JP5505040B2 - 空調コントローラ - Google Patents

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本発明は、1の空調対象空間を空調する複数の空調要素の動作を制御する空調コントローラに関する。
従来より、1の空調対象空間を複数の空調要素(例えば、空調設備の室内機)により空調することがある。1の空調対象空間は、複数の空調要素がそれぞれ主として空調する複数の空調エリアに仮想的に分割されるが、ユーザが不在の空調エリア(以下、不在エリア)に対しては空調の必要がない。そこで、省エネルギーを目的として、赤外線センサなどを設置し、不在エリアが自動的に検出される場合には不在制御モードを実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1の特開2006−125727号公報)。なお、不在制御モードとは、不在エリアに対応する空調要素を停止又は能力低下させる制御モードである。
しかしながら、本発明者は、現実には不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも、空調要素全体では反って増エネルギーになることがあるという知見を発見した。その主な原因は、不在制御モードが実行される、つまり、不在エリアに対応する空調要素が停止又は能力低下させられると、不在エリアに対応する空調要素の分まで隣接する他の空調要素が能力を代替して供給することにある。つまり、通常、不在エリアに対応する空調要素のエネルギー消費量は減少するものの、運転効率の悪い高回転域の他の空調要素のエネルギー消費量がそれ以上に増加するからである。
図1は、従来の不在制御モードによる上記問題点を概念的に説明する図である。図1(a)および(b)のように、1の空調対象空間Sが、3×3のマトリクス状の計9つの空調エリアS1〜S9に分割されている場合を考える。空調エリアS1〜S9には、それぞれ空調設備の室内機A1〜A9が配置されている。かかる環境下で、室内機A1〜A9が均一空調を行っている(言い換えると、室内機A1〜A9に同じ運転設定がされている、例えば、室内機A1〜A9に設定温度、風向および風量が同じで同時発停するような設定がされている)図1(a)の状態の室内機A1〜A9全体でのエネルギー消費量は、図1(c)のようになると考えられる。一方、図1(a)の状態から中央の室内機A5の熱交換が停止し図1(b)の状態になった時の室内機A1〜A9全体でのエネルギー消費量は、図1(d)のようになると考えられる。つまり、図1(b)の状態では、熱交換の停止中の室内機A5のエネルギー消費量がほぼゼロになっているにもかかわらず、全体でのエネルギー消費量が図1(a)の状態よりも多くなってしまう。空調エリアS5の十分に空調されていない空気が周辺の空調エリアS2,S4,S6,S8へと拡散し、室内機A2,A4,A6,A8がそれぞれ空調エリアS2,S4,S6,S8のみならず空調エリアS5まで空調する結果となり、室内機A2,A4,A6,A8のエネルギー消費量が増加するからである。
本発明の課題は、1の空調対象空間を複数の空調要素により空調する場合において、空調要素全体での省エネ性を向上させる空調コントローラを提供することにある。
第1発明に係る空調コントローラは、実行部と、特定部と、判断部とを備え、複数の空調要素の動作を制御する。複数の空調要素は、空調対象空間に含まれる複数の空調エリアをそれぞれ空調する。実行部は、不在制御モードを実行可能である。不在制御モードとは、不在エリアに対応する空調要素を停止又は能力低下させる制御モードである。不在エリアとは、ユーザが不在の空調エリアである。特定部は、不在エリアを特定する。判断部は、空調対象空間における特定部により特定された不在エリアのパターンに基づいて、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。また、判断部は、上記パターンとして空調対象空間における不在エリアの数を評価し、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。なお、空調要素とは、空調設備の室内機、又はその吹出口など、空調エリアを空調する任意の単位を意味する。また、空調対象空間における不在エリアのパターンとは、空調対象空間における不在エリアのマップ、又は不在エリアの数など、空調対象空間において不在エリアがどのように生じているのかを示す任意の指標を意味する。
ここでは、空調対象空間に不在エリアが存在するとしても、不在制御モードが必ず実行されるようにはなっておらず、空調対象空間における不在エリアのパターンに基づいて、不在制御モードの実行の適否が判断される。これにより、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行を回避し、空調要素全体での省エネ性を向上させることができる。また、空調対象空間における不在エリアの数に基づいて、不在制御モードの実行の適否が判断される。例えば、不在エリアの数が所定数より多ければ、不在制御モードの実行が許容され、所定数以下であれば、不在制御モードの実行が禁止される。これにより、不在制御モードの実行の適否が簡易に判断される。
第2発明に係る空調コントローラは、第1発明に係る空調コントローラであって、判断部は、上記パターンに基づいて、不在制御モードを実行する場合および実行しない場合のどちらの方が空調要素全体での省エネ性が高くなるのかを判断し、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。
ここでは、空調対象空間における不在エリアのパターンに基づいて、不在制御モードが実行される場合、および実行されない場合(例えば、均一空調中であれば、均一空調が維持される場合や、全空調要素がサーモオン状態であれば、当該状態を維持する場合)のどちらの方が空調要素全体での省エネ性が高くなるのかが判断され、当該判断の結果に基づいて、不在制御モードの実行の適否が判断される。これにより、不在制御モードが実行されると不在制御モードが実行されない場合よりも空調要素全体では反って増エネルギーになるような状況をより適切に判断し、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行をより適切に回避することができる。
第3発明に係る空調コントローラは、第1発明又は第2発明に係る空調コントローラであって、判断部は、上記パターンに基づいて、不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量を定量化することにより、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。
ここでは、空調対象空間における不在エリアのパターンに基づいて、不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量が定量化され、当該エネルギー消費量に基づいて、不在制御モードの実行の適否が判断される。これにより、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行をより適切に回避することができる。
第4発明に係る空調コントローラは、第1発明又は第2発明に係る空調コントローラであって、判断部は、予め設定されている、上記パターンと不在制御モードの実行の適否に関する情報との関係を示す情報にさらに基づいて、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。
ここでは、空調対象空間における不在エリアのパターンと、不在制御モードの実行の適否に関する情報との関係を示す情報が予め定義されている。そして、当該情報と、空調対象空間における現実の不在エリアのパターンとに基づいて(例えば、後者を前者に照らし合わせることにより)、不在制御モードの実行の適否が判断される。これにより、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行をより適切に回避することができる。
第5発明に係る空調コントローラは、第1発明から第4発明のいずれかに係る空調コントローラであって、判断部は、空調要素の負荷にさらに基づいて、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。
一般に、空調要素のエネルギー消費量は、空調要素の負荷に応じて変動する。ここでは、不在制御モードの実行の適否の判断時に、空調要素の負荷が考慮される。従って、空調要素全体での省エネ性の観点から、不在制御モードの実行の適否をより適切に判断することができる。
