JP5406968B2 - 燃料電池の活性化方法、および燃料電池用活性化装置 - Google Patents
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Description
カソード側電極触媒層42およびアノード側電極触媒層43をそれぞれカーボンペーパー、カーボン織布などにカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物を塗布した構造を持つカソード側ガス拡散層44およびアノード側ガス拡散層45で挟持してカソード46およびアノード47を構成した膜/電極接合体58が形成されている。
これらのカソード側ガス拡散層44およびアノード側ガス拡散層45は、それぞれ酸化剤ガス(例えば空気)および水素、天然ガス、都市ガス、LPG、ブタンなどの燃料ガスや、メタノール、エタノールなどの有機物燃料の供給・ 排出を行うと同時に、集電体としての機能を有し電流を外部に伝える働きをする。そして、膜/電極接合体58に面して反応ガス流通用のガス流路48を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路49を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ50により挟持して単セル51が構成される。
アノード側:H2 →2H++2e-
カソード側:1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O
の反応が起こり、アノード47側で生成されたH+ イオンは固体高分子電解質膜41中をカソード46側に向かって移動し、e- (電子)は外部の負荷を通ってカソード46側に移動する。
一方、カソード46側では酸化剤ガスに含まれる酸素と、アノード47側から移動してきたH+ イオンおよびe- とが反応して水が生成される。かくして、固体高分子形燃料電池は、水素と酸素から直流電流を発生し、水を生成することになる。
そこで、固体高分子形燃料電池を脱イオン水で煮沸したり、またはガス供給路に温水を導入したり、またはガス供給路にアルコールを導入した後、脱イオン水で洗浄する、または固体高分子形燃料電池を高酸素利用率で発電し、低電位で保持するなどにより短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出せるようにした固体高分子形燃料電池の活性化方法が提案されている(特許文献1参照)。
そして従来、燃料電池を組み立てた直後、または長時間未使用のまま放置した電池をそのまま作動させるなど活性化処理を行わない場合は、作動後、約10〜20時間経過しないと高性能の電池出力が得られないという問題があった。
本発明の第1の目的は、より簡単な方法を用いて、燃料電池を組み立て直後、または長時間未使用のまま放置した電池を作動させる場合などにおいても、いち早く高性能の電池出力を得ることができる燃料電池の活性化方法を提供することであり、
本発明の第2の目的は、この活性化方法を行うための燃料電池用活性化装置を提供することである。
前記燃料電池の発電前に、アノードに還元剤を供給するとともに、カソードに不活性ガスを供給するか、もしくはカソードに不活性ガスを供給せずに、カソードとアノード間に固定抵抗もしくは導電体を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下に制御することにより活性化することを特徴とする燃料電池の活性化方法である。
アノードに還元剤を供給する還元剤供給手段と、
カソードに不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記還元剤供給手段と前記不活性ガス供給手段とを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池用活性化装置である。
前記燃料電池の発電前に、アノードに還元剤を供給するとともに、カソードに不活性ガスを供給するか、もしくはカソードに不活性ガスを供給せずに、カソードとアノード間に固定抵抗もしくは導電体を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下に制御することにより活性化することを特徴とする燃料電池の活性化方法であり、
アノードとともに、カソードも活性化でき、燃料電池を簡単に活性化できるので、燃料電池を組み立て直後、または長時間未使用のまま放置した電池を作動させる場合などにおいても、いち早く高性能の電池出力を容易に得ることができるという顕著な効果を奏する。
カソードとアノード間に固定抵抗もしくは導電体を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下好ましくはなるべく0mVに近い値に制御することで触媒などの性能を損なうことなく早急に容易に経済的に活性化できるので、燃料電池を組み立て直後、または、長時間未使用のまま放置した電池を作動させる場合などにおいても、より早く高性能の電池出力を容易に得ることができるという顕著な効果を奏する。
加湿ガスを用いることにより燃料電池をさらに早急に活性化できるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記還元剤として加湿した水素ガスを用いることにより燃料電池をさらに簡単に活性化できるというさらなる顕著な効果を奏する。
