JP5503326B2 - 鉄道車両用空気圧縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に設置され、この鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置に関する。
鉄道車両に設置されてその鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置として、特許文献1乃至特許文献3に開示されたものが知られている。特許文献1乃至特許文献3に開示された鉄道車両用空気圧縮装置においては、吸い込まれた空気を圧縮する圧縮機、電動モータを有し圧縮機を駆動する圧縮機駆動部、冷却ファン、アフタークーラー等が設けられている。そして、これらの構成要素が収容ケースに収容されてパッケージ化されるように構成されている。
尚、特許文献1乃至特許文献3に開示された鉄道車両用空気圧縮装置は、油を伴った空気を圧縮した後に圧縮空気から油を分離して圧縮空気を生成する装置として構成されている。これにより、特許文献1乃至特許文献3の鉄道車両用空気圧縮装置は、圧縮熱の除去、油膜によるシール及び潤滑を行うことができるように構成されている。
また、特許文献1及び特許文献2に開示された鉄道車両用空気圧縮装置は、圧縮機、圧縮機駆動部、冷却ファン、アフタークーラー等が、収容ケースにコンパクトに収容されてパッケージ化されており、これによると、鉄道車両に対する取り付け性が非常に優れた鉄道車両用空気圧縮装置を実現することができる。尚、特許文献3においては、複数台が並列接続された圧縮機を備える鉄道車両用空気圧縮装置が開示されている。
特開2002−227785号公報 特開2003−200826号公報 特開2005−76481号公報
特許文献1乃至特許文献3に開示されているような油を用いて圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置においては、油タンクを有する油回収器、油タンクに回収された油を冷却するオイルクーラー、油タンク内の油の温度(油温)を調整するために、油タンク内の油温に応じてオイルクーラーに油を循環させる状態と循環させない状態とのいずれかに切り替える油温調整弁、等が設けられる。尚、油回収器は、圧縮機において油を伴って圧縮された圧縮空気が誘導されて油を油タンクに回収するとともに、圧縮機に油を供給する油供給経路に連通するように構成される。また、油温調整弁は、油温に応じて、独立して弁を開閉するものであり、例えば温度によって体積が変化するワックスなどにより、弁は開閉される。
ところで、特許文献1乃至特許文献3に開示されているような鉄道車両用空気圧縮装置においては、油は冷却と潤滑のために必須のものであり、その量が適切なレベルにあるかどうかを例えば鉄道車両の運行後にチェックするようになっている。この場合、作業者が、油回収器に設置されて油タンク内の油面の位置を計測可能な油面計によって油面を確認し、必要に応じて油を補給している。
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に開示されているような油を用いて圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置においては、前述のように、油タンク内の油温を調整するための機構として、オイルクーラーや油温調整弁が設けられる。このため、鉄道車両用空気圧縮装置の運転を停止させた場合、運転を停止した時点における油温調整弁の作動状態や油の温度によっては、オイルクーラーと、オイルクーラー及び油タンクとを連通する経路とに滞留する油によって、油タンクへの油の戻り量が変動してしまうことになる。よって、作業者が、油の補給が必要か否かを判断するために鉄道車両用空気圧縮装置の運転を停止させて油面計によって油タンク内の油面の位置を確認する場合、装置内を循環する油の合計量が同じであっても運転を停止した時点における油温調整弁の作動状態や油の温度によって油面の位置が変動してしまうことになる。このため、作業者は、油の補給が必要か否かを的確に判断することが難しいという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な鉄道車両用空気圧縮装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る鉄道車両用空気圧縮装置は、鉄道車両に設置され、当該鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置であって、空気吸込み部から吸い込まれた空気を圧縮する圧縮機と、電動モータを有し、前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動部と、前記電動モータからの駆動力によって回転駆動され、冷却空気の流れを発生させる冷却ファンと、前記圧縮機で圧縮された圧縮空気を冷却するアフタークーラーと、前記圧縮機に油を供給する油供給経路と、油タンクを有し、前記圧縮機において油を伴って圧縮された圧縮空気が誘導されて油を前記油タンクに回収するとともに前記油供給経路に連通する油回収器と、前記油回収器に設置され、前記油タンク内の油面の位置を計測可能な油面計と、前記油回収器と前記アフタークーラーとを連通する経路に配置され、前記圧縮機で油を伴って圧縮されて前記油回収器を通過した圧縮空気から油を分離する油分離エレメントと、前記アフタークーラーで冷却された圧縮空気に対して除湿を行う除湿器と、前記油タンクに回収された油を冷却するオイルクーラーと、前記油タンク内の油の温度である油温に応じて前記オイルクーラーに油を循環させる状態と循環させない状態とのいずれかに切り替えて当該油温を調整する油温調整弁と、通常運転モードと、暖気運転モードと、油面確認モードとに運転モードが設定可能であって、それらのうちのいずれかの運転モードに基づいて運転状態を制御するコントローラと、前記圧縮機、前記圧縮機駆動部、前記冷却ファン、前記アフタークーラー、前記油回収器、前記油分離エレメント、前記除湿器、前記オイルクーラー、及び前記コントローラを収容するとともに、前記空気吸込み部が設置された収容ケースと、を備えている。