第6発明に係る空調コントローラは、第3発明に係る空調コントローラであって、判断部は、空調要素の負荷に応じて選定されるモデルに従って、不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量を定量化する。
一般に、空調要素のエネルギー消費量は、空調要素の負荷に応じて変動する。ここでは、不在制御モードの実行の適否の判断時に、不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量が定量化され、考慮される。さらに、エネルギー消費量を定量化する際には、空調要素の負荷が考慮される。従って、空調要素全体での省エネ性の観点から、不在制御モードの実行の適否をより適切に判断することができる。
第7発明に係る空調コントローラは、第1発明から第6発明のいずれかに係る空調コントローラであって、判断部は、空調要素の能力制限にさらに基づいて、実行部による不在制御モードの実行の適否を判断する。
一般に、空調要素のエネルギー消費量は、空調要素の能力制限に影響される。例えば、デマンド運転中に空調設備の圧縮機に上限周波数が設定され、空調要素のエネルギー消費量にも上限が定まるような場合である。ここでは、不在制御モードの実行の適否の判断時に、空調要素の能力制限が考慮される。従って、空調要素全体での省エネ性の観点から、不在制御モードの実行の適否をより適切に判断することができる。
第8発明に係る空調コントローラは、第3発明又は第6発明に係る空調コントローラであって、判断部は、空調要素の能力制限に応じて選定されるモデルに従って、不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量を定量化する。
一般に、空調要素のエネルギー消費量は、空調要素の能力制限に影響される。例えば、デマンド運転中に空調設備の圧縮機に上限周波数が設定され、空調要素のエネルギー消費量にも上限が定まるような場合である。ここでは、不在制御モードの実行の適否の判断時に、不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量が定量化され、考慮される。さらに、エネルギー消費量を定量化する際には、空調要素の能力制限が考慮される。従って、空調要素全体での省エネ性の観点から、不在制御モードの実行の適否をより適切に判断することができる。
第9発明に係る空調コントローラは、第3発明、第6発明又は第8発明に係る空調コントローラであって、判断部は、空調要素のエネルギー消費量を当該空調要素に隣接する不在エリアの数に基づいて定量化することにより、不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量を定量化する。
ここでは、不在制御モードの実行の適否の判断時に、不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量が定量化され、考慮される。さらに、空調要素のエネルギー消費量を定量化する際には、当該空調要素に隣接する不在エリアの数が考慮される。これにより、空調要素のエネルギー消費量が簡易に定量化され、ひいては不在制御モードの実行の適否が簡易に判断される。
第1発明によれば、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行を回避し、空調要素全体での省エネ性を向上させることができる。また、不在制御モードの実行の適否が簡易に判断される。
第2発明から第4発明によれば、空調要素全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行をより適切に回避することができる。
第5発明から第8発明によれば、空調要素全体での省エネ性の観点から、不在制御モードの実行の適否をより適切に判断することができる。
第9発明によれば、空調要素のエネルギー消費量が簡易に定量化され、ひいては不在制御モードの実行の適否が簡易に判断される。
従来の不在制御モードによる問題点を概念的に説明する図。 本発明の発明思想の基となる実験の概要および結果を示す図。 本発明の第1実施形態に係る空調コントローラの設置環境を示す図。 本発明の第1実施形態に係る空調コントローラおよび空調設備の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施形態に係る不在制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第1実施形態に係る室内機全体でのエネルギー消費量の4つの予測モデルを説明する図。 本発明の第2実施形態に係る空調コントローラおよび空調設備の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態に係る不在制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第3実施形態に係る空調コントローラの設置環境を示す図。 本発明の第3実施形態に係る空調コントローラおよび空調設備の構成を示すブロック図。 本発明の第3実施形態に係る不在制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第3実施形態に係る室内空間における不在エリアの出現パターンと不在制御モードの実行の適否との関係を規定するパターンテーブルを示す図。 本発明の変形例に係る室内機全体での省エネ性に関する知見を説明する図。 本発明の変形例に係る室内機全体での省エネ性に関する知見を説明する図。 本発明の変形例に係る室内機全体での省エネ性に関する知見を説明する図。
以下、図面を参照しつつ、本発明者が本発明をするに至った実験について説明した後、本発明の第1実施形態から第3実施形態に係る集中管理コントローラ(空調コントローラ)1,101,201について説明する。
(1)実験
本発明者は、以下の実験を行い、以下の知見を得た。
(1−1)実験の概要および結果
実験の環境は、空調設備の2台の室内機B1,B2が配置される空調対象空間である。当該環境下で、室内機B1,B2をそれぞれ図2(a)〜図2(f)の左側に示す設定温度で冷房運転させる実験を行ったところ、室内機B1,B2のエネルギー消費量に関しそれぞれ図2(a)〜図2(f)の右側に示す結果を得た。
(1−2)上記実験から得られる知見
図2(a)及び図2(c)に示されるように、室内機B1,B2の両方を設定温度26℃で運転させた場合と、室内機B1を設定温度26℃で運転させつつ室内機B2の熱交換を停止させた場合とを比較すると、後者の方が省エネ性が高くなった。一方、図2(b)及び図2(d)に示されるように、室内機B1,B2の両方を設定温度20℃で運転させた場合と、室内機B1を設定温度20℃で運転させつつ室内機B2の熱交換を停止させた場合とを比較すると、前者の方が省エネ性が高くなった。
以上の結果により、室内機B1,B2の一方の熱交換のみを停止させる場合、室内機B1,B2に均一空調をさせる場合と比較し、必ずしも室内機B1,B2全体で省エネルギーになるとは限らず、増エネルギーになることがあるという知見が得られた。さらには、増エネルギーになるか、省エネルギーになるかは、室内機B1,B2の負荷に影響するという知見、より具体的には室内機B1,B2の負荷が大きいほど増エネルギーになりやすいという知見が得られた。よって、空調対象空間全体の負荷が一様である場合には、空調対象空間全体の負荷が高ければ高いほど、一部の室内機の熱交換を停止させると、室内機全体では増エネルギーになり易くなると言える。
また、図2(a)及び図2(e)に示されるように、室内機B1,B2の両方を設定温度26℃で運転させた場合と、室内機B1を設定温度26℃で運転させつつ室内機B2を設定温度27℃で運転させた場合とを比較すると、前者の方が省エネ性が高くなった。一方、図2(a)及び図2(f)に示されるように、室内機B1,B2の両方を設定温度26℃で運転させた場合と、室内機B1,B2の両方を設定温度27℃で運転させた場合とを比較すると、後者の方が省エネ性が高くなった。また、発明者は、他の温度条件でも同様の実験を行ったが、室内機B1,B2の両方の設定温度を同様に省エネルギー側にシフトさせた場合には、空調対象空間の負荷に関わらず、常に省エネルギーとなった。さらに、室内機B1,B2の両方の設定温度を省エネルギー側に同様に1℃ずつシフトさせた場合には、エネルギー消費量が10〜15%削減され、同様に2℃ずつシフトさせた場合には、エネルギー消費量が20%〜30%削減された。
以上の結果により、室内機B1,B2の一方の設定温度のみを省エネルギー側にシフトさせる場合、室内機B1,B2に均一空調をさせる場合と比較し、必ずしも室内機B1,B2全体で省エネルギーになるとは限らず、増エネルギーになることがあるという知見が得られた。
