[第一実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る冷凍装置について、図面を参照して説明する。図1に示すように、冷凍装置1は、冷蔵倉庫9内に設けられた3台の室内ユニット2a,2b,2cと、冷蔵倉庫9外に設けられた3台の室外ユニット3a,3b,3cと、制御部4と、を備えている。
また、冷凍装置1は、第一の室内ユニット2aと第一の室外ユニット3aとを液冷媒配管11a及びガス冷媒配管12aで接続してなる第一の冷媒回路10aと、第二の室内ユニット2bと第二の室外ユニット3bとを液冷媒配管11b及びガス冷媒配管12bで接続してなる第二の冷媒回路10bと、第三の室内ユニット2cと第三の室外ユニット3cとを液冷媒配管11c及びガス冷媒配管12cで接続してなる第三の冷媒回路10cと、を備えている。
尚、図中において、3台の室内ユニット2a,2b,2cは、同一の構成であるものとして、室内ユニット2b,2c内の各部の記載を省略する。同様に、3台の室外ユニット3a,3b,3cは、同一の構成であるものとして、室外ユニット3b,3c内の各部の記載を省略する。
また、以下では、3つの冷媒回路10a,10b,10cを代表して第一の冷媒回路10aについて説明し、冷媒回路10b,10cについての説明を省略する。同様に、3台の室内ユニット2a,2b,2cを代表して第一の室内ユニット2aについて説明し、室内ユニット2b,2cの説明を省略する。また、3台の室外ユニット3a,3b,3cを代表して第一の室外ユニット3aについて説明し、室外ユニット3b,3cの説明を省略する。
冷媒回路10aにおいてガス冷媒配管12aは、室外ユニット3aに配設された四路切換弁33及び圧縮機34を介して、室内ユニット2aに配設された庫内熱交換器21と室外ユニット3aに配設された室外熱交換器31とを接続している。
冷媒回路10aにおいて液冷媒配管11aは、室外ユニット3aに配設された膨張弁35を介して、室内ユニット2aに配設された庫内熱交換器21と室外ユニット3aに配設された室外熱交換器31とを接続している。
室内ユニット2aは、庫内熱交換器21と、庫内ファン22と、庫内温度センサ26と、を備えている。
庫内熱交換器21は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、液冷媒配管11又はガス冷媒配管12から流入される冷媒と庫内空気とを熱交換する。
庫内ファン22は、羽根車221と、モータ222と、インバータ223と、を備えている。羽根車221は、インバータ223により制御されるモータ222により駆動される。庫内ファン22は、羽根車221の回転によって空気の流れを発生させ、庫内空気を庫内熱交換器21に送ることにより庫内熱交換器21における熱交換を促進させる。
庫内温度センサ26は、室内ユニット2aの庫内熱交換器21に送風される庫内空気の温度を検出し、検出した温度を示す制御信号を制御部4に出力する。
室外ユニット3aは、四路切換弁33と、圧縮機34と、室外熱交換器31と、室外ファン32と、膨張弁35と、外気温センサ36と、を備えている。
四路切換弁33は、圧縮機34の吐出側に接続する吐出ポートP1、室外熱交換器31に接続する切替ポートP2、庫内熱交換器21に接続する切替ポートP3、及び圧縮機34の吸入側に接続する吸入ポートP4を有している。四路切換弁33は、ポートP1とポートP2が連通し、かつ、ポートP3とポートP4が連通する状態(図1に実線で示す状態)と、ポートP1とポートP3が連通し、かつ、ポートP2とポートP4が連通する状態(図1に一点鎖線で示す状態)とに切り替わる。
圧縮機34は、例えば、図略の圧縮機構と当該圧縮機構を駆動する図略の電動機とを円筒状のハウジングに収納して構成された密閉型のスクロール圧縮機であり、制御部4によって電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更されて、その容量が可変に構成されている。
室外熱交換器31は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、液冷媒配管11a又はガス冷媒配管12aから流入される冷媒と室外空気とを熱交換する。
室外ファン32は、羽根車321と、モータ322と、インバータ323と、を備えている。羽根車321は、インバータ323により制御されるモータ322により駆動される。
室外ファン32は、羽根車321の回転によって空気の流れを発生させ、後述の室外ユニット3に設けられた吸込口から室外空気を吸入し、室外熱交換器31に対して当該吸入した室外空気を送風することにより、室外熱交換器31における熱交換を促進させる。
例えば、図2(a)に示すように、室外ユニット3aは、左側面39L、正面39F、右側面39R、及び背面39Eの4側面と、図略の上面(紙面手前側)及び底面(紙面奥側)とを有する直方体のケーシング39を備えている。
