JP5500197B2 - レーザリフトオフ方法およびレーザリフトオフ装置 - Google Patents

レーザリフトオフ方法およびレーザリフトオフ装置 Download PDF

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Description

本発明は、化合物半導体により形成される半導体発光素子の製造プロセスにおいて、基板上に形成された材料層にレーザ光を照射することによって、当該材料層を分解して当該基板から剥離するレーザリフトオフと呼ばれる技術に関する。
窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体により形成される半導体発光素子の製造プロセスにおいて、サファイア基板の表面に形成されたGaN系化合物結晶層(材料層)を当該サファイア基板の裏面からレーザ光を照射することにより剥離するレーザリフトオフの技術が知られている。以下では、基板上に形成された上記材料層に対してレーザ光を照射して基板から材料層を剥離することをレーザリフトオフ(LLO)と呼ぶ。
GaNは分解温度(約800°C)まで温度が上昇するとガリウム(Ga)と窒素(N2)に分解する。LLOは、基板のサファイアとGaNの界面にGaNのみが吸収する波長の高強度レーザパルスをサファイア側から照射することにより、界面のGaNのみ分解温度以上に上昇させGaNからサファイアを剥離する方法である。
特許文献1には、サファイア基板上に形成されたGaN結晶層に割れを生じさせることなく、サファイア基板からGaN結晶層を剥離するために、照射するレーザ光を、GaN結晶層をサファイア基板から剥離させるに必要な分解閾値を超えるエネルギー領域であるが、またクラックの発生を防ぐために、レーザの強度が大きすぎないように照射するレーザリフトオフ方法およびレーザリフトオフ装置について記載されている。
図6に、従来のレーザリフトオフ装置の概念図を示す。
レーザリフトオフ装置10は、パルスレーザを発生するレーザ源20、レーザ源20からのレーザLを入射して、1パルスあたりのエネルギー(パルスエネルギー)を計測するエネルギー計測器60、レーザLを所定の形状に成形するためのレーザ光学系40、ワークWが載置されるワークステージ31、ワークステージ31を搬送する搬送機構32、エネルギー計測器60により測定したパルスエネルギーに基づいてレーザ源20から出射するレーザLのパルスエネルギーの制御や、搬送機構32の動作を制御するレーザリフトオフ装置の制御部50などを備えている。上記エネルギー計測器60としては、例えば、フォトダイオード、パイロエレクトリックセンサ等を用いることができる。
レーザ光学系40は、シリンドリカルレンズ41、42と、レーザ光をワークの方向へ反射するミラー43と、レーザ光を所定の形状に成形するためのマスク44と、マスク44を通過したレーザLの像をワークW上に投影する投影レンズ45とを備えている。ワークWへのレーザの照射領域の面積および形状は、レーザ光学系40によって適宜設定することができる。
レーザ光学系40の先にはワークWを載置するワークステージ31が設けられている。ワークステージ31は搬送機構32によりXY方向(図面左右手前奥方向)に移動する。
図7は、レーザ源の概略構成を示したリフトオフ装置の概念図であり、図7により、レーザLのパルスエネルギーの制御について説明する。
レーザ源20は、放電によりレーザを生成するレーザガスチャンバ201、レーザガスチャンバ201に放電のための電力を供給する電源202、電源等を制御するコントローラ203を備える。
例えば、パルスエネルギーが30mJのレーザを照射する場合、レーザリフトオフ装置は次のような制御を行う。
レーザリフトオフ装置の制御部50は、レーザ源20のコントローラ203に対し、30mJのパルスエネルギーのレーザLを照射するように信号を送る。
コントローラ203は、この信号に基づき、電源202に対し、レーザLのパルスエネルギーが30mJになるような電圧、例えば18kVを出力するように信号を送る。
電源202は、チャンバ201に対して18kVの電圧を印加する。チャンバ201内で放電が発生し、チャンバ201からレーザLが出射する。
レーザLがエネルギー計測器60に入射する。エネルギー計測器60はレーザLのパルスエネルギーを測定し、その値をコントローラ203に送る。
コントローラ203は、エネルギー計測器60からのパルスエネルギー量が30mJになるように、フィードバック制御を行う。なお、電源電圧を制御するほか、例えばチャンバ201のガス圧を制御して出力エネルギーを制御することもできる。
ワークWは、図8に示すように、サファイアの基板1の表面に、窒化ガリウム(GaN)系化合物の材料層2が形成されたものである。材料層(以下、GaN結晶層ともいう)2の上にはサファイア基板1の剥離後のGaN結晶層2を支持するサポート基板3が取り付けられている。
ワークステージ31には、ワークWは、サポート基板3を下にして(ワークステージ31側にして)置かれ、レーザ光Lはサファイア基板1を介してGaN結晶層2に照射される。レーザ源20としては、例えば波長248nmを放射するKrF(クリプトンフッ素)エキシマレーザが用いられる。
特開2012−15150号公報