つまり、室内機B1,B2に均一空調をさせている状態から室内機B2の運転設定のみを省エネルギー側に変更すると、通常は室内機B2のエネルギー消費量が減少するものの、室内機B1,B2全体でのエネルギー消費量が増加してしまうことがある。本発明者は、その原因を、室内機B2で十分に空調されていない空気が室内機B1に対応する空調エリアに流れ込んでしまうことにあると考える。より詳しくは、室内機B1が室内機B1付近のエリアのみならず室内機B2付近のエリアまで空調する結果となり、状況によっては室内機B1のエネルギー消費量が室内機B2のエネルギー消費量の減少分以上に増加するからである。なお、図1を参照しつつ「発明が解決しようとする課題」の欄で説明した知見は、本実験の結果により得られたものである。
また、本発明者は、図2(a)〜図2(f)の実験の結果に基づく上記知見をより一般化し、以下の知見を得た。すなわち、1の空調対象空間を空調する複数の空調要素のうちの一部の空調要素の運転設定を省エネルギー側に変更した場合、当該変更をしない場合と比較し、必ずしも空調要素全体では省エネルギーになるとは限らず、増エネルギーになることがある。逆に言うと、1の空調対象空間を空調する複数の空調要素のうちの一部の空調要素の運転設定を増エネルギー側に変更した場合の方が、当該変更をしない場合よりも、空調要素全体では省エネルギーになることがある。さらには、空調要素全体で増エネルギーになるか、省エネルギーになるかは、空調要素の負荷に影響する(より詳しくは、空調要素の負荷が大きいほど、一部の空調要素の運転設定を省エネルギー側に変更した場合に空調要素全体では増エネルギーになりやすい)。なお、空調要素とは、空調設備の室内機、又はその吹出口など、空調エリアを空調する任意の単位を意味する。
(2)第1実施形態
以下、第1実施形態に係る集中管理コントローラ1について説明する。
(2−1)設置環境
図3および図4を参照しつつ、集中管理コントローラ1の設置環境について説明する。
集中管理コントローラ1は、空調設備2の動作を監視および制御するものである。空調設備2は、9台の室外機OU1〜OU9および9台の室内機IU1〜IU9を有する空調設備である。室内機IU1〜IU9は、それぞれ室外機OU1〜OU9に冷媒配管4を介して接続されており、全体として9つの冷媒回路が形成されている。なお、図3中、簡単のため、室外機OU1,OU4,OU7以外に接続される冷媒配管4は省略している。室内機IU1〜IU9のケーシング内には、図示されない熱交換器、膨張弁、ファン等の部品が収納されており、室外機OU1〜OU9のケーシング内には、図示されない圧縮機、四路切換弁、熱交換器、アキュムレータ、ファン等の部品が収納されている。なお、本明細書において、室内機のエネルギー消費量とは、室内機に含まれる部品におけるエネルギー消費量のみならず、室外機に含まれる部品におけるエネルギー消費量をも含む、当該室内機が含まれる冷媒系統全体でのエネルギー消費量を言うものとする。また、他の実施形態として、マルチタイプの空調設備に本願発明が適用される場合には、室内機のエネルギー消費量とは、室内機に含まれる部品におけるエネルギー消費量のみならず、室外機に含まれる部品におけるエネルギー消費量を当該室内機に按分したものをも含むものとする。
室外機OU1〜OU9は、屋外に配置されている。室内機IU1〜IU9は、室内空間S(空調対象空間)の天井に概ね等間隔に配置されている。室内空間Sは、オフィスフロアや飲食店などの開けた1つの広い空間であり、3×3のマトリクス状の計9つの空調エリアS1〜S9に仮想的に分割されている。なお、仮想的に分割されている状態とは、仕切り、壁等によって空気の流動が全くないように物理的に分割されている状態ではなく、空気の流動がある程度あるように連続している状態を意味する。室内機IU1〜IU9は、それぞれ空調エリアS1〜S9内に配置されており、空調エリアS1〜S9は、それぞれ室内機IU1〜IU9により主として空調される。
室内機IU1〜IU9の制御部(以下、室内制御部)8bには、通信線3を介し、それぞれ室外機OU1〜OU9の制御部(以下、室外制御部)8a、および集中管理コントローラ1が接続されている。
また、室内制御部8bには、それぞれ人検知センサHS1〜HS9が接続されている。人検知センサHS1〜HS9は、赤外線センサであり、それぞれ空調エリアS1〜S9内における人の存在を検知する。
同じ冷媒回路に属する室内制御部8bおよび室外制御部8aは、互いに協調しつつ、集中管理コントローラ1からの運転指令に従って、各種部品の動作を制御し、室内を空調する。具体的には、室内制御部8bは、室内温度と設定温度との差分を監視するフィードバック制御を実行しつつ、ファンの回転数の調整(風量の調整)およびルーバーの調整(風向の調整)等を行い、室外制御部8aは、圧縮機の周波数、ファンの回転数および弁の開度の調整等を行う。
また、室内制御部8bは、室内機IU1〜IU9の動作等に関する情報(以下、監視データという)を集中管理コントローラ1からの命令に応じて集中管理コントローラ1に送信する。室内機IU1〜IU9の監視データには、室内機IU1〜IU9の運転設定(起動/停止の起動状態、設定温度、冷房/暖房/送風等の運転モードなど)、室内温度、人検知センサHS1〜HS9の検出値、および室内機IU1〜IU9に含まれる各種部品の状態値(例えば、室内ファンの回転数、冷媒回路の所定の位置における冷媒の温度および圧力を含む)を示す情報が含まれる。
一方、室外制御部8aは、室外機OU1〜OU9の動作等に関する情報(以下、監視データという)を集中管理コントローラ1からの命令に応じて集中管理コントローラ1に送信する。室外機OU1〜OU9の監視データには、室外機OU1〜OU9の運転設定(無制限モード/能力制限モードの能力制御設定)、外気温度、および室外機OU1〜OU9に含まれる各種部品の状態値(例えば、圧縮機の周波数、室外ファンの回転数、冷媒回路の所定の位置における冷媒の温度および圧力を含む)を示す情報が含まれる。なお、能力制御設定には、能力が制限されない無制限モード(通常モード)と、エネルギー消費量が無制限モードで動作する場合の約70%又は40%となるように制御される能力制限モードとがある。能力制限モードは、主として室外機OU1〜OU9に含まれるインバータタイプの圧縮機の上限周波数を制限することにより実現される。
なお、室内温度、外気温度、ならびに室内機IU1〜IU9および室外機OU1〜OU9に含まれる各種部品の状態値は、図示されないセンサ等により検知される。
(2−2)集中管理コントローラ
集中管理コントローラ1は、空調設備2が設置されている建物の管理室の壁面等に取り付けられており、空調設備2の管理者から空調設備2に対する運転指令(例えば、室内機IU1〜IU9の起動又は停止を命じたり、室内機IU1〜IU9の設定温度の変更を命じたり、室内機IU1〜IU9の運転モードの変更を命じたり、室外機OU1〜OU9の能力制御設定の変更を命じたりするもの)の入力を受け付ける操作インタフェース機器である。図4に示すように、集中管理コントローラ1は、通信線3を介して空調設備2の制御部8a,8bに接続されており、制御部8a,8b経由で空調設備2の動作を監視および制御する。集中管理コントローラ1は、通信部11、制御部12、出力部13、入力部14および記憶部15を有している。
通信部11は、集中管理コントローラ1を通信線3に接続可能にするネットワークインターフェースである。
制御部12は、主としてCPU、ROMおよびRAMから構成されており、記憶部15内の所定のプログラムを読み出して実行することにより、監視部12a、運転制御部12b、および不在制御適否判断部12c等として動作する。
監視部12aは、所定の時間間隔で(本実施形態では、監視データの種類によって異なるが、1分毎又は5秒毎などに)、室内機IU1〜IU9の監視データを室内制御部8bから収集する。さらに、監視部12aは、所定の時間間隔で(本実施形態では、1分毎に)、室外機OU1〜OU9の監視データを室外制御部8aから収集する。監視データは、記憶部15内に保存される。監視部12aは、所定のタイミングで、記憶部15内の監視データが所定の条件を満たすか否かを判断することにより、空調設備2およびその設置環境の状態を監視する。例えば、所定の時間間隔で異常の有無が検出されたり、後述する不在エリアが特定されたりする。
