JP5500689B2 - シリカガラスルツボ - Google Patents

シリカガラスルツボ Download PDF

Info

Publication number
JP5500689B2
JP5500689B2 JP2010270925A JP2010270925A JP5500689B2 JP 5500689 B2 JP5500689 B2 JP 5500689B2 JP 2010270925 A JP2010270925 A JP 2010270925A JP 2010270925 A JP2010270925 A JP 2010270925A JP 5500689 B2 JP5500689 B2 JP 5500689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica glass
glass
mineral element
layer
crucible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010270925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012116738A (ja
Inventor
弘史 岸
賢 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Corp
Original Assignee
Sumco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumco Corp filed Critical Sumco Corp
Priority to JP2010270925A priority Critical patent/JP5500689B2/ja
Priority to EP11191170.7A priority patent/EP2460913B1/en
Priority to US13/308,344 priority patent/US8936684B2/en
Priority to KR1020110127666A priority patent/KR101406917B1/ko
Priority to CN201110396970.4A priority patent/CN102485972B/zh
Priority to TW100144488A priority patent/TWI413620B/zh
Publication of JP2012116738A publication Critical patent/JP2012116738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5500689B2 publication Critical patent/JP5500689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/10Crucibles or containers for supporting the melt
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/09Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould
    • C03B19/095Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould by centrifuging, e.g. arc discharge in rotating mould
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B20/00Processes specially adapted for the production of quartz or fused silica articles, not otherwise provided for
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10T117/10Apparatus
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10T117/10Apparatus
    • Y10T117/1024Apparatus for crystallization from liquid or supercritical state
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10T117/10Apparatus
    • Y10T117/1024Apparatus for crystallization from liquid or supercritical state
    • Y10T117/1032Seed pulling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、シリカガラスルツボに関する。
シリコン単結晶は、一般に、シリカガラスルツボ内で高純度の多結晶シリコンを溶融させてシリコン融液を得て、このシリコン融液に種結晶の端部を浸けて回転させながら引き上げることによって製造する。
シリコン融液は、シリコンの融点が1410℃であるので、それ以上の温度に維持される。この温度では、シリカガラスルツボとシリコン融液とが反応して、ルツボの壁の厚さが徐々に減少する。ルツボの壁の厚さが減少するとその強度が低下し、それによってルツボの座屈や沈み込みといった現象が発生するという問題が生じる。
このような問題を解決するために、ルツボの外層に結晶化を促進する層を設けて、これによってルツボの外層を結晶化して、ルツボの強度向上を図る技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような層を設けると、ルツボが長時間加熱された際に、ルツボの外層が結晶化される。シリカの結晶は、単位厚さ当たりの強度がガラスよりも高いので、結晶化によってルツボ壁の単位厚さ当たりの強度が高められて、ルツボの座屈や沈み込みの発生が抑制される。
