JP5510657B2 - コンタクトプラグ形成方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールに形成されたコンタクトプラグコンタクトプラグ形成方法に関するものである。
近年、シリコン超LSI半導体装置では、トランジスタなどの半導体素子の集積密度の増加やチップサイズの縮小化に伴い、集積する半導体素子やそれらの素子を電気的に接続するための集積回路の内部の配線の幾何学的寸法は微細化の一途を辿っている。シリコン半導体装置に用いられる配線は平面的で2次元的な配線に限られていない。例えば、超LSIなどの集積回路には、トレンチ(trench)やビア(via)などを利用したダマシン(damascene)型構造(下記の非特許文献1参照)の多層構造配線の様に3次元的で立体的な配線が用いられている。これらの配線と集積回路をなす素子を電気的に接続させるために用いられるのがコンタクトプラグである。
特開2008―117853号公報 特開2009―010037号公報
S.M.ジィー著、「半導体デバイス(第2版)−基礎理論とプロセス技術−」(2005年10月5日、産業図書(株)発行、第2版第3刷、355〜356頁) R. Islam et al., VLSI Proc., pp.22-23(2000) M. Inohara et al., IEDM Proc., pp.4.6. 1-3(2001) S. Demuynck et al., IITC Proc., pp. 178-179(2006) K. Kawamura et al., AMC Proc., pp.7-3. 128-129(2001)
シリコン半導体集積回路のための配線の一部を構成するコンタクトホール(コンタクトプラグ(接触plug)を形成するためのビア)の内部に設けられるコンタクトプラグは、集積回路をなすトランジスタの機能を発揮するための機能領域(半導体シリコンからなる、例えばソース、ドレイン、ゲート領域を云う。)に設けられた金属シリサイド(metal silicie)などからなる電極を介して電気信号を供給するために利用される。従来技術を省みるに、トランジスタのソース(source)、ドレイン(drain)、ゲート(gate)の各電極のコンタクトプラグをタングステン(元素記号:W)から構成する例がある(上記の特許文献1参照)。タングステン(W)からなるコンタクトプラグは、電気抵抗の小さなアルミニウム(元素記号:Al)や銅(Cu)からなる配線に電気的に接続されている。
昨今のシリコン半導体集積回路の高集積化に伴うコンタクトホールの微細化に相応して、シリコンからなる素子機能領域や金属シリサイドからなる電極に設けられるコンタクトプラグもより微細となりつつある。従って、コンタクトプラグの電気抵抗の増加は、無視できない程になり、信号遅延(RC遅延のことである。)に悪影響を及ぼしつつあり、電気信号の高速処理化に支障を来たしているのが現状である。このため、コンタクトプラグをタングステン(W)より比抵抗の小さな銅(Cu)を用いて構成する技術が提案されている(上記の特許文献1及び2、並びに非特許文献2乃至5参照)。
特許文献1は、トランジスタのソースおよびドレイン領域に、タングステン(W)膜とその上の銅(Cu)膜との重層構造からコンタクトプラグを構成する技術を開示している。この重層構造にあって、タングステン(W)は、ソース又はドレイン領域への銅(Cu)の原子拡散を抑止する、所謂、拡散バリア(diffusion barrier)層としての機能を発揮するとされている。また、その重層構造をなすタングステン(W)膜の膜厚を、コンタクトプラグを設けるコンタクトホールの深さの1/3、または50ナノメーター(単位:nm)程度に設定すれば、コンタクトプラグに係る電気抵抗を低減するのに寄与できるとされている。
しかしながら、従来技術に倣い、コンタクトプラグをタングステン(W)と銅(Cu)の接合構造から構成するとしても、如何せん、比抵抗の大きなタングステン(W)をコンタクトプラグの内部に存在させていることから、接触抵抗の小さなコンタクトプラグを充分に安定して得るに至っていない。また、全体を銅(Cu)から形成したコンタクトプラグの場合ほどの電気抵抗の小さなプラグを充分に安定して得ることができてない。このためRC遅延(上記の非特許文献1の345〜346頁参照)が小さく、高速に動作するトランジスタを構成素子と必要とするシステムLSIを充分に安定して生産できていないのが現状である。また、コンタクトプラグの電気抵抗の大きさは低消費電力の小さなシリコン集積回路を安定的に供給するのに支障を来たしているのは否めないのも現況である。
また、特許文献2は、コンタクトプラグを銅(Cu)のみから構成する技術を開示している。この銅(Cu)のみからなるコンタクトプラグにあっては、銅(Cu)の原子拡散を防ぐための拡散バリア層としては、タンタル(元素記号:Ta)又はチタン(元素記号:Ti)を第1層(下層)とし、窒化タンタル(TaN)を第2層(上層:プラグの銅(Cu)に接する層)とする二重構造層が用いられている。
このように、銅(Cu)のみからコンタクトプラグを形成する場合に、従来技術において用いられている二重構造の拡散バリア層を利用すると、これまた不都合が生ずる。接触抵抗の小さなコンタクトプラグを得るには、薄い拡散バリア層を用いるのが得策であるところ、従来技術が開示するところの拡散バリア層は、それを構成するのに2層を必要としているため、薄層化するのに技術的な困難さを伴うからである。加えて、特に、アスペクト比(コンタクトホールの深さに対する開口幅の比)が小さい微細なコンタクトホールの内部、特に奥深い底部に露出させている金属シリサイド膜の表面全体に均一な膜厚の二重構造の拡散バリア層を設けるのには困難を伴っている。
ところで、コンタクトホールを銅(Cu)から構成する場合における不都合としては、銅(Cu)は、コンタクトプラグを設けるコンタクトホールの底面に露出しているシリコンや金属シリサイドとの反応性が高く、且つそれらへの銅原子の浸透速度も速いことも挙げられる。このため、徒に薄膜の拡散バリア層を用いたところで、銅(Cu)原子の拡散を充分に抑止できなければ、銅(Cu)と金属シリサイドなどとの反応に因り、例えばトランジスタをなす電極のオーミック(Ohmic)特性或いはまたショットキー(Schottky)特性などの悪化を来たすことが問題となる。しかして、性能の低下したトランジスタを高密度に集積して集積回路を作製したところで、その集積回路をなす素子が不良であれば、正常な特性の集積回路を得るのに難を来たすのは当然である。
また例えば、トランジスタのソース領域やドレイン領域の金属シリサイド膜上に銅(Cu)の原子拡散を防ぐに不十分な、徒に薄膜としたバリア層を介して、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを設けたとしても、侵入した銅(Cu)原子に因りドレイン電流の漏洩(leak)が発生し易くなる不都合が生ずる。また、例えば、ゲート領域に形成した金属シリサイド膜上の銅(Cu)の原子拡散を防ぐに不十分なバリア層を介して、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを設けた場合にしても、侵入した銅(Cu)原子に因りゲート電流の漏洩(leak)が生じ、正常なピンチオフ(pinch−off)特性が得られ難いなどの不都合が生じている。