運転制御部12bは、空調設備2の管理者から入力部14を介し入力される運転指令(運転スケジュールの形式のものを含む)に従って、空調設備2の動作を制御する。また、集中管理コントローラ1が他の制御機器に接続されている場合、例えば、インターネットを介し遠隔管理サーバ(図示されない)に接続されている場合には、当該他の制御機器より送信され、記憶部15内に記憶されている運転指令に従って、空調設備2の動作を制御する。また、監視部12a等により空調設備2又はその設置環境の状態が所定の状態にあると判断される場合には、当該所定の状態に予め対応付けられている制御を実行する(例えば、監視部12aにより所定の異常が検出される場合には、空調設備2の運転を停止させる)。より具体的には、運転制御部12bは、適当な運転指令を適当なタイミングで適当な室内機IU1〜IU9又は室外機OU1〜OU9に送信する。例えば、「室内機IU1〜IU9に、毎日9時から18時まで、設定温度27℃で、冷房モードでの運転を行わせる」という運転スケジュールが組まれている場合には、運転制御部12bは、室内機IU1〜IU9に対し、毎日9時になると、起動指令とともに、設定温度を27℃に、運転モードを冷房モードに設定する指令を送信する。さらに、運転制御部12bは、18時までの間、監視部12a経由で室内機IU1〜IU9の運転設定を継続的に監視し、運転設定の変更が検出されると、その所定の時間後(本実施形態では、30分後)に、運転設定の変更が検出された室内機IU1〜IU9に対し、同様の指令を再度送信する。
また、運転制御部12bは、不在制御モードを実行可能なように実装されている。本実施形態における不在制御モードとは、不在エリアに対応する室内機を送風運転させる制御モードである。不在エリアとは、室内空間Sに含まれる空調エリアS1〜S9のうち、人が不在の空調エリアである。
不在制御適否判断部12cは、監視部12aにより不在エリアが特定された場合に、不在エリアマップ(室内空間Sにおける不在エリアのパターン)を作成し、不在エリアマップに基づいて、運転制御部12bによる不在制御モードの実行の適否を判断する。
出力部13は、主としてディスプレイおよびスピーカから構成されている。入力部14は、主として各種操作ボタンおよび出力部13のディスプレイと一体的に構成されているタッチパネルから構成されている。記憶部15は、主としてフラッシュメモリから構成されている。
(2−3)不在制御の流れ
以下、図5を参照しつつ、集中管理コントローラ1により実行される不在制御の流れについて説明する。
上記のとおり、監視部12aは、所定の時間間隔で(本実施形態では、5秒毎に)、室内制御部8bから人検知センサHS1〜HS9の検出値を取得する。監視部12aは、人検知センサHS1〜HS9の検出値を取得する度に、それぞれ空調エリアS1〜S9が不在エリアであるか否かを判断する。より具体的には、監視部12aは、所定の時間(例えば、10分、2時間など)人の存在が確認されない空調エリアを不在エリアとして特定し、その他の空調エリアを在エリアとして特定する。
図5に示す不在制御処理は、監視部12aにより室内空間S内において不在エリアが1つでも増減されたと判断される度に実行される処理であり、不在制御モードの実行の適否を判断し、適切と判断される場合には不在制御モードを実行し、不適切と判断される場合には不在制御モードの実行を控える処理である。なお、本実施形態では、現在室内機IU1〜IU9が均一空調を行っていることを前提とする。
図5に示す不在制御処理の概略を説明すると、まず室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルが選択され(ステップS101,S102)、続いて不在エリアマップが作成され(ステップS103)、続いて不在エリアマップに基づいて室内空間Sにおける能力マップが作成される(ステップS104)。続いて、予測モデルに不在エリアマップおよび能力マップを適用することにより、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2が予測される(ステップS105)。続いて、不在制御モードが実行される場合および実行されない場合のどちらの方が室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量が少なくなるのかが判断され、不在制御モードの実行の適否が判断される(ステップS106)。続いて、不在制御モードの実行が適切であると判断される場合には、不在制御モードの実行が命じられ(ステップS107)、不適切であると判断される場合には、処理が終了する。
次に、図5に示す不在制御処理の詳細を説明する。
まず、ステップS101では、不在制御適否判断部12cは、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルとして、高負荷モデル又は低負荷モデルのいずれかを選択する。より具体的には、室内機IU1〜IU9の負荷が所定の値(本実施形態では、5℃)以上であれば高負荷モデルを選択し、当該所定の値より小さければ低負荷モデルを選択する。なお、本実施形態において、負荷とは、外気温度と設定温度との差の絶対値であり、記憶部15内の監視データを参照することにより算出される。
続くステップS102では、不在制御適否判断部12cは、能力制限モードの実行中であるか否かを判断し、実行中であると判断される場合には、ステップS102で選択された高負荷モデル又は低負荷モデルに対し能力制限を設定し、実行中でないと判断される場合には、能力制限を設定することなく、ステップS103に進む。なお、能力制限モードの実行中であるか否は、記憶部15内の監視データを参照することにより判断される。
ステップS101,S102の終了時には、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルとして、図6に示す4つのモデル(予測モデルI〜予測モデルIV)の中の1つが選択されている。予測モデルIは、高負荷時かつ能力制限なしの場合に選択されるモデルであり、予測モデルIIは、低負荷時かつ能力制限なしの場合に選択されるモデルであり、予測モデルIIIは、高負荷時かつ能力制限ありの場合に選択されるモデルであり、予測モデルIVは、低負荷時かつ能力制限ありの場合に選択されるモデルである。室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qは、予測モデルI〜予測モデルIVによれば、それぞれ以下の式1〜式4により算出される。
Q=1.7α+2.2β+3.0γ+4.0δ+1.0ε+0.1ζ・・・(式1)
Q=1.5α+2.0β+2.5γ+3.0δ+1.0ε+0.1ζ・・・(式2)
Q=1.7α+2.0β+2.0γ+2.0δ+1.0ε+0.1ζ・・・(式3)
Q=1.5α+2.0β+2.0γ+2.0δ+1.0ε+0.1ζ・・・(式4)
なお、αは、1台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機の台数であり、βは、2台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機の台数であり、γは、3台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機の台数であり、δは、4台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機の台数である。εは、標準運転機の台数であり、ζは、送風運転機の台数である。標準運転機とは、全ての隣接機とともに均一空調を行っているサーモオン状態の室内機のことである。送風運転機とは、送風運転中のサーモオフ状態の室内機のことである。なお、サーモオフ状態とは、室内機の熱交換器内を冷媒が全く流れない又は殆ど流れず、実質的に熱交換が停止している状態を言い、サーモオン状態とは、室内機の熱交換器内を冷媒が適度に流れている状態を言う。なお、本明細書において、「停止」状態には、圧縮機が停止する状態だけでなく、サーモオフ状態も含まれるものとする。
図6の各予測モデルの6本の棒グラフおよびその下の数値は、左から順に、送風運転機、標準運転機、1台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機、2台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機、3台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機、4台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機1台分のエネルギー消費量を示している。なお、図6に示されるエネルギー消費量は、標準運転機1台分のエネルギー消費量を1.0とした場合の相対量となっている。サーモオン状態の室内機のエネルギー消費量がサーモオフ状態の隣接機の台数が多くなるほど多くなると評価されているのは、上記の実験から得られる知見のとおり、サーモオン状態の室内機がサーモオフ状態の隣接機付近のエリアまで空調すると予測されるからである。
また、図6に示すとおり、少なくとも1台の隣接機がサーモオフ状態であるサーモオン状態の室内機においては、高負荷モデルでは低負荷モデルよりもエネルギー消費量が多く評価されている。また、能力制限モードの実行中には、圧縮機の上限周波数が制限され、エネルギー消費量にも上限が生まれる。その結果、室内機1台分のエネルギー消費量の相対量は、サーモオフ状態の隣接機の台数に関わらず、2.0で頭打ちとなっている。
