JP5503234B2 - 食後血糖推定装置、食後血糖推定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

食後血糖推定装置、食後血糖推定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、被験者ごとの入力情報に基づいて、食後血糖に関する値を推定することができる食後血糖推定装置、食後血糖推定方法及びコンピュータプログラムに関する。
食品に含まれる炭水化物、デキストリン、デンプン等は、人間の消化器官中で主としてグルコースとして吸収され、血中に溶け込む。血中のグルコース同化作用に反応して、膵臓はインスリンを分泌し、グルコースの代謝を助ける。
糖尿病患者は、インスリンの作用に異常が生じているので、血中のグルコース濃度を適正範囲内に維持することが困難であり、血中のグルコース濃度が過剰になる場合、あるいは過少になる場合等が生じうる。したがって、糖尿病患者にとって、食後の血糖値を適正範囲内に維持するために食事の内容及び量を管理することは、きわめて重要である。また、糖尿病患者ではない健常人にとっても、食後の血糖値を適正範囲内に維持するために食事の内容及び量を管理することは、健康を維持するために重要である。
そこで、食事として摂取する食品の種類及び摂取量に関する情報の入力を受け付け、入力を受け付けた情報に基づいて食後の血糖値を推定するプログラムが開発されている。例えば特許文献1には、食品の種類及び摂取量に関する情報の入力を受け付けた場合に、摂取する炭水化物の総量を算出し、算出した炭水化物の総量に基づいて食後の血糖値を推定するソフトウェアシステムが開示されている。
特表2008−545489号公報
しかし、食品の種類によっては、糖質を含む食品とともに摂取すると、その食品の糖質に由来する血糖値の上昇を抑制するものもある。したがって、特許文献1に開示されているソフトウェアシステムのように、食品の組み合わせを考慮せず、炭水化物の総量だけから食後の血糖値を推定する方法では、実際に上昇する食後の血糖値との間に乖離が生じるおそれがあるという問題点があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数の食品を摂取する場合でも、食後血糖に関する値を推定することができる食後血糖推定装置、食後血糖推定方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る食後血糖推定装置は、被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置であって、糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶する推算情報記憶手段と、被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算する推算手段と、推算した食後血糖に関する値を出力する出力手段とを備え、前記推算情報記憶手段は、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報として記憶することを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第発明において、前記推算情報記憶手段は、前記被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数を、前記推算情報としてさらに記憶することを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第発明において、前記被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数は、データ提供者が前記基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する値と、該データ提供者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との比に基づいて生成されることを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第1乃至第発明のいずれか1つにおいて、前記第1食品は、主菜又は副菜に分類される食品であることを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第1乃至第発明のいずれか1つにおいて、前記糖質含有食品は、主食に分類される食品であることを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第乃至第発明のいずれか1つにおいて、前記推算情報記憶手段は、データ提供者が前記第1食品とは異なる第2食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報としてさらに記憶し、前記入力受付手段は、前記第2食品を識別する情報及び該第2食品のエネルギー量に関する情報の入力をさらに受け付け、前記推算手段は、入力を受け付けた指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、前記第2食品を識別する情報、該第2食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品、前記第1食品及び前記第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算することを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第発明において、前記第1食品は主菜に分類される食品であり、前記第2食品は副菜に分類される食品であることを特徴とする。
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第又は第発明において、前記推算手段は、(式1)により、前記被験者が前記糖質含有食品、前記第1食品及び前記第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算することを特徴とする。
AUC=α×eAUC(S)×EA+(β×eAUC(S)+γ)×EB
+(δ×eAUC(S)+ε)×EC ・・・(式1)
ただし、AUC:被験者の食後血糖に関する値、
eAUC(S):被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関
する指標値、
α:被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算す
るための係数、
β、γ:データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場
合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関
する値の差分と、データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に
関する値との関係を示す関数中の定数、
δ、ε:データ提供者が前記第1食品とは異なる第2食品と前期所定の食品と
をともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した
場合の食後血糖に関する値の差分と、データ提供者が前記所定の食品を摂取し
た場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数、