本発明は上記の従来技術の不都合を克服すべく成されたもので、薄膜であっても銅(Cu)原子の金属シリサイド膜などへの拡散を充分に安定して抑止でき、尚且つ、小さな接触抵抗をもたらす比抵抗の小さな銅(Cu)から形成したコンタクトプラグコンタクトプラグ形成方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成方法において、上記コンタクトホールの底面に位置する金属シリサイド膜の表面を露出させる金属シリサイド膜露出工程と、上記金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁とともに、コンタクトホールの内部全体に埋め込むように銅・マンガン(Cu・Mn)合金層を被着させ銅・マンガン合金層を形成し、コンタクトホールの内方に銅層を被着させることを不要とした銅・マンガン合金層形成工程と、上記銅・マンガン合金層に所定の熱処理を行う熱処理工程と、を備え、上記熱処理工程により、銅・マンガン合金層のマンガンを拡散させ当該銅・マンガン合金層を銅のみとして銅プラグ層を形成しコンタクトプラグ本体とするとともに、そのマンガン拡散により、銅プラグ層と金属シリサイド膜との界面、および銅プラグ層とコンタクトホール周壁との間に酸化マンガン膜を形成する、ことを特徴とする。
さらに、上記金属シリサイド膜露出工程において露出させた金属シリサイド膜の表面を酸化し、金属シリサイド膜を構成する元素からなる酸化物膜を形成する、ことを特徴とする。
また、上記金属シリサイド膜の表面の酸化は、金属シリサイド膜の表面を酸素プラズマに曝すことにより行う、ことを特徴とする。
なお、半導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールに形成されたコンタクトプラグにおいて、上記コンタクトホールの底部に形成された金属シリサイド膜と、上記コンタクトホール内で金属シリサイド膜上に形成された酸化マンガン膜と、上記酸化マンガン膜上に、コンタクトホールを埋め込むように形成された銅プラグ層と、を備え、上記酸化マンガン膜は、非晶質からなる膜である、ことを特徴とする。
上記コンタクトプラグにおいて、上記金属シリサイド膜は表層部が酸化されているものである。
記酸化マンガン膜は、コンタクトホール内の金属シリサイド膜上に形成されているとともに、コンタクトホールの周壁に形成されているものである。
記酸化マンガン膜を、珪素(元素記号:Si)を含む膜とするものである。
記酸化マンガン膜は、その膜表面より膜厚方向の深部に向けてマンガン(Mn)の結合エネルギーをより大としているものである。
記酸化マンガン膜は、膜厚が0.5ナノメーター(nm)以上で7nm以下である。
記金属シリサイド膜は、コバルト(元素記号:Co)、チタン(元素記号:Ti)、ニッケル(元素記号:Ni)、またはタングステン(元素記号:W)の何れかを含むものである。
記金属シリサイド膜を、ニッケル(Ni)シリサイド膜とするものである。
記金属シリサイド膜を、コバルト(Co)シリサイド膜とするものである。
上記コンタクトプラグと、そのコンタクトプラグに電気的に接続する配線本体と、を備えることを特徴とする配線である。
記配線本体が銅(Cu)から構成されているものである。
上記コンタクトプラグを備えている、ことを特徴とする半導体装置である。
上記配線を備えている、ことを特徴とする半導体装置である。
上記配線を備えている、ことを特徴とする半導体装置である。
導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成方法において、上記コンタクトホールの底面に位置する金属シリサイド膜の表面を露出させる金属シリサイド膜露出工程と、上記コンタクトホールの底面に露出した金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁に、酸化マンガン膜を形成する酸化マンガン膜形成工程と、上記酸化マンガン膜上に、コンタクトホールを埋め込むように銅を被着させて銅プラグ層を形成しコンタクトプラグ本体とする銅プラグ層形成工程と、を備えることを特徴とするコンタクトプラグ形成方法である。
導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成方法において、上記コンタクトホールの底面に位置する金属シリサイド膜の表面を露出させる金属シリサイド膜露出工程と、上記コンタクトホールの底面に露出した金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁に、銅・マンガン(Cu・Mn)合金を被着させて銅・マンガン合金層を形成する銅・マンガン合金層形成工程と、上記銅・マンガン合金層が形成されたコンタクトホールの内方を埋め込むように銅を被着させて銅層を形成する銅層形成工程と、上記銅・マンガン合金層に所定の熱処理を行う熱処理工程と、を備え、上記熱処理工程により、銅・マンガン合金層のマンガンを拡散させ、当該銅・マンガン合金層を銅のみとするとともに上記銅層と一体化させて銅プラグ層としコンタクトプラグ本体とするとともに、そのマンガン拡散により、銅プラグ層と金属シリサイド膜との界面、および銅プラグ層とコンタクトホール周壁との間に酸化マンガン膜を形成する、ことを特徴とするコンタクトプラグ形成方法である
本発明によれば、金属シリサイド膜を底部に配置した、絶縁膜に設けられたコンタクトホールの内部に、その金属シリサイド膜の表面に形成した酸化マンガン膜を介して銅(Cu)からなるコンタクトプラグを設ける構成としたので、即ち、薄くとも銅原子の拡散を抑止する作用を充分に発揮できる酸化マンガン膜を介して設ける構成としたので、例えばトランジスタのソースやドレイン特性に悪影響を及ぼすことの無い銅(Cu)からなるコンタクトプラグを提供できる。また、従来技術による二重構造の拡散バリア層を用なくとも、接触抵抗の小さな銅(Cu)コンタクトプラグを提供できる。
また、金属シリサイド膜上の酸化マンガン膜を、特に、結晶粒界の無い非晶質からなる膜から構成することとしたので、素子を動作させるための電流(素子動作電流)が結晶粒界を経由して徒に素子の機能領域、例えばゲート領域に短絡的に漏洩するのを回避できる。このため、ピンチオフ特性などに優れる正常なゲートアクションを呈する集積回路などを構成するための素子を安定して提供できる。
本発明によれば、酸化マンガン膜を、酸化により表層部に酸化物膜を設けた金属シリサイド膜上に設ける構成としたので、金属シリサイド膜との密着性により優れる酸化マンガン膜からなる拡散バリア層をもたらすことができる。
本発明によれば、金属シリサイド膜上に設ける酸化マンガン膜を、特に珪素(Si)を含む酸化マンガン膜から構成することとしたので、珪素を含む効果により、金属シリサイド膜との密着性に優れる酸化マンガン膜を得ることができる。これより、金属シリサイド膜の表面の全体に平面的に密着させて酸化マンガン膜を設けることができるため、酸化マンガン膜上のコンタクトプラグを経由して供給される素子動作電流の金属シリサイド膜への通流通路を広い範囲とすることができる。従って、しいては、接触抵抗の小さなコンタクトプラグを提供するのに貢献できる。
