JP5510989B2 - 赤外線反射積層フィルム - Google Patents

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Description

この発明は、内部空間を有する対象物の外面に貼り付け等により装着することで、太陽光のうちの赤外線を反射し、対象物内の昇温を防止し、対象物内の冷房負荷を軽減させると共に、対象物の美観を損なわない用途に適し、省エネに寄与する赤外線反射積層フィルムに関する。
従来における赤外線反射フィルムとしては、窓ガラスに貼り付けて使用するものであるが、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に金属薄膜層を真空蒸着等の気相成長法により積層した透明な窓貼用熱線反射フィルムが、例えば特許文献1に示されるように既に公知となっている。
また、例えば、鶏舎等の家畜建屋といった建物や倉庫の屋根に使用するものであるが、屋根の外面について、従来では、単に屋根に昇温防止用の金属箔ラミネートがされたり、銀ペイントが塗布されたキャンパス生地が使用されたりしていた態様に対し、熱線を反射する下塗り層と、熱線を吸収せず透過すると共に入射光を多重反射して光の干渉により発色する上塗り層とを有する熱線反射塗膜が公知になっている。すなわち、この上塗り層は、所望する色合いを呈することができるとされている。
特開2001−179887号公報 特開2007−217540号公報
しかしながら、特許文献1に示される窓貼用熱線反射フィルムでは、かかるフィルムの用途として窓ガラスに貼り付けて使用するため可視光線の透過が必要であるところ、可視光線の透過性を維持しながら赤外線の反射率を90%以上に高くすることが困難であった。
また、特許文献2に記載の熱線反射塗膜の構成では、熱線を反射する下塗層は、その実施例として「0022」の説明では、800から1100nmの近赤外線を大部分、例えば80%以上反射する白色下地であって、例えば、接着剤を介してアルミ箔を基材層にラミネートする等の金属素材を用いた構成とはなっていないもので、上塗り層が可視光線を吸収可能で所望される色合いを呈することが可能であっても、赤外線反射層たる下塗層により赤外線のうち特に近赤外線に属する波長領域においてその反射率を90%以上に高くするとの効果までは得られ難いと思われる。
そこで、この発明は、対象物がどのような外面を有していても簡単に密着させることができるように加工性に優れ、赤外線反射層の存在により赤外線の反射率を90%以上に高くすることが可能であると共に、その外面は多様な色彩で着色することもでき、対象物に対する可飾性も備えた赤外線反射積層フィルムを提供することを目的とする。
この発明に係る赤外線反射積層フィルムは、4つの層を順次積層して構成され、内部空間を有する対象物の外面に装着される赤外線反射積層フィルムにおいて、前記4つの層のうち2つの層は同じ基材層であり、前記2つの基材層は、少なくとも赤外線を透過する性質と可撓性とを有すると共に加工性に優れた樹脂系の素材で形成されて赤外線に対して透明であり、前記樹脂系の素材を用いるにあたってその厚みが前記赤外線反射積層フィルムの可撓性を確保することができる寸法となっており、前記4つの層のうち1つの層は赤外線反射層であり、前記赤外線反射積層は、赤外線の反射率が相対的に高い金属素材からなる金属箔が用いられており、前記4つの層のうち1つの層は、赤外線に対し透明な外面構成層であり、前記外面構成層は、可視光線のうちの特定の波長の光を吸収することで好みの色彩で発色すると共に赤外線を透過する性質を有する素材として、有機染料又は有機顔料が用いられていると共に、前記赤外線反射積層を前記2つの基材層の間に配置し、前記外面構成層を前記対象物に対し前記2つの基材層及び前記赤外線反射積層よりも遠い側で且つ前記赤外線反射積層フィルムの最も外側に配置して、可視光線に対しては、前記外面構成層において可視光線のうちの特定の波長の光を吸収すると共にそれ以外の波長の光を反射することで色を認識させ、赤外線に対しては、前記赤外線に対し透明な外面構成層を透過すると共に前記赤外線に対し透明な基材層を透過して、前記赤外線反射層まで至るようにしたことを特徴としている(請求項1)。前記金属箔は、赤外線の反射率が近赤外線に属する所定波長領域では90%を越える金属素材からなることを特徴とする(請求項2)。ここで言う「対象物」には、例えば自動車、自動販売機、家屋等の太陽光に曝される可能性が高く、このため対象物内がこの太陽光のうちの熱線により加熱されるおそれのある、あらゆる機械、機器や装置、建造物等が該当する。また、「少なくとも赤外線を透過する性質と可撓性とを有すると共に加工性に優れた樹脂系の素材」には、例えば塩化ビニル樹脂材が該当し、「太陽光の反射率が相対的に高い金属素材からなる金属箔」の金属素材には、例えばアルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅等が該当し、赤外線反射率が90%以上の金属素材であることが好適であるところ、夏季の直射日光下でも日陰の状態に近似した効果を得られるのであれば赤外線反射率が90%未満の金属素材であっても良く、これらの金属素材は、1種のみからなるものに限定されず、2種以上の合金から成るものも含まれる。