特開2000−247778号公報
これまで、シリカガラスルツボは、一本のシリコンインゴットの引き上げのために利用され、引き上げ後は再利用されずに廃棄されるのが一般的であった(このような引き上げを「シングル引き上げ)と称する。)。ところが、近年は、シリコンインゴットのコスト低減のために、シリコンインゴットを一本引き上げた後、ルツボが冷える前に多結晶シリコンを再充填・溶融して、二本目以降のシリコンインゴットの引き上げが行われるようになってきた。このように、一つのシリカガラスルツボで複数本のシリコンインゴットの引き上げを行うことを「マルチ引き上げ」と称する。
特許文献1の技術では、外層にAl添加石英層が例えば厚さ4mmで形成されており、この程度の厚さがあれば、シングル引き上げにおいては、ルツボの座屈や沈み込みの発生を効果的に抑制することができると考えられる。しかし、マルチ引き上げの場合は、ルツボがより長時間高温環境下に曝されるため、ルツボの壁厚減少や軟化がより顕著になり、特許文献1の技術では、ルツボの座屈や沈み込みの発生を十分に抑制できず、ルツボの強度をさらに向上させる必要がある。
特許文献1の技術において、外層のAl添加石英層を厚くすると、その分だけ外層に形成される結晶層も厚くなって、ルツボ強度が向上すると考えられる。しかし、結晶層が厚くなるとルツボに亀裂が入りやすくなり、ルツボに亀裂が入るとルツボ内部の高温のシリコン融液がルツボから流出し、周辺の冶具をすべて破損させる。従って、外層の結晶層を厚くしてルツボの強度を向上させることは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、シリカガラスルツボの座屈や沈み込みが抑制され且つ亀裂が入りにくいシリカガラスルツボを提供するものである。
本発明によれば、シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボであって、前記ルツボの壁が、前記ルツボの内面側から外面側に向かって天然シリカガラス又は合成シリカガラスからなるノンドープの内面層、及び鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散している鉱化元素偏在シリカガラス層(以下、「鉱化元素偏在層」と称する)を備え、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせ、又は鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせであり、前記内面層は、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とは異なる種類のガラス成分からなるシリカガラスルツボが提供される。
本発明のルツボは、ノンドープの内面層の外側に鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散している鉱化元素偏在層を備えている。
鉱化元素は、シリコンインゴットの引き上げ時にルツボが加熱されたときに、ルツボのガラス層の結晶化を促進する役割を有している。鉱化元素がガラス層内に均一に存在していると、ガラス層全体で結晶化が起こる。結晶は、ガラスよりも変形しにくいので、ガラス層全体が結晶化されると、ルツボに亀裂が入りやすくなる。
本発明では、鉱化元素偏在層においては、鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散しているので、この層には鉱化元素の濃度が高い部位と鉱化元素が実質的に含まれない部位とが存在する。鉱化元素が実質的に含まれない部位ではガラスの結晶化の速度が非常に遅いので、鉱化元素の濃度が高い部位で開始された結晶化は、鉱化元素が実質的に含まれない部位には広がりにくい。その結果、ガラス層内に結晶が島状に形成されることになる。このような構成では、隣接する島状結晶間にガラスが存在しているので応力が加わった場合でも、ガラスの部分が変形してルツボに亀裂が形成されることが抑制される。
鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせである。鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分がどちらも天然シリカであるか、どちらも合成シリカであるときには、鉱化元素偏在領域で開始された結晶化がその周辺にまで広がって最終的には鉱化元素偏在層の全体が結晶化されてしまうが、鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分が異なっていれば(一方が合成シリカガラスで、他方が天然シリカガラスであれば)、鉱化元素偏在領域で開始された結晶化がその周辺にはほとんど広がらないからである。
また、ノンドープの内面層は、鉱化元素を実質的に含有しておらず、且つ、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とは異なる種類のガラス成分で構成されている。従って、鉱化剤偏在層で始まった結晶化は、内面層には広がらず、シリコン融液を汚染することがない。
以上より、本発明によれば、座屈や沈み込みが抑制され且つ亀裂が入りにくいシリカガラスルツボが提供される。
本発明の一実施形態のシリカガラスルツボの構造を示す断面図である。 図1中の領域Aの拡大図である。 実施例における、ルツボの評価基準を説明するための断面図である。
1.シリカガラスルツボの構成
以下、図1〜図2を用いて、本発明の一実施形態のシリカガラスルツボについて説明する。図1は、本実施形態のシリカガラスルツボの構造を示す断面図であり、図2は、図1中の領域Aの拡大図である。
