JP2021182513A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】氷点下始動時に燃料電池の性能が低下することを抑制することができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】車両に搭載されて用いられる燃料電池システムであって、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システム。【選択図】図1
Description
本開示は、燃料電池システムに関する。
燃料電池(FC)は、複数の単セル(以下、セルと記載する場合がある)を積層した燃料電池スタック(以下、単にスタックと記載する場合がある)に、燃料ガスとしての水素(H2)と酸化剤ガスとしての酸素(O2)との電気化学反応によって電気エネルギーを取り出す発電装置である。なお、以下では、燃料ガスや酸化剤ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。
この燃料電池の単セルは、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータにより構成される。
膜電極接合体は、プロトン(H+)伝導性を有する固体高分子型電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ、触媒層及びガス拡散層が順に形成された構造を有している。そのため、膜電極接合体は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と称される場合がある。
セパレータは、通常、ガス拡散層に接する面に反応ガスの流路としての溝が形成された構造を有している。なお、このセパレータは発電した電気の集電体としても機能する。
燃料電池の燃料極(アノード)では、ガス流路及びガス拡散層から供給される水素が触媒層の触媒作用によりプロトン化し、電解質膜を通過して酸化剤極(カソード)へと移動する。同時に生成した電子は、外部回路を通って仕事をし、カソードへと移動する。カソードに供給される酸素は、カソード上でプロトンおよび電子と反応し、水を生成する。
生成した水は、電解質膜に適度な湿度を与え、余剰な水はガス拡散層を透過して、系外へと排出される。
この燃料電池の単セルは、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータにより構成される。
膜電極接合体は、プロトン(H+)伝導性を有する固体高分子型電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ、触媒層及びガス拡散層が順に形成された構造を有している。そのため、膜電極接合体は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と称される場合がある。
セパレータは、通常、ガス拡散層に接する面に反応ガスの流路としての溝が形成された構造を有している。なお、このセパレータは発電した電気の集電体としても機能する。
燃料電池の燃料極(アノード)では、ガス流路及びガス拡散層から供給される水素が触媒層の触媒作用によりプロトン化し、電解質膜を通過して酸化剤極(カソード)へと移動する。同時に生成した電子は、外部回路を通って仕事をし、カソードへと移動する。カソードに供給される酸素は、カソード上でプロトンおよび電子と反応し、水を生成する。
生成した水は、電解質膜に適度な湿度を与え、余剰な水はガス拡散層を透過して、系外へと排出される。
燃料電池車両(以下車両と記載する場合がある)に車載されて用いられる燃料電池システムに関して種々の研究がなされている。
例えば特許文献1では、FCの発電終了時の排水処理において、2段階で掃気する燃料電池システムが開示されている。
例えば特許文献1では、FCの発電終了時の排水処理において、2段階で掃気する燃料電池システムが開示されている。
また、特許文献2では、燃料電池の状態量に適した掃気時間で当該燃料電池を掃気する燃料電池システムが開示されている。
また、特許文献3では、FCの発電終了時の排水処理において、2段階掃気の間に停止時間を有する燃料電池システムが開示されている。
車両が水平な状態では、燃料電池スタックからの残水の液だれは生じにくいが、車両が水平面に対して傾斜している状態では、燃料電池スタックの掃気処理終了後に各単セルから残水がゆっくりと染み出てマニホールドに液だれし、液だれした水がマニホールドからスタック外のガス配管系部品に出て、ガス配管系部品に溜まった水が氷点下時に凍結してしまい、氷点下始動時に燃料電池スタックの発電性能が低下する可能性がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、氷点下始動時に燃料電池スタックの性能が低下することを抑制することができる燃料電池システムを提供することを主目的とする。
本開示においては、車両に搭載されて用いられる燃料電池システムであって、
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、
前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、
前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、
前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、
