JP5497614B2 - 磁性流体(mr)減衰器、磁性流体(mr)減衰力性能を向上させるための方法、および磁性流体(mr)減衰システム - Google Patents

磁性流体(mr)減衰器、磁性流体(mr)減衰力性能を向上させるための方法、および磁性流体(mr)減衰システム Download PDF

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    • F16F9/535Magnetorheological [MR] fluid dampers

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は制御可能な減衰用途に用いられる磁性流体(MR)減衰器に関し、配線のための主要チャネルを有するMRピストンアセンブリを含み、より特定的には主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体に二次的チャネルが規定され、ピストン本体の軸を中心としてピストン本体に規定される溝からピストン本体の第1の端部への二次的チャネルの長さにより、特に低いMRピストンアセンブリ速度でのMR減衰力性能を向上させる。
発明の背景
従来のピストン減衰器は、磁性流体(MR)減衰器を含む。MR減衰器は、MR流体が中に含まれるシリンダを有する。MRピストンはシリンダの内部において摺動可能に係合する。ロッドの第1の端部はMRピストンに装着され、ロッドの第2の端部はシリンダの外に延在する。ロッドおよびシリンダは2つの別個の構造体に取付けられて、MRピストンの移動方向に沿った2つの構造体の相対的運動を抑制または減衰させる。減衰力は、MR減衰器の軸に沿ったロッドおよびMRピストンの移動に対向して、MR減衰器のシリンダ内で生成される。
MR流体は、微細な金属粒子、キャリア流体、および安定剤からなる。たとえば鉄のような微細金属粒子がキャリア流体内に懸濁される。MR流体内の微細金属粒子は0.1から10マイクロメートルの範囲の大きさを有し、拡大されてから人間の目で見ると楕円形またはスケール球体のような形状を有する。金属粒子が大きすぎると、MRキャリア流体内で懸濁されるのではなく、沈降し得る。金属粒子流体が小さすぎると、金属粒子への所望の磁気的効果が減少し始める。典型的なMR流体は、MRキャリア流体に対して20から40体積%の微細金属粒からなる。MR流体内のキャリア流体は、たとえば炭化水素油、シリコン油やエステル油のような種類の油であってもよい。好ましくは、炭化水素油がMR流体で用いられる。炭化水素油は所望の高い潤滑性を有し、広い範囲の粘度で利用できる。安定剤は、金属粒子の漸次的重力沈降を防ぐ、キャリア流体における添加剤である。金属粒子がMR流体内で沈降すると、安定剤は金属堆積物が圧縮されるのを防ぐ。金属堆積物の圧縮が起こると、金属堆積物を再混合してMR流体に任意に戻すことが難しくなる。さらに、MR流体が容易に蒸発しないよう、MR流体に対して低い蒸気圧が望ましい。MR流体は広い範囲の温度で動作するよう適合される。
MR流体は、磁界が与えられると、選択的に制御される流体挙動を示す。MR流体に磁界が与えられないと、微細金属粒子はMR流体内において任意に懸濁される。磁界が与えられていない場合、MR流体の粘度は低く、潤滑性を示す。MR流体に磁界が与えられると、微細金属粒子はミリ秒の単位でMR流体内に粒子鎖を形成する。粒子鎖は与えられた電界の磁束方向に一般に整合する。粒子鎖の形成により、MR流体特性は液体から準固体状態に変わり、粘度が増加して、粘弾性材と類似した挙動を示す。粘弾性材は変形を受けると、粘性および弾性両方の特性を示す。粘性材料は応力が与えられると、時間に対して線形にせん断流および歪みに抗する。弾性材は引っ張られるとすぐに歪むが、応力が取除かれると迅速に元の状態に戻る。磁界が与えられると粘弾性材として働くMR流体は、これら両方の特性を示す。MR流体は時間に依存する歪み特性を示す。
MR減衰動作において、MR流体はピストンがシリンダ内において往復速度運動する間MRピストンの開口を通る。開口におけるMR流体は、MRピストンに配置される電気コイルに与えられる電流を変えることによって発生する変動磁界を受る。金属の軟磁性材からなるピストンは、電気コイルとともに、電磁石を形成する。この電磁石はシリンダ内のMR流体に磁界を与える。磁界を与えることにより、MR流体内の微細金属粒子は開口において鎖を形成し、これらの鎖は一般に磁束の方向に、かつピストン内を流れるMR流体の流れに対して垂直に整合する。微細金属粒子の鎖は、ピストンの開口を通るMR流体の動きを制限し、MR流体の降伏応力を増加させる。MR流体の降伏応力が増加すれば、MR減衰器の力が増加する。当業者にとって理解されるように、電磁石に与えられる電流は、MR減衰器の可変のピストン速度において、MR流体の可変の力動作条件をもたらす。したがって、MRピストンの可変の減衰効果をもたらすことができる。可変の減衰効果により、MRピストンとシリンダとの相対的運動の可変制御減衰を実現することができる。サスペンションシステムにおけるMR減衰器の減衰性能は、MR減衰器の力対ピストンアセンブリ速度特性に大きく依存する。MR減衰器の可変制御減衰性能は、減衰力対ピストンアセンブリ速度曲線を用いて測定および評価することができる。
米国特許第6,612,409号
