JP5500993B2 - 半導体集積回路およびそれを搭載した無線通信端末 - Google Patents

半導体集積回路およびそれを搭載した無線通信端末 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路およびそれを搭載した無線通信端末に関するもので、特に、携帯電話等の無線移動通信のための受信回路のチャンネル選択フィルタの信号帯域幅を低い値に設定する際に、帰還容量の容量値の増加を軽減して、雑音特性の劣化を軽減するするのに有益な技術に関する。
携帯電話等の無線移動通信は、第2世代と中間の第2.5世代とからより効率的な第3世代にシフトしている。第3世代のユーザーピークデータレートは、EDGE(Enhanced Data Rate for GSM Evolution)で384kbps、cdma2000とWCDMAとで2Mbpsまで増加している。第3世代のWCDMAに導入されたHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)のダウンリンク接続では、16QAMの高変調レベルを使用して14.4Mbpsのユーザーピークデータレートを保証している。尚、QAMは、Quadrature Amplitude Modulation(直交振幅変調)の略である。
第3世代無線ネットワークの拡大に伴って第3世代移動携帯電話端末の低コスト化と低消費電力化とが、重要となっている。ダイレクト・コンバージョン・レシーバー・アーキテクチャーは、シリコンプロセスと回路設計技術とアーキテクチャー・インプリメンテーションとの適切な利用とによって、第3世代移動携帯電話端末の集積化プラットフォームの有力なシステムソリューションとなっている。
ダイレクト・コンバージョン・レシーバーでは、チャンネル外の妨害信号を抑圧するためには、ローパスフィルタで構成されるチャンネル選択フィルタが必要である。下記非特許文献1には、ダイレクト・コンバージョン・レシーバーは、イメージ除去フィルタが不必要であり、チャンネル選択フィルタがオンチップで実現されることが可能なローパス型であるので、無線送受信器(ワイヤレス・トランシーバ)を高集積レベルとするのに好適であることが記載されている。ダイレクト・コンバージョン・レシーバーでは、WCDMA受信信号は低雑音増幅器で増幅された後に直交ダウンコンバージョンミキサーを構成するI信号ミキサーとQ信号ミキサーに供給される一方、90度の位相差を持つIローカル信号とQローカル信号とがI信号ミキサーとQ信号ミキサーに供給される。I信号ミキサーから生成されるIベースバンド信号は第1チャンネル選択フィルタと第1増幅器とに供給される一方、Q信号ミキサーから生成されるQベースバンド信号は第2チャンネル選択フィルタと第2増幅器とに供給される。
下記非特許文献1には、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーでは、RFフロントエンドからのベースバンド信号を2MHz帯域幅のローパスフィルタでフィルタリングする必要があることが記載されている。ベースバンドチャンネル選択フィルタは、0.01dB通過帯域リップルと−3dB周波数が2MHzの特性を持つ5次チェビシェフ(Chebyshev)ローパスフィルタが使用されている。
また、下記非特許文献2には、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのためのチャンネル選択フィルタとしては、0.22のロールオフで−3dB周波数が1.92MHzの特性を持ったルート・レイズド・コサイン(RRC:Root Raised Cosine)フィルタが理想的であることが記載されている。符号間干渉(ISI:inter-symbol-interference)を回避するためのこのRRC・フィルタの好適な近似はアナログ・ローパスフィルタであり、0.01dB通過帯域リップルと−3dB周波数が1.92MHzの特性を持つ5次チェビシェフ(Chebyshev)ローパスフィルタが使用されている。
更にまた下記非特許文献3には、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタとして、隣接チャンネル除去と符号間干渉(ISI:inter-symbol-interference)とを折衷するために、5次のバターワース(Butterworth)・ローパスフィルタを使用することが記載されている。
M. Konfal et al, "CMOS ANALOG BASEBAND CHANNEL FILTER FOR DIRECT A CONVERSION WCDMA RCEIVER", Proceedings. 5th International Conference on ASIC, 2003, Volume 1, 21−24 Oct. 2003, PP.577〜580. Jarkko Jussila et al, "A Channel Selection Filter for a WCDMA Direct Conversion Receiver", Proceeding of the 26th European Solid−State Circuits Conference, 2000. ESSCIRC ‘00. 19−21 Sept. 2000. PP.264〜267. Jarkko Jussila et al, "An Analog Baseband Circuitry for a WCDMA Direct Conversion Receiver", Proceeding of the 25th European Solid−State Circuits Conference, 1999. ESSCIRC ‘99. 21−23 Sept. 1999. PP.166〜169.