左側面39L、正面39F、及び右側面39Rの3側面には、例えば格子状の複数の開口部からなる、室外空気を吸入するための吸込口が設けられている。室外ユニット3aにおける室外熱交換器31の3側面は、当該吸込口を備えた三側面39L、39F、39Rに沿って配置されている。
また、ケーシング39の上面(紙面手前側)には、ケーシング39内の空気を吹き出すための吹出口が設けられている。室外ファン32は、室外熱交換器31の上方から見て内側であって、吹出口の内側に設けられている。
室外ファン32が駆動されると、左側面39L、正面39F、及び右側面39Rの3側面から、図中の矢印方向に室外空気が吸い込まれ、室外熱交換器31を通過したケーシング39内の空気が吹出口から外部に吹き出される。
尚、室外ユニット3aの構成を、図2(a)に示す構成に限定する趣旨ではなく、例えば、ケーシングの隣り合う2側面に沿うように、L字型に室外熱交換器31が構成され、室外ファン32が、室外熱交換器31の内側に設けられる構成にしてもよい。そして、当該構成に合わせて、室外ファン32を駆動した場合に、当該ケーシングの上記隣り合う2側面から室外空気を吸い込ませ、当該ケーシングの他の側面から当該ケーシング内の空気を吹き出すように構成してもよい。
膨張弁35は、制御部4によって所定の開度に調整され、液冷媒配管11a内を循環する冷媒を減圧する。
外気温センサ36は、室外ユニット3aの側面に設けられた吸込口から吸入される室外空気の温度(外気温)を検出し、検出した温度を示す制御信号を制御部4に出力する。
制御部4は、例えば、CPUやROMやRAM等のメモリを備えたマイクロコンピュータで構成され、各室内ユニット2a,2b,2c及び各室外ユニット3a,3b,3cに備えられた各部の動作を制御し、各室内ユニット2a,2b,2c及び各室外ユニット3a,3b,3cの運転を制御する。
特に、第一実施形態における制御部4は、図1の実線矩形部に示すように、指示受付部41と、運転制御部42と、加温時間計測部43と、デフロスト制御部44と、実行許可制御部45と、として機能する。
指示受付部41は、リモコンや、各室内ユニット2a,2b,2c及び各室外ユニット3a,3b,3cに設けられた操作ボタン等のユーザーによる操作によって入力された、各室内ユニット2a,2b,2c及び各室外ユニット3a,3b,3cの運転に係る各種指示を受け付ける。
尚、運転制御部42、加温時間計測部43、デフロスト制御部44、及び実行許可制御部45による制御の詳細については後述する。
次に、冷凍装置1の運転動作を説明する。冷凍装置1の冷却運転時には、制御部4によって、四路切換弁33が図1に実線で示す状態に切り替えられ、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
冷媒回路10aにおいて冷凍サイクルが行われる場合、室内ユニット2aの庫内熱交換器21は蒸発器として機能し、冷媒を庫内空気から吸熱させて蒸発させる。これにより、庫内空気が冷却される。蒸発された冷媒は、ガス冷媒配管12aから室外ユニット3aに流入される。
室外ユニット3aに流入された冷媒は、四路切換弁33を介して、圧縮機34に吸入される。そして、圧縮機34によって圧縮された冷媒は、四路切換弁33を介して、室外熱交換器31へ流入される。室外熱交換器31は凝縮器として機能し、冷媒を室外空気へ放熱させて凝縮させる。凝縮された冷媒は、膨張弁35で減圧されて低温低圧状態となり、液冷媒配管11aから室内ユニット2aの庫内熱交換器21に流入される。
冷媒回路10aにおいて冷凍サイクルが行われる場合には、このように冷媒の循環が繰り返される。尚、冷媒回路10b,10cにおいても、冷媒回路10aにおける冷凍サイクルと同様に冷凍サイクルが行われる。
また、冷凍装置1では、冷蔵倉庫9内の保管物(例えば、野菜)を冷やしすぎないようにするために、冷蔵倉庫9内を加温する加温運転が行われる。冷凍装置1の加温運転時には、制御部4によって、四路切換弁33が図1に一点鎖線で示す状態に切り替えられ、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて冷媒を上記の冷凍サイクルとは反対方向に循環させる加温サイクルが行われる。
冷媒回路10aにおいて加温サイクルが行われる場合、室内ユニット2aの庫内熱交換器21は凝縮器として機能し、冷媒を室内空気へ放熱させて凝縮させる。これにより、室内空気が加熱される。凝縮された冷媒は、液冷媒配管11aから室外ユニット3aに流入される。
室外ユニット3aに流入された冷媒は、膨張弁35で減圧されて低温低圧状態となり、室外熱交換器31へ流入される。室外熱交換器31は蒸発器として機能し、冷媒を室外空気から吸熱させて蒸発させる。蒸発された冷媒は、四路切換弁33を介して、圧縮機34に吸入される。そして、圧縮機34によって圧縮された冷媒は、四路切換弁33を介して、ガス冷媒配管12aから室内ユニット2aの庫内熱交換器21に流入される。
