JP2022056862A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行い、燃料電池から高い出力を得る。【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池及び、前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部及び、前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部及び、前記燃料ガスの相対湿度及び前記酸化剤ガスの相対湿度を調整する湿度調整部及び、制御部を有し、前記制御部は、前記燃料電池のアノード入口における前記燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、前記燃料電池のカソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度を検知し、前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記アノード入口における前記燃料ガスの相対湿度が、前記カソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように前記湿度調整部を制御する、燃料電池システム。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
政府の権利に関する声明
本発明は、トヨタ自動車株式会社と国立大学法人東京工業大学と米国エネルギー省のために運営されているローレンスバークレー国立研究所との間の共同研究開発契約(Cooperative Research and Development Agreement: CRADA)第FP00004340号に基づいて行われた。政府は本発明についての一定の権利を有する。
燃料電池(FC)は、1つの単セル又は複数の単セル(以下、セルと記載する場合がある)を積層した燃料電池スタック(以下、単にスタックと記載する場合がある)に、燃料ガスとしての水素(H)と酸化剤ガスとしての酸素(O)との電気化学反応によって電気エネルギーを取り出す発電装置である。なお、以下では、燃料ガスや酸化剤ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。
この燃料電池の単セルは、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータにより構成される。
膜電極接合体は、プロトン(H)伝導性を有する固体高分子型電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ、触媒層及びガス拡散層が順に形成された構造を有している。そのため、膜電極接合体は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と称される場合がある。
セパレータは、通常、ガス拡散層に接する面に反応ガスの流路としての溝が形成された構造を有している。なお、このセパレータは発電した電気の集電体としても機能する。
燃料電池の燃料極(アノード)では、ガス流路及びガス拡散層から供給される水素が触媒層の触媒作用によりプロトン化し、電解質膜を通過して酸化剤極(カソード)へと移動する。同時に生成した電子は、外部回路を通って仕事をし、カソードへと移動する。カソードに供給される酸素は、カソード上でプロトンおよび電子と反応し、水を生成する。
生成した水は、電解質膜に適度な湿度を与え、余剰な水はガス拡散層を透過して、系外へと排出される。
燃料電池車両(以下車両と記載する場合がある)に車載されて用いられる燃料電池に関して種々の研究がなされている。燃料電池においては運転中に電解質膜のプロトン伝導性を確保することが必要であることから、燃料ガス及び酸化剤ガスが加湿されることが多い。
例えば特許文献1では、燃料電池のアノード入口における燃料ガスの相対湿度(RH)が燃料電池のカソード入口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように湿度調整手段を制御する制御手段が開示されている。
特許文献2では、燃料電池の加湿装置は、空気供給路を通してカソードに供給される空気をその相対湿度が20%以上かつ60%以下の範囲内となるように加湿することが記載開示されている。
特開2008-027606号公報 特開2015-185525号公報
上記特許文献1は、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を規定したものではなく、カソード入口における酸化剤ガスの相対湿度を規定している。特許文献1では、生成水によりカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度が100%となるように制御することが記載されている。そのため、燃料電池の運転条件によっては、アノード入口の燃料ガスの相対湿度及びカソード出口の酸化剤ガスの相対湿度がともに100%以上になる場合がある。このような場合に、燃料電池の所望の出力が得られないという問題がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行い、燃料電池から高い出力を得ることができる燃料電池システムを提供することを主目的とする。
本開示の燃料電池システムは、燃料電池及び、前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部及び、前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部及び、前記燃料ガスの相対湿度及び前記酸化剤ガスの相対湿度を調整する湿度調整部及び、制御部を有し、前記制御部は、前記燃料電池のアノード入口における前記燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、前記燃料電池のカソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度を検知し、前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記アノード入口における前記燃料ガスの相対湿度が、前記カソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように前記湿度調整部を制御する。
本開示の燃料電池システムにおいては、前記アノード入口の前記燃料ガスの相対湿度が100%以上であってもよく、前記カソード出口の前記酸化剤ガスの相対湿度が60%以下であってもよい。
本開示の燃料電池システムにおいては、前記アノード入口の前記燃料ガスの相対湿度が30%以上であってもよく、前記カソード出口の前記酸化剤ガスの相対湿度が0%以上30%未満であってもよい。
本開示の燃料電池システムによれば、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行うことができ、燃料電池から高い出力を得ることができる。
図1は本開示の燃料電池システムの一例を示す概略構成図である。 図2は本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。 図3は本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。 図4は本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。 図5はカソード(電極C)に供給される酸化剤ガスの相対湿度と、アノード(電極A)に供給される燃料ガスの相対湿度を30%に固定してカソード(電極C)に供給される酸化剤ガスの相対湿度を0~30%に変化させて燃料電池を発電したときのカソードの開回路電位(OCP)との関係を示す図である。 図6はアノードに供給する燃料ガスの相対湿度を100%に固定して、カソード(電極C)に供給する酸化剤ガスの相対湿度を変化させたときのカソードに供給する酸化剤ガスの相対湿度と燃料電池の開回路電圧(OCV)との関係を示す図である。 図7はアノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を40%、50%、60%、100%の条件で燃料電池を発電したときの燃料電池の電流密度-電圧曲線である。 図8はアノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を40%、50%、60%、100%の条件で燃料電池を発電したときの燃料電池の電流密度-IR-Free曲線である。