本発明者等は本発明に先立って、第3世代のWCDMAの送受信をサポートする携帯電話端末に搭載される半導体集積回路の研究・開発に従事した。
最初に、第3世代のWCDMAの送受信をサポートするレシーバーとして、前記背景技術に記載のようにダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのアーキテクチャーが採用された。その結果、前記背景技術に記載のように、希望チャンネル外の妨害信号を抑圧するためのチャンネル選択フィルタが必要となった。
一方、この研究・開発の途中でロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)と呼ばれる携帯電話の新しい規格への対応が要求されるものであった。従来の規格ではベースバンド信号帯域幅は固定であったのに対して、LTE方式では複数の帯域幅から選択して使用できるものである。
すなわち、GSM方式では、ベースバンド信号帯域幅は例えば140kHzの固定の値が使用され、WCDMA方式ではベースバンド信号帯域幅は例えば2MHzの固定の値が使用されていたのに対して、LTE方式では1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの第1グループまたは700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの第2グループから1個のベースバンド信号帯域幅を選択して使用することが可能となる。しかし、その結果、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーをLTE方式に対応させるためには、チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数を複数個に可変することが必要となった。尚、GSMはGlobal System for Mobile Communicationsの略であり、WCDMAはWideband Code Division Multiple Accessの略である。
図8は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。
図8に示すチャンネル選択フィルタは、上記非特許文献1と上記非特許文献2と上記非特許文献3に記載されたチャンネル選択フィルタと同様にバイカッド(biquad)構成のアクティブRCフィルタとなっている。すなわち、チャンネル選択フィルタの第1段は帰還容量Cの電荷が帰還抵抗R2で放電される不完全積分器によって構成されているのに対して、第2段は完全積分器によって構成されている。第1段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転入力端子+は、抵抗R1、R1を介してそれぞれ非反転入力端子INT、反転入力端子INBに接続されている。第1段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転出力端子+との間には帰還容量Cと帰還抵抗R2とが並列に接続され、第1段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+と反転出力端子−との間には帰還容量Cと帰還抵抗R2とが並列に接続されている。第1段の演算増幅器OPA1の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、抵抗R1、R1を介してそれぞれ第2段の演算増幅器OPA2の反転入力端子−と非反転入力端子+に接続されている。第2段の演算増幅器OPA2の反転入力端子−と非反転出力端子+との間は帰還容量Cが接続され、第2段の演算増幅器OPA2の非反転入力端子+と反転出力端子−との間は帰還容量Cが接続されている。第2段の演算増幅器OPA2の反転出力端子−と第1段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−との間には抵抗R1が接続され、第2段の演算増幅器OPA2の非反転出力端子+と第1段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+との間には抵抗R1が接続されている。第2段の演算増幅器OPA2の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、非反転出力端子OUTT、反転出力端子OUTBとされる。
このように、図8に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタの第1段の演算増幅器OPA1と第2段の演算増幅器OPA2とは、それぞれ入出力端子が差動形式となっている。そこで、図8に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタの伝達関数を求めるために、図8のチャンネル選択フィルタを、シングルエンドの入出力端子の等価回路に変換する。この等価回路でチャンネル選択フィルタの入力電圧と出力電圧とをそれぞれV1とV2とし、第1段の演算増幅器OPA1の出力端子の電圧をV3とする。第1段の演算増幅器OPA1の入力端子の電流の総和はゼロであるので、次式が成立する。
Figure 0005500993
また、第2段の演算増幅器OPA2の入力端子の電流の総和もゼロであるので、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(2)式から、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(3)式を上記(1)式に代入すると、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(4)式を変形すると、次式が成立する。
Figure 0005500993
ここで、s=j・2πfであり、ω0とQとは、それぞれ次式で与えられる。
Figure 0005500993
Figure 0005500993
従って、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーをLTE方式に対応させるために、ベースバンド信号帯域幅を第2グループで10MHz→7.5MHz→5MHz→2.5MHz→1.5MHz→700kHzと、高周波数から低周波数に切り換えるとする。その結果、周波数fの低下に従ってs=j・2πfの値も低下するので、伝達関数H(s)を周波数fの低下に対して略一定とするためには、周波数fの低下に従って帰還容量Cの値を増加させ、ω0の値を低下する必要がある。
しかし、携帯電話端末に搭載される半導体集積回路の半導体チップに集積可能な帰還容量Cの値の増加にも限界があるので、ω0の値の低下にも限界がある。そこで、本発明者は、周波数fの低下に従ってQ=R2/R1の値を低下させ、上記(5)式の分母の第2項を増加することによって、伝達関数H(s)を周波数fの低下に対して略一定とするアイデアを着想した。そのためには、図8に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタにおいて、第1段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+と反転出力端子−との間に接続されている帰還抵抗R2を可変抵抗として、周波数fの低下に従って可変帰還抵抗R2の抵抗値を低下するものとなる。
図2は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。図8に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタと比較すると、図2のバイカッド構成のチャンネル選択フィルタでは、第1段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転出力端子+の間には可変帰還抵抗R3が接続され、第1段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+と反転出力端子−の間には可変帰還抵抗R3が接続されている。従って、図2に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタでは、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーをLTE方式に対応させるために、ベースバンド信号帯域幅を10MHz→7.5MHz→5MHz→2.5MHz→1.5MHz→700kHzと、高周波数から低周波数に切り換えるのに従って、帰還容量Cの値を増加させ、ω0の値を低下する一方、可変帰還抵抗R3の抵抗値を低下するものである。
しかし、本発明に先立って本発明者等によって更に検討を行ったところ、図2に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタでは、ベースバンド信号帯域幅を低周波数に設定した際には、雑音特性(S/N比)が劣化することが判明した。その理由は、低周波数のベースバンド信号帯域幅では可変帰還抵抗R3の抵抗値が低下されるので第1段の演算増幅器OPA1の不完全積分器の電圧利得が低下するためであることも、本発明者等による検討によって明らかとされた。一般的には、多段増幅器では初段増幅器の電圧利得が低下すると、多段増幅器全体の雑音特性が劣化するものである。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等による検討の結果、なされたものである。
従って、本発明の目的とするところは、半導体集積回路に構成された受信回路のチャンネル選択フィルタの信号帯域幅を低い値に設定する際に、帰還容量の容量値の増加を軽減して雑音特性の劣化を軽減することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態は、無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備する半導体集積回路である。