EA:糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、
EB:第1食品のエネルギー量に関する情報、
EC:第2食品のエネルギー量に関する情報
また、第発明に係る食後血糖推定装置は、第1乃至第発明のいずれか1つにおいて、入力を受け付けた糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、及び前記第1食品のエネルギー量に関する情報に基づいて、被験者の摂取エネルギー量を算出するエネルギー量算出手段を備え、前記出力手段は、算出した摂取エネルギー量を出力することを特徴とする。
また、第10発明に係る食後血糖推定装置は、第1乃至第発明のいずれか1つにおいて、前記糖質含有食品を識別する情報に対応付けた、該糖質含有食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第1含有量情報、及び前記第1食品を識別する情報に対応付けた、該第1食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第2含有量情報を記憶する含有量情報記憶手段を備え、前記推算出段は、記憶してある第1含有量情報及び第2含有量情報に基づいて、被験者が摂取する複数の栄養素の摂取量の比率を算出し、前記出力手段は、算出した複数の栄養素の摂取量の比率を出力することを特徴とする。
また、第11発明に係る食後血糖推定装置は、第1乃至第10発明のいずれか1つにおいて、前記推算手段は、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の血糖時間曲線下面積を推算することを特徴とする。
次に、上記目的を達成するために第12発明に係る食後血糖推定方法は、被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置で実行することが可能な食後血糖推定方法であって、糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶し、被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付け、入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算し、推算した食後血糖に関する値を出力し、前記推算情報として、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を記憶することを特徴とする。
次に、上記目的を達成するために第13発明に係るコンピュータプログラムは、被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、前記食後血糖推定装置を、糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶する推算情報記憶手段、被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段、入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算する推算手段、及び推算した食後血糖に関する値を出力する出力手段として機能させ、前記推算情報記憶手段を、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報として記憶する手段として機能させることを特徴とする。
第1発明、第12発明及び第13発明では、糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が糖質含有食品及び第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶しておく。被験者による糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付け、入力を受け付けた指標値、糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、被験者が糖質含有食品及び第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算し、推算した食後血糖に関する値を出力する。食後血糖推定装置をこのように構成することにより、第1食品を糖質を含む糖質含有食品とともに摂取した場合の該糖質含有食品による血糖値上昇への影響を考慮することができる。したがって、第1食品を糖質含有食品とともに摂取することにより、糖質含有食品を単独で摂取した場合よりも血糖値の上昇が抑制される場合であっても、食後血糖に関する値を高い精度で推算することが可能となる。
また、データ提供者が第1食品と所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、推算情報として記憶するので、第1食品を糖質を含む糖質含有食品とともに摂取した場合の該糖質含有食品による血糖値上昇への影響をより正確に考慮することができる。
発明では、被験者が糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数を、推算情報としてさらに記憶する。これにより、糖質含有食品を摂取した場合の血糖値上昇をより正確に考慮することができる。
発明では、被験者が糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数は、データ提供者が基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する値と、該データ提供者が糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との比に基づいて生成される。これにより、糖質含有食品を摂取した場合の血糖値上昇をより正確に考慮することができる。
発明では、第1食品は、主菜又は副菜に分類される食品であることにより、糖質を主体とした食品のみではなく、たんぱく質及び/又は脂質を主体とした食品を同時に摂取することによる影響を考慮した食後血糖に関する値を推算することができる。なお、「主菜」とは、たんぱく質等の供給源である肉、魚、卵、大豆及び大豆製品等を主材料とする食品全般を意味しており、「副菜」とは、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の供給源である野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ類、海草等を主材料とする食品全般を意味する。
発明では、糖質含有食品は、主食に分類される食品であることにより、食後血糖に関する値の上昇要因である糖質を主体とした主食のみではなく、糖質含有食品とは異なる第1食品を同時に摂取した場合であっても、第1食品の摂取による影響を考慮して食後血糖に関する値を推算することができる。なお、「主食」とは、炭水化物等の供給源であるごはん、パン、麺類、パスタ等の食品全般を意味する。
発明では、データ提供者が第1食品とは異なる第2食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、データ提供者が所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、推算情報としてさらに記憶しておく。第2食品を識別する情報及び該第2食品のエネルギー量に関する情報の入力をさらに受け付け、入力を受け付けた指標値、糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、第2食品を識別する情報、該第2食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、被験者が糖質含有食品、第1食品及び第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算する。これにより、糖質含有食品及び第1食品のみではなく、第2食品を同時に摂取した場合であっても、第1食品及び第2食品の摂取による影響を考慮して食後血糖に関する値を推算することができる。