本開示の燃料電池システムは、燃料電池及び、前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部及び、前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部及び、前記燃料ガスの相対湿度及び前記酸化剤ガスの相対湿度を調整する湿度調整部及び、制御部を有し、前記制御部は、前記燃料電池のアノード入口における前記燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、前記燃料電池のカソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度を検知し、前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記アノード入口における前記燃料ガスの相対湿度が、前記カソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように前記湿度調整部を制御する。
本研究者らは、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御することで燃料電池の出力(電圧)が向上することを見出した。上記を考慮すると、特許文献1に記載の技術では、燃料電池の運転条件によっては、アノード入口の燃料ガスの相対湿度及びカソード出口の酸化剤ガスの相対湿度がともに100%以上になる場合があり、高い出力が得られない場合がある。
本開示によれば、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行うことが可能となり、燃料電池から高い出力特性を得ることができる。
また、本開示によれば、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行うことで、アノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度が、カソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるようにすることが可能となり、燃料電池から高い出力特性を得ることができる。
本開示の燃料電池システムは、少なくとも、燃料電池及び、燃料ガス供給部及び、酸化剤ガス供給部及び、湿度調整部及び、制御部を有する。
本開示の燃料電池システムは、通常、駆動源を電動機(モータ)とする燃料電池車両に搭載されて用いられる。
また、本開示の燃料電池システムは、二次電池の電力でも走行可能な車両に搭載されて用いられてもよい。
電動機は、特に限定されず、従来公知の駆動モータであってもよい。
燃料電池は、単セルを1つのみ有するものであってもよいし、単セルを複数個積層した積層体である燃料電池スタックであってもよい。
単セルの積層数は特に限定されず、例えば、2~数百個であってもよく、2~200個であってもよい。
燃料電池スタックは、単セルの積層方向の両端にエンドプレートを備えていてもよい。
燃料電池の単セルは、少なくとも膜電極接合体を備える。
膜電極接合体は、アノード側ガス拡散層及び、アノード触媒層及び、電解質膜及び、カソード触媒層及び、カソード側ガス拡散層をこの順に有する。
カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層を含む。
アノード(燃料極)は、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層を含む。
カソード触媒層及びアノード触媒層をまとめて触媒層と称する。
触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有するカーボン粒子等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属はカーボン粒子上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持したカーボン粒子(触媒粒子)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するためのカーボン粒子(担持用カーボン粒子)は、例えば、一般に市販されているカーボン粒子(カーボン粉末)を加熱処理することにより自身の撥水性が高められた撥水化カーボン粒子等を用いてもよい。
カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
単セルは、必要に応じて膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを備えてもよい。2枚のセパレータは、一方がアノード側セパレータであり、もう一方がカソード側セパレータである。本開示では、アノード側セパレータとカソード側セパレータとをまとめてセパレータという。
セパレータは、反応ガス及び冷媒を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔を有していてもよい。冷媒としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。反応ガスは、燃料ガス、又は、酸化剤ガスである。燃料ガスは水素等であってもよい。酸化剤ガスは酸素、空気、乾燥空気等であってもよい。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、1つ以上の燃料ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒供給孔を有していてもよく、1つ以上の燃料ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒排出孔を有していてもよい。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータがアノード側セパレータである場合は、1つ以上の燃料ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒供給孔を有していてもよく、1つ以上の燃料ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒排出孔を有していてもよく、アノード側セパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面に燃料ガス供給孔から燃料ガス排出孔に燃料ガスを流す燃料ガス流路を有していてもよく、アノード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に冷媒供給孔から冷媒排出孔に冷媒を流す冷媒流路を有していてもよい。