そして、第1発明に係る鉄道車両用空気圧縮装置は、前記コントローラは、前記油面確認モードに設定されていない状態であるとともに前記油温が所定の第1の温度以下の状態である前記暖気運転モードの場合は、前記圧縮機を連続して作動させるとともに圧縮空気を外部に排出するように運転状態を制御し、前記油面確認モードに設定されていない状態であるとともに前記油温が前記第1の温度を超えた状態である前記通常運転モードの場合は、前記収容ケースの外部に設置されて圧縮空気を貯留するエアタンク内の空気圧力に応じて前記圧縮機を間欠作動させるとともに当該エアタンクに対して前記除湿器で除湿が行われた圧縮空気を送出するように運転状態を制御し、前記油面確認モードに設定された場合は、前記油温が所定の第2の温度を超える条件と、当該油面確認モードに設定されてから経過した時間が所定の時間を経過する条件と、のうちのいずれかの条件である油面確認条件が成立するまで前記圧縮機を連続して作動させるとともに圧縮空気を外部に排出するように運転状態を制御し、前記油面確認条件が成立すると運転を停止させることを特徴とする。
この発明によると、圧縮機、圧縮機駆動部、冷却ファン、アフタークーラー、油回収器、油分離エレメント、除湿器、オイルクーラー、及びコントローラが、収容ケースにコン
パクトに収容されてパッケージ化され、鉄道車両に対する取り付け性が非常に優れた鉄道車両用空気圧縮装置を実現することができる。更に、この発明では、運転モードに基づいて鉄道車両用空気圧縮装置の運転状態を制御するコントローラが、通常運転モード及び暖気運転モードに加えて、油面確認モードにも対応して運転状態を制御できるように構成されている。そして、この鉄道車両用空気圧縮装置においては、油面確認モードに設定されると、コントローラの制御に基づいて、油温或いは油面確認モードに設定されてからの時間に関する油面確認条件が成立するまで圧縮機が連続して作動し、条件成立により運転が停止される。このため、油面確認モードでの運転を停止した時点における油温調整弁の作動状態および油の温度をほぼ一定の同じ状態で安定させることができる。これにより、油面確認モードでの運転が行われて停止し、更に所定時間経過して油面の状態が安定した状態では、オイルクーラーと、オイルクーラー及び油タンクを連通する経路とに滞留する油の量が、ほぼ同じ量に収束することになる。よって、作業者が油面計によって油タンク内の油面を確認する際に、装置内を循環する油の合計量が同じであれば、運転を停止した際における油温調整弁の作動状態によって油面の位置が変動してしまうことが抑制され、安定したほぼ同じ油面の位置に収束することになる。このため、作業者は、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することができる。尚、上記のように、油面確認モードでの運転が行われて停止した後における油面計による油面確認作業は、運転による油面変動の影響が無視できる程度の所定の時間が経過後に、油面の状態が安定した状態で行われることが望ましい。
従って、本発明によると、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な鉄道車両用空気圧縮装置を提供することができる。
第2発明に係鉄道車両用空気圧縮装置は、第1発明の鉄道車両用空気圧縮装置において、前記油温を検知する温度センサを更に備え、前記温度センサでの検知結果に基づいて、前記油温が前記第1の温度以下の状態であるか否かが判断され、前記コントローラは、前記温度センサでの検知結果に基づいて、前記油温が前記第2の温度を超える前記油面確認条件が成立しているか否かを判断することを特徴とする。
この発明によると、暖気運転モードから通常運転モードに移行させるタイミングを判断するために設けられて油温を検知する温度センサが、油面確認条件が成立しているか否かを判断するための温度センサとしても用いられることになる。このため、暖気運転モード及び通常運転モードにおいて油温の検知に用いられる温度センサを油面確認モードにおいても兼用して用いることができる。これにより、装置構成の簡素化を図ることができる。
第3発明に係る鉄道車両用空気圧縮装置は、第1発明又は第2発明の鉄道車両用空気圧縮装置において、前記油温調整弁は、前記コントローラによる制御に基づかずに前記油温に応じて独立して作動することを特徴とする。
この発明によると、油温調整弁が、コントローラの制御によらずに油温に応じて独立して作動する自立式の調整弁として設けられている。このため、油タンク内の油温に応じてオイルクーラーに油を循環させる状態と循環させない状態とに切り替えて油温を調整する油温調整弁の構造について、小型化及び簡素化を図ることができる。そして、コントローラの制御によらない自立式の調整弁であるため、作動を安定化させることができ、信頼性の向上を図ることができる。よって、油温調整弁について小型化及び作動の信頼性の向上が図られた鉄道車両用空気圧縮装置において、油面確認のために運転を停止した際における油温調整弁の作動状態をほぼ一定の同じ状態で安定させることができ、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な構成を実現することができることになる。
本発明によると、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な鉄道車両用空気圧縮装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る鉄道車両用空気圧縮装置のシステム構成を模式的に示す系統図である。 図1に示す鉄道車両用空気圧縮装置における作動を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態は、鉄道車両に設置されてこの鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置であって、油を伴った空気を圧縮した後に圧縮空気から油を分離して圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置において広く適用することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る鉄道車両用空気圧縮装置1(以下、単に「空気圧縮装置1」ともいう)のシステム構成を模式的に示す系統図である。図1に示す空気圧縮装置1は、図示しない鉄道車両に設置される。そして、この空気圧縮装置1において生成された圧縮空気は、鉄道車両において各種空圧機器を作動させるために用いられる。尚、この空気圧縮装置1は、例えば、鉄道車両の編成における各車両に設置される。
