JP5507388B2 - エンジン駆動ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに変速機を介して圧縮機が接続されるとともに、前記エンジンに発電機が接続され、前記圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、及び、第2熱交換器から構成されるエンジン駆動ヒートポンプ回路が備えられているエンジン駆動ヒートポンプ装置に関する。
上記のようなエンジン駆動ヒートポンプ装置は、エンジンにより圧縮機を駆動させてエンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させ、冷房運転や暖房運転等の空調運転を行うようにしている。このような装置では、空調負荷等のエンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷に応じて圧縮機の回転速度を調整することで、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷に応じた空調運転を行っている。
従来のエンジン駆動ヒートポンプ装置では、圧縮機が変速機を介してエンジンの一方側の出力軸に接続され、変速機の変速比を制御するコントローラが備えられ、コントローラが、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷が変動しても、エンジンの回転速度を一定の回転速度とするように変速機の変速比を制御している(例えば、特許文献1参照。)。これにより、エンジンの回転速度を一定の回転速度として、エンジンの効率が低下するのを防止しながら、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷に応じて圧縮機の回転速度を調整している。
この特許文献1に記載の装置では、エンジンの他方側の出力軸に発電機が接続されており、エンジンによって、圧縮機を駆動させてエンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させるとともに、発電機を駆動させて発電するように構成されている。発電機の出力側には、電力量調整装置を介して、エンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させるための電動ポンプや電磁バルブ等の補助機器を作動させる電力負荷が接続されている。コントローラは、エンジンの回転速度を一定の回転速度として定格出力にてエンジンを運転させるとともに、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷と発電機の出力電力負荷との合計がエンジンの定格出力に対して余力があるか否かを判別し、余力があればその余力分を用いて発電機にて発電させている。具体的には、コントローラは、定格出力にてエンジンを運転させて空調運転を行っている状態で、発電機の発電量と電力負荷を比較し、発電機の発電量が電力負荷以下であると、発電機の発電量を所定値だけ増加させ、発電機の発電量が電力負荷よりも大きいと、発電機の発電量を所定値だけ減少させている。
特開2002−204598号公報
上記特許文献1に記載の装置では、上述の如く、コントローラが、エンジンの回転速度を一定の回転速度として定格出力にてエンジンを運転させて、定格出力にてエンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷を出力するだけの出力分を賄いながら、定格出力の余力分を用いて発電機にて発電させるようにしている。しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷が減少しても、エンジンの回転速度を一定の回転速度に維持するように変速機の変速比を制御して、エンジンの出力は定格出力を維持している。これにより、エンジンの定格出力のうち、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷を賄うために用いる出力分が減少し、エンジンの定格出力の余力分が増加することになる。一方、発電機には発電可能な最大容量があるので、定格出力の余力分が増加しても、その余力分を用いて最大発電量よりも大きな電力量を発電機にて発電することができない。したがって、上記特許文献1に記載の装置では、エンジン駆動ヒートポンプ回路の熱負荷が小さくなると、エンジンの余力分が発電機にて最大発電量を出力するときのエンジンの出力よりも大きくなってしまい、エンジンの出力を必要以上に大きくしていることになる。その結果、エンジンの効率が低下して、かえって装置の効率が低下することになる。
また、上記特許文献1に記載の装置では、コントローラが、発電機の発電量と電力負荷を比較して発電機の発電量が電力負荷よりも大きいと、発電機の発電量を所定値だけ減少させている。この場合は、エンジンの出力として、発電機の発電量を増加させるだけの余力があるにもかかわらず、電力負荷との関係で発電機の発電量を減少させていることになる。したがって、エンジンの出力の余力分を発電に有効に活用することができず、この点からも、装置の効率が低下するものとなっている。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、エンジンの出力を必要以上に大きくすることなく、エンジンの出力の余力分を発電に有効に活用することで、装置の効率の向上を図ることができるエンジン駆動ヒートポンプ装置を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の特徴構成は、エンジンに変速機を介して圧縮機が接続されるとともに、前記エンジンに発電機が接続され、前記圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、及び、第2熱交換器から構成されるエンジン駆動ヒートポンプ回路が備えられているエンジン駆動ヒートポンプ装置において、
