JP5506354B2 - 転がり軸受および転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受および転がり軸受用保持器 Download PDF

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Description

この発明は、工作機械主軸等に用いられる転がり軸受および転がり軸受用保持器に関するものである。
転がり軸受の保持器の案内方式には、転動体案内方式および軌道輪案内方式がある。
工作機械主軸等に使用されるアンギュラ玉軸受の保持器は、通常、図6に示す転動体案内方式の保持器50であることが多い(特許文献1)。しかし、高速領域まで使用される場合は、図7に示す外輪51もしくは内輪で案内される前記軌道輪案内方式の保持器52が適用される。この軌道輪案内方式の保持器52の材料としては、フェノール樹脂やその他の合成樹脂等が使用されることが多い。
特開2005−90692号公報
例えば、軌道輪案内方式の保持器をグリース潤滑で使用すると、稀に保持器音と呼ばれる異音が発生することがある。その場合には、転動体案内方式の保持器とすることで、保持器音の発生を抑えることができる。従来技術では、このように二種類の保持器案内形式の軸受を製作するにつき、各保持器案内形式毎に別の保持器が必要であった。
この発明の目的は、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる転がり軸受および転がり軸受用保持器を提供することである。
この発明の転がり軸受は、内外の軌道輪、およびこれら内外の軌道輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、これら転動体が、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケットに保持された転がり軸受において、前記保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、前記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分が前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしたことを特徴とする。
前記転動体が保持器のポケット内の「中立位置」にあるときとは、転動体がピッチ円上に等配に位置されて各ポケット中心線上に転動体中心があり、ピッチ円中心と保持器中心が一致した位置関係にあるときを言う。
この構成によると、前記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、保持器の突出側の周面部分とこの周面部分に対向する軌道輪の周面との径方向隙間Gとの関係をG<Bとしたため、前記保持器を内外の軌道輪に対して正方向に組み込んだ状態では、保持器の前記突出側の周面部分が、これに対向する軌道輪の周面に接するが、前記転動体が前記転動体保持突部に接触することのない軌道輪案内の保持器案内形式となり、前記保持器を内外の軌道輪に対して逆方向に組み込んだ状態では、前記転動体が前記転動体保持突部に接触するが、保持器の前記突出側の周面部分が、これに対向する軌道輪の周面に接することのない転動体案内の保持器案内形式となる。
このように、保持器の組み込み方向を正逆に変えることで、内外の軌道輪に対する保持器の案内形式を軌道輪案内形式と、転動体案内形式とに変えることができる。このため、一種類の保持器で、軌道輪案内形式の転がり軸受と、転動体案内形式の転がり軸受を製造することができる。これにより、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。
前記保持器の前記突出側の周面部分が接する軌道輪が、外輪であって、前記保持器を前記正方向に組み込んだ状態では外輪案内の保持器案内形式となるものであっても良い。
前記保持器の前記突出側の周面部分が接する軌道輪が、内輪であって、前記保持器を前記正方向に組み込んだ状態では内輪案内の保持器案内形式となるものであっても良い。
転がり軸受は、前記転動体を玉とした玉軸受であっても良い。
アンギュラ玉軸受であって、前記保持器の突出側の周面部分は、前記正方向に組み込んだ状態では、軌道輪の背面側の周面部分に接するものであっても良い。
前記保持器が合成樹脂からなるものであっても良い。この場合、金型により保持器の量産化を図れ、例えば金属を切削加工してなる保持器よりも、保持器1個あたりの製造コストの低減を図ることが可能となる。
前記保持器が金属からなるものであっても良い。この場合、保持器の剛性を高め、軸受の高回転化を図れる。
前記保持器は、前記突出側の周面部分を形成する突出側周面部分形成部品を、保持器本体に組付けることで一体に形成したものであっても良い。この場合、保持器の周面部分と、この周面部分に対向する軌道輪の周面との径方向隙間Gを容易に設計変更することができる。また、共通の保持器本体に対し、外輪案内の保持器案内形式となる突出側周面部分形成部品を組み付けても良いし、内輪案内の保持器案内形式となる突出側周面部分形成部品を組み付けても良い。この場合、保持器本体の部品の兼用性を高めることができる。また、この保持器から突出側周面部分形成部品を除いた保持器本体のみを用いて転動体案内形式の保持器とすることも可能となる。
