JP5502473B2 - 履物用ゴム組成物 - Google Patents

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    • C08C19/44Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups of polymers containing metal atoms exclusively at one or both ends of the skeleton

Description

本発明は、強度と耐摩耗性能、発泡性能のバランスに優れる履物用ゴム組成物に関する。
従来から、履物用の素材としては、ゴム素材が使用されている。
履物用の素材は、ゴム素材本来の特性の他、用途に応じた特性を付与したり、あるいは改良を図ったりするために、ゴム素材を主成分とし、各種充填剤、添加剤、着色剤、補強剤等を配合したりして用いられている。
一般的にゴム素材単独では十分な強度が得られないため、補強剤として各種充填剤、例えばカーボンブラックを配合しているが、目的とする加工品が、黒色以外の場合には、カーボンブラックに代えて無機充填剤を配合することが有効である。
しかしながら、無機充填剤を補強剤とするゴム組成物には下記課題がある。
すなわち、無機充填剤として一般的に使用されているシリカは、カーボンブラックに比較してゴムとの親和性が低いため、分散性が不良になり、耐摩耗性や強度特性が十分に得られないおそれがある。
従来においては、シリカの分散性を向上させる技術として、活性末端を有するポリマーとグリシジルアミノ基とを有する化合物で変性した変性ゴム、これを用いた組成物、及びこれらの製造方法が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
具体的には、スチレンブロック構造を持つSBRとその組成物が開示されており、破壊強度、圧縮永久歪みに優れ、tanδの温度依存性が少ないという特徴がある。
また、活性末端を有するポリマーと特定のアルコキシアミノシラン基を有する、破壊強度、耐磨耗性、発熱性、グリップ性に優れた共役ジエン系重合体及びその製造方法が開示されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
国際公開第2002/064636号パンフレット 国際公開第2007/034785号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示されている技術においては、組成物を構成する化合物と磨耗特性に関する検討がなされておらず、特許文献2に開示されている技術においては、利用分野が狭く限定されており、特に履物分野における性能を向上させるための検討はなされていない。
一方、近年においては、靴、特にスポーツシューズにおいては、軽量化を目的として材料の薄肉化や発泡化が進んでおり、それに伴い材質はより高い強度、耐摩耗性能、ゴム弾性、発泡性能が要求されている。
そこで本発明においては、シリカ等の無機充填剤の分散性が良好で、無機分散剤の過剰な使用を抑制しつつ、高い強度と耐摩耗性能、ゴム弾性、発泡性能に優れた履物用のゴム組成物を提供することを目的とした。
本発明者らは、上述した従来技術の課題に対して鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するポリマーを用いることによって、履物用ゴム組成物として、高い強度、耐磨耗性、優れたゴム弾性及び発泡性能を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
請求項1の発明においては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とからなる共役ジエン系共重合体の末端が変性され、変性率が50%以上の変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物100質量部と、シリカからなる無機充填剤(B)1〜150質量部と、を含有する履物用ゴム組成物であって、前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、下記(1)〜(3)の条件を満たしている履物用ゴム組成物を提供する。
(1)芳香族ビニル化合物の結合量が、変性共役ジエン系共重合体(A)の25〜75質量%である。
(2)芳香族ビニル化合物のブロック結合量が、変性共役ジエン系共重合体(A)100質量%に対し、変性共役ジエン系共重合体(A)の3〜50質量%である。
(3)末端が、アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性されている。
請求項1の発明においては、前記低分子化合物が、第2級又は第3級アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有するものとする。
請求項1の発明においては、前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、下記式(1)〜(5)に示される変性共役ジエン系共重合体のいずれかである。
式(1)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基である。Rは炭素数が1〜10の炭化水素基又は活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基である。R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。nは1〜3の整数、m及びpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
式(2)中、Dは共役ジエン系共重合体である。
、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基、活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、アミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基からなる群から選ばれるいずれかである。R、R、R、R、R、n、m及びp、n+m+pは、前記式(1)におけるこれらと同様である。
式(3)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R10、R11は炭素数1〜12の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R12、R13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。
式(4)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R15、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。
17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよい。R10は前記式(3)と同様である。R、R、n、m、p、及びn+m+pは、前記式(1)と同様である。
式(5)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R18は炭素数1〜6の炭化水素基である。R14は前記式(3)と同様である。R15は前記式(4)と同様である。R17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。
請求項2の発明においては、前記式(1)〜(5)のnが2又は3である変性共役ジエン系共重合体が、前記(1)〜(5)で示される変性共役ジエン共重合体の全体に対して、20〜70質量%である請求項1に記載の履物用ゴム組成物。
請求項3の発明においては、前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、芳香族ビニル化合物のブロック結合に共役ジエン系化合物が共役ジエン系共重合体の末端として結合し、その末端が、アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性されている変性共役ジエン系共重合体である請求項1又は2に記載の履物用ゴム組成物を提供する。
請求項4の発明においては、無機充填剤(B)が、BET法比表面積が150〜250m/gである沈降性シリカであり、架橋剤(C)を0.1〜10質量部さらに含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の履物用ゴム組成物を提供する。
本発明によれば、無機充填剤と高分子化合物とが強固に結合した、高い強度と優れた耐摩耗性を有し、かつ発泡性能とのバランスが良好な履物用ゴム組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施できる。
本実施の形態の履物用ゴム組成物は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とからなる共役ジエン系共重合体の末端が変性され、この変性率が50%以上である変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物100質量部と、無機充填剤(B)1〜150質量部と、を含有する履物用ゴム組成物である。
但し、前記変性共役ジエン系共重合体(A)は、下記(1)〜(3)の条件を満たしているものとする。
(1)芳香族ビニル化合物の結合量が、前記変性共役ジエン系共重合体(A)中の25〜75質量%である。
(2)芳香族ビニル化合物のブロック結合量が、前記変性共役ジエン系共重合体(A)中の3〜50質量%である。
(3)末端が、アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性されている。
〔変性共役ジエン系共重合体(A)〕
