JP5506182B2 - 燃料電池スタックを備える燃料電池システムおよび燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents
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Description
その1つは、燃料電池セルの加湿状態の制御である。燃料電池セルに用いられている高分子電解質は、加湿状態になければプロトン伝導性が大幅に低下する。このため、高分子電解質膜が加湿不足状態にある場合、燃料電池スタックの出力が大きく低下する。また、高分子電解質膜が加湿不足の状態で燃料電池を運転すると、電極に大きな過電圧がかかり、電極電位の上昇や副反応などによって、電極に用いられている触媒材料やカーボン材料、あるいは高分子電解質膜などの劣化を促進することが分かってきている。
(A)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタック、
(B)燃料電池スタックの加湿不足を検出する検出手段、
(C)前記検出手段により加湿不足が検出されたときに、前記燃料電池スタックに水分を供給する水供給手段、
(D)前記供給された水分を加熱するための加熱手段、および
(E)前記供給された水分を冷却するための冷却手段
を備え、前記供給された水分の前記加熱手段により加熱と前記冷却手段により冷却を繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する、燃料電池システムに関する。ここで、前記水分は、主成分として水を含んでいればよい。例えば、前記水分は、水(例えばイオン交換水)であってもよいし、低濃度のアルコール水溶液であってもよい。前記アルコール水溶液に含まれるアルコール濃度は、8mol/L以下であることが好ましく、6mol/L以下であることがさらに好ましい。
(F)前記燃料電池スタックの出力または内部抵抗、あるいは前記燃料電池スタックの休止時間を計測するための計測手段、および
(G)前記計測手段で得られた情報に基づいて、前記燃料電池スタックの加湿不足の有無を判定するための判定手段
を備えることが好ましい。
(H)前記加熱手段による加熱により、前記供給された水分の温度を前記燃料電池スタックの運転温度付近に調節し、前記冷却手段よる冷却により、前記供給された水分の温度を室温付近に調節する温度制御手段
を備えることがさらに好ましい。
(i)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタックを作製する工程、
(ii)前記燃料電池スタックに、水分を供給する工程、および
(iii)前記供給された水分の加熱と冷却を繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する工程
を含む、燃料電池スタックの製造方法に関する。前記工程(iii)において、前記水分が前記燃料電池スタックの運転温度付近まで加熱され、加熱の後の前記水分が室温付近まで冷却されることが好ましい。
さらに、加湿を行うために、弱酸性水または高濃度のアルカリ水溶液を燃料電池スタックに供給する必要もない。このため、発電および弱酸性水または高濃度のアルカリ水溶液の供給によって生じる燃料電池スタックの劣化を抑制することができる。つまり、本発明の燃料電池システムにおいては、加湿を繰り返し行うような状況にあっても、燃料電池スタックの劣化が抑制される。よって、燃料電池スタックの寿命特性を向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、大掛かりな設備を追加する必要がないため、燃料電池システムを小型化および/または簡略化することができる。
(A)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタック、
(B)前記燃料電池スタックの加湿不足を検出する検出手段、
(C)前記検出手段により加湿不足が検出されたときに、燃料電池スタックの前記燃料電池スタックに水分を供給する水供給手段、
(D)前記供給された水分を加熱するための加熱手段、および
(E)前記供給された水分を冷却するための冷却手段
を備える。本発明の燃料電池システムにおいては、前記供給された水分の加熱手段による加熱と前記冷却手段による冷却とを繰り返して、燃料電池スタックの加湿が行われる。