前記エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段と、前記エンジンにおけるエンジン回転速度と前記変速機の変速比とを制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段は、前記熱負荷取得手段にて取得した要求熱負荷を出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能な範囲を出力余裕範囲とし、その出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力と前記熱負荷出力との差に相当するエンジン出力の余力が前記発電機にて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力以下の場合には、エンジン出力を前記最大出力とする最大出力エンジン回転速度にエンジン回転速度を制御するとともに、前記熱負荷取得手段にて取得する要求熱負荷に基づいて、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持する状態で前記圧縮機の回転速度を調整するように前記変速機の変速比を制御する最大出力制御を行い、前記エンジン出力の余力が前記最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を前記熱負荷出力と前記最大発電出力とを加えた部分出力とする部分出力回転速度にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、制御手段は、熱負荷取得手段にて取得した要求熱負荷を出力できる出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力と熱負荷出力との差に相当するエンジン出力の余力が最大発電出力以下であるか否かを判別している。したがって、エンジン出力を最大出力とした場合に、要求熱負荷に応じた熱負荷出力の大きさとの関係で、エンジン出力の余力がどれぐらいあり、そのエンジン出力の余力と最大発電出力との大小関係を認識する。
そして、要求熱負荷が大きく熱負荷出力も大きくて、エンジン出力の余力が最大発電出力以下である場合には、エンジン出力を最大出力としても、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなることはない。そこで、制御手段が最大出力制御を行うことで、エンジン出力を最大出力とし、その最大出力にてエンジン駆動ヒートポンプ回路の要求熱負荷を賄うことができながら、エンジン出力の余力を極力大きくして、そのエンジン出力の余力を有効に活用して発電機にて発電することができる。このとき、エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷が変動しても、制御手段が変速機の変速比を制御することで、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持しながら、要求熱負荷の変動に応じて圧縮機の回転速度を制御することができる。例えば、発電機にて発電される電力は、エンジン駆動ヒートポンプ装置を作動させるための補助機器等の電力消費機器に供給することができる。最大出力制御では、エンジン出力の余力が最大発電出力以下であるので、発電機にて発電される電力が補助機器の消費電力に対して不足する場合がある。この場合には、商用電力系統やバッテリー等から電力を受けることで対応でき、エンジン駆動ヒートポンプ装置を適切に運転させることができる。
一方、要求熱負荷が小さく熱負荷出力も小さくて、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を最大出力とすると、エンジン出力の余力が最大発電出力よりも大きくなってしまい、必要以上にエンジン出力を大きくすることになり、エンジンの効率が低下する。さらに、この状態では、発電機にて発電できる電力の最大である最大発電出力を賄うためのエンジン出力より前記エンジン出力の余力が大きいため、熱負荷側でその残余分(エンジン出力の余力−最大発電出力を賄うためのエンジン出力)を使用することとなる。このような状況では、例えば、熱負荷が冷房負荷の場合、冷房過多となり、好適な冷房運転状態を実現できない。そこで、制御手段が部分出力制御を行うことで、エンジン出力を必要以上に大きな最大出力とするのではなく部分出力とし、その部分出力にてエンジン駆動ヒートポンプ回路の要求熱負荷を賄うことができながら、エンジン出力の余力を活用して発電機にて発電することができる。このとき、部分出力は、熱負荷出力と最大発電出力とを加えたものであるので、エンジン出力の余力を活用して発電機にて最大発電量の電力を発電することができる。
以上のことから、エンジンの出力を必要以上に大きくすることなく、エンジンの出力の余力分を発電に有効に活用することで、装置の効率の向上を図ることができるエンジン駆動ヒートポンプ装置を実現できる。
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の更なる特徴構成は、前記制御手段は、前記熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲とし、その回転速度余裕範囲に応じて前記出力余裕範囲を設定自在に構成されている点にある。
本特徴構成によれば、エンジンでは、エンジン回転速度に応じてエンジン出力が変化することから、最大出力制御及び部分出力制御において、エンジン出力を所望のエンジン出力とするためにエンジン回転速度を制御している。そこで、出力余裕範囲を設定するに当たり、制御手段は、熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲とし、その回転速度余裕範囲を求めてその求めた回転速度余裕範囲に応じて、これまで説明してきた出力余裕範囲を設定している。したがって、出力余裕範囲を適切に設定することができ、その出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力やエンジン出力の余力を適切に求めることができる。
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の更なる特徴構成は、モータにより駆動自在なモータ駆動圧縮機と、前記第1熱交換器と、前記膨張弁と、前記第2熱交換器から構成されるモータ駆動ヒートポンプ回路が備えられ、前記制御手段は、前記エンジンの効率が低下するエンジン効率低下条件が満たされると、前記エンジンの運転を停止し、前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させるモータ駆動運転を実行するように構成されている点にある。
上述の如く、要求熱負荷が小さくなると、制御手段が部分出力制御を行い、エンジン回転速度を部分出力回転速度に制御する。しかしながら、更に、要求熱負荷が小さくなる等の場合には、エンジンを運転させて圧縮機を駆動させてエンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させると、エンジンの効率が低下してしまい、装置の効率低下を招く可能性がある。そこで、本特徴構成によれば、制御手段は、エンジンの効率が低下するエンジン効率低下条件が満たされると、エンジンの運転を停止し、モータ駆動運転を実行するので、エンジンの効率が低下したままエンジンが継続して運転されることを防止して、装置の効率低下を防止することができる。