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボ1であって、ルツボ1の壁3が、ルツボ1の内面側から外面側に向かって天然シリカガラス又は合成シリカガラスからなるノンドープの内面層3a、鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散している鉱化元素偏在層3b、及び鉱化元素が実質的に均一に分散している鉱化元素均一層3cを備え、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせ、又は鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせであり、前記内面層は、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とは異なる種類のガラス成分からなる。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
(1)シリカガラスルツボ1
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、シリコン単結晶の引き上げに用いられるものであり、シングル引き上げとマルチ引き上げのどちらに用いてもよいが、マルチ引き上げに用いることが好ましい。なぜなら、本実施形態のシリカガラスルツボ1は、上記の課題の項で述べたようにマルチ引き上げにおいて顕著に現れる問題を従来のルツボよりも効果的に解決するものであるからである。
(2)シリカガラスルツボの壁3
シリカガラスルツボ1の壁3は、図1に示した断面図のように、曲率が比較的大きいコーナー部32と、上面に開口した縁部を有する円筒状の側部31と、直線または曲率が比較的小さい曲線からなるすり鉢状の底部33を有する。壁3は、ルツボ1の内面側から外面側に向かって合成層3a、鉱化元素偏在層3b、及び鉱化元素均一層3cを有する。尚、本発明において、コーナー部とは、側部31と底部33を連接する部分で、コーナー部の曲線の接線がシリカガラスルツボの側部31と重なる点から、底部と共通接線を有する点までの部分のことを意味する。
(2−1)内面層3a
ノンドープの内面層3aは、ルツボ1の最も内側に配置されていて、シリコン融液と接触する層である。本明細書において、「ノンドープ」とは、不純物濃度が20ppm以下(好ましくは15ppm)以下であることを意味する。内面層3aは、天然シリカガラス又は合成シリカガラスからなる。天然シリカガラスは、α−石英を主成分とする天然鉱物を溶融させたものを固化することによって形成されるガラスである。合成シリカガラスは、化学合成された非晶質又は結晶質のシリカ(二酸化シリコン)を溶融させたものを固化して形成されるガラスあり、不純物濃度が非常に低い。内面層3aを合成シリカガラスで形成にすることによってシリコン融液への不純物の混入を低減することができる。シリカの化学合成の方法は、特に限定されないが、四塩化珪素(SiCl)の気相酸化(乾式合成法)や、シリコンアルコキシド(Si(OR))の加水分解(ゾル・ゲル法)が挙げられる。 内面層3aは、シリコンインゴットの引き上げ中にシリコン融液との反応によって少しずつ溶損する。従って、内面層3aの厚さは、シリコンインゴットの引き上げ終了まで内面層3aが残存する厚さにする必要があり、例えば、0.8〜2mm程度にすることが好ましい。
(2−2)鉱化元素偏在層3b
鉱化元素偏在層3bは、内面層3aの外側に配置される層であり、鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散しているシリカガラス層である。鉱化元素は、ガラスの結晶化を促進する作用を有しているので、鉱化元素が含まれていると、シリコンインゴットの引き上げ時に鉱化元素偏在領域においてガラスが結晶化する。
鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせ、又は鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせである。鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分がどちらも天然シリカであるか、どちらも合成シリカであるときには、鉱化元素偏在領域で開始された結晶化がその周辺にまで広がって最終的には鉱化元素偏在層の全体が結晶化されてしまうが、鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分が異なっていれば(一方が合成シリカで、他方が天然シリカであれば)、鉱化元素偏在領域で開始された結晶化がその周辺にはほとんど広がらないからである。
また、内面層3aのガラス成分と鉱化元素偏在領域のガラス成分の種類が同じ場合、鉱化元素偏在領域で開始された結晶化が内面層3aに広がってしまうという問題が生じうるので、内面層3aのガラス成分と鉱化元素偏在領域のガラス成分が異なるようにする。従って、内面層3aが合成シリカガラスからなる場合、鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせにし、内面層3aは、天然シリカガラスからなる場合、鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせにする。
鉱化元素が偏在する領域(以下、「鉱化元素偏在領域」と称する)の大きさは、特に限定されないが、鉱化元素偏在領域が小さすぎるとルツボの強度向上が不十分になり、鉱化元素偏在領域が大きすぎるとルツボが割れやすくなるので、鉱化元素偏在領域の平均直径が50μm〜1mmであることが好ましく、100〜800μmがさらに好ましく、200〜500μmがさらに好ましい。一般に、ガラス層を形成するためのシリカ粉の平均粒径が200〜400μm程度であり、シリカ粉の溶融時の鉱化元素の拡散はわずかであるので、鉱化元素がドープされたシリカ粉とノンドープのシリカ粉を混合して得られる混合シリカ粉を溶融して鉱化元素偏在層を形成することによって、平均直径が200〜500μmの鉱化元素偏在領域を容易に作成することができる。また、より小さい又はより大きいシリカ粉に鉱化元素をドープしたものを用いることによって、平均直径が50μm〜1mmの鉱化元素偏在領域を作成することができる。鉱化元素偏在領域の作成方法は、これ以外の方法であってもよい。
