JP5504042B2 - 防水シート留め具 - Google Patents
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この際、例えば改修用防水シートの端部を、押え金物によって下地面または下地面に取り付けられた当初の防水シートに押え付けて、当該端部の剥がれを防止するとともに、同端部を見切る等の端部処理を行うことがある。しかし、押え金物を使用した場合、その分コストがかかるばかりか、押え金物を留める止着材等が外部に露出してしまい、見映えもよくないという問題がある。
将来の張替えまたは重ね貼りのための改修用防水シート6aの端部を取り付けるシート取付手段13を備えており、
前記シート取付手段13は、前記下地面2aに対向して設けられて、前記改修用防水シート6aの端部を取り付ける取付面13aを有することを特徴とする。
また、シート取付手段13が取付面13aを有しているので、この取付面13aに改修用防水シート6aの端部を取り付けることによって、この端部を下地面2aまたはこの下地面2aに設けられた当初の防水シート6に対向配置して押し付けることができ、この結果、改修用防水シート6aの上端部が下地面2aまたは防水シート6から剥離するのを確実に防止できる。
前記下地面2aに前記当初の防水シート6を留める固定部12を有し、
この固定部12より前記防水シート6上の水の流れの下流側に前記シート取付手段13が設けられていることを特徴とする。
前記取付面13aに、前記改修用防水シート6aの端部が接着手段14によって取り付けられることを特徴とする。
ここで、接着手段14としては、例えば湿式のシーリング材14が好適に使用される。シーリング材14を使用することによって、取付面13aと改修用防水シート6aの端部とが水密に接着されるので、防水効果が高まる。
前記取付面13aは、前記改修用防水シート6aの端部を前記下地面2aまたは下地面2a上の当初の防水シート6とで挟持することを特徴とする。
前記シート取付手段20は、前記下地面2aと平行な複数の面状部材21・・・を所定の隙間をもって重ねた構造となっており、
前記下地面2aに設けられた当初の防水シート6とこの防水シート6に最も近い前記面状部材21との間、および隣り合う前記面状部材21,21間に、前記改修用防水シート6aの端部を差し込み可能であることを特徴とする。
次の改修において第1番目の改修用防水シート6aに第2番目の改修用防水シート6aを重ね貼りする際に、第1番目の面状部材21と、この面状部材21に隣り合う第2番目の面状部材21との間に第2番目の改修用防水シート6aの端部を差し込んで取り付けることができる。
同様にして、次の改修において前の改修用防水シート6aに次の改修用防水シート6aを重ね貼りする際に、次の隣り合う面状部材21,21間に、次の改修用防水シート6aの端部を差し込んで取り付けることができる。
したがって、複数回の防水シートの改修に容易に対応できる。
(第1の実施の形態)
図1および図2は第1の実施の形態を示すもので、図1は防水シート留め具を使用して防水シートの改修を行った際のパラペット上端部の断面図、図2は防水シート留め具の一部の斜視図である。
パラペット本体2の側面(下地面)2aの上端部には、本発明に係る防水シート留め具10が防水シート6を挟んで取り付けられている。
防水シート留め具10は、図1および図2に示すように、上板部10a、下板部10b、背板部10c、前板部10d、水平板部10e、延出板部10fが一体的に形成されたものである。
上板部10aと下板部10bとは平行に配置されており、これら上下の板部10a,10bが背板部10cによって連結されている。前板部10dは下板部10bの先端から上方に突出しており、水平板部10eは前板部10dの先端から内側に向けられて上下の板部10a,10bと平行に設けられている。水平板部10eと上板部10aとは上下に間隔をもって設けられており、この間隔から後述する止着材11を挿入して、背板部10cを貫通して下地面2aにねじ込むまたは打ち込むようになっている。
延出板部10fは、下板部10bと背板部10cとの交差部から下方に延出するものであり、該交差部から斜め下方に延出する傾斜板部10gと傾斜板部10gの下端から垂下する垂下板部10hとから構成されている。垂下板部10hは背板部10cより前板部10d側に位置しており、これによって、背板部10cを防水シート6を挟んで下地面2aに固定した際に、防水シート6と垂下板部10hとの間に所定の隙間が設けられるようになっている。
この固定部12より防水シート6上の水の流れの下流側(下側)にシート取付手段13が設けられている。このシート取付手段13は、将来の張替えまたは重ね貼りのための改修用防水シート6aの上端部を取り付けるものであり、前記延出板部10fによって構成されている。
そして、防水シート改修時に、防水シート6の表面と取付面13aとの間の隙間に改修用防水シート6aの上端部が差し込まれるようになっている。なお、この隙間は改修用防水シート6aの厚さより大きくなっている。
また、この取付面13aに改修用防水シート6aの上端部が接着手段を構成する湿式のシーリング材14によって取り付けられるようになっており、改修用防水シート6aの上端部は、取付面13aと防水シート6とによって挟持されるようになっている。
これによって、取付面13aに改修用防水シート6aの上端部がシーリング材14によって取り付けられるとともに、改修用防水シート6aの端部が取付面13aと当初の防水シート6の表面とによって挟持される。
また、当初の防水シート6を下地面2aに留めている固定部12より下側にシート取付手段13が設けられているので、改修用防水シート6aの上端部を固定部12に干渉することなくシート取付手段13に取り付けることができる。
さらに、防水シート留め具10を下地面2aに固定する止着材11が、防水シート留め具10の内側に配置されるとともに、笠木5によって、上板部10aと水平板部10eとの間からの風雨の侵入が防止されているので、止着材11付近からの漏水を防止できる。