前記チャンネル選択フィルタは、第1段フィルタと第2段フィルタとの従属接続によって構成される。
前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器(OPA2)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の入力端子に接続された第1入力抵抗(R1)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量(C)とを含む完全積分器によって構成される。
前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器(OPA1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の入力端子に接続された第2入力抵抗(R1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量(C)と可変帰還抵抗(R3)との並列接続とを含む不完全積分器によって構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本発明によれば、半導体集積回路に構成された受信回路のチャンネル選択フィルタの信号帯域幅を低い値に設定する際に、帰還容量の容量値の増加を軽減して雑音特性の劣化を軽減することができる。
図1は、本発明の実施の形態1によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。 図2は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態2によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのより好適なチャンネル選択フィルタの構成を示す図である 図4は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタのカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数に設定するための回路定数の設定条件を示す図である。 図5は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて図4の(A)に示した高周波カットオフ周波数でQ1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値とを低下する回路定数の設定条件の場合のカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数における伝達関数H(s)を減衰量0.0dB〜−3.5dBの変化範囲で示した図である。 図6は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて図4の(A)に示した高周波カットオフ周波数でQ1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値とを低下する回路定数の設定条件の場合のカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数における伝達関数H(s)を減衰量0.0dB〜−80.0dBの変化範囲で示した図である。 図7は、図3の本発明の実施の形態2によるチャンネル選択フィルタを使用した本発明の実施の形態4によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーの構成を示す図である。 図8は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。 図9は、第1と第2のチャンネル選択フィルタ50、80の各チャンネル選択フィルタを構成する図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタの可変帰還容量C1、C2、C3を構成するための容量バンクの構成を示す図である。 図10は、図9に示す容量バンクのスイッチSW0とスイッチSW1とスイッチSW2とスイッチSW3とスイッチSW4とのオン・オフ制御によって第1端子300と第2端子310との間のデジタル容量値が制御される様子を示す図である。
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態は、無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備する半導体集積回路である。
前記チャンネル選択フィルタは、第1段フィルタと第2段フィルタとの従属接続によって構成される。
前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器(OPA2)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の入力端子に接続された第1入力抵抗(R1)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量(C)とを含む完全積分器によって構成される。
前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器(OPA1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の入力端子に接続された第2入力抵抗(R1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量(C)と可変帰還抵抗(R3)との並列接続とを含む不完全積分器によって構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
前記実施の形態によれば、半導体集積回路に構成された受信回路のチャンネル選択フィルタの信号帯域幅を低い値に設定する際に、帰還容量の容量値の増加を軽減して雑音特性の劣化を軽減することができる。
好適な実施の形態では、前記チャンネル選択フィルタは、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記入力端子と前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記出力端子との間に接続された入出力帰還抵抗(R1)を更に含むことを特徴とするものである(図1参照)。
他の好適な実施の形態では、前記第1段演算増幅器(OPA2)と前記第1入力抵抗(R1)と前記第1帰還容量(C)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)と前記第2入力抵抗(R1)と前記第2帰還容量(C)と前記可変帰還抵抗(R3)と、前記入出力帰還抵抗(R1)とは、半導体チップの内部に集積化されたこと特徴とするものである(図1参照)。
より好適な実施の形態では、前記第1段演算増幅器(OPA2)と前記第2段演算増幅器(OPA1)とは、入出力端子が差動形式とされ、前記第1入力抵抗(R1)は2個の抵抗を含み、前記第1帰還容量(C)は2個の容量を含み、前記第2入力抵抗(R1)は2個の抵抗を含み、前記第2帰還容量(C)は2個の容量を含み、前記可変帰還抵抗(R3)は2個の抵抗を含み、前記入出力帰還抵抗(R1)は2個の抵抗を含む。
前記第1入力抵抗(R1)の一方の抵抗と他方の抵抗とは前記第1段演算増幅器(OPA2)の反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)とにそれぞれ接続され、前記第1帰還容量(C)の一方の容量と他方の容量とは前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記反転入力端子(−)と非反転出力端子(+)との間と前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記非反転入力端子(+)と反転出力端子(−)との間とにそれぞれ接続される。
前記第2入力抵抗(R1)の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記非反転出力端子(+)と前記第2段演算増幅器(OPA1)の反転入力端子(−)との間と前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記反転出力端子(−)と前記第2段演算増幅器(OPA1)の非反転入力端子(+)との間とにそれぞれ接続される。
前記第2帰還容量(C)の一方の容量と前記可変帰還抵抗(R3)の一方の抵抗との一方の並列接続は前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記反転入力端子(−)と非反転出力端子(+)との間とにそれぞれ接続され、前記第2帰還容量(C)の他方の容量と前記可変帰還抵抗(R3)の他方の抵抗との他方の並列接続は前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記非反転入力端子(+)と反転出力端子(−)との間とにそれぞれ接続される。
前記入出力帰還抵抗(R1)の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記反転入力端子(−)と前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記反転出力端子(−)との間と前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記非反転入力端子(+)と前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記非反転出力端子(+)との間とにそれぞれ接続されたことを特徴とするものである(図1参照)。