エキシマレーザのようなレーザ源の出力の制御は、出力されるレーザ光をエネルギー計測器60に入射させ、1パルスあたりのエネルギー(パルスエネルギー)を測定し、このパルスエネルギーが一定になるように制御を行っている。
そのため、レーザリフトオフ装置においても、ワークに対して照射するレーザの制御は、前記したように1パルスあたりのエネルギーを制御して行っていた。
図9は、レーザリフトオフ装置のレーザ源(例えばKrFエキシマレーザ)から出射する、レーザのパルス波形の一例である。同図は横軸が時間、縦軸がパワー(W)である。エネルギー計測器60により測定されるパルスエネルギー量は、この波形により囲まれた面積(図中斜線で示した部分)となる。
同図に示すように、レーザ光のパルス波形は、最初大きなピークを示した後、小さなピークを繰り返しながら減衰する。
特許文献1に記載されているように、レーザリフトオフ装置においては、レーザを、GaNの分解閾値を超えるエネルギー量ではあるが、エネルギー量が大きすぎてクラックが生じないように照射する。具体的には、サンプル実験により、GaNの分解温度(800°C)を超えるがクラックが発生しないようなパルスエネルギー量を求め、このエネルギー量を制御部50に入力し、レーザの出力をフィードバック制御する。即ち、図9の斜線の部分が一定の面積になるように制御する。
ところが、表1に示すように、このようにパルスエネルギー量を一定に制御していても、サファイア基板からGaNの材料層を剥離できたり剥離できなかったりする現象が生じた。同表は、10個のサンプルワークに対してあらかじめ設定したパルスエネルギーでレーザ照射を行った時の、剥離したサンプルと剥離しなかったサンプルの数を示した表である。
Figure 0005500197
パルスエネルギー量が22mJ、23mJの場合、10個のサンプルともGaNは剥離しなかった。24mJの場合は10個中2個が、また25mJの場合は10個中7個が剥離した。26mJの場合は全てのサンプルが剥離したが、中にはクラックが生じたサンプルもあった。
このように、従来の1パルスのエネルギーを一定に制御する方法では、サファイア基板からGaNの結晶層を、全てのサンプルを、確実にかつクラックを発生させないで剥離する条件を見つけることが困難であった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、基板上に材料層が形成されてなる前記基板を通してパルスレーザを照射し、前記基板と前記材料層との界面で前記材料層を前記基板から剥離するレーザリフトオフ処理において、基板から材料層を確実にかつクラックが生じないように剥離できるレーザ源の制御を実現することである。
発明者らは鋭意検討の結果、次のことを見出した。
上記のように、従来、レーザの出力の制御は1パルスのエネルギーが一定になるように、即ち、図9のレーザパルス波形(以下パルス波形とも呼ぶ)により囲まれた面積(図中斜線で示した部分)が一定になるように制御している。
しかし、レーザのパルス波形を詳しく調べてみると、例えば図10に示すように、1パルスのエネルギー量(波形の面積)は同じであるが、最初のピーク(第1のピーク)が少し低く、その分他の部分(第2、第3のピーク)が高くなったような波形が現れることがわかった。そして、このような第1のピークが低い場合に、材料層(GaN結晶層)がサファイア基板から剥離しないことがわかった。
このことより、最初に現れる第1のピークの大きさが、GaN結晶層をサファイア基板から剥離させるために必要な分解閾値に影響を与えることがわかった。即ち、GaNの到達する最高温度は、第1のピークの大きさが支配的であり、第1のピークの大きさが小さいと、材料層(GaN結晶層)は分解する温度(800°C)に達しないと考えられる。
図11に、レーザのパルス波形とGaNの温度を重ねて示す。
レーザが照射されたGaNの温度の温度は、大きなエネルギーを有する第1のピークに合せて上昇し、その頂点を越えた後も(GaNにエネルギーは流れ込むので)しばらくの間は上昇する。やがて、GaNに流れ込むエネルギー量よりも放熱により失われるエネルギー量のほうが大きくなり、GaNの温度は下降する。
図12はサファイア基板1、GaN結晶層2、サポート基板3の境界部分を示す概念図である。同図に示すように、サファイア基板1を通してレーザを照射することにより、サファイア基板1とGaN結晶層2の境界部分(1μm以下)の温度が100ns程度の時間に急上昇したのち、急降下し、GaN結晶層2がサファイア基板1から剥離する。
レーザリフトオフ処理においては、サファイアは吸収しないがGaNは吸収する波長(例えば248nm)のレーザをサファイア側から短時間照射し、最も光を強く吸収する界面付近の温度を800°Cまで上昇させ、GaNを熱分解し、サファイアから剥離させる方法である。サファイア基板とGaNが剥離される最も温度の高くなる位置(サファイアとGaNの境界からGaN側に数10nmの位置)での微小時間Δtにおける熱収支を考えると、次の式のようになる。
温度変化量=K×{(レーザ光吸収エネルギー)―(熱伝導による流出エネルギー)}
ここで、K:比例定数
よって、温度が最大になる時間Tは、温度変化量が正から負に変わるとき、すなわち
(レーザ光吸収エネルギー)>(熱伝導による流出エネルギー)から、(レーザ光吸収エネルギー)<(熱伝導による流出エネルギー)に変わるときである。