発明では、第1食品は主菜に分類される食品であり、第2食品は副菜に分類される食品である。これにより、主菜のみではなく、副菜を同時に摂取することによる影響を考慮して食後血糖に関する値を推算することができる。
発明では、前述の(式1)により、被験者が糖質含有食品、第1食品及び第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算することにより、糖質含有食品、第1食品及び第2食品を同時に摂取した場合であっても、第1食品及び第2食品の摂取による影響を考慮して食後血糖に関する値を推算することができる。
発明では、入力を受け付けた糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、及び第1食品のエネルギー量に関する情報に基づいて、被験者の摂取エネルギー量を算出し、算出した摂取エネルギー量を出力する。これにより、被験者の食事の嗜好に応じた、摂取エネルギー量当たりの食後血糖に関する値の変動度合を客観的に把握することが可能となる。
10発明では、糖質含有食品を識別する情報に対応付けた、該糖質含有食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第1含有量情報、及び第1食品を識別する情報に対応付けた、該第1食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第2含有量情報を記憶しておく。記憶してある第1含有量情報及び第2含有量情報に基づいて、被験者が摂取する複数の栄養素の摂取量の比率を算出し、算出した複数の栄養素の摂取量の比率を出力する。これにより、被験者の食事の嗜好に応じた、摂取した複数の栄養素の摂取量の比率に対する食後血糖に関する値の変動度合を客観的に把握することが可能となる。
11発明では、被験者が糖質含有食品及び第1食品を摂取した場合の血糖時間曲線下面積を推算することにより、糖質を含む糖質含有食品の摂取により上昇する食後血糖に関する値が、第1食品の摂取により抑制された食後血糖に関する値の変動分を正しく把握することが可能となる。
上記構成によれば、第1食品を糖質含有食品とともに摂取することにより、糖質含有食品を単独で摂取した場合よりも血糖値の上昇が抑制される場合であっても、食後血糖に関する値を高い精度で推算することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置をCPUにより具現化した場合の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置の推算情報記憶部のデータ構成の例示図である。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置の含有量情報記憶部のデータ構成の例示図である。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置の入力画面の例示図である。 血糖値−時間曲線下の面積の算出方法の例示図である。 主菜としてのマグロ脂身による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量と、基準食品による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量との関係を示すグラフである。 副菜としての酢の物による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量と、基準食品による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置で推定した食後血糖値の精度を確認するグラフである。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置の出力画面の例示図である。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置のCPUの演算処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置で推定した食後血糖値の精度を確認するグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置は、被験者が予め検査して取得した単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量である耐糖能検査値eAUC(S)、主食である糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量、主菜である第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量、副菜である第2食品を識別する情報、及び該第2食品のエネルギー量を入力として受け付け、当該被験者の食後血糖に関する値(血糖時間曲線下面積:AUC(S))を推定する装置である。
図1は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置をCPUにより具現化した場合の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る食後血糖推定装置1は、少なくともCPU(中央演算装置)11、メモリ12、記憶装置13、入出力インタフェース14、ビデオインタフェース15、可搬型ディスクドライブ16、通信インタフェース17及び上述したハードウェアを接続する内部バス18で構成されている。
CPU11は、内部バス18を介して食後血糖推定装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13に記憶されているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶装置13は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置13に記憶されているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ16によりダウンロードされ、実行時には記憶装置13からメモリ12へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース17を介して外部のネットワークに接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
また記憶装置13は、推算情報記憶部131及び含有量情報記憶部132を備えている。図2は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1の推算情報記憶部131のデータ構成の例示図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、推算情報記憶部131には、2つのデータベースが記憶されている。
