JP5505301B2 - 非可逆回路及び非可逆回路素子、それらに用いる中心導体組立体、並びに非可逆回路のインピーダンス調整方法 - Google Patents

非可逆回路及び非可逆回路素子、それらに用いる中心導体組立体、並びに非可逆回路のインピーダンス調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話等のマイクロ波通信機器等に使用されるアイソレータと呼ばれる非可逆回路、非可逆回路素子及びその中心導体組立体、並びに非可逆回路のインピーダンス調整方法に関する。
アイソレータは順方向の信号を通過させるが逆方向の信号を遮断する機能を有し、通信機器内での逆流信号を除去するのに用いられる。例えば携帯電話では、筐体の金属部分からの放射を利用して見かけ上のアンテナ体積を増して放射効率を向上しているが、近接する人体の影響を強く受けてインピーダンスが変動し、出力信号の一部がアンテナで反射して逆流信号が生じることがある。このような逆流信号が直接パワーアンプに入力すると電力効率が低下したりノイズが発生したりするため、アンテナとパワーアンプとの間にアイソレータを配置している。このようなアイソレータは、ガーネット等の磁性体(マイクロ波フェライト)と、これに交差するように配置された複数本の中心導体と、磁性体内に回転共鳴磁界を生じさせるための直流磁界を加える永久磁石とを備えている。
図2は特開2004-15430号に開示された2ポートアイソレータと呼ばれる非可逆回路素子の等価回路を示し、図28はその非可逆回路素子の構成を示す。この2ポートアイソレータは、第一の入出力ポートP1と、第二の入出力ポートP2と、両入出力ポートP1,P2の間に接続され、第一の並列共振回路を構成する第一のインダクタンス素子Lin及び第一のキャパシタンス素子Ciと、第一の並列共振回路と並列に接続された抵抗素子Rと、第二の入出力ポートP2とアースとの間に接続され、第二の並列共振回路を構成する第二のインダクタンス素子Lout及び第二のキャパシタンス素子Cfとを有する。2ポートアイソレータでは、第一の並列共振回路でアイソレーション(逆方向減衰)が最大となる周波数が設定され、第二の並列共振回路で挿入損失が最小となる周波数が設定される。
第一のインダクタンス素子Lin及び第二のインダクタンス素子Loutは、永久磁石30により直流磁界が印加されるフェライト板の主面側で交差する帯状導体よりなる第一の中心導体Lin及び第二の中心導体Loutにより構成される。磁性体と第一及び第二の中心導体とを有する部品は中心導体組立体4と呼ばれる。
この例では、第一のキャパシタンス素子Ci及び第二のキャパシタンス素子Cfはセラミック多層基板10内の電極パターンにより構成されている。セラミック多層基板10の主面には電極パッド15及び接続パッド17,18が設けられている。電極パッド15は、ビアホール電極及び側面電極を介して、セラミック多層基板10の側面に形成された第二の中心導体Loutの端子電極P2と接続している。接続パッド17は、ビアホール電極及び側面電極を介して、セラミック多層基板10の側面に形成された第一の中心導体Linの端子電極P1と接続している。接続パッド18は、ビアホール電極及び側面電極を介して、グランド電極GNDと接続している。第一のキャパシタンス素子Ci及び第二のキャパシタンス素子Cfとして、多層チップコンデンサや、誘電体基板の上下面に形成した単板コンデンサを使用する場合もある。永久磁石30、中心導体組立体4及びセラミック多層基板10は、磁性金属からなる上下のケース22、25に収容されている。
携帯電話の小型化及び多機能化による部品点数の増加に伴い、アイソレータの小型化も強く求められている。現在では外形寸法が3.2 mm×3.2 mm×1.2 mm又は3.2 mm×2.5 mm×1.2 mmのアイソレータが広く採用されているが、さらに例えば2.0 mm×2.0 mm×1.1 mmのように小型のアイソレータも要求されるようになった。このような小型化に伴い、2ポートアイソレータを構成する中心導体組立体も小型化する必要がある。
中心導体組立体として従来から様々の構成のもの、例えばフェライト板に銅箔を巻き付けた中心導体組立体や、図29に示すように中心導体となる電極パターンを印刷した複数枚の誘電体シートを積層し、一体的に焼成してなる積層体構造の中心導体組立体(特開平9-232818号に開示)等が提案されている。
2.0 mm×2.0 mmの小型のアイソレータを得るためには、中心導体組立体の外形寸法を1.5 mm×1.2 mm程度まで小さくする必要がある。中心導体組立体の小型化に伴い磁性体の体積が減少するとともに、中心導体が短くなるので、中心導体のインダクタンスも小さくなる。このため、所望の周波数で共振させるにはキャパシタンス素子の容量を大きくしなければならないが、非可逆回路素子の小型化のために困難である。その結果、外部回路のインピーダンスに対して入出力インピーダンスがずれて不整合が生じ、挿入損失の劣化、通過帯域幅の縮小等の問題が起こるおそれがある。
インピーダンスのずれに対応するために、非可逆回路の入出力ポートにインピーダンス整合回路を設けることも行われている。図27は第一の入出力ポートP1側に整合回路90を設けた例を示す。入力インピーダンスが誘導性を示す場合にはキャパシタンス素子Czを接続し、インピーダンスが容量性を示す場合にはインダクタンス素子を接続する。しかし、別途整合回路を設けると部品点数が増加し、非可逆回路素子の小型化が阻害されるという問題が生じる。
従って本発明の目的は、部品点数を増大することなくインピーダンスを調整し、もって別途整合回路を設けることなくインピーダンスのずれをなくすことができる中心導体組立体を提供することである。
本発明の別の目的は、かかる中心導体組立体を具備し、優れた挿入損失等の電気的特性を有する小型の非可逆回路及び非可逆回路素子を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、非可逆回路のインピーダンス調整方法を提供することである。