前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
本開示の燃料電池システムによれば、車両傾斜状態に応じて、残水が燃料電池スタックからガス配管系部品に液だれしてくるのを待った後、残水処理のための掃気をすることでガス配管系部品内の残水量を低減し、氷点下始動時に燃料電池スタックの性能が低下することを抑制することができる。
本開示においては、車両に搭載されて用いられる燃料電池システムであって、
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、
前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、
前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、
前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、
前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
本開示によれば、車両の傾斜角が所定の角度以上の場合、スタックからガス配管系部品に残水が液だれする可能性があるため、車両傾斜状態に応じて排水掃気方法を切り替え、液だれ発生の可能性が高い傾斜角の時には、掃気工程中にスタックを掃気しないで残水の液だれを待つ時間(掃気待機時間)を設定し、スタックのMEAの過乾燥防止とガス配管系部品の凍結回避を両立させることができる。
ガス配管系部品とは、スタックのマニホールド、ガス流路等のガス配管、並びに、排水弁、燃料オフガス排出弁、酸化剤ガス圧力調整弁、掃気弁、バイパス弁、及び、気液分離器等の部品等のスタックのガスに関連する部品を意味する。
ガス配管系部品とは、スタックのマニホールド、ガス流路等のガス配管、並びに、排水弁、燃料オフガス排出弁、酸化剤ガス圧力調整弁、掃気弁、バイパス弁、及び、気液分離器等の部品等のスタックのガスに関連する部品を意味する。
本開示の燃料電池システムは、少なくとも燃料電池スタックと、燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、反応ガスの流量を制御する制御部と、を有する。
本開示の燃料電池システムは、通常、駆動源を電動機(モータ)とする燃料電池車両に搭載されて用いられる。
また、本開示の燃料電池システムは、二次電池の電力でも走行可能な車両に搭載されて用いられてもよい。
電動機は、特に限定されず、従来公知の駆動モータであってもよい。
また、本開示の燃料電池システムは、二次電池の電力でも走行可能な車両に搭載されて用いられてもよい。
電動機は、特に限定されず、従来公知の駆動モータであってもよい。
燃料電池スタックは、燃料電池の単セルを複数積層した積層体であってもよい。
単セルの積層数は特に限定されず、例えば、2〜数百個であってもよく、2〜200個であってもよい。
燃料電池スタックは、単セルの積層方向の両端にエンドプレートを備えていてもよい。
燃料電池の単セルは、少なくとも酸化剤極、電解質膜、及び、燃料極を含む膜電極接合体を備え、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを備えてもよい。
単セルの積層数は特に限定されず、例えば、2〜数百個であってもよく、2〜200個であってもよい。
燃料電池スタックは、単セルの積層方向の両端にエンドプレートを備えていてもよい。
燃料電池の単セルは、少なくとも酸化剤極、電解質膜、及び、燃料極を含む膜電極接合体を備え、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを備えてもよい。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、反応ガス及び冷媒を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔を有していてもよい。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した入口マニホールド、及び、各排出孔が連通した出口マニホールド等のマニホールドを有していてもよい。
入口マニホールドは、アノード入口マニホールド、カソード入口マニホールド、及び、冷媒入口マニホールド等が挙げられる。
出口マニホールドは、アノード出口マニホールド、カソード出口マニホールド、及び、冷媒出口マニホールド等が挙げられる。
セパレータは、反応ガス及び冷媒を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔を有していてもよい。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した入口マニホールド、及び、各排出孔が連通した出口マニホールド等のマニホールドを有していてもよい。
入口マニホールドは、アノード入口マニホールド、カソード入口マニホールド、及び、冷媒入口マニホールド等が挙げられる。
出口マニホールドは、アノード出口マニホールド、カソード出口マニホールド、及び、冷媒出口マニホールド等が挙げられる。
酸化剤極は、酸化剤極触媒層及びガス拡散層を含む。
燃料極は、燃料極触媒層及びガス拡散層を含む。