セパレータがカソード側セパレータである場合は、1つ以上の燃料ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス供給孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒供給孔を有していてもよく、1つ以上の燃料ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の酸化剤ガス排出孔を有していてもよく、1つ以上の冷媒排出孔を有していてもよく、カソード側セパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面に酸化剤ガス供給孔から酸化剤ガス排出孔に酸化剤ガスを流す酸化剤ガス流路を有していてもよく、カソード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に冷媒供給孔から冷媒排出孔に冷媒を流す冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した入口マニホールド、及び、各排出孔が連通した出口マニホールド等のマニホールドを有していてもよい。
入口マニホールドは、アノード入口マニホールド、カソード入口マニホールド、及び、冷媒入口マニホールド等が挙げられる。
出口マニホールドは、アノード出口マニホールド、カソード出口マニホールド、及び、冷媒出口マニホールド等が挙げられる。
燃料電池システムは、燃料ガス供給部を有する。燃料ガス供給部は、燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する。燃料ガス供給部は、燃料電池スタックの各アノードに燃料ガスを供給してもよい。
燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、例えば、水素ガスであってもよい。
燃料ガス供給部としては、例えば、燃料タンク等が挙げられ、具体的には、液体水素タンク、圧縮水素タンク等が挙げられる。
燃料ガス供給部は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続される。燃料ガス供給部は、制御部又は湿度調整部からの制御信号に従って駆動される。燃料ガス供給部は、制御部又は湿度調整部によって燃料ガス供給部からアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御されてもよい。
燃料電池システムは、燃料ガス供給流路を備えていてもよい。
燃料ガス供給流路は、燃料ガス供給部と燃料電池のアノード入口とを接続する。燃料ガス供給流路は、燃料ガスの燃料ガス供給部からの燃料電池のアノードへの供給を可能にする。燃料ガス供給流路は、燃料ガスの燃料ガス供給部からの燃料電池スタックの各アノードへの供給を可能にする。
燃料電池システムは、燃料オフガス排出流路を備えていてもよい。
燃料オフガス排出流路は、燃料電池のアノード出口と接続する。燃料オフガス排出流路は、燃料電池のアノードから排出された燃料ガスである燃料オフガスを回収する。燃料オフガス排出流路は、燃料電池スタックの各アノードから排出された燃料オフガスを回収してもよい。
燃料オフガスは、アノードにおいて未反応のまま通過した燃料ガス及び、カソードで生成した生成水がアノードに到達した水分及び、触媒層及び電解質膜等で生成した腐食物質及び、掃気時にアノードに供給されてもよい酸化剤ガス等を含む。
燃料オフガス排出流路には、燃料オフガス排出弁が備えられていてもよい。
燃料オフガス排出弁は、燃料オフガスを外部(系外)に排出することを可能にする。なお、外部とは、燃料電池システムの外部であってもよく、車両の外部であってもよい。
燃料オフガス排出弁は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続され、制御部又は湿度調整部によって燃料オフガス排出弁の開閉を制御されることにより、燃料オフガスの外部への排出流量を調整してもよい。また、燃料オフガス排出弁の開度を調整することにより、アノードに供給される燃料ガス圧力(アノード圧力)を調整してもよい。
燃料電池システムは、循環流路を備えていてもよい。
循環流路は、燃料オフガス排出流路から分岐して燃料ガス供給流路と接続する。循環流路は、回収された燃料オフガスを循環ガスとしてアノードに戻すことを可能にする。循環流路は、回収された燃料オフガス中に含まれる水分をアノードに供給することを可能にする。
循環流路は燃料ガス供給流路との合流部で燃料ガス供給流路と合流してもよい。
燃料電池システムは、必要に応じて、循環流路上に循環ガスの流量を調整する水素ポンプ等の循環用ポンプ及び、エジェクタ等を備えていてもよい。
循環用ポンプは、制御部又は湿度調整部と電気的に接続され、制御部又は湿度調整部によって循環用ポンプの駆動のオン・オフ及び回転数等を制御されることにより、循環ガスの流量を調整してもよい。
エジェクタは、例えば、燃料ガス供給流路と循環流路との合流部に配置されていてもよい。エジェクタは、燃料ガスと循環ガスとを含む混合ガスを燃料電池のアノードに供給する。エジェクタは、燃料ガスと循環ガスとを含む混合ガスを燃料電池スタックの各アノードに供給してもよい。エジェクタとしては、従来公知のエジェクタを採用することができる。
燃料電池システムは、酸化剤ガス供給部を有する。
酸化剤ガス供給部は、燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する。酸化剤ガス供給部は、燃料電池スタックの各カソードに酸化剤ガスを供給してもよい。
酸化剤ガスは、酸素含有ガスであり、空気、乾燥空気、及び、純酸素等であってもよい。
酸化剤ガス供給部としては、例えば、エアコンプレッサー等を用いることができる。
酸化剤ガス供給部は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続される。酸化剤ガス供給部は、制御部又は湿度調整部からの制御信号に従って駆動される。酸化剤ガス供給部は、制御部又は湿度調整部によって酸化剤ガス供給部からカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御されてもよい。
燃料電池システムは、酸化剤ガス供給流路を備えていてもよい。
酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部と燃料電池のカソード入口とを接続する。酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部から燃料電池のカソードへの酸化剤ガスの供給を可能にする。酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部から燃料電池スタックの各カソードへの酸化剤ガスの供給を可能にしてもよい。
燃料電池システムは、酸化剤オフガス排出流路を備えていてもよい。
酸化剤オフガス排出流路は、燃料電池のカソード出口と接続する。酸化剤オフガス排出流路は、燃料電池のカソードから排出される酸化剤ガスである酸化剤オフガスの外部への排出を可能にする。酸化剤オフガス排出流路は、燃料電池スタックの各カソードから排出される酸化剤オフガスの外部への排出を可能にしてもよい。
酸化剤オフガス排出流路には、酸化剤ガス圧力調整弁が設けられていてもよい。
酸化剤ガス圧力調整弁は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続され、制御部又は湿度調整部によって酸化剤ガス圧力調整弁が開弁されることにより、反応済みの酸化剤ガスである酸化剤オフガスを酸化剤オフガス排出流路から外部へ排出する。また、酸化剤ガス圧力調整弁の開度を調整することにより、カソードに供給される酸化剤ガス圧力(カソード圧力)を調整してもよい。
また、燃料ガス供給流路と酸化剤ガス供給流路は合流流路を介して接続されていてもよい。合流流路には掃気弁が設けられていてもよい。
掃気弁は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続され、制御部又は湿度調整部によって掃気弁が開弁されることにより、酸化剤ガス供給部の酸化剤ガスを掃気ガスとして燃料ガス供給流路内に流入させるようになっていてもよい。
掃気に用いられる掃気ガスは、燃料ガスであってもよく、酸化剤ガスであってもよく、これらの両方のガスを含む混合反応ガスであってもよい。
燃料電池システムは、燃料電池の冷却系として、冷媒供給部を備えていてもよく、冷媒循環流路を備えていてもよい。