本発明では、金属シリサイド膜上の酸化マンガン膜を、特に、その表面より膜厚方向の深部である程、例えばマンガン(Mn)原子の2p軌道などのエネルギーが増加している、即ち、表面より金属シリサイド膜側の深部に向けて、マンガン(Mn)原子の結合エネルギーをより大としている酸化マンガン膜とした。このため、その上に配置するコンタククトプラグをなす銅(Cu)の金属シリサイド膜内への、しいてはシリコンなどからなる素子の機能領域への銅(Cu)原子の拡散を抑止する拡散バリア層としての作用を発揮でき、正常なソース/ドレイン特性やゲート特性を呈する集積回路をなす素子を提供できる。
本発明では、金属シリサイド膜を上に設ける酸化マンガン膜の膜厚を、0.5nm以上で7nm以下として形成することとしたので、コンタクトプラグに印加した電圧に対して、線形的に電流を流せる膜厚となり、オーミック接触性に優れる銅(Cu)からなるコンタクトプラグを安定して形成できる。
本発明によれば、酸化マンガン膜を、コバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)又はタングステン(W)の何れかの金属のシリサイド膜上に設ける構成としたので、オーミック接触性の良好な銅(Cu)コンタクトプラグを提供できる。
本発明では、特に、酸化マンガン膜を設ける金属シリサイド膜をニッケル(Ni)シリサイド膜としたので、接触抵抗が小さく、良好なオーミック特性を有するコンタクトプラグをもたらすことができる。
本発明では、特に、酸化マンガン膜を設ける金属シリサイド膜をコバルト(Co)シリサイド膜としたので、接触抵抗が小さく、良好なオーミック特性を有するコンタクトプラグをもたらすことができる。
本発明で、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを用いて配線を構成することとしたので、素子動作電流についての電気抵抗の小さな配線を形成するのに効果を上げられる。
本発明で、配線本体を特に、銅(Cu)から構成される配線に用いることとしたので、電気抵抗の小さな配線を構成できる。従って、この様な銅配線を用いれば、低消費電力でRC遅延の小さな集積回路を構成できる。
本発明で、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを備えている半導体装置を提供する。上記の銅(Cu)からなるコンタクトプラグを用いれば、低消費電力でRC遅延の小さな素子や、その素子を集積してなる集積回路を構成できる。
本発明では、上記の配線を備えていることを特徴とする半導体装置を提供する。接触抵抗の小さな銅からなるコンタクトプラグを備えた配線を利用すれば、低消費電力でRC遅延の小さな素子や、その素子を集積してなる集積回路などの半導体装置を構成するのに優位となる。
本発明では、上記の銅からなる配線本体を備えている半導体装置を提供する。接触抵抗の小さな銅(Cu)からなるコンタクトプラグと併せて従来のアルミニウム(Al)に比較しても小さな比抵抗を有する銅(Cu)からなる配線本体を用いることにより、低消費電力でRC遅延の小さな素子や、その素子を集積してなる集積回路などの半導体装置をより優位に構成できる。
本発明では、金属シリサイド膜を底部に配置した、絶縁膜に設けられたコンタクトホールの内部に、その金属シリサイド膜の表面に形成した酸化マンガン膜を介して銅(Cu)からなるコンタクトプラグを設ける構成とした。薄くとも銅原子の拡散を抑止する作用を充分に発揮できる酸化マンガン膜を介して設けるので、例えばトランジスタのソースやドレイン特性に悪影響を及ぼすことの無い銅(Cu)からなるコンタクトプラグを提供できる。また、従来技術による二重構造の拡散バリア層を用いなくとも、接触抵抗の小さな銅(Cu)コンタクトプラグを提供できる。
本発明の第1の発明によれば、金属シリサイド膜上に、銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を被着させた後、加熱することとしたので、合金膜と金属シリサイド膜との界面近傍の領域に酸化マンガン膜と、合金膜の上部に、コンタクトプラグをなす銅(Cu)を併せて同時に形成することができる。金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁とともに、コンタクトホールの内部全体に埋め込むように銅・マンガン(Cu・Mn)合金層を被着させ銅・マンガン合金層を形成し、コンタクトホールの内方に銅層を被着させることを不要とした銅・マンガン合金層形成工程を備えるので、コンタクトホールの内方に銅層を被着させることを不要とすることができる。
本発明の第2の発明によれば、金属シリサイド膜の表面を酸化して、その金属シリサイド膜の表層部に、金属シリサイド膜を構成する元素からなる酸化物膜を形成した後、その酸化物膜上に酸化マンガン膜を形成することとしたので、銅(Cu)原子の拡散に対して充分に拡散バリア層として作用できるコンタクトプラグを形成できる。
本発明の第3の発明では、金属シリサイド膜の表面を、酸素プラズマに曝すことにより酸化したる後、酸化マンガン膜を設けることとしたので、銅(Cu)原子の拡散に対してバリア層を充分に発揮できる拡散バリア層を形成できる。
酸化マンガン膜の膜厚と電流−電圧特性における累乗指数(k)との関係図である。 実施例1に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグの形成手順を示す図である。 実施例1に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグの形成手順を示す図である。 実施例1に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグの形成手順を示す図である。 実施例1に係るコンタクトプラグの断面透過電子顕微鏡(TEM)像である。 実施例1に係る酸化マンガン膜のXPS分析図である。 銅・マンガン合金層を熱処理して酸化マンガン膜と銅層が形成される手順を概略的に示す模式図である。 実施例2に係るコンタクトプラグの形成手順を示す図である。
本発明に係る酸化マンガン膜を設けるための金属シリサイド膜は、例えばシリコンやガラスなどの基板の表層部に形成された半導体シリコンからなるソース、ドレイン、或いはまたゲート機能を発揮する素子の機能領域に設ける。半導体シリコンからなる素子の機能領域に電極などとして金属シリサイド膜を形成する。金属シリサイドとは、例えばマグネシウム(元素記号:Mg)、白金(元素記号:Pt)、ハフニウム(元素記号:Hf)、モリブデン(元素記号:Mo)、タンタル(Ta)、バナジウム(元素記号:V)、ニオブ(元素記号:Nb)、クロム(元素記号:Cr)などの金属元素と珪素(Si)の化合物である。本発明では特に、電気的特性の観点からコバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、又はタングステン(W)の何れかを含む金属シリサイド膜を用いる。
金属シリサイド膜は、先ず、コバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、又はタングステン(W)の何れかの金属膜を、素子の機能領域を形成した例えば、シリコン基板の表面に、それらの金属からなるターゲット(target)をスパッタリング(sputtering)する物理的蒸着法(英略称:PVD)やそれらの金属を含む例えば、カルボニル化合物や、シクロペンタ化合物など脂環式化合物等を原料とする化学的気相蒸着法(英略称:CVD)などの金属被着手段で被着させる。化学的気相蒸着法によりコバルト(Co)膜を形成する際に利用できる原料としては、例えばシクロペンタジエニルコバルトジカルボニル(示性式:CCo(CO))がある。