これにより、赤外線反射層に対し対象物よりも外側に外面構成層を配置しても、赤外線は、外部から外面構成層を透過して赤外線反射層で反射され、再度、外面構成層を透過して外部に至るので、外面構成層自体は吸熱しないため熱を帯びることなく、赤外線反射層について外面構成層を有しない場合と同様に太陽光のうちの熱線を効果的に反射させる機能を確保させることが可能であると共に、外面構成層について好みな色彩を与えることができ、可飾性にも優れたものとなる。
しかも、この赤外線反射積層フィルムの主部を構成する基材層が可撓性を有すると共に加工性に優れた素材、例えば塩化ビニル樹脂材で形成されているので、対象物の外面が3次元的曲面を有していても、当該対象物の外面に隙間なく密着させることができる。
この発明に係る赤外線反射積層フィルムは、内部空間を有する対象物の外面に装着する赤外線反射積層フィルムであって、少なくとも赤外線を透過する性質と可撓性とを有すると共に加工性に優れた樹脂系の素材で形成され、更に厚みが前記赤外線反射積層フィルムの可撓性を確保することができる寸法である、1又は2以上の基材層と、赤外線の反射率が近赤外線に属する所定波長領域では少なくとも90%を越える金属素材からなる金属箔が用いられて、前記基材層に対し前記対象物とは反対側、前記対象物側、又は前記基材層の間に配置される赤外線反射層と、可視光線の全部又は一部を反射して、可視光線のうちの特定の波長の光を吸収することで好みの色彩で発色すると共に赤外線を透過する性質を有する素材が用いられて、前記対象物に対し前記基材層及び前記赤外線反射層よりも遠い側で且つ前記赤外線反射積層フィルムの最も外面側に配置される外面構成層とを少なくとも積層して構成されるところ、ここで言う「対象物」には、例えば自動車、自動販売機、家屋等の太陽光に曝される可能性が高く、このため対象物内がこの太陽光のうちの熱線により加熱されるおそれのある、あらゆる機械、機器や装置、建造物等が該当する。また、「少なくとも赤外線を透過する性質と可撓性とを有すると共に加工性に優れた樹脂系の素材」には、例えば塩化ビニル樹脂材が該当する。赤外線反射層について「赤外線の反射率が近赤外線に属する所定波長領域では少なくとも90%を越える」とするにあたり、例えばかかる赤外線反射層をアルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅等の各種金属箔、その他の金属素材で形成する場合が該当する。さらに、これらの金属素材は、1種のみからなるものに限定されず、2種以上の合金から成るものも含まれる。更にまた、「可視光線の全部又は一部を反射し、赤外線を透過する性質を有する素材」には、例えば、有機顔料、有機塗料等が該当する。
これにより、赤外線反射層に対し対象物よりも外側に外面構成層を配置しても、赤外線は、外部から外面構成層を透過して赤外線反射層で確実に反射され、再度、外面構成層を透過して外部に至るので、外面構成層自体は吸熱しないため熱を帯びることなく、赤外線反射層について外面構成層を有しない場合と同様に太陽光のうちの熱線を効果的に反射させる機能を確保させることが可能であると共に、外面構成層について好みな色彩を与えることができ、可飾性にも優れたものとなる。
しかも、この赤外線反射積層フィルムの主部を構成する基材層が可撓性を有すると共に加工性に優れた素材、例えば塩化ビニル樹脂材で形成されているので、対象物の外面が3次元的曲面を有していても、当該対象物の外面に隙間なく密着させることができる。
そして、この発明に係る熱線反射積層フィルムでは、前記赤外線反射層が前記基材層よりも前記対象物側又は前記基材層の間に配置される場合には、前記赤外線反射層より外面構成層側に位置する前記基材層は、少なくとも太陽光のうちの赤外線を透過する性質を有する素材が用いられることで、赤外線反射層よりも外面側に基材層が配置されても、赤外線は、外部から外面構成層と基材層とを透過して赤外線反射層で確実に反射され、再度、基材層、外面構成層を透過して外部に至るので、外面構成層と基材層とは吸熱しないため熱を帯びることがなく、赤外線反射層について外面構成層を有さず、且つ、赤外線反射層が基材層よりも外側に位置する場合と同様に太陽光のうちの赤外線を効果的に反射させる機能を確保させることが可能である。しかも、赤外線反射層の表面を基材層が覆う配置となっているので、赤外線反射層が腐食等するのを抑止することが可能である。