現在レーザリフトオフ処理に使用されているKrFエキシマレーザの典型的なパルス波形は、前記図11に示した通りであり、レーザ立ち上がりから約6nsで出力パワーのピークに到達し、その後減少しながら60nsまでレーザ発振が続く。
このような波形の場合、図11に示したGaNが最高温度になる時間Tはレーザパルスの立ち上がりから初めのピークを迎えた後の出力パワーの低下している間の10−20nsにある。すなわち、GaNが分解するかしないかは、GaNが最高温度になる時間Tまでのレーザパワーが決め、それ以降のレーザパワーはGaNの分解に寄与しないと考えられる。
以上のことから、GaN分解に寄与するか否かを決定するのはレーザ発振の初期のところ、すなわち温度が最高となる時間Tまでのエネルギーであり、KrFエキシマレーザの場合はその典型的な波形から10−15nsとなる。
上記温度が最高となる時間Tはレーザのパルス形状に依存するため、例えば最初のピークを迎えるまでの時聞が20nsになるようなレーザの場合、上記時間Tは30ns付近にあるだろうし、逆にピークまでの時聞が1nsであるようなレーザの場合は2ns付近にあるだろうと推定される。
GaNの温度は、レーザのパルス波形に対して、上記のような挙動を示すものと考えられる。そのため、1パルスのエネルギー量が同じであっても、最初の(第1の)レーザパルスのピークの大きさが小さいと、GaNの温度が分解閾値に達さず、サファイア基板から剥離されない。また、1パルスのエネルギー量を大きくすると、しばしば最初の(第1の)レーザパルスのピークが必要以上に大きいものが現れて、GaNの温度が高くなりすぎ、クラックが発生する。
そこで発明者らは、ワークに照射するレーザのエネルギー量を、1パルスのエネルギー量ではなく、GaNの温度が分解閾値以上でありクラックが発生しない温度になるような照射量になるように制御するようにした。具体的には、次のような制御が考えられる。
(1)図11に示すように、GaNの温度は、レーザのパルス波形の最初の(第1の)ピークを越えて上昇する。そこで、あらかじめ実験または計算により、レーザのパルスの立ち上がりから、GaNの温度が最も高くなるまでの時間Tを求め、この時間範囲のレーザのエネルギー量が一定になる(あるいは、ある範囲内に入る)ように制御する。これにより、レーザ照射によりGaNが達する最高温度を剥離可能な最適な温度にすることができる。
以下、このレーザのパルスの立ち上がりからGaNの温度が最も高くなるまでの時間範囲のエネルギーを、GaNの剥離に有効なエネルギーという意味で、「有効エネルギー」と呼ぶことがある。
(2)レーザ源としてKrFエキシマレーザを用いる場合、そのレーザパルス波形は前記した図10に示したような波形であり、このように波形形状の場合、前記有効エネルギーは、最初の(第1の)ピークの大きさに対応するものと考えられる。
そこで、レーザのパルス波形の最初のピークの高さが一定になる(あるいは、ある範囲内に入る)ように制御すれば、上記有効エネルギーもほぼ一定に保つことができる。
これにより、レーザ照射によりGaNが達する最高温度を剥離可能な最適な温度にすることができる。
上記のように有効エネルギーを一定にすることでクラックを発生させることなく、GaN結晶層をサファイア基板から剥離させることができるものと考えられる。しかし、従来のレーザリフトオフ装置は、前記したように一パルスあたりのレーザエネルギー量を計測するためのエネルギー計測手段を備えているものの、レーザパルスの波形を計測する手段を備えていない。このため、レーザ源から出射するレーザの有効エネルギーを求め、これを制御することはできなかった。
そこで、本発明では、レーザリフトオフ装置にレーザパルスの波形を計測するためのパルス波形計測手段を設けた。そして、このパルス波形計測手段により、レーザパルス波形を計測して、レーザの照射量を制御可能とした。
これにより、上記有効エネルギーを求めたり、レーザの最初のピークの高さを計測し、クラックを生じさせることなくGaN結晶層をサファイア基板から剥離させることができるレーザの出力パワーを求め、レーザの照射量を制御することが可能となる。
すなわち、本発明においては、次のように前記課題を解決する。
(1)基板上に材料層が形成されてなる前記基板を通してパルスレーザを照射し、前記基板と前記材料層との界面で前記材料層を前記基板から剥離するレーザリフトオフ装置を以下のように構成する。
前記基板を透過すると共に前記材料層を分解するために必要な波長域のパルスレーザを発生するレーザ源と、前記パルスレーザが入射され、該パルスレーザのレーザパルス波形を測定するパルス波形計測手段と、前記パルス波形計測手段により計測されたレーザパルス波形を用いて該レーザパルス波形における各時点の出力パワーを求め、該出力パワーに基づき、前記材料層との界面で前記材料層を前記基板から剥離するに必要なレーザの照射量を求め、前記レーザ源を制御する制御部とを設ける。
(2)上記(1)において、レーザ源から出射するパルスレーザの1パルスあたりのエネルギー量を測定するエネルギー計測器を設け、前記制御部は、前記パルス波形計測手段により計測されたレーザパルス波形と、前記エネルギー計測器により計測されたエネルギー量に基づき、前記レーザパルス波形における各時点の出力パワーを求める。
(3)上記(1)(2)において、前記制御部に、レーザパルスの立ち上がり時点から予め定められた時間の範囲内のエネルギー量を演算する演算手段を設け、該エネルギー量が一定になるように前記レーザ源を制御する。