アノードに還元剤を供給する還元剤供給手段と、
カソードに不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記還元剤供給手段と前記不活性ガス供給手段とを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池用活性化装置であり、
この燃料電池用活性化装置を使用してセルスタックもしくは燃料電池を簡単に容易に確実に活性化できるという顕著な効果を奏する。
図1は本発明の燃料電池用活性化装置の1例を説明する説明図である。
図1において、1は本発明の燃料電池用活性化装置を示す。本発明の燃料電池用活性化装置1は、燃料電池(あるいはセルスタック。以下燃料電池と称す)2のアノードAおよびカソードCに、水素あるいはその他の還元剤から選択される少なくとも1つの還元剤あるいは加湿した水素ガス(以下、水素と称す)を所定の温度で所定時間供給する還元剤供給手段3(以下、手段3と称す)を備えている。この手段3は水素を燃料電池2のアノードAおよびカソードCに供給するための水素ボンベなどの水素供給源4と、水素供給源4からの水素を移送する水素供給ライン5と、水素供給ライン5の途中に設置された加湿手段6と、開閉弁7、8、9を備えている。
また本発明の燃料電池用活性化装置1は、制御手段14を備え、これらを制御するようになっている。
この例1では、アノードAおよびカソードCに水素を供給して燃料電池2を活性化する。
開閉弁7、13を閉じ、開閉弁8、9を開け、そして手段3の水素供給源4から水素を水素供給ライン5を経て燃料電池2のアノードAおよびカソードCに供給して内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。水素供給源4から水素を所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御し、所定時間、水素供給ライン5を経て、燃料電池2のアノードAおよびカソードCに供給して燃料電池2を活性化する。制御手段14は温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
なお、パージ終了後図示しないパージラインを閉め、水素供給ライン5を経て水素を供給することなく、所定温度・圧力・時間、水素雰囲気で水素燃料電池2のアノードAおよびカソードCを活性化することもできる。
この例2では、アノードAおよびカソードCに加湿した水素を供給して燃料電池2を活性化する。
まず開閉弁8、13を閉じ、開閉弁7、9を開けて、手段3の水素供給源4から水素を水素供給ライン5を経て加湿手段6へ導入し、所定の加温・加湿を行い、加湿した水素を水素供給ライン5を経て燃料電池2のアノードAおよびカソードCに供給して内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。パージ終了後、加湿した水素を所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御し、所定時間、水素供給ライン5を経て燃料電池2のアノードAおよびカソードCに供給して燃料電池2を活性化する。制御手段14は湿度・温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
なお、パージ終了後図示しないパージラインを閉め、水素供給ライン5を経て加湿した水素を供給することなく、所定温度・圧力・時間、加湿した水素雰囲気で水素燃料電池2のアノードAおよびカソードCを活性化することもできる。
この例3では、アノードAに加湿した水素を供給し、そしてカソードCに窒素を供給して燃料電池2を活性化する。
開閉弁8、9を閉じ、開閉弁7、13を開けて、手段3の水素供給源4から水素を水素供給ライン5を経て加湿手段6へ導入し、所定の加温・加湿を行い、加湿した水素を水素供給ライン5を経て燃料電池2のアノードAに供給して内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。一方、手段10の窒素供給源11からは窒素を窒素供給ライン12を経て燃料電池2のカソードCに供給して内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。パージ終了後、加湿した水素を所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御し、所定時間、水素供給ライン5を経て、燃料電池2のアノードAに供給するとともに、手段10の窒素供給源11からは窒素を所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御し窒素供給ライン12を経て燃料電池2のカソードCに供給して、燃料電池2を活性化する。制御手段14は湿度・温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
なお、パージ終了後図示しないパージラインを閉め、加湿した水素および窒素を供給することなく、所定温度・圧力・時間、加湿した水素および窒素雰囲気で水素燃料電池2のアノードAおよびカソードCを活性化することもできる。