他のより好適な実施の形態では、前記チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされる。
前記チャンネル選択フィルタが前記低カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗(R3)の前記第2入力抵抗(R1)および前記入出力帰還抵抗(R1)との比(Q=R3/R1)は、前記チャンネル選択フィルタが前記高カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗(R3)の前記第2入力抵抗(R1)および前記入出力帰還抵抗(R1)との比(Q=R3/R1)より小さな値に設定されることを特徴とするものである(図4(A)参照)。
具体的な実施の形態では、前記チャンネル選択フィルタは、前段チャンネル選択フィルタと後段チャンネル選択フィルタとの従属接続を含む。
前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタの各チャンネル選択フィルタは、前記第1段フィルタと前記第2段フィルタとの前記従属接続によって構成されたことを特徴とするものである(図3参照)。
より具体的な実施の形態では、前記半導体集積回路の前記受信回路と前記チャンネル選択フィルタとは、低雑音増幅器(30)、I信号ミキサー(40)、第1チャンネル選択フィルタ(50)、第1増幅器(60)、Q信号ミキサー(70)、第2チャンネル選択フィルタ(80)、第2増幅器(90)、90度移相器(100)、RF電圧制御発振器(110)を含む。
前記RF電圧制御発振器(110)と前記90度移相器(100)とによって、略90度の位相差を持つIローカル信号とQローカル信号とが、前記I信号ミキサー(40)と前記Q信号ミキサー(70)とにそれぞれ供給される。
前記RF受信信号は前記低雑音増幅器(30)の入力端子に供給され、前記低雑音増幅器(30)のRF受信増幅信号は直交ダウンコンバージョンミキサーを構成する前記I信号ミキサー(40)と前記Q信号ミキサー(70)とにそれぞれ供給される。
前記I信号ミキサー(40)から生成されるI受信信号は前記第1チャンネル選択フィルタ(50)と前記第1増幅器(60)に供給される一方、前記Q信号ミキサー(70)から生成されるQ受信信号は前記第2チャンネル選択フィルタ(80)と前記第2増幅器(90)とに供給される。
前記第1チャンネル選択フィルタ(50)と前記第2チャンネル選択フィルタ(80)との各チャンネル選択フィルタは、前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタとの前記従属接続を含むことを特徴とするものである(図7参照)。
他のより具体的な実施の形態では、前記受信回路の前記I信号ミキサー(40)と前記Q信号ミキサー(70)で構成された前記直交ダウンコンバージョンミキサーは、ダイレクト・コンバージョン・レシーバーまたはローIFレシーバーのいずれかを構成することを特徴とするものである。
更に他のより具体的な実施の形態では、前記第1チャンネル選択フィルタ(50)と前記第2チャンネル選択フィルタ(80)との前記各チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、ロング・ターム・エボリューション(LTE)方式に従って高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされることを特徴とするものである(図7参照)。
最も具体的な実施の形態では、前記低雑音増幅器(30)の前記入力端子に供給される前記RF受信信号は、WCDMA方式によるRF受信信号であることを特徴とするものである(図7参照)。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、半導体集積回路を搭載した無線通信端末である。
前記半導体集積回路は、無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備する。
前記チャンネル選択フィルタは、第1段フィルタと第2段フィルタとの従属接続によって構成される。
前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器(OPA2)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の入力端子に接続された第1入力抵抗(R1)と、前記第1段演算増幅器(OPA2)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量(C)とを含む完全積分器によって構成される。
前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器(OPA1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の入力端子に接続された第2入力抵抗(R1)と、前記第2段演算増幅器(OPA1)の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量(C)と可変帰還抵抗(R3)との並列接続とを含む不完全積分器によって構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
前記実施の形態によれば、半導体集積回路に構成された受信回路のチャンネル選択フィルタの信号帯域幅を低い値に設定する際に、帰還容量の容量値の増加を軽減して雑音特性の劣化を軽減することができる。
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
《チャンネル選択フィルタの構成》
図1は、本発明の実施の形態1によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。
図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタが、図2に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたチャンネル選択フィルタと相違するのは、次の点である。
それは、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタは、図2に示したチャンネル選択フィルタと逆に、第1段は完全積分器によって構成され、第2段は帰還容量Cの電荷が可変帰還抵抗R3で放電される不完全積分器によって構成されている点である。
すなわち、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタでは、第1段の演算増幅器OPA2の反転入力端子−と非反転入力端子+には、抵抗R1、R1を介してそれぞれ非反転入力端子INT、反転入力端子INBが接続されている。第1段の演算増幅器OPA2の反転入力端子−と非反転出力端子+との間は帰還容量Cが接続され、第1段の演算増幅器OPA2の非反転入力端子+と反転出力端子−との間は帰還容量Cが接続されている。第1段の演算増幅器OPA2の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、抵抗R1、R1を介してそれぞれ第2段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転入力端子+に接続されている。第2段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転出力端子+との間には帰還容量Cと可変帰還抵抗R3とが並列に接続され、第2段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+と反転出力端子−との間には帰還容量Cと可変帰還抵抗R3とが並列に接続されている。第2段の演算増幅器OPA1の反転出力端子−と第1段の演算増幅器OPA2の反転入力端子−との間には抵抗R1が接続され、第2段の演算増幅器OPA1の非反転出力端子+と第1段の演算増幅器OPA2の非反転入力端子+との間には抵抗R1が接続されている。第2段の演算増幅器OPA1の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、非反転出力端子OUTT、反転出力端子OUTBとされる。
また、図1に示したバイカッド構成のチャンネル選択フィルタの伝達関数を求めるために、図1のチャンネル選択フィルタを、シングルエンドの入出力端子の等価回路に変換する。この等価回路でチャンネル選択フィルタの入力電圧と出力電圧とをそれぞれV1とV2とし、第1段の演算増幅器OPA2の出力端子の電圧をV3とする。第1段の演算増幅器OPA2の入力端子の電流の総和はゼロであるので、次式が成立する。
Figure 0005500993
また、第2段の演算増幅器OPA1の入力端子の電流の総和もゼロであるので、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(9)式から、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(10)式を上記(8)式に代入すると、次式が成立する。
Figure 0005500993
上記(11)式を変形すると、次式が成立する。
Figure 0005500993
ここで、s=j・2πfであり、ω0とQとは、それぞれ次式で与えられる。
Figure 0005500993
Figure 0005500993
このように、図8と図2とに示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたチャンネル選択フィルタに関して成立する上記(5)式と上記(6)式と上記(7)式と図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタに関して成立する上記(12)式と上記(13)式と上記(14)式とは、それぞれ完全に等価な関係であることが理解される。