「粒度」とは、一般に、JIS Z 8901「試験用粉体及び試験用粒子」の用語の定義の項にあるように、ふるい分け法によって測定した試験用ふるいの目開きで表したもの,沈降法によるストークス相当径で表したもの,顕微鏡法による円相当径で表したもの及び光散乱法による球相当,並びに電気抵抗試験方法による球相当値で表したものを示す(粒子径ともいう)が、本明細書においては、粒度分布の測定は、レーザー光を光源としたレーザー回折・散乱式測定法を用いる。
原理は、粒子に光を照射した時、各粒子径により散乱される散乱光量とパターンが異なることを利用する(ミー散乱)。レーザー光を粒子に照射した場合、粒子径が大きな場合は全周方向に散乱強度が強く、特に前方の散乱光強度が強く検出される。また、粒子径が小さくなるに従い、全体的に散乱光強度が弱くなり、強い前方散乱光が弱く検出される。このため粒子径が大きな粒子の場合、粒子によって散乱された光のうち、前方散乱光を凸レンズで集めるとその焦点面上に回折像を生じる。その回折光の明るさと大きさは、粒子の大きさ(粒径)によって決まる。従ってこれらの散乱光情報を利用すれば容易に粒子径が得られる。一方、粒子径が小さくなると、前方散乱光の強度が減少し、前方に設置した検出器では検出が困難であるが、側方および後方の散乱光の散乱パターンが粒子径によって異なることから、これらを測定すれば粒子径を求めることができる。以上の測定結果と得られた光の散乱パターンと同等な散乱パターンを示す球形粒子を比較し、粒度分布として出力する。従って、得られる粒径とは、例えば、1μm直径の球と同じ回折・散乱光のパターンを示す被測定粒子の径は、その形状に関わらず、1μm直径として判定される。従って、他の測定方法では、目視や画像解析では、ランダムに配向した粒子を一定軸方向の長さについて測定する「定方向径」や、粒子の投影面積に等しい理想形状(通常は円)の粒子の大きさを求める「相当径」、この他に粒子の長軸と短軸の比率を表すアスペクト比とは異なる。そして、「平均粒径」とは、得られた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
鉱化元素偏在領域の外縁は、鉱化元素偏在領域中の鉱化元素の濃度最大値を特定し、その最大値の1/10の濃度を有する点を連結することによって規定することができ、この外縁を取り囲む外接円の直径が鉱化元素偏在領域の直径である。鉱化元素偏在領域の平均直径は、近接した10個の鉱化元素偏在領域の直径の平均値である。微小領域での濃度測定には、試料にイオンを照射し、試料表面からスパッタリング放出される二次イオンを質量分析することにより、各元素の分布および定量を行える二次イオン質量分析法(SIMS: Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いる。具体的には、シリカガラスルツボから、10mm角×3mm厚のサンプルを切り出し、ルツボの内表面と垂直な切断面に一次イオンが当たるように、サンプルホルダーにセットする。サンプルホルダーをセットし、真空雰囲気下において、試料表面に酸素(O )あるいはセシウム(Cs)の一次イオンを照射する。弾き出された二次イオンを質量分析することにより、試料の構成元素を同定することができる。
また、上記サンプルのイオン強度と各元素の濃度が分っている標準試料から放出される二次イオン強度の比から、試料中の各元素の濃度を定量的に分析する。
鉱化元素偏在領域での鉱化元素の濃度最大値は、20〜600ppmである。濃度が低すぎると結晶化の速度が遅くなりすぎ、濃度が高すぎると、鉱化元素偏在領域を超えて結晶化が進みやすくなるからである。
ここで言う鉱化元素とはガラスの結晶化を促進する元素を示し、無機塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、弗化塩、リン酸塩、酸化物、過酸化物、水酸化物、塩化物などの状態でガラスに混在する状態、シリカガラスのSiと原子置換した状態、イオン化した状態、あるいは化合物の状態で、シリカガラス中に存在する。鉱化元素の種類は、ガラスの結晶化を促すものであれば特に限定されない。結晶化は、金属不純物が含まれている場合に特に起こりやすいので、鉱化元素としては、金属不純物が好適であり、例えば、アルカリ金属(例:ナトリウムやカリウム)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウム)、アルミニウム、鉄である。アルミニウムを添加した場合、ガラスの粘度が高まるので、鉱化元素はアルミニウムが好ましい。
鉱化元素偏在層3bは、内面層3aと接触して配置されていてもよく、鉱化元素偏在層3bと内面層3aの間に別の層(例:天然シリカガラス層(以下、「天然層」と称する)が設けられていてもよい。天然層は、α−石英を主成分とする天然鉱物を溶融させたものを固化することによって形成されるガラスからなる層である。α−石英を溶融させると粘度は大幅に低下するが、SiO結合の繰り返しによる鎖状構造は完全には切断されず、天然シリカガラス中には結晶型の微細構造が残存しているため、天然シリカガラスは、構造が変化しにくい。このため、天然層は、粘度が比較的大きい。
鉱化元素偏在層3bの側部31での厚さは、ルツボの強度を維持するのに十分な厚さであればよく、例えば、4〜15mm程度である。鉱化元素偏在層3bが薄すぎるとルツボの強度向上が不十分であり、厚すぎると全体の壁厚が厚くなりすぎるからである。
(2−3)鉱化元素均一層3c
鉱化元素均一層3cは、鉱化元素偏在層3bの外側に任意的に配置される層であり、鉱化元素が実質的に均一に分散しているシリカガラス層である。鉱化元素均一層3cは、省略可能である。鉱化元素均一層3cは、シリコンインゴットの引き上げ開始後の早い段階で結晶化され、ルツボの強度を向上させる。「実質的に均一」とは、鉱化元素が鉱化元素均一層の全体を結晶化させる程度に均一に分散されていることを意味する。従って、鉱化元素均一層3cにおいては、鉱化元素は均一に分散されることが好ましいが、完全に均一でなくてもよく、濃度ムラが存在していてもよい。
