JP5507150B2 - 金属錯体及びその製造方法 - Google Patents
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(1)2,5−ジヒドロキシ安息香酸と、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛及びカドミウムから選択される少なくとも1種の金属と、下記一般式(I);
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R1とR2、R3とR4は一緒になって置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し;nは1または2であり;R5、R6、R7及びR8はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R5とR6、R7とR8は一緒になって置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示す。)で表される二座配位子(I)とからなる金属錯体。
(2)該二座配位子(I)が1,2−ビス(4−ピリジル)エチンまたは1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジインである(1)記載の金属錯体。
(3)該二座配位子(I)が1,2−ビス(4−ピリジル)エチンである(1)記載の金属錯体。
(4)該金属が銅である(1)〜(3)いずれかに記載の金属錯体。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載の金属錯体からなる吸着材。
(6)該吸着材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン、水蒸気または有機蒸気を吸着するための吸着材である(5)記載の吸着材。
(7)(1)〜(4)いずれかに記載の金属錯体からなる吸蔵材。
(8)該吸蔵材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、水蒸気または有機蒸気を吸蔵するための吸蔵材である(7)記載の吸蔵材。
(9)(1)〜(4)いずれかに記載の金属錯体からなる分離材。
(10)該分離材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン、水蒸気または有機蒸気を分離するための分離材である(9)記載の分離材。
(11)該分離材が、メタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素、窒素と二酸化炭素または空気中の二酸化炭素を分離するための分離材である(9)記載の分離材。
(12)2,5−ジヒドロキシ安息香酸と、クロム塩、モリブデン塩、タングステン塩、マンガン塩、鉄塩、ルテニウム塩、コバルト塩、ロジウム塩、ニッケル塩、パラジウム塩、銅塩、亜鉛塩及びカドミウム塩から選択される少なくとも1種の金属塩と、二座配位子(I)とを溶媒中で反応させ、析出させる金属錯体の製造方法。
で表される。式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R1とR2、R3とR4は一緒になって置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し;nは1または2であり;R5、R6、R7及びR8はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R5とR6、R7とR8は一緒になって置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示す。
X線回折装置を用いて、回折角(2θ)=5〜50°の範囲を走査速度1°/分で走査し、対称反射法で測定した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製RINT2400
X線源:Cu Kα(λ=1.5418Å) 40kV 200mA
ゴニオメーター:縦型ゴニオメーター
検出器:シンチレーションカウンター
ステップ幅:0.02°
スリット:発散スリット=0.5°
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5°
高圧ガス吸着量測定装置を用いて容量法で測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、50Paで10時間乾燥し、吸着水などを除去した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
高精度ガス/蒸気吸着量測定装置を用いて容量法で測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、10Paで8時間乾燥し、吸着水などを除去した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−18PLUS
平衡待ち時間:500秒
三方コックとセプタムを装着したガラス製10mL二口フラスコを用意し、三方コックの一方の口に別の三方コックを介して100mLのシリンジをチューブで接続した。測定は、二口フラスコに試料を入れ、373K、4.0x10−3Paで3時間乾燥し、吸着水などを除去した後に、フラスコに装着している三方コックを閉じ、続いてシリンジ側の三方コックを通じてシリンジに100mLの混合ガスを導入し、最後にフラスコに装着している三方コックを開き、試料に混合ガスを吸着させた。このとき、吸着量はシリンジの目盛りの減少分から算出し(死容積はあらかじめヘリウムを用いて測定)、ガス組成はガスクロマトグラフィーで分析して算出した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社島津製作所製GC−14B
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製WG−100
INJ温度:100℃
DET温度:50℃
カラム温度:50℃
キャリアガス:ヘリウム
注入量:1mL
検出器:TCD
窒素雰囲気下で酢酸銅の水溶液100mL(0.04mol/L)に、アセトンに溶解した、濃度0.08mol/Lの1,2−ビス(4−ピリジル)エチン及び濃度0.32mol/Lの2,5−ジヒドロキシ安息香酸の溶液各200mLを、1時間かけて滴下した。その後、298Kで2時間攪拌した。吸引濾過の後、アセトンで3回洗浄し、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体3.96g(収率90%)を得た。得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図1に示す。
窒素雰囲気下で酢酸銅の水溶液100mL(0.04mol/L)に、アセトンに溶解した、濃度0.08mol/Lの4,4’−ビピリジル及び濃度0.32mol/Lの2,5−ジヒドロキシ安息香酸の溶液各200mLを、1時間かけて滴下した。その後、298Kで2時間攪拌した。吸引濾過の後、アセトンで3回洗浄し、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の錯体3.66g(収率87%)を得た。得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図2に示す。
