JP5511426B2 - 泥水処理方法及び泥水処理システム - Google Patents

泥水処理方法及び泥水処理システム Download PDF

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本発明は、泥水処理方法及び泥水処理システムに関し、特に泥水中に含まれる硫化水素を除去することが可能な泥水処理方法及び泥水処理システムに関する。
面積が限られた土地を有効活用するため、地下に鉄道や、上下水道、電気、ガス等のインフラ設備が埋設されている。これらのインフラ設備を新たに設けるためのトンネルや地下道などの工事に泥水式シールド工法が用いられる。これはシールドマシンと呼ばれる掘削機でトンネルを掘り、掘削した土砂や汚泥を外部に排出する方法である。
泥水式シールド工法は、シールドマシンにかかる圧力に対抗するために泥水に所定の圧力を加え、切羽の安定をはかるとともに、泥水を循環させることにより、掘削土の流体輸送を行うものである。
排出した土砂や汚泥は外部環境に曝されることになるが、トンネル等を形成する際に排出される土砂や汚泥には、有害物質が含まれている場合がある。例えば、沖積層には魚介類が腐食したものが混在している場合があり、排出した汚泥から有毒なガスが発生することがある。
また、河川、湖沼、海域に存在する底泥を浚渫する際にも、底泥から有毒なガスが発生することがある。この場合は処理した水(以下、「処理水」という。)を河川等に排出した場合に、環境に影響を与えないことが重要となる。
以上のように、工事の際に発生する汚泥や、既に存在している汚泥の処理の際に有害物質を外部環境に放出しないことが重要であり、汚泥に含まれる有害物質の除去方法が提案されている。
例えば、汚泥の腐敗によって有毒ガスが発生しないように汚泥腐敗防止のためのオゾン処理を送泥経路において行う方法が知られている(例えば、特許文献1)。従来の汚泥腐敗防止オゾン処理システムの構成概略図を図17に示す。同図において、125は下水処理場、126は下水処理場からの汚泥を汚泥集約処理施設128へ送り出す汚泥圧送ポンプ、127はオゾン発生機106からのオゾンガスを圧送ポンプ126からの水圧以上に加圧して圧送ポンプから送り出される汚泥中に吹き込むオゾン加圧ガスポンプである。
この従来技術によれば、圧送ポンプ126から送り出される汚泥にオゾンガスが吹き込まれ、気液混合状態となって汚泥とオゾンとが反応し、汚泥の腐敗が防止されるというものである。
また、他の従来技術として、下水汚泥のオゾン処理方法が知られている(例えば、特許文献2)。これは、図18に示すように、送泥管235内の圧送区間240が終わった点線部分Aで腐敗した汚泥から硫化水素ガスが発生する場合があるため、オゾン発生機203からのオゾンガスをオゾン加圧供給ポンプP2により圧送ポンプP6の出力側の送泥管に供給するというものである。そしてサンプリングポンプP5により引き抜いた汚泥を光度測定装置205に送り込んで光度を測定し、コントローラ206で測定された光度に基づいて注入オゾン量を計算してオゾン発生機203の駆動状態を制御するというものである。
この方法によれば、オゾン処理が終了した液の光度を測定して、これを指標として嫌気性細菌の殺菌作用と施設の腐食と悪臭を防止するのに必要とする注入オゾン量が求められてオゾン発生機の駆動を制御することができるので、特に汚泥の各種集約処理方法に適用した場合のパイプ輸送等による輸送管内での嫌気性微生物の繁殖等に伴う下水汚泥の腐敗を防止することができるというものである。
特開平8−192198号公報 特開平9−155398号公報
しかしながら、従来の汚泥処理方法を泥水式シールド工法や、底泥等の汚泥処理に適用した場合に種々の問題が生じていた。即ち、泥水に硫化水素が含まれている状況において、泥水とオゾンとを接触させた場合に、泥水中に白濁現象が生じ、泥水の粘性等の物性値が変化するという問題や、外部環境にそのまま廃棄した場合に魚介類等に影響を与えるといった問題が生じていた。
さらに、泥水に投入するオゾンの量が少ない場合には未処理の硫化水素が残存して外部環境に硫化水素ガスが拡散するという問題が生じていた。逆に投入するオゾンの量が多すぎる場合には未反応のオゾンがそのまま外部に放出されてしまうという問題が生じていた。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、泥水式シールド工法等のように泥水の物性値を維持したまま有害物質を除去して泥水を循環させたり、汚泥を処理した場合に生じる処理水を外部に排出可能なレベルにしたりすることが可能な泥水処理方法及び泥水処理システムを提供することを目的とする。
本発明の泥水処理方法は、泥水発生源から泥水を排泥管内に導入するステップと、排泥管内にpH調整剤を注入して、泥水とpH調整剤とを接触させるステップと、排泥管内にオゾンを注入して、pH調整剤と接触した泥水とオゾンとを接触させるステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の他の実施態様による泥水処理方法は、泥水発生源から泥水を排泥管内に導入するステップと、排泥管内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させるステップと、オゾンと接触した泥水を開放室に導入して、泥水からガスを抽出するステップと、ガスを脱臭設備内に導入するステップと、脱臭設備内にオゾンを注入して、ガスとオゾンとを接触させるステップと、を有することを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施態様による泥水処理方法は、泥水発生源から泥水を排泥管内に導入するステップと、排泥管内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させるステップと、泥水から土砂を抽出するステップと、土砂中の硫化水素濃度を測定するステップと、測定の結果に基づいて排泥管内に注入するオゾンの量を制御するステップと、を有することを特徴とする。