次に、シリコン基板共々、その金属膜を加熱して、シリコンとその金属をなす金属とを反応させて金属シリサイド膜を形成する。例えば、ニッケル(Ni)膜をシリサイド化して、ニッケル(Ni)シリサイド膜を形成するには、真空中或いは不活性ガス雰囲気内で400℃以上、800℃以下の温度での加熱が望ましい。加熱温度が400℃未満の低温であると、ニッケル(Ni)膜の全体をニッケル(Ni)シリサイドに変換できず、ニッケル(Ni)膜の上部に未反応のニッケル(Ni)が残存してしまう。一方、800℃を越える高温では、ニッケル(Ni)膜の全体をニッケル(Ni)シリサイドに変換はできるが、ニッケル(Ni)シリサイド膜の表面にまで、シリコン(Si)が拡散してしまう事態を招くため、これまた好ましくはない。不十分な加熱に因り表面に残存するニッケル(Ni)や高温での加熱により表面に浮き出した珪素(Si)は、コンタクトプラグ或いはそれに電気的に接続する銅(Cu)の内部に侵入してコンタクトプラグの接触抵抗や銅配線の電気的抵抗を増加させる不都合を生ずるからである。
また、金属シリサイド膜は、金属シリサイドからなるターゲットを用いて、スパッタ(sputter)法により形成することができる。例えば、タングステン(W)シリサイドからなるターゲットを用いて高周波スパッタリング法で形成できる。また、珪素(Si)とコバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、又はタングステン(W)の何れかの金属を同時に供給する物理的或いは化学的蒸着法により金属シリサイド膜を形成することもできる。いずれの手段によるにしても、形成後、金属シリサイド膜を加熱処理すると、シリコン基板との密着性を向上させることができる。
金属シリサイド膜は、それからなる電極を必要とする特定の領域、例えば素子の機能領域に限定して残存させる。シリコン基板上の特定の領域に金属シリサイド膜を形成するには、当初より金属シリサイド膜を、それを必要とするシリコン基板上の特定の領域にマスク(mask)材料を用いて選択的に被着させる手段がある。マスク材料には、金属シリサイド膜を設ける必要がある領域に開口部を有する物とする。このマスク材料を層間絶縁膜として応用できる炭化酸化珪素(SiOC)膜などから構成すると、その膜に設けた開口部をコンタクトホールとして利用できる可能性もある。
しかし、その様にした場合、コンタクトホールの側壁に相当する開口部の側面にも金属シリサイド膜が付着することとなり、コンタクトプラグと開口部の側面(コンタクトホールとの側壁)とで充分な電気的な絶縁性を維持できない不都合が生ずる。湿式エッチング法などの化学的手段やプラズマ(plasma)エッチング法などの物理的手段により、開口部の側壁に付着した金属シリサイド膜もエッチングにより除去することも考慮される。ところが、開口部の側壁に付着した金属シリサイド膜のみ除去するのは困難を伴い、開口部の底部に被着した金属シリサイド膜もが除去されてしまい、不都合となる。
金属シリサイド膜を、素子の機能領域などの特定の領域に限定して残存させる別の手段には、シリコン基板の表面の全体に一旦、金属シリサイド膜を化学的或いは物理的蒸着手段により形成し、然る後、公知のフォトリソグラフィー技術によるパターニング技術とそれに付随する選択的エッチング技術により、不要な金属シリサイド膜を除去して、特定の領域に限り金属シリサイド膜を残存する方法がある。例えば、電子線描画法や短波長の紫外線を光源とするダブル露光技術を利用すれば、幅を32ナノメーター(単位:nm)或いは21nmとする金属シリサイド膜も工業的に安定して形成でき得て利便である。
金属シリサイド膜を一旦、シリコン基板の全面に一様に形成させる手段にあっても、シリコン基板との密着性を増すための加熱は、エッチングにより、特定の領域にのみ金属シリサイド膜を残存させた後に行う。また、金属膜をシリサイド化するために実施する加熱処理も、特定の領域のみにシリサイド膜となす金属の膜を残存させた後に行うこととする。そうしないと、金属シリサイド膜を不要とする、例えば素子の機能領域以外の領域でも金属とシリコンの反応に因り、シリサイド膜が形成され、銅(Cu)からなるコンタクトプラグから供給される素子動作電流の不用意な漏洩が生じ、低消費電力の素子並びにその素子を構成要素とする集積回路などを得るに不都合となるからである。
素子の機能領域などの特定の領域に設けた金属シリサイド膜上には、金属シリサイド膜と電気的に接続する銅からなるコンタクトプラグを形成するためのコンタクトホール(接続hole)を設ける。コンタクトホールは、例えばシリコン基板上の絶縁膜やダマシン型多層配線構造をなすための層間絶縁膜などの電気的な絶縁膜に形成する。絶縁膜は、酸化珪素(組成式SiO;Xは2であるのがもっぱらである。)、窒化珪素(Si;Y=3、Z=4がもっぱらである。)、窒化酸化珪素(SiNO)、弗化酸化珪素(SiFO)などの珪素(Si)を含む低誘電率の無機又は有機化合物から形成する。絶縁膜は、内部に微細な空隙を有する、所謂、ポーラス(porous)な水素化シルセスキオキサン(英略称:HSQ)やメチルシルセスオキサン(英略称:MSQ)などの珪素(Si)化合物からも形成できる。
貫通孔であるコンタクトホールの底部に露出している金属シリサイド膜上には、銅(Cu)原子の拡散に対する拡散バリア層としての酸化マンガン膜を形成する。本発明の云う酸化マンガン膜とは、例えば一酸化マンガン(組成式:MnO)、二酸化マンガン(組成式:MnO)、三酸化二マンガン(組成式:Mn)、四酸化三マンガン(組成式:Mn)などのマンガン酸化物からなる膜、並びにこれらの混合物からなるマンガン酸化物の総称である。マンガン酸化物の組成は、X線光電子分光(英略称:XPS)法によるマンガン(Mn)と酸素(O)の結合エネルギーの分析などにより調査できる。
金属シリサイド膜上には、いくつかの技術手段により酸化マンガン膜を形成できる。その一つは、金属シリサイド膜上にマンガン(Mn)膜を形成し、そのマンガン(Mn)膜と酸素(O)を反応させて酸化マンガン膜を形成する手段である。例えば、ビスエチルシクロペンタジエニルマンガン(示性式:(CMn)をマンガン(Mn)の原料とし、水素ガス(分子式:H)を輸送ガスとする化学的気相蒸着法で形成したマンガン(Mn)膜を酸化して酸化マンガン膜を形成する方法である。この形成方法の利点は、狭い幅のコンタクトホールでも、容易に酸化マンガン膜を形成できることにある。
化学的気相蒸着法により、例えばNiSi,NiSi,NiSi、NiSiなどの組成を有するニッケル(Ni)シリサイド膜上にマンガン膜を形成する際の温度は、100℃以上で、400℃以下であるのが適する。100℃未満の低温では、金属シリサイド膜上に均一に酸化マンガン膜を形成するに至らない。一方、400℃を越える高温では、マンガン膜に、主に原料の化合物に付加している炭化水素基の熱分解に起因して炭素(元素記号:C)が多く含まれることとなる。このため、金属シリサイド膜との密着性に劣る酸化マンガン膜が帰結され不都合となる。