本発明の第一の中心導体組立体は、第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子が配置された非可逆回路に使用されるもので、
前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体が、磁性材基板に一体的に形成されており、
前記第二の中心導体は、前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差しており、
前記第二の中心導体の少なくとも一方の端部は、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように、屈曲していることを特徴とする。
第一の中心導体を流れる高周波電流に対してほぼ順方向又は逆方向に高周波電流が流れるように前記第二の中心導体の端部を屈曲させることにより、非可逆回路又は非可逆回路素子の入力インピーダンスについて、誘導性を強めたり容量性を強めたりすることができる。
第二の中心導体を、主面側の複数本の帯状導体と、裏面側の少なくとも一本の帯状導体を直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状にすると、インダクタンスを大きくすることができる。
本発明の第の中心導体組立体は、第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子が配置された非可逆回路に使用されるもので、
前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と、前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体が、磁性材基板に一体的に形成されており、
前記第二の中心導体は、前記基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状であり、
前記基板の主面側における前記複数本の帯状導体は磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差しており、
前記基板の主面側における前記第二の中心導体の複数本の帯状導体の各々の少なくとも一方の端部は、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように、屈曲していることを特徴とする。
第一及び第二の中心導体組立体において、前記第一の中心導体の一部は前記基板の主面に形成されており、他の部分は前記基板内に形成されているのが好ましい。
前記第一のインダクタンス素子は前記第二のインダクタンス素子よりインダクタンスが小さいのが好ましい。前記第一の中心導体と前記第二の中心導体の端部はそれぞれビアホール又は基板側面に形成された電極により底面に形成された端子電極に導通しているのが好ましい。
本発明の非可逆回路は、上記中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記第一のインダクタンス素子と第一の並列共振回路を構成する第一のキャパシタンス素子と、前記第二のインダクタンス素子と第二の並列共振回路を構成する第二のキャパシタンス素子とを備えているのが好ましい
本発明の非可逆回路素子は、上記中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記第一のインダクタンス素子と第一の並列共振回路を構成する第一のキャパシタンス素子と、前記第二のインダクタンス素子と第二の並列共振回路を構成する第二のキャパシタンス素子とを備え、前記第一及び第二のキャパシタンス素子は多層基板に内蔵されており、前記中心導体組立体は前記多層基板の主面に実装されているのが好ましい
第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子及び第一のキャパシタンス素子を備えた第一の並列共振回路が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子及び第二のキャパシタンス素子とを備えた第二の並列共振回路が配置された非可逆回路のインピーダンスを調整する本発明の第一の方法は、
前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体とを磁性材基板に一体的に形成し、
前記第二の中心導体を前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差させ、
前記第二の中心導体の少なくとも一方の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように屈曲し、もって前記第二の並列共振回路の共振周波数におけるインピーダンスを調整することを特徴とする。
上記非可逆回路のインピーダンス調整方法において、(a) 前記第二の中心導体のアースポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向となるように屈曲するか、第二の入出力ポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して逆方向となるように屈曲すると、共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線に沿って反時計方向に移動させることができ、(b) 前記第二の中心導体のアースポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して逆方向となるように屈曲するか、第二の入出力ポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向となるように屈曲すると、共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線に沿って時計方向に移動させることができる。