さて、ステップS102が終了すると、不在制御処理は、ステップS103に進む。ステップS103では、不在制御適否判断部12cは、不在エリアマップを作成する。不在エリアマップとは、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン(すなわち、不在制御モードの実行時にサーモオフ状態となる室内機の出現パターン)をマップ的に示すものであり、例えば、3×3の9つの空調エリアS1〜S9にそれぞれ対応付けられている3×3の2次元配列メモリの9つの要素に対し、それぞれ在エリアを示す「1」又は不在エリアを示す「0」のいずれかの値を格納したものである。なお、空調エリアが不在エリアであるか否は、記憶部15内の監視データ(当該空調エリアに対応する室内機経由の人検知センサの検出値)を参照することにより判断される。
続くステップS104では、不在制御適否判断部12cは、ステップS103で作成された不在エリアマップを参照し、能力マップを作成する。能力マップは、例えば、以下の手順で作成される。まず、プレ能力マップが作成される。プレ能力マップとは、3×3の9つの室内機IU1〜IU9にそれぞれ対応付けられている3×3の2次元配列メモリの9つの要素に対し、それぞれ4つの値を格納したものである。各要素の4つの値は、それぞれ4つの吹出口方向に隣接する空調エリアの様子を示す値であり、各値は、在エリアであれば「1」、不在エリアであれば「0」、窓や壁が存在する場合は「2」となる。なお、隣接する空調エリアが不在エリアであるか在エリアであるかは、不在エリアマップを参照することにより判断され、窓や壁が存在するか否かは、予め記憶部15内に格納されている情報に従って判断される。次に、不在エリアマップおよびプレ能力マップを参照し、能力マップが作成される。能力マップとは、室内空間S内の9つの室内機IU1〜IU9のそれぞれに要求される能力をマップ的に示すものであり、3×3の9つの室内機IU1〜IU9にそれぞれ対応付けられている3×3の2次元配列メモリの9つの要素に対し、それぞれ隣接する不在エリアの数を示す値を格納したものである。従って、能力マップに含まれる3×3の9つの値は、それぞれ「0」〜「4」のいずれかの値となる。なお、室内機に隣接する不在エリアの数は、当該室内機に対応するプレ能力マップの4つの値の中の「0」の数を集計することにより得られる。
続くステップS105では、不在制御適否判断部12cは、ステップS101,S102で選択された予測モデルにステップS103で作成された不在エリアマップ及びステップS104で作成された能力マップを適用することにより、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2を予測する。より具体的には、上記式1〜式4の4つのエネルギー消費量Qの算出式中から、ステップS101,S102で選択された予測モデルに対応する式を1つ選択し、当該式のα〜ζに適当な値を代入する。変数α〜ζの値は、不在エリアマップおよび能力マップを参照することにより決定される。すなわち、不在制御適否判断部12cは、不在エリアマップの「0」の数を集計し、ζとする。また、不在制御適否判断部12cは、不在エリアマップの「1」に対応する能力マップの要素に格納されている値の中で、「0」〜「4」のそれぞれの数を集計する。そして、「1」の集計値をαとし、「2」の集計値をβとし、「3」の集計値をγとし、「4」の集計値をδとし、「0」の集計値をεとする。
続くステップS106では、不在制御適否判断部12cは、均一空調時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q1と、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2とを比較する。Q1>Q2であれば、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU9全体では省エネルギーになると判断し、ステップS107に進む。Q1≦Q2であれば、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU9全体では増エネルギーになると判断し、ステップS107をスキップし、処理を終了する。なお、均一空調時には、α〜δ,ζ=0、ε(標準運転機の台数)=9となるため、均一空調時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q1は、以下の式5により算出される。
Q1=1.0ε・・・(式5)
ステップS107では、不在制御適否判断部12cは、運転制御部12bに不在制御モードの実行を命じる。一方の運転制御部12bは、不在エリアマップを参照し、不在エリア内の室内機に運転モードを送風モードに設定する指令を送信する。
(2−4)特徴
(2−4−1)
第1実施形態では、室内空間Sに不在エリアが存在するとしても、不在制御モードが必ず実行されるようにはなっておらず、不在エリアマップに基づいて不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量Q2が定量化され、エネルギー消費量Q2に基づいて不在制御モードの実行の適否が判断されるようになっている。これにより、室内機IU1〜IU9全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行が回避され、室内機IU1〜IU9全体での省エネ性が確保されるようになっている。
(2−4−2)
第1実施形態では、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルの選択時に、室内機IU1〜IU9の負荷が考慮されるようになっている。従って、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2を適切に予測できるようになっている。
(2−4−3)
第1実施形態では、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルの選択時に、室内機IU1〜IU9の能力制限が考慮されるようになっている。従って、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2を適切に予測し、不在制御モードの実行の適否を適切に判断できるようになっている。
(2−4−4)
第1実施形態では、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2を算出するに当たり、各室内機IU1〜IU9のエネルギー消費量が、当該室内機に隣接する不在エリアの数に応じて決定されるようになっている。これにより、不在制御モードの実行時の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Q2が簡易に定量化されるようになっている。
(3)第2実施形態
次に、第2実施形態に係る集中管理コントローラ101について説明する。
第2実施形態に係る集中管理コントローラ101の設置環境は、第1実施形態に係る集中管理コントローラ1と同じである。また、図7に示すように、第2実施形態に係る集中管理コントローラ101の構成は、不在制御適否判断部12cが不在制御適否判断部112cに置き換わる点以外は、第1実施形態に係る集中管理コントローラ1と同じである。従って、以下では、図8を参照しつつ、集中管理コントローラ1との相違点となる、集中管理コントローラ101により実行される不在制御の流れについて説明し、その他の点については第1実施形態と同様であるとして説明を省略する。
(3−1)不在制御の流れ
図8に示す不在制御処理は、第1実施形態と同様に、監視部12aにより室内空間S内において不在エリアが1つでも増減されたと判断される度に実行される処理であり、不在制御モードの実行の適否を判断し、適切と判断される場合には不在制御モードを実行し、不適切と判断される場合には不在制御モードの実行を控える処理である。なお、簡単のため、本実施形態では、現在室内機IU1〜IU9が均一空調を行っていることを前提とする。
図8に示すように、第1実施形態および第2実施形態における不在制御処理の主な相違点は、第2実施形態ではステップS101の前にステップS201が挿入される点にある。ステップS101〜S107では、不在制御適否判断部112cが不在制御適否判断部12cの処理を同様に行う。