別の一つの手段は、物理的蒸着手段による方法である。例えば、高周波スパッタリング法により、マンガン(Mn)膜を形成した後、その膜を酸化して酸化マンガン層を形成する方法である。マンガン(Mn)をスパッタリングする際のターゲットには、高純度のマンガン(Mn)からなるのが望ましい。特に、酸化物の形成エンタルピーがMnOの形成エンタルピーより大きい元素の含有されていないか、含有量の少ない99.999%(=5N)以上の高純度のマンガン(Mn)からなるのが好ましい。この様な高純度のマンガン(Mn)ターゲットを用いることにより、素子動作電流の漏洩を誘因する金属不純物の含有量の少ない酸化マンガン膜を得ることができるからである。
また、他の一つの手段は、例えば、酸化マンガンをターゲットとして、金属シリサイド膜上に酸化マンガン膜を形成する方法である。この方法によれば、酸化マンガン膜を形成するために、マンガン(Mn)膜を酸化する操作が不要であることに利点が見出せる。また、組成を相違する酸化マンガンからなるターゲットを用いれば、ターゲットをなす酸化マンガンの組成の相違に相応して、組成を異にする酸化マンガン膜を形成するのにも利便となる。例えば、一酸化マンガン(MnO)又は二酸化マンガン(MnO)からなる各ターゲットを使い分けて、金属シリサイド膜の表面上の領域を一酸化マンガン膜とし、銅からなるコンタクトプラグを設ける側を二酸化マンガン膜とした二層構造の酸化マンガン膜を利便に構成できる。
本発明では、金属シリサイド膜上の酸化マンガン膜を、特に、結晶粒界の無い非晶質からなる膜から構成することする。素子動作電流が結晶粒界を経由して徒に素子の機能領域、例えばゲート領域に短絡的に漏洩するのを回避できるからである。このため、ピンチオフ特性などに優れる正常なゲートアクションを呈する集積回路などを構成するための素子を安定して提供できるからである。化学的気相蒸着法或いは物理的蒸着法などの酸化マンガン膜の成膜手段に依存せず、非晶質の酸化マンガン膜を得るには、酸化マンガン膜を得るための上記のマンガン(Mn)膜や酸化マンガン膜を低温で成膜するのが得策である。
また、本発明では、金属シリサイド膜上に設ける酸化マンガン膜を、特に珪素(Si)を含む酸化マンガン膜から構成することとしたので、珪素を含む効果により、金属シリサイド膜との密着性に優れる酸化マンガン膜を得ることができる。何をかいわんや、金属シリサイド膜をなす珪素(Si)を酸化マンガン膜の内部に侵入させられようにして酸化マンガン膜を形成する必要がある。非晶質であり、尚且つ珪素(Si)を含む酸化マンガン膜を得るのに適する条件、特に適する範囲の温度で酸化マンガン膜を形成する必要がある。たとえば、チタン(Ti)シリサイド膜上に、珪素(Si)を含む非晶質のマンガン酸化物を設けるに好適な温度の範囲は、大凡、100℃から400℃以下である。これより、金属シリサイド膜の表面の全体に平面的に密着させて酸化マンガン膜を設けることができるため、酸化マンガン膜上のコンタクトプラグを経由して供給される素子動作電流の金属シリサイド膜への通流通路を広い範囲とすることができる。従って、しいては、接触抵抗の小さなコンタクトプラグを提供するのに貢献できる。
珪素(Si)を含む酸化マンガン膜を得るための一つの便法は、金属シリサイド膜の表面を酸化した後、酸化マンガン膜を形成する方法である。金属シリサイド膜を例えば、酸素プラズマを利用して酸化した後、酸化マンガン膜を形成する方法である。金属シリサイド膜をニッケル(Ni)シリサイド膜とした場合に、その表面を酸化する条件としては、圧力を50パスカル(単位:Pa)とする減圧環境内で、50ワット(単位:W)の高周波電力を印加して発生させた酸素プラズマに、30分間曝す例を挙げられる。この例示した条件下では、ニッケル(Ni)シリサイド膜の表面に約1nmの非晶質の酸化膜が形成される。
金属シリサイド膜に形成される酸化物膜の厚さは、酸化の時間の平方根値に比例して増加する。金属シリサイド膜の表面を酸化することにより、その膜の表層部に形成される酸化物は、主に、金属シリサイド膜を構成する元素にあって、酸化物の形成エンタルピーをより小とする元素の酸化物である。例えば、塩化ナトリウム(NaCl)結晶型の酸化チタン(TiO)の温度300ケルビン(単位:K)の抵抗率は、3×10−6オーム・メートル(単位:Ω・m)である(津田、那須、藤森、白鳥共著、「電気伝導性酸化物(改訂版)」(1999年2月10日、(株)裳華房発行改訂第7版、26頁)。また、例えば、ルチル(rutile)結晶型の酸化タングステン(組成式WO)の300Kでの抵抗率は、3×10−5Ω・mである(上記の「電気伝導性酸化物(改訂版)」、30頁)。本発明で用いる非晶質の酸化物の抵抗率は、一般に結晶の形態の酸化物のそれより高い。従って、接触抵抗の小さな銅(Cu)からなるコンタクトプラグを得るために、金属シリサイド膜の表面に形成する酸化物膜の層厚は、1.5nm以下とするのが好ましい。更には1nm以下とするのが好ましい。一方で、珪素(Si)を含む酸化マンガン膜を形成するには0.5nm以上の厚さの酸化物膜が必要である。酸化物膜の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(英略称:TEM)などを利用して測定できる。
金属シリサイド膜を酸化して形成する酸化物膜は、単結晶や多結晶よりも、非晶質から構成するのが好適である。その成膜条件を適宜、調節することにより形成できる。例えば、上記の酸素プラズマを用いる酸化処理にあって、処理温度を、大凡、室温から100℃未満の低温とすると有利に形成できる。結晶粒界の無い非晶質とすることにより、結晶粒界を経由して素子動作電流が漏洩する量を低減できる。即ち、素子動作電流の漏洩の少ない銅からなるコンタクトプラグを形成でき、しいては、低消費電力の素子及びその素子を構成要素とする集積回路を構成するのに貢献できる。
金属シリサイド膜上に設ける酸化マンガン膜の膜厚は、コンタクトプラグからなる銅(Cu)と金属シリサイド膜との間でオーミック(Ohmic)接触をもたらせる厚さとする。ここで、コンタクトプラグと金属シリサイド膜との間での電流と電圧の関係は、次の関係式(1)で表せる。
I=A×V・・・・・(関係式1)
上記の関係式1において、Iは電流を、Vは電圧を、Aは比例定数を、また、kは累乗指数を各々、表す。関係式1にあって、kが1となるのは、コンタクトプラグが金属シリサイド膜にオーミック接触している場合である。kが1を超えて大きい場合は(k>1)、コンタクトプラグと金属シリサイド膜とでオーミック接触が果たされていない場合である。即ち、本発明では、酸化マンガン膜の厚さを、関係式1におけるkを1とする電流−電圧特性をもたらす厚さ以下とする。
膜厚を異にする酸化マンガン膜を拡散バリア層として挿入した場合のコンタクトプラグをなす銅とニッケル(Ni)シリサイド膜間の電流−電圧特性から求めた累乗指数(=k)値を図1に例示する。横軸は酸化マンガン膜の厚さ、縦軸は累乗指数kを示している。
ニッケル(Ni)シリサイド膜は、物理的蒸着法により、シリコン基板上に400℃で形成し、その表面に、酸素プラズマ処理を施してある。膜厚を5nm〜9nmとする酸化マンガン膜は、化学的気相蒸着法により、成膜温度と時間を変化させて形成した。酸化マンガン膜上には、スパッタリング法により、銅を被着させ、コンタクトプラグとした。図1に例示する如く、酸化マンガン膜の厚さが7nm以下であれば、kの値は実験誤差の範囲内で1となり、即ち、コンタクトプラグをなす銅とニッケル(Ni)シリサイド膜間でオーミック接触が果たされている。一方、膜厚を7nmを超えて厚くする酸化マンガン膜を用いるとk値は1を超えて大となる。厚さを9nmとする酸化マンガン膜を用いた場合は、k値は3となる。