図1に示す空気圧縮装置1は、収容ケース11、圧縮機12、圧縮機駆動部13、カップリング14、カップリングケース15、冷却ファン16、アフタークーラー17、空気吸込み部18、圧縮空気送出部19、油供給経路20、油回収器21、油分離エレメント22、水油用分離器23、除湿器24、オイルクーラー25、油温調整弁39、温度スイッチ(温度センサ)40、コントローラ90、油面計91、等を備えて構成されている。
そして、空気圧縮装置1は、空気吸込み部18から吸い込んだ空気を圧縮機12で圧縮し、アフタークーラー17で冷却した後に、圧縮空気送出部19から圧縮空気として送出する装置として構成されている。また、空気圧縮装置1は、油供給経路20、油回収器21、油分離エレメント22、水油用分離器23、オイルクーラー25、等を備えることで、油を伴った空気を圧縮した後に圧縮空気から油を分離して圧縮空気を生成する装置として構成されている。これにより、圧縮熱の除去、油膜によるシール及び潤滑を行うことができるように構成されている。以下、空気圧縮装置1における各構成要素について、詳しく説明する。
収容ケース11は、圧縮機12、圧縮機駆動部13、カップリングケース15、冷却ファン16、アフタークーラー17、油供給経路20、油回収器21、油分離エレメント22、水油用分離器23、除湿器24、オイルクーラー25、コントローラ90、等を収容する箱状の筐体として設けられている。そして、この収容ケース11には、その壁部において、空気吸込み部18と、圧縮空気送出部19とが設置されている。
収容ケース11に設置される空気吸込み部18は、圧縮機12で圧縮される空気(外気)を吸い込むための機構として設けられ、圧縮機12に連通するように形成されている。そして、この空気吸込み部18には、吸い込まれる空気が通過する際に砂塵等の粉塵の通過を抑制する吸込みフィルタ18aが設けられている。また、圧縮空気送出部19は、後述のアフタークーラー17で冷却された圧縮空気を送出する機構として設けられている。そして、この圧縮空気送出部19は、収容ケース11の外部に設置されて圧縮空気を貯留する図示しないエアタンク(圧縮空気溜め)に対して生成された圧縮空気を供給するように収容ケース11から外部に向かって延びる配管系統として設けられている。
また、収容ケース11には、後述する冷却ファン16によって発生する冷却空気の流れの上流側に位置する壁部において、フィルタ部28が設置されている。このフィルタ部28は、例えば、収容ケース11に取り付けられた金網として設けられている。そして、冷却ファン16が回転することで、冷却空気となる外気がフィルタ部28を介して吸い込まれることになる。尚、図1においては、吸い込まれた外気の流れや乾燥した状態の空気の流れについては、白抜きで外形のみの状態の太い矢印で示している。また、油滴、水滴、水蒸気を含む空気の流れについては、斜線のハッチングを付した状態の太い矢印で示している。また、油の流れについては、細い矢印で示している。
圧縮機12は、空気吸込み部18に連通し、空気吸込み部18から吸い込まれた空気を圧縮するように構成されている。尚、圧縮機12は、圧縮機本体に一体的に形成された吸込み弁29を介して空気吸込み部18に連通するように構成されている。吸込み弁29は、弁体と、この弁体が着座及び離座が可能な弁座と、弁体を弁座に着座させる方向に付勢するバネと、を備えて構成されている。そして、圧縮機12が作動して圧縮機12側が負圧となることで外気の圧力によって弁体がバネのバネ力に抗して弁座から離座し、圧縮機12内に空気が吸い込まれることになる。
また、圧縮機12は、例えば、互いに逆方向に回転して空気を圧縮する一対のスクリューを有するスクリュー式の空気圧縮機として設けられている。スクリューが配置される圧縮機本体の内部では、吸込み弁29に連通する部分から後述の油回収器21に連通する部分にかけて空気の圧力が上昇することになる。尚、本実施形態では、圧縮機12が、スクリュー式の空気圧縮機として設けられる場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。圧縮機12が、スクロール式の空気圧縮機、或いは、圧縮機駆動部13からの回転駆動力がクランク軸を介して往復駆動力に変換されて伝達されて駆動されるレシプロ式の空気圧縮機、等として設けられていてもよい。
圧縮機駆動部13は、電動モータ13aを有し、圧縮機12を回転駆動する駆動機構として設けられている。尚、本実施形態では、圧縮機駆動部13が、電動モータ13aのみで減速機部分が設けられていない駆動機構として設けられている場合を例示しているが、この通りでなくてもよい。即ち、圧縮機駆動部13が、電動モータ13aに連結される減速機部分を備える減速機付モータとして設けられていてもよい。
カップリング14は、圧縮機駆動部13と圧縮機12とを連結して圧縮機駆動部13の駆動力を圧縮機12に伝達するように構成されており、例えば、軸継手として設けられている。カップリングケース15は、カップリング14を収容する箱状体として設けられている。そして、カップリングケース15は、圧縮機12及び圧縮機駆動部13と間に配置されるとともに、これらの圧縮機12及び圧縮機駆動部13に対して結合されている。
冷却ファン16は、圧縮機駆動部13に対して、カップリング15が連結される側と反対側の端部において取り付けられている。この冷却ファン16は、軸流ファンとして設けられ、プロペラ部とこのプロペラ部の周囲に設置される筒状のケース部(図示せず)とを備えて構成されている。そして、冷却ファン16は、電動モータ13aの回転軸の駆動力がカップリング側と反対側でプロペラ部に伝達されるように設置されている。このように、冷却ファン16は、電動モータ13aからの駆動力によって回転駆動され、これにより、フィルタ部28から吸い込まれる空気による冷却空気の流れを発生させるように構成されている。尚、本実施形態では、冷却ファン16が軸流ファンである場合を例示しているが、この通りでなくてもよく、シロッコファン等の他の形態の冷却ファンを用いることもできる。