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の更なる特徴構成は、前記制御手段は、前記部分出力がエンジン出力の下限出力以下になると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、エンジン効率低下条件が、部分出力制御における部分出力がエンジン出力の下限出力以下になるという条件に設定されている。このような条件にすることで、制御手段は、エンジンの効率が低下してしまう状況を適切に捉えることができ、エンジンの効率が低下する状況下では、エンジンの運転を停止してモータ駆動運転への移行を適切に行うことができる。
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の更なる特徴構成は、前記制御手段は、前記エンジンにより前記圧縮機を駆動させて前記エンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのエンジン駆動効率が前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのモータ駆動効率よりも小さくなると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、エンジン効率低下条件が、エンジン駆動効率がモータ駆動効率よりも小さくなるという条件に設定されている。このような条件にすることで、制御手段は、モータ駆動効率との比較でエンジンの効率が低下してしまう状況を適切に捉えることができ、エンジンの効率が低下する状況下では、エンジンの運転を停止してモータ駆動運転への移行を適切に行うことができる。
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の更なる特徴構成は、前記制御手段は、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、エンジン効率低下条件が、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側になるという条件に設定されている。このような条件にすることで、制御手段は、エンジンの効率が低下してしまう状況を適切に捉えることができ、エンジンの効率が低下する状況下では、エンジンの運転を停止してモータ駆動運転への移行を適切に行うことができる。
エンジン駆動ヒートポンプ装置の機械系の全体構成図 エンジン駆動ヒートポンプ装置の電気系を示すブロック図 エンジン出力とエンジン回転速度との関係を示すグラフ 制御手段の動作を示すフローチャート
本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
このエンジン駆動ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、例えば、屋内各部屋に配設される複数の室内機101と、屋外に配設される室外機102とを備えて構成される空気調和装置となっている。室外機102の数については、室内機101の数と同数もしくは少ない数とすることができる。室外機102と室内機101との間には、ヒートポンプ回路HPが備えられており、冷房運転を行う場合は、ヒートポンプ回路HPによって、室内機101で室内空気から吸熱し、吸熱した熱を室外機102で室外空気へ放熱することで、室内の冷房を行うことができる。一方、暖房運転を行う場合は、ヒートポンプ回路HPによって、室外機102で室外空気から吸熱し、吸熱した熱を室内機101で室内空気へ放熱することで、室内の暖房を行うことができる。
エンジン駆動ヒートポンプ装置100は、エンジンEの一端側の出力軸に無段変速機CVT(変速機に相当する)を介してエンジン駆動圧縮機Cg(圧縮機に相当する)が接続されるとともに、エンジンEの他端側の出力軸に発電機Gが接続され、エンジンEによって、エンジン駆動圧縮機Cg及び発電機Gの双方が駆動自在に構成されている。さらに、エンジン駆動ヒートポンプ装置100は、モータMにより駆動されて冷媒を圧縮するモータ駆動圧縮機Ceを備えて構成されている。エンジンE、発電機G、エンジン駆動圧縮機Cg、モータM、モータ駆動圧縮機Ceは、全て、室外機102に備えられている。
このように、圧縮機としては、エンジン駆動圧縮機Cgとモータ駆動圧縮機Ceとの2種類が備えられており、ヒートポンプ回路HPも、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPとモータ駆動ヒートポンプ回路EHPとの2種類が備えられている。エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPは、エンジン駆動圧縮機Cg、第1熱交換器HC1、膨張弁V、及び、第2熱交換器HC2から構成されている。モータ駆動ヒートポンプ回路EHPは、モータ駆動圧縮機Ce、第1熱交換器HC1、膨張弁V、及び、第2熱交換器HC2から構成されている。
エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPは、熱搬送媒体である冷媒cの循環状態として、図1に示す冷房循環状態と暖房循環状態(図示省略)とに切換自在に構成されている。冷媒循環状態では、熱搬送媒体である冷媒cを、エンジン駆動圧縮機Cg、第1熱交換器HC1、膨張弁V、第2熱交換器HC2の順に流してエンジン駆動圧縮機Cgに戻すように循環させている。暖房通流状態では、熱搬送媒体である冷媒cを、エンジン駆動圧縮機Cg、第2熱交換器HC2、膨張弁V、第1熱交換器HC1の順に流してエンジン駆動圧縮機Cgに戻すように循環させている。冷房運転を行うときには、図1に図示する冷房循環状態に切り換え、暖房運転を行うときには、暖房循環状態に切り換えている。
モータ駆動ヒートポンプ回路EHPも、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPとほぼ同様の構成であり、熱搬送媒体である冷媒cの循環状態として、図1に示す冷房循環状態と暖房循環状態(図示省略)とに切換自在に構成されている。冷房運転を行うときには、図1に図示する冷房循環状態に切り換え、暖房運転を行うときには、暖房循環状態に切り換えている。
エンジン駆動ヒートポンプGHPとモータ駆動ヒートポンプEHPとの関係について述べると、図1に示されるように、両ヒートポンプHPで、第1熱交換器HC1及び室内機101は共通化されている。このエンジン駆動ヒートポンプ装置100では、室内機101から各圧縮機Cg,Ceへ到る回路部位に第1合流路m1が設けられるとともに、各圧縮機Cg,Ceから第1熱交換器HC1へ到る回路部位に第2合流路m2が設けられている。エンジン駆動圧縮機Cg又はモータ駆動圧縮機Ceで圧縮された冷媒cは、冷媒cの由来に関係なく、共通の熱交換器HC1,HC2にて熱の授受が行われるように構成されている。
