JP5499508B2 - 船舶用方位制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶用方位制御装置に係り、特に、方位を検出すると共にかつ回転方向推進力を発生し得る船舶の方位を風や潮流などの外乱の方位に自動的に保持させるうえで好適な船舶用方位制御装置に関する。
従来、船舶の方位を制御する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、GPSを用いて船舶の絶対位置を検出し、その検出した絶対位置を目標の絶対位置と比較する。また、ジャイロを用いて船舶の方位を検出し、その検出した方位を横制御力指令値に基づく方位角指令値と比較する。そして、船舶の絶対位置の偏差及び方位角の偏差に基づいて、前後方向や横方向,旋回方向の制御力を演算し、その配分を制御する。この制御力配分制御は、外乱の合力方位と船舶の方位とが一致するように、すなわち、横制御力が零になるように行われる。従って、上記の制御装置によれば、横制御力が零になるように船舶の方位が制御されるので、船舶の方位を外乱の方位に自動的に保持することが可能である。
特開2000−302098号公報
しかし、上記した特許文献1記載の装置では、船舶の方位を外乱の方位に保持するのに、船舶方位を検出するためのジャイロと共に、船舶位置を検出するためのGPS受信機が必要である。このため、船舶の方位を外乱の方位に保持するうえで、装置としての構成が複雑化し、コストが増加してしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で船舶の方位を風や潮流等による外乱方位に保持させることが可能な船舶用方位制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、方位を検出する方位検出手段と、回転方向推進力を発生する回転方向推進力発生手段と、を有する船舶の方位を外乱の方位に自動保持する船舶用方位制御装置であって、前記方位検出手段により検出される方位と外乱推定方位とのずれ量に基づいて、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算する回転方向推進力演算手段と、前記回転方向推進力発生手段により回転方向推進力が発生された後、前記回転方向推進力演算手段により演算される回転方向推進力がほぼ零になるまで、該演算される回転方向推進力の大きさに応じて外乱推定方位を更新する外乱推定方位更新手段と、を備え、前記回転方向推進力演算手段は、前記外乱推定方位更新手段により前記外乱推定方位が更新された場合に、前記方位検出手段により検出される方位と該更新後の外乱推定方位とのずれ量に基づいて、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算する船舶用方位制御装置により達成される。
この態様の発明において、船舶に発生させるべき回転方向推進力の演算は、検出される船舶方位と外乱推定方位とのずれ量に基づいて行われる。そして、船舶が回転方向推進力を発生すると、その後、演算される回転方向推進力がほぼ零になるまで、演算される回転方向推進力の大きさに応じて外乱推定方位が更新される。尚、外乱推定方位の更新が行われるごとに、上記した船舶に発生させるべき回転方向推進力の演算結果が変化し得る。かかる構成によれば、船舶を外乱の方位に向けることができる。この場合、船舶を外乱の方位に向けるのに、船舶方位を検出したうえで、船舶に与える回転方向推進力を制御しつつ外乱推定方位を更新すれば十分である。従って、本発明によれば、船舶方位を検出する機器を用いるだけの簡易な構成で、風や潮流等による外乱がある場合にも船舶の方位をその外乱の方位に保持させることができる。
尚、上記した船舶用方位制御装置において、前記外乱推定方位更新手段は、外乱推定方位を、前記回転方向推進力演算手段により演算される回転方向推進力の積算値に応じた方位に更新することとしてもよい。
この態様の発明において、外乱推定方位は、回転方向推進力の積算値に応じて方位に更新される。この場合、回転方向推進力が零になれば、外乱推定方位は一定に保持されることとなるので、船舶方位を外乱方位に保持させることができる。
また、上記した船舶用方位制御装置において、前記回転方向推進力演算手段は、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算するのに、前記ずれ量及び該ずれ量の時間微分値を用いることとしてもよい。