鉱化元素均一層3cでの鉱化元素の濃度は、特に限定されないが、20〜600ppmが好ましい。濃度が低すぎると結晶化の速度が遅くなりすぎ、濃度が高すぎると結晶化の速度が速くなりすぎて亀裂の原因になったり、鉱化元素が拡散してシリコン融液にまで達したりするおそれが増大するからである。また、鉱化元素均一層3cは、鉱化元素偏在層3bよりも早いタイミングで結晶化することが好ましいので、鉱化元素均一層3cには、鉱化元素偏在領域での鉱化元素の濃度最大値よりも高い濃度で鉱化元素が含まれていることが好ましい。鉱化元素均一層3cに含有させることができる鉱化元素の種類は、鉱化元素偏在層3bと同様である。鉱化元素均一層3cの鉱化元素は、鉱化元素偏在層3bの鉱化元素と同じであっても異なっていてもよい。
鉱化元素均一層3cのガラス成分は、前記鉱化元素偏在領域の周辺のガラス成分と異なる種類にする(一方が天然シリカガラスで、他方が合成シリカガラス)。これらのガラス成分が同じである場合、鉱化元素均一層3cで開始された結晶化が鉱化元素偏在層3bの全体に広がってしまって、鉱化元素偏在層3bが全面結晶化してしまい、ルツボに亀裂が入りやすくなるからである。従って、鉱化元素偏在領域の周辺のガラス成分が合成シリカガラスである場合、鉱化元素均一層3cのガラス成分は、天然シリカガラスとし、鉱化元素偏在領域の周辺のガラス成分が天然シリカガラスである場合、鉱化元素均一層3cのガラス成分は、合成シリカガラスとする。鉱化元素均一層3cは、ルツボの高温強度を高めるという観点からは、天然シリカガラスからなることが好ましい。
鉱化元素均一層3cの側部31での厚さは、例えば、1〜4mm程度である。鉱化元素均一層3cが薄すぎるとルツボの強度向上が不十分であり、厚すぎるとルツボに亀裂が入りやすくなるからである。
2.シリカガラスルツボの製造方法
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、(1)回転モールドの底面及び側面上に結晶質又は非晶質のシリカ粉を堆積させることによって、鉱化元素均一層3c、鉱化元素偏在層3b、及び内面層3a用のシリカ粉層を形成し、(2)このシリカ粉層をアーク放電によって2000〜2600℃に加熱して溶融させて固化することによってガラス化すると共に直ちに冷却することによって、製造することができる。
天然シリカガラスを形成するためのシリカ粉(天然シリカ粉)は、α−石英を主成分とする天然鉱物を粉砕して粉状にすることによって製造することができる。
合成シリカガラスを形成するためのシリカ粉(合成シリカ粉)は、四塩化珪素(SiCl)の気相酸化(乾式合成法)や、シリコンアルコキシド(Si(OR))の加水分解(ゾル・ゲル法)などの化学合成による手法によって製造することができる。
鉱化元素偏在層3bは、鉱化元素がドープされた天然シリカ粉とノンドープの合成シリカ粉、又は鉱化元素がドープされた合成シリカ粉とノンドープの天然シリカ粉を1:1〜1:100の割合で混合して得られた混合シリカ粉を溶融させることによって形成することができる。1:1の場合よりも鉱化元素がドープされたシリカ粉(以下、「ドープシリカ粉」と称する)の割合が大きいと、ドープシリカ粉同士が接触して島状結晶が大きく成長しすぎて鉱化元素偏在層3bの全体が結晶化されやすくなる。また、1:100よりもノンドープシリカ粉の割合が大きいと、島状結晶の数が少なすぎてルツボ強度の向上が不十分になる場合がある。従って、1:1〜1:100とする。ドープシリカ粉とノンドープシリカ粉の割合は、好ましくは、1:3〜1:20である。ドープシリカ粉は、一例では、窒素雰囲気下でシリカ粉と金属アルコキシドを混合し、600〜1100℃で焼成することによって形成することができる。
シリカ粉層の溶融時には、モールド側からシリカ粉層を−50以上〜−95kPa未満の圧力で減圧することによって、気泡を実質的に有さない(気泡含有率が0.5%未満の)透明層を作製することができる。また、透明層を形成した後に、減圧の圧力を+10kPa〜−20kPa未満にすることによって、透明層の外側に、気泡含有率が0.5%以上50%未満の気泡含有層を形成することができる。本明細書において、気泡含有率とは、ルツボ1の一定体積(w)に対する気泡占有体積(w)の比(w/w)を意味する。
3.シリコンインゴットの製造方法
シリコンインゴットは、(1)本実施形態のシリカガラスルツボ1内で多結晶シリコンを溶融させてシリコン融液を生成し、(2)シリコン種結晶の端部を前記シリコン融液中に浸けた状態で前記種結晶を回転させながら引き上げることによって製造することができる。シリコン単結晶の形状は、上側から円柱状のシリコン種結晶、その下に円錐状のシリコン単結晶、上部円錐底面と同じ径を持つ円柱状のシリコン単結晶(以下、直胴部と称する)、頂点が下向きである円錐状のシリコン単結晶からなる。
マルチ引き上げを行う場合には、シリカガラスルツボ1内に多結晶シリコンを再充填及び溶融させて、シリコンインゴットの再度の引き上げを行う。
シリコンインゴットの引き上げは、通常、1450〜1500℃程度で行われるが、ルツボがこのような高温下に長時間曝されると、ルツボ中の鉱化元素が含有されている部位においてガラスの結晶化が起こる。ルツボの外層に鉱化元素均一層3cが設けられている場合には、最初に鉱化元素均一層3cにおいて結晶化が起こり、次に、鉱化元素偏在層3bにおいて島状に結晶化が起こる。鉱化元素均一層3cが設けられていない場合には、鉱化元素偏在層3bで島状に結晶化が始まる。島状の結晶は、結晶と結晶の間に比較的変形しやすいガラスが存在するので、ルツボの亀裂を防ぎつつ、ルツボ強度を向上させることができる。
以下の方法により、マルチ引き上げの際のシリコンインゴットの結晶性の評価、ルツボの亀裂の有無、ルツボの強度の評価を行った。