アフタークーラー17は、圧縮機12で圧縮されて圧縮熱が残っている圧縮空気を冷却する熱交換器として設けられている。このアフタークーラー17は、冷却ファン16に対して、この冷却ファン16によって発生する冷却空気の流れの上流側に配置されている(尚、図1は、模式的に示す系統図であり、収容ケース11内でのアフタークーラー17の配置を特定するものではない)。これにより、アフタークーラー17が冷却ファン16によって発生する冷却空気によって外部から冷却され、更に、アフタークーラー17の内部を通過する圧縮空気が冷却されることになる。尚、アフタークーラー17は、後述するオイルクーラー25と一体的に結合されて形成されている。また、アフタークーラー17は、冷却ファン16に対して、この冷却ファン16によって発生する冷却空気の流れの下流側に配置されていてもよい。
油回収器21は、油入り圧縮空気吐出経路21aと、油タンク21bとを備えて構成されている。油入り圧縮空気吐出経路21aは、圧縮機12と油タンク21bとに連通する経路として設けられている。圧縮機12において油を伴って圧縮された圧縮空気は、油入り圧縮空気吐出経路21aを介して油タンク21bに誘導され、圧縮空気とともに油入り圧縮空気吐出経路21aから吐出された油が、油タンク21bに回収されることになる。
また、油入り圧縮空気吐出経路21aにおける油タンク21b内での吐出部分には分離機31が設置されている。油を伴った圧縮空気が油入り圧縮空気吐出経路21aを通過してその吐出部分から吐出されると、分離機31によって大きな油滴が分離されて油タンク21b内で飛散しながら重力で落下して油タンク21b内に回収されることになる。そして、油タンク21b内は、回収された油32が貯留した状態となる。
油面計91は、油回収器21における油タンク21bに設置されている。そして、油タンク21b内の油32の油面の位置を計測可能な計測手段として設けられている。油タンク21b内の油面を確認する作業者は、この油面計91によって油面の位置を確認することになる。尚、油面計91としては、種々の形態の油面計を用いることができる。例えば、油面位置を外部から作業者が視認可能な窓部として設けられた油面計、フロート式の油面計、超音波式の油面計、圧力式の油面計、等を用いることができる。
温度スイッチ40は、油タンク21b内の油32の温度である油温を検知する温度センサとして設けられている。この温度センサでの検知結果に基づいて、後述するように、油タンク21b内の油温が、コントローラ90において運転状態を制御する際の判断基準となる所定の温度(本実施形態における第1の温度)以下の状態であるか否かが判断されることになる。そして、この温度スイッチ40は、油タンク21b内の油温が所定の温度以下の場合と所定の温度を超えている場合とでコントローラ90に対してオンオフ信号を出力するスイッチとして構成されている。尚、温度スイッチ40においては、所定の温度の近傍でのチャタリングの発生を抑制するため、オン信号出力温度とオフ信号出力温度との間のディファレンシャルが適宜設定されていてもよい。
油供給経路20は、油回収器21の油タンク21bと圧縮機12とに連通するように設置されており、圧縮機12に油タンク21bから油を供給する経路として設けられている。油供給経路20は、圧縮機12における圧縮機本体に対して、吸込み弁29に連通する吸い込み側であって圧力が低い低圧側に連通している。また、油供給経路20は、油タンク21bに対して、油タンク21b内の油32の油面よりも低い位置で連通するように構成されている。このように油供給経路20が圧縮機12及び油タンク21bに連通しているため、油入り圧縮空気吐出経路21aから吐出された圧縮空気が油32の油面を押し下げることで、油供給経路20を介して圧縮機12に油が供給されることになる。尚、油供給経路20の途中には、フィルタ要素としての油チリコシ20aが配置されており、油タンク21b内の異物(例えば、劣化した油が凝集したスカム状の物質等)が圧縮機12内
に供給されてしまうことが防止されている。
油分離エレメント22は、油回収器21の油タンク21bとアフタークーラー17とを連通する経路に配置されており、圧縮機12において油を伴って圧縮されて油回収器21を通過した圧縮空気から油を分離するフィルタ要素を備えて構成されている。この油分離エレメント22において、油回収器21において回収されなかった細かい油滴が圧縮空気から分離されることになる。
また、油分離エレメント22からは、圧縮機連通路34が、圧縮機12又は吸込み弁29に向かって延びるように設けられている。この圧縮機連通路34は、油分離エレメント22のハウジング部分の内部における下部と圧縮機12とを連通するように設置されており、油分離エレメント22で分離された油が圧縮空気によって押し上げられて圧縮機12に供給されるように構成されている。尚、圧縮機連通路34には、圧縮空気の通過量を抑制するための絞りが設置されている。
また、油分離エレメント22とアフタークーラー17とを連通する経路には、所定の圧力以上の圧縮空気のアフタークーラー17側への通過を許容する保圧逆止弁35と、圧縮空気の圧力が所定の過大な圧力以上になったときに外部に対して圧縮空気を逃がすための安全弁36と、が設けられている。
オイルクーラー25は、油供給経路20における油タンク21b側と圧縮機12側とに連通するように設けられ、油タンク21b内の油を冷却して油供給経路20に供給可能な熱交換器として設けられている。このオイルクーラー25は、前述のように、アフタークーラー17と一体的に結合されて形成されている。また、オイルクーラー25は、冷却ファン16に対して冷却空気の流れの上流側に配置されている(尚、図1は、模式的に示す系統図であり、収容ケース11内でのオイルクーラー25の配置を特定するものではない)。そして、オイルクーラー25が冷却ファン16によって発生する冷却空気によって外部から冷却されることで、オイルクーラー25の内部を通過する油が冷却されることになる。尚、オイルクーラー25は、冷却ファン16に対して冷却空気の流れの下流側に配置されていてもよい。