(4)上記(1)(2)において、前記レーザ源としてKrFエキシマレーザを用い、前記制御部に、レーザ波形のピーク値を求める手段を設け、該ピーク値が一定になるように前記レーザ源を制御する。
(5)上記(1)(2)に記載のレーザリフトオフ装置を用いたレーザリフトオフ方法において、前記基板を通して材料層に照射されるレーザパルス波形を計測し、レーザパルスの立ち上がり時点から予め定められた時間の範囲内のエネルギー量Eeを求める第1の工程と、計算されたエネルギー量が、一定になるように前記レーザ源を制御して、前記基板上に形成された材料層にレーザを照射する第2の工程によりレーザリフトオフを行う。
(6)上記(1)(2)に記載のレーザリフトオフ装置を用いたレーザリフトオフ方法において、前記レーザ源としてKrFエキシマレーザを用い、前記基板を通して材料層に照射されるレーザパルス波形を計測し、該レーザパルス波形に基づき、前記材料層を前記基板から剥離するに必要なレーザパルス波形における各時点の出力パワーのピーク値Pを求める第1の工程と、前記レーザパルス波形のピーク値が前記ピーク値Pになるように、前記レーザ源を制御して、前記基板上に形成された材料層にレーザを照射する第2の工程によりレーザリフトオフを行う。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)レーザリフトオフ装置に、レーザ源が出射するパルスレーザのパルス波形を測定するパルス波形計測手段と、前記パルス波形計測手段により計測されたレーザパルス波形を用いて該レーザパルス波形における各時点の出力パワーを求め、該出力パワーに基づき、前記材料層を前記基板から剥離するに必要なレーザの照射量を求め、前記レーザ源を制御する制御部とを設けたので、材料層の温度が最高温度となるまでの時間範囲のレーザの照射量を制御することができ、サファイア基板から材料層をクラックを生じさせることなく確実に剥離することができる。
(2)パルス波形計測手段に加えて、レーザ源から出射するパルスレーザの1パルスあたりのエネルギー量を測定するエネルギー計測器を設けることにより、レーザパルス波形における各時点の出力パワーを、容易に、かつ、精度よく求めることができる。
(3)レーザのパルスの立ち上がりから材料層の温度が最も高くなるまでの時間範囲のエネルギーの値が一定になるように制御することにより、各レーザ照射において、材料層の到達温度を所望の一定の温度にすることができる。したがって、サファイア基板から材料層を、クラックを生じさせることなく、確実に剥離することができる。
(4)KrFエキシマレーザにおいて、材料層を前記基板から剥離するに必要なレーザ波形における各時点の出力パワーのピーク値Pを求め、前記レーザ波形のピーク値がピーク値Pになるように、前記レーザ源を制御することにより、上記(3)と同様、各レーザ照射において、材料層の到達温度を所望の一定の温度にすることができ、サファイア基板から材料層を、クラックを生じさせることなく、確実に剥離することができる。
本発明のレーザリフトオフ装置の基本構成を示す図である。 本発明の第1の実施例の制御部の構成例を示す図である。 第1の実施例の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施例の制御部の構成例を示す図である。 レーザパルス波形における第1のピークを示す図である。 従来のレーザリフトオフ装置の構成を示す概念図である。 レーザ源の概略構成を示したリフトオフ装置の概念図である。 サファイアの基板に窒化ガリウム(GaN)系化合物の材料層を形成したワークを示す図である。 レーザリフトオフ装置のレーザ源から出射する、レーザのパルス波形の一例を示す図である。 1パルスのエネルギー量は同じであるが、最初のピークが少し低い場合を示す図である。 レーザのパルス波形とGaNの温度を重ねて示した図である。 サファイア基板、GaN結晶層、サポート基板の境界部分を示す概念図である。
図1は本発明のレーザリフトオフ装置の概略構成を示すブロック図である。前記図6に示したものと同一のものには同一符号が付されており、図1に示すものは前記図6に示したエネルギー計測器60に加えてパルス波形計測器70を備えている。
パルス波形計測器70は、前記図9に示したようなレーザパルス波形の形状を計測するための手段であり、パルス波形計測器70としては例えばバイプラナ光電管等を用いることができる。
なお、パルス波形計測器70は応答速度がはやく、レーザパルス波形の形状は計測できるが、計測されたレーザパルス波形の波高値(例えば電圧値)は必ずしもレーザパルスの出力パワー(W)に対応したものにはならない。そこで、上記パルス波形計測器70により計測されたレーザパルス波形(例えば電圧値)を出力パワー(W)に換算する必要がある。
このため、エネルギー計測器60によりレーザパルスの1パルスあたりのエネルギー量を求め、この値に基づきパルス波形計測器70により計測されたレーザパルス波形の大きさを校正することが望ましい。なお、予め、上記電圧値を出力パワー(W)に変換する換算表等を用意しておき、計測されたレーザパルス波形の大きさをエネルギー量に換算してもよい。
