JP5501606B2 - パッシブ型の車載器 - Google Patents
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Description
このようなノンストップ料金収受システムでは、地上側に設置した路側機器と、車両に搭載した車載器との間で無線通信をすることにより、課金処理が行われ、車両はノンストップで走行することができる。
パッシブ型の車載器では、路側機器から送信されてきた電波(ダウンリンクの電波)を受信すると、この電波を反射すると共に変調し、このように反射して変調した電波をアップリンクの電波として路側機器に送信(返送)している。
ERPシステムは、予め決めた規制区域(例えば都心部)に入る車両に対して課金をするシステムである。このような課金をすることにより、規制区域(都心部等)への車両の流入を抑制して渋滞緩和を図ったり、交通整備の財源確保を図っている。
車両4にはパッシブ型の車載器5を備えている。
車両4がガントリ2の下を走行すると、固定局アンテナ3と車載器5との間で準マイクロ波帯(例えば2360MHz)の電波により通信が行われ、ノンストップ状態で自動課金が行われる。
固定局アンテナ3からは、変調波MWとこの変調波MWに続く搬送波(無変調波)CWとが、通信1スロット分の電波として送信される。変調波MWには、ERPシステムの入口であることを示す情報等が情報として含まれている。
車載器5では、変調波MWを受信・検波することによりERPシステムの入口に達したことを判定する。そこで、車載器5は、搬送波CWを受信すると、この搬送波CWを反射・変調して車載器出力電波UWとして出力する。この車載器出力電波UWには、当該車載器5のID情報等が情報として含まれている。
固定局アンテナ3が車載器出力電波UWを受信することで、課金処理が行われる。
しかし、このパッシブ型の車載器5では、固定局アンテナ3から送信されてきた搬送波CWを、そのまま電気的に反射して車載器出力電波UWとして固定局アンテナ3に返送しているため、車載器出力電波UWのパワーが弱い。
このため、他系の無線システム(例えば広域無線LAN)から、ERPシステムで用いている電波の周波数に近い電波が侵入してくると、電波の干渉が発生して、課金処理が確実にできなくなる懸念がある。
車載器に不正カードが挿入されていたり、残高が不足していたりすること等により、適正な課金処理をすることができない不正車両が通過した場合に、このような不正車両を検出するシステムが、ガントリ2に近接して設置されている。
この不正車両を検出するシステムにおいても、電波を車両に向けて送信し、当該車両や当該車両に搭載した車載器からの返信電波を受信することにより、不正車両であるかどうかを判断している。
路側機器から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した電波を送信データに応じて反射して変調することにより返送用の電波を作り、この返送用の電波を出力して前記アンテナから送信させる車載器回路と、
前記アンテナと前記車載器回路とを電磁的に接続しており、前記アンテナで受信した電波を前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された電波を前記アンテナに伝送する伝送ラインと、
を有するパッシブ型の車載器において、
前記アンテナが受信した電波をそのまま通過させて前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された返送用の電波を増幅してから前記アンテナに伝送するセミアクティブ回路を、前記伝送ラインに介在する状態で配置したことを特徴とする。
路側機器から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した電波を反射して変調することにより返送用の電波を作り、この返送用の電波を出力して前記アンテナから送信させる車載器回路と、
を有するパッシブ型の車載器において、
前記アンテナが受信した電波をそのまま通過させて前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された返送用の電波を増幅してから前記アンテナに伝送するセミアクティブ回路を備えると共に、
前記車載器回路には、
前記アンテナで受信した電波が入力されるとウェイク・アップ信号を出力する制御部と、
前記ウェイク・アップ信号が出力されると、前記セミアクティブ回路に電力供給をするレギュレータとが備えられていることを特徴とする。