第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子及び第一のキャパシタンス素子を備えた第一の並列共振回路が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子及び第二のキャパシタンス素子とを備えた第二の並列共振回路が配置された非可逆回路のインピーダンスを調整する本発明の第二の方法は、
前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体とを磁性材基板に一体的に形成し、
前記第二の中心導体を、前記基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状とし、
前記第二の中心導体の複数本の帯状導体を前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差させ、前記基板の主面側における前記第二の中心導体の複数本の帯状導体の各々の少なくとも一方の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように屈曲し、もって前記第二の並列共振回路の共振周波数におけるインピーダンスを調整することを特徴とする。
第二の中心導体の少なくとも一方の端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように屈曲した本発明の中心導体組立体を用いると、非可逆回路素子を小型化しても、別途整合回路を用いることなくインピーダンスのずれを小さくすることができ、優れた挿入損失等の電気的特性が得られる。また、第二の中心導体を、前記基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状とすることにより、インダクタンスを大きくすることができ、もって中心導体組立体の小型化に寄与する。
本発明の一実施形態による非可逆回路素子を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子の等価回路を示す図である。 本発明の一実施形態による中心導体組立体の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による中心導体組立体の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子における高周波電流の方向を示す模式図である。 中心導体組立体の一モデルを示す平面図である。 図6(a) の中心導体組立体モデルに対して高周波三次元電磁界シミュレーションにより求めたインピーダンス特性図である。 中心導体組立体の別のモデルを示す平面図である。 図7(a) の中心導体組立体モデルに対して高周波三次元電磁界シミュレーションにより求めたインピーダンス特性図である。 中心導体組立体のさらに別のモデルを示す平面図である。 図8(a) の中心導体組立体モデルに対して高周波三次元電磁界シミュレーションにより求めたインピーダンス特性図である。 中心導体組立体のさらに別のモデルを示す平面図である。 図9(a) の中心導体組立体モデルに対して高周波三次元電磁界シミュレーションにより求めたインピーダンス特性図である。 中心導体組立体のさらに別のモデルを示す平面図である。 図10(a) の中心導体組立体モデルに対して高周波三次元電磁界シミュレーションにより求めたインピーダンス特性図である。 本発明の別の実施形態による中心導体組立体を示す平面図である。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体を示す平面図である。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体を示す平面図である。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体の外観を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体の外観を示す斜視図である。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子のS11インピーダンス特性を示すスミスチャートである。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子のS22インピーダンス特性を示すスミスチャートである。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子の挿入損失特性と入力(P1)側V.S.W.R特性を示すグラフである。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子のアイソレーション特性と出力(P2)側V.S.W.R特性を示すグラフである。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体の外観を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態による中心導体組立体の内部構造を示す分解斜視図である。 実施例2の非可逆回路素子のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 参考例1の非可逆回路素子のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 実施例3の非可逆回路素子のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 実施例2、参考例1及び実施例3の非可逆回路素子の挿入損失特性を示すグラフである。 実施例2、参考例1及び実施例3の非可逆回路素子のリターンロス特性を示すグラフである。 従来の非可逆回路素子の等価回路を示す図である。 従来の非可逆回路素子を示す分解斜視図である。 従来の中心導体組立体の内部構造を示す分解斜視図である。