図1において、レーザリフトオフ装置10は、パルスレーザを発生するレーザ源20を備え、レーザ源20からのレーザLは、エネルギー計測器60、パルス波形計測器70を経てレーザ光学系40に入射する。エネルギー計測器60は、レーザパルスの1パルスあたりのエネルギー(パルスエネルギー)を計測する。また、パルス波形計測器70は、レーザパルスの波形を計測する。
レーザ光学系40は、レーザLを所定の形状に成形し、前記図7で説明したように、ワークステージ31上に載置されたワークWにレーザLを照射する。
レーザ光学系40は、図7に示したように、シリンドリカルレンズや、レーザ光を所定の形状に成形するためのマスクと、マスクを通過したレーザ光Lの像をワークW上に投影する投影レンズを備えている。ワークWへのレーザ光の照射領域の面積および形状は、レーザ光学系40によって適宜設定することができる。
レーザ光学系40の先には前記したようにワークWを載置するワークステージ31が設けられている。ワークステージ31は搬送機構32によりXY方向(図面左右手前奥方向)に移動する。
レーザ源20は、放電によりレーザを生成するレーザガスチャンバ201、チャンバ201に放電のための電力を供給する電源202、電源を制御するコントローラ203を備える。レーザリフトオフ装置の制御部50がレーザ源20のコントローラ203に対し、レーザ源20から出力されるレーザLのエネルギーを制御する制御信号を送出すると、コントローラ203は、電源202の出力電圧、チャンバ201のガス圧等を制御して、レーザ源20から出力されるレーザのパルスエネルギーが目標値になるように制御する。なお、レーザのエネルギーの制御は、レーザ光学系の中にアテネータを配置し、このアテネータの透過率を制御することによって行ってもよい。
図1により、本発明におけるレーザエネルギー制御の概要と、本発明のレーザリフトオフ装置の基本構成について説明する。
図1に示すレーザリフトオフ装置には、前記したようにレーザ源20のレーザ出射側に、エネルギー計測器60に加えてパルス波形計測器70が取り付けられている。なお、同図では、エネルギー計測器60の次にパルス波形計測器70を設けているが、パルス波形計測器70の次にエネルギー計測器60を配置してもよい。なお、後述するように、エネルギー計測器60を設けず、パルス波形計測器70の出力(例えば電圧値)を、換算表等を用いて出力パワー(W)に換算して、パルスエネルギー量を求めるようにしてもよい。
レーザリフトオフ装置の制御部50は演算部501を備えている。演算部501には、エネルギー計測器60からレーザのパルスエネルギー量が、また、パルス波形計測器70からレーザのパルス波形が入力される。
また、制御部50は入力部502を備えており、入力部502には、例えば実験や計算で求めたレーザのパルスの立ち上がりからGaNの温度が最も高くなるまでの時間Tや、制御したい目標となる有効エネルギーの値が入力される。
演算部501は、入力部502に入力された時間Tと、エネルギー計測器60により計測されたパルスエネルギー量と、パルス波形計測器70により計測されたレーザパルス波形とから、レーザのパルスの立ち上がりから時間Tまでのエネルギー量(有効エネルギー量)を計算する。そして、計算した有効エネルギーの値と、上記目標となる有効エネルギー(目標エネルギー)の値の差に応じて、上記レーザ源20を制御して計算された有効エネルギーが上記目標エネルギーに一致するように(あるいは、その差がある範囲内に入るように)制御する。
なお、後述する第2の実施例で説明するように、レーザ源20にKrFエキシマレーザを用いる場合、上記有効エネルギーの値とレーザパルス波形の第1のピーク値の大きさは相関が高く、この第1のピークの大きさを、目標となるピーク値に一致するように(あるいは、その差がある範囲内に入るように)制御しても、同等の効果が得られる。
図1を用いて、上記有効エネルギーを計算して有効エネルギーが目標エネルギーに一致するように制御する場合について、エネルギー制御の手順について説明する。
まず、レーザパルスの立ち上がりからGaNの温度が最も高くなるまでの時間T(図11参照)を設定する。この時間Tは、ワークの種類(大きさや厚さなどの違い)により異なる。本実施例に使用したワークについては、実験や計算などから、レーザパルスの立ち上がりからGaNの温度が最も高くなるまでの時間は、前記図12で説明したように、10nsから15nsの範囲と考えられ、ここでは、時間T=12nsとした。
ここで、実験等により、ワークにレーザを照射し、そのパルスエネルギーを変化させて、時間T=12ns即ちレーザパルスの立ち上がりから12ns間の有効エネルギーを求め、各有効エネルギーにおいてGaNが剥離できるかどうかについて調べた。
表2にその結果について示す。同表は、複数のサンプルワークに対してあらかじめ設定した有効エネルギーでレーザ照射を行った時の、剥離したサンプルと剥離しなかったサンプルの数を示した表である。
Figure 0005500197
同表に示すように、有効エネルギー量が13.2mJ以下の場合においては、全てのサンプルワークについてGaNは剥離しなかった。一方、有効エネルギー量が13.6mJ以上になると、全てのサンプルワークについてGaNは剥離した。
この結果より、有効エネルギー量が13.6mJ以上であれば、GaNを確実に剥離することができる。しかし、エネルギー量が大きくなるとクラックが生じることが考えられる。そのため、有効エネルギー量を、13.6mJから14.0mJの範囲の値に設定しておけば、サファイア基板からGaNの結晶層を、確実にかつクラックが生じないように剥離できる。
