JP2007160972A - 水中航走体の航路制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中航走体の姿勢を制御する水平スラスタおよび垂直スラスタの動力の省エネルギー化を図ることができる水中航走体の航路制御方法を提供すること。
【解決手段】機体2の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタ7を備えるとともに、予め定められた経路の上を航走するた水中航走体1であって、潮流の影響を受けて、針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水中航走体、特に、機体に取りつけられたセンサにより探査または観測を行う水中航走体の航路制御方法に関するものである。
機体に取りつけられたセンサにより探査または観測を行う水中航走体の航路制御方法としては、機体後方に配置された水平舵および垂直舵を利用するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平11−139392号公報
これに対して、水平舵および垂直舵と併用して、機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタおよび/または機体の上下方向に延びる垂直軸線に沿って配置された垂直スラスタを利用して、水中航走体の姿勢を制御するものもある。
しかしながら、水平スラスタおよび/または垂直スラスタを利用して水中航走体の姿勢を制御するものにあっては、航走中に潮流等の影響を受けて、定められた航路からずれた場合に、水平スラスタおよび/または垂直スラスタを用いて常に姿勢を制御(補正)するようにしていた。そのため、これら水平スラスタおよび垂直スラスタを駆動するための動力消費が増大してしまい(例えば、水平スラスタおよび垂直スラスタの駆動源が、バッテリー駆動の電動モータである場合には、バッテリーの消費量が増大してしまい)、効率的でないといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、水中航走体の姿勢を制御する水平スラスタおよび垂直スラスタの動力の省エネルギー化を図ることができる水中航走体の航路制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による水中航走体の航路制御方法は、機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタを備えるとともに、予め定められた経路の上を航走する水中航走体の航路制御方法であって、潮流の影響を受けて、定められた航路上を航走するために針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないようにしている。
このような水中航走体の航路制御方法によれば、針路と機体方位とのなす角度(ヨー角)が所定角度(例えば、10°)以下である場合には、水平スラスタが作動せず、水平スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
上記水中航走体の航路制御方法において、機体の上下方向に延びる垂直軸線に沿って配置された垂直スラスタを備え、潮流の影響を受けて、定められた航路上を航走するために船首尾線と水平面との間に差が生じ、この船首尾線と水平面とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記垂直スラスタが作動しないようにしているとさらに好適である。
このような水中航走体の航路制御方法によれば、船首尾線と水平面とのなす角度(ピッチ角)が所定角度(例えば、10°)以下である場合には、垂直スラスタが作動せず、垂直スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
上記水中航走体の航路制御方法において、前記水平スラスタおよび/または前記垂直スラスタが、目標針路と目標方位の差または潮流がない場合に一定の深度で航走するための目標ピッチと現在の目標ピッチ角との差に応じて水中航走体が迅速かつ的確に定められた航路上を航走するように制御されることになる。
このような水中航走体の航路制御方法によれば、水平スラスタおよび/または垂直スラスタが効率的に使用されることとなり、水平スラスタおよび/または垂直スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
本発明による水中航走体は、機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタを備えるとともに、予め定められた経路の上を航走する水中航走体であって、潮流の影響を受けて、定められた航路上を航走するために針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないように構成されている。
このような水中航走体によれば、針路と機体方位とのなす角度(ヨー角)が所定角度(例えば、10°)以下である場合には、水平スラスタが作動せず、水平スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
上記水中航走体において、機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタを備えるとともに、予め定められた経路の上を航走する水中航走体であって、潮流の影響を受けて、定められた航路上を航走するために針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないように構成されている。
このような水中航走体によれば、船首尾線と水平面とのなす角度(ピッチ角)が所定角度(例えば、10°)以下である場合には、垂直スラスタが作動せず、垂直スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
上記水中航走体において、前記水平スラスタおよび/または前記垂直スラスタが、目標針路と目標方位の差または潮流がない場合に一定の深度で航走するための目標ピッチ角と現在の目標ピッチ角との差に応じて作動するように構成されている。