変性共役ジエン系共重合体(A)は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とからなる共役ジエン系共重合体の末端を、アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性した共重合体である。
(共役ジエン)
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、1,3−ブタジエン、イソプレンが、入手容易であり、後述する芳香族ビニル化合物、特にスチレンとの反応性が良好であり、最終的に目的とするゴム組成物の物性のバランスが良好なものとなるという観点から好ましい。
(芳香族ビニル化合物)
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、上記観点からスチレンが好ましい。
(変性共役ジエン系共重合体(A)の作製方法)
変性共役ジエン系共重合体(A)は、炭化水素溶媒中でアルカリ金属系開始剤又はアルカリ土類金属系開始剤を用いて、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダムに重合させ、その後、芳香族ビニル化合物のブロック結合を重合し、その末端と、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物とを、反応させることにより得られる。
また、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物のテーパーランダムポリマーからなる芳香族ビニル化合物のブロック結合とを重合し、その末端と、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物とを反応させることにより得られる。
また更には、芳香族ビニル化合物のブロック結合を重合した後、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダムに重合させ、その末端と、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物を反応させることにより得られる。
変性共役ジエン系共重合体(A)の作製工程においては、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物を用いて変性する前段階として、共役ジエン系共重合体の芳香族ビニル化合物のブロック結合部に共役ジエン系化合物を付加させる工程を行うことが好ましい。
このとき、共役ジエン系化合物の付加量は、最終的に得られた変性共役ジエン系共重合体(A)の重量に対して、0.5〜10質量%の範囲が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。0.5質量%以上であると、低分子化合物の変性率が向上し、目的とする組成物において優れた耐摩耗性能が得られるようになる。一方、10質量%を超えると、変性共役ジエン系共重合体(A)中における芳香族ビニル化合物ブロック以外のランダム構造部分の柔軟性が低下してしまい、最終的に得られる組成物を靴底に加工した場合、硬くなりすぎ、好ましくない。
変性共役ジエン系共重合体(A)の重合工程で用いられるアルカリ金属系開始剤又はアルカリ土類金属系開始剤としては、重合開始の能力がある全てのアルカリ金属系開始剤又はアルカリ土類金属系開始剤を使用できる。特に、有機リチウム化合物が取り扱い容易性や重合安定性の観点から好ましい。
(変性共役ジエン系共重合体(A)の具体的な構造)
変性共役ジエン系共重合体(A)は、特にリビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることが好ましい。
変性共役ジエン系共重合体(A)を100質量%としたとき、芳香族ビニル化合物の結合量は25〜75質量%であり、30〜65質量%が好ましく、35〜55質量%がさらに好ましい。
変性共役ジエン系共重合体(A)中における芳香族ビニル化合物の結合量が25質量%以上であると、目的とする組成物の強度特性、耐摩耗性、発泡性能が良好なものとなり、75質量%以下であると、組成物の硬度が適切で柔軟性を付与することができる。
変性共役ジエン系共重合体(A)における芳香族ビニル化合物のブロック結合量は、変性共役ジエン系共重合体(A)を100質量%としたとき、3〜50質量%であり、5〜35質量%が好ましい。
ここで、芳香族ビニル化合物のブロック結合量とは、変性共役ジエン系共重合体(A)中の芳香族ビニル単量体の連鎖長が30以上の成分である。具体的にはKolthoffの方法でポリマーを分解し、メタノールに不溶な芳香族ビニル系重合体量を分析する公知の方法により求められる。
芳香族ビニル化合物のブロック結合量が3質量%に満たない場合には強度が劣り、50質量%を超える場合には耐摩耗性能が著しく劣る。
従来、タイヤのトレッド部等の材料においては、発熱性や耐摩耗性の向上を図る観点から、芳香族ビニル化合物のブロック構造を有することが好ましくないことが知られていたが、履物用のゴム組成物においては、高い強度を有し、耐摩耗性、発泡性能とのバランスを良好であることが要求されるため、上述した数値範囲とすることが好ましい。
(低分子化合物)
変性共役ジエン系共重合体(A)は、その末端を、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物により変性されている。
低分子化合物のアミノ基は、第1級、第2級、第3級のアミノ基のいずれでもよい。
第1級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
特に、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
低分子化合物は、最終的に目的とする履物用ゴム組成物の加工性の観点から、分子中に第2級又は第3級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する低分子化合物であることが好ましい。
第2級又は第3級アミノ基により無機充填剤(B)の変性共役ジエン系共重合体(A)に対する接近性が良好なものとなり、アルコキシシリル基により無機充填剤(B)との結合が高まり、最終的に目的とする履物用ゴム組成物中において良好な分散性が得られ、強度と柔軟性のバランスが優れたものとなる。
(変性共役ジエン系共重合体(A)の具体的な化合物)
変性共役ジエン系共重合体(A)としては、下記式(1)〜(5)で表される化合物が好適である。
式(1)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基である。Rは炭素数が1〜10の炭化水素基又は活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基である。R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。nは1〜3の整数、m及びpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
式(2)中、Dは共役ジエン系共重合体である。R、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基、活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、アミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基からなる群から選ばれるいずれかである。R、R、R、R、R、n、m及びp、n+m+pは、前記式(1)と同様である。
式(3)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R10、R11は炭素数1〜12の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R12、R13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。
式(4)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R15、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。
17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり不飽和結合が存在してもよい。R10は前記式(3)と同様である。R、R、n、m、p、及びn+m+pは、前記式(1)と同様である。
式(5)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R18は炭素数1〜6の炭化水素基である。R14は前記式(3)と同様である。R15は前記式(4)と同様である。R17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。
上述したように、変性共役ジエン系共重合体(A)の末端を変性している低分子化合物は、分子中にアミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物である。変性共役ジエン系共重合体(A)が、上記式(1)〜(5)の構造を有しているとき、各々における低分子化合物を下記に示す。
(式(1)の構造を得るための低分子化合物)
前記式(1)の構造を得るための低分子化合物としては、下記の化合物が適用できる。