従って、図1に示す本発明の実施の形態1では、ダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのチャンネル選択フィルタをLTE方式に対応させるために、ベースバンド信号帯域幅を10MHz→7.5MHz→5MHz→2.5MHz→1.5MHz→700kHzと、高周波数から低周波数に切り換える。その結果、周波数fの低下に従ってs=j・2πfの値も低下するので、伝達関数H(s)を周波数fの低下に対して略一定とするために、周波数fの低下に従って帰還容量Cの値を増加させ、ω0の値を低下する。
また半導体集積回路に集積可能な帰還容量Cの値の増加にも限界があり、ω0の値の低下も限界があるので、周波数fの低下に従ってQ=R3/R1の値を低下させ、上記(12)式の分母の第2項の増加によって、伝達関数H(s)を周波数fの低下に対して略一定とする。そのためには、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタにおいて、第2段の演算増幅器OPA1の反転入力端子−と非反転出力端子+との間に接続されている帰還抵抗R3と第2段の演算増幅器OPA1の非反転入力端子+と反転出力端子−との間に接続されている帰還抵抗R3とを可変抵抗として、周波数fの低下に従って可変帰還抵抗R3の抵抗値を低下するものである。
従って、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタでは、ベースバンド信号帯域幅を低周波数に設定した際に、雑音特性(S/N比)が劣化することはない。その理由は、低周波数のベースバンド信号帯域幅で可変帰還抵抗R3の抵抗値が低下されても、第1段の演算増幅器OPA2を含み完全積分器によって構成された第1段の電圧利得が低下することはないためである。
[実施の形態2]
《より好適なチャンネル選択フィルタの構成》
図3は、本発明の実施の形態2によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーのより好適なチャンネル選択フィルタの構成を示す図である。
図3に示す本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタの第1段は、2個の抵抗R11、R11と2個の可変帰還容量C1と第1段の演算増幅器OPA11とを含む完全積分器から構成されている。
すなわち、第1段の演算増幅器OPA11の反転入力端子−と非反転入力端子+は、抵抗R11、R11を介してそれぞれ非反転入力端子INT、反転入力端子INBに接続されている。第1段の演算増幅器OPA11の反転入力端子−と非反転出力端子+との間は可変帰還容量C1が接続され、第1段の演算増幅器OPA11の非反転入力端子+と反転出力端子−との間は可変帰還容量C1が接続されている。第1段の演算増幅器OPA11の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、第2段の差動入力端子に接続される。
図3に示す本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタの第2段と第3段とは、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタと同様に完全積分器と不完全積分器とによってそれぞれ構成されている。すなわち、第2段の完全積分器は2個の抵抗R21、R21と2個の可変帰還容量C2と第2段の演算増幅器OPA21とを含み、第3段の不完全積分器は2個の抵抗R21、R21と2個の可変帰還容量C2と2個の可変帰還抵抗R23、R23と第3段の演算増幅器OPA22とを含んでいる。また、第3段の演算増幅器OPA22の非反転出力端子+、反転出力端子−と第2段の演算増幅器OPA21の非反転入力端子+、反転入力端子−との間には、2個の帰還抵抗R21、R21が接続されている。
図3に示す本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタの第4段と第5段とは、図1に示す本発明の実施の形態1によるチャンネル選択フィルタと同様に完全積分器と不完全積分器とによってそれぞれ構成されている。すなわち、第4段の完全積分器は2個の抵抗R31、R31と2個の可変帰還容量C3と第4段の演算増幅器OPA31とを含み、第5段の不完全積分器は2個の抵抗R31、R31と2個の可変帰還容量C3と2個の可変帰還抵抗R33、R33と第5段の演算増幅器OPA32とを含んでいる。また、第5段の演算増幅器OPA32の非反転出力端子+、反転出力端子−と第4段の演算増幅器OPA31の非反転入力端子+、反転入力端子−との間には、2個の帰還抵抗R31、R31が接続されている。
第1段の演算増幅器OPA11の反転入力端子−と非反転入力端子+には、抵抗R11、R11を介してそれぞれ非反転入力端子INT、反転入力端子INBが接続されている。第5段の演算増幅器OPA32の非反転出力端子+と反転出力端子−とは、非反転出力端子OUTT、反転出力端子OUTBとされる。
《カットオフ周波数設定のための回路定数の設定条件》
図4は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタのカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数に設定するための回路定数の設定条件を示す図である。
図4(A)は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて、第2段の完全積分器と第3段の不完全積分器のQ1=R23/R21の値と第4段の完全積分器と第5段の不完全積分器のQ2=R33/R31の値とを、高周波カットオフ周波数の2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの場合より低周波カットオフ周波数の700kHz、1.5MHzの場合に低下する場合の回路定数の設定条件を示す図である。
図4(B)は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて、第2段の完全積分器と第3段の不完全積分器のQ1=R23/R21の値と第4段の完全積分器と第5段の不完全積分器のQ2=R33/R31の値とを、高周波カットオフ周波数の2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの場合と低周波カットオフ周波数の700kHz、1.5MHzの場合とで等しくする場合の回路定数の設定条件を示す図である。
図4(B)のQ1、Q2の値を高周波カットオフ周波数の場合と低周波カットオフ周波数の場合とで等しくする場合には、低周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値が高周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値よりも極めて大きな値に増加することが理解できる。例えば、10MHzの高周波カットオフ周波数の場合と比較すると、700kHzの低周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値は、略10倍程度、増加していることが理解される。従って、図4(B)に示した回路定数の設定条件は、半導体集積回路への集積化が困難となることが理解される。
一方、図4(A)のQ1、Q2の値を高周波カットオフ周波数の場合よりも低周波カットオフ周波数の場合に低下する場合には、低周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値が高周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値よりも若干大きな値に増加することが理解できる。すなわち、10MHzの高周波カットオフ周波数の場合と比較すると、700kHzの低周波カットオフ周波数の場合の可変帰還容量C1、C2、C3の各容量値は、略4倍程度、増加していることが理解される。従って図4(A)に示した回路定数の設定条件は、半導体集積回路への集積化が容易となることが理解される。
《各カットオフ周波数での伝達関数》
図5は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて図4の(A)に示した高周波カットオフ周波数でQ1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値とを低下する回路定数の設定条件の場合のカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数における伝達関数H(s)を減衰量0.0dB〜−3.5dBの変化範囲で示した図である。
図5から、カットオフ周波数が2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数では、Q1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値が比較的高い値に設定されているので、ローパスフィルタ特性で比較的大きな通過リップルを持ち5次チェビシェフ(Chevyshev)特性が現れることが理解される。また、図5から、カットオフ周波数が700kHz、1.5MHzの各周波数では、Q1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値が比較的低い値に設定されているので、ローパスフィルタ特性で通過リップルを持たない非チェビシェフ特性が現れることが理解される。
図6は、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタにおいて図4の(A)に示した高周波カットオフ周波数でQ1=R23/R21の値とQ2=R33/R31の値とを低下する回路定数の設定条件の場合のカットオフ周波数を700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数における伝達関数H(s)を減衰量0.0dB〜−80.0dBの変化範囲で示した図である。