外径が800mmであり、壁厚が15mmであるルツボを製造した。実施例及び比較例のルツボは、表1に示す構成のガラス層を備えるように製造した。なお、表1中の各ガラス層は、ルツボの内面から外面に向かう順序で左から右に順に並べた。鉱化元素均一層は、天然シリカ粉に不純物としてAlを添加したドープシリカ粉を用いて形成した。Al濃度は、鉱化剤濃度が表1に示す値になるように適宜調節した。また、鉱化元素偏在層は、ドープシリカ粉とノンドープシリカ粉とを表1に示す割合で混合した混合シリカ粉を用いて形成した。表1においては、D天然及びD合成は、それぞれ、鉱化元素がドープされた天然シリカ粉及び合成シリカ粉を示し、ND天然及びND合成は、それぞれ、ノンドープの天然シリカ粉及び合成シリカ粉を示す。合成:天然の比の値は、シリカ粉の混合割合を表す。例えば、「D合成:ND天然=1:5」は、ドープ合成シリカ粉と、ノンドープ天然シリカ粉を1:5で混合したことを示す。ノンドープのシリカ粉は、平均粒径が400μmのものを用いた。ドープシリカ粉のサイズは、鉱化元素偏在領域の平均直径が表1に示す値になるように適宜調節した。
実施例及び比較例のルツボを用いて直径300mmのシリコンインゴットを3本引き上げた。シリコンインゴットを一本引き上げるごとに、多結晶シリコン塊を再充填・溶解させた。得られた3本のシリコンインゴットの結晶性を評価した。結晶性の評価は、(シリコン単結晶の直胴部の質量)/(引上げ直前にルツボに充填されているシリコン融液の質量)の値(単結晶率)に基づいて行った。その結果を表2に示す。表2における評価基準は、以下の通りである。
◎:単結晶率が0.80以上〜0.99未満
○:単結晶率が0.70以上〜0.80未満
△:単結晶率が0.60以上〜0.70未満
×:単結晶率が0.60未満
また、ルツボの強度の評価も行った。ルツボの強度の評価は、カーボンサセプター5の上端面を基準面として、ルツボ1の使用前と使用後に基準面からルツボ1の上端面までの距離を測定して求まる沈み込み量に基づいて行った(図3参照)。その結果を表2に合わせて示す。評価基準は、以下の通りである。
強度:
◎:沈み込み量が10mm未満
○:沈み込み量が10mm以上〜20mm未満
△:沈み込み量が20mm以上〜30mm未満
×:沈み込み量が30mm以上
3本のシリコンインゴットの引き上げを行った後、ルツボを確認したところ、実施例のルツボの鉱化元素偏在層には島状結晶が形成されていた。
実施例1のルツボを用いた場合、一本目のインゴットの単結晶歩留まりが高く、二本目および三本目のインゴットの単結晶率は少し悪化した。ルツボに亀裂は確認されなかったが、沈み込みは25mm確認された。
実施例2,4,5のルツボを用いた場合、一本目、二本目および三本目のインゴットの単結晶歩留まりが高かった。ルツボに亀裂は確認されなかったが、沈み込みはいずれも10mm未満であった。
実施例3のルツボを用いた場合、一本目および二本目のインゴットの単結晶歩留まりが高く、三本目のインゴットの単結晶率は少し悪化した。ルツボに亀裂は確認されなかったが、沈み込みは15mm確認された。
実施例6では、実施例2の条件において、ドープシリカ粉の割合を少なくしたものである。ドープシリカ粉の割合が低すぎるため、鉱化元素偏在層に島状結晶化が形成されたものの、その数が少ないため強度向上の効果が十分ではなかった。
実施例7は、実施例2の条件において、鉱化元素濃度を低くしたものである。実施例6のルツボは、結晶化が不十分であり、ルツボ強度の向上が十分ではなかった。
実施例8は、実施例2の条件において、鉱化元素偏在領域のサイズを小さくしたものである。実施例8のルツボでは、島状結晶が形成されたが、そのサイズが小さいため、ルツボ強度の向上が十分ではなかった。
実施例9〜11は、実施例2、3、6の条件において、天然シリカ粉の代わりに合成シリカ粉を用い、合成シリカ粉の代わりに天然シリカ粉を用いたものである。実施例9〜11のルツボでは、鉱化元素偏在層には島状結晶が形成されていて、亀裂の発生が抑えられることが確認できた。
比較例1のルツボを用いた場合、一本目のインゴットの単結晶歩留まりが少し悪化し、二本目はインゴットの単結晶がほとんど得られなかった。三本目は、ノンドープ天然層が結晶化せずに沈み込みが大きくので、単結晶の引き上げを中止した。亀裂に関しては、確認されなかった。
比較例2では、ドープシリカ粉の割合が高すぎるため、鉱化元素偏在層において、鉱化元素が十分に島状に偏在せずに、全面結晶化が生じ、亀裂が発生した。
比較例3では、ドープシリカ粉中の鉱化元素濃度を高くしすぎたため、鉱化元素が十分に島状に偏在せずに、全面結晶化が生じ、亀裂が発生した。
比較例4では、ドープシリカ粉のサイズを大きくしすぎたため、鉱化元素が十分に島状に偏在せずに、全面結晶化が生じ、亀裂が発生した。
比較例5は、比較例2の条件において、天然シリカ粉の代わりに合成シリカ粉を用い、合成シリカ粉の代わりに天然シリカ粉を用いたものである。比較例5のルツボでも、比較例2と同様に全面結晶化が生じた。

Claims (10)

  1. シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボであって、前記ルツボの壁が、前記ルツボの内面側から外面側に向かって天然シリカガラス又は合成シリカガラスからなるノンドープの内面層、及び鉱化元素が島状に偏在した鉱化元素偏在領域が分散している鉱化元素偏在シリカガラス層を備え、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせ、又は鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせであり、
    前記内面層は、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とは異なる種類のガラス成分からなり、
    前記鉱化元素偏在シリカガラス層の外側に鉱化元素が実質的に均一に分散している鉱化元素均一シリカガラス層をさらに備え、前記鉱化元素均一シリカガラス層は、前記鉱化元素偏在領域の周辺のガラス成分と異なる種類のガラス成分からなり、
    前記鉱化元素は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウムまたは、鉄から選択されるシリカガラスルツボ。