図2(a)は、耐糖能検査値eAUC(S)に基づいて、被験者が糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値iAUC(A)を推算するための係数αを記憶するデータベースのデータ構造を示している。図2(a)に示すように、係数αは、糖質含有食品の種類と対応付け、糖質含有食品の種類ごとに記憶されている。係数αは、食後血糖推定装置1の開発者によって予め決定され、推算情報記憶部131に記憶されている。
係数αを決定するにあたり、開発者は、検査の協力者であるデータ提供者に糖質を含む基準食品を摂取させ、基準食品の単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量である耐糖能検査値eAUC(S)を取得する。また、開発者は、データ提供者に糖質含有食品を摂取させ、耐糖能検査値eAUC(S)と同様の手順により、糖質含有食品の単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量である耐糖能検査値eAUC(A)を取得する。そして、係数αは、耐糖能検査値eAUC(S)と耐糖能検査値eAUC(A)との比(=eAUC(A)/eAUC(S))として求められる。係数αの決定は、糖質含有食品の種類ごとに実施される。なお、耐糖能検査値eAUC(S)の取得方法は後に説明する。
図2(b)は、被験者の耐糖能検査値eAUC(S)に基づいて、該被験者が主菜である第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値eAUC(B)を推算するための定数β、γ、及び耐糖能検査値eAUC(S)に基づいて、被験者が副菜である第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値eAUC(C)を推算するための定数δ、εを記憶するデータベースのデータ構造を示している。図2(b)に示すように、定数β、γは、第1食品の種類と対応付け、第1食品の種類ごとに記憶されており、定数δ、εは、第2食品の種類と対応付け、第2食品の種類ごとに記憶されている。定数β、γ、δ、εは、食後血糖推定装置1の開発者によって予め決定され、推算情報記憶部131に記憶されている。定数β、γ、δ、εの決め方については後に説明する。
なお、上述のように、第1食品は主菜、第2食品は副菜であり、いずれも副食に該当する食品である。主菜としては、例えば、たんぱく質等の供給源である肉、魚、卵、大豆及び大豆製品等を主材料とする食品が挙げられる。副菜としては、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の供給源である野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ類、海草等を主材料とする食品が挙げられる。
含有量情報記憶部132は、食品ごとの三大栄養素の含有率を、含有量情報として記憶する。図3は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1の含有量情報記憶部132のデータ構成の例示図である。
図3に示すように、含有量情報記憶部132は、食品の種類ごとに三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質の単位エネルギー量当たりの含有量の比率であるC、P、Fを記憶してある。もちろん、単位重量当たりの含有量、例えば1グラム当たりの含有量をそのまま記憶しておいても良い。
図1へ戻って、通信インタフェース17は内部バス18に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
入出力インタフェース14は、キーボード、マウス等の入力部20と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース15は、CRTモニタ、LCD等の画像表示部30と接続され、所定の画像を表示する。
図4は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1の機能ブロック図である。図4において、入力受付部401は、被験者が予め検査して取得した耐糖能検査値eAUC(S)、主食である糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量、主菜である第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、副菜である第2食品を識別する情報、及び該第2食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付ける。
図5は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1の入力画面の例示図である。図5に示すように、耐糖能検査値入力領域51にて、被験者が予め検査して取得した耐糖能検査値eAUC(S)の入力を受け付ける。入力の受付は、入力部20からのキーイン操作による。
被験者ごとの指標値である耐糖能検査値eAUC(S)は、以下の手順で取得する。まず一定量の糖質付与後の食後血糖値上昇量を測定する。具体的には、基準食品として例えば75gグルコース水溶液を被験者に対して付与し、付与時及び付与後一定時間Δtごとに採血により血糖値BGを測定する。75gグルコース水溶液を被験者に対して付与する前、例えば空腹時に測定した血糖値BGを基準血糖値BG(0)として、以後、一定時間Δtごとに測定した血糖値BG(t)に基づいて台形近似法を用いることにより、血糖値BG−時間t曲線下の面積(血糖時間曲線下面積:AUC(S))を算出することができる。
図6は、血糖値BG−時間t曲線下の面積の算出方法の例示図である。図6に示すように、時刻0での最初の血糖値を基準血糖値BG(0)とし、時刻Δtでの血糖値をBG(Δt)とし、以下、測定した血糖値BG(2Δt)、BG(3Δt)、BG(4Δt)をプロットしている。血糖値BG−時間t曲線下の面積AUC(S)は、それぞれの台形の面積を算出して加算することにより求めることができるので、(式2)により算出する。
AUC(S)=(BG(0)+BG(Δt))*Δt/2
+(BG(Δt)+BG(2Δt))*Δt/2
+(BG(2Δt)+BG(3Δt))*Δt/2
+(BG(3Δt)+BG(4Δt))*Δt/2 ・・・(式2)
一定量の糖質付与後の食後血糖値上昇量iAUC(S)は、上昇前の血糖値を減算した(式3)により算出することができる。
iAUC(S)=AUC(S)−BG(0)×4Δt ・・・(式3)
75gグルコース水溶液のエネルギー量をEとした場合、単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量、すなわち耐糖能検査値eAUC(S)は、(式3)で算出したiAUC(S)を摂取する食品、すなわち75gグルコース水溶液のエネルギー量Eで除算した(式4)により算出することができる。
eAUC(S)=iAUC(S)/E ・・・(式4)
被験者は、(式4)により算出した耐糖能検査値eAUC(S)を、指標値として図5に示す耐糖能検査値入力領域51に入力する。
次に、摂取する食品の種類及び食品のエネルギー量の入力を、主食(糖質含有食品)、主菜(第1食品)、副菜(第2食品)ごとに、それぞれ受け付ける。入力の受付は、入力部20からのキーイン操作による。