図6から、各カットオフ周波数の伝達関数で、各カットオフ周波数の10倍の周波数で略減衰量−100dB(−100dB/オクターブ)の5次ローパスフィルタ特性が実現されることが理解される。
[実施の形態4]
《ダイレクト・コンバージョン・レシーバーの構成》
図7は、図3の本発明の実施の形態2によるチャンネル選択フィルタを使用した本発明の実施の形態4によるLTE方式に対応するためのダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーの構成を示す図である。
図7に示す本発明の実施の形態4によるダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーは、アンテナ10、バンドパスフィルタ(BPF)20、低雑音増幅器(LNA)30、I信号ミキサー40、第1チャンネル選択フィルタ50、第1増幅器60、Q信号ミキサー70、第2チャンネル選択フィルタ80、第2増幅器90、90度移相器100、RF電圧制御発振器(VCO)110を具備する。図7に示したダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーでは、低雑音増幅器30、I信号ミキサー40、第1チャンネル選択フィルタ50、第1増幅器60、Q信号ミキサー70、第2チャンネル選択フィルタ80、第2増幅器90、90度移相器100、RF電圧制御発振器110は、携帯電話端末に搭載される半導体集積回路の半導体チップに集積化されている。
RF電圧制御発振器(VCO)110と90度移相器100とによって、90度の位相差を持つIローカル信号とQローカル信号とがI信号ミキサー40とQ信号ミキサー70とにそれぞれ供給される。
アンテナ10によって受信されたWCDMA方式によるRF受信信号はバンドパスフィルタ20を介して低雑音増幅器30の入力端子に供給され、低雑音増幅器30のRF受信増幅信号は直交ダウンコンバージョンミキサーを構成するI信号ミキサー40とQ信号ミキサー70にそれぞれ供給される。I信号ミキサー40から生成されるIベースバンド信号は第1チャンネル選択フィルタ50と第1増幅器60に供給される一方、Q信号ミキサー70から生成されるQベースバンド信号は第2チャンネル選択フィルタ80と第2増幅器90とに供給される。
図7に示した本発明の実施の形態4によるダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーには、ベースバンドプロセッサ(図示せず)から3ビットのベースバンド信号帯域選択信号が供給される。
ベースバンド信号帯域選択信号が“001”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は700kHzに設定される。ベースバンド信号帯域選択信号が“010”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は1.5MHzに設定される。ベースバンド信号帯域選択信号が“011”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は2.5MHzに設定される。ベースバンド信号帯域選択信号が“100”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は5.0MHzに設定される。ベースバンド信号帯域選択信号が“101”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は7.5MHzに設定される。ベースバンド信号帯域選択信号が“110”のコードの場合には、ベースバンド信号帯域幅と第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80のカットオフ周波数は10MHzに設定される。
図7に示した本発明の実施の形態4によるダイレクト・コンバージョン・WCDMA・レシーバーでは、第1チャンネル選択フィルタ50と第2チャンネル選択フィルタ80の各チャンネル選択フィルタは、図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタによって構成されている。3ビットのベースバンド信号帯域選択信号が供給されるコントローラ(図示せず)は、図4(A)に示す回路定数の設定条件に従って、第1と第2のチャンネル選択フィルタ50、80の各チャンネル選択フィルタの回路定数を制御する。その結果、第1と第2のチャンネル選択フィルタ50、80の各チャンネル選択フィルタの700kHz、1.5MHz、2.5MHz、5MHz、7.5MHz、10MHzの各周波数の伝達関数H(s)は、図5および図6に示すように制御されるものである。
《容量バンクの構成》
図9は、第1と第2のチャンネル選択フィルタ50、80の各チャンネル選択フィルタを構成する図3に示した本発明の実施の形態2のより好適なチャンネル選択フィルタの可変帰還容量C1、C2、C3を構成するための容量バンクの構成を示す図である。
図9に示す容量バンクCは第1端子300と第2端子310との間に並列接続された複数の容量CD0、CD1、CD2、CD3、CD4、CDcomを含んでいる。
容量CD0は1倍の重み付けに対応する0.02Cbの容量値に設定され、容量CD1は2倍の重み付けに対応する0.04Cbの容量値に設定され、容量CD2は4倍の重み付けに対応する0.08Cbの容量値に設定され、容量CD3は8倍の重み付けに対応する0.16Cbの容量値に設定され、容量CD4は16倍の重み付けに対応する0.32Cbの容量値に設定され、容量CCDcomは34倍の重み付けに対応する0.68Cbの容量値に設定されている。
容量CD0にはスイッチSW0が直列接続され、容量CD1にはスイッチSW1が直列接続され、容量CD2にはスイッチSW2が直列接続され、容量CD3にはスイッチSW3が直列接続され、容量CD4にはスイッチSW4が直列接続されている。スイッチSW0とスイッチSW1とスイッチSW2とスイッチSW3とスイッチSW4とは、5ビットの制御信号320の最下位1ビット目の制御信号と2ビット目の制御信号と3ビット目の制御信号と4ビット目の制御信号と最上位5ビット目の制御信号とによってそれぞれオン・オフ制御される。
図10は、図9に示す容量バンクのスイッチSW0とスイッチSW1とスイッチSW2とスイッチSW3とスイッチSW4とのオン・オフ制御によって第1端子300と第2端子310との間のデジタル容量値が制御される様子を示す図である。
図10に示すように、図9に示す容量バンクのスイッチSW0とスイッチSW1とスイッチSW2とスイッチSW3とスイッチSW4とが全てオフ状態の場合のデジタル容量値は最小値0.68Cbとなり、図9に示す容量バンクのスイッチSW0とスイッチSW1とスイッチSW2とスイッチSW3とスイッチSW4とが全てオン状態の場合のデジタル容量値は最大値1.30Cbとなり、図9に示す容量バンクのスイッチSW4のみがオン状態の場合のデジタル容量値は略中間値1.00Cbとなることが理解される。
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明によるレシーバーは、RF受信信号をI、Qベースバンド受信信号に直接変換するダイレクト・コンバージョン・レシーバーに限定されるものではなく、それ以外にRF受信信号を比較的低い中間周波受信信号に直接変換するローIFレシーバーに適用することが可能である。すなわち、比較的低い中間周波受信信号の信号帯域幅とチャンネル選択フィルタのカットオフ周波数を切り換える際に、本発明が有効となるものである。
10…アンテナ
20…バンドパスフィルタ(BPF)
30…低雑音増幅器(LNA)
40…I信号ミキサー
50…第1チャンネル選択フィルタ
60…第1増幅器
70…Q信号ミキサー
80第2チャンネル選択フィルタ
90…第2増幅器
100…90度移相器
110…RF電圧制御発振器(VCO)
OPA1、OPA2…演算増幅器
R1、R2、R3…抵抗
C…帰還容量
INT…非反転入力端子
INB…反転入力端子
OPA11…第1段の演算増幅器
R11…抵抗
C1…可変帰還容量
OPA21…第2段の演算増幅器
R21…抵抗
C2…可変帰還容量
OPA22…第3段の演算増幅器
R23…可変帰還抵抗
R31…抵抗
C3…可変帰還容量
OPA31…第4段の演算増幅器
R33…可変帰還抵抗
OPA32…第5段の演算増幅器
OUTT…非反転出力端子
OUTB…反転出力端子

Claims (26)

  1. 無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備する半導体集積回路であって、
    前記チャンネル選択フィルタには、前記受信回路による前記RF受信信号のダウンコンバージョンによって生成されるダウンコンバート受信信号が供給され、
    前記ダウンコンバート受信信号は、少なくとも数MHzの周波数を有する複数の帯域幅から選択可能とされたものであり、
    前記チャンネル選択フィルタは、前記ダウンコンバート受信信号が供給される前段フィルタとしての第1段フィルタと前記前段フィルタよりも後段に配置され前記前段フィルタの出力が供給される第2段フィルタとの従属接続によって構成され、
    前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器と、前記第1段演算増幅器の入力端子に接続された第1入力抵抗と、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量とを含む完全積分器によって構成され、