本発明の泥水処理システムは、泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管と、排泥管内にpH調整剤を注入するpH調整剤槽と、pH調整剤槽の後段に配置した、排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の実施態様による泥水処理システムは、泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管と、排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置と、オゾン発生装置の後段に配置した開放室と、開放室に接続された脱臭設備と、脱臭設備内にオゾンを注入する第2オゾン発生装置と、を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施態様による泥水処理システムは、泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管と、排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置と、泥水から土砂を抽出する振動フルイ機と、土砂中の硫化水素濃度を測定するセンサと、センサの測定結果に基づいてオゾン発生装置を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムは、泥水の物性値を維持したまま泥水中の硫化水素を除去したり、泥水を排水可能なレベルにしつつ泥水中の硫化水素を除去したりすることができるという利点がある。
本発明の第1の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第1の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第2の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第3の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第4の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第5の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第6の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第7の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第8の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。 本発明の第8の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。 従来の汚泥腐敗防止装置の構成図である。 従来の汚泥処理システムの構成図である。
以下図面を参照して、本発明に係る泥水処理方法及び泥水処理システムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1に実施例1に係る泥水処理システムの構成図を示す。実施例1においては、本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムを泥水シールド工法に応用した例を示す。泥水シールド工法は、地下30に円筒状のトンネル32を形成する工法である。まず竪穴31を堀削した後、シールドマシン33を投入し、所望の方向にシールドマシン33の切羽34を向け、切羽34を回転させながら前進させることで掘削を行い、トンネル32を形成する。泥水発生源となっているシールドマシン33から排出される掘削土は、泥水とともに排泥管5を通して排出される。シールドマシン33によって掘削された場所には、セグメントと呼ばれる壁面構成部材が順次組み込まれて壁面35が形成される。
シールドマシン周辺から発生するガスを排気するために排気管37が設けられており、排ガス処理施設38で処理される。
掘削の際にはシールドマシン33及びシールド面34には外部からの圧力が掛かるため、対抗する圧力を生じさせるために泥水をシールドマシン33に還流させる必要がある。そのためにシールドマシン33に泥水を供給するための給泥管6を設けている。ここで給泥管6によって供給する泥水は排出する泥水と粘性、比重等の物性値が等しいことが望ましい。
シールドマシン33から排出される泥水は加圧ポンプ36によって加圧されて、排泥管5を通じて排出される。泥水は一旦タンク7に送られ汚泥のみが配管17によって外部に排出される。汚泥19は振動フルイ機18に送られ、粒径の小さいもののみが選別されて貯蔵庫20に土砂21として貯蔵された後、排出部22から外部に排出される。