具体的には、主食の食品名入力領域52に主食の種類を識別する情報として名称、食品の識別番号等をキー入力し、対応する摂取量入力領域53に、主食のエネルギー量をキー入力する。同様に、主菜の食品名入力領域54に主菜の種類を識別する情報として名称、食品の識別番号等をキー入力し、対応する摂取量入力領域55に、主菜のエネルギー量をキー入力し、副菜の食品名入力領域56に副菜の種類を識別する情報として名称、食品の識別番号等をキー入力し、対応する摂取量入力領域57に、副菜のエネルギー量をキー入力する。食品の種類の入力は、各領域52、54、56への名称、食品の識別番号等の入力に限定されるものではなく、プルダウンメニュー等の食品選択画面を各領域に表示し、被験者による選択を受け付けるようにしても良い。
図4に戻って、推算部402は、推算情報記憶部131に記憶してある係数α、定数β、γ、δ、ε及び入力受付部401で入力を受け付けた指標値である耐糖能検査値eAUC(S)、主食、主菜、副菜ごとの食品を識別する情報である食品の種類及び食品のエネルギー量である摂取量に基づいて、食後血糖値を推算する。具体的には、(式5)に示すように、主食Aに対する推定血糖値上昇量iAUC(A)を算出するとともに、主菜Bによる血糖値上昇抑制量iAUC(B)及び副菜Cによる血糖値上昇抑制量iAUC(C)を算出し、これらの総和として食後血糖値AUCを推算する。説明を簡単にするために、主食A、主菜B、副菜Cを1つずつとしているが、特にこれに限定されるものではなく、それぞれ複数であっても良い。また、主菜B、副菜Cは血糖値上昇抑制効果を有する場合に限定しているが、特に血糖値上昇抑制効果に限定されるものではなく、却って増大させる効果であっても(式5)にて算出することができる。
AUC=iAUC(A)+iAUC(B)+iAUC(C) ・・・(式5)
主食Aについては、糖質を多く含むことから、血糖値上昇作用群に属する食品であると考えることができる。したがって、主食Aの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(A)と主食Aのエネルギー量(摂取カロリー)EAとの積として、(式6)に示すように主食Aに対する推定血糖値上昇量iAUC(A)を算出することができる。
iAUC(A)=eAUC(A)×EA ・・・(式6)
さらに、(式7)を(式6)に代入することで、(式8)が得られる。係数α(=eAUC(A)/eAUC(S))が推算情報記憶部131に記憶してあり、被験者ごとの耐糖能検査値eAUC(S)を指標値として入力を受け付けていることから、iAUC(A)は、入力を受け付けた被験者ごとの耐糖能検査値eAUC(S)に基づいて、(式8)を用いて算出することができる。
eAUC(A)=α×eAUC(S) ・・・(式7)
iAUC(A)=α×eAUC(S)×EA ・・・(式8)
次に、主菜Bによる血糖値上昇抑制量iAUC(B)は、主菜Bの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(B)と主菜Bのエネルギー量(摂取カロリー)EBとの積として、(式9)に示すように算出することができる。
iAUC(B)=eAUC(B)×EB ・・・(式9)
したがって、被験者の主菜Bの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(B)と、主菜Bのエネルギー量(摂取カロリー)EBとにより、被験者の主菜Bによる血糖値上昇抑制量iAUC(B)を算出することができる。ここで、主菜Bによる血糖値上昇抑制量iAUC(B)は、上述のiAUC(A)と同様の方法で求めることはできない。主食Aによる血糖値上昇量iAUC(A)の算出に用いられる係数αは、主食Aを単独で摂取した場合の食後血糖値を推算するものである。これに対し、主菜Bは単独で血糖値を上昇させる食品ではなく、糖質を含む他の食品による血糖値の上昇を抑制する食品であるから、糖質を含む他の食品とともに摂取した場合を考慮しなければ、高い精度で食後血糖値を推定することができない。そこで、例えば(式10)に示すような推算式を用いて血糖値上昇量eAUC(B)を推算する。
eAUC(B)=β×eAUC(S)+γ ・・・(式10)
ただし、β=1.1504、γ=−0.4697
上述のように、定数β、γは、推算情報記憶部131に記憶してある。以下、定数β、γの決定方法について説明する。
定数β、γを決定するには、まず、複数のデータ提供者に耐糖能検査を実施させ、糖質を含む所定の食品(例えば基準食品や主食である糖質含有食品)と主菜Bとをともに摂取した場合の食後の血糖値上昇量AUC(S+B)と、所定の食品(例えば基準食品)のみを摂取した場合の食後の血糖値上昇量AUC(S)とを取得する。食後の血糖値上昇量AUC(S+B)及びAUC(S)は、上述した(式2)を用いて取得する。そして、血糖値推定装置1の開発者は、食後の血糖値上昇量AUC(S+B)とAUC(S)の差分を、摂取した主菜Bのエネルギー量で除算し、得られた値を、主菜Bの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(B)であると推定する。また、血糖値推定装置1の開発者は、食後の血糖値上昇量AUC(S)を、摂取した基準食品のエネルギー量で除算して、単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量(耐糖能検査値)eAUC(S)を取得する。血糖値推定装置1の開発者は、主菜Bの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(B)及び所定の食品(例えば基準食品)のみを摂取した場合の単位エネルギー量当たりの食後の血糖値上昇量eAUC(S)をそれぞれ縦軸、横軸とするグラフ上に、複数のデータ提供者から得られたデータをプロットする。
図7は、上述の推算により得られた、主菜Bとしてのマグロ脂身による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量と、基準食品による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量との関係を示すグラフである。
図7からもわかるように、AUC(S+B)とAUC(S)とに基づいて推算したeAUC(B)とeAUC(S)とは強い正の相関性を示しており、複数のプロット点を直線200にて近似することができる。なお、近似直線200は最小二乗法により求めている。
ここで、eAUC(S)に基づいてeAUC(B)を算出する(式10)における定数β、γは、直線200の傾きβ、切片γに該当する。図7の例では、傾きβが1.1504、切片γが−0.4697であり、推算情報記憶部131に主菜Bであるマグロ脂身に対応付けて記憶される。
同様に、副菜Cによる血糖値上昇抑制量iAUC(C)は、副菜Cの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(C)と副菜Cのエネルギー量(摂取カロリー)ECとの積として、(式11)に示すように算出することができる。
iAUC(C)=eAUC(C)×EC ・・・(式11)
したがって、被験者の副菜Cの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(C)と、副菜Cのエネルギー量(摂取カロリー)ECとにより、被験者の副菜Cによる血糖値上昇抑制量iAUC(C)を算出することができる。ここで、副菜Cによる血糖値上昇抑制量iAUC(C)は、上述のiAUC(A)と同様の方法で求めることはできない。主食Aによる血糖値上昇量iAUC(A)の算出に用いられる係数αは、主食Aを単独で摂取した場合の食後血糖値を推算するものである。これに対し、副菜Cは単独で血糖値を上昇させる食品ではなく、糖質を含む他の食品による血糖値の上昇を抑制する食品であるので、糖質を含む他の食品とともに摂取した場合を考慮しなければ、高い精度で食後血糖値を推定することができない。例えば(式12)に示すような推定式を用いて推定する。
