JP5506270B2 - 水素触媒部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱水素もしくは水素付加の水素触媒部材の製造方法に関し、特に、金属触媒を多孔質酸化膜に担持した触媒担体による水素触媒部材の製造方法に関する。
近年、安全性、運搬性及び貯蔵能力に優れた水素貯蔵方法として、シクロヘキサンやデカリンのような炭化水素を用いた水素媒体システム(有機ハイドライドシステム)が注目されている。これらの炭化水素は、常温で液体であるため、運搬性、貯蔵性に優れている。
例えば、ベンゼンとシクロヘキサンは同じ炭素数を有する環状炭化水素であるが、ベンゼンは炭素同士の結合が二重結合である不飽和炭化水素であるのに対し、シクロヘキサンは二重結合を持たない飽和炭化水素である。ベンゼンの水素付加反応によりシクロヘキサンが得られ、シクロヘキサンの脱水素反応によりベンゼンが得られる。すなわち、これらの炭化水素の水素付加と脱水素反応を利用することにより、水素の貯蔵とその供給が可能となる。
図1は、水素反応容器および水素反応ユニットの概略図の一例であり水素エンジンを示している。水素を付加した水素媒体1は、水素媒体タンク2から管により水素反応容器3へ送られる。この水素反応容器3内には白金などの金属触媒を多孔質酸化膜に担持した触媒担体が配置され脱水素反応が生じている。ところで、この脱水素反応は吸熱反応であり、熱を必要とするが、この熱をエンジン4からの燃焼排気ガスとの熱交換により得ている。水素反応容器3内に送られた水素を付加した水素媒体1はこの脱水素反応により水素を放出する。次に、水素反応容器3を出た水素とそれ以外の物質とは気液分離容器6で分離され、水素を放出した水素媒体及び未反応の水素媒体7は、廃液タンク8に貯蔵される。一方、水素5はエンジン4に送られ燃料となる。
ところで、特許文献1には、アルミニウム平板表面を陽極酸化して、多孔質酸化膜を設け、その多孔質酸化膜に金属触媒を担持して触媒担体とし、化学的に水素貯蔵・供給を繰り返す水素媒体を用いて水素を取り出す脱水素の水素触媒部材を得ることが提案されている。また、このアルミニウム平板の脱水素の水素触媒部材を、スペーサを介して積み上げることにより、水素分離の効率を向上させることが提案されている。
特開2007−326000公報
脱水素または、水素添加のシステムに合わせて水素反応容器もそれにあった形状になり、その水素反応容器中に入れる水素触媒部材もまたそれに合わせて設計する必要がある。
アルミニウムの多孔質酸化膜からなる触媒担持体は、アルミニウム基板の表面に陽極酸化により多孔質酸化膜を設けている。触媒金属の担持密度は(表面積/体積)に比例し、(表面積/体積)は、担持体が大きくなるほど低下するが、特許文献1によるアルミニウム平板は微細構造ではない為、反応表面積を大きく出来ない。ここで多孔質酸化膜を厚くし、細孔長さを長くすることで反応表面積を増すことは出来るが、この陽極酸化の膜厚には成長限界がある為、飛躍的な効果は期待出来ない。
水素反応は、水素媒体が反応容器を通過する際に水素触媒部材と反応することにより行われるが、水素触媒部材が特許文献1のような平板状の場合では、水素媒体の流れに層流を生じ効率的な反応を阻害する。又、反応表面積拡大を目的として多孔質酸化膜を厚く(細孔長さを長く)した場合、表面積は増すが水素媒体及び水素は長い細孔内を出入りする必要があり、水素媒体と発生水素及び水素を放出した水素媒体の交換時間より反応速度は必ずしも多孔質酸化膜の厚さに比例せず限界がある。
又、脱水素反応は吸熱反応、水素付加は発熱反応であり反応に合わせて熱交換を速やかに行う必要がある。エンジン廃熱を利用した水素発生装置では、エンジンの燃焼排ガスを主な熱源としている。アルミニウム平板を水素触媒部材としている特許文献1では、アルミニウム平板の触媒面の反対面にヒートシンク構造を設けるか、またはアルミニウム平板を貫く穴を設け、これに燃焼排ガスを通すことで熱交換を行う。アルミニウムは比較的、熱伝導良好な金属ではあるがヒートシンクから触媒面の平均長さ、または燃焼ガスが通る貫通穴内壁から触媒面の平均長さは、短く出来ないので、十分低い熱抵抗と言えない。熱伝導効率を高めるには、排ガス流路と水素触媒部材を内包した水素媒体が通る流路を隔離する仕切りが、薄い金属である必要があり、充分な熱伝導を得るには、接している長さを長くし、水素媒体流路断面積を小さくする必要がある。