酸化剤極触媒層及び燃料極触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有するカーボン粒子等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属はカーボン粒子上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持したカーボン粒子(触媒粒子)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するためのカーボン粒子(担持用カーボン粒子)は、例えば、一般に市販されているカーボン粒子(カーボン粉末)を加熱処理することにより自身の撥水性が高められた撥水化カーボン粒子等を用いてもよい。
燃料極は、燃料極触媒層及びガス拡散層を含む。
酸化剤極触媒層及び燃料極触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有するカーボン粒子等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属はカーボン粒子上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持したカーボン粒子(触媒粒子)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するためのカーボン粒子(担持用カーボン粒子)は、例えば、一般に市販されているカーボン粒子(カーボン粉末)を加熱処理することにより自身の撥水性が高められた撥水化カーボン粒子等を用いてもよい。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
燃料電池システムは、燃料電池の電極に反応ガスを供給する反応ガス供給部を有していてもよい。
反応ガス供給部は、燃料電池スタックに反応ガスを供給する。
反応ガスは、燃料ガス及び酸化剤ガスを含む概念である。
反応ガス供給部としては、燃料ガス供給部及び酸化剤ガス供給部等が挙げられ、燃料電池システムは、これらの供給部のいずれか一方を有していてもよく、これらの供給部の両方を有していてもよい。
反応ガス供給部は、燃料電池スタックに反応ガスを供給する。
反応ガスは、燃料ガス及び酸化剤ガスを含む概念である。
反応ガス供給部としては、燃料ガス供給部及び酸化剤ガス供給部等が挙げられ、燃料電池システムは、これらの供給部のいずれか一方を有していてもよく、これらの供給部の両方を有していてもよい。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部を有していてもよい。
燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、例えば、水素ガスであってもよい。
燃料ガス供給部としては、例えば、燃料タンク等が挙げられ、具体的には、液体水素タンク、圧縮水素タンク等が挙げられる。
燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、例えば、水素ガスであってもよい。
燃料ガス供給部としては、例えば、燃料タンク等が挙げられ、具体的には、液体水素タンク、圧縮水素タンク等が挙げられる。
燃料電池システムは、燃料ガス供給流路を備えていてもよい。
燃料ガス供給流路は、燃料電池と燃料ガス供給部を接続し、燃料ガスの燃料ガス供給部からの燃料電池の燃料極への供給を可能にする。なお、燃料ガス供給部と燃料電池が隣接して配置され、燃料ガス供給部から燃料電池の燃料極へ直接、燃料ガスを供給できる場合は、燃料ガス供給流路は、必ずしも必要ではない。
燃料ガス供給流路は、燃料電池と燃料ガス供給部を接続し、燃料ガスの燃料ガス供給部からの燃料電池の燃料極への供給を可能にする。なお、燃料ガス供給部と燃料電池が隣接して配置され、燃料ガス供給部から燃料電池の燃料極へ直接、燃料ガスを供給できる場合は、燃料ガス供給流路は、必ずしも必要ではない。
燃料電池システムは、循環流路を備えていてもよい。
循環流路は、燃料電池の燃料極から排出された燃料オフガスを回収し、循環ガスとして燃料電池の燃料極に戻すことを可能にする。
燃料オフガスは、燃料極において未反応のまま通過した燃料ガス、酸化剤極で生成した生成水が燃料極に到達した水分、及び、掃気時に燃料極に供給されてもよい酸化剤ガス等を含む。
循環流路は、燃料電池の燃料極から排出された燃料オフガスを回収し、循環ガスとして燃料電池の燃料極に戻すことを可能にする。
燃料オフガスは、燃料極において未反応のまま通過した燃料ガス、酸化剤極で生成した生成水が燃料極に到達した水分、及び、掃気時に燃料極に供給されてもよい酸化剤ガス等を含む。
燃料電池システムは、必要に応じて、循環流路上に循環ガスの流量を調整する水素ポンプ等の循環用ポンプ、及び、エジェクタ等を備えていてもよい。
循環用ポンプは、制御部と電気的に接続され、制御部によって循環用ポンプの駆動のオン・オフ及び回転数等を制御されることにより、循環ガスの流量を調整してもよい。
エジェクタは、例えば、燃料ガス供給流路と循環流路の合流部に配置され、燃料ガスと循環ガスとを含む混合ガスを燃料電池の燃料極に供給する。エジェクタとしては、従来公知のエジェクタを採用することができる。
循環用ポンプは、制御部と電気的に接続され、制御部によって循環用ポンプの駆動のオン・オフ及び回転数等を制御されることにより、循環ガスの流量を調整してもよい。
エジェクタは、例えば、燃料ガス供給流路と循環流路の合流部に配置され、燃料ガスと循環ガスとを含む混合ガスを燃料電池の燃料極に供給する。エジェクタとしては、従来公知のエジェクタを採用することができる。