上記のように、オイルクーラー25は、油供給経路20に対して、油タンク21bに連通する側と圧縮機12に連通する側との2箇所で連通するように設けられている。これにより、オイルクーラー25は、油タンク21bから油供給経路20に流入した油の一部を油供給経路20から分岐する油経路38aを経て取り込んで冷却し、その冷却した油を油経路38bを経て油供給経路20に戻すように構成されている。尚、オイルクーラー25での冷却を経て油供給経路20に戻る油の流動は、油入り圧縮空気吐出経路21aから吐出された圧縮空気が油32の油面を押し下げることで行われる。
また、油供給経路20と油経路38aとが連通する箇所には、油経路38aへの油の流入口を連通状態とする連通位置と遮断状態とする遮断位置とにおいて切り替え可能な油温調整弁39が設置されている。この油温調整弁39は、例えば、温度により体積変化するワックスやバイメタル機構によって作動する自立式のバルブ機構として構成されており、後述のコントローラ90による制御に基づかずに油タンク21b内の油温に応じて独立して作動するように構成されている。即ち、油温調整弁39は、油タンク21b内の油温に応じて独立して上記の連通位置と遮断位置とのいずれかの位置に切り替わるように構成されている。これにより、油温調整弁39は、油タンク21b内の油温に応じてオイルクーラー25に油を循環させる状態と油を循環させない状態とのいずれかに切り替えて油タンク21b内の油温を調整するように構成されている。尚、この油温調整弁39の作動により、油タンク21b内の油温が所定の温度範囲に収まるように制御され、油温が低すぎる
ことによる油のエマルジョン化が防止されるとともに、油温が高すぎることによる油の酸化が防止されることになる。
水油用分離器23は、アフタークーラー17と後述の除湿器24とを連通する経路に配置されており、アフタークーラー17で冷却された圧縮空気から水分と油分とを分離する複数のフィルタ要素を備えて構成されている。この水油用分離器23において、圧縮空気から水分が分離されるとともに、油分離エレメント22において分離されなかった微量の油分も圧縮空気から分離されることになる。尚、水油用分離器23において分離された水分と油分とは、例えば、電磁弁として設けられたドレン弁41から排出されることになる。
除湿器24は、水油用分離器23と圧縮空気送出部19との間に配置され、水油用分離器23で水分と油分とが分離された圧縮空気に対して更に除湿を行う乾燥剤が含まれたフィルタ要素あるいは中空糸膜方式の除湿を行うフィルタ要素を備えて構成されている。この除湿器24において、圧縮空気送出部19から送出される圧縮空気に対する最終的な除湿が行われることになる。尚、除湿器24と圧縮空気送出部19とを連通する経路には、所定の圧力以上の圧縮空気の圧縮空気送出部19側への通過を許容する逆止弁42が設けられている。
コントローラ90は、空気圧縮装置1の運転状態を制御する制御装置として設けられている。そして、このコントローラ90は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ、インターフェース回路等を備えて構成され、上位の制御装置(図示せず)との間で信号の送受信が可能に構成されている。
また、コントローラ90は、温度スイッチ40からの信号と、収容ケース11の外部で圧縮空気を貯留するエアタンク内の空気圧力を検知する圧力センサからの信号とを受信可能に構成されている。また、コントローラ90は、電動モータ13aの運転を制御することで圧縮機12の作動を制御するように構成されている。また、コントローラ90は、ドレン弁41の開閉動作を制御するように構成されている。
コントローラ90は、暖気運転モードと、通常運転モードと、油面確認モードとに運転モードが設定可能であって、それらのうちのいずれかの運転モードに基づいて空気圧縮装置1の運転状態を制御するように構成されている。尚、空気圧縮装置1の運転を開始させる場合、作業者は、上位の制御装置に対して、暖気運転モード及び通常運転モードのいずれかの運転モードがコントローラ90において切り替えて設定される圧縮空気生成モードと、油面確認モードと、のいずれかの運転モード指令を入力するように操作を行う。
上位の制御装置に対して油面確認モードの指令が入力されると、この指令信号が上位の制御装置からコントローラ90に送信され、この指令信号を受信することで、コントローラ90の運転モードが油面確認モードに設定され、空気圧縮装置1の運転状態が油面確認モードに基づいて制御されることになる。一方、上位の制御装置に対して圧縮空気生成モードの指令が入力されると、この指令信号が上位の制御装置からコントローラ90に送信される。この指令信号を受信した状態では、コントローラ90は油面確認モードの指令信号を受信していない状態であり、コントローラ90の運転モードが油面確認モードに設定されず、空気圧縮装置1の運転状態が後述の暖気運転モード又は通常運転モードに基づいて制御されることになる。尚、圧縮空気生成モードが入力された際における暖気運転モードと通常運転モードとの運転モードの切り替えは、後述するように、コントローラ90において行われる。そして、圧縮空気生成モードで運転が開始されると、通常、暖気運転モードでの運転を経て通常運転モードでの運転が行われることで、圧縮空気の生成が間欠的に継続されることになる。
コントローラ90においては、油面確認モードに設定されていない状態(圧縮空気生成モードの指令信号を受信した状態)であるとともに温度スイッチ40で検知される油タンク21b内の油温が本実施形態の第1の温度である所定の温度以下の状態である場合、運転モードが暖気運転モードに設定される。尚、コントローラ90では、油タンク21b内の油温が上記の所定の温度以下の状態であるか否かは、温度スイッチ40からのオンオフ信号に基づいて(即ち、温度スイッチ40での検知結果に基づいて)判断されることになる。この暖気運転モードに設定されると、コントローラ90は、圧縮機12を連続して作動させる(連続運転させる)ように空気圧縮装置1の運転状態を制御する。そして、このとき、コントローラ90は、ドレン弁41を開弁状態として圧縮空気をドレン弁41から外部に排出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。