しかしこれが直線的な形状であると機器収納において障害となるため、幾重にも折り曲げられたり、螺旋状に巻き付けられた形状が望ましい。従って水素触媒部材は折り曲げられた管や、螺旋状の管に収納される必要があるが、アルミニウム平板や、アルミニウム箔による水素触媒部材では収納が困難である。また、酸化アルミニウムの熱伝導率は大きくないので、反応表面積拡大を目的として多孔質酸化膜を厚くした場合、熱伝導が阻害され十分な反応速度が得られない。水素付加の場合も反応熱を速やかに放散させる必要があり同様である。
又、水素発生器において利用する廃熱温度が高い程、高性能な水素発生器となるが、特許文献1のアルミニウム平板は構造支持体を兼ねていることより、アルミニウム融点(660℃)より十分低い廃熱しか利用できない。
以上の通り、従来技術では、以下の問題があった。
(1)アルミニウム基板の表面に陽極酸化により多孔質酸化膜を設ける構造では、量産化が困難である。
(2)触媒金属の担持密度に限界がある。
(3)触媒金属担持密度向上として多孔質酸化膜を厚くする方法があるが、厚さには限界があり、厚くした場合では細孔内での水素媒体/発生水素の交換が遅れ、また熱抵抗も増加する。
(4)平板構造では層流を生じ易い。
(5)平板構造では高い熱交換効率を得られ難い。
(6)アルミニウム融点より低い廃熱しか利用出来ない。
本発明は、軽量、小型、安価な水素反応容器用の水素触媒部材の提供を目的としており、製造が容易で、触媒金属の担持密度を大きくすることが可能であり、水素発生容器の設計自由度が高く、水素発生容器の形状に合わせての収納を可能とすることで、熱交換効率が高く、アルミニウム融点以上でも使用可能な水素触媒部材を提供する。
本発明は、上記の課題を解決するために、下記の水素触媒部材およびその製造方法を提供するものである。
(1)金属触媒を多孔質酸化膜に担持した触媒担体により、化学的に水素貯蔵・供給を繰り返す媒体を用いて、水素を取り出す脱水素または水素を取り込む水素付加の水素触媒部材の製造方法において、アルミニウム箔またはアルミニウム基板の表面に陽極酸化により多孔質酸化膜を設けた後に、折り曲げ、叩解、もしくは粉砕処理し、この処理後、これを酸またはアルカリ水溶液に浸漬することで、母材のアルミニウムから多孔質酸化膜を剥離させ、得られた多孔質酸化膜を更に粉砕することを特徴とした水素触媒部材の製造方法。
本発明は、製造が容易で、触媒金属の担持密度を大きくすることが可能であり、水素発生容器の設計自由度が高く、水素発生容器の形状に合わせての収納を可能とすることで、熱交換効率が高く、アルミニウム融点以上でも使用可能でそのため、軽量、小型、安価な水素反応容器用の水素触媒部材を提供することができる。
水素反応容器および水素反応ユニットの概略図の一例を示している。 本発明に使用される、母材のアルミニウム付きの多孔質酸化膜の粉砕前の断面斜視図およびその粉砕後の斜視図を示している。 本発明に使用される多孔質酸化膜の粉砕体の斜視図を示している。 本発明の水素触媒部材の製造方法を示している。 本発明に使用される多孔質酸化膜を設けたアルミニウム箔の多孔質酸化膜の厚さH、母材厚さGを示している。 本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。 本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。 本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。 本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。
本発明に述べる金属触媒は、水素触媒用の金属で、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、鉄などの金属及びこれらの合金触媒を用いることができる。
本発明に述べる多孔質酸化膜は、アルミニウム箔または、アルミニウム基板などのアルミニウムの表面に形成される陽極酸化してできる酸化膜のうち、酸化膜が多孔質の膜からなる。