図1では、冷媒cの流れ方向として、圧縮機Cg,Ceから、第1熱交換器HC1,膨張弁V、第2熱交換器HC2を介して圧縮機Cg,Ceに戻る冷房循環状態にて冷媒cを循環させて冷房運転を行っている状態を示している。この流れ方向とは逆に、圧縮機Cg,Ceから第2熱交換器HC2、膨張弁V、第1熱交換器HC1を介して、圧縮機Cg,Ceに戻す暖房循環状態にて冷媒cを循環させて暖房運転を行うことができる。冷房運転と暖房運転との択一切換え動作は、上述の如く、圧縮機Cg,Ceの吐出口(図示省略)近傍に4方弁(図示省略)を備えており、この4方弁を切り換えることで、冷媒cの循環状態を冷房循環状態と暖房循環状態とに切り換えて、冷房運転と暖房運転を切り換えるように構成されている。
以上が、本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置100の全体構成の説明である。以下、室外機102、室内機101の順に説明を加える。
(室外機)
室外機102には、エンジンE、発電機G、エンジン駆動圧縮機Cg、モータM、モータ駆動圧縮機Ce、第1熱交換器HC1が備えられている。エンジンEの一方側の出力軸には、伝達クラッチTCを介して無段変速機CVTが設けられており、その無段変速機CVTにエンジン駆動圧縮機Cgが接続されている。したがって、無段変速機CVTは、エンジンEの回転速度とエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度との変速比を無段階で調整自在に構成されている。
エンジンEの他方側の出力軸には、発電機Gが伝達クラッチTCを介して連動連結されており、伝達クラッチTCの連結状態を制御することで、発電機Gにおいて発電するか否かも制御可能に構成されている。
第1熱交換器HC1は、室外空気を通風させるファンf1を備えて構成されており、ファンf1の回転により通風される室外空気oaと第1熱交換器HC1内を循環する冷媒cとの熱交換を行うように構成されている。例えば、冷房運転の場合、各圧縮機Cg,Ceで圧縮された冷媒cは、第1熱交換器HC1で凝縮する。その後、冷媒cは膨張弁Vで減圧され第2熱交換器HC2で蒸発し、室外機102へ戻る。
さらに、室外機102には、エンジンEを冷却するための冷却水cwを循環するための冷却水循環ポンプPが備えられているとともに、エンジンEの起動時に使用されるセルモータSMが備えられている。これら冷却水循環ポンプP、セルモータSMは、冷房運転や暖房運転の空調運転において電力を消費して作動するので、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPを運転させるための補助機器Aとして構成されている。
室外機102には、上述のような機械系の構成が備えられており、さらに、下記のような電気系の構成が備えられている。
図2に示すように、発電機Gにより発電される電力は、発電制御部GCに備えられるAC/DC変換器Tを経て電力により作動する電力消費機器(冷却水循環ポンプP及び第1熱交換器HC1のファンf1)に供給される構成が備えられている。冷却水循環ポンプPは、エンジン作動時に作動される。第1熱交換器HC1のファンf1は、ヒートポンプ回路HPの運転時に作動される。そこで、発電機Gで発生された電力は、AC/DC変換器Tで直流に変換され、冷却水循環ポンプP及び第1熱交換器HC1のファンf1等の電力消費機器に供給されて、エンジン駆動ヒートポンプ装置100を運転させるために用いられている。
また、室外機102の電気系には、バッテリーBが備えられており、余剰電力を蓄電可能に構成されている。バッテリーBに蓄電された電力は、エンジン始動時等にセルモータSMに供給自在であるとともに、モータMに供給してモータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるために用いることもできるようになっている。このバッテリーBに蓄電された電力は、別の用途に使用してもよい。また、バッテリーBを備えなくてもよい。
(室内機)
この実施形態では、室内機101として、4台の室内機101を備える例を示している。図1に示すように、各室内機101の冷媒入り部近傍には、膨張弁V、流量制御弁FCが設けられるとともに、これら機器の下流側に第2熱交換器HC2が備えられている。
第2熱交換器HC2は、室内空気raを循環させるファンf2を備えて構成されており、ファンf2の回転により循環される室内空気raと第2熱交換器HC2内を循環する冷媒cとの熱交換器を行うように構成されている。第2熱交換器HC2を経た冷媒cは、室外機102側に戻るように構成されている。
以下、本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置100の運転の制御について説明する。
図2に示すように、エンジン駆動ヒートポンプ装置100には、その運転を制御する運転制御装置103が備えられている。運転制御装置103には、各室内機101に設けられている運転状態や要求温度等を指令する運転スイッチsw1からの操作情報が伝達されるように構成されている。運転制御装置103は、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段104と、エンジンEにおけるエンジン回転速度と無段変速機CVTの変速比とを制御する制御手段105とを備えて構成されている。
熱負荷取得手段104は、運転制御装置103に送られてくる各室内機101に設けられた運転スイッチsw1の操作情報に基づいて、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷の状態を取得するように構成されている。熱負荷取得手段104は、複数の第2熱交換器HC2のうち、運転状態とされる第2熱交換器HC2の数の増減及び要求温度に応じて要求熱負荷を増減させる形態で要求熱負荷を取得するように構成されている。例えば、熱負荷取得手段104は、複数の第2熱交換器HC2のうち、運転状態とされる第2熱交換器HC2の数が多くなるほど要求熱負荷が高くなるように、要求熱負荷を取得している。
制御手段105は、熱負荷取得手段104にて取得した要求熱負荷に基づいて、その要求熱負荷を賄うことが可能な所望のエンジン出力となるようにエンジン回転速度を制御するとともに、無段変速機CVTの変速比をも制御自在に構成されている。
この制御手段105によるエンジン回転速度及び無段変速機CVTの変速比の制御について、図3に基づいて説明する。図3は、縦軸をエンジン出力とし、横軸をエンジン回転速度として、エンジン出力とエンジン回転速度との関係を示している。