ここで、土砂21を外部に放出する際、硫化水素が発生する問題が生じていた。そこで、本発明は、泥水にpH調整剤及びオゾンを加えることによって硫化水素の発生を抑制している。具体的には、本発明の泥水処理システム100は、泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管5と、排泥管内にpH調整剤を注入するpH調整剤槽3と、pH調整剤槽の後段に配置した、排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置1と、を備えている。本発明の泥水処理システムにおいては、泥水を排出するための排泥管5にオゾン供給管2を設けて、このオゾン供給管2を通してオゾン発生装置1からオゾンを供給するとともに、オゾン供給管2の前段の排泥管5にpH調整剤供給管4を設けて、このpH調整剤供給管4を通してpH調整剤槽3からpH調整剤を注入する点を特徴としている。pH調整剤は泥水をアルカリ性を呈することができるものであればよく、たとえば苛性ソーダを用いることができる。
次に、本発明の泥水処理方法について説明する。図2は、本発明の泥水処理方法の手順を示すためのフローチャートである。まず、ステップS101において、泥水発生源となっているシールドマシン33から泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS102において、pH調整剤供給管4を通してpH調整剤槽3から排泥管5内にpH調整剤を注入して、泥水とpH調整剤とを接触させる。このとき、泥水はアルカリ性を呈するpH調整剤の注入によりアルカリ性となる。
次に、ステップS103において、オゾン供給管2を通してオゾン発生機1から排泥管5内にオゾンを注入して、pH調整剤と接触した泥水とオゾンとを接触させる。このとき、泥水中の硫化水素H2SとオゾンO3とは以下のような反応式に従って化学反応を起こす。
3H2S + 4O3 → 3H2SO4 (1)
次に、泥水中の硫化水素濃度と必要なオゾンの注入量との関係について説明する。式(1)から、理論上、硫化水素1[mol]と反応するオゾンは4/3[mol]となる。一方、実際の泥水を用いて、オゾン処理試験を行ったところ、硫化水素濃度40[ppm]の泥水15[l]を処理するのに要したオゾンの量は5[g]であった。この結果から、実泥水における反応モル比は、硫化水素1[mol]に対してオゾン5.9[mol]となる。
さらに、オゾンの排泥管内における管内摩擦抵抗及び汚染土壌物質等における損失を50%、余裕度を2倍とした場合、泥水からの硫化水素発生量0.024[l/min]、硫化水素ガス組成を0.015%とすると、オゾン発生機の出力5%のときに除去可能な硫化水素濃度は30[ppm]と求められた。この結果から、オゾン発生機の出力1%あたり、6[ppm]の硫化水素を除去することが可能となる。オゾン注入量と溶存硫化水素除去量との関係を表1に示す。
Figure 0005511426
このように硫化水素H2SはオゾンO3によって硫酸H2SO4に変化する。しかしながら、泥水が硫酸によって酸性となると白濁現象が生じ、泥水の粘性等の物性値が変化して還流させた場合に不具合が生じる。そこで、本発明では白濁を生じさせないために、あらかじめ泥水にアルカリ性を呈するpH調整剤を注入することによって、泥水をアルカリ性にしておき、アルカリ性を呈した泥水にオゾンを注入することによって、硫化水素の低減と白濁の防止とを両立させている。
次に、pH調整剤として、苛性ソーダを用いた場合について説明する。苛性ソーダNaOHと硫酸H2SO4とは以下のような反応式に従って化学反応を起こす。
H2SO4 + 2NaOH → NaSO4 + 2H2O (2)
白濁現象を抑制するために必要な苛性ソーダの量は、40ppmの硫化水素溶存泥水15リットルに対して、濃度30%の苛性ソーダで3.6ミリリットルであった。
次に、ステップS104において、給泥管6を通して泥水を泥水発生源であるシールドマシン33に戻す。本発明では泥水中の硫化水素を除去しながら、白濁を抑制しているので、泥水の粘性等の物性値を掘削時と同等に維持しているため還流させた場合に泥水圧を一定に保つことができる。
次に、実施例2に係る泥水処理システムについて説明する。図3に実施例2に係る泥水処理システムの構成図を示す。実施例2においても、本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムを泥水シールド工法に応用した例を示す。実施例2の泥水処理システムの構成要素について、図1に示した実施例1の泥水処理システム100と同一の構成要素には同じ符号を付している。実施例2に係る泥水処理システムが実施例1と大きく異なっている点は、泥水の開放室71、脱臭設備8及び第2オゾン発生装置9を設けている点である。
実施例1において泥水にオゾンを加えて硫化水素を除去する例を示したが、泥水中に含まれる硫化水素の量が突発的に増加した場合などにおいては、供給するオゾンの量が不足し、未反応の硫化水素が生じる場合も想定される。そこで、本発明においては、泥水に含まれる未反応の硫化水素を除去することを目的としている。
実施例2に係る泥水処理システムは、泥水発生源である掘削場所に一方の端部を接続する排泥管5と、排泥管5内にオゾンを注入するオゾン発生装置1と、オゾン発生装置1の後段に配置した開放室71と、開放室71内にオゾンを注入する第2オゾン発生装置9と、を備えている。開放室71には脱臭設備8が接続されており、開放室71で発生した硫化水素を含むガスは、脱臭設備8内に導入される。脱臭設備8には第2オゾン発生装置9が接続されている。処理されたガスは排気口15から排出される。