N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−フェニレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−フェニレンジアミン、3−(トリアルキルシリルアルキルアミノ)−1−ピロリジニル−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、3−(トリアルキルシリルアルキルアミノ)−1−ピロリジニル−アルキル−トリアルコキシシラン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(アルコキシアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(アルコキシアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(ジアルキルアミノアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(ジアルキルアミノアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン等が適用できる。
具体的には、N−〔3−(メチルトリメチルシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(メチルトリメチルシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−フェニレンジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−フェニレンジアミン、3−〔3−(トリメチルシリルエチルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−メチルジエトキシシラン、3−〔3−(トリメチルシリルプロピルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−トリエトキシシラン、N−〔3−(ジエトキシメチルシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリプロポキシシリル)−プロピル〕−N−プロピル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔2−(ジエトキシメチルシリル)−1−メチルエチル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン等がある。好ましい化合物としては、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンが挙げられる。
(式(2)の構造を得るための低分子化合物)
前記式(2)の構造を得るための低分子化合物としては、下記の化合物が適用できる。
4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)−アルキル−プロピルアルキルジアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン等が適用できる。
具体的には、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリブトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルエチルジエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルトリエトキシシラン、4−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)ブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、特に、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランが好ましい。
(式(3)の構造を得るための低分子化合物)
前記式(3)の構造を得るための低分子化合物としては、下記の化合物が適用できる。
N−〔2−(トリアルコキシシラニル)−エチル〕−N,N’,N’−トリアルキルエタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(アルキルジアルコキシシラニル)−エチル〕−N,N’,N’−トリアルキルエタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−N,N’,N’−トリアルキルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−N,N’,N’−トリアルキルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−2,N,N’,N’−テトラアルキルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−2,N,N’,N’−テトラアルキルプロパン−1,3−ジアミン等が適用できる。
具体的には、N−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〕−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(ジメトキシメチルシラニル)−エチル〕−N−エチル−N’,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリメトキシシラニル)−プロピル〕−N,N’,N’−トリメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(ジメトキシメチルシラニル)−プロピル〕−N−エチル−N’,N’−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−N,N’,N’−トリエチル−2−メチルプロパン−1,3−ジアミン、N−〔3−(ジメトキシメチルシラニル)−プロピル〕−2,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〔 −N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(ジエトキシプロピルシラニル)−エチル〕−N’−(3−エトキシプロピル)−N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〕 −N’−メトキシメチル−N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〕−N,N’−ジメチル−N’−(2−トリメチルシラニルエチル)−エタン−1,2−ジアミン、N−〔2−(トリエトキシシラニル)−エチル〕−N,N’−ジエチル−N’−(2−ジブチルメトキシシラニルエチル)−エタン−1,2−ジアミン等が挙げられ、特に、N−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〕−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミンが好ましい。
(式(4)の構造を得るための低分子化合物)
前記式(4)の構造を得るための低分子化合物としては、下記の化合物が適用できる。
1−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−4−アルキルピペラジン、1−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−4−アルキルピペラジン、1−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−3−アルキルイミダゾリジン、1−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−3−アルキルイミダゾリジン、1−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、1−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、3−〔3−(トリアルコキシシラニル)−プロピル〕−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−〔3−(アルキルジアルコキシシラニル)−プロピル〕−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン等が適用できる。
具体的には、1−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−4−メチルピペラジン、1−〔3−(ジエトキシエチルシラニル)−プロピル〕−4−メチルピペラジン、1−〔3−(トリメトキシシラニル)−プロピル〕−3−メチルイミダゾリジン、1−〔3−(ジエトキシエチルシラニル)−プロピル〕−3−エチルイミダゾリジン、1−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−〔3−(ジメトキシメチルシラニル)−プロピル〕−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−〔3−(トリブトキシシラニル)−プロピル〕−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−〔3−(ジメトキシメチルシラニル)−プロピル〕−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−〔3−(トリメトキシシラニル)−プロピル〕−イミダゾリジン、(2−{3−〔3−(トリメトキシシラニル)−プロピル〕−テトラヒドロピリミジン−1−イル}−エチル)ジメチルアミン等が挙げられ、特に、1−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−4−メチルピペラジンが好ましい。
(式(5)の構造を得るための低分子化合物)
前記式(5)の構造を得るための低分子化合物としては、下記の化合物が適用できる。
2−(トリアルコキシシラニル)−1,3−ジアルキルイミダゾリジン、2−(アルキルジアルコキシシラニル)−1,3−ジアルキルイミダゾリジン、2−(トリアルコキシシラニル)―1,4−ジアルキルピペラジン、2−(アルキルジアルコキシシラニル)―1,4−ジアルキルピペラジン、5−(トリアルコキシシラニル)―1,3−ジアルキルヘキサヒドロピリミジン、5−(アルキルジアルコキシシラニル)―1,3−ジアルキルヘキサヒドロピリミジン等が適用できる。