図1は本発明の一実施形態による非可逆回路素子の構造を示し、図2はその等価回路を示す。この非可逆回路素子は、中心導体組立体4と、中心導体組立体4を実装するセラミック多層基板(コンデンサ積層体)5と、セラミック多層基板5に搭載された抵抗体Rと、中心導体組立体4に直流磁界を印加する永久磁石3と、磁性ヨークを兼ねた上下の金属ケース1,2とを具備する。図3は中心導体組立体4の外観を示し、図4は中心導体組立体4の内部構造を示す。図5は、この非可逆回路素子の入力側(P1側)に電源をつなぎ、出力側(P2側)に整合負荷を繋いだ場合の高周波電流の流れの方向を示す。
中心導体組立体4は、第一の線路165a、165b、第二の線路167a、167b及び第三の線路160a、160bからなる第一の中心導体と、一本の線路からなる第二の中心導体150とを備えている。中心導体組立体4は層S1〜S3の順で積層され、層S2、S3に形成された各線路は帯状導体で形成されている。層S3上で、第一の線路165a、165b及び第二の線路167a、167bは第二の中心導体150の両側に対称に配置されている。層S2上に形成された第三の線路160a、160bは、層S3に設けられたビアホール(図中黒丸に示す)を介して、第一の線路165a、165bの一端及び第二の線路167a、167bの一端と接続している。その結果、第一の中心導体と第二の中心導体とは磁性体層を介して交差する。また層S3だけを誘電体で形成すると、第一の中心導体と第二の中心導体とは誘電体層を介して交差することになる。
この例では、第一の中心導体は2本の並列線路165aと165b、167aと167b、及び160aと160bからなり、第二の中心導体は1本の線路150からなる。このような構成により、第一の中心導体により得られるインダクタンスを第二の中心導体により得られるインダクタンスより小さく、もってインピーダンスを調整し、優れた電気的特性が得られる。
図示の例では、第一〜第三の線路165aと165b、167aと167b、及び160aと160bはそれぞれ平行であり、かつ第二の中心導体150と直交しているが、限定的ではなく、本発明の効果が得られる範囲内で適宜変更可能である。
第一の中心導体と第二の中心導体との交差角度θ(図3)が90°未満であると入力インピーダンスは容量性を示し、90°超であると入力インピーダンスは誘導性を示す。このようなインピーダンスの変化を加えることによりインピーダンスの調整しろを大きくできるが、交差角度を変える場合には印加磁界の調整も必要となり、非可逆回路として動作させるのに必要な磁界が得られない場合もある。そのため、交差角度の範囲は80°〜110°とするのが好ましい。
本発明の第一の特徴は、第二のインダクタンス素子Loutを構成する第二の中心導体150の少なくとも一方の端部を屈曲させた点にある。図5に示すように、電源からの電流は、第一のインダクタンス素子Linを構成する第一の中心導体を通り、第二のインダクタンス素子Loutを構成する第二の中心導体を流れる。この実施形態では、第二の中心導体はL字状に屈曲しており、屈曲した端部は、第一の中心導体と平行に、かつ第一の中心導体を流れる電流と順方向に延在している。
中心導体の形成方法は限定的ではなく、例えば、磁性体層に導体ペーストを印刷する方法、ポリイミド等の可撓性耐熱絶縁シートの両面に導体層を形成した後エッチングする法等が挙げられる。
中心導体組立体4に用いる磁性体は、永久磁石からの直流磁界に対して非可逆回路としての機能を果たすものであれば良い。好ましい磁性材として、イットリウム−鉄−ガーネット(YIG)等のようなガーネット構造を有するマイクロ波フェライトが挙げられるが、使用周波数によってはNi系フェライト等のスピネル構造を有するフェライトを用いることもできる。YIGの場合、Yの一部をGd,Ca,V等で置換しても良く、またFeの一部をAl,Ga等で置換しても良い。また第一及び第二の中心導体を印刷する場合、中心導体と同時焼成可能なように、YIGに所定量のBiを添加しても良い。
中心導体組立体4に直流磁界を印加する永久磁石3は、上ケース1の内面に接着剤等により固定される。永久磁石3は、コスト及びマイクロ波フェライトとの温度特性の相性の観点から、フェライト磁石[例えば(Sr/Ba)O・nFe2O3]が好ましい。さらに(Sr/Ba)RO・n(FeM)2O3(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種の元素で、Sr及び/又はBaの一部を置換し、MはCo、Mn、Ni及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で、Feの一部を置換している)により表される組成を有し、マグネトプランバイト型結晶構造を有し、R元素及び/又はM元素が化合物の状態で仮焼後の粉砕工程で添加されたフェライト磁石は、高い磁束密度を有し、非可逆回路素子の更なる小型化を可能にする。フェライト磁石の磁気特性としては、残留磁束密度Brが430 mT以上、特に440 mT以上であり、保持力iHcが340 kA/m以上であり、最大エネルギー積(BH)maxが35 kJ/m3以上であるのが好ましい。
セラミック多層基板5はLTCC(Low-Temperature-Cofireable Ceramics)法により作製することができる。この方法では、低温焼成可能なセラミックスからなる誘電体シート上に、Ag,Cu等を主体とする導電ペーストを印刷して所望の導体パターンを形成し、得られた複数の導体パターン付き誘電体シートを積層し、焼成する。セラミック多層基板5に低温焼結可能なセラミックスを用いると、電極パターンに導電率の高い金属を使用することができ、もって電気抵抗による損失を抑えることができる。その上、高いQ値を有する誘電体材料を用いれば、極めて損失の小さい非可逆回路素子が得られる。