冷媒循環流路は、燃料電池に設けられる冷媒供給孔及び冷媒排出孔に連通し、冷媒供給部から供給される冷媒を燃料電池内外で循環させることを可能にする。
冷媒供給部は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続される。冷媒供給部は、制御部又は湿度調整部からの制御信号に従って駆動される。冷媒供給部は、制御部又は湿度調整部によって冷媒供給部から燃料電池に供給される冷媒の流量を制御される。これにより燃料電池の温度が制御されてもよい。
冷媒供給部は、例えば、冷却水ポンプ等が挙げられる。
冷媒循環流路には、冷却水の熱を放熱するラジエータが設けられていてもよい。
冷却水(冷媒)としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
燃料電池システムは、二次電池を備えていてもよい。
二次電池(バッテリ)は、充放電可能なものであればよく、例えば、ニッケル水素二次電池、及び、リチウムイオン二次電池等の従来公知の二次電池が挙げられる。また、二次電池は、電気二重層コンデンサ等の蓄電素子を含むものであってもよい。二次電池は、複数個を直列に接続した構成であってもよい。二次電池は、電動機及び酸化剤ガス供給部等に電力を供給する。二次電池は、車両の外部の電源、例えば、家庭用電源から充電可能になっていてもよい。二次電池は、燃料電池の出力により充電されてもよい。二次電池の充放電は、制御部によって制御されてもよい。
燃料電池システムは、制御部を備える。
制御部は、物理的には、例えば、CPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置と、CPUで処理される制御プログラム及び制御データ等を記憶するROM(リードオンリーメモリー)、並びに、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAM(ランダムアクセスメモリー)等の記憶装置と、入出力インターフェースとを有するものである。また、制御部は、例えば、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)等の制御装置であってもよい。
制御部は、車両に搭載されていてもよいイグニッションスイッチと電気的に接続されていてもよい。制御部はイグニッションスイッチが切られていても外部電源により動作可能であってもよい。
制御部は、燃料電池のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、燃料電池のカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を検知する。
燃料電池システムは、燃料電池のアノード入口付近にアノード湿度センサを備えていてもよい。アノード湿度センサは、燃料ガス供給流路上の任意の位置に配置されていてもよい。燃料ガス供給流路上に湿度交換部及び水タンク及び循環流路合流部等が配置されている場合は、アノード湿度センサは、それらよりも下流(燃料電池に近い側)に配置されていてもよい。アノード湿度センサは、燃料電池のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を測定する。制御部は、アノード湿度センサと電気的に接続されていてもよい。そして、アノード湿度センサは、測定結果を制御部に与え、制御部は、アノード湿度センサが測定したアノード入口における燃料ガスの相対湿度を検知してもよい。検知した燃料電池のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を燃料電池のアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度とみなしてもよい。
燃料電池システムは、燃料電池のカソード出口付近にカソード湿度センサを備えていてもよい。カソード湿度センサは、酸化剤オフガス排出流路上の任意の位置に配置されていてもよい。酸化剤オフガス排出流路上に湿度交換部及びカソード気液分離器等が配置されている場合は、それらよりも上流(燃料電池に近い側)に配置されていてもよい。カソード湿度センサは、燃料電池のカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を測定する。制御部は、カソード湿度センサと電気的に接続されていてもよい。そして、カソード湿度センサは、測定結果を制御部に与え、制御部は、カソード湿度センサが測定したカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を検知してもよい。検知した燃料電池のカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を燃料電池のカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。
本開示においては、アノード湿度センサ及びカソード湿度センサをまとめて湿度センサという。湿度センサは、例えば露点計からなる。
燃料電池システムは、温度センサ及び電流センサを有していてもよい。
温度センサは、燃料電池の温度を測定する。制御部は、温度センサと電気的に接続されていてもよい。温度センサは、測定結果を制御部に与え、制御部は、温度センサが測定した燃料電池の温度を検知してもよい。
電流センサは、燃料電池に流れる電流を測定する。制御部は、電流センサと電気的に接続されていてもよい。電流センサは、測定結果を制御部に与え、制御部は、電流センサが測定した燃料電池の電流を検知してもよい。
制御部は、燃料電池に流れる電流と、燃料電池の温度と、燃料ガス供給部からアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つと、酸化剤ガス供給部からカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを検知する。制御部は、検知結果から、アノードの面内全域の発電分布及び湿度分布を導出し、且つ、カソードの面内全域の発電分布及び湿度分布を導出する。制御部は、導出結果から、燃料電池のアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、燃料電池のカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度を検知してもよい。そして、検知した燃料電池のアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度を燃料電池のアノード入口における燃料ガスの相対湿度とみなしてもよい。また、検知した燃料電池のカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度を燃料電池のカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。
制御部は、検知結果に基づいて、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように湿度調整部を制御する。
アノード入口の燃料ガスの相対湿度は30%以上であってもよい。この場合カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は0%以上であってもよい。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は燃料電池の抵抗を低減する観点から、10%以上であってもよく、20%以上であってもよい。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は燃料電池の電圧を高くする観点から、30%未満であってもよい。