上記のような暖機運転モードでの運転は、例えば、運転開始時における油タンク21b内の油温が低いときに行われる。この暖気運転モードでの運転が行われることにより、油温が上記の所定の温度(第1の温度)に達して圧縮空気の状態が安定するまでは、圧縮空気が外部に排出されることになる。尚、本実施形態では、温度スイッチ40からのオンオフ信号がコントローラ90に入力される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、油タンク21b内の油温を検知する温度センサで検知された温度信号がコントローラ90に入力され、コントローラ90が、この温度信号に基づいて油温が上記の第1の温度以下であるか否かを判断する形態であってもよい。
また、コントローラ90においては、油面確認モードに設定されていない状態(圧縮空気生成モードの指令信号を受信した状態)であるとともに温度スイッチ40で検知される油タンク21bの油温が上記の所定の温度を超えた状態である場合、運転モードが通常運転モードに設定される。この通常運転モードに設定されると、コントローラ90は、収容ケース11の外部で圧縮空気を貯留するエアタンク内の空気圧力に応じて圧縮機12を間欠作動させる。そして、このとき、コントローラ90は、ドレン弁41を閉弁状態にしてエアタンクに対して除湿器24で除湿が行われた圧縮空気を送出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。
上記の通常運転モードでの運転中は、エアタンク内の空気圧力が所定の圧力以下に低下した際に圧縮機12の作動(運転)が開始され、圧縮空気がエアタンクへと送出されることになる。一方、エアタンク内の空気圧力が所定の圧力を超えて上昇した際には、圧縮機12の作動が停止され、圧縮空気のエアタンクへの送出が停止されることになる。このような運転状態がエアタンク内の空気圧力に応じて繰り返され、圧縮機12の間欠作動が行われることになる。
また、コントローラ90においては、上位の制御装置から油面確認モードの指令信号を受信した場合、運転モードが油面確認モードに設定される。油面確認モードに設定された場合、コントローラ90は、油面確認モードに設定されてから経過した時間が所定の時間を経過する条件である油面確認条件が成立するまで圧縮機12を連続して作動させる(連続運転させる)ように空気圧縮装置1の運転状態を制御する。そして、このとき、コントローラ90は、上記の油面確認条件が成立するまで、ドレン弁41を開弁状態として圧縮空気をドレン弁41から外部に排出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。また、コントローラ90は、上記の制御に加え、油面確認条件が成立したときには、圧縮機12の作動を停止させ、空気圧縮装置1の運転を停止させる。
上記の油面確認モードでの運転は、鉄道車両の編成における各車両に設置された空気圧縮装置1に対して、上位の制御装置からの油面確認モードの指令信号の送信が一括して行われることで、各空気圧縮装置1において一斉に同時タイミングで開始されることになる
。そして、各車両の空気圧縮装置1における油面確認モードでの運転が行われて停止した後、油タンク21bへ戻る油に含まれて膨張している気泡の影響が無視できる程度の所定の時間の経過後に、油タンク21b内の油面の状態が安定した状態で、作業者による油面計91での油面確認作業が行われることになる。
油面確認モードでの運転が終了した際には、圧縮機12の連続運転が所定の時間行われた状態であるため(油面確認条件が成立した状態であるため)、油タンク21b内の油温が上昇してオイルクーラー25での冷却が行われている状態となっている。即ち、油温調整弁39が連通位置の状態となっており、油温調整弁39の作動状態がほぼ一定の同じ状態で安定している。このため、オイルクーラー25と、オイルクーラー25及び油タンク21bを連通する油経路38aとに滞留する油の量が、ほぼ同じ量に収束することになる。これにより、装置内を循環する油の合計量が同じであれば安定したほぼ同じ油面の位置に収束するため、作業者は、油面計91によって油タンク21b内の油面を確認し、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することができる。
次に、上述した空気圧縮装置1の作動について説明する。まず、空気圧縮装置1において、通常運転モードでの運転が行われている状態について説明する。空気圧縮装置1の通常運転モードでの運転が行われている状態では、まず、外気である空気が、圧縮機12の作動によって発生する負圧によって、空気吸込み部18から吸い込まれる。そして、吸い込まれた空気の圧力によって開いた状態の吸込み弁29をこの吸い込まれた空気が通過し、圧縮機12内に流入する。このとき、圧縮機12には、前述したように、油供給経路20から油が供給されており、圧縮機12内において、吸い込まれた空気が油を伴って圧縮されることになる。
油を伴って圧縮された圧縮空気は、油入り圧縮空気吐出経路21aを通過し、更に分離機31を経て油タンク21b内に吐出される。また、分離機31で圧縮空気から分離された油は、油タンク21b内に回収されることになる。この回収された油は、油供給経路20を経て圧縮機12に対して供給されることになる。即ち、油は、油回収器21と圧縮機12との間を循環することになる。また、油タンク21b内の油32の油温が上昇して所定の高温の状態になると、油温調整弁39が遮断位置から連通位置に切り替わり、オイルクーラー25による油の冷却が行われることになる。
油タンク21b内に吐出された圧縮空気は、油分離エレメント22を通過し、油が分離されることになる。そして、油分離エレメント22を通過した圧縮空気は、アフタークーラー17へ誘導され、アフタークーラー17において冷却される。更に、アフタークーラー17で冷却された圧縮空気は、水油用分離器23において水分と油分とが分離され、除湿器24において更に除湿が行われ、圧縮空気送出部19からエアタンクへと送出されることになる。