この発明の転がり軸受用保持器は、内外の軌道輪、およびこれら内外の軌道輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、これら転動体が、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケットに保持された転がり軸受に用いられる転がり軸受用保持器において、前記保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、前記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分が前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしたことを特徴とする。
この構成によると、一種類の保持器で、軌道輪案内形式の転がり軸受と、軌道輪案内形式の転がり軸受を製造することができる。これにより、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。
前記保持器は、前記突出側の周面部分を形成する突出側周面部分形成部品を、保持器本体に組付けることで一体に形成したものであっても良い。
この発明の転がり軸受は、内外の軌道輪、およびこれら内外の軌道輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、これら転動体が、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケットに保持された転がり軸受において、前記保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、前記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分が前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとする。これにより、前記保持器を内外の軌道輪に対して正方向に組み込んだ状態では、保持器の前記突出側の周面部分が、これに対向する軌道輪の周面に接するが、前記転動体が前記転動体保持突部に接触することのない軌道輪案内の保持器案内形式となり、前記保持器を内外の軌道輪に対して逆方向に組み込んだ状態では、前記転動体が前記転動体保持突部に接触するが、保持器の前記突出側の周面部分が、これに対向する軌道輪の周面に接することのない転動体案内の保持器案内形式となる。このため、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。
この発明の保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、前記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしたため、品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。
(A)は、この発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図、(B)は同転がり軸受の保持器を逆方向に組み込んだ状態の転がり軸受の断面図である。 図1(A)の要部の拡大断面図である。 図1(B)の要部の拡大断面図である。 (A)は、この発明の他の実施形態に係る転がり軸受の断面図、(B)は同転がり軸受の保持器を逆方向に組み込んだ状態の転がり軸受の断面図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る転がり軸受の保持器の突出側の周面部分を、保持器本体に組付ける前の断面図、(B)は、同保持器本体に突出側の周面部分を組付けた状態の断面図である。 従来例の転がり軸受の断面図である。 他の従来例の転がり軸受の断面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。
この実施形態にかかる転がり軸受は、内外の軌道輪1,2つまり内外輪1,2と、複数の転動体3と、環状の保持器4とを有する。内外輪1,2の軌道面1a,2a間に前記複数の転動体3が介在する。前記環状の保持器4の円周方向複数箇所にポケットPtが設けられ、各ポケットPtに転動体3が保持されている。この転がり軸受はアンギュラ玉軸受とされ、転動体3は鋼球等のボールからなる。但し、ボールは鋼球に限定されるものではなく例えばセラミックスからなるものであっても良い。
外輪2の正面側内周面2sに、カウンタボアとなるテーパ面が形成されている。外輪2の正面側の端面2bに、前記テーパ面を介して外輪軌道面2aが繋がる。前記テーパ面は、外輪端面2b側から外輪軌道面2a側に向かうに従って径方向内方に傾斜する。外輪軌道面2aと、外輪2の背面側の端面2cとの間に、後述する保持器4に案内される背面側内周面2hが形成されている。なお、内外の軌道輪1,2における「正面」とは、アキシアル荷重を支持しない側面(端面ともいう)を表す。内外の軌道輪1,2における「背面」とはアキシアル荷重を支持する側面を表す。