また、取付面13aに改修用防水シート6aの上端部がシーリング材14によって取り付けられるので、当該上端部が取付面13aから外れるのを防止できる。したがって、改修用防水シート6aの上端部の処理をより確実に行うことができるとともに、取付面3aと改修用防水シート6aとの間からの漏水を確実に防止できる。
さらに、改修用防水シート6aの上端部が取付面13aと当初の防水シート6とで挟持されるので、改修用防水シート6aの上端部を確実に固定できる。
この場合、改修用防水シート6aを下地面2aに貼り付けるとともにに、当該改修用防水シート6aの上端部を、下地面2aと取付面13aとの間の隙間に差し込んだうえで、シーリング材14を改修用防水シート6aの上端部の表面と取付面13aとの間に充填すればよい。
図3および図4は第2の実施の形態を示すもので、図3は防水シート留め具を使用して防水シートの改修を行った際のパラペット上端部の断面図、図4は防水シート留め具の一部の斜視図である。
本実施の形態の防水シート留め具10のシート取付手段20は、前記下地面2aと平行な複数(例えば3枚)の面状部材21・・・を防水シート6の厚さ方向に所定の隙間をもって重ねた構造となっている。
隣り合う面状部材21,21間の隙間、固定部12を構成する背板部10cの表面を下側に延長した仮想平面と背板部10cに最も近い面状部材21との間の隙間は、それぞれ改修用防水シート6aの厚さより大きくなっている。
これによって、前記下地面2aに留められた当初の防水シート6とこの防水シート6に最も近い面状部材21との間、および隣り合う面状部材21,21間に、改修用防水シート6aの上端部を差し込み可能となっている。
防水シート6に最も近い面状部材21の取付面21aと防水シート6の表面と下板部10bの下面とによって、下方に開口した溝部が形成されている。
また、隣り合う面状部材21,21の表面(取付面21aを含む)と下板部10bの下面とによって、下方に開口した溝部が形成されている。
そして、防水シートの複数回の改修時に、内側の溝から順番に改修用防水シート6aの上端部が差し込まれるようになっている。
また、2回目、3回目の改修時における改修用防水シート6aの上端部は、それぞれ隣り合う面状部材21の取付面21aと、この取付面21aに対向する面状部材21の裏面とによって挟持されるようになっている。
これによって、取付面21aに改修用防水シート6aの上端部がシーリング材14によって取り付けられるとともに、改修用防水シート6aの端部が取付面21aと当初の防水シート6の表面とによって挟持される。
これによって、第2番目の面状部材21の取付面21aに第2番目の改修用防水シート6aの上端部がシーリング材14によって取り付けられるとともに、当該改修用防水シート6aの端部が第2番目の面状部材21の取付面21aと第1番目の面状部材21の裏面とによって挟持される。
これによって、第3番目の面状部材21の取付面21aに第3番目の改修用防水シート6aの上端部がシーリング材14によって取り付けられるとともに、当該改修用防水シート6aの端部が第3番目の面状部材21の取付面21aと第2番目の面状部材21の裏面とによって挟持される。
このシート取付手段20では、各面状部材21の取付面21aに、断面鋸刃状の被係合部21bが形成されている。
一方、前記湿式のシーリング材14の代わりに、乾式のシーリング材14aが使用され、この乾式のリーリング材14aの表面に、断面鋸刃状で、かつ、前記被係合部21bに係合される係合部14bが形成されている。
同様に、2回目、3回目の防水シート改修時には、改修用防水シート6aの上端部を、隣り合う面状部材21,21間に差し込み、シーリング材14aの係合部14bを取付面21aに形成された被係合部21bに係合する。
また、シーリング材14aの表面に、断面鋸刃状の係合部14bが形成されているので、この係合部14bが取付面21aの被係合部21bに係合するとともに改修用防水シート6aの上端部に喰い付くので、改修用防水シート6aの上端部を確実に固定することができる。
このシート取付手段20では、第1番目の面状部材22a、第2番目の面状部材22b、第3番目の面状部材22cのそれぞれの上下の長さがこの順番で長くなっている。したがって、第1番目の面状部材22a、第2番目の面状部材22b、第3番目の面状部材22cのそれぞれの下端の位置が、この順番で高くなっている。
2a 側面(下地面)
6 当初の防水シート
6a 改修用防水シート
10 防水シート留め具
12 固定部
13,20 シート取付手段
13a,21a 取付面
14 シーリング材(接着手段)
21,22a,22b,22c 面状部材
Claims (5)
- 当初の防水シートを下地面に留める防水シート留め具おいて、
将来の張替えまたは重ね貼りのための改修用防水シートの端部を取り付けるシート取付手段を備えており、
前記シート取付手段は、前記下地面に対向して設けられて、前記改修用防水シートの端部を取り付ける取付面を有することを特徴とする防水シート留め具。 - 前記下地面に前記当初の防水シートを留める固定部を有し、
この固定部より前記防水シート上の水の流れの下流側に前記シート取付手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防水シート留め具。 - 前記取付面に、前記改修用防水シートの端部が接着手段によって取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の防水シート留め具。
- 前記取付面は、前記改修用防水シートの端部を前記下地面または下地面上の当初の防水シートとで挟持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水シート留め具。
- 前記シート取付手段は、前記下地面と平行な複数の面状部材を所定の隙間をもって重ねた構造となっており、
前記下地面に設けられた当初の防水シートとこの防水シートに最も近い前記面状部材との間、および隣り合う前記面状部材間に、前記改修用防水シートの端部を差し込み可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の防水シート留め具。
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