eAUC(C)=δ×eAUC(S)+ε ・・・(式12)
ただし、δ=−3.9291、ε=1.1108
上述のように、定数δ、εは、推算情報記憶部131に記憶してある。以下、定数δ、εの決定方法について説明する。
定数δ、εを決定するには、まず、複数のデータ提供者に検査を実施させ、糖質を含む所定の食品(例えば基準食品や主食である糖質含有食品)と副菜Cとをともに摂取した場合の食後の血糖値上昇量AUC(S+C)と、所定の食品(例えば基準食品)のみを摂取した場合の食後の血糖値上昇量AUC(S)とを取得する。食後の血糖値上昇量AUC(S+C)及びAUC(S)の取得方法は、上述した(式2)を用いる。そして、血糖値推定装置1の開発者は、AUC(S+C)とAUC(S)の差分を、摂取した副菜Cのエネルギー量で除算し、得られた値を、副菜Cの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(C)であると推定する。また、血糖値推定装置1の開発者は、AUC(S)を、摂取した基準食品のエネルギー量で除算して血糖値上昇量eAUC(S)を取得する。血糖値推定装置1の開発者は、eAUC(C)及びeAUC(S)をそれぞれ縦軸、横軸とするグラフ上に、複数のデータ提供者から得られたデータをプロットする。
図8は、上述の推定により得られた、副菜Cとしての酢の物による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量と、基準食品による単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量との関係を示すグラフである。
図8からもわかるように、AUC(S+C)とAUC(S)とに基づいて推定したeAUC(C)とeAUC(S)とは強い負の相関性を示しており、複数のプロット点を直線300にて近似することができる。なお、近似直線300は最小二乗法により求めている。
ここで、AUC(S)に基づいてAUC(C)を算出する(式12)における定数δ、εは、直線300の傾きδ、切片εに該当する。図8の例では、傾きδが−3.9291、切片εが1.1108であり、推算情報記憶部131に副菜Cである酢の物に対応付けて記憶される。
(式6)から(式12)までで、食後血糖値AUCを求めることができる。すなわち、食後血糖値AUCは(式5)から(式12)までを用いて変形することにより、(式1)のように算出することができる。
AUC=α×eAUC(S)×EA+(β×eAUC(S)+γ)×EB
+(δ×eAUC(S)+ε)×EC ・・・(式1)
ただし、(式1)において、AUCは、被験者の食後血糖に関する値である食後血糖値を、eAUC(S)は、被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値を、αは、被験者が糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数を、β、γは、データ提供者が第1食品と所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、データ提供者が所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、δ、εは、データ提供者が第1食品とは異なる第2食品及び糖質を含む所定の食品をともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、データ提供者が所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、EAは、糖質含有食品のエネルギー量に関する情報を、EBは、第1食品のエネルギー量に関する情報を、ECは、第2食品のエネルギー量に関する情報を、それぞれ示している。
(式1)を用いて推算した食後血糖値AUCの精度を確認するために、主食、主菜、及び副菜を摂取し、自己血糖測定によるSMBG値から算出した食後血糖値と比較する。図9は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1で推定した食後血糖値AUCの精度を確認するグラフである。図9(a)は、主菜B、副菜Cの摂取による影響を考慮した場合の本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1で推定した食後血糖値AUCの精度を確認するグラフであり、図9(b)は、主菜B、副菜Cの摂取による影響を考慮しない場合の食後血糖値AUCの精度を確認するグラフである。すなわち、図9(b)では、(式1)の第2項、第3項を0(ゼロ)としている。
図9(a)では、(式1)を用いて推算した食後血糖値AUCと、自己血糖測定によるSMBG値から算出した食後血糖値とは略一致しており、プロット点を一次関数で近似した場合には、傾きが略1である原点を通る直線になる。したがって、高い精度で食後血糖値AUCを推定することができている。
一方、図9(b)では、(式1)の第2項、第3項を0(ゼロ)として推算した食後血糖値AUC、すなわち主菜B、副菜Cの摂取による影響を考慮しない場合の食後血糖値AUCの方が、自己血糖測定によるSMBG値から算出した食後血糖値より全体として大きい値となっており、両者が略一致しているとは言えない。したがって、主菜B、副菜Cの摂取による影響を考慮するという本発明による効果が顕著に現れている。
図4に戻って、出力部403は、(式1)を用いて推算した食後血糖値AUCを出力する。例えば画像表示部30に表示出力すれば良い。図10は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1の出力画面の例示図である。図10に示すように、食後血糖値AUCを表示する食後血糖値表示領域101に、(式1)を用いて推算した食後血糖値AUCを表示する。
もちろん、食事により摂取する食品のエネルギー量の総和である摂取エネルギー量を出力しても良い。この場合、入力を受け付けた主食Aのエネルギー量EA、主菜Bのエネルギー量EB及び副菜Cのエネルギー量ECの総和を図4に示すエネルギー量算出部404にて算出し、出力画面の摂取エネルギー量表示領域102に表示すれば良い。
また、摂取する食品の三大栄養素の比率を出力しても良い。この場合、図4に示す推算部402は、含有量情報記憶部132に記憶してある食品ごとの三大栄養素の含有量情報及び摂取した食品のエネルギー量に基づいて、三大栄養素の摂取比率を算出する。
具体的には、図3に示す食品ごとの炭水化物の含有量、たんぱく質の含有量、脂質の含有量は、それぞれ食品ごとに単位エネルギー量当たりの百分率で含有量情報記憶部132に記憶されている。したがって、主食A、主菜B、副菜Cを摂取した場合の炭水化物の総含有量Ct 、たんぱく質の総含有量Pt 、及び脂質の総含有量Ft の比率(Ct :Pt :Ft )は、(式13)により算出することができる。(式13)において、主食A、主菜B、副菜Cそれぞれの単位エネルギー量当たりの炭水化物の含有量をCA 、CB 、CC、たんぱく質の含有量をPA 、PB 、PC、脂質の含有量をFA 、FB 、FCとし、それぞれの食品のエネルギー量をEA、EB、ECとする。
(Ct :Pt :Ft )=(CA ×EA+CB ×EB+CC ×EC)
:(PA ×EA+PB ×EB+PC ×EC)
:(FA ×EA+FB ×EB+FC ×EC) ・・・(式13)