以下、本発明の燃料電池システムを、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の燃料電池システムは、後述するような加湿不足の検出手段、水供給手段、加熱手段、および冷却手段以外は、従来から知られている燃料電池システムと同じ構成を採ることができる。
図1に本発明の一実施形態に係る燃料電池システムのブロック図を示す。図1の燃料電池システム1は、燃料としてメタノール水溶液を用いる。
図1の燃料電池システム1は、直接メタノール型燃料電池システムの一般的な構成要素である燃料電池スタック2、酸化剤供給手段5、燃料供給手段6、発電制御手段7および冷却手段8を備える。燃料電池スタック2は、少なくとも1つの燃料電池セル3を含む。前記冷却手段8は、燃料電池スタック2を冷却する。さらに、燃料電池システム1は、加熱手段4および燃料電池スタック2の加湿不足を検出する検出手段9を備える。本実施形態において、燃料供給手段6が水供給手段として機能し、冷却手段8が燃料電池スタック2に供給された水分を冷却するための冷却手段として機能する。なお、燃料供給手段6とは別に、水供給手段を設けてもよい。
アノード触媒としては、当該分野で公知の材料を用いることができ、例えば、Pt金属などを用いることができる。
燃料送り出し手段6bは、発電制御手段7と電気的に接続されており、発電制御手段7により制御される。
発電制御手段7は、例えば、中央処理装置(CPU)、記憶手段などを備えるマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路から構成できる。記憶手段としては、当該分野で公知の手段を用いることができる。記憶手段としては、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリなどを用いることができる。記憶手段には、各種制御を実施するためのプログラム、各種制御を開始するための基準数値などが予め入力されている。
なお、燃料電池スタック2に供給された水分の加熱と冷却とが繰り返されるように加熱手段4および冷却手段8を制御する手段は、発電制御手段7とは別に設けてもよい。この場合にも、前記加熱手段4および冷却手段8を制御する手段は、中央処理装置(CPU)、記憶手段などを備えるマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路から構成できる。
燃料電池スタック2の温度は、例えば、熱電対を用いて測定されており、その測定温度に基づいて、燃料電池スタック2の温度が所定の温度となるように、加熱手段4が発電制御手段7により制御されている。
なお、加熱手段4は、燃料電池スタック2の内部に設けてもよい。
加熱手段4の場合と同様に、燃料電池スタック2の測定温度に基づいて、燃料電池スタック2の温度が所定の温度となるように、冷却手段8は発電制御手段7により制御されている。
まず、燃料電池システム1に含まれる燃料電池スタック2の加湿不足の有無が、検出手段9により検出される。前記検出手段9は、例えば、前記燃料電池スタック2の出力または内部抵抗、あるいは前記燃料電池スタック2の休止時間を計測するための計測手段9a、ならびに前記計測手段9aからの情報に基づいて、前記燃料電池スタック2の加湿不足を判定するための判定手段9bを備えることができる。前記判定手段9bとしては、発電制御手段7と同様に、中央処理装置、記憶手段などを備えるマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路から構成できる。なお、発電制御手段7が、前記判定手段9bを兼ねてもよい。
発電を開始する命令が発電制御手段7へ入力されると(燃料電池システム1が起動されると)、発電制御手段7からの信号に基づいて、判定手段9bでは、計測手段9aからの情報に基づき、燃料電池スタック2の加湿不足の有無が判定される。具体的には、計測手段9aから判定手段9bに送られてきた情報値が、判定手段9bに記憶された所定の範囲内にない場合に、燃料電池スタック2が加湿不足の状態にあると判定される。判定手段9bにおいて、燃料電池スタック2が加湿不足であると判定された場合、判定手段9bからの情報に基づいて、発電制御手段7により燃料電池スタック2の加湿が行われる。
燃料電池スタック2の内部抵抗を測定する場合、計測手段9aとしては、内部抵抗を測定することができる当該分野で公知の装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、交流抵抗測定装置を用いることができる。