この態様の発明において、船舶に発生させるべき回転方向推進力は、船舶方位の外乱推定方位からのずれ量とその時間微分値とに応じたものとなる。このため、船舶方位を適切に外乱推定方位に保持させることができる。また、かかる構成においては、船舶に発生させるべき回転方向推進力を演算するのに、上記したずれ量の時間積分値を用いないので、船舶方位と外乱推定方位との関係について定常偏差を残すことができる。このため、風や潮流等による外乱が変化する場合にも船舶をその外乱方位に向かせることができる。
更に、上記した船舶用方位制御装置において、外乱推定方位の初期値は、船舶方位の制御開始時に前記方位検出手段により検出される方位であることとしてもよい。
この態様の発明によれば、船舶方位の制御開始直後においては、船舶方位をその制御開始当初のものに保持させることができる。
本発明によれば、簡易な構成で船舶の方位を風や潮流等による外乱方位に保持させることができる。
本発明の一実施例である船舶用方位制御装置の構成図である。 本実施例において用いられる符号の定義を表した図である。 本実施例の船舶用方位制御装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明に係る船舶用方位制御装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施例である船舶用方位制御装置10の構成図を示す。また、図2は、本実施例において用いられる符号の定義を表した図を示す。
本実施例の船舶用方位制御装置(以下、単に制御装置と称す)10は、船舶12(その船首又は船尾)の向く方位を自動的に風や潮流などの外乱(船舶12にとっては「風」が支配的である。)の向いている方位に保持させる装置である。船舶12は、船体に対して前後方向に推進力(以下、前後方向推進力と称す)を発生させる前後方向推進機構と、船体に対して横方向に推進力(以下、横方向推進力と称す)を発生させる横方向推進機構と、船体重心に回転方向の推進力(以下、回転方向推進力と称す)を発生させる旋回方向推進機構と、を有している。尚、本実施例においては、船舶12は、少なくとも旋回方向推進機構を有すればよい。
船舶12は、上記した推進機構を機能させる構成として2つの推進機14,16を備える2軸艇である。推進機14,16は、例えば、船体の船尾の左右対称となる位置に取り付けられる一対の船外機である。尚、推進機14,16は、船外機に限定されるものではなく、船内外機や船内機であってもよい。また、船舶12は、2つの推進機14,16を備える2軸艇に限定されるものではなく、前後進させるプロペラと操船させる舵とを有する1軸艇であってもよい。
船舶12は、舵取り操作やスロットル操作などの操船者による操船操作により推進機14,16を駆動させて航走することが可能であると共に、操船者による操船操作によることなく推進機14,16を駆動させて船舶方位を自動的に保持されることが可能である。船舶12のモードは、操船者によるスイッチ操作などに応じて、操船操作に応じて航走を行う通常航走モードと、自動的に船舶方位を保持する方位保持モードと、に切り替わることが可能である。
制御装置10は、上記した方位保持モードを実現すべく、マイクロコンピュータを主体に構成される電子制御ユニット(以下、ECUと称す)20を備えている。ECU20には、方位センサ22が電気的に接続されている。方位センサ22は、例えば磁気式などのセンサであり、船舶12の船首が向く方向(以下、船舶方位と称す)Ψに応じた信号を出力する。ECU20は、方位センサ22の出力信号に基づいて船舶12の船舶方位Ψを検出する。尚、船舶方位Ψは、例えば地軸を基準にして右回りを正とする角度である。
ECU20は、初期目標方位設定部24及び外乱推定方位設定部26を有している。初期目標方位設定部24には、方位センサ22を用いて検出される船舶方位Ψの情報が入力される。初期目標方位設定部24は、方位センサ22からの船舶方位Ψに基づいて、方位保持モードが開始された後の制御初期における船舶12の目標方位(初期目標方位)Ψ0を設定する。この初期目標方位Ψ0の情報は、外乱推定方位設定部26に入力される。外乱推定方位設定部26は、方位保持モードの制御初期において、初期目標方位設定部24からの初期目標方位Ψ0に基づいて、外乱推定方位θwハットの初期値(=Ψ0)を設定する。外乱推定方位設定部26は、また、外乱推定方位θwハットの初期値Ψ0の設定後は、方位保持モードにおいて、後述の如く、外乱推定方位θwハットを設定する。
ECU20は、また、ずれ演算部28、PD制御演算部30、及び外乱方位推定部32を有している。ずれ演算部28には、方位センサ22を用いて検出される船舶方位Ψの情報、及び、外乱推定方位設定部26において設定される外乱推定方位θwハットの情報がそれぞれ入力される。ずれ演算部28は、入力情報Ψ及びθwハットに基づいて、船舶方位Ψと外乱推定方位θwハットとのずれ量Ψe(偏差;Ψ−θwハット)を演算する。