具体的には、2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(ジエトキシエチルシラニル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(トリエトキシシラニル)―1,4−ジエチルピペラジン、2−(ジメトキシメチルシラニル)―1,4−ジメチルピペラジン、5−(トリエトキシシラニル)―1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(ジエトキシエチルシラニル)―1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、{2−〔3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(エチルジメトキシシラニル)―イミダゾリジン−1−イル〕−エチル}−ジメチルアミン、5−(トリメトキシシラニル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(エチルジメトキシシラニル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシラニルエチル)−ヘキサヒドロピリミジン等が挙げられ、特に、2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジンが好ましい。
上記式(1)〜(5)の構造を得るための低分子化合物は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(低分子化合物による変性率)
上述した変性共役ジエン系共重合体(A)は、上述した低分子化合物による変性率が、50%以上である。
変性率は、シリカ系吸着カラムを用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて変性共役ジエン系共重合体(A)を測定することにより求められる。
ここで、「変性率」とは、変性されたものと未変性のものが含有する変性共役ジエン系共重合体(A)中における、低分子化合物によって変性されているものの質量割合を意味する。
低分子化合物の変性率が50%以上であると、変性共役ジエン系共重合体(A)とシリカとの結合力が向上し、最終的に目的とする組成物において耐摩耗性能等の性能が良好なものとなる。
(変性共役ジエン系共重合体(A)の好適な態様)
変性共役ジエン系共重合体(A)は、前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン系共重合体が、前記式(1)〜(5)により表される変性共役ジエン系共重合体(A)全体の20〜70質量%であることが好ましい。さらには40〜60質量%が好ましい。
これが70質量%以下であると、最終的に目的とする履物用ゴム組成物において優れた耐摩耗性が得られ、20質量%以上であると、ベタつきがなく加工性が良好となるからである。
(変性共役ジエン系共重合体(A)のその他の態様)
変性共役ジエン系共重合体(A)は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させ、その末端と上述した低分子化合物とを反応させる工程の前段階、あるいは後段階として、下記の多官能性変性剤を反応させてもよい。
多官能性変性剤としては、エポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、エピチオ基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、共役ジエン基、アリールビニル基からなる群から選択される1種以上の官能基を有する化合物が適用できる。
好適な多官能性変性剤としては、シリカとの親和性の大きい官能基を有するものが好ましい。例えば、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物、更には1分子中にジグリシジルアミノ基を2個又は3個有する化合物が適用できる。例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
多官能性変性剤の具体的な例を挙げる。
例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4―ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミノ化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ基と他の官能基を有する化合物が挙げられる。
また、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリフェノキシシラン等のアルコキシシラン化合物;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等のイミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物が挙げられる。
また、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネートなどのイソシアネート化合物が挙げられる。
またさらには、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノメチルトリクロロケイ素、モノエチルトリクロロケイ素、モノブチルトリクロロケイ素、モノヘキシルトリクロロケイ素、モノメチルトリブロモケイ素、ビストリクロロシリルエタン等のハロゲン化シラン化合物、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシラン等のアルコキシハロゲン化シラン化合物が挙げられる。
また、例えば、 四塩化錫、四臭化錫、モノメチルトリクロロ錫、モノエチルトリクロロ錫、モノブチルトリクロロ錫、モノフェニルトリクロロ錫、ビストリクロロスタニルエタン等のハロゲン化錫化合物;トリクロルフォスフィン、トリブロモフォスフィン等のポリハロゲン化リン化合物等、さらに、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の亜リン酸エステル化合物;トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト等のリン酸エステル化合物が挙げられる。
また、例えば、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等のカルボン酸エステル化合物;無水ピロメリット酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物基含有化合物;アジピン酸ビスジメチルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミド等のアミド基含有化合物;4,4’−ジアセチルベンゾフェノン、3−アセチルプロポキシトリメトキシシラン等のカルボニル基含有化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンオリゴマー等のアリールビニル基含有化合物;トリクロロプロパン、トリブロモプロパン、テトラクロロブタン、3−クロロプロポキシトリメトキシシラン等のハロゲン化炭化水素基含有化合物が挙げられる。
上述した多官能性変性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述した多官能性変性剤において、特に、シリカとの親和性の大きい官能基を有するものが好ましく、またカップリングによる分子量の向上効果の大きい4〜6官能のポリエポキシ化合物あるいは合計で4〜6官能のエポキシ基とアルコキシシリル基の両方を有する化合物が好ましい。
例えば、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物、更には1分子中にジグリシジルアミノ基を2個又は3個有する化合物が好ましい。
具体的には、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらの多官能性変性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(変性共役ジエン系共重合体(A)の特に好適な態様)
変性共役ジエン系共重合体(A)の共役ジエン単位のビニル結合量は、過剰であると、最終的に目的とする組成物において耐摩耗性能が低下する傾向がある。
共役ジエン系化合物中のビニル結合量は、60%以下が好ましく、45%以下がより好ましい。
共役ジエン系化合物中のビニル結合量は、赤外分光光度計(日本分光社製 V−520 UV)を用いて測定しハンプトン法により求められる。
変性共役ジエン系共重合体(A)の100℃において測定したムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、30〜100の範囲であることが好ましい。
ムーニー粘度が30未満であると、最終的に得られる履物用ゴム組成物において、実用上十分な強度と耐摩耗性が得られなくなり、100を超えると加工性能が極端に悪化する。かかる観点からムーニー粘度は40〜80の範囲がより好ましい。
〔重合体組成物〕
本実施の形態における履物用ゴム組成物を構成する重合体組成物は、変性共役ジエン系共重合体(A)単独により構成されていてもよいし、最終的に目的とする履物用ゴム組成物の要求特性に応じて、他の重合体が混合されていてもよい。
他の重合体と混合する場合、変性共役ジエン系共重合体(A)の混合量は、重合体組成物の10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
10質量%以上とすることにより、本実施の形態における履物用ゴム組成物において、高強度特性、耐摩耗性が得られる。
