JP5507388B2 - エンジン駆動ヒートポンプ装置 - Google Patents
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Description
前記エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段と、前記エンジンにおけるエンジン回転速度と前記変速機の変速比とを制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段は、前記熱負荷取得手段にて取得した要求熱負荷を出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能な範囲を出力余裕範囲とし、その出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力と前記熱負荷出力との差に相当するエンジン出力の余力が前記発電機にて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力以下の場合には、エンジン出力を前記最大出力とする最大出力エンジン回転速度にエンジン回転速度を制御するとともに、前記熱負荷取得手段にて取得する要求熱負荷に基づいて、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持する状態で前記圧縮機の回転速度を調整するように前記変速機の変速比を制御する最大出力制御を行い、前記エンジン出力の余力が前記最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を前記熱負荷出力と前記最大発電出力とを加えた部分出力とする部分出力回転速度にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されている点にある。
そして、要求熱負荷が大きく熱負荷出力も大きくて、エンジン出力の余力が最大発電出力以下である場合には、エンジン出力を最大出力としても、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなることはない。そこで、制御手段が最大出力制御を行うことで、エンジン出力を最大出力とし、その最大出力にてエンジン駆動ヒートポンプ回路の要求熱負荷を賄うことができながら、エンジン出力の余力を極力大きくして、そのエンジン出力の余力を有効に活用して発電機にて発電することができる。このとき、エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷が変動しても、制御手段が変速機の変速比を制御することで、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持しながら、要求熱負荷の変動に応じて圧縮機の回転速度を制御することができる。例えば、発電機にて発電される電力は、エンジン駆動ヒートポンプ装置を作動させるための補助機器等の電力消費機器に供給することができる。最大出力制御では、エンジン出力の余力が最大発電出力以下であるので、発電機にて発電される電力が補助機器の消費電力に対して不足する場合がある。この場合には、商用電力系統やバッテリー等から電力を受けることで対応でき、エンジン駆動ヒートポンプ装置を適切に運転させることができる。
一方、要求熱負荷が小さく熱負荷出力も小さくて、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を最大出力とすると、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなってしまい、必要以上にエンジン出力を大きくすることになり、エンジンの効率が低下する。さらに、この状態では、発電機にて発電できる電力の最大である最大発電出力を賄うためのエンジン出力より前記エンジン出力の余力が大きいため、熱負荷側でその残余分(エンジン出力の余力−最大発電出力を賄うためのエンジン出力)を使用することとなる。このような状況では、例えば、熱負荷が冷房負荷の場合、冷房過多となり、好適な冷房運転状態を実現できない。そこで、制御手段が部分出力制御を行うことで、エンジン出力を必要以上に大きな最大出力とするのではなく部分出力とし、その部分出力にてエンジン駆動ヒートポンプ回路の要求熱負荷を賄うことができながら、エンジン出力の余力を活用して発電機にて発電することができる。このとき、部分出力は、熱負荷出力と最大発電出力とを加えたものであるので、エンジン出力の余力を活用して発電機にて最大発電量の電力を発電することができる。
〔第1実施形態〕
このエンジン駆動ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、例えば、屋内各部屋に配設される複数の室内機101と、屋外に配設される室外機102とを備えて構成される空気調和装置となっている。室外機102の数については、室内機101の数と同数もしくは少ない数とすることができる。室外機102と室内機101との間には、ヒートポンプ回路HPが備えられており、冷房運転を行う場合は、ヒートポンプ回路HPによって、室内機101で室内空気から吸熱し、吸熱した熱を室外機102で室外空気へ放熱することで、室内の冷房を行うことができる。一方、暖房運転を行う場合は、ヒートポンプ回路HPによって、室外機102で室外空気から吸熱し、吸熱した熱を室内機101で室内空気へ放熱することで、室内の暖房を行うことができる。
このように、圧縮機としては、エンジン駆動圧縮機Cgとモータ駆動圧縮機Ceとの2種類が備えられており、ヒートポンプ回路HPも、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPとモータ駆動ヒートポンプ回路EHPとの2種類が備えられている。エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPは、エンジン駆動圧縮機Cg、第1熱交換器HC1、膨張弁V、及び、第2熱交換器HC2から構成されている。モータ駆動ヒートポンプ回路EHPは、モータ駆動圧縮機Ce、第1熱交換器HC1、膨張弁V、及び、第2熱交換器HC2から構成されている。
室外機102には、エンジンE、発電機G、エンジン駆動圧縮機Cg、モータM、モータ駆動圧縮機Ce、第1熱交換器HC1が備えられている。エンジンEの一方側の出力軸には、伝達クラッチTCを介して無段変速機CVTが設けられており、その無段変速機CVTにエンジン駆動圧縮機Cgが接続されている。したがって、無段変速機CVTは、エンジンEの回転速度とエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度との変速比を無段階で調整自在に構成されている。
エンジンEの他方側の出力軸には、発電機Gが伝達クラッチTCを介して連動連結されており、伝達クラッチTCの連結状態を制御することで、発電機Gにおいて発電するか否かも制御可能に構成されている。
図2に示すように、発電機Gにより発電される電力は、発電制御部GCに備えられるAC/DC変換器Tを経て電力により作動する電力消費機器(冷却水循環ポンプP及び第1熱交換器HC1のファンf1)に供給される構成が備えられている。冷却水循環ポンプPは、エンジン作動時に作動される。第1熱交換器HC1のファンf1は、ヒートポンプ回路HPの運転時に作動される。そこで、発電機Gで発生された電力は、AC/DC変換器Tで直流に変換され、冷却水循環ポンプP及び第1熱交換器HC1のファンf1等の電力消費機器に供給されて、エンジン駆動ヒートポンプ装置100を運転させるために用いられている。
この実施形態では、室内機101として、4台の室内機101を備える例を示している。図1に示すように、各室内機101の冷媒入り部近傍には、膨張弁V、流量制御弁FCが設けられるとともに、これら機器の下流側に第2熱交換器HC2が備えられている。
第2熱交換器HC2は、室内空気raを循環させるファンf2を備えて構成されており、ファンf2の回転により循環される室内空気raと第2熱交換器HC2内を循環する冷媒cとの熱交換器を行うように構成されている。第2熱交換器HC2を経た冷媒cは、室外機102側に戻るように構成されている。