燃料電池スタック2の休止時間を測定する場合、計測手段9aとしては、燃料電池スタック2が休止されてからの時間を記憶しておくことができる装置を特に限定することなく用いることができる。
計測手段9aが、燃料電池スタック2の内部抵抗値を測定する場合、測定された内部抵抗値が所定の内部抵抗値よりも高いときに、燃料電池スタック2の加湿が行われる。
計測手段9aが、燃料電池スタック2の休止時間を計測する場合、計測された休止時間が所定の休止時間よりも長いときに、燃料電池スタック2の加湿が行われる。
なお、計測手段9aが燃料電池スタック2の出力を測定する場合、発電制御手段7により燃料電池スタック2を作動させて、燃料電池スタック2の出力が測定される。燃料電池スタック2を加湿する必要がある場合、一旦発電を停止し、燃料電池スタック2の加湿を行ったのち、再び発電を開始する。なお、燃料電池スタック2の出力を測定するための発電は、短時間しか行われないため、加湿不足状態での発電による電極の劣化はほとんど生じない。
つまり、水供給手段は、燃料電池スタック2に含まれる燃料電池セル3のカソード3aおよびアノード3bの少なくとも一方に水分を供給する。
加熱と冷却の繰り返し回数は、燃料電池セル3の構造や材料によっても異なるが、例えば3回〜10回程度が好ましい。
本発明の別の実施形態に係る燃料電池システムのブロック図を、図2に示す。図2の燃料電池システム20は、水素ガスを燃料とする燃料電池システムの一般的な構成要素である燃料電池スタック22、燃料電池スタック加熱手段24、酸化剤供給手段25、燃料供給手段26、および発電制御手段27を備える。実施の形態1と同様に、燃料電池スタック22は、少なくとも1つの燃料電池セル23を含む。燃料電池セル23は、カソード23a、アノード23b、およびそれらの間に配置された高分子電解質膜23cを含む。なお、図2においても、燃料電池スタック22に含まれる1つの燃料電池セル23のみを示している。
本実施形態においては、前記燃料電池スタック加熱手段24が、燃料電池スタック22に供給された水分を加熱するための加熱手段としても機能する。
燃料貯留手段26aとしては、燃料ガスを貯留することができる容器を特に限定することなく用いることができる。燃料貯留手段26aとしては、例えば、燃料ボンベ、燃料タンクなどを使用できる。
燃料送り出し手段26bとしては、燃料ガスを送り出すことができる手段を特に限定することなく用いることができる。燃料送り出し手段26bとしては、例えば、ガス流量コントローラ、弁、ポンプ等を用いることができる。
なお、燃料供給手段26は、燃料改質器(図示せず)を含んでいてもよい。
水分は、カソード23aまたはアノード23bのいずれか一方に供給してもよいし、カソード23aおよびアノード23bの両方に供給してもよい。
本発明による燃料電池スタック(燃料電池セル)の加湿方法は、
(a)燃料電池スタックに、水分を供給する工程、および
(b)前記供給された水分の加熱と冷却を繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する工程
を含む。なお、前記加湿方法は、工程(a)の前に燃料電池スタックの加湿不足の有無を判定する工程を有していてもよい。
前記加湿方法は、一般的な構成の燃料電池システムの製造工程において、製造直後の燃料電池スタックを加湿するためにも有効である。一般的に、燃料電池セルは、通常運転時よりも乾燥した状態で製造され、その後に加湿を行っている。この加湿をする工程において、本発明による加湿方法のように、燃料電池セルに水分を供給し、加熱と冷却を繰り返す操作を行うことで、燃料電池セルを速やかに加湿することができる。製造工程で燃料電池セルのみを扱えばよいため、最終的な燃料電池システムの構成によらず、通常の構成の燃料電池システムの製造においても、本発明の加湿方法を適用することができる。これにより、燃料電池システムの製造にかかる時間を短縮することができる。
(i)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタックを作製する工程、
(ii)前記燃料電池スタックに、水分を供給する工程、および
(iii)前記供給された水分の加熱と冷却を繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する工程
を含む。なお、上記と同様の理由から、工程(iii)において、前記水分が前記燃料電池スタックの運転温度付近まで加熱され、加熱の後の前記水分が室温付近まで冷却されることが好ましい。
[触媒層の作製]