更に、この赤外線反射積層フィルムでは、前記対象物に固定するための固定手段として、前記対象物に対し前記基材層及び反射層よりも近接した側に粘着層を有することが好適であり、これによって、赤外線反射積層フィルムの対象物と接する面に対し作業現場等で事後的に粘着剤を塗布しなくても良くなる。尚、この赤外線反射積層フィルムの未使用時には、粘着層の表面は、当該粘着層の粘着性を維持するために剥離紙や剥離フィルムが装着されている。
そして、この赤外線反射積層フィルムは、車両のルーフの車外面に装着される場合には、太陽光のうち赤外線を反射して車室内の昇温を抑止し、車両の車室内の冷房負荷を軽減し、しかも、車両のルーフの車外面に装着したとしても、赤外線反射積層フィルムの外面について外面構成層の存在により好みの色彩とすることが可能であるので、車両の美観を損なうことがない。
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、可視光線に対しては、前記外面構成層において可視光線のうちの特定の波長の光を吸収すると共にそれ以外の波長の光を反射することで色を認識させ、赤外線に対しては、前記赤外線に対し透明な外面構成層を透過した後、同じく赤外線に対し透明な基材層を透過して前記赤外線反射層まで至るようにしたことにより、赤外線反射層は、可視光線の透過性が不要となり、赤外線の反射率について90%を越える高い数値にすることができる。
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、赤外線反射層に対し対象物よりも外側に外面構成層及び基材層を配置しても、外面構成層及び基材層は、赤外線に対し透明であるため、赤外線を外部から外面構成層から基材層を透過して赤外線反射層まで至り、赤外線反射層で外部に向けて反射させ、基材層及び外面構成層を透過して外部に至らせることが可能であるので、外面構成層が保熱するのを回避することができる。さらに、赤外線反射積層フィルムの外面について多様な着色を与えることが可能であるので、赤外線反射積層フィルムに、かかるフィルムが装着される対象物に対する可飾性を与えることができる。そして、金属素材からなる金属箔である赤外線反射層の表面を、樹脂系の素材で形成された基材層が覆う配置となっているので、赤外線反射積層フィルムが例えば自動車、自動販売機、家屋等の太陽光に曝される可能性が高く、このため内部がこの太陽光のうちの熱線により加熱されるおそれのある対象物の外面に装着される場合であっても、赤外線反射層が外気に触れて腐食等するのを抑止することが可能である
特に、請求項2に記載の発明によれば、赤外線の反射率が90%を越える高い数値の赤外線反射層を有し、しかも、外面構成層及び基材層が赤外線に対し透明であるため、この赤外線反射層に対し対象物よりも外側に外面構成層及び基材層を配置しても、赤外線を外部から外面構成層及び基材層を透過して赤外線反射層で外部に向けて確実に反射させ、外面構成層を透過して外部に至らせることが可能であるので、外面構成層が保熱するのを回避することができる。
以下、この発明の実施形態について図面により説明する。
図1において、この発明に係る赤外線反射積層フィルム1の一例が示されており、この実施例における赤外線反射積層フィルム1は、2つの基材層2、2と、これらの基材層2と基材層2との間に配された赤外線反射層3と、当該赤外線反射積層フィルム1の最も外面側に配された外面構成層4とを積層して構成されている。そして、この赤外線反射積層フィルム1のうち外面構成層4とは反対側には粘着層5が配され、この粘着層5には粘着性が相対的に高いと共に再剥離性を有した粘着材が用いられている。もっとも、この粘着層5は、未使用時においては、図1(a)に示されるように、例えば厚みが25マイクロメートルの保護剥離フィルム6で覆われている。
赤外線反射積層フィルム1を構成する層のうち、2つの基材層2は、この実施例では、加工性に優れた塩化ビニル樹脂が素材として用いられており、それぞれの基材層2、2の厚みL1、L2は、赤外線反射積層フィルム1の可撓性の確保等の見地から例えば50マイクロメートルの寸法が採られている。最も、基材層2の素材は上記した塩化ビニル樹脂に限定されず、広く樹脂系の素材であれば良い。