次に、実施例2に係る泥水処理方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS201において、泥水発生源となっているシールドマシン33から泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS202において、排泥管5内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させる。このとき、泥水中の硫化水素の中にオゾンと未反応のものが含まれている場合には、オゾン供給管2よりも排出側の排泥管5内を流れる泥水中にも硫化水素が含まれる状態となる。
次に、ステップS203において、オゾンと接触した泥水を開放室71に導入して、泥水からガスを抽出し、ガスを脱臭設備8内に導入する。開放室71においては、泥水を開放室71内の高所から低所に落下させることによって泥水中のガスを開放させている。ガス中には未反応の硫化水素が含まれる場合があるが、オゾン濃度が硫化水素濃度に対して高すぎる場合にはオゾンが含まれる場合も考えられる。
次に、ステップS204において、脱臭設備8内にオゾンを注入してガスとオゾンとを接触させる。具体的には、開放室71から発生したガスを脱臭設備8に導入し、第2オゾン発生装置9から第2オゾン供給管10を通して脱臭設備8にオゾンを供給する。オゾンは脱臭設備8の上部に設けられた供給部13から供給され、反応部14で硫化水素と反応する。硫化水素とオゾンとの反応式は上述の式(1)と同様である。
さらにオゾンが過剰に存在している場合には脱臭設備8にオゾン除去装置(図示せず)を設置するようにしてもよい。開放室71で発生したガスは脱臭設備8で硫化水素やオゾンを除去した後、排気口15から外部に排出する。次に、ステップS205において、給泥管6を通して泥水を泥水発生源であるシールドマシン33に戻す。泥水に含まれる土砂の処理方法は実施例1と同様である。
このようにして、実施例2の泥水処理方法においては、泥水に含まれる硫化水素を排泥管内でオゾンと反応させ、未反応の硫化水素が残存している場合であっても開放室で気化させたのちにオゾンと反応させているため、泥水内の硫化水素濃度が急激に増加した場合においても泥水中の硫化水素濃度を低減することができる。
なお、本実施例において、排泥管5にpH調整剤を注入するためのpH調整剤槽を設置していない構成を示しているが、実施例1と同様にpH調整剤槽を設置するようにしてもよい。
次に、実施例3に係る泥水処理システムについて図面を用いて説明する。図5は、本発明の第3の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。実施例2の泥水処理システムと同一の構成要素には同一の符号を付している。実施例2の泥水処理システムと異なっている点は、脱臭設備8にpH調整剤を供給するように第2pH調整剤槽11を設けている点である。これにより、実施例1と同様に硫化水素とオゾンとの反応後に生じた硫酸によって廃液に白濁が生じる場合には、pH調整剤を注入することにより白濁を抑制することができる。具体的には、図5に示すように、第2pH調整剤供給管12を通して第2pH調整剤槽11から脱臭設備8に苛性ソーダ等のpH調整剤を供給する。この場合の苛性ソーダと硫酸との反応式は上述の式(2)と同様である。
次に、実施例3に係る泥水処理方法について図面を用いて説明する。図6は、本発明の第3の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。ステップS301〜304までは、実施例2と同様であるので説明を省略する。ステップS305において、脱臭設備内にpH調整剤として苛性ソーダを注入して苛性ソーダとガスとを接触させる。苛性ソーダとともにオゾンが注入されているので、ガスに含まれている硫化水素とオゾンとが反応し、硫酸が生成されている。この硫酸と苛性ソーダとが反応して、硫酸ナトリウムが生成される。
次に、ステップS306において、泥水を、給泥管6を通して泥水発生源であるシールドマシン33に戻す。泥水に含まれる土砂の処理方法は実施例1と同様である。
このようにして、実施例3の泥水処理方法においては、泥水に含まれる硫化水素を排泥管内でオゾンと反応させ、未反応の硫化水素が残存している場合であっても開放室で気化させたのちにオゾンと反応させているため、泥水内の硫化水素濃度が急激に増加した場合においても硫化水素濃度を低減することができる。さらに泥水から気化させた硫化水素にpH調整剤を注入しているため、オゾンとの反応により生成される硫酸による廃液の白濁を抑制することができる。
なお、本実施例において、排泥管5にpH調整剤を注入するためのpH調整剤槽を設置していない構成を示しているが、実施例1と同様にpH調整剤槽を設置するようにしてもよい。