(式13)により算出された主食A、主菜B、副菜Cを摂取した場合の炭水化物の総含有量Ct 、たんぱく質の総含有量Pt 、及び脂質の総含有量Ft の比率(Ct :Pt :Ft )は、摂取エネルギー比として、図10に示す出力画面の摂取エネルギー比表示領域103に表示される。これにより、食後血糖値を推算するだけでなく、被験者が摂取する食事の栄養バランスも目視で確認することができる。
図11は、本発明の実施の形態に係る食後血糖推定装置1のCPU11の演算処理手順を示すフローチャートである。食後血糖推定装置1のCPU11は、被験者の耐糖能検査値eAUC(S)、食品を識別する情報としての食品名(主食、主菜、副菜それぞれの名称)、食品ごとのエネルギー量の入力を受け付ける(ステップS1101)。
CPU11は、入力を受け付けた主食、主菜、副菜それぞれのエネルギー量を加算することにより、摂取エネルギー量の総和を算出する(ステップS1102)。また、CPU11は、含有量情報記憶部132に記憶してある食品ごとの炭水化物の含有量情報、たんぱく質の含有量情報、脂質の含有量情報に基づいて、(式13)により三大栄養素の摂取比率として摂取エネルギー比を算出する(ステップS1103)。
CPU11は、推算情報記憶部131から、入力された食品の種類に対応する係数α、定数β、γ、δ、εを読み出し(ステップS1104)、(式1)に従って被験者の食後血糖値AUCを推算する(ステップS1105)。CPU11は、推算した食後血糖値AUC、摂取エネルギー量、摂取エネルギー比を画像表示部30に表示する(ステップS1106)。
以上のように本実施の形態によれば、食後血糖値の上昇に影響を与える副食(第1食品、第2食品)を主食(糖質含有食品)とともに摂取することにより、主食を単独で摂取した場合よりも血糖値の上昇が抑制される場合であっても、被験者ごとの耐糖能検査値に応じて、食後血糖値を高い精度で推定することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能である。例えば、推定する食後血糖値は、上述した実施の形態のように、主食の摂取による食後血糖値と、副食の摂取による食後血糖値の上昇抑制量を推算する方法に限定されるものではなく、両者の組み合わせを考慮した推算情報を特定して、一括して食後血糖値を推算するようにしても良い。
また、主食のエネルギー量に関する情報の入力を主食のエネルギー量として、副食のエネルギー量に関する情報の入力を副食のエネルギー量として、それぞれ受け付けているが、エネルギー量の入力を直接受け付けるのではなく、主食又は副食の数量(摂取量)の入力を受け付け、エネルギー量を演算により算出して用いても良いことは言うまでもない。
また、入力される情報として、主菜(第1食品)及び副菜(第2食品)の両方を受け付けているが、いずれか一方のみを受け付け、食後血糖値を推定しても良い。
また、食品の種類は、主食、主菜、副菜に分類して入力されているが、これらの区分を省略しても良い。
また、上記実施の形態では、eAUC(B)及びeAUC(C)を被験者の耐糖能検査値eAUC(S)に基づいて算出しているが、eAUC(B)及びeAUC(C)を、食品の種類ごとに決定された定数としても良い。この場合、上記と同様に、複数のデータ提供者についてAUC(S+B)とAUC(S)とを取得し、AUC(S+B)とAUC(S)との差分を、摂取した主菜Bのエネルギー量で除算し、得られた値を、主菜Bの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量eAUC(B)であると推定する。そして、複数のデータ提供者について得られた複数のeAUC(B)の平均値を、(式1)における(β×eAUC(S)+γ)と置換しても良い。
また、eAUC(C)についても同様に、複数のデータ提供者についてAUC(S+C)とAUC(S)とを取得し、AUC(S+C)とAUC(S)との差分を、摂取した副菜Cのエネルギー量で除算し、得られた値を、副菜Cの単位エネルギー量当たりの血糖値上昇量(eAUC(C))であると推定する。そして、複数のデータ提供者について得られた複数のeAUC(C)の平均値を、(式1)における(δ×eAUC(S)+ε)と置換しても良い。すなわち、AUCは、(式14)のように算出することができる。
AUC=α×eAUC(S)×EA+(eAUC(B)の平均値)×EB
+(eAUC(C)の平均値)×EC ・・・ (式14)
図12は、(式14)により食後血糖値AUCを推算した場合の精度を確認するグラフである。図12に示すように、(式14)を用いて推算した食後血糖値AUCと、自己血糖測定によるSMBG値から算出した食後血糖値とは略一致しており、プロット点を一次関数で近似した場合には、傾きが略1である原点を通る直線になる。したがって、高い精度で食後血糖値AUCを推定することができている。
1 食後血糖推定装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力インタフェース
15 ビデオインタフェース
16 可搬型ディスクドライブ
17 通信インタフェース
18 内部バス
90 可搬型記録媒体
100 コンピュータプログラム

Claims (13)

  1. 被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置であって、
    糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶する推算情報記憶手段と、
    被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
    入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算する推算手段と、
    推算した食後血糖に関する値を出力する出力手段と
    を備え
    前記推算情報記憶手段は、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報として記憶することを特徴とする食後血糖推定装置。
  2. 前記推算情報記憶手段は、前記被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数を、前記推算情報としてさらに記憶することを特徴とする請求項1記載の食後血糖推定装置。
  3. 前記被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための係数は、データ提供者が前記基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する値と、該データ提供者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との比に基づいて生成されることを特徴とする請求項2記載の食後血糖推定装置。
  4. 前記第1食品は、主菜又は副菜に分類される食品であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の食後血糖推定装置。
  5. 前記糖質含有食品は、主食に分類される食品であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食後血糖推定装置。
  6. 前記推算情報記憶手段は、データ提供者が前記第1食品とは異なる第2食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報としてさらに記憶し、
    前記入力受付手段は、前記第2食品を識別する情報及び該第2食品のエネルギー量に関する情報の入力をさらに受け付け、