このずれ量Ψeの情報は、PD制御演算部30に入力される。PD制御演算部30は、船舶方位Ψと外乱推定方位θwハットとのずれ量ΨeについてPD演算を行い、船舶12に発生させるべき船体重心の回転方向推進力τ3を演算する。そして、その演算した回転方向推進力τ3に応じた制御量を出力して、その回転方向推進力τ3が発生するように一対の推進機14,16を駆動する。尚、回転方向推進力τ3を発生させるうえでは、一対の推進機14,16それぞれの推進力を互いに異ならせることとすればよい。
また、演算した回転方向推進力τ3の情報は、外乱方位推定部32に入力される。外乱方位推定部32は、演算された回転方向推進力τ3に基づいて、外乱が入ってくる方位を推定する。この推定した外乱方位の情報は、外乱推定方位設定部26に入力される。外乱推定方位設定部26は、方位保持モードにおいて、外乱方位推定部32から外乱方位の情報が供給された場合、外乱推定方位θwハットをその外乱方位推定部32からの外乱方位に更新する。
次に、図3を参照して、本実施例の制御装置10の動作について説明する。図3は、本実施例においてECU20が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
本実施例において、操船者によるスイッチ操作などにより船舶モードが方位保持モードに設定されると(ステップ100の肯定判定時)、制御装置10によって船舶12の方位を自動的に外乱方位に保持させる制御(方位保持制御)が開始される。方位保持制御が開始されると(ステップ102の肯定判定時)、制御装置10のECU20は、まず、方位センサ22からの出力信号に基づいて船舶12の船舶方位Ψを検出し(ステップ104)、初期目標方位設定部24にてその検出船舶方位Ψを船舶12の初期目標方位Ψ0に設定し(ステップ106)、外乱推定方位設定部26にてその初期目標方位Ψ0を外乱推定方位θwハットの初期値に設定する(ステップ108)。
初期目標方位設定部24及び外乱推定方位設定部26にて初期目標方位Ψ0及び外乱推定方位θwハットの初期値が設定された場合には、その設定時点では船舶12はその初期目標方位Ψ0及び外乱推定方位θwハットの初期値に向いているので、ずれ演算部28の演算するずれ量Ψeは零である(ステップ110)。このため、この際、PD制御演算部30の演算する船舶12に発生させるべき回転方向推進力τ3は零であり(ステップ112)、船舶12に推進機14,16による回転方向の推進力は付与されない。
また、制御開始後(ステップ102の否定判定時)、上記の如く船舶12に推進機14,16による回転方向の推進力が付与されていない状況で外乱の方位が初期目標方位Ψ0すなわち外乱推定方位θwハットの初期値(その設定直後の場合に限る。)又は更新値(その更新後の場合に限る。)に一致するときは、船舶12の向く方位は変化せずにその外乱の方位に一致するので、船舶12がその外乱の作用によって回転することは無い。このため、制御開始後、外乱の方位が、その時点で設定されている外乱推定方位θwハットに一致する限りにおいては、検出船舶方位Ψ(ステップ114で検出される。)と設定されている外乱推定方位θwハットとが一致し(ステップ116)、PD制御演算部30の演算する船舶12に発生させるべき回転方向推進力τ3は零であり(ステップ118)、船舶12に推進機14,16による回転方向の推進力が付与されない状態が継続される(ステップ120)。
一方、制御開始後(ステップ102の否定判定時)、上記の如く船舶12に推進機14,16による回転方向の推進力が付与されていない状況で外乱の方位が初期目標方位Ψ0すなわち外乱推定方位θwハットの初期値(その設定直後の場合に限る。)又は更新値(その更新後の場合に限る。)からずれると、船舶12の方位はその外乱の方位からずれるので、船舶12がその外乱の作用によってほぼ重心回りに回転することとなる。このため、制御開始後、外乱の方位が、その時点で設定されている外乱推定方位θwハットからずれると、ずれ演算部28の演算する船舶方位Ψ(ステップ114で検出される。)とその時点で設定されている外乱推定方位θwハットとのずれ量Ψeが零でない値となる(ステップ116)。この場合、PD制御演算部30の演算する船舶12に発生させるべき回転方向推進力τ3は零でない値となり(ステップ118)、船舶12の方位が外乱の方位に向くように推進機14,16による回転方向の推進力が船舶12に付与されることとなる(ステップ120)。
尚、PD制御演算部30の回転方向推進力τ3の演算は、次式(1)に従って行われる。この演算される回転方向推進力τ3は、例えば、上記のずれ量Ψe自体が大きいほど大きな値になり、また、上記のずれ量Ψeの時間微分値が零に近いほど小さな値になりかつその時間微分値が零から遠いほど大きな値になる。但し、kp31,kd31はそれぞれ、制御パラメータであり、任意の値である。
