JP5499963B2 - ピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液及びその製造方法 - Google Patents

ピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液及びその製造方法 Download PDF

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    • C08G77/26Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen nitrogen-containing groups

Description

本発明は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等に有用な水溶液、更に詳しくは、分子内にピペラジニル基を有するシラノール化合物水溶液及びその製造方法に関するものである。
従来、アミノ基を有する有機ケイ素化合物はシランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤等に有用であることが知られている。特に、高分子材料の機械的特性や耐熱性を向上させる目的で無機材料(例えば、ガラス繊維、金属、酸化物充填剤)を添加する場合、上記有機ケイ素化合物を用いることで、高分子材料と無機材料との密着性向上や無機材料の分散状態が良くなることが知られており、期待される添加効果がより高くなることが知られている。
上記のような有機ケイ素化合物を含め、シランカップリング剤は、使用する際の混合プロセス中には相当量のアルコールが発生することが公知である。近年、地球温暖化や健康問題等に関係の深い環境問題において、揮発性有機化合物の削減が大きなテーマとして挙げられており、シランカップリング剤から発生するアルコール量を削減することで揮発性有機化合物の削減に取り組む開発が行われている。以前、本発明者らは、γ位に3級アミノ基を有するプロピルシラノール化合物水溶液を用いることで、上記添加効果を高めつつ、揮発性有機化合物の削減が可能なことを見出した(特開2008−111023号公報:特許文献1)。
しかしながら、上記γ位に3級アミノ基を有するプロピルシラノール化合物はアミノ基を有するものの、2種類以上の材料の密着性を向上させる際に、不十分な場合があった。
特開2008−111023号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アミノ基とケイ素部位以外に官能基を有し、使用した際に異なる材料同士の密着性を高めることができるピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)
Figure 0005499963

(式中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。nは0〜2の整数である。)
で示されるピペラジニル基含有シラノール化合物とその脱水縮合体を含有する水溶液を用いることで、2種類以上の異なる材料の密着性が非常に向上し、かつ、揮発性有機化合物の発生を抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記ピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液及びその製造方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)
Figure 0005499963

(式中、R1は炭素数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基又はアリール基である。nは0〜2の整数である。)
で示されるピペラジニル基含有シラノール化合物と、その脱水縮合物として上記一般式(1)において、分子間で、シラノールとシラノール及び/又はシラノールと炭素上の水酸基とが脱水縮合したオリゴマーとを含有し、揮発性アルコールとしてメタノール又はエタノールの含有量が水溶液中10質量%未満であるピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液。
請求項2:
ケイ素原子1モルに対して、水が3〜20,000モルであることを特徴とする請求項1記載のピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液。
請求項3:
下記一般式(2)
Figure 0005499963

(式中、R1 炭素数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R 2 はメチル基又はエチル基であり、nは0〜2の整数である。)
を水中へ添加し、副生する揮発性アルコールとしてメタノール又はエタノールを除去することを特徴とする請求項1又は2記載のピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
本発明によれば、上記ピペラジニル基含有シラノール化合物とその脱水縮合体を含有する水溶液を用いることにより、2種類以上の異なる材料の密着性を高め、それらを含む複合材料に高い機械的特性や耐熱性を付与することができる。また、発生するアルコールはなく、揮発性アルコールの含有量が少ないため、使用時に揮発するアルコールも抑制できる。
合成例1で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 合成例1で得られた化合物のIRスペクトルである。 合成例2で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 合成例2で得られた化合物のIRスペクトルである。 合成例3で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 合成例3で得られた化合物のIRスペクトルである。
本発明の水溶液は、下記一般式(1)
Figure 0005499963

(式中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。nは0〜2の整数である。)
で示されるピペラジニル基含有シラノール化合物とその脱水縮合体を含有し、揮発性アルコール、例えばメタノール、エタノール等の含有量が10質量%未満の水溶液である。
上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基等が例示される。また、置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
上記一般式(1)で示される化合物としては、具体的には、1−トリヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−メチルジヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−ジメチルヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−エチルジヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−ジエチルヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−プロピルジヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−ジプロピルヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−イソプロピルジヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン、1−ジイソプロピルヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタン等が挙げられる。
上記一般式(1)で示されるシラノール化合物の脱水縮合体としては、一般式(1)において、分子間で、シラノールとシラノール及び/又はシラノールと炭素上の水酸基とが脱水縮合したダイマー、トリマー、テトラマー等のオリゴマーが挙げられる。この場合、式(1)の化合物と上記オリゴマーの割合は、質量比として、通常99:1〜1:99、特に99:1〜10:90である。
本発明の水溶液は、下記一般式(2)
Figure 0005499963