第二の中心導体150の端部に形成する屈曲部151が非可逆回路素子に与える影響を、高周波三次元電磁界シミュレーションを用いて評価した結果をスミスチャート(図6〜図10)に示す。中心導体組立体中のA〜Cは、図2の等価回路における接続点A〜Cに対応し、点線は接続状態を示し、矢印は電流iの方向を示す。
図6(a) は第二の中心導体150に屈曲部を設けない従来のモデル(1.95 GHzで整合するように設計されている)を示し、図6(b) はそのS11及びS22のインピーダンス特性を示す。図7(a) は第二の中心導体150の接続点C(グランド)側の端部を、第一の中心導体と平行に、かつそこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる電流に対して順方向となるように屈曲したモデルを示し、図7(b) はそのS11及びS22のインピーダンス特性を示す。図8(a) は第二の中心導体150の接続点C(グランド)側の端部を、第一の中心導体と平行に、かつそこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる電流に対して逆方向となるように屈曲したモデルを示し、図8(b) はそのS11及びS22のインピーダンス特性を示す。図9(a) は第二の中心導体150の接続点B(第二の入出力ポートP2)側の端部を、第一の中心導体と平行に、かつそこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる電流に対して逆方向となるように屈曲したモデルを示し、図9(b) はそのS11及びS22のインピーダンス特性を示す。図10(a) は第二の中心導体150の接続点B(第二の入出力ポートP2)側の端部を、第一の中心導体と平行に、かつそこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる電流に対して順方向となるように屈曲したモデルを示し、図10(b) はそのS11及びS22のインピーダンス特性を示す。
シミュレーションの結果、(a) 第一の中心導体を流れる高周波電流の方向に対し、第二の中心導体150のアースポート側端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体中の電流と逆方向となるように屈曲するか、第二の中心導体150の第二の入出力ポートP2側の端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体中の電流と逆方向となるように屈曲すると、共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線の反時計方向に移動させることができ、かつ(b) 第二の中心導体150のアースポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体中の電流に対して順方向となるように屈曲するか、第二の中心導体150の第二の入出力ポートP2側の端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体中の電流に対して順方向となるように屈曲すると、共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線の時計方向に移動させることができることが分かった。また、屈曲部151が長い程、インピーダンスの変化量は大きくなることも分った。これから明らかなように、第二の中心導体150のいずれの端部に屈曲部151を設けても、第一の中心導体を流れる電流に対して第二の中心導体150の屈曲部151を流れる電流が順方向であれば、インピーダンスは容量性が強まり、逆方向であればインピーダンスは誘導性が強まる。
このような変化は、第二の中心導体150の屈曲部151を流れる電流により生じる磁界が、第一の中心導体による高周波磁界に作用し、中心導体組立体4中に発生する磁束分布を変化させることにより生じるものと推察される。
これらの例では第二の中心導体150の端部が同じ幅のまま第一の中心導体と平行になるようにL字状に屈曲されているが、屈曲部151の幅及び第一の中心導体に対する角度を変化させても良い。図11に示す例では第二の中心導体150の屈曲部151は第一の中心導体に対して鈍角であり、図12に示す例では第二の中心導体150の屈曲部151はJ字状であり、図13に示す例では第二の中心導体150の屈曲部151は幅広である。これらの場合も、屈曲部151の電流方向が第一の中心導体における電流方向に対して順方向であればインピーダンスは容量性が強まり、逆方向であればインピーダンスは誘導性が強まる。
また、第一の中心導体を中心導体組立体4の内部に形成した連続帯状電極により構成した場合や、第一の中心導体及び第二の中心導体150の両方を中心導体組立体4の内部に形成した場合も、同様の結果が得られる。
なお、第一の中心導体と第二の中心導体の端部150との距離が厚さ方向に大きくなるにつれてインピーダンスの変化は小さくなる。例えば、第二の中心導体150の屈曲端部をセラミック多層基板5の裏面に形成すると、インピーダンスの変化は著しく小さくなる。
屈曲部151は第二の中心導体150の両端に形成しても良い。第二の中心導体150の各端部が第一の中心導体を流れる電流に対して順方向となるように屈曲する場合、インピーダンスの変化は一端側のみを屈曲させる場合より大きくなるとともに、第二の中心導体150が長くなる分だけインダクタンスも大きくなる。また図14に示すように、第二の中心導体150の一端側を順方向となるように屈曲し、他端側を逆方向となるように屈曲すれば、インピーダンスの変化を抑えつつインダクタンスを大きくすることができる。また屈曲部151,151の長さを両端で異ならせれば、インダクタンスを大きくできるだけでなく、インピーダンスの調整を行うこともできる。