次に、実施例4に係る泥水処理システムについて図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例4に係る泥水処理システムの構成図である。実施例1の泥水処理システムと同一の構成要素には同一の符号を付している。実施例1の泥水処理システムと異なっている点は、土砂21中の硫化水素濃度を測定するための硫化水素センサ23を設置している点である。硫化水素センサ23で土砂21中に残存している硫化水素濃度をリアルタイムで測定し、オゾン発生装置1から供給するオゾンの濃度を制御することにより、泥水中の硫化水素濃度が変動した場合でも適切な量のオゾンを注入することができる。具体的には、図7に示すように、土砂21内に硫化水素センサ23を浸漬させ、その出力を配線24と接続した制御部25で読み取って、硫化水素濃度に対応したオゾンを注入するようにオゾン発生装置1を制御する。センサから求められた硫化水素濃度に基づくオゾンの注入量の決定は、制御部25の記憶部(図示せず)に予め記憶しておいた硫化水素濃度とオゾン量との対応表に基づいて決定してもよく、注入したオゾン量と硫化水素濃度測定結果との関係からリアルタイムに予測するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例4に係る泥水処理方法について説明する。図8は、本発明の第4の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS401において、泥水発生源となっているシールドマシン33から泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS402において、排泥管5内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させる。
次に、実施例1と同様にステップS403において、汚泥19は振動フルイ機18に送られ、粒径の小さいもののみが選別されて貯蔵庫20に土砂21として貯蔵することにより、泥水から土砂21を抽出する。次に、ステップS404において、土砂中の硫化水素濃度を測定する。ここで、排出された泥水から還流させる泥水を除去した残りの土砂21に含まれる硫化水素濃度を測定している。これは、土砂21が外気に曝されるため、土砂に含まれる硫化水素濃度が重要だからである。土砂中の硫化水素濃度の測定には、溶存硫化水素センサH2S-100(ドイツAMT社製)を用いた。
次に、ステップS405において、測定の結果に基づいて排泥管内に注入するオゾンの量を制御する。即ち、硫化水素センサ23の出力を配線24と接続した制御部25で読み取って、硫化水素濃度に対応したオゾンを注入するようにオゾン発生装置1を制御する。具体的には、硫化水素センサの測定結果から泥水中の硫化水素濃度を算出し、表1に基づいて、注入するオゾン量を決定する。次に、ステップS406において、給泥管6を通して泥水を泥水発生源であるシールドマシン33に戻す。
本発明においては、土砂に溶存している硫化水素の濃度をリアルタイムに測定し、測定結果に基づいてオゾン濃度を制御することができるので、泥水中の硫化水素濃度が急激に変化した場合においても適切に対処することができる。さらに、泥水中に溶存している硫化水素濃度に反応するオゾンを過不足無く注入することができるので、泥水から過剰なオゾンが外部環境に放出されるのを抑制することができる。なお、本実施例においては、硫化水素センサ23を土砂21に浸漬する例を示したが、硫化水素センサを排泥管中に設置して泥水中の硫化水素濃度を測定してもよい。
以上、本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムにおいて、処理を行った泥水をシールドマシンに還流させる例を示したが、シールドマシンの切羽等に加わる圧力に対抗する圧力を他の方法で生じさせることが可能な場合には、泥水を還流させることは必ずしも必要ではない。ただし、処理を行った泥水を外部環境に排出する場合には、生態系に悪影響を与えないように有毒ガスの発生を抑え、白濁現象を抑制する必要がある。
なお、本実施例においては、実施例1で示した構成に硫化水素センサを設置した例を示したが、実施例2または3で示した構成に硫化水素センサを設置するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例5に係る泥水処理システムについて説明する。図9は、本発明の第5の実施例に係る泥水処理システムの構成図である。基本的な構成は実施例1に係る泥水処理システムと同様である。実施例1と異なっている点は、処理の対象がシールド工法によって生じる泥水ではなく、海底等に存在する底泥に代表される汚泥である点である。実施例5の泥水処理システム200は、海40に隣接して配置され、海底39に存在する底泥43の処理を行う。底泥には魚介類の死骸等が含まれていることがあり、硫化水素を発生する物質を含む場合がある。そのため、底泥を水面上に排出した場合に、底泥中の硫化水素が外部に拡散する恐れがある。そこで、本発明の実施例5に係る泥水処理システムは、底泥に含まれる硫化水素を除去することを目的とする。さらに底泥に含まれる海水を海に戻すことが望ましいため、泥水処理後の処理水を海に戻しても生態系に影響を与えないようにすることを目的としている。
実施例5の泥水処理システム200においては、浚渫船41を用いて底泥43を処理する例について説明する。浚渫船41は、底泥43を吸引するための吸引口42を備えており、吸引口42は、排泥管5の先端に設けられ、浚渫船41上に設けられた吸引ポンプ(図示せず)に接続されている。排泥管5は浚渫船41と接続され、排泥管5は海洋上ではフロータ45により海面付近に浮いている。泥水処理システム200で吸引された底泥43は、汚泥を除去した後の処理水を、配水管49を用いて海に戻している。その他の構成は実施例1の泥水処理システムと同様である。