従って、ニッケル(Ni)シリサイド膜にオーミック接触するコンタクトプラグをなす銅からなるコンタクトプラグを形成する際には、酸化マンガン膜の厚さは7nm以下とする必要がある。反面、金属シリサイド膜の表面を均等に被覆するには、酸化マンガン膜の厚さを0.5nm以上とする必要がある。また、コバルト(Co)からなるシリサイド膜を用いた場合も、ニッケル(Ni)シリサイド膜と同様のk値の酸化マンガン膜厚の依存性が得られる(図1参照)。コバルトシリサイド膜上に設けるのに適する酸化マンガン膜の膜厚は、ニッケル(Ni)シリサイド膜と同様に0.5nm以上で7nm以下である。この最適な酸化マンガン膜の膜厚の範囲は、CoSi、CoSi、CoSiなどのコバルト(Co)からなるシリサイド膜の組成の差異に殆ど依存せず通用する。
金属シリサイド上の酸化マンガン膜を、その膜厚の深さ方向に、マンガン(Mn)と酸素(O)との結合エネルギーが変化してなる様に構成すると銅(Cu)原子に対する拡散バリアをより確実に発揮できる拡散バリア層を形成できる。特に、その表面より膜厚方向の深部である程、マンガン(Mn)原子の例えば2p軌道などのエネルギーが増加している、即ち、表面より金属シリサイド膜側の深部に向けて、マンガン(Mn)原子と酸素(O)の結合エネルギーをより大としている酸化マンガン膜から好都合に構成できる。酸化マンガン膜内の深さ方向でのマンガン(Mn)と酸素(O)の結合エネルギーは、例えばX線光電子分光法(XPS)などで分析できる。
銅からなるコンタクトプラグと接する表面側より、その膜の深部で酸素(O)原子とより強固に密接に結合しているマンガン(Mn)が配置した酸化マンガン膜は、金属シリサイド膜から、酸化マンガン膜及びコンタククトプラグをなす銅(Cu)の内へ拡散をより確実に抑止できる拡散バリア層となる。このため、低抵抗の銅(Cu)からなるコンタクトプラグをもたらすことができ、しいては低消費電力の集積回路をなす素子を提供できる。この様な膜の深部に向けて、酸素(O)との結合エネルギーをより大とするマンガン(Mn)を含む酸化マンガン膜は、上述の酸化処理を施した金属シリサイド膜を下地とすることにより安定して形成できる。金属シリサイド膜上の酸化物膜からの距離的な差異に因り、酸化マンガン膜内に拡散して来る酸素(O)に量的な差異が生じ、そのことが結合エネルギーを異にするマンガン(Mn)を含む酸化マンガン膜の形成に寄与していると想到される。
酸化マンガン膜上には、コンタクトプラグをなすための銅(Cu)膜を形成する。銅(Cu)膜は、物理的蒸着法、化学的気相蒸着法、電気メッキ法(英略称:EP)などの手段を用いて形成する。何れの手段にあっても、銅(Cu)膜を形成するのには、高純度の銅(Cu)或いは銅(Cu)含有化合物を原料とするのが望ましい。また、銅(Cu)と、拡散定数が銅(Cu)より大きなマグネシウム(元素記号:Mg)などの金属の合金膜も使用できる。
特に、金属シリサイド膜上に、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを形成する便法に銅(Cu)とマンガン(Mn)の合金膜を利用する手段がある(特開2008―300567号公報参照)。この方法では、先ず、金属シリサイド膜或いは金属シリサイド膜上に設けた酸化物膜上に銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を被着させる。被着させるのは、マンガン(Mn)の原子濃度を2%から10%の範囲とする銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜であるのが望ましい。特に、マンガン(Mn)の原子濃度を2%から10%の範囲とする銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜であるのが好ましい。
銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜は、シクロペンタジエニルトリエチルフォスフィン銅(Cyclopentadienyl(triethylphosphine)Copper(I))やビスエチルシクロペンタジエニルマンガン(Bis(ethylcyclopentadienyl)manganese)などを原料とする化学的気相成長法で成膜できる。また、銅(Cu)・マンガン(Mn)合金からなるターゲットを用いる高周波スパッタリング法やレーザーアブレーション法などの物理的蒸着法により形成できる。銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜は、塊状の蒸着物とならないように、平坦な銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜が安定して得られる温度で成膜する。例えば、高周波スパッタリング法を利用する場合、平坦な銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を形成するのに適する温度は、80℃未満である。
被着した銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜には、加熱処理をする。加熱は、酸素(O)を含む不活性ガス雰囲気中で行う。例えば、酸素ガス(分子式:O)を分圧にして10−4Paから10−1Paの範囲で含む真空雰囲気内か、同じ分圧の酸素を含むアルゴン(元素記号:Ar)やヘリウム(元素記号:He)やネオン(元素記号:Ne)など不活性ガスから雰囲気内で加熱する。加熱雰囲気を構成する不活性ガスは1種類又は2種類以上であっても構わない。例えばアルゴン(Ar)のみの雰囲気でも良いし、例えばアルゴン(Ar)とヘリウム(He)との混合ガスから構成しても差し支えない。加熱は、150℃以上で500℃以下の温度とするのが適する。雰囲気に含まれる酸素(O)の濃度が低い場合程、加熱温度を高温とすると、効率的に銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を酸化することができる。
銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を、酸素(O)を含む雰囲気内で加熱することにより、合金膜内のマンガン(Mn)原子は、金属シリサイド膜側に拡散し、金属シリサイド膜と合金膜との界面に酸化マンガン層が形成される。併せて同時に、合金膜の上部は、マンガン(Mn)が拡散して抜け出すために純粋な銅から形成されることとなる。この純粋な銅(Cu)はコンタクトプラグをなすための銅(Cu)からなるコンタクトプラグとして用いることができる。即ち、銅(Cu)・マンガン(Mn)合金膜を用いる手法は、金属シリサイド膜との界面近傍の領域に酸化マンガン膜を形成し、併せて同時に銅(Cu)からなるコンタクトプラグを形成できる便法となる。