この結果に基づき、入力部502から制御部50に、有効エネルギー量13.8mJを設定する。なお、制御部50には、時間T=12nsも入力されている。
制御部50は、まず、レーザ源20のコントローラ203に対し、レーザLを照射するように信号を送る。コントローラ203は、この信号に基づき、レーザLのパルスエネルギー量が予め設定された値になるような電圧を出力するように信号を送り、電源202は、チャンバ201に対して、レーザLのパルスエネルギー量が予め設定された値になるような電圧を印加する。チャンバ201内で放電が発生し、チャンバ201からレーザLが出射する。
レーザLがエネルギー計測器60とパルス波形計測器70に入射する。エネルギー計測器60はレーザLのパルスエネルギー量の値を、またパルス波形計測器70はレーザLのレーザパルス波形を、それぞれ制御部50に送る。
制御部50の演算部501は、パルスエネルギー量とレーザパルス波形に基づき、前記時間Tのエネルギー量(有効エネルギー量Ee)を演算する。制御部50は、この演算により求めた有効エネルギー量Eeと、入力している有効エネルギー量の設定値Eesp(例えば13.8mJ)とを比較し、有効エネルギー量Eeが13.8mJになるように、コントローラ203に対してレーザLのパルスエネルギーのフィードバック制御を行う。
このような制御をおこなうことにより、環境の変化等によりレーザパルス波形が変化し、有効エネルギー量が変化しても、有効エネルギー量が13.8mJになるようフィードバック制御され、有効エネルギー量を一定(もしくはある範囲内)に制御することができる。
次に、上記制御部50の具体的な構成例について説明する。
図2は本発明のレーザリフトオフ装置における制御部の具体的構成例を示す図であり、同図により本発明の第1の実施例について説明する。
レーザ源20は前記したようにチャンバ201、チャンバに放電のための電力を供給する電源202、電源を制御するコントローラ203を備え、コントローラ203により、電源202の充電電圧(あるいはチャンバ201のガス圧)を制御して、レーザ源20から出力されるレーザの出力パワーを制御する。
レーザ源20から出力されるレーザは、エネルギー計測器60、パルス波形計測器70を経てレーザ光学系40に入射し、ここでレーザビームの波形が整形され、ワークに照射される。レーザ源20から出力されるレーザの1パルスあたりのエネルギー量はエネルギー計測器60により計測され制御部50に送られる。また、レーザ源20から出力されるレーザパルスの波形は、パルス波形計測器70で計測され制御部50に送られる。
制御部50の電圧・パワー変換部51は、上記エネルギー計測器60により計測されたレーザパルスのエネルギー量(mJ)と、パルス波形計測器70で計測されたレーザパルス波形(電圧値)に基づき、レーザパルス波形の各時点における出力パワー(W)を求める(このようにパルス波形計測器70が出力する電圧を出力パワー(単位時間当たりのエネルギー)に換算したものをパワー波形Wpと言う)。すなわち、前記エネルギー計測器60により計測された前記図9に斜線で示した面積をレーザパルスの全エネルギーとし、パルス波形計測器70で計測されたレーザパルス波形の大きさ(波高値)に対応した電圧を出力パワー(W)に換算する。
一方、入力部56から有効エネルギー量を計算する時間幅T(図11に示したGaN結晶層の温度が最高温度になるまでの時間)が入力されており、有効エネルギー計算部52は、上記パワー波形Wpと上記時間幅Tとから、レーザパルスの有効エネルギー量Eeを求める。
比較部53は、入力部57から与えられる目標有効エネルギー量Eesp(条件だしで得られた最適有効エネルギー量、例えば前記13.8mJ)と上記実測された有効エネルギー量Eeとを比較し、その差をレーザ出力エネルギー制御部54に送出する。レーザ出力エネルギー制御部54は、上記差に基づきレーザ源20を制御するレーザ源制御信号Ceを求めて出力する。
レーザ源20のコントローラ203は、レーザ源20から出力されるレーザ源制御信号Ceに基づき電源202(あるいはチャンバ201の圧力、あるいはレーザ光学系に配置したアテネータの透過率)を制御する。
例えば上記比較部53は、以下の演算を行い、目標有効エネルギー量Eespと実測された有効エネルギー量Eeとの差erを求める。
差er=(有効エネルギー量Ee)−(目標有効エネルギー量Eesp)
上記レーザ出力エネルギー制御部54は、以下の演算を行い、レーザ源制御信号Ceを算出する。
レーザ源制御信号Ce=−K×(dE/dEe)×(差er)
ここで、Kは比例定数(ゲイン)、Eはレーザパルスの全エネルギー量、Eeは有効エネルギー量であり、(dE/dEe)は有効エネルギー量の変化量に対する全エネルギー量の変化量を表す。なお、レーザの全エネルギー量Eの変化量ΔEに対する有効エネルギーEeの変化量ΔEeは略比例関係にあることが確認されており、上記(dE/dEe)は略一定で、その値は実験等で求めることができる。
レーザ源制御信号Ceがレーザ源20に出力されることにより、上記レーザ源20は、レーザ源制御信号Ceに応じてレーザ出力を増加(あるいは減少)させ、出力されるレーザパルスの有効エネルギーを増加(あるいは減少)させる。