アルミニウム箔は特に厚さを制限しないが、連続生産で必要な強度や生産性、を考慮すると、厚さは15μmから100μm程度が良く、更に好ましくは20μmから40μm程度が好適である。これより薄いと連続生産での引張り加重にて箔切れを起こし易く、厚いと(酸化膜の膜厚/母材厚)を大きくするのに必要な酸化膜の成長時間が長くなる。又、純度は特に制限しないが、不純物による酸化膜の成長阻害を考慮すると、99質量%以上が良く、更に好ましくは99.7質量%以上が良い。
アルミニウム基板の形状/大きさは、特に限定しないが、液中に吊るして通電されるので、上部は、これに適した形状とする。又浸漬部は長方体が望ましい。表面はなるべく平滑であることが望ましく更に好ましくは電解研磨または化学研磨にて鏡面仕上げされる方が良い。また油分が残っている場合は使用前に脱脂する。純度はアルミニウム箔の場合と同様で99質量%以上が良く、更に好ましくは99.7質量%以上が良い。
多孔質酸化膜の陽極酸化法として、電解液は、例えば燐酸、クロム酸、蓚酸、硫酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸水溶液等を使用することができる。
陽極酸化により形成される細孔の径、細孔の間隔、膜厚は、印加電圧、処理温度、処理時間などの条件により、適宜設定することができる。
多孔質酸化膜の細孔径は、1nm以上とし、担持する金属触媒の大きさに合わせて調整する。但し化成条件だけで、細孔径を拡大しようとすると、細孔間隔が広がり最適な触媒担持密度が得られない場合があるので、陽極酸化での細孔径は小さいままとし、後の酸性溶液処理で細孔径を整えるのが良い。
また、この多孔質酸化膜の細孔底部を除去し、この細孔を貫通穴とすることにより、この細孔における媒体の移動が容易になり好ましい。具体的には、アルミニウム箔またはアルミニウム基板の表面に陽極酸化により多孔質酸化膜を設けた後に、この多孔質酸化膜を剥離し、この多孔質酸化膜を酸またはアルカリ性水溶液に浸漬することでこの多孔質酸化膜の細孔底部を溶解除去する等の方法をとる。
陽極酸化の処理液温度は、0℃から50℃、特に30℃から40℃とすることが好ましい。また、この陽極酸化の処理時間は処理条件や形成したい多孔質酸化膜の膜厚によって異なるが、例えば20℃、4質量%の蓚酸水溶液で15V、40分とした場合には約1.5μmの陽極酸化層を形成することができる。
さらに以下に述べる酸(またはアルカリ)性水溶液処理、ベーマイト処理、焼成処理、金属触媒担持処理を行うことが望ましい。
酸水溶液処理は、形成された細孔の径を拡大することが目的であり、例えば燐酸の場合には5質量%から20質量%であることが好ましく、10℃から30℃で10分から2時間、細孔径が適度に拡大されるまで処理する。
ベーマイト処理は、多孔質酸化膜の表面に羽毛状水酸化アルミニウムを形成させることが目的であり、pH6からpH8、好ましくはpH7からpH8の水中で行い、大気圧下であれば90〜100℃で1時間以上、好ましくは5時間以上処理する。また加圧容器を使用し100℃以上とすれば処理時間を短縮できる。
焼成処理は、γ―アルミナに転化させることが目的であり、水素触媒反応の効率としてγ―アルミナの方が良好なことによる。通常は300℃から550℃で0.1時間から5時間行う。
金属触媒の担持は、上記酸性水溶液処理後〜焼成後の何れかで実施される。担持方法としては、触媒金属をコロイド状に分散した液に浸漬と乾燥を繰り返したり、電気化学的に付着させるなどを行う。金属触媒は、多孔質酸化膜の粉砕体表面(細孔内を含む)やその表面の羽毛状酸化アルミニウムに担持される。
本発明に述べる水素媒体は、水素を放出し貯蔵する媒体で、水素を放出する水素供給体は、それ自体が安定であると共に脱水素されて安定な芳香族類となるものであれば特に制限されるものではないが、好ましくはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の単環式水素化芳香族類や、テトラリン、デカリン、メチルデカリン等の2環式水素化芳香族類や、テトラデカヒドロアントラセン等の3環式水素化芳香族類等を挙げることができ、より好ましくはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の単環式水素化芳香族類や、テトラリン、デカリン、メチルデカリン等の2環式水素化芳香族類である。水素を貯蔵する物質は、上記の水素を放出した水素貯蔵体で、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセンなどである。