他の重合体としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合ランダムSBR、高シスポリブタジエンゴム、結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液重合ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニルSBRブロック共合ゴム、およびポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体などのようなブロック共重合体等が挙げられる。
特に、変性されていない共役ジエン系共重合体、高シスポリブタジエンゴムが好ましい。
上記化合物は、最終的に目的とする履物用ゴム組成物において要求される特性に応じて適宜選択する。
〔無機充填剤〕
本実施の形態における履物用ゴム組成物を構成する無機充填剤(B)について説明する。
無機充填剤(B)としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、けい藻土、雲母、アルミナ、硫酸アルミ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。特にシリカが好ましい。
シリカの種類としては、湿式法シリカ、乾式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカのいずれも使用できる。特に、BET法比表面積が150〜250m/gである沈降性シリカが好ましい。BET法比表面積がこの範囲であると、最終的に目的とする履物用ゴム組成物に対する補強性が高く、かつ加工性が良好となる。
上述した変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物と、無機充填剤(B)との配合割合は、変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物100質量部に対して1〜150質量部の割合とし、10〜100質量部の割合が好ましく、20〜80質量部の割合がより好ましい。無機充填剤(B)の配合割合が1質量部未満であると、配合効果が得られず最終的に目的とする履物用ゴム組成物において実用上十分な強度が得られなくなる。150質量部を超えると加工性の低下、耐摩耗性の低下が起こる。
無機充填剤(B)としてシリカを用いる場合、有機シランカップリング剤を併用することが好ましい。
有機シランカップリング剤は、シリカと重合体組成物との結合をより強固にする機能を有し、シリカの質量に対して0.1〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜6質量%がより好ましい。
有機シランカップリング剤の量が0.1質量%未満であると重合体組成物との結合を強固にする効果が得られない。一方、20質量%を超えると過剰な架橋反応が起こることにより十分な柔軟性が得られず補強性が損なわれる。シリカの添加量の0.1〜6質量%である。
有機シランカップリング剤の具体例としては、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。好ましいシランカップリング剤としては、アルコキシシランを有すると同時に硫黄が2個以上連結したポリスルフィド結合を有するものであり、具体的には、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド等が挙げられる。
〔架橋剤〕
本実施の形態における履物用ゴム組成物は、上述した変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物と無機充填剤(B)とを含むものである。ここで、無機充填剤(B)が、BET法比表面積が150〜250m2/gである沈降性シリカであり、さらにこれに架橋剤(C)を0.1〜10質量部含有しているものであることが好ましい。
架橋剤(C)としては、例えば、後述する硫黄等の加硫剤や有機過酸化物等の架橋剤が使用できる。
加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄化合物等が挙げられる。
有機過酸化物等の架橋剤としては、有機パーオキサイド化合物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤のほか、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物が使用できる。
加硫剤及び/又は有機過酸化物等の架橋剤を含む架橋剤(C)の必要量は、重合体組成物100質量部に対して0.1〜10質量部である。重合体組成物100質量部に対して0.1質量部未満又は10質量部を超えていると、最終的に得られる履物用ゴム組成物に関して良好なゴム弾性が得られなくなるため好ましくない。
前記硫黄又は硫黄含有化合物を使用して架橋(加硫)を行うに際しては、架橋助剤(加硫促進剤)として、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系加硫促進剤等を必要に応じた量で使用できる。また、さらに、架橋助剤(加硫助剤)として、亜鉛華、ステアリン酸等を必要に応じた量で使用できる。
また、前記有機過酸化物を使用して架橋を行うに際しては、架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミド等のペルオキシ架橋助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマー等を併用できる。これらの架橋助剤の使用量は、重合体組成物100質量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部の割合で用いられる。
〔その他の添加剤〕
本実施の形態における履物用ゴム組成物には、必要に応じて、補強剤、軟化剤、充填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤等が添加されていてもよい。
また、発泡化の目的で公知の化学的発泡剤を配合してもよい。化学的発泡剤としては、無機系化学的発泡剤、有機系化学的発泡剤等を適用できる。
無機系化学的発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウム、金属粉が挙げられる。
有機系化学的発泡剤の例としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、ジアゾアミノアゾベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられる。
上述した化学的発泡剤は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
化学的発泡剤の配合量は、最終的に目的とする履物用ゴム組成物100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部であるものとし、0.3〜8質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
本実施の形態における履物用ゴム組成物は、所定のオイルを添加して硬度を調整してもよい。
オイルとしては、例えば、アロマ系、ナフテン系、パラフィン系、シリコーン系等が挙げられる。
〔履物用ゴム組成物の製造方法〕
本実施の形態における履物用ゴム組成物は、前記の変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有している重合体組成物、無機充填剤(B)、必要に応じて架橋剤(C)、シランカップリング剤、更には各種添加剤を加え、公知の手段、例えば、バンバリーミキサー、加熱ロール、各種ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等の溶融混練機を用いて各成分を均一に混練、加硫又は架橋することにより作製できる。
また、変性共役ジエン系共重合体(A)と無機充填剤(B)、必要に応じてシランカップリング剤とを予めバンバリーミキサー等で混合したマスターバッチを作製しておき、これと他の重合体、添加剤等を加えて、本実施の形態における履物用ゴム組成物を作製してもよい。
以下、具体的な実施例を示し、本発明を詳細に説明する。なお実施例及び比較例中の「部」又は「%」は、特記しない限り質量基準である。
〔試料の分析方法〕
(1)結合スチレン量(芳香族ビニル化合物の結合量)
後述する試料A〜Oをクロロホルム溶液とし、島津製作所製:UV−2450を使用し、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収を利用して、後述する試料A〜Oに対する結合スチレン量(質量%)を測定した。
(2)ブロックスチレン結合量(芳香族ビニル化合物のブロック結合量)
後述する試料A〜Oをクロロホルム溶液とし、これにターシャリーブチルヒドロペルオキシドとオスミウムテトラオキシドを添加し、その後、攪拌しながら80℃湯浴中で15分間分解した。この分解溶液に10倍容量のメタノールを添加して生成沈殿物を濾別した。
前記生成沈殿物をクロロホルムで溶解希釈し、UV計を用いて吸光度を測定し、下記式から、後述する試料A〜Oに対するスチレンブロック結合量を求めた。
スチレンブロック結合量(質量%)=(F)×(吸光度)×100/試料質量
〔但し、(F)は検量線より求めた係数である。〕
(3)ムーニー粘度
ムーニー粘度計を使用し、JIS K 6300に従って、100℃の余熱を1分間行いLローターで2回転し4分後の粘度を測定した。
(4)変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用して測定した。
具体的には、試料及び低分子量内部標準ポリスチレン分子量5000(ポリスチレンは吸着しない)を含む後述する試料A〜Oの溶液を用いた。ポリスチレン系ゲル(東ソー製:TSK)のGPC(東ソー製:HLC−8020)と、シリカ系カラム(ガードカラム;DIOL 4.6×12.5mm 5μm、カラム;Zorbax PSM−1000S、PSM−300S、PSM−60S、オーブン温度:40℃、THF(テトラヒドロフラン:流量0.5mL/分)GPC(東ソー製:CCP8020シリーズ ビルドアップ型GPCシステム;AS−8020、SD−8022、CCPS、CO−8020、RI−8021)の両クロマトグラムを測定し、内部標準ポリスチレンピークを基準として、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