内輪1の背面側内周面1h、つまり外輪2のテーパ面に対向する周面は、この内輪1の正面側内周面1sよりも径方向外方に所定寸法大径に形成されている。
前記保持器4は、各ポケットPt内の保持器内径側縁にポケットPt内側へ突出した転動体保持突部4aを有する。さらにこの保持器4は、内外輪1,2に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、合成樹脂から成る。この合成樹脂としては、熱硬化性樹脂の一つであるフェノール樹脂等を用いることができる。前記フェノール樹脂に例えば強化材や充填材を配合したものを適用しても良い。このようなフェノール樹脂からなる保持器を採用することで、機械的性質、耐熱・耐寒性、寸法安定性に優れた保持器を得ることが可能となる。
前記転動体保持突部4aは、保持器ピッチ円直径PCDよりも内径側の部分から径方向内方に向かうに従ってポケット内側に傾斜する傾斜角度を有する傾斜面4aaを成す。この保持器4のポケットPt内の中立位置において、転動体3と前記転動体保持突部4aとの径方向隙間Bを有する。
すなわち保持器4は、図3に示すように、このポケットPt内の中立位置では、転動体保持突部4aの内径側縁部分4abと、この内径側縁部分4abから軸受軸方向に垂直な方向に延びる線が転動体3と交差する位置との間に、径方向隙間Bを有する。図1(B)および図3に示す保持器4の組み込み状態では、前記保持器4のポケットPt内において、内外輪1,2に対して保持器4を径方向外方に径方向隙間B分変位させると、転動体保持突部4aの内径側縁部分4abと転動体3とが接触するが、この径方向隙間B分、保持器4を変位させたとき、保持器外周面4bは外輪内周面2h,2sとは接触しない。このとき保持器4の前記ポケットの180°反対側においては、保持器内周面4cは内輪外周面1s,1hとは接触しない。
この保持器4の外周面4bにおけるポケットPtに対する軸方向一方の周面部分4baと、軸方向他方の周面部分4bbとに、径方向の段差4bcを形成している。換言すれば、保持器外周面4bは、径方向外方へ突出する突出側の周面部分4baと、この周面部分4baに段差部分4bcを介して繋がる周面部分4bbとを有する。この例では、突出側の周面部分4baの幅寸法H1は、周面部分4bbの幅寸法H2よりも幅狭に形成されている。段差部分4bcは、周面部分4ba側から周面部分4bb側に向かうに従って小径となる傾斜面を成す。
前記転動体3が保持器4のポケットPt内の中立位置にあるとき、前述の径方向隙間Bと、前記突出側の周面部分4baとこの周面部分4baに対向する外輪2の内周面2hとの径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしている。
図1(A)および図2に示すように、保持器4を内外輪1,2に対して正方向に組み込んだ状態では、保持器4の突出側の周面部分4baがこれに対向する外輪2の内周面2hに接するが、転動体3が転動体保持突部4aに接触することのない軌道輪案内つまり外輪案内の保持器形式となる。
図1(B)および図3に示すように、保持器4を内外輪1,2に対して逆方向に組み込んだ状態では、転動体3が前記転動体保持突部4aに接触するが、保持器4の突出側の周面部分4baが、これに対向する外輪2の内周面2sに接することのない転動体案内の保持器案内形式となる。
図1(A)および図2に示す保持器4の組み込み状態では、前記保持器4のポケットPt内において、内外輪1,2に対して保持器4を径方向外方に径方向隙間G分変位させると、保持器外周面4bと外輪内周面2hとが接触するが、転動体3と転動体保持突部4aとの径方向隙間Bは完全には無くならない。すなわち図1(A)および図2に示す保持器4の組み込み状態では、本保持器4は外輪案内保持器として機能する。
これに対して保持器4の組み込み方向を図1(A)および図2とは逆方向とした図1(B)および図3に示す保持器4の組み込み状態では、保持器外周面4bは外輪内周面2sと接触することなく、本保持器4は転動体案内保持器として機能する。
以上説明した転がり軸受によると、転動体3が保持器4のポケットPt内で中立位置にあるときの前記転動体3と転動体保持突部4aとの間の径方向隙間Bと、保持器4の突出側の周面部分4baとこの周面部分4baに対向する外輪2の内周面2hとの径方向隙間Gとの関係をG<Bとしたため、保持器4を内外輪1,2に対して正方向に組み込んだ状態では、保持器4の突出側の周面部分4baが、これに対向する外輪2の内周面2hに接するが、転動体3が転動体保持突部4aに接触することがない外輪案内形式となり、保持器4を内外輪1,2に対して逆方向に組み込んだ状態では、転動体3が転動体保持突部4aに接触するが、保持器4の突出側の周面部分4baがこれに対向する外輪2の内周面2sに接することのない転動体案内形式となる。