以下、これら媒体全体のことを指して有機ハイドライドと呼ぶ。これら有機ハイドライドは、炭素同士の二重結合に水素が付加することにより、水素を貯蔵する。水素付加後の水素供給体は、水素を放出して元の水素貯蔵体に戻る。すなわち、上述の燃料は、水素のリサイクルに適したキャリアとなる。一方、上述の燃料の水素付加反応及び脱水素反応に際して利用される触媒は、既に研究開発されて熟知されているものも適用可能であり、実用的なものである。本発明は、より低温で水素貯蔵・供給が可能な触媒を用いることが好ましく、システム全体の効率を向上することができる。
本発明に述べる粉砕体は、表面に多孔質酸化膜が形成されたアルミニウム箔の粉砕体、またはアルミニウム箔またはアルミニウム基板表面に形成された多孔質酸化膜を剥離し、これを粉砕したもので、粉砕機等により粉砕する。前者の粉砕は上記酸水溶液処理での細孔径拡大処理後に行うのが望ましい。酸水溶液処理前に粉砕しても構わないが、この場合粉砕面も溶解する。ベーマイト処理後での粉砕では、粉砕面に羽毛状水酸化アルミニウムが形成されないので好ましくない。
多孔質酸化膜の剥離は、陽極酸化後、または酸水溶液処理後に行われる。剥離の方法は二つ有り、逆電印加による剥離法と、酸またはアルカリ水溶液による剥離法である。
逆電圧印加法は、水溶液中で陽極酸化と逆の直流電圧を印加することにより多孔質酸化膜を剥離するもので、液中の水素イオンが多孔質酸化膜を貫通し、アルミニウム母材との界面で電子を受け取り水素ガスとなり、このガスの発生圧力により剥離すると考えられる。使用する水溶液は、特に限定されないが、陽極酸化処理の化成液、または酸水溶液処理液にて行う場合では、槽を新設が不要で水洗を割愛でき好適である。もう一方の酸またはアルカリ水溶液による剥離法は、アルミニウムを溶解する水溶液を使用するもので、多孔質酸化膜溶解速度<アルミニウム溶解速度となる液組成であれば限定なく使用でき、例えば20℃、0.2質量%の苛性ソーダ水溶液とする。多孔質酸化膜と母材の界面のアルミニウムが溶解することで多孔質酸化膜が剥離する。ここで剥離速度を増す為には界面に溶解液が到達し易くする必要があり、この為に多孔質酸化膜を割る必要がある。このために、折り曲げ、叩解、または粉砕処理の何れかを実施する。本処理では細孔内も溶解されるので、前述の酸水溶液処理を兼ねても良い。又、多孔質酸化膜を剥離後に、酸またはアルカリ性水溶液に浸漬処理することで細孔底部のバリア膜を細孔内側及び剥離面の両方から溶解し除去することも可能であり、貫通した細孔が得られる。
本発明による水素触媒部材は粉砕による微小構造体であり、(表面積/体積)は水素触媒部材の構造が微小である程、大きいので本発明の水素触媒部材は、金属触媒の担持密度を大きく出来る。
又、水素媒体の通過において本発明による水素触媒部材は粉状なので乱流を生じ、層流による反応効率低下を防止できる。
又、特に多孔質酸化膜をアルミニウム母材から剥離し、この粉砕体を使用する場合において粉砕粉体積当たりの表面積は、粉砕前の膜厚さに依存しない。即ち必ずしも厚い膜とする必要がない。ここで膜が厚い場合、細孔長さが長く反応において水素媒体/水素が、長い細孔内を拡散する必要があったが、厚い膜とする必要がないので、拡散が円滑に行われる。
又、陽極酸化後の細孔はアルミニウム母材側が閉じた、有底の孔であり水素媒体/水素を流れ難くしていたが、粉砕において底部が割れるものもあり、この場合両方向からの拡散となり反応が円滑に行われる。更に多孔質酸化膜を剥離後に、酸またはアルカリ性水溶液に浸漬処理する場合では、細孔の大多数が貫通となり、より反応が円滑となる。
又、粉状なので如何なる形状にも収納可能であり蛇行したパイプなどの高熱交換構造にも対応でき、金属粉や金属繊維、カーボンと混合することで更に熱交換効率を向上できる。