次に、実施例5の泥水処理方法について図面を用いて説明する。図10は、本発明の第5の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS501において、泥水発生源である海底39から底泥43を含んだ泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS502において、pH調整剤供給管4を通してpH調整剤槽3から排泥管5内にpH調整剤を注入して、泥水とpH調整剤とを接触させる。このとき、泥水はpH調整剤の注入によりアルカリ性となる。pH調整剤として、例えば苛性ソーダを用いることができる。
次に、ステップS503において、オゾン供給管2を通してオゾン発生機1から排泥管5内にオゾンを注入して、pH調整剤と接触した泥水とオゾンとを接触させる。このとき、泥水中の硫化水素H2SとオゾンO3とは上記の式(1)に従って化学反応を起こす。
式(1)に示すように硫化水素H2SはオゾンO3によって硫酸H2SO4に変化する。しかしながら、泥水が硫酸によって酸性となると白濁現象が生じ、白濁の原因物質である沈殿物を含んだ処理水を海に戻すと生態系に悪影響を与える。そこで、本発明では白濁を生じさせないために、あらかじめ泥水にpH調整剤を注入することによって、泥水をアルカリ性にしておき、アルカリ性を呈した泥水にオゾンを注入することによって、硫化水素の低減と白濁の防止を両立させている。次にステップS504において、処理した後の泥水を配管17から処分地46へ排出する。処分地46において、泥水は分離余水47と浚渫土48とに分離する。分離余水47は配水管49を通して海に排出する。
実施例5の泥水処理システム200においては、処理水である分離余水を海に戻しているので、底泥中の硫化水素を除去する処理を行った後の処理水に白濁が生じていないことが重要である。処理水に白濁が生じている場合には、白濁の原因物質である沈殿物が魚介類の呼吸器官に詰まること等によって死滅させてしまう恐れがあるからである。本発明による泥水処理システムによれば、海底の底泥等に含まれる硫化水素を除去するとともに、白濁を生じないようにして処理水を海に戻しているため、生態系に影響を与えることなく、海底の底泥を処理することができる。
次に、実施例6に係る泥水処理システムについて説明する。図11に実施例6に係る泥水処理システムの構成図を示す。実施例6においても、本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムを海底の底泥の処理に応用した例を示す。実施例6の泥水処理システムの構成要素について、図9に示した実施例5の泥水処理システム200と同一の構成要素には同じ符号を付している。実施例6に係る泥水処理システムが実施例5と大きく異なっている点は、泥水の開放室71、脱臭設備8及び第2オゾン発生装置9を設けている点である。
実施例1において泥水にオゾンを加えて硫化水素を除去する例を示したが、泥水中に含まれる硫化水素の量が突発的に増加した場合などにおいては、供給するオゾンの量が不足し、未反応の硫化水素が生じる場合も想定される。そこで、本発明においては、泥水に含まれる未反応の硫化水素を除去することを目的としている。
実施例6に係る泥水処理システムは、泥水発生源である海底の底泥に一方の端部を接続する排泥管5と、排泥管5内にオゾンを注入するオゾン発生装置1と、オゾン発生装置1の後段に配置した開放室71と、開放室71内にオゾンを注入する第2オゾン発生装置9と、を備えている。開放室71には脱臭設備8が接続されており、開放室71で発生した硫化水素を含むガスは、脱臭設備8内に導入される。脱臭設備8には第2オゾン発生装置9が接続されている。処理されたガスは排気口15から排出される。
次に、実施例6に係る泥水処理方法について、図12のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS601において、泥水発生源となっている海底39から底泥43を含んだ泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS602において、排泥管5内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させる。このとき、泥水中の硫化水素の中にオゾンと未反応のものが含まれている場合には、オゾン供給管2よりも排出側の排泥管5内を流れる泥水中にも硫化水素が含まれる状態となる。
次に、ステップS603において、オゾンと接触した泥水を開放室71に導入して、泥水からガスを抽出し、ガスを脱臭設備8内に導入する。開放室71においては、泥水を開放室71内の高所から低所に落下させることによって泥水中のガスを開放させている。ガス中には未反応の硫化水素が含まれる場合があるが、オゾン濃度が硫化水素濃度に対して高すぎる場合にはオゾンが含まれる場合も考えられる。
次に、ステップS604において、脱臭設備8内にオゾンを注入してガスとオゾンとを接触させる。具体的には、開放室71から発生したガスを脱臭設備8に導入し、第2オゾン発生装置9から第2オゾン供給管10を通して脱臭設備8にオゾンを供給する。オゾンは脱臭設備8の上部に設けられた供給部13から供給され、反応部14で硫化水素と反応する。硫化水素とオゾンとの反応式は上述の式(1)と同様である。
さらにオゾンが過剰に存在している場合には脱臭設備8にオゾン除去装置(図示せず)を設置するようにしてもよい。開放室71で発生したガスは脱臭設備8で硫化水素やオゾンを除去した後、排気口15から外部に排出する。次に、ステップS605において、処理した後の泥水を配管17から処分地46へ排出する。処分地46において、泥水は分離余水47と浚渫土48とに分離する。分離余水47は配水管49を通して海に排出する。