τ3=−kp31・Ψe−kd31・dΨe/dt ・・・(1)
制御開始後、船舶12に推進機14,16による回転方向の推進力が付与されると、船舶12はほぼ重心回りに回転すると共に、外乱方位推定部32にてPD制御演算部30の演算した回転方向推進力τ3に基づいて次式(2)に従って外乱方位が推定される(ステップ122)。この推定される外乱方位は、例えば、方位保持制御の開始からの回転方向推進力τ3の時間積分値に応じたものとなる。但し、γwは、推定ゲインであり、任意の値である。
θwハット=γw・∫(τ3)dt ・・・(2)
外乱方位推定部32にて外乱方位が推定されると、外乱推定方位設定部26にて外乱推定方位θwハットの更新が行われる(ステップ122)。この更新は、外乱推定方位θwハットが外乱方位推定部32にて推定された外乱方位になるように行われる。
外乱推定方位θwハットの更新が行われると、その後は、ずれ演算部28にて方位センサ22による船舶方位Ψがその更新後の外乱推定方位θwハットと比較されて、PD制御演算部30にて回転方向推進力τ3の演算、及び、外乱方位推定部32にて外乱方位の推定が行われる。以後、PD制御演算部30の演算する船舶12に発生させるべき回転方向推進力τ3が零となるまで、同様の処理が繰り返し行われる。
そして、方位保持制御中において、外乱の方位が外乱推定方位設定部26にて設定される外乱推定方位θwハットに一致すれば、船舶12が外乱の作用によって回転することは無い一方で、外乱の方位が外乱推定方位設定部26にて設定される外乱推定方位θwハットからずれれば、船舶12がその外乱の作用によってほぼ重心回りに回転し得るが、この際は、船舶12の方位がその外乱の方位に向くように推進機14,16による回転方向の推進力が船舶12に付与されることとなる。
このように、本実施例においては、方位保持モードにおける方位保持制御の開始後、方位センサ22を用いて検出される船舶方位Ψと外乱推定方位設定部26にて設定される外乱推定方位θwハットとのずれ量に基づいて、船舶12に発生させるべき回転方向推進力τ3が演算されると共に、その演算した回転方向推進力τ3の大きさに応じて外乱推定方位θwハットが更新される。そして、この回転方向推進力τ3の演算及び外乱推定方位θwハットの更新は、その演算される回転方向推進力τ3が零になるまで繰り返し行われる。回転方向推進力τ3が零になれば、外乱推定方位θwハットは一定に保持される。
このため、本実施例によれば、方位保持制御の開始後、船舶12の方位が風や潮流などの外乱の作用によって変化する際にも、推進機14,16により回転方向推進力τ3を発生させて船舶12をその外乱の方位に向けることができ、これにより、船舶12の方位を、風や潮流などの外乱の合力である外乱方位に保持させることができる。
例えば、船舶12は微風のときを除き潮流の影響よりも風の影響を受けることが多く、船舶12の回転し易さは風の方が支配的であるので、船舶12の方位を風向に保持させることができ、船舶12を風上又は風下に向けることができる。このため、スパンカーだけでは風上に向かない船舶12においても、確実にその方位を風上に保持させることができる。また、波は潮流の影響よりも風の影響を受けて生じ易いので、このため、風がある程度あるときは、船舶12を風向に向けることで船舶12の方位を波に対して直交させることができ、乗員の乗り心地を向上させることが可能となる。
但し、風が微風であるときは、船舶12の方位を潮流方向に保持させることができ、船舶12を潮上側又は潮下側に向けることができる。船舶12の方位が潮流方向に保持されれば、船舶12が釣り船である場合に、乗員である釣り人の釣り糸を船舶12の前後方向に流すことができ、釣り糸が船舶12の直下に進入して切断されるのを防ぐことが可能となる。
上記した構成においては、船舶12を外乱方位に向けるのに、方位センサ22を用いて船舶方位Ψを検出したうえで、船舶12に付与する回転方向推進力τ3を制御しつつ外乱推定方位θwハットを更新すれば十分であって、外乱自体を直接に検出するための対水速度センサや風向センサなどを用いることは不要である。従って、本実施例の船舶用方位制御装置10によれば、船舶方位を検出する機器を用いるだけの簡易な構成で、船舶の方位を風や潮流等による外乱の方位に保持させることが可能となっている。このため、船舶12を外乱方位に向けるうえで低コスト化を図ることができる。
尚、本実施例において、ECU20にて回転方向推進力τ3を演算するうえでは、船舶方位Ψと外乱推定方位θwハットとのずれ量Ψeの時間積分値が用いられない。このため、外乱推定方位設定部26にて設定される外乱推定方位θwハットが外乱の入ってくる方位の真値(外乱真値方位)θwと異なる場合、定常状態において演算される回転方向推進力τ3に定常偏差が含まれることとなるが、かかる構成によれば、外乱の入ってくる方位θwが変化する場合にも、外乱推定方位θwハットを更新して船舶12をその外乱方位θw近傍に向かせるうえで適切な回転方向推進力τ3を演算することができ、その結果として、外乱変化が生じても、船舶12の方位をその外乱方位近傍に保持させることが可能となる。この点、本実施例によれば、外乱変化に柔軟に対応した方位保持制御を実現することができる。