又、本粉砕粉はパイプなどに充満して収納されたり、金属粉ら金属繊維と混合し焼結されたりすることで構造を保つものであり、本粉砕粉自身は構造支持体ではない。従ってアルミニウム母材を有する場合であってもアルミニウム融点(660℃)以上でも使用可能であり燃料排ガスの廃熱を最大限に活用出来る。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明に使用される、多孔質酸化膜を設けたアルミニウム箔であり、粉砕前の断面斜視図(図2(a))およびその粉砕後の斜視図(図2(b))を示している。10は多孔質酸化膜、13はアルミニウム母材を示している。アルミニウム母材13が薄いほうが、細かく砕くには好ましい。
図3は、本発明に使用される、アルミニウムの多孔質酸化膜の粉砕体の斜視図を示している。図3(a)は多孔質酸化膜の細孔の開口部14側が上を、図3(b)は多孔質酸化膜の細孔の開口部14側が下を向いているのを示している。図3(c)は、斜めに割れた状態、図3(d)は、細孔底部12が除去され、細孔が貫通穴となった状態を示している。
図4は、本発明の水素触媒部材の製造方法を示している。
具体的には、アルミニウム箔における陽極酸化処理、酸(またはアルカリ)性水溶液処理、及び粉砕処理を示している。アルミニウム箔コイル20よりアルミニウム箔が、各ローラーを経由して送り出される。アルミニウム箔は給電ローラー21より通電され、蓚酸化成槽23により陽極酸化処理される。次に燐酸水溶液槽で酸性水溶液処理し、粉砕機により粉砕処理される。また、粉砕以降はバッチ処理とし水洗−ベーマイト処理−焼成処理−金属触媒担持を行う。
ここでアルミニウム箔は、化成の進行と共に、多孔質酸化膜の厚さが厚くなり、これに伴って母材厚さは薄くなる。この化成を長時間実施するとアルミニウム母材13は、ほぼ消失する。アルミニウム母材13が薄い程、粉砕が容易となり、また、粉砕が細かい程、(表面積/体積)が増し都合が良い。しかし多孔質酸化膜10に対しアルミニウム母材13の厚さが薄い場合、箔は脆くなりローラーによる送り出しが出来なくなり連続的な処理が困難となる。
表1は、厚さ75μm、巾500mmのアルミニウム箔に陽極酸化処理を行った時の、走行と粉砕を確認した結果である。走行は直径100のローラーに試料のアルミニウム箔を掛け、両側に合計5kgの加重をかけながらローラーを回転させ、アルミニウム箔に亀裂が発生するかを調べた。粉砕は乳鉢に試料箔4cmを一辺5mmに裁断したものを入れ30分間、乳棒ですり潰しこれを1mmの篩いにかけ1mm以上のものが有るか否かを確認した。試料は化成時間を変え、図5に示すように、多孔質酸化膜の厚さH、母材厚さGとしてのHとGの比率をパラメータとした。
Figure 0005506270

表1の試験結果より、H/Gは2.0以上でないと、粉砕が困難である。図4の方法のように連続的に走行させる場合では、H/Gが2.25程度以下である必要がある。 従って図4の陽極化成はH/Gがこの範囲になるように実施する。
図6は、本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。
具体的には、アルミニウム箔の処理であり、蓚酸化成槽23にて、図2のようにアルミニウム母材13がほぼ消失するまで化成を実施している。アルミニウム箔はローラーにより所定の速度で送り出され、蓚酸化成槽23の底部付近にてアルミニウム母材を消失し脆くなる。
表1の通りH/Gが大きくなると走行試験にて亀裂を生じるが、図6では蓚酸化成槽以降の走行を行っていないので問題ない。
槽底部にはクラッシャー26が配置されており、本部に届いた箔を粗く砕いている。砕かれた箔はポンプ29によりフィルター30でろ過される。ろ過物は、フィルター30から取り出され、以下バッチ処理にて酸(またはアルカリ)性水溶液処理−水洗−粉砕−ベーマイト処理−焼成処理−金属触媒担持を行う。本方法ではアルミニウム母材が殆ど残っていないので図4の製造方法より粉砕径を小さく出来る。
図7は、本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。
具体的には、アルミニウム基板の処理である。蓚酸化成槽23と燐酸水溶液槽24が併設してある。図中の[1]に配置されたアルミニウム基板には電源の正極が接続され、陽極酸化処理が施される。[2]の位置では酸性水溶液にて細孔が拡大し、[3]の位置では逆電圧が印加される。