循環流路には、燃料オフガス中の水分を低減するための気液分離器が設けられていてもよい。そして、気液分離器によって循環流路から分岐される排水流路及び、当該排水流路上に排水弁が備えられていてもよい。
気液分離器において、燃料オフガス中から分離された水分は、循環流路から分岐される排水流路に設けられた排水弁の開放によって排出してもよい。
排水弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって排水弁の開閉を制御されることにより、液水の排水量を調整してもよい。
気液分離器において、燃料オフガス中から分離された水分は、循環流路から分岐される排水流路に設けられた排水弁の開放によって排出してもよい。
排水弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって排水弁の開閉を制御されることにより、液水の排水量を調整してもよい。
燃料電池システムは、燃料オフガス排出部を備えていてもよい。
燃料オフガス排出部は、燃料オフガスを外部(系外)に排出することを可能にする。なお、外部とは、燃料電池システムの外部であってもよく、車両の外部であってもよい。
燃料オフガス排出部は、燃料オフガス排出弁を備えていてもよく、必要に応じ、燃料オフガス排出流路をさらに備えていてもよい。
燃料オフガス排出弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって燃料オフガス排出弁の開閉を制御されることにより、燃料オフガスの排出流量を調整してもよい。
燃料オフガス排出流路は、例えば、循環流路から分岐されていてもよく、燃料オフガス中の水素濃度が低くなりすぎた場合に当該燃料オフガスを外部に排出可能にする。
燃料オフガス排出部は、燃料オフガスを外部(系外)に排出することを可能にする。なお、外部とは、燃料電池システムの外部であってもよく、車両の外部であってもよい。
燃料オフガス排出部は、燃料オフガス排出弁を備えていてもよく、必要に応じ、燃料オフガス排出流路をさらに備えていてもよい。
燃料オフガス排出弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって燃料オフガス排出弁の開閉を制御されることにより、燃料オフガスの排出流量を調整してもよい。
燃料オフガス排出流路は、例えば、循環流路から分岐されていてもよく、燃料オフガス中の水素濃度が低くなりすぎた場合に当該燃料オフガスを外部に排出可能にする。
燃料電池システムは、酸化剤ガス供給部、酸化剤ガス供給流路、及び、酸化剤ガス排出流路を備えていてもよい。
酸化剤ガス供給部は、少なくとも燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する。
酸化剤ガス供給部としては、例えば、エアコンプレッサー等を用いることができる。エアコンプレッサーは、制御部からの制御信号に従って駆動され、酸化剤ガスを燃料電池のカソード側(酸化剤極、カソード入口マニホールド等)に導入する。
酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部と燃料電池を接続し、酸化剤ガス供給部から燃料電池の酸化剤極への酸化剤ガスの供給を可能にする。
酸化剤ガスは、酸素含有ガスであり、空気、乾燥空気、及び、純酸素等であってもよい。
酸化剤ガス排出流路は、燃料電池の酸化剤極からの酸化剤ガスの排出を可能にする。
酸化剤ガス排出流路には、酸化剤ガス圧力調整弁が設けられていてもよい。
酸化剤ガス圧力調整弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって酸化剤ガス圧力調整弁が開弁されることにより、反応済みのカソードオフガスを酸化剤ガス排出流路から排出する。また、酸化剤ガス圧力調整弁の開度を調整することにより、酸化剤極に供給される酸化剤ガス圧力(カソード圧力)を調整することができる。
酸化剤ガス供給部は、少なくとも燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する。
酸化剤ガス供給部としては、例えば、エアコンプレッサー等を用いることができる。エアコンプレッサーは、制御部からの制御信号に従って駆動され、酸化剤ガスを燃料電池のカソード側(酸化剤極、カソード入口マニホールド等)に導入する。
酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部と燃料電池を接続し、酸化剤ガス供給部から燃料電池の酸化剤極への酸化剤ガスの供給を可能にする。
酸化剤ガスは、酸素含有ガスであり、空気、乾燥空気、及び、純酸素等であってもよい。
酸化剤ガス排出流路は、燃料電池の酸化剤極からの酸化剤ガスの排出を可能にする。
酸化剤ガス排出流路には、酸化剤ガス圧力調整弁が設けられていてもよい。
酸化剤ガス圧力調整弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって酸化剤ガス圧力調整弁が開弁されることにより、反応済みのカソードオフガスを酸化剤ガス排出流路から排出する。また、酸化剤ガス圧力調整弁の開度を調整することにより、酸化剤極に供給される酸化剤ガス圧力(カソード圧力)を調整することができる。