試料は、共通して、分子量分布の狭いもので10mgから広いもので20mgを、標準ポリスチレン5mgとともに20mLのTHFに溶解したものを、200μL注入して測定した。
ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピークの面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2とし、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP3とし、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、変性率(%)を下記式により求めた。
変性率(%)=〔1−(P2×P3)/(P1×P4)〕×100
〔実施例1〜8、参考例1、実施例10、11で用いた変性共役ジエン系共重合体(A)の製造〕
(試料A)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン575g、スチレン510g、n−ヘキサン4800g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ入れ、反応器内温度を50℃に保持し、その後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン40gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.38mmolを添加し、30秒間攪拌して反応を実施し、その後、3−(トリメチルシリルピペラジノ)プロピルトリエトキシシランを6.13mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。
この重合体溶液に酸化防止剤(BHT:ブチルヒドロキシトルエン)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料A)を得た。
(試料A)を分析し、下記の結果が得られた。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:16質量%
ムーニー粘度:60
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:82%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:38質量%
(試料B)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン645g、スチレン450g、n−ヘキサン4800g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.3gを反応器へ入れ、反応器内温度を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム8mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン30gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.3mmolを添加し、30秒間攪拌して反応を実施し、その後3−(N−メチルピペラジノ)プロピルトリエトキシシランを4.8mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。
この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加した後、溶媒を除去することにより、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料B)を得た。
(試料B)を分析し、下記の結果が得られた。
結合スチレン量:39質量%
ブロックスチレン結合量:11質量%
ムーニー粘度:50
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:31%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:78%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:41質量%
(試料C)
反応器に投入するブタジエンを635g、スチレンを490g、追添するブタジエンを0gとした。その他の条件は、上記(試料A)の作製条件と同様とし、重合反応を実施した。
(試料C)を分析し、下記の結果が得られた。
結合スチレン量:43質量%
ブロックスチレン結合量:15質量%
ムーニー粘度:55
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:28%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:65%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:45質量%
(試料D)
反応器に投入するブタジエンを375g、スチレンを700g、追添するブタジエンを50gとした。さらに、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンをドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに変えた。その他の条件は、上記(試料A)の作製条件と同様とし、重合反応を実施した。
(試料D)を分析し、下記の結果が得られた。
結合スチレン量:62質量%
ブロックスチレン結合量:8質量%
ムーニー粘度:70
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:17%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:70%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:42質量%
(試料E)
反応器に投入するブタジエンを610g、スチレンを500g、追添するブタジエンを25gとした。その他の条件は、上記(試料A)の作製条件と同様とし、重合反応を実施した。
(試料E)を分析し、下記の結果が得られた。
結合スチレン量:44質量%
ブロックスチレン結合量:25質量%
ムーニー粘度:65
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:17%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:79%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:48質量%
(試料F)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したスチレン115g、n−ヘキサン4800g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱のピーキング後、ブタジエン720g、スチレン280gを供給し、反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン10gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.38mmolを添加し、30秒間攪拌して反応を実施した。その後N−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンを6.13mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。
この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料F)を得た。
(試料F)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:35質量%
ブロックスチレン結合量:8質量%
ムーニー粘度:54
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:32%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:75%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:39質量%
(試料G)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン630g、スチレン465g、n−ヘキサン4800g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ入れ、反応器内温度を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン30gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.38mmolを添加し、30秒間攪拌して反応を実施し、その後N−[2−(トリメトキシシラニル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミンを6.13mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。
この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料G)を得た。
(試料G)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:41質量%