このような水中航走体によれば、水中航走体の姿勢が、迅速かつ的確に制御(補正)されることとなる。また、水平スラスタおよび/または垂直スラスタが効率的に使用されることとなり、水平スラスタおよび/または垂直スラスタを駆動するための動力消費が抑制されることとなる。
本発明によれば、水中航走体の姿勢を制御する水平スラスタおよび垂直スラスタの動力の省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明による水中航走体の一実施形態について、図1ないし図5を参照しながら説明する。
図1は本実施形態による水中航走体1の概略平面図である。図1に示すように、本実施形態による水中航走体1は、機体2と、推進器3と、水平舵4と、垂直舵5と、水平スラスタ6と、垂直スラスタ7と、制御器8とを主たる要素として構成されたものである。
推進器3は、機体2の後端部に配置されているとともに、プロペラ3aを備えている。このプロペラ3aは、図示しない駆動源(例えば、バッテリー駆動の電動モータ等)により正回転または逆回転させられるものである。そして、このプロペラ3aが正回転または逆回転することによって、水中航走体1が前進または後進するようになっている。
水平舵4(「昇降舵」ともいう。)は、断面視翼型を有する板状の部材であり、機体2の後部から機体2の左右方向(幅方向)に延びる図示しない水平軸線に沿って、左右に一枚ずつ設けられている。また、これら水平舵4は、図示しない駆動源(例えば、バッテリー駆動の電動モータ等)により、機体2の左右方向に延びる図示しない水平軸線まわりに回動するように構成されている。そして、これら水平舵4が、その前縁が上方に、その後縁が下方に向かって移動するように回動することによって、水中航走体1が潜行(下降)するようになっている。逆に、この水平舵4が、その前縁が下方に、その後縁が上方に向かって移動するように回動することによって、水中航走体1が浮上(上昇)するようになっている。
垂直舵5(「方向舵」ともいう。)は、断面視翼型を有する板状の部材であり、機体2の後部から機体2の上下方向(高さ方向)に延びる図示しない垂直軸線に沿って、上下に一枚ずつ設けられている。また、これら垂直舵5は、図示しない駆動源(例えば、バッテリー駆動の電動モータ等)により、機体2の上下方向に延びる図示しない垂直軸線まわりに回動するように構成されている。そして、この垂直舵5が、その前縁が右方に、その後縁が左方に向かって移動するように回動することによって、水中航走体1が、前進の場合には進行方向左方に変針し(左回頭し)、後進の場合には進行方向右方に変針する(右回頭する)ようになっている。逆に、この垂直舵5が、その前縁が左方に、その後縁が右方に向かって移動するように回動することによって、水中航走体1が、前進の場合には進行方向右方に変針し、後進の場合には進行方向左方に変針するようになっている。
水平スラスタ6は、機体2の前部および後部に設けられており、各水平スラスタ6は、機体2の左右方向に延びる図示しない水平軸線に沿って機体2を貫通するスラスタトンネル6aと、このスラスタトンネル6aの略中央に配置されたスラスタプロペラ6bとを備えている。スラスタプロペラ6bは、図示しない駆動源(例えば、バッテリー駆動の電動モータ等)により正回転または逆回転させられるものである。そして、このスラスタプロペラ6bが、制御器8からの信号に応じて正回転または逆回転することによって、水中航走体1が左進または右進するようになっている。
垂直スラスタ7は、機体2の前部および後部に設けられており、各垂直スラスタ7は、機体2の上下方向に延びる図示しない垂直軸線に沿って機体2を貫通するスラスタトンネル7aと、このスラスタトンネル7aの略中央に配置されたスラスタプロペラ7bとを備えている。スラスタプロペラ7bは、図示しない駆動源(例えば、バッテリー駆動の電動モータ等)により正回転または逆回転させられるものである。そして、このスラスタプロペラ7bが、制御器8からの信号に応じて正回転または逆回転することによって、水中航走体1が浮上または潜行するようになっている。
制御器8は、水中航走体1が受ける潮流等の強さおよび向きに応じた信号を水平スラスタ6および/または垂直スラスタ7に送り、水平スラスタ6および/または垂直スラスタ7のスラスタプロペラ6b,7bを作動させるものである。なお、機体2には、探査または観測のための音響センサ(図示せず)が取りつけられている。
このように構成された水中航走体1は、図2に示すような番線(予め定められた経路)Lの上を航走していくとともに、機体2に取りつけられた音響センサにより探査または観測のため、情報を収集するのに使用される。そして、水中航走体1により収集された情報は、例えば、資源探査や海底探査、あるいは海底の地形図を作製するのに役立てられる。
さて、本発明による水中航走体1には、番線Lの上を所定の深さ(深度)で自動的に追従(追尾)していく航路制御機能が設けられている。
この航路制御機能は、図3に示すように、例えば、針路(すなわち、番線Lが延びる方向)Coの右正横から受ける潮流Cuの強さが小さく、針路Coと機体方位Hとのなす角度θ1が小さくて(例えば、10°以下であって)、推進器3のみを使用することにより番線Lの上を追従していくことができる場合には、制御器8から水平スラスタ6および垂直スラスタ7に信号が送られずに、水平スラスタ6および垂直スラスタ7は作動しないようになっている。この場合、水中航走体1は、略所定の速力を保持したまま番線L上を航走していくこととなる。また、針路Coと機体方位Hとのなす角度θ1が小さく、センサの方向が定められた航路に対して垂直方向からのずれが小さいため正確な情報が得られることとなる。
また、図4に示すように、例えば、針路Coの右正横から受ける潮流Cuの強さが中程度で、針路Coと機体方位Hとのなす角度θ1が、例えば、10°以上でないと定められた航路上を航走できない場合は、センサ精度が低下するためθ1は10°とし、制御器8から水平スラスタ6に信号が送られて、水平スラスタ6が作動させられることにより定められた航路上を保持するように制御される。