所定の時間処理した後にそれぞれのアルミニウム基板は配置を入れ替え、[1]は[2]の位置へ、[2]は水洗後[3]の位置へ、[3]は[1]の位置へ移動し以下これを繰り返す。即ち、それぞれのアルミニウム基板は、陽極酸化処理→酸性水溶液処理、水洗→逆電圧処理を繰り返す。逆電圧印加により陽極酸化の多孔質酸化膜は母材から剥離する。
剥離した多孔質酸化膜は蓚酸化成槽23内に沈殿する。即ち図7にて配置を入れ替えながら処理することで細孔が拡大した多孔質酸化膜の剥離膜が生成される。生成した多孔質酸化膜はポンプ29によりフィルター30に運ばれろ過される。また図7には示していないが、蓚酸化成槽中に図6の製造方法と同様にクラッシャー26を配置しポンプ29に吸い取られやすい大きさに砕いておいた方が良い。ろ過された多孔質酸化膜はバッチ処理にて以下、粉砕−ベーマイト処理−焼成処理−金属触媒担持を行う。
本方法では多孔質酸化膜のみであり、多孔質酸化膜は薄くても良いので図6より更に粉砕径を小さく出来る。又、ろ過された多孔質酸化膜を粉砕前に再度、燐酸水溶液からなる処理槽に浸漬することで細孔底部の酸化膜は溶解除去され、図3(d)に示すような、貫通した細孔が得られる。
図8は、本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。
具体的には、蓚酸化成槽23内にアルミニウム基板2枚を対向させ通電しており、定期的に電源の極性を入れ替える。図7では酸性水溶液処理をしてから多孔質酸化膜を引き剥がしているが、図8では陽極酸化後に多孔質酸化膜を引き剥がしている。フィルター30でろ過された多孔質酸化膜は以下、バッチ処理により酸(またはアルカリ)性水溶液処理−水洗−粉砕−ベーマイト処理−焼成処理−金属触媒担持を行う。本方法では、酸性水溶液処理にて細孔だけではなく、フィルター30でろ過されるまでに割れた面も酸性水溶液で溶解されてしまうが、粗く割れているだけなので微小な溶解であり大きな問題とならない。図7より工程が簡略化され、図7と同様の粉砕径が得られる。
図9は、本発明の水素触媒部材の別の製造方法を示している。
具体的には、酸(またはアルカリ)水溶液により多孔質酸化膜を剥離している。蓚酸化成槽23にて陽極酸化されたアルミニウム基板27は、燐酸水溶液槽24により細孔を拡大される。その後、槽から引き出され表面に凸凹構造を持った金型が押し付けられることで、多孔質酸化膜に割れを設ける。その後、20℃、0.2質量%の苛性ソーダ水溶液槽に浸漬する。
本液が多孔質酸化膜の割れからアルミニウム母材との界面に進入しアルミニウム母材を選択的に溶解することで多孔質酸化膜が剥離する。多孔質酸化膜はフィルター30でろ過され以下、バッチ処理により水洗−酸(またはアルカリ)性水溶液処理−水洗−粉砕−ベーマイト処理−焼成処理−金属触媒担持を行う。
図7、8、9は、アルミニウム基板としているが、それぞれアルミニウム箔に置き換えても良い。但しアルミニウム基板の場合、厚いので化成により消失するまで何度も使用でき効率的である。又、図4、6、7,8,9の直流電源は、それぞれパルス電源に置き換えても良く、短時間の逆電圧を含むパルス波形では低純度のアルミニウムでも良好な多孔質構造が得られる。
1…水素を付加した水素媒体、2…水素媒体タンク、3…水素反応容器、4…エンジン、5…水素、6…気液分離容器、7…水素を放出した水素媒体及び未反応の水素媒体、8…廃液タンク、10…多孔質酸化膜 、11…細孔、12…細孔底部、13…アルミニウム母材、14…細孔の開口部、20…アルミニウム箔コイル、21…給電ローラー、22…負極電極、23…蓚酸化成槽、24…燐酸水溶液槽、25…粉砕機、26…クラッシャー、27…アルミニウム基板、28…苛性ソーダ水溶液槽、29…ポンプ、30…フィルター

Claims (1)

  1. 金属触媒を多孔質酸化膜に担持した触媒担体により、化学的に水素貯蔵・供給を繰り返す媒体を用いて、水素を取り出す脱水素または水素を取り込む水素付加の水素触媒部材の製造方法において、アルミニウム箔またはアルミニウム基板の表面に陽極酸化により多孔質酸化膜を設けた後に、折り曲げ、叩解、もしくは粉砕処理し、この処理後、これを酸またはアルカリ水溶液に浸漬することで、母材のアルミニウムから多孔質酸化膜を剥離させ、得られた多孔質酸化膜を更に粉砕することを特徴とした水素触媒部材の製造方法。
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