冷媒回路10aにおいて加温サイクルが行われる場合には、このように冷媒の循環が繰り返される。尚、冷媒回路10b,10cにおいても、冷媒回路10aにおける加温サイクルと同様に加温サイクルが行われる。
次に、運転制御部42、加温時間計測部43、デフロスト制御部44、及び実行許可制御部45による制御の詳細について説明する。
運転制御部42は、各冷媒回路10a,10b,10c内の圧縮機34の駆動、膨張弁35の開度の調整、及び四路切換弁33の切り替えを制御することによって、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて、冷凍サイクルと加温サイクルとを切り替えて行う。
加温時間計測部43は、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて加温サイクルが行われた時間を積算して、当該積算した時間を各冷媒回路10a,10b,10cに対応付けてメモリに記憶する。
デフロスト制御部44は、実行許可制御部45からの指示の下、加温サイクルが行われた各冷媒回路10a,10b,10c内の室外熱交換器31をデフロストする。本実施形態において、デフロスト制御部44は、2通りの方法でデフロストすることが可能である。デフロスト制御部44は、第一のデフロスト方法として、各冷媒回路10a,10b,10c内の圧縮機34を停止するとともに、各冷媒回路10a,10b,10c内の室外ファン32を駆動するオフサイクルデフロストを行う。
また、デフロスト制御部44は、第二のデフロスト方法として、加温サイクルが行われた各冷媒回路10a,10b,10c内の圧縮機34及び室外ファン32を駆動して、冷凍サイクル時と同方向に冷媒を循環させるように、各冷媒回路10a,10b,10c内の四路切換弁33を切り換え、各冷媒回路10a,10b,10c内の室外熱交換器31を凝縮器として機能させる逆サイクルデフロストを行う。
実行許可制御部45は、例えば、指示受付部41によってユーザーからの指示が受け付けられたとき、或いは、冷凍装置1が運転されてから所定時間が経過する都度等、各冷媒回路10a,10b,10c内の室外熱交換器31に着霜が生じている虞があることを示す予め定められた所定条件を満たしたときに、当該室外熱交換器31をデフロストするようにデフロスト制御部44に指示する。また、実行許可制御部45は、当該指示を行う場合に、オフサイクルデフロスト又は逆サイクルデフロストの何れの方法を用いるのかをデフロスト制御部44に指示する。
以下では、運転制御部42、加温時間計測部43、デフロスト制御部44、及び実行許可制御部45によって、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについて説明する。
尚、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れは、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて全て同一の制御の流れである。このため、以下では、図3を用いて、冷媒回路10aにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについてのみ説明し、冷媒回路10b及び冷媒回路10cにおける当該制御の流れについての説明を省略する。
例えば、図3に示すように、リモコン等を用いてユーザーによって入力された冷凍装置1の冷却運転の実行開始指示が、指示受付部41によって受け付けられると、運転制御部42は、室内ユニット2aの庫内温度センサ26で検出された庫内温度が、予めメモリに記憶されている庫内温度の下限値を示す下限温度以上であるか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において、運転制御部42は、庫内温度が下限温度以上であると判定した場合は(ステップS1;YES)、冷媒回路10aにおいて冷凍サイクルを行うように、冷媒回路10a内の圧縮機34の駆動、冷媒回路10a内の膨張弁35の開度の調整、及び冷媒回路10a内の四路切換弁33の切り替えを制御する(ステップS2)。
一方、運転制御部42は、庫内温度が下限温度未満であると判断した場合は(ステップS1;NO)、冷蔵倉庫9内の冷えすぎを解消するために、冷媒回路10aにおいて加温サイクルを行うように、冷媒回路10a内の圧縮機34の駆動、冷媒回路10a内の膨張弁35の開度の調整、及び冷媒回路10a内の四路切換弁33の切り替えを制御する(ステップS3)。
尚、加温時間計測部43は、運転制御部42によってステップS3が連続的に行われた時間を計測し、当該計測した時間を加温サイクル運転時間として、当該制御対象の冷媒回路10aに対応付けてメモリに記憶する(ステップS4)。