次に、コントローラ90によって運転状態が制御される空気圧縮装置1の運転モードの切り替えフローについて、図2に示すフローチャートを参照しながら更に説明する。空気圧縮装置1の運転が開始されると、上位の制御装置からコントローラ90に対して作業者の入力操作に基づく指令信号の送信が行われる。この指令信号として、圧縮空気生成モードの指令信号及び油面確認モードの指令信号のいずれかがコントローラ90に送信される。コントローラ90では、圧縮空気生成モードの指令信号が受信されると、油面確認モードに設定されていない状態と判断され(ステップS101、No)、次いで、温度スイッチ40からの信号に基づいて、油タンク21b内の油温が所定の温度(第1の温度)以下であるか否かが判断される(ステップS102)。
コントローラ90において油タンク21b内の油温が所定の温度以下であると判断され
ると(ステップS102、Yes)、暖気運転モードでの運転が行われることになる(ステップS103)。即ち、コントローラ90は、圧縮機12を連続して作動させ、圧縮空気をドレン弁41から外部に排出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。この暖気運転モードでの運転は、油タンク21b内の油温が所定の温度以下である間、継続される(ステップS102、S103)。
上記の暖気運転モードでの運転が継続された後に油タンク21b内の油温が所定の温度を超えた状態であると判断されると(ステップS102、No)、通常運転モードでの運転が行われることになる(ステップS104)。即ち、コントローラ90は、エアタンク内の空気圧力に応じて圧縮機12を間欠作動させ、エアタンクに対して除湿器24で除湿が行われた圧縮空気を送出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。この通常運転モードでの運転は、作業者が上位の制御装置に対して運転停止指令を入力する操作が行われるまでの間、油タンク21b内の油温が所定の温度を超えている場合に、継続される(ステップS102、S104、S105)。また、作業者による運転停止指令を入力する操作が行われ、その指令信号がコントローラ90で受信されると(ステップS105、Yes)、空気圧縮装置1の運転が停止され(ステップS106)、空気圧縮装置1の通常運転モードでの運転が終了することになる。尚、図2では、図示を省略するが、暖気運転モードでの運転中や油面確認モードでの運転中に運転停止指令の信号が受信された場合も、空気圧縮装置1の運転が停止される。
また、空気圧縮装置1の運転が開始され、上位の制御装置からの指令信号として油面確認モードの指令信号がコントローラ90で受信されると、コントローラ90では、油面確認モードに設定されたと判断される(ステップS101、Yes)。そして、油面確認モードでの運転が行われることになる(ステップS107、S108)。即ち、コントローラ90は、油面確認モードに設定されてから経過した時間が所定の時間を経過するまで(油面確認条件が成立するまで)、圧縮機12を連続して作動させるとともに圧縮空気をドレン弁41から外部に排出するように、空気圧縮装置1の運転状態を制御する。また、コントローラ90は、所定の時間が経過して油面確認条件が成立したときには(ステップS107、Yes)、圧縮機12の作動を停止させ、空気圧縮装置1の運転を停止させる(ステップS106)。これにより、空気圧縮装置1の油面確認モードでの運転が終了し、油面確認作業が可能な状態となる。
以上説明したように、空気圧縮装置1によると、圧縮機12、圧縮機駆動部13、冷却ファン16、アフタークーラー17、油回収器21、油分離エレメント22、水油用分離器23、除湿器24、オイルクーラー25、及びコントローラ90が、収容ケース11にコンパクトに収容されてパッケージ化され、鉄道車両に対する取り付け性が非常に優れた鉄道車両用空気圧縮装置を実現することができる。更に、空気圧縮装置1では、運転モードに基づいて空気圧縮装置1の運転状態を制御するコントローラ90が、通常運転モード及び暖気運転モードに加えて、油面確認モードにも対応して運転状態を制御できるように構成されている。そして、この空気圧縮装置1においては、油面確認モードに設定されると、コントローラ90の制御に基づいて、油面確認モードに設定されてからの時間に関する油面確認条件が成立するまで圧縮機12が連続して作動し、条件成立により運転が停止される。このため、油面確認モードでの運転を停止した際における油温調整弁39の作動状態をほぼ一定の同じ状態で安定させることができる。これにより、油面確認モードでの運転が行われて停止し、更に所定時間経過して油面の状態が安定した状態では、オイルクーラー25と、オイルクーラー25及び油タンク21bを連通する油経路38aとに滞留する油の量が、ほぼ同じ量に収束することになる。よって、作業者が油面計91によって油タンク21b内の油面を確認する際に、装置内を循環する油の合計量が同じであれば、運転を停止した際における油温調整弁39の作動状態によって油面の位置が変動してしまうことが抑制され、安定したほぼ同じ油面の位置に収束することになる。このため、作業
者は、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することができる。
従って、本実施形態によると、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な鉄道車両用空気圧縮装置1を提供することができる。
また、空気圧縮装置1によると、油温調整弁39が、コントローラ90の制御によらずに油温に応じて独立して作動する自立式の調整弁として設けられている。このため、油タンク21b内の油温に応じてオイルクーラー25に油を循環させる状態と循環させない状態とに切り替えて油温を調整する油温調整弁39の構造について、温度センサと電磁弁とからなる構成に比べ、小型化及び簡素化を図ることができる。そして、コントローラ90の制御によらない自立式の調整弁であるため、信頼性の向上を図ることができる。よって、油温調整弁39について小型化及び作動の信頼性の向上が図られた空気圧縮装置1において、油面確認のために運転を停止した際における油温調整弁39の作動状態をほぼ一定の同じ状態で安定させることができ、油の補給が必要か否かを容易且つ的確に判断することが可能な構成を実現することができることになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)本実施形態では、油温調整弁として、コントローラの制御に基づかずに油タンク内の油温に応じて独立して作動する自立式の調整弁を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。油温調整弁が、コントローラからの指令に基づいて作動するものであってもよい。