  2. 前記鉱化元素偏在領域の平均直径は、50μmm〜1mmである請求項1に記載のシリカガラスルツボ。
  3. 前記鉱化元素偏在領域での鉱化元素の濃度最大値は、20〜600ppmである請求項1又は2に記載のシリカガラスルツボ。
  4. 前記鉱化元素偏在シリカガラス層中の鉱化元素は、Alである請求項1〜3の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  5. 前記内面層は、合成シリカガラスからなり、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた天然シリカガラスとノンドープの合成シリカガラスの組み合わせである請求項1〜4の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  6. 前記内面層は、天然シリカガラスからなり、前記鉱化元素偏在領域のガラス成分とその周辺のガラス成分は、鉱化元素がドープされた合成シリカガラスとノンドープの天然シリカガラスの組み合わせである請求項1〜4の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  7. 前記鉱化元素均一シリカガラス層での鉱化元素の濃度は、20〜600ppmである請求項1〜6の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  8. 前記鉱化元素均一シリカガラス層での鉱化元素の濃度は、前記鉱化元素偏在領域での鉱化元素の濃度最大値よりも大きい請求項1〜7の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  9. 前記鉱化元素均一シリカガラス層中の鉱化元素は、Alである請求項1〜8の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
  10. 前記鉱化元素偏在シリカガラス層は、鉱化元素がドープされた天然シリカ粉とノンドープの合成シリカ粉、又は鉱化元素がドープされた合成シリカ粉とノンドープの天然シリカ粉を1:1〜1:100の割合で混合して得られた混合シリカ粉を溶融させて形成される請求項1〜の何れか1つに記載のシリカガラスルツボ。
JP2010270925A 2010-12-03 2010-12-03 シリカガラスルツボ Active JP5500689B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010270925A JP5500689B2 (ja) 2010-12-03 2010-12-03 シリカガラスルツボ
EP11191170.7A EP2460913B1 (en) 2010-12-03 2011-11-29 Vitreous silica crucible
US13/308,344 US8936684B2 (en) 2010-12-03 2011-11-30 Vitreous silica crucible
KR1020110127666A KR101406917B1 (ko) 2010-12-03 2011-12-01 실리카 유리 도가니
CN201110396970.4A CN102485972B (zh) 2010-12-03 2011-12-02 氧化硅玻璃坩埚
TW100144488A TWI413620B (zh) 2010-12-03 2011-12-02 氧化矽玻璃坩堝

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010270925A JP5500689B2 (ja) 2010-12-03 2010-12-03 シリカガラスルツボ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012116738A JP2012116738A (ja) 2012-06-21
JP5500689B2 true JP5500689B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=45093498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010270925A Active JP5500689B2 (ja) 2010-12-03 2010-12-03 シリカガラスルツボ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8936684B2 (ja)
EP (1) EP2460913B1 (ja)
JP (1) JP5500689B2 (ja)
KR (1) KR101406917B1 (ja)
CN (1) CN102485972B (ja)
TW (1) TWI413620B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5500686B2 (ja) * 2010-11-30 2014-05-21 株式会社Sumco シリカガラスルツボ
EP3428132B1 (de) 2017-07-10 2023-08-30 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG Quarzglasbauteil mit hoher thermischer stabilität, halbzeug dafür und verfahren zur herstellung desselben
JP7024700B2 (ja) * 2018-12-19 2022-02-24 株式会社Sumco 石英ガラスルツボ
JP7341017B2 (ja) * 2019-09-30 2023-09-08 信越石英株式会社 熱反射部材及び熱反射層付きガラス部材の製造方法
WO2021131321A1 (ja) * 2019-12-23 2021-07-01 株式会社Sumco 石英ガラスルツボ及びその製造方法