窒素雰囲気下で酢酸銅の水溶液100mL(0.04mol/L)に、アセトンに溶解した、濃度0.08mol/Lのピラジン及び濃度0.32mol/Lの2,5−ジヒドロキシ安息香酸の溶液各200mLを、1時間かけて滴下した。その後、298Kで2時間攪拌した。吸引濾過の後、アセトンで3回洗浄し、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の錯体1.51g(収率42%)を得た。得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図3に示す。
窒素雰囲気下で酢酸銅の水溶液100mL(0.04mol/L)に、アセトンに溶解した、濃度0.08mol/Lのトランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エテン及び濃度0.32mol/Lの2,5−ジヒドロキシ安息香酸の溶液各200mLを、1時間かけて滴下した。その後、298Kで2時間攪拌した。吸引濾過の後、アセトンで3回洗浄し、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の錯体3.75g(収率85%)を得た。得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図4に示す。
合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸着等温線を容量法により測定した。結果を図5に示す。
比較合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸着等温線を容量法により測定した。結果を図5に示す。
比較合成例2で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸着等温線を容量法により測定した。結果を図5に示す。
比較合成例3で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸着等温線を容量法により測定した。結果を図5に示す。
合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図6に示す。
比較合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図6に示す。
比較合成例2で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図6に示す。
比較合成例3で得た金属錯体について、二酸化炭素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図6に示す。
合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素、メタン、水素及び窒素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図7に示す。
比較合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素、メタン、水素及び窒素の273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図8に示す。
合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=50:50からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.1MPaにおける分離性能を測定した。結果を表1に示す。
合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=25:75からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.1MPaにおける分離性能を測定した。結果を表1に示す。
比較合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=50:50からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.1MPaにおける分離性能を測定した。結果を表2に示す。
比較合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=25:75からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.1MPaにおける分離性能を測定した。結果を表2に示す。
合成例1で得た金属錯体について、二酸化炭素の273K、283K及び293Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図9に示す。
Claims (12)
- 2,5−ジヒドロキシ安息香酸と、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛及びカドミウムから選択される少なくとも1種の金属と、下記一般式(I);
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R1とR2、R3とR4は一緒になって形成する置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し;nは1または2であり;R5、R6、R7及びR8はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、R5とR6、R7とR8は一緒になって置換基を有していてもよいアルキレン基、オキシアルキレン基もしくはアルケニレン基を示す。)で表される二座配位子(I)とからなる金属錯体。 - 該二座配位子(I)が1,2−ビス(4−ピリジル)エチンまたは1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジインである請求項1記載の金属錯体。
- 該二座配位子(I)が1,2−ビス(4−ピリジル)エチンである請求項1記載の金属錯体。
- 該金属が銅である請求項1〜3いずれかに記載の金属錯体。
- 請求項1〜4いずれかに記載の金属錯体からなる吸着材。
- 該吸着材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜5の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン、水蒸気または有機蒸気を吸着するための吸着材である請求項5記載の吸着材。
- 請求項1〜4いずれかに記載の金属錯体からなる吸蔵材。
- 該吸蔵材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、水蒸気または有機蒸気を吸蔵するための吸蔵材である請求項7記載の吸蔵材。
- 請求項1〜4いずれかに記載の金属錯体からなる分離材。
- 該分離材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン、水蒸気または有機蒸気を分離するための分離材である請求項9記載の分離材。
- 該分離材が、メタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素、窒素と二酸化炭素または空気中の二酸化炭素を分離するための分離材である請求項9記載の分離材。
- 2,5−ジヒドロキシ安息香酸と、クロム塩、モリブデン塩、タングステン塩、マンガン塩、鉄塩、ルテニウム塩、コバルト塩、ロジウム塩、ニッケル塩、パラジウム塩、銅塩、亜鉛塩及びカドミウム塩から選択される少なくとも1種の金属塩と、二座配位子(I)とを溶媒中で反応させ、析出させる、請求項1に記載の金属錯体の製造方法。
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