ブロックスチレン結合量:12質量%
ムーニー粘度:50
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:80%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:36質量%
(試料H)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン595g、スチレン520g、n−ヘキサン4050g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ入れ、反応器内温度を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン10gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.38mmolを添加し、30秒間攪拌して反応を実施し、その後2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジンを6.13mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。
この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料H)を得た。
(試料H)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:46質量%
ブロックスチレン結合量:16質量%
ムーニー粘度:60
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:21%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:77%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:38質量%
(試料I)
3−(トリメチルシリルピペラジノ)プロピルトリエトキシシランに変えてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシランを使用した。その他の条件は(試料A)の作製条件と同様として重合反応を実施した。
(試料I)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:16質量%
ムーニー粘度:60
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン
部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:81
(試料N)
3−(トリメチルシリルピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン添加量を4.2mmolとした以外は(試料A)を得たのと同じ方法重合反応を実施した。
(試料N)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:16質量%
ムーニー粘度:64
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:77%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:73質量%
(試料O)
3−(トリメチルシリルピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン添加量を7.97mmolとした。その他の条件は、(試料A)の作製条件と同様として重合反応を実施した。
(試料N)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:16質量%
ムーニー粘度:53
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:83%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:18質量%
〔比較例1〜4で用いた変性共役ジエン系共重合体(A)の製造〕
(試料J)
反応器に投入するブタジエンを615g、スチレンを510g、追添するブタジエンを0gとした。その他の条件は、上記(試料A)の作製条件と同様とし、重合反応を実施した。
(試料J)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:20質量%
ムーニー粘度:70
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:15%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:40質量%
(試料K)
反応器に投入するブタジエンを430.5g、スチレンを510g、反応開始5〜10分後、反応器内にブタジエンを7g/分で184.5g供給した。その他の条件は、上記(試料A)の作製条件と同様とし、重合反応を実施した。
(試料K)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45重量%
ブロックスチレン結合量:0重量%
ムーニー粘度:63
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:82%
前記式(1)〜(5)においてn=2又は3である変性共役ジエン共重合体の全(1)〜(5)の変性共役ジエン共重合体中の含有量:38質量%
(試料L)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン445g、スチレン485g、n−ヘキサン4050g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ投入し、反応器内温度を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した後、ブタジエン195gを30秒で供給した。
重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを4.8mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料L)を得た。
(試料L)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:14質量%
ムーニー粘度:69
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:28%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:78%
(試料M)
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御可能なオートクレーブを反応器として使用した。
不純物を除去したブタジエン409g、スチレン485g、n−ヘキサン4050g、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.19gを反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した。
重合開始剤としてn−ブチルリチウム10.2mmolを反応器に供給した。
反応開始5〜10分後、反応器内にブタジエンを7g/分で175.5gを供給した。供給終了後、重合による発熱で反応器内の温度が75℃に達した。重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを4.8mmolを添加し、5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8g添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料M)を得た。
(試料M)を分析し、下記の結果を得た。
結合スチレン量:45質量%
ブロックスチレン結合量:0質量%
ムーニー粘度:69
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量:27%
シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率:79%
〔実施例1〜8、参考例1、実施例10、11、比較例1〜4〕
上記のようにして作製した表1に示す特性を有する試料A〜O(変性共役ジエン系共重合体)を用いて、下記表2に示す配合比により、目的とする履物用ゴム組成物を作製した。
温度制御装置を付属した密閉混練機(内容量0.3リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、試料A〜Oのいずれか、ハイシス・ブチレン・ラバー、シリカ(無機充填剤)、有機シランカップリング剤を混練した。
密閉混練機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物(重合体組成物と無機充填剤の混合物)を得た。
次に、第二段の混練として、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を混練した。
この場合も、密閉混練機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を混練した。
得られた混練物を160℃で20分間加硫プレスにて加硫して試験片を作製した。
この試験片を用いて以下に記載する物性について試験を行った。評価結果を下記表1に示す。
〔評価方法〕:
(1)加工性
密閉混練機(内容量0.3リットル)を用いた第一段の混練の後、混練物を排出した後のローター、槽内壁に付着したべとつきのある付着物の有無を評価した。
また排出した混練物をロール掛けし、シート状の成形体を作製し、下記の基準により3段階で評価した。
○:付着物はほとんどなく、シート形状が良好である。
△:付着物はほとんどないがシート形状が悪い。