次に、実行許可制御部45は、例えば、指示受付部41によってユーザーからの指示が受け付けられたとき、或いは、冷凍装置1が運転されてから所定時間が経過する都度等、室外熱交換器31に着霜が生じている虞があることを示す予め定められた所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、実行許可制御部45は、室外熱交換器31に着霜が生じている虞があることを示す予め定められた所定条件を満たすと判定すると(ステップS5;YES)、ステップS4でメモリに記憶された当該制御対象の冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が0より大きいか否か、つまり、当該冷媒回路10aにおいてステップS3における加温サイクルが行われたか否かを判定する(ステップS6)。
実行許可制御部45は、ステップS5において、室外熱交換器31に着霜が生じている虞があることを示す予め定められた所定条件を満たさないと判定した場合(ステップS5;NO)、又は、ステップS6において、当該制御対象の冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が0以下であると判定した場合(ステップS6;NO)は、室外熱交換器31をデフロストするようにデフロスト制御部44に指示せずに、運転制御部42にステップS1を実行させる。
実行許可制御部45は、ステップS6において、当該制御対象の冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が0より大きいと判定した場合(ステップS6;YES)は、室外ユニット3aの外気温センサ36から入力された制御信号が示す外気温が予め定められた基準温度以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、実行許可制御部45は、外気温が予め定められた基準温度以上であると判定すると(ステップS7;YES)、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行うようにデフロスト制御部44に指示する。デフロスト制御部44は、当該指示の下、当該制御対象の冷媒回路10aにおいて、圧縮機34を停止するともに室外ファン32を駆動することによって、室外熱交換器31をデフロストするオフサイクルデフロストを行う(ステップS8)。
尚、デフロスト制御部44は、ステップS8におけるオフサイクルデフロストを行う場合に、例えば図2(b)に示すように、室外ファン32を図2(a)に示す方向とは反対方向に回転駆動させて、ケーシング39の上面(紙面手前側)に設けられた吹出口から空気を吸い込ませ、左側面39L、正面39F、及び右側面39Rの3側面から、図中の矢印方向にケーシング39内の空気を吹き出すように構成してもよい。この場合、室外ファン32の回転駆動時に、モータ322からの放熱で温められた空気が室外熱交換器31に送風される。これによって、室外熱交換器31を効率よくデフロストすることができる。
また、デフロスト制御部44は、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行う場合に、当該冷媒回路10a内の室内ユニット2aの庫内ファン22を駆動させる(ステップS9)。
つまり、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストが行われている間、当該冷媒回路10a内の圧縮機34が停止することによって冷媒が循環されていない状態で庫内ファン22が駆動される。このため、当該庫内ファン22の駆動による適度な放熱によって冷蔵倉庫9内の加温を補助することができる。また、当該庫内ファン22の駆動によって発生する空気の流れによって、室内ユニット2aの庫内熱交換器21付近の気温を均一化することができる。
一方、ステップS7において、実行許可制御部45は、外気温が予め定められた基準温度以上ではないと判定すると(ステップS7;NO)、当該制御対象の冷媒回路10aにおいて逆サイクルデフロストを行うようにデフロスト制御部44に指示する。デフロスト制御部44は、当該指示の下、当該制御対象の冷媒回路10aにおいて、圧縮機34及び室外ファン32を駆動して、冷凍サイクル時と同方向に冷媒を循環させるように四路切換弁33を切り換え、室外熱交換器31を凝縮器として機能させることによって室外熱交換器31をデフロストする逆サイクルデフロストを行う(ステップS10)。
尚、デフロスト制御部44は、当該制御対象の冷媒回路10aにおいて逆サイクルデフロストを行う場合には、当該冷媒回路10a内の室内ユニット2aの庫内ファン22を停止させる(ステップS11)。
つまり、当該制御対象の冷媒回路10aにおいて逆サイクルデフロストが行われ、庫内熱交換器21が蒸発器として機能している場合に、庫内ファン22の駆動によって冷媒の蒸発が促進され、冷蔵倉庫9内が冷えすぎてしまうことを回避することができる。
第一実施形態の構成によれば、制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31に着霜が生じた場合において、外気温が予め定められた基準温度以上であるときは、当該冷媒回路内の圧縮機34が停止されるとともに、当該冷媒回路に係る室外ユニット内の室外ファン32が駆動されるオフサイクルデフロストが行われる。