ところで、上記の実施例においては、方位センサ22が特許請求の範囲に記載した「方位検出手段」に、一対の推進機14,16が特許請求の範囲に記載した「回転方向推進力発生手段」に、PD制御演算部30が特許請求の範囲に記載した「回転方向推進力演算手段」に、外乱推定方位設定部26が特許請求の範囲に記載した「外乱推定方位更新手段」に、それぞれ相当している。
尚、上記の実施例においては、方位保持制御において一対の推進機14,16により船舶12に回転方向の推進力τ3を付与して、その船舶12の方位を外乱方位に保持させることとしているが、この際同時に、船舶12に前後方向の推進力τ1を適切に付与することとしてもよい。かかる変形例によれば、外乱方位に向く船舶12がその外乱によって流される際に、その船舶12の前後方向の速度を調整することができ、場合によっては船舶12を定点保持させることが可能となる。
また、上記の実施例においては、船舶方位Ψと外乱推定方位θwハットとのずれ量Ψeに基づいて回転方向推進力τ3を演算し、上記(2)式に従って外乱方向を推定して外乱推定方向θwハットを更新することとしているが、その外乱方向の推定に用いる推定ゲインγwを、外乱の力の大きさに応じて変化させること、具体的には、外乱が小さいほど大きくし、外乱が大きいほど小さくすることとしてもよい。ゲインγwが大きいと、外乱の力が大きいほど、船舶方位Ψが外乱方位θwに近づいたときにオーバーシュートし易くなり、ハンチング(振動)が生じ易くなる。一方、ゲインγwが小さいと、外乱の力が小さいほど、船舶方位Ψが外乱方位θwに近づき難くなる。これに対して、上記した変形例の構成によれば、外乱推定方向θwハットの更新を外乱の大きさに応じて適切に行うことができ、船舶方位Ψを外乱方位θwに速やかにかつスムースに近づけることが可能となる。
但し、特異摂動法を用いれば、本実施例の制御系では、γwを十分に小さくした場合に制御系全体の安定性が保証されることが証明される。このため、γwを十分に小さくすれば、方位保持制御系の安定性を確保することが可能である。
10 船舶用方位制御装置
12 船舶
14,16 推進機
20 電子制御ユニット(ECU)
22 方位センサ
26 外乱推定方位設定部
30 PD制御演算部
32 外乱方位推定部
Ψ 船舶方位
θwハット 外乱推定方位
τ3 回転方向モーメント

Claims (4)

  1. 方位を検出する方位検出手段と、回転方向推進力を発生する回転方向推進力発生手段と、を有する船舶の方位を外乱の方位に自動保持する船舶用方位制御装置であって、
    前記方位検出手段により検出される方位と外乱推定方位とのずれ量に基づいて、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算する回転方向推進力演算手段と、
    前記回転方向推進力発生手段により回転方向推進力が発生された後、前記回転方向推進力演算手段により演算される回転方向推進力がほぼ零になるまで、該演算される回転方向推進力の大きさに応じて外乱推定方位を更新する外乱推定方位更新手段と、
    を備え、
    前記回転方向推進力演算手段は、前記外乱推定方位更新手段により前記外乱推定方位が更新された場合に、前記方位検出手段により検出される方位と該更新後の外乱推定方位とのずれ量に基づいて、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算することを特徴とする船舶用方位制御装置。
  2. 前記外乱推定方位更新手段は、外乱推定方位を、前記回転方向推進力演算手段により演算される回転方向推進力の積算値に応じた方位に更新することを特徴とする請求項1記載の船舶用方位制御装置。
  3. 前記回転方向推進力演算手段は、前記回転方向推進力発生手段により発生させるべき回転方向推進力を演算するのに、前記ずれ量及び該ずれ量の時間微分値を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の船舶用方位制御装置。
  4. 外乱推定方位の初期値は、船舶方位の制御開始時に前記方位検出手段により検出される方位であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の船舶用方位制御装置。
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