カソード用触媒をイソプロパノール水溶液に分散させた分散液6mlと、高分子電解質分散液(ナフィオン(登録商標)5重量%溶液、アルドリッチジャパン(株)製)5mlとを混合して、触媒インクを調製した。この触媒インクをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート上に塗布し、乾燥して、カソード触媒層を作製した。カソード用触媒としては、Pt触媒を用いた。前記Pt触媒は、ケッチェンブラック(商品名:ECP、ケッチェンブラックインターナショナル社製)に担持させた。Pt触媒とケッチェンブラックとの合計に占めるPt触媒の量を50重量%とした。
アセチレンブラック(商品名:デンカブラック、電気化学工業(株)製)とPTFE分散液(固形分60重量%、アルドリッチジャパン(株)製)と、所定の量のイオン交換水とを混合して、ガス拡散層インクを調製した。このインクを、カーボンペーパー(商品名:AvCarb(登録商標)1071HCB、バラードマテリアルプロダクツ社製)の片面に塗布し、乾燥して、カソード用ガス拡散層を得た。
高分子電解質膜(商品名:ナフィオン(登録商標)112、デュポン(株)製)の一方の面にカソード触媒層を積層し、他方の面にアノード触媒層を積層した。得られた積層体をホットプレスし、この後PTFEシートを引き剥がして、カソード触媒層およびアノード触媒層を高分子電解質膜へ転写した。
このようにして、MEAを作製した。
具体的には、得られた燃料電池セルに、空気供給手段、水供給手段でもある燃料供給手段、冷却手段、発電制御手段、および燃料電池セルの加湿不足を検出する検出手段である内部抵抗計測手段を装着した。
酸化剤送り出し手段には、空気ポンプを用いた。
燃料として1mol/Lメタノール水溶液を用い、燃料貯留手段には燃料タンクを用い、燃料送り出し手段には燃料ポンプを用いた。
冷却手段には送風ファンを用い、燃料電池セルの外周に空気を流すようにした。
発電制御手段および燃料電池システムにより生成された電力を消費する外部負荷として、電子負荷装置を用いた。
内部抵抗計測手段には、交流抵抗測定装置を用いた。
得られた燃料電池システムを、60℃、100mA/cm2の定電流で、予備発電させて、出力および内部抵抗を安定化させた。この後、次のような加湿の評価試験を行った。
カソードに水分を供給する第2の水供給手段を設けたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池システム2を作製した。具体的に、切り替え弁を介して、酸化剤配管に、水配管、水送り出し手段(ポンプ)および水貯留手段(タンク)を接続した。カソードに供給される水分としては、イオン交換水を用いた。
燃料電池システム2を、実施例1と同様の評価試験に供した。結果を表1に示す。
燃料供給手段を水供給手段としては用いず、カソードおよびアノードに水分を供給する第1の水供給手段を設けたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池システム3を作製した。具体的には、水貯留手段(タンク)に水送り出し手段(ポンプ)を接続し、水送り出し手段から延びた水配管を、第1の切り替え弁および第2の切り替え弁を介して、それぞれ酸化剤配管および燃料配管に接続した。
燃料電池システム3においては、カソードおよびアノードの両方に、水分を供給した。本実施例において、水分としては、イオン交換水を用いた。
燃料電池システム3を、実施例1と同様の評価試験に供した。結果を表1に示す。
実施例1で作製した燃料電池セルを用いて、図2に示されるような燃料電池システムを作製した。得られた燃料電池システムを、燃料電池システム4とした。
具体的には、作製した燃料電池セルに、空気供給手段、燃料供給手段、冷却手段、水供給手段、発電制御手段、および内部抵抗計測手段を装着した。
燃料として水素ガスを用い、燃料貯留手段にはガスボンベを用い、燃料送り出し手段には流量コントローラを用いた。燃料配管には、加湿器を装着しておいた。
冷却手段には送風ファンを用い、燃料電池セルの外周に空気を流すようにした。
水送り出し手段には、ポンプを用いた。
発電制御手段および燃料電池システムが生成した電力を消費する外部負荷として、電子負荷装置を用いた。
内部抵抗計測手段には、交流抵抗測定装置を用いた。
燃料電池システム1を用い、加熱と冷却の繰り返しは行わず、60℃、150mA/cm2の定電流で発電を行ったこと以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。結果を表1に示す。