このようにして、実施例6の泥水処理方法においては、底泥を含んだ泥水に含まれる硫化水素を排泥管内でオゾンと反応させ、未反応の硫化水素が残存している場合であっても開放室で気化させたのちにオゾンと反応させているため、泥水内の硫化水素濃度が急激に増加した場合においても硫化水素濃度を低減することができる。
なお、本実施例において、排泥管5にpH調整剤を注入するためのpH調整剤槽を設置していない構成を示しているが、実施例5と同様にpH調整剤槽を設置するようにしてもよい。
次に、実施例7に係る泥水処理システムについて図面を用いて説明する。図13は、本発明の実施例7に係る泥水処理システムの構成図である。実施例6の泥水処理システムと同一の構成要素には同一の符号を付している。実施例6の泥水処理システムと異なっている点は、脱臭設備8にpH調整剤を供給するように第2pH調整剤槽11を設けている点である。これにより、実施例5と同様に硫化水素とオゾンとの反応後に生じた硫酸によって廃液に白濁が生じる場合には、pH調整剤を注入することにより白濁を抑制することができる。具体的には、図13に示すように、第2pH調整剤供給管12を通して第2pH調整剤槽11から脱臭設備8にpH調整剤を供給する。pH調整剤として、例えば苛性ソーダを用いることができる。この場合の苛性ソーダと硫酸との反応式は上述の式(2)と同様である。
次に、実施例7に係る泥水処理方法について図面を用いて説明する。図14は、本発明の実施例7に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。ステップS701〜704までは、実施例6と同様であるので説明を省略する。ステップS705において、脱臭設備内にpH調整剤を注入してpH調整剤とガスとを接触させる。pH調整剤とともにオゾンが注入されているので、ガスに含まれている硫化水素とオゾンとが反応し、硫酸が生成されている。この硫酸とpH調整剤とが反応して、pH調整剤として苛性ソーダを用いた場合には、硫酸ナトリウムが生成される。
次に、ステップS706において、処理した後の泥水を配管17から処分地46へ排出する。処分地46において、泥水は分離余水47と浚渫土48とに分離する。分離余水47は配水管49を通して海に排出する。
このようにして、実施例7の泥水処理方法においては、泥水に含まれる硫化水素を排泥管内でオゾンと反応させ、未反応の硫化水素が残存している場合であっても開放室で気化させたのちにオゾンと反応させているため、泥水内の硫化水素濃度が急激に増加した場合においても硫化水素濃度を低減することができる。さらに泥水から気化させた硫化水素にpH調整剤を注入しているため、オゾンとの反応により生成される硫酸による廃液の白濁を抑制することができる。
なお、本実施例において、排泥管5にpH調整剤を注入するためのpH調整剤槽を設置していない構成を示しているが、実施例5と同様にpH調整剤槽を設置するようにしてもよい。
次に、実施例8に係る泥水処理システムについて図面を用いて説明する。図15は、本発明の実施例8に係る泥水処理システムの構成図である。実施例6の泥水処理システムと同一の構成要素には同一の符号を付している。実施例6の泥水処理システムと異なっている点は、浚渫土48中の硫化水素濃度を測定するための硫化水素センサ23を設置している点である。硫化水素センサ23で浚渫土48中に残存している硫化水素濃度をリアルタイムで測定し、オゾン発生装置1から供給するオゾンの濃度を制御することにより、泥水中の硫化水素濃度が変動した場合でも適切な量のオゾンを注入することができる。具体的には、図15に示すように、浚渫土48内に硫化水素センサ23を浸漬させ、その出力を配線24と接続した制御部25で読み取って、硫化水素濃度に対応したオゾンを注入するようにオゾン発生装置1を制御する。センサから求められた硫化水素濃度に基づくオゾンの注入量の決定は、制御部25の記憶部(図示せず)に予め記憶しておいた硫化水素濃度とオゾン量との対応表に基づいて決定してもよく、注入したオゾン量と硫化水素濃度測定結果との関係からリアルタイムに予測するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例8に係る泥水処理方法について説明する。図16は、本発明の第8の実施例に係る泥水処理方法の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS801において、泥水発生源となっている海底39から底泥43を含んだ泥水を排泥管5内に導入する。次に、ステップS802において、排泥管5内にオゾンを注入して、泥水とオゾンとを接触させる。
次に、ステップS803において、処理した後の泥水を配管17から処分地46へ排出する。処分地46において、泥水は分離余水47と浚渫土48とに分離する。次に、ステップS804において、浚渫土48中の硫化水素濃度を測定する。ここで、排出された泥水から還流させる泥水を除去した残りの浚渫土48に含まれる硫化水素濃度を測定している。これは、浚渫土48が外気に曝されるため、土砂に含まれる硫化水素濃度が重要だからである。浚渫土48中の硫化水素濃度の測定には、溶存硫化水素センサH2S-100(ドイツAMT社製)を用いた。
次に、ステップS805において、測定の結果に基づいて排泥管内に注入するオゾンの量を制御する。即ち、センサ23の出力を配線24と接続した制御部25で読み取って、硫化水素濃度に対応したオゾンを注入するようにオゾン発生装置1を制御する。具体的には、硫化水素センサの測定結果から泥水中の硫化水素濃度を算出し、表1に基づいて、注入するオゾン量を決定する。次に、ステップS806において、分離余水47を、配水管49を通して海に排出する。