本発明の第二の特徴は、第二の中心導体150が、基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状であり、第二の中心導体150の複数本の帯状導体が基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して第一の中心導体と交差することである。この構成により、インダクタンスを大きくでき、中心導体組立体4をいっそう小型化できる。典型的には、第二の中心導体150の主面側の帯状導体が2本で、裏面側の帯状導体が1本であるが、限定的ではない。主面側及び裏面側の帯状導体を多くすることにより、コイルのターン数が増大し、インダクタンスは大きくなる。
実施例1
この非可逆回路素子は図1に示す基本構成を有し、図4に示すように磁性材(マイクロ波フェライト)からなる矩形状基板(磁性体層)に第一及び第二の中心導体用線路を形成し、積層してなる中心導体組立体4(第二の中心導体150は主面上で第一の中心導体と電気的絶縁状態で交差する)と、内部にコンデンサCi及びCfが形成され、表面に電極パターン501〜503が形成され、抵抗素子Rを実装したセラミック多層基板5と、セラミック多層基板5を収容する下ケース7と、マイクロ波フェライトに直流磁界を印加する永久磁石3と、永久磁石3を収容し、下ケース7と係合する上ケース1とを具備する。
図2に示すように、この非可逆回路素子の等価回路は、第一のインダクタンス素子Linと、第二のインダクタンス素子Loutと、第一のインダクタンス素子Linと第一の並列共振回路を構成する第一のキャパシタンス素子Ciと、第二のインダクタンス素子Loutと第二の並列共振回路とを構成する第二のキャパシタンス素子Cfと、第一の入出力ポートP1と第二の入出力ポートP2の間に接続された抵抗素子Rとを具備する。
中心導体組立体4の外観を図15に示す。この中心導体組立体4は、第二の中心導体150の端部の屈曲方向、端子電極200a(図4)の位置、及び端子電極200aと接続するビアホールの位置以外、図3に示す中心導体組立体と同じである。従って、第二の中心導体150の端部の屈曲方向は第一の中心導体を流れる高周波電流に対して逆方向である。
中心導体組立体4は、中心導体用の帯状導体を形成した磁性体層を積層してなる構造を有する。中心導体組立体4の製造方法は以下の通りである。まず、Y2O3、Bi2O3、CaCO3、Fe2O3、In2O3、Al2O3及びV2O5からなるガーネットフェライト用原料をボールミルで湿式混合し、得られたスラリーを乾燥した後850℃で仮焼し、ボールミルで湿式粉砕し、多結晶磁性セラミック粉末を得た。磁性セラミック粉末の組成は、(Y1.45Bi0.85Ca0.7)(Fe3.95In0.3Al0.4V0.35)O12(原子比)であった。磁性セラミック粉末に有機バインダー(例えばポリビニルブチラール)、可塑剤(例えばブチルフタリルブチルグリコレート)、及び有機溶剤(例えばエタノール又はブタノール)をボールミルで混合し、粘度を調整した後、ドクターブレード法により磁性セラミック(ガーネットフェライト)粉末のグリーンシートを成形した。グリーンシートは、焼結後の厚さがそれぞれ15μm,25μm及び50μmの三種類とした。層S1には厚さ50μmのグリーンシートを2枚用い、層S2には厚さ25μmのグリーンシートを用い、層S3には厚さ15μmのグリーンシートを用いた。
各グリーンシート上に、Ag、Cu等の導電性ペーストを所定のパターンに印刷して第一及び第二の中心導体用電極パターンを形成するとともに、スルーホールに導電性ペーストを充填してビアホールを形成した。電極パターンを形成したグリーンシートを積層して熱圧着し、所定のサイズに鋼刃によりスリットを設けた後、焼成して、複数の中心導体組立体を有する集合基板を作製した。集合基板をスリットに沿って分割し、個々の中心導体組立体を得た。
得られた中心導体組立体4の外形寸法は1.4 mm×1.1 mm×0.16 mmであった。第一の中心導体の各線路は幅0.16 mm及び厚さ10μmであり、第一〜第三の線路のピッチ(中心間距離)は0.36 mmであり、第三の線路160と第二の中心導体150との間隔は15μmであった。ビアホールを含む第一の中心導体の長さは0.94 mmであった。また第二の中心導体150は幅0.12 mm、厚さ10μm、及び長さ1.24 mm(ビアホールを含む)であった。第二の中心導体150の端部を第一の中心導体と平行に、かつそこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる電流に対して逆方向となるように屈曲した。屈曲部151の長さ(第二の中心導体150の中心線と屈曲部151のビアホールの中心との間の距離)は0.15 mmであった。
中心導体組立体4に直流磁界を印加する永久磁石3として、1.8 mm×1.5 mm×0.35 mmのLa-Co置換型フェライト磁石(日立金属株式会社製YBM-9BE、残留磁束密度Br:430〜450 mT、固有保磁力iHc:382〜414 kA/m)を用いた。
セラミック多層基板5は、電極パターンを形成した誘電体セラミックシートを積層し、一体的に焼結した積層体からなり、内部にコンデンサCi,Cfを構成する容量電極を形成した。多層基板の上面に、中心導体組立体4の端子電極200a〜200dと接続する電極501〜503を形成し、裏面に、金属製下ケース2と一体的に成形された樹脂ケース7に設けられた実装端子IN,OUT,GNDと接続する入出力端子及びグランド端子を設けた。
図1に示すように、樹脂ケース7内に順にセラミック多層基板5及び中心導体組立体4を配置して、電気的に接続し、さらに永久磁石3及び金属製上ケース1を配置し、2.0 mm×2.0 mm×1.1 mmの非可逆回路素子を得た。この非可逆回路素子の動作中心周波数は1.95 GHzであった。
比較例1
比較例1の非可逆回路素子は、中心導体組立体の第二の中心導体150に屈曲部151を設けない以外、実施例1と同様に作製した。