酸化剤ガス供給流路には、インタークーラーが配置されていてもよい。インタークーラーは、冷媒循環流路と接続され、冷媒との間で熱交換を行い、酸化剤ガス供給部から排出された酸化剤ガスを冷却する。また、燃料電池の暖機(発電前処理)要求があるときには、酸化剤ガス供給部によって圧縮されて温度が高くなった酸化剤ガスの熱により、冷媒を昇温させる。
燃料電池システムは、インタークーラーの下流側で酸化剤ガス供給流路から分岐し、燃料電池をバイパスして酸化剤ガス排出流路に接続されたバイパス流路を備えていてもよい。このバイパス流路には、バイパス流路の開通状態を制御するバイパス弁が配置されている。バイパス弁は、制御部と電気的に接続され、例えば、駆動モータの回生発電時に二次電池の充電容量に余裕がない状況で、酸化剤ガス供給部を駆動して二次電池の電力を消費する場合に、制御部によって開弁される。これにより、酸化剤ガスは燃料電池に送られることなく、酸化剤ガス排出流路へ排出される。
また、燃料ガス供給流路と酸化剤ガス供給流路は合流流路を介して接続されていてもよい。合流流路には掃気弁が設けられていてもよい。
掃気弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって掃気弁が開弁されることにより、酸化剤ガス供給部の酸化剤ガスを掃気ガスとして燃料ガス供給流路内に流入させるようになっていてもよい。
掃気に用いられる掃気ガスは、反応ガスであってもよく、反応ガスは、燃料ガスであってもよく、酸化剤ガスであってもよく、これらの両方のガスを含む混合反応ガスであってもよい。
掃気弁は、制御部と電気的に接続され、制御部によって掃気弁が開弁されることにより、酸化剤ガス供給部の酸化剤ガスを掃気ガスとして燃料ガス供給流路内に流入させるようになっていてもよい。
掃気に用いられる掃気ガスは、反応ガスであってもよく、反応ガスは、燃料ガスであってもよく、酸化剤ガスであってもよく、これらの両方のガスを含む混合反応ガスであってもよい。
燃料電池システムは、燃料電池の冷却系として、冷媒供給部、及び、冷媒循環流路を備えていてもよい。
冷媒循環流路は、燃料電池に設けられる冷媒供給孔及び冷媒排出孔に連通し、冷媒供給部から供給される冷媒を燃料電池内外で循環させ、燃料電池の冷却を可能にする。
冷媒供給部は、例えば、冷却水ポンプ等が挙げられる。
冷媒循環流路には、冷却水の熱を放熱するラジエータが設けられていてもよい。
冷却水(冷媒)としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
冷媒循環流路は、燃料電池に設けられる冷媒供給孔及び冷媒排出孔に連通し、冷媒供給部から供給される冷媒を燃料電池内外で循環させ、燃料電池の冷却を可能にする。
冷媒供給部は、例えば、冷却水ポンプ等が挙げられる。
冷媒循環流路には、冷却水の熱を放熱するラジエータが設けられていてもよい。
冷却水(冷媒)としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
燃料電池システムは、二次電池を備えていてもよい。
二次電池(バッテリ)は、充放電可能なものであればよく、例えば、ニッケル水素二次電池、及び、リチウムイオン二次電池等の従来公知の二次電池が挙げられる。また、二次電池は、電気二重層コンデンサ等の蓄電素子を含むものであってもよい。二次電池は、複数個を直列に接続した構成であってもよい。二次電池は、電動機及びエアコンプレッサー等の酸化剤ガス供給部等に電力を供給する。二次電池は、車両の外部の電源、例えば、家庭用電源から充電可能になっていてもよい。二次電池は、燃料電池の出力により充電されてもよい。
燃料電池システムは、バッテリを電源とする補機類を備えていてもよい。
補機類としては、例えば車両の照明機器、及び、空調機器等が挙げられる。
制御部は、二次電池の充放電を制御してもよい。
二次電池(バッテリ)は、充放電可能なものであればよく、例えば、ニッケル水素二次電池、及び、リチウムイオン二次電池等の従来公知の二次電池が挙げられる。また、二次電池は、電気二重層コンデンサ等の蓄電素子を含むものであってもよい。二次電池は、複数個を直列に接続した構成であってもよい。二次電池は、電動機及びエアコンプレッサー等の酸化剤ガス供給部等に電力を供給する。二次電池は、車両の外部の電源、例えば、家庭用電源から充電可能になっていてもよい。二次電池は、燃料電池の出力により充電されてもよい。
燃料電池システムは、バッテリを電源とする補機類を備えていてもよい。
補機類としては、例えば車両の照明機器、及び、空調機器等が挙げられる。
制御部は、二次電池の充放電を制御してもよい。
傾斜角測定部は、車両の傾斜角を測定する。
傾斜角測定部は、従来公知の傾斜センサであってもよい。
燃料は、具体的には、上述した燃料ガスである。
傾斜角測定部は、制御部に接続されていてもよい。制御部は、傾斜角測定部の出力により車両の傾斜角を検知できるようになっていてもよい。
車両の傾斜角は、車両の水平方向に対する重力方向上下側への傾斜角としてもよい。
傾斜角測定部は、従来公知の傾斜センサであってもよい。
燃料は、具体的には、上述した燃料ガスである。
傾斜角測定部は、制御部に接続されていてもよい。制御部は、傾斜角測定部の出力により車両の傾斜角を検知できるようになっていてもよい。
車両の傾斜角は、車両の水平方向に対する重力方向上下側への傾斜角としてもよい。
制御部は、反応ガスのガス流量を制御する。
制御部は、気液分離器、排水弁、燃料オフガス排出弁、酸化剤ガス圧力調整弁、掃気弁、燃料ガス供給部、酸化剤ガス供給部、バイパス弁、二次電池、循環用ポンプ、傾斜角測定部等と入出力インターフェースを介して接続されていてもよい。また、制御部は、車両に搭載されていてもよいイグニッションスイッチと電気的に接続されていてもよい。