ステップS201では、不在制御適否判断部112cは、不在エリアの数(室内空間Sにおける不在エリアのパターン)を算出する。不在エリアの数は、記憶部15内の監視データを参照することにより算出される。続いて、不在制御適否判断部112cは、不在エリアの数が2以下であると判断される場合には、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU9全体では増エネルギーになると判断し、不在制御モードの実行を命じるステップS107をスキップし、処理を終了する。不在エリアの数が7以上であると判断される場合には、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU9全体では省エネルギーになると判断し、不在制御モードの実行を命じるステップS107に進む。不在エリアの数が3以上、6以下であると判断される場合には、ステップS101に進む。
つまり、第2実施形態に係る不在制御処理では、まず、不在エリアの数に基づいて、不在制御モードの実行の適否を判断する。より具体的には、不在エリアが2以下であれば、不在制御モードの実行を控え、7以上であれば、不在制御モードの実行を決定する。前者の場合には、不在制御モードの実行時の送風運転機が2台以下となり、送風運転機が室内空間S内のどこに配置されていようとも、高負荷時又は低負荷時のどちらであろうとも、能力制限があろうともなかろうとも、室内機IU1〜IU9全体では確実に増エネルギーになると見込まれるからである。一方、後者の場合には、不在制御モードの実行時の送風運転機が7台以上となり、送風運転機が室内空間S内のどこに配置されていようとも、高負荷時又は低負荷時のどちらであろうとも、能力制限があろうともなかろうとも、室内機IU1〜IU9全体では確実に省エネルギーになると見込まれるからである。ところが、送風運転機が3台以上、6台以下となる場合には、室内機IU1〜IU9全体で省エネルギーになるか増エネルギーになるかは、送風運転機の配置、負荷の高低、能力制限の有無等の条件による。従って、不在エリアの数が3以上、6以下となる場合には、ステップS101〜S106を経ることにより、不在制御モードの実行時のエネルギー消費量Q2を予測し、不在制御モードの実行の適否を判断する。
(3−2)特徴
第2実施形態では、室内空間Sに不在エリアが存在するとしても、不在制御モードが必ず実行されるようにはなっておらず、不在エリアの数、又は不在エリアの数だけでは判断できない場合にあっては、不在制御モードが実行される場合のエネルギー消費量Q2に基づいて、不在制御モードの実行の適否が判断されるようになっている。これにより、室内機IU1〜IU9全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行が回避され、室内機IU1〜IU9全体での省エネ性が確保されるようになっている。また、不在制御モードの実行の適否が簡易に判断されるようになっている。
(4)第3実施形態
次に、第3実施形態に係る集中管理コントローラ201について説明する。
図9に示すように、第3実施形態に係る集中管理コントローラ201の設置環境は、第1実施形態とは異なり、室内空間Sは、4台の室内機IU1〜IU4がそれぞれ主として空調する4つの空調エリアS1〜S4から構成されている。一方、図10に示すように、第3実施形態に係る集中管理コントローラ201の構成は、不在制御適否判断部12cが不在制御適否判断部212cに置き換わる点以外は、第1実施形態に係る集中管理コントローラ1と同じである。従って、以下では、図11を参照しつつ、集中管理コントローラ1との相違点となる、集中管理コントローラ201により実行される不在制御の流れについて説明し、その他の点については第1実施形態に係る集中管理コントローラ1と同様であるとして説明を省略する。
(4−1)不在制御の流れ
図11に示す不在制御処理は、第1実施形態と同様に、監視部12aにより室内空間S内において不在エリアが1つでも増減されたと判断される度に実行される処理であり、不在制御モードの実行の適否を判断し、適切と判断される場合には不在制御モードを実行し、不適切と判断される場合には不在制御モードの実行を控える処理である。なお、本実施形態では、現在室内機IU1〜IU4が均一空調を行っていることを前提とする。
第1実施形態および第3実施形態における不在制御処理の主な相違点は、第3実施形態では不在制御モードの実行の適否が図12に示すパターンテーブルTに基づいて判断される点にある。パターンテーブルTは、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン(すなわち、不在制御モードの実行時にサーモオフ状態となる室内機の出現パターン)と、不在制御モードの実行の適否との関係を規定する情報を格納するものである。パターンテーブルTは、知見(経験知)、シミュレーション結果、試験結果等に基づき構築されたモデルにより導き出される情報であり、記憶部15内に予め記憶されている。
まず、ステップS301では、不在制御適否判断部212cは、不在エリアマップを作成する。不在エリアマップとは、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン(すなわち、不在制御モードの実行時にサーモオフ状態となる室内機の出現パターン)をマップ的に示すものであり、例えば、2×2の4つの空調エリアS1〜S4にそれぞれ対応付けられている2×2の2次元配列メモリの4つの要素に対し、それぞれ在エリアを示す「1」又は不在エリアを示す「0」のいずれかの値を格納したものである。なお、空調エリアが不在エリアであるか否は、記憶部15内の監視データ(当該空調エリアに対応する室内機経由の人検知センサの検出値)を参照することにより判断される。
続くステップS302では、不在制御適否判断部212cは、ステップS301で作成された不在エリアマップをパターンテーブルTに照合することにより、不在制御モードの実行の適否を判断する。より具体的には、パターンテーブルTにおいて、現実の室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン(不在エリアマップ)に対応する不在制御モードの実行の適否を示す情報が「不在制御モードを実行する」であれば、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU4全体では省エネルギーになると判断し、ステップS303に進む。「不在制御モードを実行しない」であれば、不在制御モードを実行した場合の方が実行しない場合よりも室内機IU1〜IU4全体では増エネルギーになると判断し、ステップS303をスキップし、不在制御処理は終了する。
ステップS303では、不在制御適否判断部112cは、運転制御部12bに不在制御モードの実行を命じる。一方の運転制御部12bは、不在エリアマップを参照し、不在エリア内の室内機に運転モードを送風モードに設定する指令を送信する。
(4−2)特徴
第3実施形態では、室内空間Sに不在エリアが存在するとしても、不在制御モードが必ず実行されるようにはなっておらず、不在エリアマップをパターンテーブルTに照合することにより、不在制御モードの実行の適否が判断されるようになっている。これにより、室内機IU1〜IU4全体では増エネルギーになるような不在制御モードの実行が回避され、室内機IU1〜IU4全体での省エネ性が確保されるようになっている。また、不在制御モードの実行の適否が簡易に判断されるようになっている。
(5)変形例
(5−1)
上記実施形態では、不在制御モードを、不在エリアに対応する室内機を送風運転させる制御モードとした。しかしながら、送風運転に限らず、不在エリアに対応する室内機を適当な態様で停止又は能力低下させる制御モードとしてもよい。例えば、不在エリアに対応する室内機を完全停止させる制御モードとしてもよいし、不在エリアに対応する室内機の設定温度を省エネルギー側にシフトさせる制御モードとしてもよいし、不在エリアに対応する室内機の設定温度を省エネルギー側にシフトした後、一定時間経過後にサーモオフ状態にする制御モードとしてもよい。
かかる場合、第1および第2実施形態では、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの算出式については、α〜ζの係数を適当な値に変更すればよい。例えば、不在制御モードを、不在エリアに対応する室内機を完全停止させる制御モードとする場合には、ζの係数を0にする(すなわちζの項をなくす)、又はζの係数を待機電力分に相当する値にする等すればよい。
(5−2)
上記実施形態では、不在制御モードを、不在エリアに対応する全ての室内機を送風運転させる制御モードとした。しかしながら、不在エリアが複数存在し、従って不在エリアに対応する室内機が複数存在する場合においては、そのような室内機の中から選択される少なくとも一部の室内機を、送風運転その他適当な態様で停止又は能力低下させる制御モードとしてもよい。