図2において、20は参考用の燃料電池用活性化装置を示す。
参考用の燃料電池用活性化装置20は、熱処理して作製されたセルあるいは膜/電極接合体(以下、MEAと称す)21を内部に入れて処理するための開閉可能な蓋22を備えるとともに所定温度に加熱するためのヒータやスチームなど用いる加熱手段23を備えた処理容器24と、前記処理容器24に水素を所定の温度・圧力で所定時間供給する供給手段25(以下、手段25と称す)を備えている。この手段25は水素を前記処理容器24に供給するための水素ボンベなどの水素供給源26と、水素供給源26からの水素を移送するための水素供給ライン27と、水素供給ライン27の途中に設置された加湿手段28と、開閉弁29、30、31を備えている。処理容器24に備えられた制御手段32は温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
この例1では、処理容器24内にMEA21を入れて水素を用いてMEA21を活性化する場合について説明する。
先ず、蓋22を開けて処理容器24内にMEA21を入れて蓋22を密閉して閉める。開閉弁29を閉じ、開閉弁30、31を開けて、手段25の水素供給源26から、水素供給ライン27を経て、水素を処理容器24内に送って内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。パージ終了後図示しないパージラインを閉める。処理容器24は加熱手段23により加熱される。処理容器24は、所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御される。パージ終了後、処理容器24内の水素により所定時間MEA21を活性化する。制御手段32は温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
なお、パージ終了後図示しないパージラインを閉めずに水素を処理容器24内に供給しつつMEA21を活性化することもできる。
この例2では、処理容器24内にMEA21を入れて加湿した水素を用いてMEA21を活性化する場合について説明する。
開閉弁30を閉じ、開閉弁29、31を開けて、手段25の水素供給源26から水素を水素供給ライン27を経て加湿手段28へ導入し、所定の加温・加湿を行い、加湿した水素を水素供給ライン27を経て処理容器24内に送って内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出する。パージ終了後図示しないパージラインを閉める。一方、処理容器24は加熱手段23により加熱される。処理容器24は、所定の温度・圧力になるように図示しない温度・圧力調整装置で制御される。パージ終了後、処理容器24内の加湿した水素により所定時間MEA21を活性化する。制御手段32は温度・圧力・時間・弁開閉などを制御する。
なお、パージ終了後図示しないパージラインを閉めずに加湿した水素を処理容器24内に供給しつつMEA21を活性化することもできる。
200℃を超えると電解質膜が損なわれる恐れがあり、50℃未満では大幅に活性化時間を短縮できない恐れがあるので好ましくない。したがって電解質膜のTgが高い場合には、60〜190℃が好ましく、さらに好ましくは80〜150℃である。
なお、これらの図において同一符号の部分は同一機能をもつ部分である。
図3に示した本発明の燃料電池用活性化装置1Aは、カソードCとアノードA間に固定抵抗Rを配設して短絡し、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下に制御するようにした以外は図1に示した本発明の燃料電池用活性化装置1と同じに構成されている。
本発明で用いる固定抵抗Rとしては、通常使用される抵抗の他に、システム内の補機や電子負荷を使用することもできる。
本発明の活性化方法により、前記酸化物を還元して容易に除去でき、かつ触媒表面を濡らすことができるので、活性化でき、いち早く高性能の電池出力を得ることができたものと考えられる。
アノードAに水素などの還元剤を供給し、カソードCに不活性ガスを供給しないで、アノードAとカソードC間に固定抵抗または導電体を配設して、活性化する場合についても、カソードCとアノードA間に固定抵抗もしくは導電体を配設して短絡するとカソードの酸素濃度が減少しカソードC電位が変動する。このカソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下好ましくはなるべく0mVに近い値に制御することで前記のようにアノードAとともにカソードCについても活性化できるものと考えられる。
(参考用実施例1)
公知の方法(特開2006−278038に記載の方法)で自動車用固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードおよびカソードともに80℃で加湿した水素ガスを供給してパージ後、引き続き1時間、80℃で加湿した水素ガス(100%RH)をアノードおよびカソードに供給して活性化を行った。その後、水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、発電を開始した。発電開始後からの時間(h)(横軸)と電圧(V)(縦軸)との関係を図4、図5に示す。