そして、赤外線反射層3は、この実施例では、両基材層2、2と接着剤を介してラミネートされた金属箔から構成されており、この金属箔の素材は、アルミニウム、銀、金、ニッケル、ステンレス等の赤外線を反射するのに好適な金属から選ばれている。しかも、かかる金属箔の素材は、上記したような赤外線を反射するのに好適な金属の1種類であっても、上記したような赤外線を反射するのに好適な金属を2種以上、合金化した金属であっても良い。
更に、外面構成層4は、この実施例では、対象物に貼り付けた際に外側に位置する基材層2の表面に、着色されていると共に赤外線に対しては透過性を有するコーティング剤を塗布することにより形成されるもので、これにより、外面構成層4は、可視光線のうちの特定の光線を吸収することで発色し、赤外線に対しては透過性を有するものとなっている。もっとも、外面構成層4は、上記コーティング剤を塗布することで形成されるものに限定されず、着色されていると共に赤外線に対しては透過性を有する着色樹脂フィルムを、対象物に貼り付けた際に外側に位置する基材層2の表面にラミネートすることにより形成されるものとしても良い。そして、コーティング剤又は着色樹脂フィルムに対する着色剤は、無機顔料を含まない有機染料又は有機顔料が用いられる。
このような構成の外面構成層4、基材層2、赤外線反射層3、基材層2を順次積層して構成される赤外線反射積層フィルム1は、図1(b)に示されるように、太陽光線のうち可視光線と赤外線とを便宜的に分けて考察すると、実線で示される可視光線に対しては、外面構成層4においてその一部の光線(例えば赤の波長帯の光線:破線線で示す)を吸収すると共にそれ以外の可視光線(2点鎖線で示す)を反射することで色(赤色)を認識させ、1点鎖線で示される赤外線に対しては、赤外線に対し透明な外面構成層4を透過した後、同じく赤外線に対し透明な基材層2を透過して赤外線反射層3まで至るようにし、この赤外線反射層3で反射して、先程とは反対に基材層2、外面構成層4を透過してフィルム1の外部に至る作用が与えられる。
これにより、厚みが1mmのアルミニウム板に通常の黒色車体塗料を塗布してなる従来例たる試験体と、厚みが1mmのアルミニウム板に通常の黒色車体塗料を塗布し通常の黒色車体塗料を塗布した後、更に上記した赤外線反射積層フィルム1を貼り付けてなる本願対応の試験体とについて、それぞれ太陽光を模した45Wの電球で照射して断熱性を比較する試験を行ったところ、図2に示されるように、著しい断熱効果の差異が見られたものである。
すなわち、45Wの電球で照射する前においては、従来例たる試験体と本願対応の試験体とでは、その表面温度が25℃近辺であったところ、それぞれの試験体に対し同じ条件で45Wの電球で60分ほど照射して、再度、かかる試験体の表面温度を測定すると、従来例たる試験体では62.7℃まで表面が昇温したのに対し、本願対応の試験体では、その表面温度が40.7℃までの昇温にとどまったものとなっている。これは、本願対応の試験体では、夏季の直射日光下でも日陰の状態に近似した効果を得られることを示している。
そして、このような従来例たる試験体と本願対応の試験体とにおける断熱性の差異は、
図3の特性線図に示される赤外線の反射率の差異に基づくものである。すなわち、従来例たる試験体と本願対応の試験体とは、図3で従来例たる試験体における反射率の変遷を1点鎖線、本願対応の試験体における反射率の変遷を実線で示すと、光の波長が紫外線の分類に属する範囲と可視光線の分類に属する範囲とでは、かかる紫外線、可視光線の反射がともに10%程度と低いものとなっているところ、従来例たる試験体では近赤外線の分類に属する範囲でも紫外線、可視光線と同様に10%という低い反射率であるのに対し、本願対応の試験体は近赤外線に属する1280nmから少なくとも2180nmまでの範囲では90%を越える高い反射率を有したものとなっていることに基づいている。
しかも、例えば図4に示されるように、赤外線反射積層フィルム1を自動車7のルーフ8の外面に貼り付けにより装着する場合に、従来の赤外線反射フィルムでは外面を構成する第1層が金属箔等からなる赤外線反射層であったために、かかるフィルムを貼り付けた箇所が銀色等となって他の箇所に対し目立ってしまい、自動車8の車体デザインやカラーに沿わなかったのに対し、この赤外線反射積層フィルム1では、第1層たる外面構成層4について自由に色彩を着けることが可能であるため、自動車8の車体デザインやカラーに合った色彩のものを選択して貼り付けることもできる。
尚、赤外線反射積層フィルム1を貼り付ける対象物を図4では自動車のルーフとして説明したが、必ずしもこれに限定されず、自動車のルーフ以外の場所であっても良く、さらには、家屋の屋根、自動販売機等の太陽光に曝される可能性が高く、このため対象物内がこの太陽光のうちの赤外線により加熱されるおそれのある、あらゆる機械、機器や装置、建造物等に使用することができる。