すなわち、有効エネルギー量Eeが目標有効エネルギー量Eespに一致するようにフィードバック制御され、有効エネルギー量Eeを一定(もしくはある範囲内)に制御することができる。
図3は上記第1の実施例の変形例を示す図である。
本変形例は、前記図2に示したものからエネルギー計測器60を除去し、パルス波形計測器70により計測したレーザパルス波形の各時点の波高値を電圧・パワー変換部55で出力パワーに換算するように構成したものである。電圧・パワー変換部55は、例えばパルス波形計測器70が出力するレーザパルスの大きさ(波高値)に対応した電圧を出力パワー(W)に変換する換算テーブル55aを備えており、パルス波形計測器70が出力する電圧を出力パワーに変換する。
上記換算テーブル55aは、例えば予め図示しないエネルギー計測器でレーザパルスの1パルスあたりのエネルギーを計測するとともに、パルス波形計測器70でレーザパルス波形を計測し、その結果からパルス波形計測器70の出力電圧と出力パワーの関係を求め、テーブルに記憶したものである。
その他の構成及び動作は、前記図2で説明したとおりであり、有効エネルギー量Eeが目標有効エネルギー量Eespに一致するようにレーザ源20を制御する。
上記の実施例においては、レーザパルスの立ち上がりから時間Tの間のエネルギーを有効エネルギーと定義し、この有効エネルギーが一定になるように制御を行っている。
しかし、要は、レーザ照射によりGaNが達する最高温度が一定になるように有効エネルギーを制御すればよく、他の方法も考えられる。
その一つとして、レーザのパルス波形の最初のピークの高さが一定になるように制御することが考えられる。
レーザ源として例えばKrFエキシマレーザを用いる場合、そのレーザパルス波形は概ね前記図9に示した波形であり、前記したようにレーザのパルス波形の最初のピークの高さが一定になるように制御することで、有効エネルギーもほぼ一定に制御されるものと考えられる。
すなわち、GaNの最高到達温度は有効エネルギーの大きさに依存し、有効エネルギーの大きさは照射するレーザのパルス波形における最初のピーク(第1のピーク)の高さに依存しており、最初のピークの高さが高いほど、GaNの最高到達温度は高くなり、最初のピークの高さが低いとGaNの最高到達温度は低くなると考えられる。
したがって、レーザパルスの最初のピーク値を制御することで、有効エネルギーを制御するのと同等の効果が得られるものと考えられる。
図4は、上記のように最初のピークの高さを制御するようにした本発明の第2の実施例の制御部の構成例を示す図である。
有効エネルギーとレーザパルスの最初のピークの高さPmaxは相関していると考えられるので、まず、実験等により、有効エネルギーEeと最初のピークの高さPmaxの関係を求めておく。
そして、前記表2により、GaNの結晶層を剥離できる有効エネルギーに対応したピーク値を設定する。この値をピーク値の設定値Pspとして、図4の入力部59から入力する。
図5にレーザパルス波形における第1のピークを示す。横軸は時間、縦軸はパワーである。
なお、パルスエネルギーを変化させ、レーザパルス波形における第1のピークの高さを変化させながらサンプルワークにレーザを照射し、GaNが剥離できるかどうかについて調べ、その結果から、サファイア基板からGaNの結晶層を、確実にかつクラックが生じないように剥離できる第1のピークの高さPmaxを求めてもよい。
レーザ源20は前記したようにレーザガスチャンバ201、レーザガスチャンバ201に放電のための電力を供給する電源202、電源を制御するコントローラ203を備え、コントローラ203により、電源202の充電電圧(あるいはチャンバ201のガス圧、あるいはレーザ光学系に配置したアテネータの透過率)を制御して、レーザ源20から出力されるレーザの出力パワーを制御する。
レーザ源20から出力されるレーザは、エネルギー計測器60、パルス波形計測器70を経てレーザ光学系40に入射し、ここでレーザビームの波形が整形され、ワークに照射される。レーザ源20から出力されるレーザの1パルスあたりのエネルギー量はエネルギー計測器60により計測され制御部50に送られる。また、レーザ源20から出力されるレーザパルスの波形は、パルス波形計測器70で計測され制御部50に送られる。
制御部50の電圧・パワー変換部55は、上記エネルギー計測器60により計測されたレーザパルスのエネルギー量(mJ)と、パルス波形計測器70で計測されたレーザパルス波形(電圧)に基づき、前記したようにレーザパルス波形の各時点における出力パワー(W)を求め、パワー波形Wpを得る。
ピーク値検出部58は、上記パワー波形Wpからレーザのパルス波形の最初のピークの高さPmaxを検出する。
比較部53は、入力部59から与えられる目標ピーク値Pspと、ピークの高さPmaxとを比較し、その差をレーザ出力エネルギー制御部54に送出する。
レーザ出力エネルギー制御部54は、上記差に基づきレーザ源20を制御するレーザ源制御信号Ceを求めて出力する。
例えば上記比較部53は、以下のように目標ピーク値Pspと、ピークの高さPmaxの差erを求める。
差er=(ピークの高さPmax)−(目標ピーク値Psp)
上記レーザ出力エネルギー制御部54は、以下の演算を行い、レーザ源制御信号Ceを算出する。
レーザ源制御信号Ce=−K×(dE/dPmax)×(差er)
