JP5500516B2 - 保冷剤入り首巻タオル用いて首部を保冷する方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、首巻きタオルを洗濯できるようにすると共に、冷凍保冷剤入り首巻タオルを用いて首部を冷やす際に、冷凍保冷剤の使用時間を大幅に長引かせて使用できる首部を冷やす方法を提供することである。
従来の断熱シートは首巻タオルに付いているので、保冷剤と断熱シートの間に隙間ができて、断熱効果が十分でなかったが、本発明の方法であると保冷剤と断熱シートまたは断熱カバーの間に隙間ができにくく断熱効果が良好となり、冷凍した保冷剤の温度が上昇しにくくなる。また、断熱シートまたは断熱カバーは首巻タオルから出し入れできるので首巻タオルだけを洗濯ができるようになる。
断熱シートがアルミニウム層を含んで形成されているので、アルミニウム層の外からの熱線を反射して輻射熱が保冷剤に伝わるのを防止すると共に、また内部からの冷気が外へ伝達するのを防止することができる。したがって、断熱シートの断熱性が優れており、保冷剤の温度が上昇しにくく、首巻きタオルの使用時間をさらに長引かせることができる。
さらに、断熱シートがアルミニウム層と弾力性のある発泡体シートとの積層シートであるので、アルミニウム層の外からの熱線を反射して輻射熱が保冷剤に伝わるのを防止すると共に、弾力性のある発泡体シートが外からの熱が内部に、また内部からの冷気が外へ伝導するのを防止することができる。したがって、断熱シートの断熱性が非常に優れており、保冷剤の温度が上昇しにくく、首巻きタオルの使用時間をさらに長引かせることができる。 また発泡体シートは、弾力性があるのでこの面が保冷剤に圧接して重ねられると保冷剤の凹凸に対応して発泡体シートの表面が変形して追随する。その結果、発泡体シートが動きにくくなり、首巻タオルを使用中断熱シートが保冷剤から動かず安定して保冷剤の温度上昇が抑制でき、首巻タオルの使用時間を長引かせることができる。
冷凍保冷剤を入れる断熱カバーは片面の一部に開口部を有しているので、冷気は人体側に向けて開口部のみから発散し、開口部以外からは冷気は出ないので効率的に首部を保冷すると共に保冷剤の温度上昇が抑制でき、首巻タオルの使用時間を長引かせることができる。
断熱カバーが筒または袋であるので、両方または一方から保冷剤を出し入れすることができ、保冷剤を入れ替えることができる。また扁平状であるので、保冷剤を断熱カバーに入れた時に隙間が少なく効率的に首部を冷やすことができると共に使用性が良好である。また、断熱カバーを首巻きタオルから取り出すことができるので、汚れた首巻きタオルだけを洗濯することが可能である。
冷凍保冷剤を入れる断熱カバーは片面の一部に開口部を有し、少なくとも断熱カバーの一側部の周縁部を残して開口部が形成されているので、首巻きタオルに断熱カバーを入れる際に周縁部が上にくるようにすれば、保冷剤の上部側面は断熱シートで囲まれており、冷気は開口部のみから発し、開口部以外、特に保冷剤の上部側面からは冷気は出ないので保冷剤の温度が上昇しにくい。
従来は首巻タオルに断熱シートが付けられているので、保冷剤の人体とは反対側の面にある断熱シートと保冷剤の隙間があり、且つ保冷剤の上方向へ冷気が逃げ易く断熱シートを用いても保冷剤の温度が早く下がっていた。断熱カバーを保冷剤の周縁部のある部分が上側になるようにして用いれば、上側から冷気が逃げにくい。したがって、従来の首巻タオルに較べて大幅に使用時間が長引かせることができる。
(1)冷凍保冷剤入り首巻タオルを用いて首部を冷やす際に、冷凍保冷剤の使用時間を大幅に長引かせて使用できる。
(2)首巻タオルを洗濯できる。
図1に断熱シートと保冷剤の関係を示す。図1(a)は断熱シートの上に保冷剤を配置した平面図を示す。首巻タオルを首に巻いたときの断熱シートの縦横の幅が保冷剤の側面の縦横のそれぞれの幅よりもやや大きいことがわかる。これにより保冷剤の人体とは反対側の面が完全に断熱シートで覆われるので、背面からの熱線の侵入が防止されると共に保冷剤の冷気がアルミニウム層を含んで形成される断熱シートの反対側に漏れることがなくなる。断熱シートの縦横の大きさが保冷剤のそれよりも大きいので、首巻タオルに入れたときの保冷剤の片面の全面と保冷剤の側面の一部の周縁部が断熱シートで覆われることになる。