図2に示すように、エンジン駆動ヒートポンプ装置100には、その運転を制御する運転制御装置103が備えられている。運転制御装置103には、各室内機101に設けられている運転状態や要求温度等を指令する運転スイッチsw1からの操作情報が伝達されるように構成されている。運転制御装置103は、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段104と、エンジンEにおけるエンジン回転速度と無段変速機CVTの変速比とを制御する制御手段105とを備えて構成されている。
この制御手段105によるエンジン回転速度及び無段変速機CVTの変速比の制御について、図3に基づいて説明する。図3は、縦軸をエンジン出力とし、横軸をエンジン回転速度として、エンジン出力とエンジン回転速度との関係を示している。
また、図3(c)に示すように、制御手段105は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも大きい場合には、エンジン出力を熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2とする部分出力回転速度R2にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されている。
まず、負荷取得手段104が、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷Qを取得する(ステップ#1)。制御手段105は、その要求熱負荷Qが閾値Xよりも大きいか否かを判別し、要求熱負荷Qが閾値X以下であると(ステップ#2)、エンジンEを運転させることなく、モータMによりモータ駆動圧縮機Ceを駆動させてモータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるモータ駆動運転を行う(ステップ#3)。ここで、例えば、閾値Xは、モータ駆動運転にて賄うことができる要求熱負荷の値としている。
この第2実施形態は、上記第1実施形態においてエンジン効率低下条件についての別実施形態である。以下、エンジン効率低下条件を中心に説明し、その他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略する。
(1)上記第1及び第2実施形態では、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPに加えて、モータ駆動ヒートポンプ回路EHPをも備えているが、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPのみを備えて実施することもできる。この場合には、制御手段105が、エンジンEの運転を停止して、モータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるモータ駆動運転を行うことができない。したがって、制御手段105は、図4のフローチャートにおいて、ステップ#2で要求熱負荷Qが閾値X以下の場合、及び、ステップ#8で部分出力P2が下限出力Pmin以下の場合に、モータ駆動運転を行うのに代えて、エンジン回転速度を下限エンジン回転速度に制御するとともに、エンジン回転速度を下限エンジン回転速度に維持する状態でエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度を調整するように無段変速機CVTの変速比を制御する下限出力制御を行うことができる。ここで、下限エンジン回転速度については、例えば、図3(d)において、エンジン出力を下限出力Pminとするエンジン回転速度Rminを予め第2関係L2を用いて求めておき、その求めた回転速度Rminを下限エンジン回転速度として設定することができる。
104 熱負荷取得手段
105 制御手段
c 冷媒
Ce モータ駆動圧縮機
Cg エンジン駆動圧縮機(圧縮機)
E エンジン
G 発電機
GHP エンジン駆動ヒートポンプ回路
EHP モータ駆動ヒートポンプ回路
CVT 無段変速機(変速機)
HC1 第1熱交換器
HC2 第2熱交換器
M モータ
Claims (6)
- エンジンに変速機を介して圧縮機が接続されるとともに、前記エンジンに発電機が接続され、前記圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、及び、第2熱交換器から構成されるエンジン駆動ヒートポンプ回路が備えられているエンジン駆動ヒートポンプ装置であって、
前記エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段と、前記エンジンにおけるエンジン回転速度と前記変速機の変速比とを制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段は、前記熱負荷取得手段にて取得した要求熱負荷を出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能な範囲を出力余裕範囲とし、その出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力と前記熱負荷出力との差に相当するエンジン出力の余力が前記発電機にて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力以下の場合には、エンジン出力を前記最大出力とする最大出力エンジン回転速度にエンジン回転速度を制御するとともに、前記熱負荷取得手段にて取得する要求熱負荷に基づいて、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持する状態で前記圧縮機の回転速度を調整するように前記変速機の変速比を制御する最大出力制御を行い、前記エンジン出力の余力が前記最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を前記熱負荷出力と前記最大発電出力とを加えた部分出力とする部分出力回転速度にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されているエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記制御手段は、前記熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲とし、その回転速度余裕範囲に応じて前記出力余裕範囲を設定自在に構成されている請求項1に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
- モータにより駆動自在なモータ駆動圧縮機と、前記第1熱交換器と、前記膨張弁と、前記第2熱交換器から構成されるモータ駆動ヒートポンプ回路が備えられ、前記制御手段は、前記エンジンの効率が低下するエンジン効率低下条件が満たされると、前記エンジンの運転を停止し、前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させるモータ駆動運転を実行するように構成されている請求項1又は2に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
- 前記制御手段は、前記部分出力がエンジン出力の下限出力以下になると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
- 前記制御手段は、前記エンジンにより前記圧縮機を駆動させて前記エンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのエンジン駆動効率が前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのモータ駆動効率よりも小さくなると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
- 前記制御手段は、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
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