活性化を行わなかった以外は参考用実施例1と同様にして発電を行った結果を図4、図5に示す。
公知の方法(特開2006−278038に記載の方法)で家庭用固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードおよびカソードともに80℃で加湿した水素ガスを供給してパージ後、引き続き1時間、80℃で加湿した水素ガス(100%RH)をアノードおよびカソードに供給して活性化を行った。その後アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。参考用実施例1の燃料電池と同様に作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
公知の方法(特開2006−338932に記載の方法)で、携帯用ダイレクトメタノール形固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードおよびカソードに80℃で加湿した水素ガスを供給してパージ後、引き続き1時間、80℃で加湿した水素ガス(100%RH)をアノードおよびカソードに供給して活性化を行った。その後、30℃まで温度を下げた後、アノードへメタノールを供給し、カソードに空気を供給して発電を開始した。参考用実施例3の燃料電池は、参考用実施例1の燃料電池と同様に活性化して、作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
公知の方法(特開2006−278038に記載の方法)で自動車用固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに80℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに80℃で加湿した窒素を供給してパージ後、アノードおよびカソードともにそのまま1時間、加湿した水素ガス(100%RH)および加湿した窒素(100%RH)をそれぞれ供給して活性化を行った。その後、アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。参考用実施例4の燃料電池は参考用実施例1の燃料電池と同様に活性化して、作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
公知の方法(特開2006−278038に記載の方法)で家庭用固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに80℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに80℃で加湿した窒素を供給してパージ後、アノードおよびカソードともにそのまま1時間、加湿した水素ガス(100%RH)および加湿した窒素(100%RH)をそれぞれ供給して活性化を行った。その後、アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。参考用実施例5の燃料電池は、参考用実施例1の燃料電池と同様に活性化して、作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
公知の方法(特開2006−338932に記載の方法)で、携帯用ダイレクトメタノール形固体高分子形燃料電池を作製した。
図1に示した燃料電池用活性化装置1を用いて発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに80℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに80℃で加湿した窒素を供給してパージ後、引き続き1時間、80℃で加湿した水素ガス(100%RH)および加湿した窒素(100%RH)をアノードおよびカソードそれぞれ供給して活性化を行った。その後、30℃まで温度を下げた後、アノードへメタノールを供給し、カソードに空気を供給して発電を開始した。参考用実施例6の燃料電池は、参考用実施例1の燃料電池と同様に活性化して、作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
公知の方法(特開2006−278037に記載の方法)で、MEAを作製した。
図2に示した燃料電池用活性化装置20を用い処理容器24中にMEA21を入れ活性化した。
すなわち、蓋22を開けて処理容器24内にMEA21を入れて蓋22を密閉して閉める。開閉弁29を閉じ、開閉弁30、31を開けて、手段25の水素供給源26から、水素供給ライン27を経て、水素を処理容器24内に送って内部をパージし、パージガスは図示しないパージラインから排出した。パージ終了後図示しないパージラインを閉めた。処理容器24は加熱手段23により80℃に加熱され、1時間、水素雰囲気中でMEA21を活性化した。
この活性化したMEA21を用いて作製した燃料電池は、参考用実施例1の燃料電池と同様に活性化して、作動後いち早く高性能の電池出力を得ることができた。