不在エリアが複数存在する場合には、一部の不在エリアに対応する室内機については停止又は能力低下させた方が省エネルギーに貢献するが、他の不在エリアに対応する室内機については現状のままの運転を維持させた方が省エネルギーに貢献するというような場合が生じ得る。そのような場合には、停止又は能力低下させれば省エネルギーに貢献すると判断し得る室内機だけ停止又は能力低下させる不在制御モードを実行すればよい。
例えば、第1および第2実施形態では、複数の不在エリアに対応する複数の室内機に現状のままの運転、完全停止、送風運転、設定温度を省エネルギー側へシフトするシフト運転等の運転設定を様々なパターンで割当て、各運転設定のパターンに係る室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量を算出する。そして、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量が現状よりも少なくなるパターンがあれば、当該パターン(複数あれば、最小のエネルギー消費量をもたらすパターン)での不在制御モードを実行し、なければ実行しないようにすればよい。なお、設定温度を1℃省エネルギー側にシフトすると、一般にエネルギー消費量は10%〜15%削減され、2℃省エネルギー側にシフトすると、一般にエネルギー消費量は20%〜30%削減される。よって、1℃のシフト運転機(設定温度を1℃省エネルギー側にシフトした室内機)のエネルギー消費量は、例えば、標準運転機のエネルギー消費量を10%〜15%削減したものとすればよい。
また、第3実施形態では、例えば、パターンテーブルTを、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン毎に、不在制御モードの実行時の全室内機IU1〜IU4の運転設定のパターン、又は「不在制御モードを実行しない」を格納するものとすればよい。
(5−3)
上記実施形態では、室内機の運転設定は、室内機単位で行われるようになっている。しかしながら、起動、停止、および送風等の一部の運転設定を室内機の4つの吹出口毎に行えるような構造を持つ室内機に対しては、そのような運転設定が室内機の4つの吹出口単位で行われるようにしてもよい。かかる場合、室内機の吹出口方向毎に不在エリアであるか否かの情報を有する不在エリアマップを作成し、不在制御モードの実行時には、室内機の吹出口単位で停止又は送風等の運転設定を行うようにすることができる。
例えば、第2実施形態では、ステップS201において、不在エリアの数に代えて、不在制御モードの実行時に停止又は送風等の運転設定が行われる吹出口の数を評価すればよい。
また、第3実施形態では、例えば、パターンテーブルTを、不在制御モードの実行時に停止又は送風等の運転設定が行われる吹出口の出現パターン毎に、不在制御モードの実行の適否を示す情報を規定するものとすればよい。
(5−4)
上記実施形態では、室内機の負荷を、外気温度と設定温度との差の絶対値として算出している。しかしながら、外気温度、設定温度、室内温度、熱交換器の温度、人の付近の温度等の他のセンサの検出値、又はその加工値として算出してもよい。
また、上記実施形態では、室内機の負荷を集中管理コントローラ1,101,201側で算出しているが、空調設備2側で算出し、集中管理コントローラ1,101,201に送るようにしてもよい。
(5−5)
第2実施形態の不在制御処理において、ステップS101〜S106を省略してもよい。言い換えると、室内空間Sにおける不在エリアの数のみを基準として、不在制御モードの実行の適否を判断するようにしてもよい。例えば、室内機9台の場合、不在エリアが5つ以上であれば不在制御モードを実行し、4つ以下であれば実行しないようにすればよい。
(5−6)
第2実施形態の不在制御処理において、ステップS101〜S106の代わりに、第3実施形態のパターンテーブルTのようなパターンテーブルに基づいて不在制御モードの実行の適否を判断するステップを実行してもよい。言い換えると、不在制御モードの実行の適否を、不在エリアの数、又は不在エリアの数だけでは判断できない場合にあってはパターンテーブルに基づいて判断するようにしてもよい。
(5−7)
第2実施形態の不在制御処理において、ステップS201の後の分岐先を決定する不在エリアの数の比較基準数を、負荷の高低、能力制限の有無等の条件に応じて選択するようにしてもよい。例えば、ステップS201の前にステップS101,S102を実行し、続くステップS201では、負荷の高低、能力制限の有無等に応じて予め設定されている比較基準数を利用するようにしてもよい。
(5−8)
第3実施形態では、パターンテーブルTは、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン毎に、不在制御モードの実行の適否を示す情報を格納するものとなっている。しかしながら、パターンテーブルTを、室内空間Sにおける不在エリアの出現パターン、負荷の高低、能力制限の有無等の2以上の条件を組み合わせたパターン毎に、不在制御モードの実行の適否を示す情報を格納するものとしてもよい。
(5−9)
第1および第2実施形態において、ぺリメータ側の室内機およびインテリア側の室内機のエネルギー消費量の予測モデルとしては、異なるものが選択されるようになっていてもよい。かかる場合、例えば、室内機IU1〜IU9のそれぞれについて、ぺリメータ側又はインテリア側のいずれに配置されているのかを示す情報を予め記憶部15内に記憶しておく。そして、ぺリメータ側の室内機に対しては、室内機1台分のエネルギー消費量がより多くなる予測モデル(高負荷モデル)を適用し、インテリア側の室内機に対しては、室内機1台分のエネルギー消費量がより少なくなる予測モデル(低負荷モデル)を適用すればよい。さらには、エネルギー消費量の予測モデルとしては、早朝や夜間はぺリメータ側の方が低負荷になる可能性があるため、時間帯によって異なるものが選択されるようになっていてもよい。また、季節によって、例えば、夏であるか冬であるか中間期であるかによって異なるものが選択されるようになっていてもよい。
(5−10)
第1および第2実施形態では、室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの予測モデルを4つの予測モデルの中から選択しているが、予測モデルの選択肢はこれらに限られない。例えば、中負荷モデルを追加してもよいし、予測モデルを外気温度と設定温度との差等のパラメータにより定まる関数モデルとしてもよい。
(5−11)
第1および第2実施形態の室内機IU1〜IU9全体でのエネルギー消費量Qの式におけるα〜ζの係数は、空調設備2の構成および設置環境等に固有のものとするのが好ましい。従って、α〜ζの係数は、知見(経験知)、シミュレーション結果、試験結果等に基づき構築されたモデルにより決定される値をデフォルトとして、適当な選択肢の中から現地で調整できるようになっているのが好ましい。
(5−12)
第1および第2実施形態のステップS102では、空調設備2の能力制限の有無を、能力制限モードの実行中であるか否かに基づいて動的に判断している。しかしながら、空調設備2の能力制限を、静的な情報に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、空調設備2に固有の能力制限(圧縮機の上限周波数、クラス最大出力限界等)を示す情報を初期設定時等に予め記憶部15等に設定しておき、当該情報に基づいて能力制限を設定するようにしてもよい。
(5−13)
上記実施形態の集中管理コントローラ1,101,202において、電力量、電気代等の形式で省エネ量を定量化し、利用者に向けて出力する省エネ性評価部を設けてもよい。特に省エネ量を電力量(例えば、1日の積算消費電力量、期間消費電力量)、電気代(例えば、年間電気代)等へ換算すれば、消費者に訴求し易い省エネ性の表現が可能となる。
(5−14)
上記実施形態では、室内空間Sを9つ又は4つの空調エリアに分割する場合について説明した。しかしながら、本発明は、室内空間Sを他の任意の数の空調エリアに分割する場合に適用可能である。
また、上記実施形態では、概ね等間隔に配置された同容量の9台又は4台の室内機が配置された室内空間を前提に説明した。しかしながら、本発明は、かかる前提を要するものに限定されない。
図13は、同容量の室内機2台の例を、図14は、同容量の室内機3台の例を、図15は、容量が違う機種が共存している場合の室内機3台の例を示している。
図13の環境下では、不在エリアが1つの場合(不在制御モードの実行時にはサーモオフ状態の室内機およびサーモオン状態の室内機がそれぞれ1台になる場合)には、低負荷時であれば不在制御モードを実行し、高負荷時であれば全室内機を均一空調する、或いは適当な方法で全室内機の均一空調又は不在制御モードの実行のいずれかを選択するのが好ましい。なお、適当な方法としては、第1,2実施形態のように室内機全体でのエネルギー消費量Qを予測するか、第3実施形態のようなパターンテーブルTに照合することが考えられる。また、標準運転機が1台で、シフト運転機(設定温度を省エネルギー側にシフトした室内機)が1台となる場合には、両室内機の設定温度をシフトさせずに均一空調し、シフト運転機が2台になる場合には、両室内機の設定温度をシフトさせるのが好ましい。