制御部は、物理的には、例えば、CPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置と、CPUで処理される制御プログラム及び制御データ等を記憶するROM(リードオンリーメモリー)、並びに、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAM(ランダムアクセスメモリー)等の記憶装置と、入出力インターフェースとを有するものである。また、制御部は、例えば、ECU(エンジンコントロールユニット)等の制御装置であってもよい。
制御部は、気液分離器、排水弁、燃料オフガス排出弁、酸化剤ガス圧力調整弁、掃気弁、燃料ガス供給部、酸化剤ガス供給部、バイパス弁、二次電池、循環用ポンプ、傾斜角測定部等と入出力インターフェースを介して接続されていてもよい。また、制御部は、車両に搭載されていてもよいイグニッションスイッチと電気的に接続されていてもよい。
制御部は、物理的には、例えば、CPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置と、CPUで処理される制御プログラム及び制御データ等を記憶するROM(リードオンリーメモリー)、並びに、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAM(ランダムアクセスメモリー)等の記憶装置と、入出力インターフェースとを有するものである。また、制御部は、例えば、ECU(エンジンコントロールユニット)等の制御装置であってもよい。
図1は、本開示の燃料電池システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。なお、本開示は、必ずしも本典型例のみに限定されるものではない。
(1)傾斜角の測定
イグニッションスイッチがONからOFFに切り換わって(IG−OFF)、制御部に車両の運転停止信号が入力されると、制御部は、燃料ガス供給部からの燃料極への燃料ガスの供給を停止することによって燃料電池スタックの発電を停止する。
傾斜角測定部は、燃料電池スタックの発電停止時に、車両の傾斜角を測定する。
イグニッションスイッチがONからOFFに切り換わって(IG−OFF)、制御部に車両の運転停止信号が入力されると、制御部は、燃料ガス供給部からの燃料極への燃料ガスの供給を停止することによって燃料電池スタックの発電を停止する。
傾斜角測定部は、燃料電池スタックの発電停止時に、車両の傾斜角を測定する。
(2)傾斜角が所定の角度以上か否かの判断
制御部は、傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気を行い、所定の時間掃気を待機し、その後、第2掃気を行う。
一方、制御部は、傾斜角が所定の角度未満であれば、第1掃気のみを行ってもよいし(通常掃気モード)、制御を終了してもよい。
制御部は、傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気を行い、所定の時間掃気を待機し、その後、第2掃気を行う。
一方、制御部は、傾斜角が所定の角度未満であれば、第1掃気のみを行ってもよいし(通常掃気モード)、制御を終了してもよい。
傾斜角の所定の角度は、例えば、予め測定した車両の傾斜角と燃料電池スタックからガス配管系部品へ液だれする残水量との関係を示すデータ群から適宜設定してもよい。
第1掃気は、MEAの乾燥を主目的で行う。
第1掃気を行う時間は、特に限定されず、例えば、制御部がMEAの乾燥状態をMEAのインピーダンスにより管理し、制御部は第1掃気にてMEAのインピーダンスが所定の目標値に達したら掃気を終了するように設定してもよい。
第1掃気を行う時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、55秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
第1掃気のガス流量は、特に限定されず、第2掃気のガス流量と同じであっても異なっていてもよいが、第1掃気は、MEAの乾燥を主目的で行う掃気であるため、掃気時間を短くする観点から、第2掃気のガス流量よりも大きくてもよい。
第1掃気のガス流量は、例えば、予めMEAのインピーダンスと、ガス流量との相関関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から、燃費及び掃気時間等を考慮して適宜設定することができる。
第1掃気のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、1000NL/min以上、1200NL/min以上、1400NL/minであってもよく、上限は特に限定されず、2000NL/min以下であってもよい。
ガス流量の制御方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができ、例えば、燃料ガス供給部からの燃料ガスの供給流量を制御してもよいし、循環流路に設けた循環用ポンプの回転数を調整することにより循環ガス流量を制御してもよいし、酸化剤ガス供給部からの酸化剤ガスの供給流量を制御してもよいし、燃料オフガス排出弁の開度を制御してもよいし、酸化剤ガス圧力調整弁の開度を制御してもよいし、これらの制御を併用してもよい。