層間絶縁膜などの絶縁膜上に設けられた配線と銅からなるコンタクトプラグとを電気的に接続させれば、本発明に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグを備えた配線を構成できる。例えば、回路配線をなすアルミニウム(Al)と銅(Cu)からなるコンタクトプラグとを電気的に接続させれば本発明に係る配線を構成できる。本発明に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグは接触抵抗が小さいため、抵抗の小さな配線を構成するのに寄与できる。
コンタクトプラグをなす材料と配線を構成する材料とを異にするよりも、双方が同一の材料から構成されていると相互により強固に密着してなる配線を構成できる。従い、銅(Cu)からなるコンタクトプラグとの密着性に優れ、尚且つ、電気抵抗の小さな配線を得るには、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを銅(Cu)からなる配線に接続するのが得策である。銅(Cu)からなるダマシン構造型の回路配線と銅(Cu)からなるコンタクトプラグとを電気的も機械的にも接続させて全体として銅(Cu)からなる配線を構成れば、エレクトロマイグレーション耐性にも優れる配線を構成できる。
層間絶縁膜などの絶縁膜に設けたコンタクトホールの深部に在る銅(Cu)からなるコンタクトプラグと、絶縁膜上の銅(Cu)配線とを直接、接続できない場合は、コンタクトホールの内部のコンタクトプラグ上に埋め込んだ銅(Cu)を利用して双方を接続する。コンタクトホールの内部のコンタクトプラグの上部には、無電解或いは電解鍍金(メッキ)法やイオンプレーティング(ion plating)法などの化学的或いは物理的手段により銅(Cu)を埋め込むことができる。
(実施例1)
本発明の内容を、金属シリサイド膜をニッケル(Ni)シリサイド膜とした、銅(Cu)からなるコンタクトプラグを構成する場合を例にして詳細に説明する。
図2、図3、図4は、本実施例に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグの形成手順を示す図、図5は、金属シリサイド(ニッケル(Ni)シリサイド)膜/酸化マンガン膜/銅(Cu)からなる積層構造の断面透過電子顕微鏡(TEM)像である。また、図6は酸化マンガン膜をなすマンガン(Mn)の結合状態を示す分析図である。
銅(Cu)からなるコンタクトプラグを形成するための手順を図2〜図4を用いて説明する。先ず、高いキャリア(carrier)濃度のn形伝導性の素子の機能領域102を内在するシリコン基板101(図2参照)の表面の全面に金属シリサイド膜103を形成するためにニッケル(Ni)膜を物理的蒸着法により形成した。ニッケル(Ni)膜の膜厚は3nmとした。次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を利用して、素子の機能領域102に限りニッケル(Ni)膜を残存させた。
次に、残存させたニッケル(Ni)膜を、アルゴン(Ar)からなる雰囲気中で、400℃で1時間にわたり、シリサイド膜を形成するための熱処理を及ぼし、素子の機能領域102上にニッケル(Ni)シリサイド膜103を形成した(図2参照)。
次に、素子の機能領域102や金属シリサイド膜103を一旦、覆う様にSiO絶縁膜104を形成した。然る後、金属シリサイド膜103の上方にある絶縁膜104を除去した。これにより、図2に示すように、底面に金属シリサイド膜103を露出させたコンタクトホール105を形成した。コンタクトホール105の開口部の幅は45nmとした。
次に、ニッケル(Ni)シリサイド膜103の表面に、酸素プラズマを用いて酸化処理を施した。この酸化処理により、ニッケル(Ni)シリサイド膜103の表面から内部に亘る約1nmの領域に酸化を及ぼした。酸化された領域には、種々の組成のニッケル(Ni)の酸化物も含有されるものと推察されたが、酸化物膜の厚さが如何せん、1nmと薄膜であったため、その組成を確定するには至らなかった。
この表層部に酸化物膜を形成したニッケル(Ni)シリサイド膜103の表面上には、ビスエチルシクロペンタジエニルマンガン((CMn)をマンガン(Mn)の原料とする化学的気相成長法(CVD)法により、200℃で非晶質の酸化マンガン膜106を形成した(図3参照)。酸化マンガン膜106の膜厚は3.4nmとした。また、この酸化マンガン膜106は、コンタクトホール105の周壁にも被着させた(図3参照)。
酸化マンガン膜106を構成するマンガン(Mn)の結合エネルギーの膜厚方向の変化をX線光電子分光法(XPS)法で調査した。図6に、XPS分析の結果を示す。同図に記載の角度は、酸化マンガン膜106の表面の法線と検出器の角度(検出角度)とがなす角度である。この角度が大きい程、酸化マンガン膜106のより表面に近いマンガン(Mn)の結合エネルギーに関する分析情報を与える。検出角度が大きい程、マンガン(Mn)の2p混成軌道のエネルギーが減少していることからして、本実施例に記載の酸化マンガン膜106は、表面から深部に向けて、マンガン(Mn)の結合エネルギーを大とする酸化マンガン膜であると解釈された。
次に、酸化マンガン膜106上には、コンタクトホール105を埋め込むように、銅を物理的蒸着法で被着し、膜厚を100nmとする銅プラグ層107を形成して、銅(Cu)からなるコンタクトプラグ本体107とした(図4参照)。このようにして、金属シリサイド膜(ニッケルシリサイド膜)103と、酸化マンガン膜106と、銅プラグ層(コンタクトプラグ本体)107とから構成されたコンタクトプラグ100を形成した(図4、図5参照)。
別途、酸化マンガン膜を拡散バリア層とした試料を作成して挿入した場合の銅(Cu)−金属シリサイド膜間の接触抵抗をTLM(transmission line method)法により求めた。本実施例に係る銅(Cu)−酸化マンガン膜−ニッケル(Ni)シリサイド膜間の接触抵抗は1.93×10−6Ω・cmとなり、接触抵抗の低いコンタクトプラグを実現することができた。一方、同様に実測したタングステン(W)−ニッケル(Ni)シリサイド膜構造におけるタングステン(W)の接触抵抗は、2.06×10−6Ω・cmであった。また、銅(Cu)−タンタル(Ta)膜−ニッケル(Ni)シリサイド膜構造における銅(Cu)の接触抵抗は、1.57×10−5Ω・cmであった。
この小さな接触抵抗の銅(Cu)からなるコンタクトプラグ本体107上には、一般的なメッキ法によりコンタクトプラグに電気的にも機械的にも接続させて銅(Cu)を埋め込んだ。銅(Cu)は、絶縁膜104上に配置される配線と電気的に接続させるべくコンタクトホール105の内部を埋め込む如く形成した。
(実施例2)
次に、酸化マンガン膜と銅プラグ層とを、銅・マンガン合金層を熱処理することで形成し、コンタクトプラグを製造する場合について、図7、図8を用いて説明する。
図7は、銅・マンガン合金層を熱処理して酸化マンガン膜と銅層が形成される手順を概略的に示す模式図である。
図7(a)において、シリコン層202は銅・マンガン合金を成膜するための基板を示す。シリコン層202上に高周波スパッタ法によってコバルト薄膜を10nmの厚さに成膜した。その後、真空中において400℃で1時間の熱処理を行い、コバルトからなる金属シリサイド膜203とした。この試料にプラズマ酸化処理を施した。プラズマ酸化条件は、高周波出力100W、酸素圧力40Paにおいて室温で10分とした。この処理によって、コバルトからなる金属シリサイド膜203の表面が酸化され、Si酸化物を主体とする酸化物膜208が表面に形成された(図7(b))。