(式中、R1及びR2は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
を水中へ添加し、副生する揮発性アルコールを除去することで製造できる。
上記一般式(2)において、R1は上記の通りである。R2は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の1価炭化水素基であり、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基等が例示される。また、置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
上記一般式(2)で示される化合物としては、具体的には、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジエトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−メトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−エトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジメチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−メトキシ−2−エチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−エトキシ−2−エチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジエチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−メトキシ−2−プロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−エトキシ−2−プロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジプロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−メトキシ−2−イソプロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−エトキシ−2−イソプロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジイソプロピル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン等が挙げられる。
上記一般式(2)を水中へ添加する際の条件は、特に制限はないが、圧力は、好ましくは常圧又は1kPa程度の減圧であり、温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。また、水中への添加、熟成時間(反応時間)は、0.5〜20時間が好ましく、より好ましくは1〜10時間、更に好ましくは1〜5時間である。
水の量に特に制限はないが、水の量が少ないほど生産性がよく、また運搬コストがかからないため、ケイ素原子1モルに対して水が3〜20,000モル、好ましくは水が3〜100モル、更に好ましくは水が3〜50モルである。また、濃度が高い場合は、使用前に希釈して使用することも可能である。
発生する揮発性アルコールは、一般式(2)を水中へ添加する際又は添加した後に除去することができ、その際の条件は、特に制限はないが、圧力は、好ましくは常圧又は減圧であり、温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。揮発性アルコールの含有量は水溶液に対して10質量%未満であればよいが、含有量は少ないほど使用時に揮発するアルコールが少ないため、好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下がよい。
水溶液は、溶媒で希釈して使用することも可能で、溶媒としては、特に制限はないが、水等のプロトン性極性溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。また、pH調整剤として、酸又は塩基を使用してもよい。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、水溶液中に、顔料、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、フィルム形成剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、染料、重合開始剤、重合促進剤等から選択される他の添加剤の1種以上を含有するものであってもよい。
本発明の水溶液は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等に好適に用いられる。
以下、合成例、実施例、応用例、比較応用例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1] 2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、メチルピペラジン30g(0.30モル)を仕込み、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン71g(0.30モル)を85〜95℃で4時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌して、透明な反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで、沸点140〜142℃/0.4kPaの透明留分を39g得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図1には1H−NMRスペクトルのチャート、図2にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 304,273,234,139,113
以上の結果より、得られた化合物は2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンであることが確認された。
[実施例1] 1−トリヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタンを含有した水溶液
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計を備えた100mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水54gを仕込み、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン36gをゆっくりと滴下した。常圧下、60℃で1時間熟成した後、加熱しながら生成したメタノールをゆっくりと抜き出し、塔頂温が100℃に達した所で加熱を止め、冷却した。得られた水溶液に不揮発分が32〜33質量%となるように純水を加え、濃度を調製した後、ろ過することで透明な水溶液が得られた。ガスクロマトグラフィー(内部標準法)による分析の結果、残留メタノールは0.3質量%であった。熱風オーブン中、105℃で3時間加熱乾固したところ、不揮発分は32質量%であった。また、室温で1ヶ月以上放置しても更なるメタノールは発生せず、ゲル状化合物等も発生せず水溶液は透明のままであり、室温で安定に保存できた。また、純水で25倍に希釈しても更なるメタノールを生成することはなかった。希釈後の水溶液も室温で安定に保存できた。
[合成例2] 2,2−ジエトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンの合成
合成例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりにγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを用いて反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで、沸点145〜147℃/0.2kPaの透明留分を40g得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図3には1H−NMRスペクトルのチャート、図4にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 332,287,262,139,113