図3に示した本発明の燃料電池用活性化装置1Aを用い、カソードCとアノードA間に100mΩの固有抵抗を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を50mVに制御して活性化した以外は参考用実施例4と同様にして、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに80℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに80℃で加湿した窒素を供給してパージ後、アノードおよびカソードともにそのまま1時間、加湿した水素ガス(100%RH)および加湿した窒素(100%RH)をそれぞれ供給して活性化を行った。その後、アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。発電開始後からの時間(h)(横軸)と電圧(V)(縦軸)との関係を図5に示す。
図3に示した本発明の燃料電池用活性化装置1Aを用い、カソードCとアノードA間に導電体を配設して短絡し、カソード電位とアノード電位の電位差を10mVに制御して活性化した以外は参考用実施例4と同様にして、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに80℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに80℃で加湿した窒素を供給してパージ後、アノードおよびカソードともにそのまま1時間、加湿した水素ガス(100%RH)および加湿した窒素(100%RH)をそれぞれ供給して活性化を行った。その後、アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。発電開始後からの時間(h)(横軸)と電圧(V)(縦軸)との関係を図5に示す。
図3に示した本発明の燃料電池用活性化装置1Aを用い、カソードCとアノードA間に導電体を配設して短絡し、カソード電位とアノード電位の電位差を10mVに制御して活性化した以外は参考用実施例4と同様にして、発電を行う前に、セル温度80℃とし、アノードに90℃で加湿した水素ガスを供給し、カソードに90℃で加湿した窒素を供給してパージ後、アノードおよびカソードともにそのまま1時間、加湿した水素ガス(110%RH)および加湿した窒素(110%RH)をそれぞれ供給して活性化を行った。その後、アノードへ水素ガスを供給したまま30℃まで温度を下げた後、カソードに空気を供給して発電を開始した。発電開始後からの時間(h)(横軸)と電圧(V)(縦軸)との関係を図5に示す。
カソードとアノード間に固定抵抗もしくは導電体を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下好ましくはなるべく0mVに近い値に制御することで触媒などの性能を損なうことなく早急に容易に経済的に活性化できるので、燃料電池を組み立て直後、または、長時間未使用のまま放置した電池を作動させる場合などにおいても、より早く高性能の電池出力を容易に得ることができるという顕著な効果を奏する。
本発明は上記のような顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
2 燃料電池
3 還元剤供給手段
4、26 水素供給源
5、27 水素供給ライン
6、28 加湿手段
7、8、9、13、29、30、31 開閉弁
10 不活性ガス供給手段
11 窒素供給源
12 窒素供給ライン
14、32 制御手段
21、58、MEA 膜/電極接合体
22 蓋
23 加熱手段
25 供給手段
A、47 アノード
C、46 カソード
R 固定抵抗
41 固体高分子電解質膜
42 カソード側電極触媒層
43 アノード側電極触媒層
44 カソード側ガス拡散層
45 アノード側ガス拡散層
50 セパレータ
51 単セル
60 固体高分子形燃料電池スタック(積層体)
Claims (4)
- 酸素を含む酸化剤をカソードに供給し、水素を含む燃料ガスもしくは有機物燃料をアノードに供給して発電する燃料電池であって、
前記燃料電池の発電前に、アノードに還元剤を供給するとともに、カソードに不活性ガスを供給するか、もしくはカソードに不活性ガスを供給せずに、カソードとアノード間に固定抵抗もしくは導電体を配設して、カソード電位とアノード電位の電位差を100mV以下に制御することにより活性化することを特徴とする燃料電池の活性化方法。 - 前記還元剤あるいはさらに前記不活性ガスが相対湿度が相対湿度90%以上の加湿ガスであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の活性化方法。
- 前記還元剤が加湿した水素ガスであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の燃料電池の活性化方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池の活性化方法を行うための燃料電池用活性化装置であって、
アノードに還元剤を供給する還元剤供給手段と、
カソードに不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記還元剤供給手段と前記不活性ガス供給手段とを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池用活性化装置。
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