アノード入口の燃料ガスの相対湿度は100%以上であってもよい。これにより、燃料電池中において酸化剤ガスの水分が燃料ガスに奪われることを抑制できるため、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度の制御が容易になる。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度はアノード入口の燃料ガスの相対湿度よりも低ければよい。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は0%以上であってもよい。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は燃料電池の抵抗を低減する観点から、10%以上であってもよく、20%以上であってもよく、30%以上であってもよく、40%以上であってもよい。カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は燃料電池の電圧を高くする観点から、60%以下であってもよい。
燃料電池システムは、湿度調整部を備える。
湿度調整部は、燃料ガスの相対湿度及び酸化剤ガスの相対湿度を調整する。
湿度調整部はアノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御部によってフィードバック制御されてもよい。
湿度調整部は制御部の機能を兼ね備えるものであってもよい。
湿度調整部が制御部の機能を兼ね備えるものである場合、湿度調整部は、冷媒供給部、燃料オフガス排出弁、酸化剤ガス圧力調整弁、掃気弁、燃料ガス供給部、酸化剤ガス供給部、冷媒供給部、カソード気液分離器、アノード気液分離器、湿度交換部、水タンク等と入出力インターフェースを介して電気的に接続されていてもよい。
湿度調整部は、燃料ガス供給部等を制御して、燃料電池のアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御してもよい。
湿度調整部は、酸化剤ガス供給部等を制御して、燃料電池のカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御してもよい。
湿度調整部は、冷媒供給部を制御して燃料電池の温度を制御してもよい。
湿度調整部は、水タンク及び、カソード気液分離器及び、アノード気液分離器及び、湿度交換部等を備えていてもよい。
水タンクは、アノードに水を供給する。水タンクは、制御部又は湿度調整部と電気的に接続される。水タンクは、制御部又は湿度調整部からの制御信号に従って駆動される。水タンクは、制御部又は湿度調整部の制御によりアノードに供給される水量が制御されてもよい。
カソード気液分離器は、酸化剤オフガス排出流路と接続し、カソード出口から排出される酸化剤ガスである酸化剤オフガス中に含まれる生成水と酸化剤ガスを分離して生成水を回収し、回収した生成水をアノードに供給する。カソード気液分離器は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続されていてもよい。カソード気液分離器は、制御部又は湿度調整部の制御によりその出口弁の開閉及び開度が制御されてもよい。これによりアノードに供給される水量が制御されてもよい。
アノード気液分離器は、燃料オフガス排出流路の循環流路との分岐点に配置され、アノード出口から排出される燃料ガスである燃料オフガス中に含まれる水分と燃料ガスを分離して水分を回収し、回収した水分をアノードに供給する。アノード気液分離器は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続されていてもよい。アノード気液分離器は、制御部又は湿度調整部の制御によりその出口弁の開閉及び開度が制御されてもよい。これによりアノードに供給される水量が制御されてもよい。
湿度交換部は、燃料ガス供給流路と接続し、且つ、酸化剤ガス供給流路又は酸化剤オフガス排出流路のいずれか一方と接続する。湿度交換部は、燃料ガス供給流路及び酸化剤ガス供給流路と接続する場合、カソード入口に供給される酸化剤ガス中に含まれる水分を回収し、回収した水分を燃料ガス供給流路に供給する。湿度交換部は、燃料ガス供給流路及び酸化剤オフガス排出流路と接続する場合、カソード出口から排出される酸化剤ガスである酸化剤オフガス中に含まれる生成水を回収し、回収した生成水を燃料ガス供給流路に供給する。湿度交換部は、制御部又は湿度調整部と電気的に接続されていてもよい。湿度交換部は、制御部又は湿度調整部によって制御されることによりアノードに供給される水量が制御されてもよい。湿度交換部は、例えば加湿器等であってもよい。
・アノード側制御
湿度調整部は、アノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。
アノード入口における燃料ガスの相対湿度は、アノードに供給される燃料ガスに水をインジェクションする等して調整してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がアノード湿度センサでアノード入口における燃料ガスの相対湿度をモニターする。制御部は、計測結果に基づいて湿度調整部を制御してアノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなる量の水を水タンクからアノードに供給することでアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がアノード湿度センサでアノード入口における燃料ガスの相対湿度をモニターする。制御部は、計測結果に基づいて湿度調整部を制御してアノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなる量の生成水をカソード気液分離器からアノードに供給することでアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。この場合、カソードに供給される酸化剤ガスの流量等の条件に合わせて水のインジェクション量を制御してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がアノード湿度センサでアノード入口における燃料ガスの相対湿度をモニターする。制御部は、計測結果に基づいて湿度調整部を制御してアノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなる量の水をアノード気液分離器からアノードに供給することでアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。この場合、アノードに供給される燃料ガスの流量等の条件に合わせて水のインジェクション量を制御してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がアノード湿度センサでアノード入口における燃料ガスの相対湿度をモニターする。制御部は、計測結果に基づいて湿度調整部を制御して、アノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなる量の水を湿度交換部からアノードに供給することでアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部が温度センサで燃料電池の温度をモニターしながら、制御部がアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つと燃料電池の温度を検知する。制御部は、検知結果に基づいてアノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くするのに必要な液水量を計算する。制御部は、計算結果に基づいて湿度調整部を制御して水タンク又はカソード気液分離器の出口弁又はアノード気液分離器の出口弁又は湿度交換部を制御する。これにより計算した量の水をアノードに供給することでアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整してもよい。