    前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器と、前記第2段演算増幅器の入力端子に接続された第2入力抵抗と、前記第2段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量と可変帰還抵抗との並列接続とを含む不完全積分器によって構成されたことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記チャンネル選択フィルタは、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と前記第2段演算増幅器の前記出力端子との間に接続された入出力帰還抵抗を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記第1段演算増幅器と前記第1入力抵抗と前記第1帰還容量と、前記第2段演算増幅器と前記第2入力抵抗と前記第2帰還容量と前記可変帰還抵抗と、前記入出力帰還抵抗とは、半導体チップの内部に集積化されたこと特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記第1段演算増幅器と前記第2段演算増幅器とは、入出力端子が差動形式とされ、前記第1入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第1帰還容量は2個の容量を含み、前記第2入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第2帰還容量は2個の容量を含み、前記可変帰還抵抗は2個の抵抗を含み、前記入出力帰還抵抗は2個の抵抗を含み、
    前記第1入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは前記第1段演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子とにそれぞれ接続され、前記第1帰還容量の一方の容量と他方の容量とは前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記非反転出力端子と前記第2段演算増幅器の反転入力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記反転出力端子と前記第2段演算増幅器の非反転入力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2帰還容量の一方の容量と前記可変帰還抵抗の一方の抵抗との一方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、前記第2帰還容量の他方の容量と前記可変帰還抵抗の他方の抵抗との他方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記入出力帰還抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記非反転出力端子との間とにそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。
  5. 前記チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、前記複数の帯域幅から選択される高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされ、
    前記チャンネル選択フィルタが前記低カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比は、前記チャンネル選択フィルタが前記高カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比より小さな値に設定されることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 前記チャンネル選択フィルタは、前段チャンネル選択フィルタと後段チャンネル選択フィルタとの従属接続を含み、
    前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタの各チャンネル選択フィルタは、前記第1段フィルタと前記第2段フィルタとの前記従属接続によって構成されたことを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路。
  7. 前記半導体集積回路の前記受信回路と前記チャンネル選択フィルタとは、低雑音増幅器、I信号ミキサー、第1チャンネル選択フィルタ、第1増幅器、Q信号ミキサー、第2チャンネル選択フィルタ、第2増幅器、90度移相器、RF電圧制御発振器を含み、
    前記RF電圧制御発振器と前記90度移相器とによって、略90度の位相差を持つIローカル信号とQローカル信号とが、前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーとにそれぞれ供給され、
    前記RF受信信号は前記低雑音増幅器の入力端子に供給され、前記低雑音増幅器のRF受信増幅信号は直交ダウンコンバージョンミキサーを構成する前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーにそれぞれ供給され、
    前記I信号ミキサーから生成されるI受信信号は前記第1チャンネル選択フィルタと前記第1増幅器とに供給される一方、前記Q信号ミキサーから生成されるQ受信信号は前記第2チャンネル選択フィルタと前記第2増幅器とに供給される。
    前記第1チャンネル選択フィルタと前記第2チャンネル選択フィルタとの各チャンネル選択フィルタは、前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタとの前記従属接続を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。
  8. 前記受信回路の前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーで構成された前記直交ダウンコンバージョンミキサーは、ダイレクト・コンバージョン・レシーバーまたはローIFレシーバーのいずれかを構成することを特徴とする請求項7に記載の半導体集積回路。
  9. 前記第1チャンネル選択フィルタと前記第2チャンネル選択フィルタとの前記各チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、ロング・ターム・エボリューション方式に従って高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされることを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路。
  10. 前記低雑音増幅器の前記入力端子に供給される前記RF受信信号は、WCDMA方式によるRF受信信号であることを特徴とする請求項9に記載の半導体集積回路。
  11. 半導体集積回路を搭載した無線通信端末であって、
    前記半導体集積回路は、無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備して、
    前記チャンネル選択フィルタには、前記受信回路による前記RF受信信号のダウンコンバージョンによって生成されるダウンコンバート受信信号が供給され、
    前記ダウンコンバート受信信号は、少なくとも数MHzの周波数を有する複数の帯域幅から選択可能とされたものであり、
    前記チャンネル選択フィルタは、前記ダウンコンバート受信信号が供給される前段フィルタとしての第1段フィルタと前記前段フィルタよりも後段に配置され前記前段フィルタの出力が供給される第2段フィルタとの従属接続によって構成され、
    前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器と、前記第1段演算増幅器の入力端子に接続された第1入力抵抗と、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量とを含む完全積分器によって構成され、
    前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器と、前記第2段演算増幅器の入力端子に接続された第2入力抵抗と、前記第2段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量と可変帰還抵抗との並列接続とを含む不完全積分器によって構成されたことを特徴とする無線通信端末。
  12. 前記チャンネル選択フィルタは、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と前記第2段演算増幅器の前記出力端子との間に接続された入出力帰還抵抗を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の無線通信端末。
  13. 前記第1段演算増幅器と前記第1入力抵抗と前記第1帰還容量と、前記第2段演算増幅器と前記第2入力抵抗と前記第2帰還容量と前記可変帰還抵抗と、前記入出力帰還抵抗とは、半導体チップの内部に集積化されたこと特徴とする請求項12に記載の無線通信端。
  14. 前記第1段演算増幅器と前記第2段演算増幅器とは、入出力端子が差動形式とされ、前記第1入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第1帰還容量は2個の容量を含み、前記第2入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第2帰還容量は2個の容量を含み、前記可変帰還抵抗は2個の抵抗を含み、前記入出力帰還抵抗は2個の抵抗を含み、