図3では、エンジンEの熱効率がe1〜e4(e1<e2<e3<e4)であるときのエンジン出力とエンジン回転速度との関係をe1〜e4として示している。そして、熱負荷取得手段104にて取得した要求熱負荷Qを出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力PQを出力するときのエンジン出力とエンジン回転速度との関係である第1関係をL1にて示している。この第1関係L1は、熱負荷出力PQに相当するエンジン出力を出力ためのエンジン回転速度を予め定めたものであり、エンジン出力が大きくなるほどエンジン回転速度も大きくなる比例関係となっている。また、エンジン回転速度を変化させたときのエンジン出力として出力可能な最高出力の変化を示す第2関係をL2にて示し、この第2関係L2における最高出力から発電機Gにて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力PGmaxを引いた第3関係をL3にて示している。熱負荷取得手段104にて取得した要求熱負荷Qを出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力PQは、要求熱負荷の大きさに応じて変動するので、図3(a)〜(d)は、熱負荷出力PQの大きさが異なる場合を示している。
エンジンEは、熱負荷取得手段104にて取得した要求熱負荷を出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力PQを賄うことが必要であるので、熱負荷出力PQ以上のエンジン出力を出力することが求められる。エンジンEが熱負荷出力PQ以上のエンジン出力を出力すると、エンジン出力に余力が生じるので、その余力を用いて発電機Gにて発電することができる。例えば、エンジン出力を一定出力とすると、熱負荷出力PQが小さくなると、エンジン出力の余力が増加し、熱負荷出力PQが大きくなると、エンジン出力の余力が減少する。一方、発電機Gには発電可能な最大発電量があるので、発電機Gにて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力PGmaxよりも大きなエンジン出力の余力があっても、そのエンジン出力の余力の全てを発電に用いることができない。
そこで、本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置100では、制御手段105が、出力余裕範囲のエンジン出力の最大出力(第2関係L2上のエンジン出力)と熱負荷出力PQとの差に相当するエンジン出力の余力PGを求め、そのエンジン出力の余力PGが発電機Gにて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力PGmax以下であるか否かを判別して、各場合についてエンジン回転速度及び無段変速機CVTの変速比を最適に制御するように構成されている。
制御手段105は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下であるか否かの判別を行うに当たり、熱負荷出力PQ以上のエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲Raとし、その回転速度余裕範囲Raを求めている。制御手段105は、第1関係L1を用いて熱負荷出力PQのエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度とエンジン出力として最大出力を出力可能とするエンジン回転速度との間のエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲Raとして求め、その求めた回転速度余裕範囲Raに応じて「出力余裕範囲」を設定している。ここで、この出力余裕範囲は、熱負荷を賄いながら、発電に供することができるエンジン出力を得ることができる範囲(実際上はエンジン回転速度の範囲)を意味し、この範囲で発電に供することができるエンジン出力を図3ではPaで示している。さらに、ここでの「設定」とは、制御手段105が、熱負荷に応じて回転速度余裕範囲Raを求め、その回転速度余裕範囲Raに基づいて出力余裕範囲を決定することを意味する。そして、制御手段105は、その出力余裕範囲のエンジン出力の最大出力(第2関係L2上のエンジン出力)と熱負荷出力PQとの差に相当するエンジン出力の余力PGを求め、そのエンジン出力の余力PGが発電機Gにて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力PGmax以下であるか否かを判別している。
図3(a)を用いて説明を加えると、第1関係L1により、熱負荷出力PQのエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度がR0となり、エンジン回転速度がR0のときにエンジン出力が最大出力となるので、回転速度余裕範囲RaがR0の一点となる。そこで、制御手段105は、エンジン回転速度がR0となる一点を出力余裕範囲に設定している。そして、制御手段105は、その出力余裕範囲の最大出力P0と熱負荷出力PQとの差からエンジン出力の余力PGを求め、そのエンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下であるか否かを判別している。図3(a)では、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも小さくなる場合を示している。
図3(b)及び図3(c)では、第1関係L1により、熱負荷出力PQのエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度がR1となり、エンジン出力が最大出力となるエンジン回転速度がR0であるので、回転速度余裕範囲RaがR1〜R0の範囲(R1<R0)となる。そこで、制御手段105は、エンジン回転速度がR1〜R0の範囲(R1<R0)を出力余裕範囲に設定している。そして、制御手段105は、その出力余裕範囲の最大出力P0と熱負荷出力PQとの差からエンジン出力の余力PGを求め、そのエンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下であるか否かを判別している。図3(b)では、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxと同じになる場合を示しており、図3(c)は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも大きくなる場合を示している。
