。
  4. 2サイクルエンジン用のピストンであって、
    前記2サイクルエンジンのシリンダに開口された送気孔から混合気を導入可能に当該送気孔の開口位置に対応して周面に開口された導入用開口部と、前記導入用開口部から導入された前記混合気を当該ピストンの往復動方向に沿って前記燃焼室に排出可能に燃焼室側端面に開口された複数の排出孔とが相互に連通させられているピストン。
  5. 前記シリンダに開口された排気孔に前記燃焼室内の燃焼気を案内可能に当該排気孔の形成位置に対応して前記燃焼室側端面から前記周面にかけて燃焼気案内用凹部が形成されている請求項4記載のピストン。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載のピストンを備えている2サイクルエンジン。
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