    前記推算手段は、入力を受け付けた指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、前記第2食品を識別する情報、該第2食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品、前記第1食品及び前記第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算することを特徴とする請求項乃至5のいずれか一項に記載の食後血糖推定装置。
  7. 前記第1食品は主菜に分類される食品であり、前記第2食品は副菜に分類される食品であることを特徴とする請求項6に記載の食後血糖推定装置。
  8. 前記推算手段は、(式1)により、前記被験者が前記糖質含有食品、前記第1食品及び前記第2食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算することを特徴とする請求項6又は7に記載の食後血糖推定装置。
    AUC=α×eAUC(S)×EA+(β×eAUC(S)+γ)×EB
    +(δ×eAUC(S)+ε)×EC ・・・(式1)
    ただし、AUC:被験者の食後血糖に関する値、
    eAUC(S):被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関
    する指標値、
    α:被験者が前記糖質含有食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算す
    るための係数、
    β、γ:データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場
    合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関
    する値の差分と、データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に
    関する値との関係を示す関数中の定数、
    δ、ε:データ提供者が前記第1食品とは異なる第2食品と前期所定の食品と
    をともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した
    場合の食後血糖に関する値の差分と、データ提供者が前記所定の食品を摂取し
    た場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数、
    EA:糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、
    EB:第1食品のエネルギー量に関する情報、
    EC:第2食品のエネルギー量に関する情報
  9. 入力を受け付けた糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、及び前記第1食品のエネルギー量に関する情報に基づいて、被験者の摂取エネルギー量を算出するエネルギー量算出手段を備え、
    前記出力手段は、算出した摂取エネルギー量を出力することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の食後血糖推定装
  10. 前記糖質含有食品を識別する情報に対応付けた、該糖質含有食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第1含有量情報、及び前記第1食品を識別する情報に対応付けた、該第1食品に含まれる複数の栄養素それぞれの含有量に関する第2含有量情報を記憶する含有量情報記憶手段を備え、
    前記推算出段は、記憶してある第1含有量情報及び第2含有量情報に基づいて、被験者が摂取する複数の栄養素の摂取量の比率を算出し、
    前記出力手段は、算出した複数の栄養素の摂取量の比率を出力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の食後血糖推定装置。
  11. 前記推算手段は、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の血糖時間曲線下面積を推算することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の食後血糖推定装置。
  12. 被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置で実行することが可能な食後血糖推定方法であって、
    糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶し、
    被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付け、
    入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算し、
    推算した食後血糖に関する値を出力し、
    前記推算情報として、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を記憶することを特徴とする食後血糖推定方法
  13. 被験者の食後血糖に関する値を推定する食後血糖推定装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、
    前記食後血糖推定装置を、
    糖質を含む糖質含有食品とは異なる第1食品と糖質を含む所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値と、該所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値とに基づいて生成され、被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算するための推算情報を記憶する推算情報記憶手段、
    被験者が糖質を含む基準食品を摂取した場合の食後血糖に関する指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、及び該第1食品のエネルギー量に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段、
    入力を受け付けた前記指標値、前記糖質含有食品を識別する情報、該糖質含有食品のエネルギー量に関する情報、前記第1食品を識別する情報、該第1食品のエネルギー量に関する情報、及び記憶してある推算情報に基づいて、前記被験者が前記糖質含有食品及び前記第1食品を摂取した場合の食後血糖に関する値を推算する推算手段、及び
    推算した食後血糖に関する値を出力する出力手段
    として機能させ、
    前記推算情報記憶手段を、データ提供者が前記第1食品と前記所定の食品とをともに摂取した場合の食後血糖に関する値、及び前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値の差分と、該データ提供者が前記所定の食品を摂取した場合の食後血糖に関する値との関係を示す関数中の定数を、前記推算情報として記憶する手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム
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