(2)本実施形態では、油面確認条件が、油面確認モードに設定されてから経過した時間が所定の時間を経過する条件として設定されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。油面確認条件が、油タンク内の油温が所定の温度(第2の温度)を超える条件として設定されている形態であってもよい。また、このような油面確認条件が設定されている場合、コントローラが、油タンク内の油温を検知する温度センサ(本実施形態では温度スイッチ40)での検知結果に基づいて、油温が上記の第2の温度を超えているか否か(油面確認条件が成立しているか否か)を判断するように構成されていてもよい。この変形例によると、暖気運転モードから通常運転モードに移行させるタイミングを判断するために設けられて油温を検知する温度センサが、油面確認条件が成立しているか否かを判断するための温度センサとしても用いられることになる。このため、暖気運転モード及び通常運転モードにおいて油温の検知に用いられる温度センサを油面確認モードにおいても兼用して用いることができる。これにより、装置構成の簡素化を図ることができる。
本発明は、鉄道車両に設置されてこの鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置に対して広く適用することができる。
1 鉄道車両用空気圧縮装置
11 収容ケース
12 圧縮機
13 圧縮機駆動部
13a 電動モータ
16 冷却ファン
17 アフタークーラー
18 空気吸込み部
20 油供給経路
21 油回収器
21a 油タンク
22 油分離エレメント
24 除湿器
25 オイルクーラー
39 油温調整弁
40 温度スイッチ
90 コントローラ
91 油面計

Claims (3)

  1. 鉄道車両に設置され、当該鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する鉄道車両用空気圧縮装置であって、
    空気吸込み部から吸い込まれた空気を圧縮する圧縮機と、
    電動モータを有し、前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動部と、
    前記電動モータからの駆動力によって回転駆動され、冷却空気の流れを発生させる冷却ファンと、
    前記圧縮機で圧縮された圧縮空気を冷却するアフタークーラーと、
    前記圧縮機に油を供給する油供給経路と、
    油タンクを有し、前記圧縮機において油を伴って圧縮された圧縮空気が誘導されて油を前記油タンクに回収するとともに前記油供給経路に連通する油回収器と、
    前記油回収器に設置され、前記油タンク内の油面の位置を計測可能な油面計と、
    前記油回収器と前記アフタークーラーとを連通する経路に配置され、前記圧縮機で油を伴って圧縮されて前記油回収器を通過した圧縮空気から油を分離する油分離エレメントと、
    前記アフタークーラーで冷却された圧縮空気に対して除湿を行う除湿器と、
    前記油タンクに回収された油を冷却するオイルクーラーと、
    前記油タンク内の油の温度である油温に応じて前記オイルクーラーに油を循環させる状態と循環させない状態とのいずれかに切り替えて当該油温を調整する油温調整弁と、
    通常運転モードと、暖気運転モードと、油面確認モードとに運転モードが設定可能であって、それらのうちのいずれかの運転モードに基づいて運転状態を制御するコントローラと、
    前記圧縮機、前記圧縮機駆動部、前記冷却ファン、前記アフタークーラー、前記油回収器、前記油分離エレメント、前記除湿器、前記オイルクーラー、及び前記コントローラを収容するとともに、前記空気吸込み部が設置された収容ケースと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記油面確認モードに設定されていない状態であるとともに前記油温が所定の第1の温度以下の状態である前記暖気運転モードの場合は、前記圧縮機を連続して作動させるとともに圧縮空気を外部に排出するように運転状態を制御し、
    前記油面確認モードに設定されていない状態であるとともに前記油温が前記第1の温度を超えた状態である前記通常運転モードの場合は、前記収容ケースの外部に設置されて圧縮空気を貯留するエアタンク内の空気圧力に応じて前記圧縮機を間欠作動させるとともに当該エアタンクに対して前記除湿器で除湿が行われた圧縮空気を送出するように運転状態を制御し、
    前記油面確認モードに設定された場合は、前記油温が所定の第2の温度を超える条件と、当該油面確認モードに設定されてから経過した時間が所定の時間を経過する条件と、のうちのいずれかの条件である油面確認条件が成立するまで前記圧縮機を連続して作動させるとともに圧縮空気を外部に排出するように運転状態を制御し、前記油面確認条件が成立すると運転を停止させることを特徴とする、鉄道車両用空気圧縮装置。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用空気圧縮装置であって、
    前記油温を検知する温度センサを更に備え、
    前記温度センサでの検知結果に基づいて、前記油温が前記第1の温度以下の状態であるか否かが判断され、
    前記コントローラは、前記温度センサでの検知結果に基づいて、前記油温が前記第2の温度を超える前記油面確認条件が成立しているか否かを判断することを特徴とする、鉄道車両用空気圧縮装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鉄道車両用空気圧縮装置であって、
    前記油温調整弁は、前記コントローラによる制御に基づかずに前記油温に応じて独立して作動することを特徴とする、鉄道車両用空気圧縮装置。
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