図3(a)及び(b)に示すように、制御手段105は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下である場合には、エンジン出力を最大出力P0とする最大出力エンジン回転速度R0にエンジン回転速度を制御するとともに、熱負荷取得手段104にて取得する要求熱負荷に基づいて、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度R0に維持する状態でエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度を調整するように無段変速機CVTの変速比を制御する最大出力制御を行うように構成されている。
また、図3(c)に示すように、制御手段105は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも大きい場合には、エンジン出力を熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2とする部分出力回転速度R2にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されている。
図3(a)及び(b)に示す場合には、熱負荷出力PQが大きく、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下となっていることから、エンジン出力を最大出力P0としても、エンジン出力の余力PGが発電機Gにて最大発電量を出力するときの最大発電出力PGmaxよりも大きくなることはない。したがって、上述の如く、制御手段105が最大出力制御を行うことで、エンジン出力を最大出力P0とし、その最大出力P0にてエンジン駆動ヒートポンプ回路GHPの要求熱負荷を賄いながら、エンジン出力の余力を発電機Gにて発電するために用いることができる。そして、エンジン出力を最大出力P0としていることから、エンジン出力の余力を極力大きくすることができ、エンジン出力の余力を活用して最大限の発電量となる電力を発電機Gにて発電することができる。しかも、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷が変動しても、制御手段105が無段変速機CVTの変速比を制御することで、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度R0に維持しながら、要求熱負荷の変動に応じてエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度を制御することができる。その結果、エンジン出力を最大出力とし、その最大出力を、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPの要求熱負荷を賄うためだけでなく、発電機Gにて最大限の発電量を発電するためにも効果的に活用することができ、さらに、要求熱負荷の変動にも柔軟に対応することができる。発電機Gにて発電される電力は、補助機器Aを作動させるために用いたり、バッテリーBに蓄電しておくことができるので、発電機Gにて発電される電力を有効に活用して、装置の効率向上を図りながら、エンジン駆動ヒートポンプ装置100を運転させることができる。
それに対して、図3(c)に示す場合には、熱負荷出力PQが小さく、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも大きくなっていることから、エンジン出力を最大出力P0とすると、エンジン出力の余力PGが発電機Gにて最大発電量を出力するときの最大発電出力PGmaxよりも大きくなってしまい、発電で余力を使いきれず、熱負荷出力PQ側に割当てられ、例えば、冷房運転の場合、冷房過多の状態となる。そこで、上述の如く、制御手段105が部分出力制御を行うことで、エンジン出力を部分出力P2とし、その部分出力P2にてエンジン駆動ヒートポンプ回路GHPの要求熱負荷を好適な状態で賄いながら、エンジン出力の余力を発電機Gにて発電するために用いることができる。この状態では、エンジン出力の余力PGは、発電機Gにて最大発電量を発電するための出力分PGmaxになっている。その結果、エンジン出力を必要以上に大きな出力とすることなく、エンジン出力を部分出力として、要求熱負荷の変動に応じてエンジン出力を制御することができながら、その部分出力を、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPの要求熱負荷を好適な状態で賄うためだけでなく、発電機Gにて発電するためにも効果的に活用することができる。この場合も、発電機Gにて発電される電力は、補助機器Aを作動させるために用いたり、バッテリーBに蓄電しておくことができるので、発電機Gにて発電される電力を有効に活用して、装置の効率向上を図りながら、エンジン駆動ヒートポンプ装置100を運転させることができる。
上述の如く、制御手段105は、エンジンEを運転させて最大出力制御又は部分出力制御を行うが、場合によっては、エンジンEを運転させてエンジン駆動圧縮機Cgを駆動させてエンジン駆動ヒートポンプ回路GHPを運転させると、エンジンEの効率が低下してしまい、装置の効率低下を招く可能性がある。そこで、本発明に係るエンジン駆動ヒートポンプ装置100では、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPだけでなく、モータ駆動ヒートポンプ回路EHPも備えている。そして、制御手段105は、エンジンEの効率が低下するエンジン効率低下条件が満たされると、エンジンEの運転を停止し、モータMによりモータ駆動圧縮機Ceを駆動させてモータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるモータ駆動運転を実行するように構成されている。
図3(d)に基づいて説明すると、熱負荷出力PQについて、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて賄う最低熱負荷出力PQminが設定されており、その最低熱負荷出力PQminと最大発電出力PGmaxとを合算した合算出力(PQmin+PGmax)がエンジン出力の下限出力Pminに設定されている。そして、制御手段105は、熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2が下限出力Pmin以下になると、エンジン効率低下条件が満たされたと判別して、エンジンEの運転を停止し、モータ駆動運転を行う。図3(d)では、部分出力P2が下限出力Pminと同じになっている場合を示している。これにより、図3(d)にて示すように、エンジン出力が下限出力Pminよりも大きな領域が、エンジンEを運転させて最大出力制御又は部分出力制御を行うエンジン運転領域となり、エンジン出力が下限出力Pmin以下の領域が、エンジンEの運転を停止して、モータ駆動運転を行うモータ駆動運転領域となる。