燃料ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部が温度センサで燃料電池の温度をモニターしながら、制御部がアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つと燃料電池の温度を検知する。制御部は、検知結果に基づいてアノード入口における燃料ガスの相対湿度がカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くするのに必要な液水量を計算する。制御部は、計算結果に基づいて湿度調整部を制御して燃料ガス供給部からアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御する。これにより計算した量の水をアノードに供給することで燃料ガスの相対湿度の調整をしてもよい。この場合、湿度調整部は燃料ガス供給部と電気的に接続され、燃料ガス供給部からアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御する。
燃料ガスである水素は燃料電池の運転中は、常に消費されていくため、上記のいずれかの調整によりアノードは面内全域で燃料ガスの相対湿度をカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くすることができる。そのため、アノード入口における燃料ガスの相対湿度をアノードの面内全域の燃料ガスの相対湿度とみなしてもよい。
・カソード側制御
湿度調整部は、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。
湿度調整部は、酸化剤ガス供給部からカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御することによりカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。この場合、湿度調整部は酸化剤ガス供給部と電気的に接続され、酸化剤ガス供給部からカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御する。
湿度調整部は、燃料電池の温度を制御することによりカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。燃料電池の温度は、燃料電池の内外を循環する冷媒の流量を制御することにより制御してもよい。この場合、湿度調整部は冷媒供給部と電気的に接続され、冷媒供給部から燃料電池に供給される冷媒の流量を制御する。
カソードにおいては、酸化剤ガスが消費され生成水が発生する。そのため、カソードにおいては、通常、カソード出口の酸化剤ガスが最大相対湿度となる。そのため、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度は、カソードの面内全域の酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。
酸化剤ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がカソード出口の酸化剤ガスの相対湿度をカソード湿度センサでモニターする。そして制御部は計測された相対湿度に応じて湿度調整部を制御して酸化剤ガス供給部からカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御することによりカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。
酸化剤ガスの相対湿度の調整は、以下の方法であってもよい。制御部がカソード出口の酸化剤ガスの相対湿度をカソード湿度センサでモニターする。そして制御部は計測された相対湿度に応じて湿度調整部を制御して燃料電池の温度を制御することによりカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。
酸化剤ガスの流れと燃料ガスの流れが逆方向の場合は、燃料電池のカソードを通過する途中で酸化剤ガスの水分が電解質膜を通過してアノードに移動するため、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度が最大相対湿度とはならない場合がある。この場合、制御部は、燃料電池に流れる電流と燃料電池の温度、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力を検知する。制御部は検知結果から、アノードの面内全域の発電分布及び湿度分布とカソードの面内全域の発電分布及び湿度分布を計算する。制御部は計算結果から、カソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度とアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度を推算してもよい。カソードの面内全域の酸化剤ガスの相対湿度は、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。そして、制御部は推算結果に基づいて、カソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度がアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度未満となるように、湿度調整部を用いて、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御してもよいし、湿度調整部を用いて、燃料電池の温度を制御してもよい。
また、予めシミュレーションしておいた燃料電池に流れる電流と燃料電池の温度、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力と、アノードの面内全域の発電分布及び湿度分布とカソードの面内全域の発電分布及び湿度分布との関係を示すデータ群を用意して制御部に組み込んでもよい。そして、制御部は燃料電池に流れる電流と燃料電池の温度、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力を当該データ群と照らし合わせることにより、アノードの面内全域の発電分布及び湿度分布とカソードの面内全域の発電分布及び湿度分布を導きだし、カソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度とアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度を推算してもよい。カソードの面内全域の酸化剤ガスの相対湿度は、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。そして、制御部はカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度がアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度未満となるように、湿度調整部を用いて、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御してもよいし、湿度調整部を用いて、燃料電池の温度を制御してもよい。
カソードに供給される酸化剤ガスは加湿器等を通さなければ燃料電池の温度が50℃~80℃の範囲内であれば、通常、室温で相対湿度60%程度となる。そのため、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力等でカソード出口の酸化剤ガスの相対湿度をアノード入口における燃料ガスの相対湿度よりも低くするように制御することは比較的容易である。したがって、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力及び燃料電池の温度からなる群より選ばれる少なくとも1つをフィードバック制御して、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度を調整してもよい。