アルミニウム層は、首巻タオルを通して外部から入る熱線を反射して保冷剤に熱が伝わるのを防止すると共に保冷剤の冷気を外に出すことを防止する。そのため保冷剤の温度の上昇が抑制でき、首巻タオルの使用時間を長引かせることができる。
断熱シートの大きさも特に限定はないが保冷剤、首巻タオルの大きさなどにより決められる。断熱シートの厚さも特に限定はないが、首巻タオルにセットしたときの装着性と保冷時間との兼ね合いで決められる。
水不溶性吸水性ポリマーとしては、たとえば寒天、ゼラチンなどの天然系の水不溶性吸水性ポリマーや、合成系の吸水性樹脂があげられる。合成系の吸水性樹脂としては、たとえば、デンプンまたはセルロース(a)とカルボキシル基および/またはスルホン酸基を含有する水溶性単量体および/または加水分解により水溶性となる単量体(b)と、架橋剤(c)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂が挙げられる。上記に例示した吸水性樹脂の製造に用いられる(a)、(b)および(c)の詳細、(a)、(b)および(c)の割合、製造法および吸水性樹脂の具体例は特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号および特公昭55−21041号公報に記載されている。
これらの柔軟性を有する保冷剤としては、特開平5−320627号、特開平6−122871号公報に記載されているものが使用できる。
保冷剤を首巻タオルに入れる場合は、保冷剤のみを冷凍して断熱シートに組み合わせて首巻タオルに入れてもよいし、断熱シートと保冷剤を組み合わせて冷凍した後首巻タオルにいれてもよい。後者の方が首巻タオルにセットする時間が短く手間が省け、より低温でセットが可能となる。
断熱カバーを積層シートで作成するときは、アルミニウム層を外側にし、発泡体を内側にして作成すれば、保冷剤を入れても使用中保冷剤が動かず安定して断熱効果を維持することができ、首巻タオルの使用時間をさらに長引かせることができる。また、開口部が形成される面は反対側の面と厚さが異なっていてもよく、より薄く形成してもよい。また開口部が形成される面はアルミニウム層か弾力性のある発泡体シートのみで形成してもよい。
また断熱カバーは扁平状に形成されており、冷凍保冷剤を入れても断熱シートとの間に隙間がなく、保冷剤の冷気が断熱カバー内に滞留することがなく効率的に首部を冷やすことができる。
断熱カバーは片面の一部に開口部を有し、その他の部分は断熱シートで覆われているので、開口部のみから冷気が出て首部を冷やすことができる。
吸水性樹脂として製造例1に用いた架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩(三洋化成工業社製:サンウエットIM−5000)4部に水200部を加え、万能混合機で充分に混合し、これにポリビニルアルコール15部を熱水200部に溶解した溶液を加え充分に混合し白色の吸水ゲル粒子を得た(工程1)。水溶性ポリマーとしてアクリルアミド・アクリル酸ソーダ高分子量共重合体(30℃における0.3%水溶液粘度が1,800cps)(三洋化成工業社製:サンフロックAH−210P)4部に水200部を加え、万能混合機で充分に混合した。これにグリセリン150部、ジエチレングリコール6部、ポリエチレングリコール(分子量300)6部を加え、万能混合機で十分に混合し白色のゲルを得た(工程2)。工程2で得られたゲルを工程1で得られたゲルに加え、万能混合機で充分混合した(工程3)。このようにしてゲル状物Aを得た。
製造例1に用いた架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩(三洋化成工業社製:サンウエットIM−5000)10部に水500部を加え、さらにグリセリン160部、ポリエチレングリコール(分子量300)15部を用いて万能混合機で十分に混合して柔軟性がないゲル状物Bを得た。