上述の制御手段105の動作について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、負荷取得手段104が、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求される要求熱負荷Qを取得する(ステップ#1)。制御手段105は、その要求熱負荷Qが閾値Xよりも大きいか否かを判別し、要求熱負荷Qが閾値X以下であると(ステップ#2)、エンジンEを運転させることなく、モータMによりモータ駆動圧縮機Ceを駆動させてモータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるモータ駆動運転を行う(ステップ#3)。ここで、例えば、閾値Xは、モータ駆動運転にて賄うことができる要求熱負荷の値としている。
制御手段105は、熱負荷出力PQに基づいて回転速度余裕範囲Raを求め、その求めた回転速度余裕範囲Raに応じて出力余裕範囲を設定し(ステップ#4)、出力余裕範囲のエンジン出力の最大出力と熱負荷出力PQとの差に相当するエンジン出力の余力PGを求める(ステップ#5)。そして、制御手段105は、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下であるか否かを判別し、図3(a)及び(b)にて示した如く、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmax以下であると、エンジンEを運転させて最大出力制御を行う(ステップ#6、#7)。一方、制御手段105は、図3(c)にて示した如く、エンジン出力の余力PGが最大発電出力PGmaxよりも大きい場合には、熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2が下限出力Pminよりも大きいと、エンジンEを運転させて部分出力制御を行う(ステップ#8、#9)。制御手段105は、図3(d)にて示した如く、ステップ#8において、熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2が下限出力Pmin以下であると、エンジンEの運転を停止し、モータ駆動運転を行う(ステップ#10)。
このようにして、制御手段105は、複数の室内機101の何れかが運転状態とされる冷房運転や暖房運転の空調運転が開始されると、複数の室内機101の全てが運転停止状態となって空調運転が終了されるまで、図4の動作を繰り返し行うように構成されている。したがって、空調運転中にエンジン駆動ヒートポンプ回路GHPにて要求されている要求熱負荷が変動しても、その変動後の要求熱負荷に基づく最適な制御を行うことができる。例えば、空調運転の当初にエンジンEを運転させて最大出力制御を行っている場合に、運転状態とされる室内機101の台数の減少等により要求熱負荷が小さくなると、最大出力制御から部分出力制御に変更されて、最適な制御が行われる。逆に、空調運転の当初にエンジンEを運転させて部分出力制御を行っている場合に、運転状態とされる室内機101の台数の増加等により要求熱負荷が大きくなると、部分出力制御から最大出力制御に変更されて、最適な制御が行われる。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態においてエンジン効率低下条件についての別実施形態である。以下、エンジン効率低下条件を中心に説明し、その他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略する。
上記第1実施形態では、制御手段105が、熱負荷出力PQと最大発電出力PGmaxとを加えた部分出力P2が下限出力Pminよりも小さくなると、エンジン効率低下条件が満たされたと判別している。この第2実施形態では、制御手段105が、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となると、エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている。ここで、設定回転速度については、例えば、図3(d)において、エンジン出力を下限出力Pminとするエンジン回転速度である下限エンジン回転速度Rminを予め第2関係L2を用いて求めておき、その求めた下限エンジン回転速度Rminを設定回転速度に設定することができる。
上記第1実施形態で述べた如く、制御手段105がエンジンEを運転させて部分出力制御を行うと、要求熱負荷が小さくなるほど部分出力P2が低下することになるので、その部分出力P2を出力する部分出力回転速度R2も低速側になる。したがって、要求熱負荷が低下するに伴って部分出力回転速度R2も低速側に移行していくことになるので、制御手段105は、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となると、エンジン効率低下条件が満たされたと判別して、エンジンEの運転を停止し、モータ駆動運転を行うようにしている。
また、エンジン効率低下条件の別実施形態については、上述の如く、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となるという条件に限らない。例えば、エンジンEによりエンジン駆動圧縮機Cgを駆動させてエンジン駆動ヒートポンプ回路GHPを運転させたときのエンジン駆動効率がモータMによりモータ駆動圧縮機Ceを駆動させてモータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させたときのモータ駆動効率よりも小さくなるという条件を、エンジン効率低下条件とすることもできる。
この場合には、制御手段105が、熱負荷取得手段104にて取得する要求熱負荷等に基づいて、エンジン駆動効率とモータ駆動効率とを求めておき、エンジン駆動効率がモータ駆動効率よりも小さくなると、エンジン効率低下条件が満たされたと判別して、エンジンEの運転を停止し、モータ駆動運転を行うようにしている。
〔別実施形態〕