この基板表面に対して、高周波スパッタ法によって銅・マンガン合金層209を30nmの厚さに成膜した。その後、純銅ターゲットを高周波スパッタして銅層210を100nmの厚さに成膜した(図7(c))。得られた試料を10−2Paの圧力の酸素を含有する雰囲気において、350℃で30分の加熱(熱処理)を施す。この加熱によって、銅・マンガン合金層209のマンガンは、酸化物膜208との界面に拡散してマンガンを含む酸化物(酸化マンガン膜)206を形成し、さらに銅層210の表面側にも拡散してマンガンを含む酸化物(酸化マンガン膜)206aを形成する(図7(d))。また、このマンガン拡散により、銅・マンガン合金層209は銅からなる層となるとともに、その上の銅層210と一体化して取り込まれ新たな銅層207となる。このように、熱処理によって、銅・マンガン合金層209から、酸化マンガン膜206,206aと銅層207が形成される。
図8は、実施例2に係るコンタクトプラグの形成手順を示す図である。図8において、図7の構成要素と略同一の構成要素には同一の符号を付すこととする。
図8(a)において、コンタクトホールに銅・マンガン合金を成膜してコンタクトプラグを形成する方法を示す。シリコン基板201上の燐濃度が過剰な部分(nSi層)202にニッケルを蒸着し、加熱してニッケルシリサイド膜(金属シリサイド膜)203とする。この上に絶縁層204としてシリコン酸化物を形成し、通常のフォトリソグラフィー法によってコンタクトホール205を形成する。コンタクトホール205底部にあるニッケルシリサイド膜203に対してプラズマ酸化法を用いてその表面を酸化し酸化物膜208を形成する(図8(a))。
その後、化学気相成長法(CVD法)によって、コンタクトホール205の底面に露出したニッケルシリサイド膜203上およびコンタクトホール205の周壁に、銅・マンガン合金を被着させて銅・マンガン合金層209を形成する(図8(b))。
銅成膜用のCVD前駆体には、例えば、シクロペンタジエニルトリエチルフォスフィン銅(Cyclopentadienyl(triethylphosphine)Copper(I))を用い、マンガン成膜用のCVD前駆体には、ビスエチルシクロペンタジエニルマンガン(Bis(ethylcyclopentadienyl)manganese)を用いる。真空中にシリコン基板201を配置し、シリコン基板201を450℃に加熱する。水素ガスをキャリアガスとして、銅前駆体とマンガン前駆体を基板表面に接触させることによって、シリコン基板201のnSi層202上に、銅・マンガン合金を10nmの厚さに成膜し銅・マンガン合金層209とする(図8(b))。このときにマンガン前駆体の一部は基板表面の酸化物と反応してマンガンを含む酸化物となる。それぞれの前駆体の流量は銅・マンガン合金層209のマンガン濃度が原子パーセントにして8%となるように調整する。その後、マンガン前駆体の流入を止めて銅前駆体だけを流入させて、コンタクトホール205の残部を銅で埋め込み銅層210を形成する(図8(c))。
得られた試料を10−3Paの圧力の酸素を含有する雰囲気において400℃で30分の加熱を施す。この加熱によって、銅・マンガン合金層209のマンガンは、絶縁層208と接するコンタクトホール側壁、ならびに、基板表面に形成された酸化物膜208との界面に拡散してマンガンを含む酸化物(酸化マンガン膜)206を形成し、さらに銅層210表面にも拡散してマンガンを含む酸化物(酸化マンガン膜)を形成する。また、このマンガン拡散により、銅・マンガン合金層209は銅からなる層となるとともに、銅層210と一体化して取り込まれ、略純銅からなる銅プラグ層207となる。このように、熱処理によって、銅・マンガン合金層209から、酸化マンガン膜206等と銅プラグ層207が形成される。
その後、銅プラグ層207表面に形成されたマンガン酸化物と、絶縁層204表面上に形成された余剰な銅の部分を化学機械研磨(CMP)によって除去し、表面を洗浄してコンタクトプラグ200とする(図8(d))。このようにして、ニッケルシリサイド膜203と、酸化マンガン膜206と、銅プラグ層(コンタクトプラグ本体)207とから構成されたコンタクトプラグ200を形成した。本実施例に係る銅(Cu)−酸化マンガン膜−ニッケル(Ni)シリサイド膜間の接触抵抗は1.89×10−6Ω・cmとなり、接触抵抗の低いコンタクトプラグを実現することができた。
なお、上記の実施例2では、金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁に、銅・マンガン合金層を形成し、さらにその内方を埋め込むように銅層を形成したが、銅層を形成せず、コンタクトホールの内部全体を銅・マンガン合金層とし、熱処理を施すようにしてもよい。この手法により、製造工程が簡略化され、より簡単にコンタクトプラグを作成することができるようになる。
本発明に係る銅(Cu)からなるコンタクトプラグと酸化マンガン膜からなる電極構造は、太陽電池やフラットパネルディスプレイ(英略称:FPD)の電極を構成するのに利用できる。また、これらのデバイスを形成する際には、本発明の銅(Cu)からなるコンタクトプラグの形成方法を利用できる。
100,200 コンタクトプラグ
101,201 シリコン基板
102 機能領域
103 ニッケルシリサイド膜(金属シリサイド膜)
104 絶縁膜
105,205 コンタクトホール
106,206,206a 酸化マンガン膜
107 銅プラグ層(コンタクトプラグ本体)
203 金属シリサイド膜(コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜)
208 酸化物膜
209 銅マンガン合金層
210 銅層

Claims (3)

  1. 半導体装置の絶縁膜に設けられたコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成方法において、
    上記コンタクトホールの底面に位置する金属シリサイド膜の表面を露出させる金属シリサイド膜露出工程と、
    上記金属シリサイド膜上およびコンタクトホール周壁とともに、コンタクトホールの内部全体に埋め込むように銅・マンガン(Cu・Mn)合金層を被着させ銅・マンガン合金層を形成し、コンタクトホールの内方に銅層を被着させることを不要とした銅・マンガン合金層形成工程と、
    上記銅・マンガン合金層に所定の熱処理を行う熱処理工程と、を備え、
    上記熱処理工程により、銅・マンガン合金層のマンガンを拡散させ当該銅・マンガン合金層を銅のみとして銅プラグ層を形成しコンタクトプラグ本体とするとともに、そのマンガン拡散により、銅プラグ層と金属シリサイド膜との界面、および銅プラグ層とコンタクトホール周壁との間に酸化マンガン膜を形成する、
    ことを特徴とするコンタクトプラグ形成方法。
  2. 上記金属シリサイド膜露出工程において露出させた金属シリサイド膜の表面を酸化し、金属シリサイド膜を構成する元素からなる酸化物膜を形成する、請求項1に記載のコンタクトプラグ形成方法。
  3. 上記金属シリサイド膜の表面の酸化は、金属シリサイド膜の表面を酸素プラズマに曝すことにより行う、請求項2に記載のコンタクトプラグ形成方法。
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