本発明においては、浚渫土に溶存している硫化水素の濃度をリアルタイムに測定し、測定結果に基づいてオゾン濃度を制御することができるので、泥水中の硫化水素濃度が急激に変化した場合においても適切に対処することができる。さらに、泥水中に溶存している硫化水素濃度に反応するオゾンを過不足無く注入することができるので、泥水から過剰なオゾンが外部環境に放出されるのを抑制することができる。なお、本実施例においては、硫化水素センサ23を浚渫土48に浸漬する例を示したが、硫化水素センサを排泥管中に設置して泥水中の硫化水素濃度を測定してもよい。
なお、本実施例においては、実施例5で示した構成に硫化水素センサを設置した例を示したが、実施例6または7で示した構成に硫化水素センサを設置するようにしてもよい。
以上、本発明の泥水処理方法及び泥水処理システムにおいて、処理を行った泥水を、海に戻す例を示したが、他の河川等に排出することが可能な場合には、処理水を海に戻すことは必ずしも必要ではない。ただし、処理を行った処理水を河川等に排出する場合には、生態系に悪影響を与えないように有毒ガスの発生を抑え、白濁現象を抑制する必要がある。
1 オゾン発生装置
2 オゾン供給管
3 pH調整剤槽
4 pH調整剤供給管
5 排泥管
6 給泥管
7 タンク
8 脱臭設備
9 第2オゾン発生装置
10 第2オゾン供給管
11 第2pH調整剤槽
12 第2pH調整剤供給管
23 硫化水素センサ
32 トンネル
33 シールドマシン
39 海底
41 浚渫船
43 底泥
47 分離余水
48 浚渫土
71 開放室

Claims (10)

  1. 泥水発生源から泥水を排泥管内に導入するステップと、
    前記泥水が酸性の場合に生じる白濁現象を抑制するために、前記排泥管内にアルカリ性を呈するpH調整剤を注入して、前記泥水と前記pH調整剤とを接触させて前記泥水をアルカリ性とするステップと、
    前記排泥管内にオゾンを注入して、前記pH調整剤と接触させることによりアルカリ性を呈した泥水とオゾンとを接触させるステップと、
    を有することを特徴とする泥水処理方法。
  2. 泥水発生源から泥水を排泥管内に導入するステップと、
    前記排泥管内にpH調整剤を注入して、前記泥水と前記pH調整剤とを接触させるステップと、
    前記排泥管内にオゾンを注入して、前記pH調整剤と接触した泥水とオゾンとを接触させるステップと、
    前記オゾンと接触した泥水を開放室に導入して、前記泥水からガスを抽出するステップと、
    前記ガスを脱臭設備内に導入するステップと、
    前記脱臭設備内にオゾンを注入して、前記ガスとオゾンとを接触させるステップと、
    を有することを特徴とする泥水処理方法。
  3. 前記脱臭設備内にpH調整剤を注入して、前記pH調整剤とガスとを接触させるステップをさらに有する、請求項2に記載の泥水処理方法。
  4. 前記泥水から土砂を抽出するステップと、
    前記土砂中の硫化水素濃度を測定するステップと、
    前記測定の結果に基づいて前記排泥管内に注入するオゾンの量を制御するステップと、
    をさらに有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の泥水処理方法。
  5. 前記泥水を前記オゾンと接触させた後に、前記泥水発生源に戻すステップをさらに有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の泥水処理方法。
  6. 泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管と、
    泥水が酸性の場合に生じる白濁現象を抑制するために、前記排泥管内にアルカリ性を呈するpH調整剤を注入するpH調整剤槽と、
    前記pH調整剤槽の後段に配置した、前記排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置と、
    を備えたことを特徴とする泥水処理システム。
  7. 泥水発生源に一方の端部を接続する排泥管と、
    前記排泥管内にpH調整剤を注入するpH調整剤槽と、
    前記pH調整剤槽の後段に配置した、前記排泥管内にオゾンを注入するオゾン発生装置と、
    前記オゾン発生装置の後段に配置した開放室と、
    前記開放室に接続された脱臭設備と、
    前記脱臭設備内にオゾンを注入する第2オゾン発生装置と、
    を備えたことを特徴とする泥水処理システム。
  8. 前記脱臭設備内にpH調整剤を注入する第2pH調整剤槽をさらに備えた、請求項7に記載の泥水処理システム。
  9. 前記泥水から土砂を抽出する振動フルイ機と、
    前記土砂中の硫化水素濃度を測定するセンサと、
    前記センサの測定結果に基づいて前記オゾン発生装置を制御する制御部と、
    をさらに備えた、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の泥水処理システム。
  10. 前記排泥管の他方の端部が前記泥水発生源に接続されている、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の泥水処理システム。
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