また、赤外線反射積層フィルム1の構成も、図1に示されるような、2つの基材層2、2と、これらの基材層2と基材層2との間に配された赤外線反射層3と、当該赤外線反射積層フィルム1の最も外面側に配された外面構成層4とを積層して構成されたものに限定されず、図5に示されるような、外面側から見て、外面構成層4、赤外線反射層3、基材層2、粘着層5の順に積層されたものとしても良い。また、図6に示されるような、外面構成層4、基材層2、赤外線反射層3、粘着層5の順に積層されたものとしても良い。ここで、かかる外面構成層4、赤外線反射層3、基材層2、粘着層5の各構成は、先の図1の実施例で説明したものと同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。そして、粘着層5は、未使用時において、図5(a)、図6(a)に示されるように、例えば厚みが25マイクロメートルの保護剥離フィルム6で覆われている点でも同様である。
これらの図5及び図6に示される赤外線反射積層フィルム1についても、外面構成層4及び赤外線反射層3を有する構成であるので、図1に示される赤外線反射層3と同様に、通常の黒色車体塗料を厚みが1mmのアルミニウム板に塗布した後に貼り付けて試験体を形成して、この試験体に対し太陽光を模した45Wの電球で照射した場合でも、単に通常の黒色車体塗料を厚みが1mmのアルミニウム板に塗布した従来例たる試験体に比較して、表面の昇温を抑制することができ、また赤外線の反射率も高い反射率を得ることができる。
図1は、この発明に係る赤外線反射積層フィルムの断面構造の一例を示す説明成図である。 図2は、アルミ板に黒色車体塗料を塗った試験体と、アルミ板に同じ黒色車体塗料を塗った後、同上の赤外線反射積層フィルムを貼り付けた試験体とにおける断熱性の比較試験を行って得られた結果を示す特性線図である。 図3は、アルミ板に黒色車体塗料を塗った試験体の反射率と、アルミ板に同じ黒色車体塗料を塗った後、同上の赤外線反射積層フィルムを貼り付けた試験体の反射率とを比較した状態を示す特性線図である。 図4は、同上の赤外線反射積層フィルムの用途の一例として自動車のルーフの外面に貼り付けた状態を示す説明図である。 図5は、この発明に係る赤外線反射積層フィルムの変形例であって、基材層が赤外線反射層よりも外面側に一つ配された状態を示す説明図である。 図6は、この発明に係る赤外線反射積層フィルムの更なる変形例であって、基材層が赤外線反射層よりも対象物側に一つ配された状態を示す説明図である。
符号の説明
1 赤外線反射積層フィルム
2 基材層
3 赤外線反射層
4 外面構成層
5 粘着層
6 保護剥離フィルム
7 自動車(対象物)
8 ルーフ

Claims (2)

  1. 4つの層を順次積層して構成され、内部空間を有する対象物の外面に装着される赤外線反射積層フィルムにおいて、
    前記4つの層のうち2つの層は同じ基材層であり、前記2つの基材層は、少なくとも赤外線を透過する性質と可撓性とを有すると共に加工性に優れた樹脂系の素材で形成されて赤外線に対して透明であり、前記樹脂系の素材を用いるにあたってその厚みが前記赤外線反射積層フィルムの可撓性を確保することができる寸法となっており、
    前記4つの層のうち1つの層は赤外線反射層であり、前記赤外線反射積層は、赤外線の反射率が相対的に高い金属素材からなる金属箔が用いられており、
    前記4つの層のうち1つの層は、赤外線に対し透明な外面構成層であり、前記外面構成層は、可視光線のうちの特定の波長の光を吸収することで好みの色彩で発色すると共に赤外線を透過する性質を有する素材として、有機染料又は有機顔料が用いられていると共に、
    前記赤外線反射積層を前記2つの基材層の間に配置し、前記外面構成層を前記対象物に対し前記2つの基材層及び前記赤外線反射積層よりも遠い側で且つ前記赤外線反射積層フィルムの最も外側に配置して、
    可視光線に対しては、前記外面構成層において可視光線のうちの特定の波長の光を吸収すると共にそれ以外の波長の光を反射することで色を認識させ、赤外線に対しては、前記赤外線に対し透明な外面構成層を透過すると共に前記赤外線に対し透明な基材層を透過して、前記赤外線反射層まで至るようにしたことを特徴とする赤外線反射積層フィルム。
  2. 前記金属箔は、赤外線の反射率が近赤外線に属する所定波長領域では90%を越える金属素材からなることを特徴とする請求項1に記載の赤外線反射積層フィルム。
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