×:付着物が多く剥離しにくい、シート形状は良い。
(2)引張強度
JIS K 6251の引張試験法に従って測定した。
(3)耐摩耗性(アクロン摩耗量)
耐摩耗性はアクロン摩耗試験機を使用し、荷重6ポンド、3000回転の摩耗量を測定した。数字の少ないものほど耐摩耗性が良いものとし、0.1(cc/3000rpm)未満であれば、実用上良好であるとして評価した。
(4)発泡性
下記表2に従って配合した未加硫の状態の配合物に対して発泡剤として、N,N−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミンを3質量部加えた。
その後、圧縮成形機に投入し、温度160℃、圧力150kgf/cm、時間20分で圧縮成形を行った。このとき同時に加硫された。
その後、圧力を開放することにより発泡を行い、ポリマー発泡体を得た。
このポリマー発泡体の断面を観察した、下記の基準で評価した。
◎:発泡セル径が均一。
○:発泡セル径が概ね均一。
×:発泡セル径が不均一。
(5)柔軟性
表2に示す配合により調製した履物用ゴム組成物を2mmの厚さの加硫シートに成形し、24時間室温にて放置した後、手感触により、三段階で柔軟性を評価した。
◎:柔かく感触が良い。
○:柔かい。
△:やや硬い。
なお、表1中、低分子化合物a〜gは、下記に示す化合物とする。
a:3−(トリメチルシリルピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン
b:3−(N−メチルピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン
c:N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン
d:N−[2−(トリメトキシシラニル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン
e:2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン
f:N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン
g:テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
表2中、*1〜*6は、下記に示す材料である。
*1:Degussa社製 商品名:ULTRASIL VN3
*2:Degussa社製 商品名:Si69
物質名:ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド
*3:物質名:N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*4:物質名:N−シクロヘキシル ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*5:物質名:ジフェニルグアニジン
*6:宇部興産株式会社製 UBEPOL 150
表1に示すように、変性共役ジエン系重合体(A)成分として、本発明で限定したスチレン−ブタジエン共重合体を使用した実施例1〜8、参考例1、実施例10、11の履物用ゴム組成物は、強度と耐摩耗性能、加工性と発泡性に優れるのに対し、変性共役ジエン系重合体として本発明の範囲外のスチレン−ブタジエン共重合体(J)〜(M)を使用した比較例1〜4のゴム組成物は、引張強度と耐摩耗性、加工性と発泡性のバランスが劣る結果となった。
参考例1は、第1級アミノ基を有する低分子化合物を使用したため、加工性の評価において他の実施例1〜8に比して劣ったものとなった。
実施例10は、式(1)〜(5)のnが2又は3である変性共役ジエン系共重合体が、前記(1)〜(5)で示される変性共役ジエン共重合体の全体に対して70質量%を超えているため、耐摩耗性の評価が他の実施例1〜8、参考例1、実施例11に比較して劣ったものとなった。
実施例11は、式(1)〜(5)のnが2又は3である変性共役ジエン系共重合体が、前記(1)〜(5)で示される変性共役ジエン共重合体の全体に対して20質量%未満であるため、加工性の評価が他の実施例1〜8に比較して劣ったものとなった。
本出願は、2007年7月31日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2007−198613)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の履物用ゴム組成物は、各種履物、例えば、ジョギングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズ、バレーボールシューズ等のスポーツシューズや、岩場等で使用するトレッキングシューズ、釣り用の長靴、ダイビング用シューズ、バイク用シューズ、お風呂靴、レインシューズ、ビーチサンダル等の靴のアウトソール等として、産業上の利用可能性がある。

Claims (4)

  1. 共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とからなる共役ジエン系共重合体の末端が変性された変性率が50%以上の変性共役ジエン系共重合体(A)を10質量%以上含有する重合体組成物100質量部と、
    シリカからなる無機充填剤(B)1〜150質量部と、を含有する履物用ゴム組成物であって、
    前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、下記(1)〜(3)の条件を満たしているおり、
    (1)芳香族ビニル化合物の結合量が25〜75質量%である。
    (2)芳香族ビニル化合物のブロック結合量が、変性共役ジエン系共重合体(A)100質量%に対し、3〜50質量%である。
    (3)末端が、第2級又は第3級アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性されている。
    前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、下記式(1)〜(5)に示される変性共役ジエン系共重合体のいずれかである履物用ゴム組成物。
    (式(1)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基である。Rは炭素数が1〜10の炭化水素基又は活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基である。R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なってもよい。nは1〜3の整数、m及びpは0〜2の整数、n+m+p=3である。)
    (式(2)中、Dは共役ジエン系共重合体である。R、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基、活性水素を有さないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、アミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれるいずれかである。R、R、R、R、R、n、m及びp、n+m+pは、前記式(1)におけるこれらと同様である。)
    (式(3)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R10、R11は炭素数1〜12の炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R12、R13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。)
    (式(4)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R15、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基で不飽和結合が存在してもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。R17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり不飽和結合が存在してもよい。R10は前記式(3)と同様である。R、R、n、m、p、及びn+m+pは、前記式(1)と同様である。)
    (式(5)中、Dは、共役ジエン系共重合体である。R18は炭素数1〜6の炭化水素基である。R14は前記式(3)と同様である。R15は前記式(4)と同様である。R17は炭素数1〜20の炭化水素基又は活性水素を有さないSi、O、Nを含む有機基で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であり、不飽和結合が存在してもよい。R、R、n、m、p、及びn+m+pは前記式(1)と同様である。)
  2. 前記式(1)〜(5)のnが2又は3である変性共役ジエン系共重合体が、前記(1)〜(5)で示される変性共役ジエン共重合体の全体に対して、20〜70質量%である請求項1に記載の履物用ゴム組成物。
  3. 前記変性共役ジエン系共重合体(A)が、芳香族ビニル化合物のブロック結合に共役ジエン系化合物が共役ジエン系共重合体の末端として結合し、その末端が、アミノ基とアルコキシシリル基とを分子内に有する低分子化合物で変性されている変性共役ジエン系共重合体である請求項1又は2に記載の履物用ゴム組成物。
  4. 無機充填剤(B)が、BET法比表面積が150〜250m/gである沈降性シリカであり、
    架橋剤(C)を前記重合体組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部さらに含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の履物用ゴム組成物。
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