これにより、予め定められた基準温度以上の室外空気が当該制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31を通過するため、当該冷媒回路内の室外熱交換器31をデフロストすることができる。また、逆サイクルデフロストを行うことによって当該制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31をデフロストするときに比して、当該制御対象の冷媒回路内の圧縮機34を駆動するために必要な消費電力を削減することができる。
尚、冷凍装置1に備えられる室内ユニット及び室外ユニットの台数は、図1に示す3台に限定する趣旨ではない。例えば、冷凍装置1は、室内ユニット及び室外ユニットをそれぞれ1台のみ備えた構成であってもよい。また、冷媒回路によって接続される室内ユニット及び室外ユニットは、それぞれ1台ずつに限定する趣旨ではなく、例えば2台の室内ユニットと3台の室外ユニットとを接続して1つの冷媒回路を構成する等、冷媒回路によって接続される室内ユニット及び室外ユニットの台数がそれぞれ異なる台数であってもよい。
また、加温時間計測部43は、ステップS4において、運転制御部42によってステップS3が連続的に行われた時間を計測し、当該制御対象の冷媒回路10aに対応付けてメモリに記憶することに代えて、運転制御部42によってステップS3が行われたことを示す情報を当該制御対象の冷媒回路10aに対応付けてメモリに記憶するように簡易的に構成してもよい。
そして、これに合わせて、実行許可制御部45は、ステップS6において、当該制御対象の冷媒回路10aに対応付けて、運転制御部42によってステップS3が行われたことを示す情報がメモリに記憶されているか否かを判定することによって、当該冷媒回路10aにおいてステップS3における加温サイクル運転が行われたか否かを判定するように構成してもよい。
[第二実施形態]
以下の第二実施形態の説明では、第一実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態と同じ部分については説明を省略する。
以下では、第二実施形態の構成において、運転制御部42、加温時間計測部43、デフロスト制御部44、及び実行許可制御部45によって、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについて説明する。
尚、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れは、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて全て同一の制御の流れである。このため、以下では、図4を用いて、冷媒回路10aにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについてのみ説明し、冷媒回路10b及び冷媒回路10cにおける当該制御の流れについての説明を省略する。
第二実施形態では、図4に示すように、実行許可制御部45は、ステップS7において、室外ユニット3aの外気温センサ36から入力された制御信号が示す外気温が予め定められた基準温度以上であると判定した場合に(ステップS7;YES)、冷凍装置1に備えられた複数の冷媒回路10a,10b,10cのうち、予め定められた制限数(例えば、1台)以上の冷媒回路においてオフサイクルデフロストが行われているとき(ステップS21;YES)は、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行わせることをデフロスト制御部44に指示せずに、ステップS5に移行する。つまり、この場合、冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストが行われない。
このように、実行許可制御部45は、オフサイクルデフロストを行う冷媒回路の数を予め定められた制限数以下に制限することによって、冷凍装置1に備えられた複数の冷媒回路のうち、制限数以下の一部の冷媒回路においてオフサイクルデフロストを行いながら、他の冷媒回路において冷凍サイクルを行うことによって冷蔵倉庫内を適度に冷却し、又は、他の冷媒回路において加温サイクルを行うことによって冷蔵倉庫内を適度に加温することができる。
一方、実行許可制御部45は、ステップS21において、冷凍装置1に備えられた複数の冷媒回路10a,10b,10cのうち、予め定められた制限数以上の冷媒回路においてオフサイクルデフロストが行われていないときには(ステップS21;NO)、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストが連続的に行われた時間(オフサイクルデフロスト運転時間)が、予め定められた制限時間以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