図14の環境下では、不在エリアが2つの場合(不在制御モードの実行時にはサーモオフ状態の室内機が2台で、サーモオン状態の室内機が1台になる場合)には、不在制御モードを実行し、不在エリアが1つの場合(不在制御モードの実行時にはサーモオフ状態の室内機が1台で、サーモオン状態の室内機が2台になる場合)には、全室内機を均一空調するのが好ましい。
図15の環境下では、3台の室内機のうち、1台のみが大容量の室内機になっている。かかる環境下では、不在エリアが2つの場合(不在制御モードの実行時にはサーモオフ状態の室内機が2台で、サーモオン状態の室内機が1台になる場合)、或いは不在制御モードの実行時には大容量の室内機のみがサーモオフ状態となる場合には、不在制御モードを実行するのが好ましい。一方、標準容量の室内機1台のみがサーモオフ状態となる場合には、全室内機を均一空調する、或いは適当な方法で全室内機の均一空調又は不在制御モードの実行のいずれかを選択するのが好ましい。なお、適当な方法としては、第1,2実施形態のように室内機全体でのエネルギー消費量Qを予測するか、第3実施形態のようなパターンテーブルTに照合することが考えられる。
(5−15)
上記実施形態では、室内機と室外機とが1対1で対応するペアタイプの空調設備について言及したが、本発明は、本態様に限定されない。例えば、本発明は、1台の室外機に対し複数台の室内機が冷媒配管を介して接続されるマルチタイプの空調設備に対しても適用可能である。また、本発明は、マルチタイプの空調設備とペアタイプの空調設備の両方を集中管理する集中管理コントローラにも適用可能である。なお、室内温度を監視しつつ運転制御を行っているマルチタイプの空調設備については、隣接する室内機どうしが互いに影響を与え合い易いため、本発明は特に効果的である。
(5−16)
上記実施形態では、全室内機が均一空調を行っていることを前提とする不在制御処理について説明したが、本発明に係る不在制御処理は、かかる前提を要するものに限定されない。すなわち、均一空調時以外であっても、不在制御モードを実行するか否かを判断するようにしてもよい。その場合、例えば、ステップS106では、均一空調時の室内機全体でのエネルギー消費量Q1に代えて、現在の運転設定での室内機全体でのエネルギー消費量を算出し、使用すればよい。当該エネルギー消費量の算出に当たっては、ステップS101,S102で選択される予測モデルを使用することができる。
(5−17)
ステップS201の後の分岐先を決定する不在エリアの数の比較基準数(2つ以下、3つ〜6つ、7つ以上)は、空調設備、および/またはその設置環境等に依存するものである。従って、他の実施形態では、空調設備、および/またはその設置環境等に合わせて他の数値が選択されることは言うまでもない。
(5−18)
上記実施形態において、室内機のエネルギー消費量の予測モデルを、室内機の待機電力を考慮したものに変更してもよい。例えば、上記予測モデルの式において、サーモオフ状態の室内機の台数θの項を追加し、θの係数を、標準運転機1台分のエネルギー消費量を1.0とした場合の、サーモオフ状態の室内機の待機電力によるエネルギー消費量の相対量(例えば、0.01)とすることが考えられる。
(5−19)
上記実施形態においては、4つの吹出口が存在するタイプの室内機を示したが、本発明は、シングルフロータイプ又はダブルフロータイプの室内機にも適用可能である。また、本発明は、同一の空調対象空間内に、4つの吹出口が存在するタイプの室内機、シングルフロータイプの室内機、ダブルフロータイプの室内機等の他種類の室内機が混在する場合にも適用可能である。かかる場合、室内機のレイアウトに応じた予測モデルの式やパターンテーブルを用意すればよい。
(5−20)
上記変形例の要旨を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、1の空調対象空間を空調する複数の空調要素の動作を制御する空調コントローラとして有用であり、空調要素全体での省エネ性を向上させるという効果を有する。
1,101,201 集中管理コントローラ
12a 監視部
12b 運転制御部
12c,112c,212c 不在制御適否判断部
IU1〜IU9 室内機
Q1 均一空調時の室内機全体でのエネルギー消費量
Q2 不在制御モード時の室内機全体でのエネルギー消費量
S 室内空間
S1〜S2 空調エリア
T パターンテーブル
特開2006−125727号公報

Claims (9)

  1. 空調対象空間(S)に含まれる複数の空調エリア(S1〜S9)をそれぞれ空調する複数の空調要素(IU1〜IU9)の動作を制御する空調コントローラであって、
    ユーザが不在の前記空調エリアである不在エリアに対応する前記空調要素を停止又は能力低下させる不在制御モードを実行可能な実行部(12b)と、
    前記不在エリアを特定する特定部(12a)と、
    前記空調対象空間における前記特定部により特定された前記不在エリアのパターンに基づいて、前記実行部による前記不在制御モードの実行の適否を判断する判断部(12c,112c,212c)と、
    を備え、
    前記判断部(12c,112c,212c)は、前記パターンとして前記空調対象空間(S)における前記不在エリアの数を評価し、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    空調コントローラ(1,101,201)。
  2. 前記判断部(12c,112c,212c)は、前記パターンに基づいて、前記不在制御モードを実行する場合および実行しない場合のどちらの方が前記空調要素(IU1〜IU9)全体での省エネ性が高くなるのかを判断し、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    請求項1に記載の空調コントローラ(1,101,201)。
  3. 前記判断部(12c,112c)は、前記パターンに基づいて、前記不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量(Q2)を定量化することにより、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    請求項1又は2に記載の空調コントローラ(1,101)。
  4. 前記判断部(212c)は、予め設定されている、前記パターンと前記不在制御モードの実行の適否に関する情報との関係を示す情報(T)にさらに基づいて、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    請求項1又は2に記載の空調コントローラ(201)。
  5. 前記判断部(12c,112c,212c)は、前記空調要素(IU1〜IU9)の負荷にさらに基づいて、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    請求項1から4のいずれかに記載の空調コントローラ(1,101,201)。
  6. 前記判断部(12c,112c)は、前記空調要素(IU1〜IU9)の負荷に応じて選定されるモデルに従って、前記不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量(Q2)を定量化する、
    請求項3に記載の空調コントローラ(1,101)。
  7. 前記判断部(12c,112c,212c)は、前記空調要素(IU1〜IU9)の能力制限にさらに基づいて、前記実行部(12b)による前記不在制御モードの実行の適否を判断する、
    請求項1から6のいずれかに記載の空調コントローラ(1,101,201)。
  8. 前記判断部(12c,112c)は、前記空調要素(IU1〜IU9)の能力制限に応じて選定されるモデルに従って、前記不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量(Q2)を定量化する、
    請求項3又は6のいずれかに記載の空調コントローラ(1,101)。
  9. 前記判断部(12c,112c)は、前記空調要素(IU1〜IU9)のエネルギー消費量を当該空調要素に隣接する前記不在エリアの数に基づいて定量化することにより、前記不在制御モードを実行する場合のエネルギー消費量(Q2)を定量化する、
    請求項3,6又は8に記載の空調コントローラ(1,101)。
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