実施例1及び比較例1の非可逆回路素子の挿入損失及びアイソレーションの測定結果を図16〜図19に示す。図16はS11インピーダンス特性を示し、図17はS22インピーダンス特性を示す。図18は挿入損失特性と入力(P1)側のV.S.W.R特性を示し、図19はアイソレーションと出力(P2)側のV.S.W.R特性を示す。比較例1の入出力インピーダンスは容量性が強く現れているが、実施例1では補正されていることが分かる。実施例1の非可逆回路素子は0.4 dBと小さな挿入損失を示したが、比較例1の非可逆回路素子は約0.55 dBと大きな挿入損失を示した。アイソレーションに関しては、実施例1の非可逆回路素子は比較例1のものと比べて大きかった。以上の結果から、中心導体組立体における第二の中心導体150の屈曲部151がインピーダンス特性、挿入損失特性及びアイソレーション特性に大きく影響を及ぼすことが分かる。
実施例2
実施例2の非可逆回路素子は実施例1と同じ基本構成及び外形寸法を有するが、その中心導体組立体4は図20に示す外観及び図21に示す内部構造を有した。層S1及び層S2には厚さ50μmのグリーンシートを用い、層S3には厚さ25μmのグリーンシートを用い、層S4には厚さ15μmのグリーンシートを用いた。
動作中心周波数が900 MHzと実施例1より低いため、中心導体組立体4の第二の中心導体は、1.5ターンのコイルとして機能するように、主面側に形成された複数本(2本)の帯状導体150a、150bと、裏面に形成された一本の帯状導体150cとをビアホールで接続することにより形成した。帯状導体150a,150bの端部は、第一の中心導体と平行にかつ逆方向となるように屈曲した。
この中心導体組立体は、実施例1と同じ外形寸法を有した。第一の中心導体の各線路は幅0.12 mm及び厚さ10μmであり、第一〜第三の線路のピッチ(中心間距離)は0.28 mmであり、第三の線路160と第二の中心導体150との間隔は15μmであった。ビアホールを含む第一の中心導体の長さは1.04 mmであった。第二の中心導体の各帯状導体150a,150bは、幅0.12 mm、厚さ10μm、及び長さ1.28 mm(ビアホールを含む)であった。屈曲部151の長さ(各第二の中心導体の中心線から屈曲部のビアホールの中心との間で)は0.12 mmであった。
参考例1
第二の中心導体の線路150a,150bの端部を屈曲しない以外実施例2と同じ中心導体組立体を用いて、実施例1と同様にして非可逆回路素子を作製した。
実施例3
図14に示すように、(a) 第二の中心導体150を幅0.12 mm及び厚さ10μmの一本の線路により形成し、(b) 第二の中心導体150の一方の端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる高周波電流の方向に対して逆方向となるように屈曲し、(c) アースポート側の他端部を、そこを流れる高周波電流が第一の中心導体を流れる高周波電流の方向に対して順方向となるように屈曲し、かつ(d) 各屈曲部の長さを0.12 mmとした以外実施例1と同様にして、中心導体組立体を作製した。この中心導体組立体を用いて、非可逆回路素子を作製した。セラミック多層基板5内に形成したコンデンサは実施例2のものより高容量とした。
図22〜24はそれぞれ実施例2、参考例1及び実施例3のS11インピーダンス特性及びS22インピーダンス特性を示す。図25及び図26はそれぞれ実施例2、参考例1及び実施例3の挿入損失特性及び入力(P1)側のリターンロス特性を示す。第二の中心導体150を1.5ターンのコイルで構成した実施例2及び参考例1の非可逆回路素子は、屈曲部を設けたが第二の中心導体150を一本の線路で構成した実施例3の非可逆回路素子より良好な挿入損失特性及びリターンロス特性を示した。中でも、第二の中心導体150を1.5ターンのコイルで構成するとともに、屈曲部151を設けた実施例2の非可逆回路素子は、最良の挿入損失特性及びリターンロス特性を示した。

Claims (11)

  1. 第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子が配置された非可逆回路に使用される中心導体組立体であって、
    前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と、前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体が、磁性材基板に一体的に形成されており、
    前記第二の中心導体は、前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差しており、
    前記第二の中心導体の少なくとも一方の端部は、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように、屈曲していることを特徴とする中心導体組立体。
  2. 請求項1に記載の中心導体組立体において、前記第一の中心導体の一部及び前記第二の中心導体は前記基板の主面に形成されており、前記第一の中心導体の他の部分は前記基板内に形成されていることを特徴とする中心導体組立体。
  3. 請求項1又は2に記載の中心導体組立体において、前記第一のインダクタンス素子は前記第二のインダクタンス素子よりインダクタンスが小さいことを特徴とする中心導体組立体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の中心導体組立体において、前記第一の中心導体と前記第二の中心導体の端部はそれぞれビアホール又は基板側面に形成された電極により底面に形成された端子電極に導通していることを特徴とする中心導体組立体。
  5. 第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子が配置された非可逆回路に使用される中心導体組立体であって、