尚、実行許可制御部45は、制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行うようにデフロスト制御部44に指示した場合(ステップS8)、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストが連続的に行われた時間を計測し、当該計測した時間をオフサイクルデフロスト運転時間として、当該制御対象の冷媒回路10aと対応付けてメモリに記憶する(ステップS23)。
実行許可制御部45は、ステップS22において、当該制御対象の冷媒回路10aにおけるオフサイクルデフロスト運転時間が、予め定められた制限時間以上であると判定した場合は(ステップS22;YES)、各冷媒回路10a,10b,10cにおけるオフサイクルデフロスト運転時間のうち、予め定められた制限時間未満のオフサイクルデフロスト運転時間が存在するか否かを判定する(ステップS24)。
実行許可制御部45は、ステップS24において、各冷媒回路10a,10b,10cにおけるオフサイクルデフロスト運転時間のうち、予め定められた制限時間未満のオフサイクルデフロスト運転時間が1つも存在しないと判定した場合は(ステップS24;NO)、メモリに記憶されている各冷媒回路10a,10b,10cにおけるオフサイクルデフロスト時間を全て0に(リセット)する(ステップS25)。そして、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行わせることをデフロスト制御部44に指示せずに、ステップS5の処理に移行する。
一方、実行許可制御部45は、ステップS24において、各冷媒回路10a,10b,10cにおけるオフサイクルデフロスト運転時間のうち、予め定められた制限時間未満のオフサイクルデフロスト運転時間が1つでも存在すると判定した場合は(ステップS24;YES)、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行わせることをデフロスト制御部44に指示せずに、ステップS5の処理に移行する(ステップS25)。これによって、当該制御対象の冷媒回路10aにおけるオフサイクルデフロスト時間が、上記予め定められた制限時間に制限される。
このようにして、実行許可制御部45は、各冷媒回路10a,10b,10cにおいてオフサイクルデフロストを行う時間を予め定められた制限時間以下に制限することによって、オフサイクルデフロストを行う機会を何れの冷媒回路10a,10b,10cにも提供することができ、各冷媒回路10a,10b,10c内の室外熱交換器31をそれぞれデフロストすることができる。
[第三実施形態]
以下の第三実施形態の説明では、第一実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第三実施形態では、図5に示すように、室外ユニット3aには、冷媒回路10aにおいて加温サイクルが行われる際に、冷媒回路10a内の室外熱交換器31から出た後の冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ37が設けられている。尚、図示を省略しているが、室外ユニット3b,3cにも、同様に冷媒温度センサ37が設けられている。また、制御部4は、サーモオフ制御部46としても機能する。
以下では、第三実施形態の構成において、運転制御部42、加温時間計測部43、デフロスト制御部44、実行許可制御部45、及びサーモオフ制御部46によって、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、サーモオフ、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについて説明する。
尚、冷凍サイクル、加温サイクル、サーモオフ、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れは、各冷媒回路10a,10b,10cにおいて全て同一の制御の流れである。このため、以下では、図6を用いて、冷媒回路10aにおいて、冷凍サイクル、加温サイクル、サーモオフ、オフサイクルデフロスト、逆サイクルデフロストが切り換えて行われる制御の流れについてのみ説明し、冷媒回路10b及び冷媒回路10cにおける当該制御の流れについての説明を省略する。
第三実施形態の構成では、図6に示すように、ステップS1において、運転制御部42によって、室内ユニット2aの庫内温度センサ26で検出された庫内温度が、予めメモリに記憶されている下限温度以上であると判定された場合に(ステップS1;YES)、サーモオフ制御部46は、室内ユニット2aの庫内温度センサ26で検出された庫内温度が、予めメモリに記憶されているサーモオフ温度未満であるか否かを判定する(ステップS31)。