前記セミアクティブ回路は、
第1ポートと第2ポートと第3ポートを有しており、第1ポートに入力した電波を第2ポートから出力し、第2ポートに入力した電波を第3ポートに出力し、第3ポートに入力した電波を第1ポートに出力する特性を有している第1と第2のサーキューレータと、
電波を増幅するアンプとを有し、
第1のサーキュレータは、前記アンテナと前記車載器回路とを接続する伝送ラインに介装されており、その第1ポートが前記アンテナ側に配置され、その第2ポートが前記車載器回路側に配置されており、
第2のサーキュレータは、前記伝送ラインのうち第1のサーキュレータの介装位置よりも車載器回路側に介装されており、その第1ポートが前記アンテナ側に配置され、その第2ポートが車載器回路側に配置されており、
前記アンプは、その入力端子が第2のサーキュレータの第3ポートに接続されており、その出力端子が第1のサーキュレータの第3ポートに接続されていることを特徴とする。
前記第1と第2のサーキュレータは、
矩形の枠形状となっているマイクロストリップラインで形成したリング方向性結合器と、前記リング方向性結合器の各辺に装荷されたマイクロストリップラインで形成した多数の周期性のスタブと、前記リング方向性結合器の四隅に形成されたマイクロストリップラインで形成した4つのポート端子と、前記ポート端子の一つを終端する終端抵抗とでなる、装荷型リング方向性結合器で構成したことを特徴とする。
これら送受信アンテナ101と、車載器回路110と、セミアクティブ回路120は、伝送ラインLにより電磁的に接続されている。
つまり、セミアクティブ回路120は、ダウンリンクの電波はそのまま通過させて伝送し、アップリンクの電波は増幅してから伝送する特性を有している。
なおセミアクティブ回路120の具体的構成例は、後の実施例3,4にて説明する。
スイッチ回路111が開放状態(OFF状態)になると、車載器回路110に入力されてきた搬送波CWはスイッチ回路111にて反射され、反射された電波の位相は、入力時の位相と同相となる。
またスイッチ回路111が投入状態(ON状態)になると、車載器回路110に入力されてきた搬送波CWは変調器(トランスミッションライン)114にて反射され、反射された電波の位相は、入力時の位相と逆相になる。
車載器出力電波UWは、セミアクティブ回路120により増幅されて電波強度が強くなっているため、他系の無線システム(例えば広域無線LAN)から電波が侵入してきたとしても、侵入してきた電波と干渉することなく、固定局アンテナ3で確実に受信される。このため、確実な課金処理をすることができる。
更に、固定局アンテナ3から出力される電波強度を強くしているわけではないため、不正車両を検出するシステム等に、悪影響を与えることはない。
図3に示すように、セミアクティブ回路120は、送受信アンテナ101と車載器回路110(または110a)とを接続する伝送ラインLに介在する状態で配置されている。
サーキュレータ121,122としては、磁化されたフェライト材料で製造された汎用のサーキュレータや、後述するような、マイクロストリップラインにより形成した、装荷型リング方向性結合器を用いることができる。
第2のサーキュレータ122は、伝送ラインLのうち第1のサーキュレータ121の介装位置よりも車載器回路110(110a)側に介装されており、第1ポート♯21が送受信アンテナ101側に配置され、第2ポート♯22が車載器回路110(110a)側に配置されている。
このとき、車載器回路110(110a)から出力された車載器出力電波UWは、アンプ123にて増幅されるため、増幅された電波強度の強い車載器出力電波UWが送受信アンテナ101から送信される。
更に説明すると、装荷型リング方向性結合器200は、矩形の枠形状となっているリング方向性結合器201と、このリング方向性結合器201の各辺に装荷された多数の周期性のスタブ202と、リング方向性結合器200の四隅に形成された4つのポート端子203a,203b,203c,203dと、ポート端子203dを終端する終端抵抗204とで構成されている。
そして、4つのポート端子203a,203b,203c,203dの端部が、第1〜第4のポート♯1〜♯4となっている。
つまり、装荷型リング方向性結合器200は、第1ポート♯1に入力した電波を第2ポート♯2から出力し、第2ポート♯2に入力した電波を第3ポート♯3に出力し、第3ポート♯3に入力した電波を第1ポート♯1に出力する、サーキュレータとしての特性を有している。