第1掃気を行う時間は、特に限定されず、例えば、制御部がMEAの乾燥状態をMEAのインピーダンスにより管理し、制御部は第1掃気にてMEAのインピーダンスが所定の目標値に達したら掃気を終了するように設定してもよい。
第1掃気を行う時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、55秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
第1掃気のガス流量は、特に限定されず、第2掃気のガス流量と同じであっても異なっていてもよいが、第1掃気は、MEAの乾燥を主目的で行う掃気であるため、掃気時間を短くする観点から、第2掃気のガス流量よりも大きくてもよい。
第1掃気のガス流量は、例えば、予めMEAのインピーダンスと、ガス流量との相関関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から、燃費及び掃気時間等を考慮して適宜設定することができる。
第1掃気のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、1000NL/min以上、1200NL/min以上、1400NL/minであってもよく、上限は特に限定されず、2000NL/min以下であってもよい。
ガス流量の制御方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができ、例えば、燃料ガス供給部からの燃料ガスの供給流量を制御してもよいし、循環流路に設けた循環用ポンプの回転数を調整することにより循環ガス流量を制御してもよいし、酸化剤ガス供給部からの酸化剤ガスの供給流量を制御してもよいし、燃料オフガス排出弁の開度を制御してもよいし、酸化剤ガス圧力調整弁の開度を制御してもよいし、これらの制御を併用してもよい。
掃気待機(残水の液だれ待ち)は、スタックに流すガス流量を減少させるか又はガスを流さず、スタックを静的に放置する事でスタックからの残水の液だれを待つことを主目的に行う。
掃気待機時のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、600NL/min以下であってもよく、0NL/minであってもよい。
掃気待機時間(残水の液だれ待ち時間)は、特に限定されず、例えば、予め測定した車両の傾斜角と燃料電池スタックからガス配管系部品への残水の移動速度との関係を示すデータ群から適宜設定してもよい。
掃気待機時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
掃気待機時間を設けることにより、第1掃気のみ又は第1掃気と第2掃気の2段階掃気のみを行う場合と比較して、スタックの過乾燥を抑制することができる。また、掃気待機時間を設けることにより、車両の傾斜角が所定値以上の場合に、例えばスタック内の残水がしみ出て酸化剤ガス圧力調整弁等のガス配管系部品に溜まる。
掃気待機時のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、600NL/min以下であってもよく、0NL/minであってもよい。
掃気待機時間(残水の液だれ待ち時間)は、特に限定されず、例えば、予め測定した車両の傾斜角と燃料電池スタックからガス配管系部品への残水の移動速度との関係を示すデータ群から適宜設定してもよい。
掃気待機時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
掃気待機時間を設けることにより、第1掃気のみ又は第1掃気と第2掃気の2段階掃気のみを行う場合と比較して、スタックの過乾燥を抑制することができる。また、掃気待機時間を設けることにより、車両の傾斜角が所定値以上の場合に、例えばスタック内の残水がしみ出て酸化剤ガス圧力調整弁等のガス配管系部品に溜まる。
第2掃気は、掃気音を小さくし、燃費を良好にすること、及び、スタックからの残水の液だれ後のガス配管系部品に溜まった水の掃気を主目的として行う。
第2掃気を行う時間は、特に限定されず、第1掃気の掃気時間と同じであっても異なっていてもよいが、第2掃気の掃気時間は、第1掃気の掃気時間よりも短くてもよい。第2掃気の掃気時間を短くすることで、電解質膜の水分の確保とガス配管系部品に溜まった残水の除去を両立できる。例えば、予めガス配管系部品内の残水量と掃気時間との関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から適宜設定してもよい。
第2掃気を行う時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、55秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
第2掃気のガス流量は、特に限定されず、第1掃気のガス流量と同じであっても異なっていてもよいが、第2掃気は、第1掃気のガス流量よりも小さくてもよい。第2掃気のガス流量を小さくすることで必要以上に電解質膜の水分を奪わずガス配管系部品に溜まった残水を除去することができ、電解質膜の水分の確保とガス配管系部品に溜まった残水の除去を両立できる。また、第2掃気のガス流量を小さくすることで掃気音を小さくすることができ、燃料電池スタックの発電停止後(IG−OFF後)に車両から離れる運転者に掃気運転の継続による違和感を与えることが少なくなる。
第2掃気のガス流量は、例えば、予めガス配管系部品の残水量と、ガス流量との相関関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から、燃費及び掃気時間等を考慮して適宜設定することができる。