図1は、本開示の燃料電池システムの一例を示す概略構成図である。
図1に示す燃料電池システム100は、燃料電池10及び、燃料ガス供給部20及び、燃料ガス供給流路21及び、燃料オフガス排出流路22及び、アノード気液分離器23及び、循環流路24及び、酸化剤ガス供給部30及び、酸化剤ガス供給流路31及び、酸化剤オフガス排出流路32及び、湿度調整部40及び、制御部50及び、アノード湿度センサ60及び、カソード湿度センサ70を備える。
アノード湿度センサ60は、燃料ガス供給流路21上に配置され、アノード入口における燃料ガスの相対湿度を測定する。アノード湿度センサ60は、鎖線で示すように制御部50と電気的に接続され、測定した燃料ガスの相対湿度を制御部50に与える。
カソード湿度センサ70は、酸化剤オフガス排出流路32上に配置され、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を測定する。カソード湿度センサ70は、制御部50と電気的に接続され、測定した酸化剤ガスの相対湿度を制御部50に与える。
制御部50は、湿度調整部40と電気的に接続され、検知した燃料ガスの相対湿度及び酸化剤ガスの相対湿度の結果に基づいて湿度調整部40を制御する。
湿度調整部40は、燃料ガス供給部20及びアノード気液分離器23及び酸化剤ガス供給部30と電気的に接続される。
アノード気液分離器23は、燃料オフガス排出流路22の循環流路24との分岐点に配置され、アノード出口から排出される燃料ガスである燃料オフガスから、燃料ガスと水分とを分離し、水分を回収し、循環流路24を介して燃料ガス供給流路21に水分を供給する。
湿度調整部40は、燃料ガス供給部20を制御し、燃料電池10のアノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御する。アノード気液分離器23の出口弁は、湿度調整部40によりその開閉及び開度が制御され、循環流路24を介して燃料ガス供給流路21に戻す水量が制御される。これらの制御により、燃料電池10のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整する。
湿度調整部40は、酸化剤ガス供給部30を制御し、燃料電池10のカソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御することにより、燃料電池10のカソード出口における酸化剤ガスの相対湿度を調整する。
これらにより、制御部50は、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御する。
図2は、本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。
図2に示す燃料電池システム200は、燃料電池10及び、燃料ガス供給部20及び、燃料ガス供給流路21及び、燃料オフガス排出流路22及び、酸化剤ガス供給部30及び、酸化剤ガス供給流路31及び、酸化剤オフガス排出流路32及び、湿度調整部40及び、カソード気液分離器41及び、バイパス流路42及び、制御部50及び、アノード湿度センサ60及び、カソード湿度センサ70を備える。図2において図1と同じものの説明は省略する。
カソード気液分離器41は、酸化剤オフガス排出流路32上に配置され、カソード出口から排出される酸化剤ガスである酸化剤オフガスから、酸化剤ガスと生成水とを分離し、生成水を回収し、バイパス流路42を介して燃料ガス供給流路21に生成水を供給する。カソード気液分離器41は、湿度調整部40と電気的に接続される。カソード気液分離器41の出口弁は、湿度調整部40によりその開閉及び開度が制御され、バイパス流路42を介して燃料ガス供給流路21に供給される生成水の量が制御される。これにより、制御部50は、燃料電池10のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整する。酸化剤ガスの相対湿度の調整方法は、図1の場合と同じである。
図3は、本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。
図3に示す燃料電池システム300は、燃料電池10及び、燃料ガス供給部20及び、燃料ガス供給流路21及び、燃料オフガス排出流路22及び、酸化剤ガス供給部30及び、酸化剤ガス供給流路31及び、酸化剤オフガス排出流路32及び、湿度調整部40及び、水タンク43及び、制御部50及び、アノード湿度センサ60及び、カソード湿度センサ70を備える。図3において図1と同じものの説明は省略する。
水タンク43は、燃料ガス供給流路21に水を供給する。水タンク43は、湿度調整部40と電気的に接続される。水タンク43は、湿度調整部40の制御により、燃料ガス供給流路21に供給される水量を制御される。これにより、制御部50は、燃料電池10のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整する。酸化剤ガスの相対湿度の調整方法は、図1の場合と同じである。
図4は、本開示の燃料電池システムの別の一例を示す概略構成図である。
図4に示す燃料電池システム400は、燃料電池10及び、燃料ガス供給部20及び、燃料ガス供給流路21及び、燃料オフガス排出流路22及び、酸化剤ガス供給部30及び、酸化剤ガス供給流路31及び、酸化剤オフガス排出流路32及び、湿度調整部40及び、湿度交換部44及び、制御部50及び、温度センサ80及び、電流センサ90を備える。図4において図1と同じものの説明は省略する。
温度センサ80は、燃料電池の温度を測定する。温度センサ80は、制御部50と電気的に接続され、測定した燃料電池の温度を制御部50に与える。
電流センサ90は、燃料電池に流れる電流を測定する。電流センサ90は、制御部50と電気的に接続され、測定した燃料電池に流れる電流を制御部50に与える。
湿度調整部40は、制御部50と電気的に接続され、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力を制御部50に与える。
制御部50は、燃料電池に流れる電流、燃料電池の温度、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力を検知する。
制御部50は、燃料電池に流れる電流、燃料電池の温度、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力から、アノードの面内全域の発電分布及び湿度分布とカソードの面内全域の発電分布及び湿度分布を計算する。
制御部50は、発電分布及び湿度分布の計算結果からカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度とアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度を推算する。カソードの面内全域の酸化剤ガスの相対湿度は、カソード出口の酸化剤ガスの相対湿度とみなしてもよい。アノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度は、アノード入口の燃料ガスの相対湿度とみなしてもよい。
そして、制御部50は推算結果に基づいて、湿度調整部40を用いて、アノードに供給される燃料ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御し、且つ、湿度調整部40を用いて、カソードに供給される酸化剤ガスの流量及び圧力からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御する。
湿度交換部44は、酸化剤オフガス排出流路32上及び燃料ガス供給流路21上に配置され酸化剤オフガス排出流路32を流れる酸化剤オフガスに含まれる生成水を回収し、燃料ガス供給流路21に当該生成水を供給する。湿度交換部44は、湿度調整部40と電気的に接続される。湿度交換部44は、湿度調整部40の制御により、燃料ガス供給流路21に供給される生成水の量が制御される。これにより、制御部50は、燃料電池10のアノード入口における燃料ガスの相対湿度を調整する。