また、装荷型リング方向性結合器200は、基板の上に、銅箔のマイクロストリップラインを形成して構成したものであり、熱に対して強い
ちなみに、磁化したフェライトで構成した汎用のサーキュレータでは、その磁気特性が熱により劣化し易いという問題がある。
また装荷型リング方向性結合器200は熱に強いので、熱的に強い車載器100(100a)を製造することができる。
2 ガントリ
3 固定局アンテナ
4 車両
5 車載器
100,100a 車載器
101 送受信アンテナ
110,110a 車載器回路
111 スイッチ回路
112 検波器
113 アンプ
114 変調器
115 制御部
116 レギュレータ
120 セミアクティブ回路
121,122 サーキュレータ
123 アンプ
200 装荷型リング方向性結合器
201 リング方向性結合器
202 スタブ
203a〜203d ポート端子
204 終端抵抗
L 伝送ライン
Claims (4)
- 路側機器から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した電波を送信データに応じて反射して変調することにより返送用の電波を作り、この返送用の電波を出力して前記アンテナから送信させる車載器回路と、
前記アンテナと前記車載器回路とを電磁的に接続しており、前記アンテナで受信した電波を前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された電波を前記アンテナに伝送する伝送ラインと、
を有するパッシブ型の車載器において、
前記アンテナが受信した電波をそのまま通過させて前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された返送用の電波を増幅してから前記アンテナに伝送するセミアクティブ回路を、前記伝送ラインに介在する状態で配置したことを特徴とするパッシブ型の車載器。 - 路側機器から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した電波を反射して変調することにより返送用の電波を作り、この返送用の電波を出力して前記アンテナから送信させる車載器回路と、
を有するパッシブ型の車載器において、
前記アンテナが受信した電波をそのまま通過させて前記車載器回路に伝送すると共に、前記車載器回路から出力された返送用の電波を増幅してから前記アンテナに伝送するセミアクティブ回路を備えると共に、
前記車載器回路には、
前記アンテナで受信した電波が入力されるとウェイク・アップ信号を出力する制御部と、
前記ウェイク・アップ信号が出力されると、前記セミアクティブ回路に電力供給をするレギュレータと、
が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のパッシブ型の車載器。 - 前記セミアクティブ回路は、
第1ポートと第2ポートと第3ポートを有しており、第1ポートに入力した電波を第2ポートから出力し、第2ポートに入力した電波を第3ポートに出力し、第3ポートに入力した電波を第1ポートに出力する特性を有している第1と第2のサーキューレータと、
電波を増幅するアンプとを有し、
第1のサーキュレータは、前記アンテナと前記車載器回路とを接続する伝送ラインに介装されており、その第1ポートが前記アンテナ側に配置され、その第2ポートが前記車載器回路側に配置されており、
第2のサーキュレータは、前記伝送ラインのうち第1のサーキュレータの介装位置よりも車載器回路側に介装されており、その第1ポートが前記アンテナ側に配置され、その第2ポートが車載器回路側に配置されており、
前記アンプは、その入力端子が第2のサーキュレータの第3ポートに接続されており、その出力端子が第1のサーキュレータの第3ポートに接続されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパッシブ型の車載器。 - 前記第1と第2のサーキュレータは、
矩形の枠形状となっているマイクロストリップラインで形成したリング方向性結合器と、前記リング方向性結合器の各辺に装荷されたマイクロストリップラインで形成した多数の周期性のスタブと、前記リング方向性結合器の四隅に形成されたマイクロストリップラインで形成した4つのポート端子と、前記ポート端子の一つを終端する終端抵抗とでなる、装荷型リング方向性結合器で構成したことを特徴とする請求項3に記載のパッシブ型の車載器。
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