(1)上記第1及び第2実施形態では、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPに加えて、モータ駆動ヒートポンプ回路EHPをも備えているが、エンジン駆動ヒートポンプ回路GHPのみを備えて実施することもできる。この場合には、制御手段105が、エンジンEの運転を停止して、モータ駆動ヒートポンプ回路EHPを運転させるモータ駆動運転を行うことができない。したがって、制御手段105は、図4のフローチャートにおいて、ステップ#2で要求熱負荷Qが閾値X以下の場合、及び、ステップ#8で部分出力P2が下限出力Pmin以下の場合に、モータ駆動運転を行うのに代えて、エンジン回転速度を下限エンジン回転速度に制御するとともに、エンジン回転速度を下限エンジン回転速度に維持する状態でエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度を調整するように無段変速機CVTの変速比を制御する下限出力制御を行うことができる。ここで、下限エンジン回転速度については、例えば、図3(d)において、エンジン出力を下限出力Pminとするエンジン回転速度Rminを予め第2関係L2を用いて求めておき、その求めた回転速度Rminを下限エンジン回転速度として設定することができる。
(2)上記第1及び第2実施形態において、図示は省略するが、室外機102の電気系に、発電制御部GCとは別に、インバータを備えた系統連系制御部を備えることができる。この場合、系統連系制御部を、商用電力系統からモータMや他の電力消費機器に電力を供給自在であるとともに、発電機Gにて発電した電力のうち、補助機器Aや電力消費機器での電力消費量よりも余剰の余剰電力を商用電力系統に出力自在に構成することができる。余剰電力がある場合に関して、系統連系制御部により系統連系を行う場合に限らず、外部出力は、特定の電力消費先、特定の蓄電先を対象とする等、如何なる電力供給先(電力負荷)であってもよい。
(3)上記第1及び第2実施形態において、エンジンEとしては、汎用のガスエンジンやディーゼルエンジンやガソリンエンジンなど各種のエンジンを用いることができる。
(4)上記第1及び第2実施形態では、エンジンEの回転速度とエンジン駆動圧縮機Cgの回転速度との変速比を調整する変速機として、無段変速機CVTを用いた例を示したが、多段変速機等、その他各種の変速機を適応することができ、無段変速機CVTに限られるものではない。
本発明は、エンジンに変速機を介して圧縮機が接続されるとともに、前記エンジンに発電機が接続され、前記圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、及び、第2熱交換器から構成されるエンジン駆動ヒートポンプ回路が備えられ、エンジンの出力を必要以上に大きくすることなく、エンジンの出力の余力分を発電に有効に活用することで、装置の効率の向上を図ることができる各種のエンジン駆動ヒートポンプ装置に適応可能である。
100 エンジン駆動ヒートポンプ装置
104 熱負荷取得手段
105 制御手段
c 冷媒
Ce モータ駆動圧縮機
Cg エンジン駆動圧縮機(圧縮機)
E エンジン
G 発電機
GHP エンジン駆動ヒートポンプ回路
EHP モータ駆動ヒートポンプ回路
CVT 無段変速機(変速機)
HC1 第1熱交換器
HC2 第2熱交換器
M モータ

Claims (6)

  1. エンジンに変速機を介して圧縮機が接続されるとともに、前記エンジンに発電機が接続され、前記圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、及び、第2熱交換器から構成されるエンジン駆動ヒートポンプ回路が備えられているエンジン駆動ヒートポンプ装置であって、
    前記エンジン駆動ヒートポンプ回路にて要求される要求熱負荷を取得する熱負荷取得手段と、前記エンジンにおけるエンジン回転速度と前記変速機の変速比とを制御する制御手段とが備えられ、
    前記制御手段は、前記熱負荷取得手段にて取得した要求熱負荷を出力するときのエンジン出力に相当する熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能な範囲を出力余裕範囲とし、その出力余裕範囲内でのエンジン出力の最大出力と前記熱負荷出力との差に相当するエンジン出力の余力が前記発電機にて最大発電量を出力するときのエンジン出力に相当する最大発電出力以下の場合には、エンジン出力を前記最大出力とする最大出力エンジン回転速度にエンジン回転速度を制御するとともに、前記熱負荷取得手段にて取得する要求熱負荷に基づいて、エンジン回転速度を最大出力エンジン回転速度に維持する状態で前記圧縮機の回転速度を調整するように前記変速機の変速比を制御する最大出力制御を行い、前記エンジン出力の余力が前記最大発電出力よりも大きくなる場合には、エンジン出力を前記熱負荷出力と前記最大発電出力とを加えた部分出力とする部分出力回転速度にエンジン回転速度を制御する部分出力制御を行うように構成されているエンジン駆動ヒートポンプ装置。
  2. 前記制御手段は、前記熱負荷出力以上のエンジン出力を出力可能とするエンジン回転速度の範囲を回転速度余裕範囲とし、その回転速度余裕範囲に応じて前記出力余裕範囲を設定自在に構成されている請求項1に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
  3. モータにより駆動自在なモータ駆動圧縮機と、前記第1熱交換器と、前記膨張弁と、前記第2熱交換器から構成されるモータ駆動ヒートポンプ回路が備えられ、前記制御手段は、前記エンジンの効率が低下するエンジン効率低下条件が満たされると、前記エンジンの運転を停止し、前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させるモータ駆動運転を実行するように構成されている請求項1又は2に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
  4. 前記制御手段は、前記部分出力がエンジン出力の下限出力以下になると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
  5. 前記制御手段は、前記エンジンにより前記圧縮機を駆動させて前記エンジン駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのエンジン駆動効率が前記モータにより前記モータ駆動圧縮機を駆動させて前記モータ駆動ヒートポンプ回路を運転させたときのモータ駆動効率よりも小さくなると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
  6. 前記制御手段は、エンジン回転速度が設定回転速度よりも低速側となると、前記エンジン効率低下条件が満たされたと判別するように構成されている請求項3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
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