これらの制御により、制御部50はアノードの面内全域における燃料ガスの相対湿度がカソードの面内全域における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御し、制御部50は、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御することができる。
以下、アノードにおける燃料ガスの相対湿度が、カソードにおける酸化剤ガスの相対湿度よりも高い場合の効果について説明する。
(参考例1)
所定の燃料電池を用意し、アノードに供給する燃料ガスの相対湿度を30%に固定して、カソードに供給する酸化ガスの相対湿度は0%、5%、10%、20%、30%の条件で燃料電池の発電を行い、アノード(電極A)に対するカソード(電極C)の開回路電位(OCP)を測定した。開回路電位は、負荷が接続されていないときのカソード又はアノードの電位である。参考例1で用いた燃料ガスは水素であり、酸化剤ガスは空気である。
図5は、カソード(電極C)に供給される酸化剤ガスの相対湿度と、アノード(電極A)に供給される燃料ガスの相対湿度を30%に固定してカソード(電極C)に供給される酸化剤ガスの相対湿度を0~30%に変化させて燃料電池を発電したときのカソードの開回路電位(OCP)との関係を示す図である。図5に示す点線で示す曲線は、Gibbs-Duhemの関係から導出した理論曲線であり、四角のプロットは実測値である。理論曲線で示すように、アノードとカソードに相対湿度差をつけるとアノードに対するカソードの開回路電位が向上することが分かる。
実験の結果、OCPはアノードの燃料ガスの相対湿度が30%及びカソードの酸化剤ガスの相対湿度が30%の場合を基準として、最大60mVの電位の向上が確認された。このように実験結果を理論的に解析できることが分かった。
(参考例2)
所定の燃料電池を用意し、アノードに供給する燃料ガスの相対湿度を100%に固定して、カソードに供給する酸化剤ガスの相対湿度は40%、50%、60%の条件で燃料電池の発電を行い、燃料電池の開回路電圧(OCV)を測定した。開回路電圧は、負荷が接続されていないときの燃料電池の電圧である。参考例2で用いた燃料ガスは水素であり、酸化剤ガスは空気である。
図6は、アノードに供給する燃料ガスの相対湿度を100%に固定して、カソード(電極C)に供給する酸化剤ガスの相対湿度を変化させたときのカソードに供給する酸化剤ガスの相対湿度と燃料電池の開回路電圧(OCV)との関係を示す図である。図6に示す実線で示す曲線は、ネルンストの式を用いた理論曲線である。図6に示す点線で示す曲線は、プロトン活量を考慮した理論曲線である。丸で示すプロットは実測値である。実線で示す理論曲線によれば、OCVはアノードの燃料ガスの相対湿度が100%及びカソードの酸化剤ガスの相対湿度が100%の場合を基準として、アノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を低下させることにより上昇する。アノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を変化させるとカソードの酸化剤ガスの相対湿度が60%以下の領域では50mV以上のOCVの向上が期待できることが分かった。この効果は主にプロトン活量の効果であることも点線で示す理論曲線から理論的に分かる。
実験の結果、OCVはアノードの燃料ガスの相対湿度が100%及びカソードの酸化剤ガスの相対湿度が100%の場合を基準として、カソードの酸化剤ガスの相対湿度が60%以下の領域ではOCVの向上が確認された。このように実験結果を理論的に解析できることが分かった。
図7はアノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を40%、50%、60%、100%の条件で燃料電池を発電したときの燃料電池の電流密度-電圧曲線を示す。
図8はアノードの燃料ガスの相対湿度を100%に固定してカソードの酸化剤ガスの相対湿度を40%、50%、60%、100%の条件で燃料電池を発電したときの燃料電池の電流密度-IR-Free曲線を示す。IR-Freeの測定とは、所与の電流Iを出力させているときの燃料電池の電圧Vに対して、燃料電池系の内部抵抗Rによるオーミックな電圧降下IRを補償した、燃料電池の正味の電圧Voを求めるものである。
図7~8に示すCaはカソードを意味し、Anはアノードを意味する。
図7~8に示すように低電流領域(0.5A/cm以下)においてIR-Freeならば、アノードの燃料ガスの相対湿度が100%及びカソードの酸化剤ガスの相対湿度が100%の場合と比較してIV性能が向上していることが分かる。この低電流領域では、相対湿度40%、50%、60%の場合に100%の場合よりも電圧が高い。
以上の結果から、アノードの燃料ガスの相対湿度がカソードの酸化剤ガスの相対湿度よりも大きくすることにより、燃料電池の電圧が向上することが理論的にも実験的にも証明された。したがって、アノード入口における燃料ガスの相対湿度が、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように制御を行うことで、燃料電池から高い出力を得ることができる。特にアノード入口における燃料ガスの相対湿度が100%で、カソード出口における酸化剤ガスの相対湿度が60%の場合に電解質膜の乾燥による燃料電池の抵抗の上昇と燃料ガスと酸化剤ガスとの相対湿度差による燃料電池の電圧の向上とのバランスがよい。
10 燃料電池
20 燃料ガス供給部
21 燃料ガス供給流路
22 燃料オフガス排出流路
23 アノード気液分離器
24 循環流路
30 酸化剤ガス供給部
31 酸化剤ガス供給流路
32 酸化剤オフガス排出流路
40 湿度調整部
41 カソード気液分離器
42 バイパス流路
43 水タンク
44 湿度交換部
50 制御部
60 アノード湿度センサ
70 カソード湿度センサ
80 温度センサ
90 電流センサ
100 燃料電池システム
200 燃料電池システム
300 燃料電池システム
400 燃料電池システム

Claims (3)

  1. 燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システムは、燃料電池及び、
    前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部及び、
    前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部及び、
    前記燃料ガスの相対湿度及び前記酸化剤ガスの相対湿度を調整する湿度調整部及び、
    制御部を有し、
    前記制御部は、前記燃料電池のアノード入口における前記燃料ガスの相対湿度を検知し、且つ、前記燃料電池のカソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度を検知し、
    前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記アノード入口における前記燃料ガスの相対湿度が、前記カソード出口における前記酸化剤ガスの相対湿度よりも高くなるように前記湿度調整部を制御する、燃料電池システム。
  2. 前記アノード入口の前記燃料ガスの相対湿度が100%以上であり、
    前記カソード出口の前記酸化剤ガスの相対湿度が60%以下である、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記アノード入口の前記燃料ガスの相対湿度が30%以上であり、
    前記カソード出口の前記酸化剤ガスの相対湿度が0%以上30%未満である、請求項1に記載の燃料電池システム。
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