燃料電池システム1を用い、加熱と冷却の繰り返しは行わず、燃料電池セルの温度を60℃に維持したこと以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。結果を表1に示す。
燃料電池システム2を用い、加熱と冷却の繰り返しは行わず、燃料電池セルの温度を60℃に維持したこと以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。結果を表1に示す。なお、本比較例においては、燃料電池セルのカソードに、イオン交換水の代わりに、メタノールを供給した。
燃料電池システム4を用い、加熱と冷却の繰り返しは行わず、60℃、150mA/cm2の定電流で発電を行ったこと以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。結果を表1に示す。
2、22 燃料電池スタック
3、23 燃料電池セル
3a、23a カソード
3b、23b アノード
3c、23c 高分子電解質膜
4 加熱手段
5、25 酸化剤供給手段
5a、25a 酸化剤送り出し手段
5b、25b 酸化剤配管
6、26 燃料供給手段
6a、26a 燃料貯留手段
6b、26b 燃料送り出し手段
6c、26c 燃料配管
7、27 発電制御手段
8、28 冷却手段
9、29 検出手段
9a、29a 計測手段
9b、29b 判定手段
10 外部負荷
24 燃料電池スタック加熱手段
30 水供給手段
30a 水貯留手段
30b 水送り出し手段
30c 水配管
31、32 切り替え弁
33、34 加湿器
Claims (5)
- (A)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタック、
(B)前記燃料電池スタックの加湿不足を検出する検出手段、
(C)前記検出手段により加湿不足が検出されたときに、前記燃料電池スタックに水分を供給する水供給手段、
(D)前記供給された水分を加熱するための加熱手段、
(E)前記供給された水分を冷却するための冷却手段、および
(F)前記加熱手段による加熱により、前記供給された水分の温度を前記燃料電池スタックの運転温度付近に調節し、前記冷却手段による冷却により、前記供給された水分の温度を室温付近に調節する温度制御手段
を備え、前記検出手段により加湿不足が検出されたときに、前記温度制御手段の制御により前記供給された水分の前記加熱手段による加熱と前記冷却手段による冷却とを繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する、燃料電池システム。 - 前記アノードに水素ガスが燃料として供給される場合、前記燃料電池システムは、前記燃料電池スタックを加熱するための燃料電池スタック加熱手段を有しており、前記燃料電池スタック加熱手段が、前記供給された水分を加熱するための加熱手段として機能する、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記アノードにメタノール水溶液が燃料として供給される場合、前記燃料電池システムは、前記燃料を前記アノードに供給するための燃料供給手段および前記燃料電池セルを冷却するための冷却手段を有しており、前記燃料供給手段が前記水供給手段として機能し、前記冷却手段が、前記供給された水分を冷却するための冷却手段として機能する、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記検出手段が、
(G)前記燃料電池スタックの出力または内部抵抗、あるいは前記燃料電池スタックの休止時間を計測するための計測手段、および
(H)前記計測手段で得られた情報に基づいて、前記燃料電池スタックの加湿不足の有無を判定するための判定手段
を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。 - (i)カソード、アノード、および前記カソードと前記アノードとの間に配置された高分子電解質膜を備える燃料電池セルを少なくとも1つ含む燃料電池スタックを作製する工程、
(ii)前記燃料電池スタックに、水分を供給する工程、および
(iii)前記供給された水分を前記燃料電池スタックの運転温度付近まで加熱することと、室温付近まで冷却することとを繰り返して、前記燃料電池スタックを加湿する工程
を含む、燃料電池スタックの製造方法。
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