さらに、図5に示すように、例えば、針路Coの右正横から受ける潮流Cuの強さが大きく、針路Coと機体方位Hとのなす角度θ1が10°で、水平スラスタ6が最大回転数となっても定められた航路を保持できない場合は、水平スラスタ6を最大回転数とし、針路Coと機体方位Hとのなす角度θ1を10°以上として、定められた航路を保持するように制御を行う。この場合は、センサ精度よりも定められた航路を航走することを優先することとなる。
一方、針路Coの真上あるいは真下から潮流Cuを受けるような場合には、図3〜図5を用いて説明した原理を用いて垂直スラスタ7を作動させることにより、水中航走体1は所定の深さを保持したまま航走することとなる。
また、針路Coの左正横、右正横、真上、または真下以外の方向から潮流Cuを受ける場合や、複雑な潮流Cuが発生しているような場合でも、図3〜図5を用いて説明した原理を用いて水平スラスタ6および垂直スラスタ7を作動させることにより、水中航走体1は番線Lの上を所定の深さで航走することとなる。
本実施形態による水中航走体1によれば、潮流Cu等の強さおよび向きに応じて水平スラスタ6および/または垂直スラスタ7を作動させ、その姿勢を制御(補正)する航路制御機能が設けられているので、番線Lの上を所定の深さで航走させることができる。
また、潮流Cuの強さが小さく、推進器3のみを使用することにより番線Lの上を所定の深さで追従していくことができる場合には、制御器8から水平スラスタ6および垂直スラスタ7に信号が送られずに、水平スラスタ6および垂直スラスタ7は作動しないようになっているので、これら水平スラスタ6および垂直スラスタ7の動力の省エネルギー化を図ることができる。すなわち、これら水平スラスタ6および垂直スラスタ7の駆動源が、例えば、バッテリー駆動の電動モータである場合には、バッテリーの消費を抑制することができる。
さらに、水平スラスタ6および/または垂直スラスタ7を使用することにより、水中航走体1の姿勢を正確な海底の地形情報を得るのに限界となる角度(あるいは傾斜角)以下に保持することができる場合には、正確な海底の地形情報を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、水平スラスタ6が作動するときには垂直舵5を、垂直スラスタ7が作動するときには水平舵4を適宜必要に応じてともに作動させることもできる。これにより、水中航走体1の姿勢をより迅速に制御(補正)することができ、また、航路制御の微調整を行うことができる。
また、本発明による水中航走体は、水面上を航行する母船(船舶)により曳航される形式のものであってもよく、この場合、推進器3はあってもなくてもよい。そして、この場合、制御器8を母船側に搭載して、有線または無線により水平舵4、垂直舵5、水平スラスタ6、垂直スラスタ7に信号を出力するように構成することも可能である。
本発明による水中航走体の一実施形態を示す平面図である。 図1に示す水中航走体が、番線の上を航走していくとともに、機体の底部外表面に取りつけられた音響センサにより海底の地形を観測して、海底の地形情報を収集する状態を示す概念図である。 図1に示す水中航走体が、針路の右正横から弱い潮流を受けたときの状態を示す平面図である。 図1に示す水中航走体が、針路の右正横から中程度の強さの潮流を受けたときの状態を示す平面図である。 図1に示す水中航走体が、針路の右正横から強い潮流を受けたときの状態を示す平面図である。
符号の説明
1 水中航走体
2 機体
6 水平スラスタ
7 垂直スラスタ
Co 針路
Cu 潮流
H 機体方位
L 番線(予め定められた経路)

Claims (6)

  1. 機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタを備えるとともに、予め定められた経路の上を航走する水中航走体の航路制御方法であって、
    潮流の影響を受けた場合でも定められた航路上を航走するために、針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないようにしたことを特徴とする水中航走体の航路制御方法。
  2. 機体の上下方向に延びる垂直軸線に沿って配置された垂直スラスタを備え、潮流の影響を受けた場合でも定められた航路上を航走するために、船首尾線と水平面との間に差が生じ、この船首尾線と水平面とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記垂直スラスタが作動しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水中航走体の航路制御方法。
  3. 前記水平スラスタおよび/または前記垂直スラスタが、前記潮流の強さに応じて作動するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の水中航走体の航路制御方法。
  4. 機体の左右方向に延びる水平軸線に沿って配置された水平スラスタを備えるとともに、予め定められた経路の上を航走する水中航走体であって、
    潮流の影響を受けた場合でも定められた航路上を航走するために、針路と機体方位との間に差が生じ、この針路と機体方位とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記水平スラスタが作動しないように構成されていることを特徴とする水中航走体。
  5. 機体の上下方向に延びる垂直軸線に沿って配置された垂直スラスタを備え、潮流の影響を受けた場合でも定められた航路上を航走するために、船首尾線と水平面との間に差が生じ、この船首尾線と水平面とのなす角度が所定角度以下の場合には、前記垂直スラスタが作動しないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水中航走体。
  6. 前記水平スラスタおよび/または前記垂直スラスタが、前記潮流の強さに応じて作動するように構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の水中航走体。
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