サーモオフ制御部46は、ステップS31において、室内ユニット2aの庫内温度センサ26で検出された庫内温度が、サーモオフ温度未満であると判定した場合(ステップS31;YES)、当該制御対象の冷媒回路10a内の圧縮機34を停止するとともに、当該冷媒回路10a内の庫内ファン22の駆動を停止する、当該冷媒回路10aにおけるサーモオフを行う(ステップS33)。
一方、サーモオフ制御部46は、ステップS31において、室内ユニット2aの庫内温度センサ26で検出された庫内温度がサーモオフ温度以上であると判定した場合は(ステップS31;NO)、サーモオフを行わず、運転制御部42によるステップS2に処理を移行する。
ステップ33においてサーモオフ制御部46によってサーモオフが行われた場合、実行許可制御部45は、ステップS4で当該制御対象の冷媒回路10aに対応付けてメモリに記憶された、当該冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が予め定められた基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34において、実行許可制御部45は、当該冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が予め定められた基準時間以上であると判定した場合(ステップS34;YES)、ステップS7と同様に、室外ユニット3aの外気温センサ36から入力された制御信号が示す外気温が、予め定められた基準温度以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、実行許可制御部45は、外気温が予め定められた基準温度以上であると判定した場合(ステップS35;YES)、更に、室外ユニット3aの冷媒温度センサ37で検出された冷媒の温度が、予め定められた基準蒸発温度以下であるか否かを判定する(ステップS36)。
そして、ステップS36において、実行許可制御部45は、室外ユニット3aの冷媒温度センサ37で検出された冷媒の温度が予め定められた基準蒸発温度以下であると判定した場合には(ステップS36;YES)、ステップS8を実行し、デフロスト制御部44に当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行わせる。
尚、実行許可制御部45は、ステップS34において、当該冷媒回路10aにおける加温サイクル運転時間が予め定められた基準時間以上ではないと判定した場合(ステップS34;NO)、又は、ステップS35において、外気温が予め定められた基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS35;NO)、又は、ステップS36において、室外ユニット3aの冷媒温度センサ37で検出された冷媒の温度が予め定められた基準蒸発温度以下ではないと判定した場合(ステップS36;NO)は、当該制御対象の冷媒回路10aにおいてオフサイクルデフロストを行わせることをデフロスト制御部44に指示せずに、ステップS5の処理に移行する。
このように、第三実施形態の構成によれば、制御対象の冷媒回路においてサーモオフが行われている場合に(ステップS33)、当該制御対象の冷媒回路において連続して加温サイクルが予め定められた基準時間以上行われた(ステップS34;YES)ことによって、当該制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31に着霜が生じている虞があるときに、外気温が予め定められた外気温以上にまで高く(ステップS35;YES)、且つ、当該制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31から出た後の冷媒の温度が予め定められた蒸発温度以下にまで低くなっているときは(ステップS36;YES)、実行許可制御部45によって、当該制御対象の冷媒回路においてオフサイクルデフロストを行うようにデフロスト制御部44に指示がなされる。
つまり、サーモオフが行われることによって当該制御対象の冷媒回路内の圧縮機34が停止された状況を見計らって、当該制御対象の冷媒回路に係る室外ユニットの室外ファン32のみを駆動させて、効率よく当該制御対象の冷媒回路内の室外熱交換器31をデフロストすることができる。
尚、図4に示した第二実施形態における制御の流れの構成と同様にして、図6に示した第三実施形態における制御の流れの構成を、ステップS7において肯定的な判定結果がなされた後(ステップS7;YES)、ステップS21からステップS25を実行するように構成してもよい。
以上、本発明に係る冷凍装置の実施形態について説明したが、本発明に係る冷凍装置は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。また、上記図1乃至図6に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。