    前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と、前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体が、磁性材基板に一体的に形成されており、
    前記第二の中心導体は、前記基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状であり、
    前記基板の主面側における前記複数本の帯状導体は磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差しており、
    前記基板の主面側における前記第二の中心導体の複数本の帯状導体の各々の少なくとも一方の端部は、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように、屈曲していることを特徴とする中心導体組立体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の中心導体組立体を具備する非可逆回路であって、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記第一のインダクタンス素子と第一の並列共振回路を構成する第一のキャパシタンス素子と、前記第二のインダクタンス素子と第二の並列共振回路を構成する第二のキャパシタンス素子とを備えたことを特徴とする非可逆回路。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の中心導体組立体を具備する非可逆回路素子であって、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記第一のインダクタンス素子と第一の並列共振回路を構成する第一のキャパシタンス素子と、前記第二のインダクタンス素子と第二の並列共振回路を構成する第二のキャパシタンス素子とを備え、前記第一及び第二のキャパシタンス素子は多層基板に内蔵されており、前記中心導体組立体は前記多層基板の主面に実装されていることを特徴とする非可逆回路素子。
  8. 第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子及び第一のキャパシタンス素子を備えた第一の並列共振回路が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子及び第二のキャパシタンス素子とを備えた第二の並列共振回路が配置された非可逆回路のインピーダンスを調整する方法であって、
    前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体とを磁性材基板に一体的に形成し、
    前記第二の中心導体を前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差させ、
    前記第二の中心導体の少なくとも一方の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように屈曲し、もって前記第二の並列共振回路の共振周波数におけるインピーダンスを調整することを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の非可逆回路のインピーダンス調整方法において、前記第二の中心導体のアースポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向となるように屈曲するか、第二の入出力ポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して逆方向となるように屈曲し、もって共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線に沿って反時計方向に移動させることを特徴とする方法。
  10. 請求項8に記載の非可逆回路のインピーダンス調整方法において、前記第二の中心導体のアースポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して逆方向となるように屈曲するか、第二の入出力ポート側の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向となるように屈曲し、もって共振周波数におけるインピーダンスをスミスチャートの等コンダクタンス曲線に沿って時計方向に移動させることを特徴とする方法。
  11. 第一の入出力ポートと第二の入出力ポートとの間に第一のインダクタンス素子及び第一のキャパシタンス素子を備えた第一の並列共振回路が配置され、第二の入出力ポートとアースポートとの間に第二のインダクタンス素子及び第二のキャパシタンス素子とを備えた第二の並列共振回路が配置された非可逆回路のインピーダンスを調整する方法であって、
    前記第一のインダクタンス素子を構成する第一の中心導体と前記第二のインダクタンス素子を構成する第二の中心導体とを磁性材基板に一体的に形成し、
    前記第二の中心導体を、前記基板の主面側に形成された複数本の帯状導体と、裏面側に形成された少なくとも一本の帯状導体とを直列に接続してなる1.5ターン以上のコイル状とし、
    前記第二の中心導体の複数本の帯状導体を前記基板の主面側で磁性体層又は誘電体層を介して前記第一の中心導体と交差させ、
    前記基板の主面側における前記第二の中心導体の複数本の帯状導体の各々の少なくとも一方の端部を、そこを流れる高周波電流が前記第一の中心導体を流れる高周波電流に対して順方向又は逆方向となるように屈曲し、もって前記第二の並列共振回路の共振周波数におけるインピーダンスを調整することを特徴とする方法。
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