DE102020000701A1 (de) * 2020-02-03 2021-08-05 Siltronic Ag Quarzglastiegel zur Herstellung von Siliciumkristallen und Verfahren zur Herstellung von Quarzglastiegel

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2933404B2 (ja) * 1990-06-25 1999-08-16 信越石英 株式会社 シリコン単結晶引き上げ用石英ガラスルツボとその製造方法
JP3764776B2 (ja) * 1996-03-18 2006-04-12 信越石英株式会社 単結晶引き上げ用石英ガラスるつぼ及びその製造方法
JP3621282B2 (ja) * 1999-02-25 2005-02-16 東芝セラミックス株式会社 石英ガラスルツボおよびその製造方法
DE19962449C2 (de) * 1999-12-22 2003-09-25 Heraeus Quarzglas Quarzglastiegel und Verfahren für seine Herstellung
US6641663B2 (en) * 2001-12-12 2003-11-04 Heracus Shin-Estu America Silica crucible with inner layer crystallizer and method
CN1890407A (zh) * 2003-12-03 2007-01-03 通用电气公司 具有降低的气泡含量的石英坩锅及其制造方法
JP4428529B2 (ja) * 2004-12-20 2010-03-10 株式会社ワコム製作所 石英ルツボ
DE102007004242B4 (de) * 2007-01-23 2018-01-04 Schott Ag Verfahren zum Herstellen eines Formkörpers aus Quarzglas durch Sintern, Formkörper und Verwendung des Formkörpers
JP4985554B2 (ja) * 2008-06-16 2012-07-25 三菱マテリアル株式会社 シリコン溶融用ルツボ及びシリコン単結晶引上装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102485972A (zh) 2012-06-06
EP2460913A1 (en) 2012-06-06
EP2460913B1 (en) 2013-09-18
TW201223893A (en) 2012-06-16
TWI413620B (zh) 2013-11-01
JP2012116738A (ja) 2012-06-21
CN102485972B (zh) 2014-07-09
KR20120061753A (ko) 2012-06-13
US20120137964A1 (en) 2012-06-07
KR101406917B1 (ko) 2014-06-12
US8936684B2 (en) 2015-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5500689B2 (ja) シリカガラスルツボ
EP2251460B1 (en) Silica crucible for pulling silicon single crystal
JP4918473B2 (ja) 高強度を有する大径シリコン単結晶インゴット引上げ用高純度石英ガラスルツボ
WO2018055974A1 (ja) 石英ガラスルツボ及びその製造方法並びに石英ガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法
US9719188B2 (en) Method of manufacturing a vitreous silica crucible having a transparent layer, bubble-containing layers, and a semi-transparent layer in its wall
JPWO2011030657A1 (ja) シリコン単結晶引き上げ用石英ガラスルツボ
KR102265452B1 (ko) 석영 유리 도가니 및 그 제조 방법
JP2010155760A (ja) シリコン単結晶引き上げ用石英ガラスルツボ及びその製造方法
KR101252184B1 (ko) 실리카 유리 도가니 및 실리콘 잉곳의 제조 방법
JP5610570B2 (ja) シリカガラスルツボ、シリコンインゴットの製造方法
CN111936677A (zh) 石英玻璃坩埚
US9328009B2 (en) Vitreous silica crucible for pulling silicon single crystal, and method for manufacturing the same
JP2006117494A (ja) フッ化金属単結晶体の製造方法および該方法により製造されるフッ化金属のアズグロウン単結晶体
JP2007297222A (ja) フッ化金属単結晶体の引上げ装置およびフッ化金属単結晶体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20130521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131209

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20131209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5500689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250