第2掃気のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、500NL/min以上、600NL/min以上であってもよく、900NL/min以下、800NL/min以下であってもよい。
第2掃気は、MEAの乾燥が主目的ではないことからスタックの冷却水の温度を高温にする必要がないため、例えば、燃費を良好にする観点から、二次電池の電力によりエアコンプレッサー等の酸化剤ガス供給部のモータを回転させることにより掃気を実施してもよい。
したがって、第2掃気は掃気時間が長くかかるが、掃気音が小さく、燃費の良い掃気方法としてもよい。
第2掃気を行う時間は、特に限定されず、第1掃気の掃気時間と同じであっても異なっていてもよいが、第2掃気の掃気時間は、第1掃気の掃気時間よりも短くてもよい。第2掃気の掃気時間を短くすることで、電解質膜の水分の確保とガス配管系部品に溜まった残水の除去を両立できる。例えば、予めガス配管系部品内の残水量と掃気時間との関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から適宜設定してもよい。
第2掃気を行う時間は、具体的には、10秒以上、20秒以上、30秒以上、40秒以上、50秒以上、55秒以上、1分以上、であってもよく、上限は特に限定されない。
第2掃気のガス流量は、特に限定されず、第1掃気のガス流量と同じであっても異なっていてもよいが、第2掃気は、第1掃気のガス流量よりも小さくてもよい。第2掃気のガス流量を小さくすることで必要以上に電解質膜の水分を奪わずガス配管系部品に溜まった残水を除去することができ、電解質膜の水分の確保とガス配管系部品に溜まった残水の除去を両立できる。また、第2掃気のガス流量を小さくすることで掃気音を小さくすることができ、燃料電池スタックの発電停止後(IG−OFF後)に車両から離れる運転者に掃気運転の継続による違和感を与えることが少なくなる。
第2掃気のガス流量は、例えば、予めガス配管系部品の残水量と、ガス流量との相関関係を示すデータ群を用意し、当該データ群から、燃費及び掃気時間等を考慮して適宜設定することができる。
第2掃気のガス流量は、具体的には、酸化剤ガス供給部がエアコンプレッサーの場合の酸化剤ガス供給流量が、500NL/min以上、600NL/min以上であってもよく、900NL/min以下、800NL/min以下であってもよい。
第2掃気は、MEAの乾燥が主目的ではないことからスタックの冷却水の温度を高温にする必要がないため、例えば、燃費を良好にする観点から、二次電池の電力によりエアコンプレッサー等の酸化剤ガス供給部のモータを回転させることにより掃気を実施してもよい。
したがって、第2掃気は掃気時間が長くかかるが、掃気音が小さく、燃費の良い掃気方法としてもよい。
本開示では、傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることで、スタック中のMEAの過乾燥の防止とガス配管系部品の凍結の抑制を両立させることができ、氷点下始動時に燃料電池スタックの性能が低下することを抑制することができる。
Claims (1)
- 車両に搭載されて用いられる燃料電池システムであって、
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
前記車両の傾斜角を測定する傾斜角測定部と、
前記反応ガスの流量を制御する制御部と、を有し、
前記傾斜角測定部は、前記燃料電池スタックの発電停止時に、前記車両の傾斜角を測定し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上であるか否か判断し、
前記制御部は、前記傾斜角が所定の角度以上である場合に、第1掃気と第2掃気の2段階の掃気を行い、第1掃気と第2掃気の間に掃気待機時間を設けることを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020087488A JP2021182513A (ja) | 2020-05-19 | 2020-05-19 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020087488A JP2021182513A (ja) | 2020-05-19 | 2020-05-19 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021182513A true JP2021182513A (ja) | 2021-11-25 |
Family
ID=78606705
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020087488A Pending JP2021182513A (ja) | 2020-05-19 | 2020-05-19 | 燃料電池システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021182513A (ja) |
-
2020
- 2020-05-19 JP JP2020087488A patent/JP2021182513A/ja active Pending
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