    前記第1入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは前記第1段演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子とにそれぞれ接続され、前記第1帰還容量の一方の容量と他方の容量とは前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記非反転出力端子と前記第2段演算増幅器の反転入力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記反転出力端子と前記第2段演算増幅器の非反転入力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2帰還容量の一方の容量と前記可変帰還抵抗の一方の抵抗との一方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、前記第2帰還容量の他方の容量と前記可変帰還抵抗の他方の抵抗との他方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記入出力帰還抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記非反転出力端子との間とにそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項13に記載の無線通信端末。
  15. 前記チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、前記複数の帯域幅から選択される高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされ、
    前記チャンネル選択フィルタが前記低カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比は、前記チャンネル選択フィルタが前記高カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比より小さな値に設定されることを特徴とする請求項14に記載の無線通信端末。
  16. 前記チャンネル選択フィルタは、前段チャンネル選択フィルタと後段チャンネル選択フィルタとの従属接続を含み、
    前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタの各チャンネル選択フィルタは、前記第1段フィルタと前記第2段フィルタとの前記従属接続によって構成されたことを特徴とする請求項15に記載の無線通信端末。
  17. 前記半導体集積回路の前記受信回路と前記チャンネル選択フィルタとは、低雑音増幅器、I信号ミキサー、第1チャンネル選択フィルタ、第1増幅器、Q信号ミキサー、第2チャンネル選択フィルタ、第2増幅器、90度移相器、RF電圧制御発振器を含み、
    前記RF電圧制御発振器と前記90度移相器とによって、略90度の位相差を持つIローカル信号とQローカル信号とが、前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーとにそれぞれ供給され、
    前記RF受信信号は前記低雑音増幅器の入力端子に供給され、前記低雑音増幅器のRF受信増幅信号は直交ダウンコンバージョンミキサーを構成する前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーにそれぞれ供給され、
    前記I信号ミキサーから生成されるI受信信号は前記第1チャンネル選択フィルタと前記第1増幅器とに供給される一方、前記Q信号ミキサーから生成されるQ受信信号は前記第2チャンネル選択フィルタと前記第2増幅器とに供給される。
    前記第1チャンネル選択フィルタと前記第2チャンネル選択フィルタとの各チャンネル選択フィルタは、前記前段チャンネル選択フィルタと前記後段チャンネル選択フィルタとの前記従属接続を含むことを特徴とする請求項16に記載の無線通信端末。
  18. 前記受信回路の前記I信号ミキサーと前記Q信号ミキサーで構成された前記直交ダウンコンバージョンミキサーは、ダイレクト・コンバージョン・レシーバーまたはローIFレシーバーのいずれかを構成することを特徴とする請求項17に記載の無線通信端末。
  19. 前記第1チャンネル選択フィルタと前記第2チャンネル選択フィルタとの前記各チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、ロング・ターム・エボリューション方式に従って高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされることを特徴とする請求項18に記載の無線通信端末。
  20. 前記低雑音増幅器の前記入力端子に供給される前記RF受信信号は、WCDMA方式によるRF受信信号であることを特徴とする請求項19に記載の無線通信端末。
  21. 無線通信のRF受信信号を受信する受信回路と前記受信回路のためのチャンネル選択フィルタとを具備する半導体集積回路であって、
    前記チャンネル選択フィルタには、前記受信回路による前記RF受信信号のダウンコンバージョンによって生成されるダウンコンバート受信信号が供給され、
    前記ダウンコンバート受信信号は、少なくとも数MHzの周波数を有する複数の帯域幅から選択可能とされたものであり、
    前記チャンネル選択フィルタは、前記ダウンコンバート受信信号が供給される前段フィルタとしての第1段フィルタと前記前段フィルタよりも後段に配置され前記前段フィルタの出力が供給される第2段フィルタとの従属接続によって構成され、
    前記第1段フィルタは、第1段演算増幅器と、前記第1段演算増幅器の入力端子に接続された第1入力抵抗と、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第1帰還容量とを含む第1積分器によって構成され、
    前記第2段フィルタは、第2段演算増幅器と、前記第2段演算増幅器の入力端子に接続された第2入力抵抗と、前記第2段演算増幅器の前記入力端子と出力端子との間に接続された第2帰還容量と可変帰還抵抗との並列接続とを含む第2積分器によって構成されたことを特徴とする半導体集積回路。
  22. 前記第1演算増幅器の出力端子は、前記第2入力抵抗を介して前記第2演算増幅器と電気的に接続され、
    前記第2積分器は、前記第2帰還容量の電荷が前記可変帰還抵抗で放電される請求項21に記載の半導体集積回路。
  23. 前記チャンネル選択フィルタは、前記第1段演算増幅器の前記入力端子と前記第2段演算増幅器の前記出力端子との間に接続された入出力帰還抵抗を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の半導体集積回路。
  24. 前記第1段演算増幅器と前記第1入力抵抗と前記第1帰還容量と、前記第2段演算増幅器と前記第2入力抵抗と前記第2帰還容量と前記可変帰還抵抗と、前記入出力帰還抵抗とは、半導体チップの内部に集積化されたこと特徴とする請求項23に記載の半導体集積回路。
  25. 前記第1段演算増幅器と前記第2段演算増幅器とは、入出力端子が差動形式とされ、前記第1入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第1帰還容量は2個の容量を含み、前記第2入力抵抗は2個の抵抗を含み、前記第2帰還容量は2個の容量を含み、前記可変帰還抵抗は2個の抵抗を含み、前記入出力帰還抵抗は2個の抵抗を含み、
    前記第1入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは前記第1段演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子とにそれぞれ接続され、前記第1帰還容量の一方の容量と他方の容量とは前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2入力抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記非反転出力端子と前記第2段演算増幅器の反転入力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記反転出力端子と前記第2段演算増幅器の非反転入力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記第2帰還容量の一方の容量と前記可変帰還抵抗の一方の抵抗との一方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記反転入力端子と非反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、前記第2帰還容量の他方の容量と前記可変帰還抵抗の他方の抵抗との他方の並列接続は前記第2段演算増幅器の前記非反転入力端子と反転出力端子との間とにそれぞれ接続され、
    前記入出力帰還抵抗の一方の抵抗と他方の抵抗とは、前記第1段演算増幅器の前記反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記反転出力端子との間と前記第1段演算増幅器の前記非反転入力端子と前記第2段演算増幅器の前記非反転出力端子との間とにそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項24に記載の半導体集積回路。
  26. 前記チャンネル選択フィルタのカットオフ周波数は、前記複数の帯域幅から選択される高カットオフ周波数と低カットオフ周波数とに設定可能とされ、
    前記チャンネル選択フィルタが前記低カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比は、前記チャンネル選択フィルタが前記高カットオフ周波数に設定される際の前記可変帰還抵抗の前記第2入力抵抗および前記入出力帰還抵抗との比より小さな値に設定されることを特徴とする請求項25に記載の半導体集積回路。
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