以上の結果より、得られた化合物は2,2−ジエトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンであることが確認された。
[実施例2] 1−トリヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタンを含有した水溶液
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計を備えた100mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水54gを仕込み、2,2−ジエトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン36gをゆっくりと滴下した。常圧下、60℃で1時間熟成した後、加熱しながら生成したエタノールをゆっくりと抜き出し、塔頂温が100℃に達した所で加熱を止め、冷却した。得られた水溶液に不揮発分が32〜33質量%となるように純水を加え、濃度を調製した後、ろ過することで透明な水溶液が得られた。ガスクロマトグラフィー(内部標準法)による分析の結果、残留エタノールは1.2質量%であった。熱風オーブン中、105℃で3時間加熱乾固したところ、不揮発分は32質量%であった。また、室温で1ヶ月以上放置しても更なるエタノールは発生せず、ゲル状化合物等も発生せず水溶液は透明のままであり、室温で安定に保存できた。また、純水で25倍に希釈しても更なるエタノールを生成することはなかった。希釈後の水溶液も室温で安定に保存できた。
[合成例3] 2−エトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンの合成
合成例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりにγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを用いて反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで、沸点133〜135℃/0.3kPaの透明留分を18g得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図5には1H−NMRスペクトルのチャート、図6にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 302,287,257,139,113
以上の結果より、得られた化合物は2−エトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンであることが確認された。
[実施例3] 1−メチルジヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタンを含有した水溶液
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計を備えた100mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水36gを仕込み、2−エトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンで36gをゆっくりと滴下した。常圧下、60℃で1時間熟成した後、加熱しながら生成したエタノールをゆっくりと抜き出し、塔頂温が100℃に達した所で加熱を止め、冷却した。得られた水溶液に不揮発分が32〜33質量%となるように純水を加え、濃度を調製した後、ろ過することで透明な水溶液が得られた。ガスクロマトグラフィー(内部標準法)による分析の結果、残留エタノールは0.8質量%であった。熱風オーブン中、105℃で3時間加熱乾固したところ、不揮発分は32質量%であった。また、室温で1ヶ月以上放置しても更なるエタノールは発生せず、ゲル状化合物等も発生せず水溶液は透明のままであり、室温で安定に保存できた。また、純水で25倍に希釈しても更なるエタノールを生成することはなかった。希釈後の水溶液も室温で安定に保存できた。
[応用例]
接着性の測定法
水溶液を用いて処理したガラス繊維に付着した樹脂ドロップ(マイクロドロップレット)を固定し、ガラス繊維を引き抜くときの最大荷重を求め、これからガラスと樹脂との界面せん断強度を測定した。測定には、複合材界面特性評価装置HM410(東栄産業(株)製)を用いた。
界面せん断強度は、用いたガラス繊維の直径及び樹脂ドロップの長さ、引き抜き最大荷重から以下の式で求めた。
界面せん断強度(N/m2)=最大引き抜き荷重/(π×繊維直径×ドロップ長さ)
無処理のガラス繊維サンプルを用いて得られた界面せん断強度を100とした場合における、ガラス繊維組成物サンプルの相対界面せん断強度を求めた。数値が大きい程接着性が優れる。
試験片の作製に用いた樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン エポキシ レジン(株)製エピコート828)100gに対し、硬化剤としてトリエチレンテトラミン11gを混合したものである。硬化条件は80℃で90分、100℃で120分とした。
[応用例1]
実施例1にて得られた1−トリヒドロキシシリル−6−ヒドロキシ−7−(4−メチルピペラジニル)−4−オキサヘプタンを含有した水溶液(不揮発分32質量%)を25倍に希釈し、希釈水溶液に約300mmの長さに切断したガラス繊維(直径約23μm)を30分間浸漬し、取り出した後、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって処理ガラス繊維を得た。得られたガラス繊維に上記の方法で硬化したエポキシ樹脂ドロップを固定し、ドロップ引き抜き時の最大荷重を測定して求めた相対界面せん断強度は208であった。
[比較応用例1]
実施例1において、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンの代わりに、4−メチルピペラジニルプロピルトリメトキシシランを用いること以外は同様にして、不揮発分32質量%の水溶液を得た。得られた水溶液を25倍に希釈し、希釈水溶液に約300mmの長さに切断したガラス繊維(直径約23μm)を30分間浸漬し、取り出した後、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって処理ガラス繊維を得た。得られたガラス繊維に上記の方法で硬化したエポキシ樹脂ドロップを固定し、ドロップ引き抜き時の最大荷重を測定して求めた相対界面せん断強度は176であった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005499963

    (式中、R1は炭素数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基又はアリール基である。nは0〜2の整数である。)
    で示されるピペラジニル基含有シラノール化合物と、その脱水縮合物として上記一般式(1)において、分子間で、シラノールとシラノール及び/又はシラノールと炭素上の水酸基とが脱水縮合したオリゴマーとを含有し、揮発性アルコールとしてメタノール又はエタノールの含有量が水溶液中10質量%未満であるピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液。
  2. ケイ素原子1モルに対して、水が3〜20,000モルであることを特徴とする請求項1記載のピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液。
  3. 下記一般式(2)
    Figure 0005499963

    (式中、R1 炭素数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R 2 はメチル基又はエチル基であり、nは0〜2の整数である。)
    を水中へ添加し、副生する揮発性アルコールとしてメタノール又はエタノールを除去することを特徴とする請求項1又は2記載のピペラジニル基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
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