すなわち、一種類の保持器4で、外輪案内形式の転がり軸受と、転動体案内形式の転がり軸受を製造することができる。これにより、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。保持器4の組み込み方向を正逆に変えることで、内外輪1,2に対する保持器4の案内形式を外輪案内形式と、転動体案内形式とに変えることができる。例えば、工作機械主軸等にこの転がり軸受を適用する場合において、高速領域まで使用する場合は外輪案内の保持器案内形式とし、中低速領域で使用する場合は保持器案内形式とする。また、外輪案内の保持器案内形式でグリース潤滑するときに保持器音が発生する場合には、転動体案内の保持器案内形式とすることで、前記保持器音の発生を解消することが可能となる。
このように保持器4の組み込み方向を変えることによって、外輪案内の軸受と転動体案内の軸受とを一種類の保持器で製造可能となる。従来、使用条件により、転動体案内方式の保持器、軌道輪案内方式の保持器と二種類の保持器が必要であったのに対し、本実施形態の構成では一種類の保持器4で、二つの案内方式の機能を満足することが可能となり兼用できることになる。したがって、保持器の品種を統合し、部品管理工数を削減することができる。それ故、転がり軸受の製造コストの低減を図ることができる。
保持器4が合成樹脂からなるため、金型により保持器4の量産化を図れ、例えば金属を切削加工してなる同形状の保持器よりも、保持器1個あたりの製造コストの低減を図ることが可能となる。合成樹脂のうちフェノール樹脂を採用することで、機械的性質、耐熱・耐寒性、寸法安定性に優れた保持器を得ることが可能となる。なお、保持器材料として、フェノール樹脂以外の合成樹脂を採用しても良い。
保持器4の突出側の周面部分4baの幅寸法H1は、周面部分4bbの幅寸法H2よりも幅狭に形成されているため、保持器全体として薄肉化を図り、材料費を低減することができる。
保持器4の転動体保持突部4aは、径方向内方に向かうに従ってポケットPt内側に傾斜する傾斜角度を有する複雑でない形状のため、金型による成形を容易に行うことが可能となる。また、金型成形後の成形品を金型から容易に取り出すことができる。
以下、この発明の他の実施形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図4の転がり軸受は、前述の保持器4に代えて、保持器4Aを内輪案内の保持器案内形式とし、転動体案内の保持器案内形式にもすることができる形状としている。つまり、この保持器4Aも、内外輪1,2に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状である。さらに保持器内周面4cは、径方向内方へ突出する突出側の周面部分4Aaと、この周面部分4Aaに段差部分4Abを介して繋がる周面部分4Acとを有する。前記段差部分4Abは、周面部分4Aaに対して垂直に立ち上がり周面部分4Acに繋がる。また保持器4Aにおいて、この段差部分4Abは、転動体保持突部4aの内径側縁部分4ab(図3参照)に連続して繋がる軸方向位置に、円周方向にわたって設けられる。
図4(A)に示すように、保持器4Aを内外輪1,2に対して正方向に組み込んだ状態では、保持器4Aの突出側の周面部分4Aaがこれに対向する内輪1の外周面1hに接するが、転動体3が転動体保持突部4aに接触することのない内輪案内の保持器形式となる。図4(B)に示すように、保持器4Aを逆方向に組み込んだ状態では、転動体3が前記転動体保持突部4aに接触するが、保持器4Aの突出側の周面部分4Aaがこれに対向する内輪1の外周面1sに接することのない転動体案内の保持器案内形式となる。
このように保持器4Aの組み込み方向を変えることによって、内輪案内と転動体案内の使い分けが一種類の保持器で可能となる。
図5の転がり軸受における保持器4Bは、突出側の周面部分4sを形成する突出側周面部分形成部品4sMを、同図5(A)に示すように保持器本体4Baに接着または圧入等により組付けることで、図5(B)に示すように一体に形成したものである。前記保持器本体4Baは、保持器4Bのうち突出側周面部分形成部品4sMを除いた構成部品であって、転動体3を保持するポケットPtおよび転動体保持突部4aを成す構成部品である。保持器本体4Baの軸方向一方の内周面部分d1に、突出側周面部分形成部品4sMの外周面部分d3が接着または圧入されて固定されている。
前記保持器本体4Baは、図5(A)に示すように、軸方向一方および他方の両側の内周面部分d1、d2が同一径であり、さらに両側の外周面部分も同一径に設けられている。よって、保持器本体4Baは軸方向一方および他方に対称な形状となる。
この場合、一種類の保持器4で、軌道輪案内形式の転がり軸受と、転動体案内形式の転がり軸受を製造することができるうえ、保持器4Bの周面部分4sと、この周面部分4sに対向する軌道輪の周面との径方向隙間Gを容易に設計変更することができる。また、共通の保持器本体4Baに対し、外輪案内の保持器案内形式となる突出側周面部分形成部品4sMを組み付けても良いし、内輪案内の保持器案内形式となる突出側周面部分形成部品4sMを組み付けても良い(図5の例は内輪案内形式)。この場合、保持器本体4Baの部品の兼用性を高めることができる。