得られたゲル状物A、Bの保冷時間、初期柔軟性、20回くり返し使用後さらに冷凍した時の柔軟保持性を試験した結果を表1に示す。
(保冷時間)−20℃で12時間冷凍したものを25℃の室内で放置し、10℃になるまでの時間を測定した。サンプルは重量600g、250mm×250mm×10mmのポリエチレン/ナイロン系ラミネート製の袋に詰めたものを使用した。
(初期柔軟性)−20℃で12時間冷凍したものを指で押した時の状態で確認した。○は容易に変形する、△は強く押すと変形する、×は変形しないことを表している。
(柔軟保持性)−20℃で12時間冷凍したサンプルを25℃の温水につけ常温に戻す操作を20回繰り返した後、さらに−20℃で12時間冷凍したものを指で押した時の状態で確認した。判定基準は(2)と同様である。
18cm×4.5cmの長方形のポリエチレン/ナイロン系ラミネートフィルムの袋を2個準備し、それぞれの袋に上記ゲル状物A、Bをそれぞれ60gづつ入れて保冷剤A、Bを作製した。
厚さ0.1mmのアルミシートを22cm×5cmに切り取り断熱シートAを作製した。
実施例1で用いたものと同じ厚さ0.1mmのアルミシートに厚さ2mmのポリプロピレン系発泡体(独立気泡型、発泡倍率13.6倍)シートとがイソシアネート系接着剤で接着された積層シートを22cm×5cmに切り取り断熱シートBを作製した。
実施例2で用いられたものと同じポリプロピレン系発泡体シートを22cm×5cmに切り取り断熱シートCを作製した。
実施例2で用いられたものと同じ積層シートを24cm×11cmに切り取り、二つに折り曲げて二つの重なった辺を接着剤で結合して、一方の短辺が保冷剤を出し入れできるように開口した扁平状の筒を作製した。この筒の片面の中央に4cm×2cmの長方形の開口部を2個形成した。2個の開口部の間隔を3cmとし、これを断熱カバーDとした。
実施例2の断熱シートBを首巻タオルの外側片面に縫製により取り付けたものを首巻タオルEとした。
上記の断熱シート、断熱カバーを入れた首巻タオルを用いて20人の被験者に以下の首部を保冷する試験を行った。
断熱シートのついていない首巻タオル(首巻タオルF)に上記の断熱シートA、B、Cと保冷剤をそれぞれ重ねて入れて首部を保冷する試験を実施例5〜7とした。保冷剤を断熱シートと重ねるときは保冷剤の上部周縁部が1〜2cm程度覆われるようにして入れてもらった。また実施例8として保冷剤を断熱シートBと重ねるとき保冷剤の両方の周縁部が1〜2cm程度覆われるようにして入れてもらう試験を実施例8とした。断熱カバーDに保冷剤を入れた後首巻タオルに入れて首部を保冷する試験を実施例9とした。また、首巻タオルEを用いて首部を保冷する試験を比較例2とし、断熱シートも断熱カバーも用いないで保冷剤のみを首巻タオルに入れて首部を保冷する試験を比較例3とした。
2 断熱シート
3 首巻タオル
4 断熱カバー
5 開口部
6 出し入れ口
Claims (2)
- 保冷剤を入れた首巻タオルを用いて首部を冷やす方法であって、冷凍した保冷剤を断熱カバーに入れた後首巻タオルに入れて使用する首巻タオルを用いて首部を冷やす方法において、該断熱カバーが通気しないアルミニウム層と弾力性のある発泡体シートが積層されたシートであり、該発泡体シートの面が保冷剤に圧接して重ねられ、該断熱カバーは保冷剤が出し入れ可能な扁平状の筒または袋であって、断熱カバーの人体側の片面の一部において断熱カバーの長辺の両方の側部の周縁部を残して開口部が形成され、開口部の数は、1個または2〜10個であり、開口部の合計面積は断熱カバーの片面の面積の10〜90%である首巻タオルを用いて首部を冷やす方法。
- 前記保冷剤が、水不溶性吸水性ポリマー、水溶性ポリマー、水および親水性アルコールを含有するゲル状物、または水不溶性吸水性ポリマーを水不溶性で非吸水性のポリマー被膜で表面被覆した吸水ゲル粒子を、水溶性ポリマー、水および親水性アルコールを含有する水性ゲル中に懸濁したゲル状物が包装部材に充填されているものであることを特徴とする請求項1記載の首巻タオルを用いて首部を冷やす方法。
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