ここで、Kは比例定数(ゲイン)、Eはレーザパルスの全エネルギー量、Pmaxはレーザパルスの第1のピークの高さであり、(dE/dPmax)は第1のピークの高さの変化量に対する全エネルギー量の変化量を表す。
なお、前記したようにレーザの全エネルギー量Eの変化量ΔEに対する有効エネルギーEeの変化量ΔEeは比例関係にあることが確認されており、また、前記したように第1のピークの高さと有効エネルギーは対応しているものと考えられるから、前記(dE/dEe)と同様、上記(dE/dPmax)は略一定になるものと考えられる。
レーザ源制御信号Ceがレーザ源20に出力されることにより、上記レーザ源20は、レーザ源制御信号Ceに応じてレーザ出力を増加(あるいは減少)させ、出力されるレーザパルスの第1のピークの高さPmaxを増加(あるいは減少)させる。
すなわち、ピークの高さPmaxが目標ピーク値Pspに一致するようにフィードバック制御され、ピークの高さPmaxを一定(もしくはある範囲内)に制御することができる。これにより、有効エネルギー量を一定にすることができる。
なお、本実施例においても、前記図3に示したように、エネルギー計測器60を除去し、電圧・パワー変換部にパルス波形計測器の出力を出力パワー(W)に変換する換算テーブルを設け、パルス波形計測器70により計測したレーザパルス波形の各時点の波高値を、出力パワーに換算するように構成してもよい。
1 サファイア基板
2 材料層(GaN結晶層)
3 サポート基板
10 レーザリフトオフ装置
20 レーザ源
31 ワークステージ
32 搬送機構
40 レーザ光学系
50 制御部
51,55 電圧・パワー変換部
52 有効エネルギー計算部
53 比較部
54 レーザ出力エネルギー制御部
56,57,59 入力部
58 ピーク値検出部
60 エネルギー計測器
70 パルス波形計測器
201 レーザガスチャンバ
202 電源
203 コントローラ
501 演算部
502 入力部
W ワーク

Claims (6)

  1. 基板上に材料層が形成されてなる前記基板を通してパルスレーザを照射し、前記基板と前記材料層との界面で前記材料層を前記基板から剥離するレーザリフトオフ装置であって、前記基板を透過すると共に前記材料層を分解するために必要な波長域のパルスレーザを発生するレーザ源と、
    前記パルスレーザが入射され、該パルスレーザのレーザパルス波形を測定するパルス波形計測手段と、
    前記パルス波形計測手段により計測されたレーザパルス波形を用いて該レーザパルス波形における各時点の出力パワーを求め、該出力パワーに基づき、前記材料層との界面で前記材料層を前記基板から剥離するに必要なレーザの照射量を求め、前記レーザ源を制御する制御部とを備えた
    ことを特徴とするレーザリフトオフ装置。
  2. 前記レーザ源から出射するパルスレーザの1パルスあたりのエネルギー量を測定するエネルギー計測器を備え、
    前記制御部は、前記パルス波形計測器により計測されたレーザパルス波形と、前記エネルギー計測器により計測されたエネルギー量に基づき、前記レーザパルス波形における各時点の出力パワーを求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザリフトオフ装置。
  3. 前記制御部は、レーザパルスの立ち上がり時点から予め定められた時間の範囲内のエネルギー量を演算する演算手段を備え、該エネルギー量が一定になるように前記レーザ源を制御する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザリフトオフ装置。
  4. 前記レーザ源はKrFエキシマレーザであり、前記制御部は、レーザパルス波形のピーク値を求める手段を備え、該ピーク値が一定になるように前記レーザ源を制御する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザリフトオフ装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のレーザリフトオフ装置を用いたレーザリフトオフ方法であって、
    前記基板を通して材料層に照射されるレーザパルス波形を計測し、レーザパルスの立ち上がり時点から予め定められた時間の範囲内のエネルギー量Eeを演算する第1の工程と、
    前記エネルギー量Eeが、前記材料層を前記基板から剥離するに必要なエネルギー量となるように前記レーザ源を制御して、前記基板上に形成された材料層にレーザを照射する第2の工程からなる
    ことを特徴とするレーザリフトオフ方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載のレーザリフトオフ装置を用いたレーザリフトオフ方法であって、前記レーザ源はKrFエキシマレーザであり、
    前記基板を通して材料層に照射されるレーザパルス波形を計測し、該レーザパルス波形に基づき、レーザパルス波形における各時点の出力パワーのピーク値Pを求める第1の工程と、
    前記レーザ波形のピーク値Pが、前記材料層を前記基板から剥離するに必要な前記ピーク値になるように、前記レーザ源を制御して、前記基板上に形成された材料層にレーザを照射する第2の工程からなる
    ことを特徴とするレーザリフトオフ方法。
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