前記保持器本体4Baの両側の内周面部分d1、d2が同一径であるため、図5(B)の形態から、保持器本体4Baの軸方向他方の内周面部分d2に、突出側周面部分形成部品4sMの外周面部分d3を圧入等により固定した形態に変更することも可能である。また、この保持器4Bから突出側周面部分形成部品4sMを除いた保持器本体4Baのみを用いて転動体案内形式の保持器とすることも可能となる。よって、部品管理工数の削減をさらに図ることが可能となる。
前記保持器が金属からなるものであっても良い。この場合、保持器の剛性を高め、軸受の高回転化を図れる。
転がり軸受は、前記いずれかの保持器を組み込んだ単列のアンギュラ玉軸受としているが、複列のアンギュラ玉軸受としても良い。この発明の転がり軸受として、深溝玉軸受や4点接触玉軸受を適用することも可能である。
1…内輪
2…外輪
1a,2a…軌道面
3…転動体
4,4A,4B…保持器
4ba,4Aa…周面部分
4a…転動体保持突部
4sM…突出側周面部分形成部品
Pt…ポケット

Claims (10)

  1. 内外の軌道輪、およびこれら内外の軌道輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、これら転動体が、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケットに保持された転がり軸受において、
    前記保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、
    前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、
    前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、
    記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分が前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1において、前記保持器の前記突出側の周面部分が接する軌道輪が、外輪であって、前記保持器を前記正方向に組み込んだ状態では外輪案内の保持器案内形式となる転がり軸受。
  3. 請求項1において、前記保持器の前記突出側の周面部分が接する軌道輪が、内輪であって、前記保持器を前記正方向に組み込んだ状態では内輪案内の保持器案内形式となる転がり軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転動体を玉とした、玉軸受である転がり軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、アンギュラ玉軸受であって、前記保持器の突出側の周面部分は、前記正方向に組み込んだ状態では、軌道輪の背面側の周面部分に接する転がり軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記保持器が合成樹脂からなる転がり軸受。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記保持器が金属からなる転がり軸受。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記保持器は、前記突出側の周面部分を形成する突出側周面部分形成部品を、保持器本体に組付けることで一体に形成したものである転がり軸受。
  9. 内外の軌道輪、およびこれら内外の軌道輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、これら転動体が、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケットに保持された転がり軸受に用いられる転がり軸受用保持器において、
    前記保持器は、前記各ポケット内の保持器内径側縁にポケット内側へ突出した転動体保持突部を有し、かつ内外いずれかの周面におけるポケットに対する軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とに径方向の段差があり、
    前記保持器は、軌道輪に対して軸方向の組み込み方向が正逆いずれの方向にも組み込み可能な形状であり、
    前記内外の軌道輪における前記保持器の前記段差を成す周面に対向する周面は、軌道面を挟む軸方向の一方の周面部分と他方の周面部分とで段差があり、
    記転動体が保持器のポケット内の中立位置にあるときの、前記転動体と前記転動体保持突部との間の径方向隙間Bと、前記保持器の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分が前記軌道輪の前記段差を成す周面部分のうちの突出側の周面部分に対向し合う関係にある場合におけるその対向し合う周面部分間の径方向隙間Gとの関係につき、G<Bとしたことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  10. 請求項9において、前記保持器は、前記突出側の周面部分を形成する突出側周面部分形成部品を、保持器本体に組付けることで一体に形成したものである転がり軸受用保持器。
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