2003年9月2日に発行された先行技術の米国特許第6,612,409号に従い、図1から図2を参照すると、MR減衰器(10)は長手軸Aを中心とするシリンダ(14)内に配置される、配線に用いられる主要チャネルを有するMRピストンアセンブリ(12)を含む。以下において、配線のための主要チャネルを有するMRピストンアセンブリは、「主要チャネルMRピストンアセンブリ」と呼ぶ。MR流体(16)はシリンダ(14)内に配置される。主要チャネルMRピストンアセンブリ(12)は同軸のピストン本体(18)を含む。ピストン本体(18)を中心とする同軸環状構造体(20)は、環状の実質的磁気付勢可能なMR流体通路(22)を規定する。ピストン本体(18)はさらに第1の端部(24)、および軸方向において第1端部(24)から離れた第2の端部(26)を含む。第1の端部プレート(28)は第1の端部(24)に取付けられ、第2の端部プレート(30)は第2の端部(26)に取付けられる。ピストン本体(18)は中を通る同軸穴(32)を規定する。ピストン本体(18)は本体外面(34)を含む。ピストン本体(18)は、本体外面(34)において軸Aを中心とする円周コイル溝(36)を規定する。主要チャネル(38)は、本体外面(34)において、第2の端部(26)の穴(32)からコイル溝(36まで規定される。主要チャネル(38)は、第1の主要チャネル部(39)および第2の主要チャネル部(39A)を含む。第1の主要チャネル部は、第2の端部(26)からコイル溝(36)に延在する。第2の主要チャネル部(39A)は第2の端部(26)に配置され、第2の端部(26)の穴(32)から第1の主要チャネル部(39)に延在する。導電体(40)は第2の端部(26)の穴(32)に配置され、主要チャネル(38)を通ってコイル溝(36)に入る。導電体(40)は、コイル溝(36)内において電気コイル(42)を形成するよう構成されている。第2端部(26)の穴(32)、主要チャネル(38)、およびコイル溝(36)は、非磁性材(44)で満たされて、中に導電体(40)および電気コイル(42)を有効に封止する。同軸ロッド(46)が第1の端部(24)に接続され、その中に同軸開口(48)を含む。ロッド(46)は、第1の端部(28)において、保持リング(35)を介してピストン本体(18)に接続される。開口(48)は、導電体(40)および電気コイル(42)を介して電流をピストン本体(18)に供給するための導電手段を含む。MR減衰器の外にある電源と電気的に接続される導電手段(50)は、導電体(40)および電気コイル(42)を介してピストン本体(18)に電源を供給する。ピストン本体(18)はさらに1つ以上の実質的磁気消勢可能(non-energizable)MR流体通路(52)またはバイパス穴を含んでもよく、これは軸Aから離れておりかつ穴(32)から出発する。磁気付勢可能通路(22)および磁気消勢可能通路(52)の断面を通るMR流体(16)は、特定のMR減衰器用途の性能要件に合うよう設計されている。
MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリについての減衰力対ピストンアセンブリ速度性能曲線は、y軸に沿ったMR流体力データおよびx軸に沿った主要チャネルMRピストンアセンブリ速度データを示す。減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線は、正の速度側から近づくと零より上のy切片値において、また負の速度側から近づくと零より下のy切片値において、力の軸、即ちy軸と交差する。零より上のy切片値と零より下のy切片値との差が大きければ大きいほど、有限の正の値と有限の負の値との間に、望ましくないより大きい力の上昇がみられる。たとえば、MR減衰器が用いられる車両システムにおいて、主要チャネルMRピストンアセンブリの各運動方向の変化に伴う力の不所望の上昇が大きければ大きいほど、車両に乗っている際の不所望の乗り心地の悪さの値が高まる。車両に乗っているときの不所望の不快さは、車の乗員にとってマイナスに感じられるかもしれない。理想的には、車両の滑らかな乗り心地を損なう不所望の不愉快成分を減らすためには、原点(x=0,y=0)を通る減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度性能曲線が望ましい。
図1の先行技術に示されるように、主要チャネルMRピストンアセンブリに規定される単一のバイパス穴(52)は、y切片点を原点により近く下げる働きをし、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度での車両のよりスムーズな乗り心地をもたらし得る。しかし、y軸切片点に続く、減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の傾斜しているランプ部は一般に少なくとも2つのはっきりした傾斜ランプセグメント、即ちランプ段差を含む。各別個のランプ段差は独自の正のおよび減少する傾斜の値を有する。第2の段差は、段差の遷移およびニーポイント間でより低い駆動力をもたらす。2段階の傾斜ランプは、ニーポイントに移り、所望の性能曲線に遷移するが、これはニーポイントを超えて中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって、増加した力の値で相対的に穏やかな右上がりの斜線を示す。
必要なのは、低いMRピストン速度での2段階の傾斜力ランプを減少させ、かつ駆動力を増加させる、主要チャネルMRピストンアセンブリを有する改良されたMR減衰器である。
発明の概要
本発明の一実施例に従い、磁性流体(MR)減衰器は長手方向の軸を有する。MR減衰器はMR流体が中に入っている同軸シリンダを含む。MR減衰器は主要チャネルMRピストンアセンブリを含み、これはシリンダ内に同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のために、シリンダ内において摺動可能に係合するよう適合されている。主要チャネルMRピストンアセンブリは、中を通る同軸の穴を規定するピストン本体を含む。ピストン本体は、本体外面、第1の端部、および第1の端部から軸方向において離れている第2の端部をさらに含む。ピストン本体の第1および第2の端部は軸に対して略垂直である。ピストン本体はさらに第1の端部に接続される第1の端部プレートと、第2の端部に接続される第2の端部プレートとを含む。ピストン本体はさらに、軸に中心に本体外面に規定される円周コイル溝と、本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する主要チャネルとを含む。ピストン本体はさらに穴および主要チャネル内に配置される導電体を含み、導電体はコイル溝に配置される電気コイルを形成するよう構成されている。ピストン本体はさらに、主要チャネルおよび第2の端部の穴を満たすよう構成され、導電体および電気コイルを有効に封止する非磁性材を含む。主要チャネルMRピストンアセンブリはさらに環状構造体を含み、環状構造体は軸を中心としてピストン本体を取囲み、ピストン本体に装着され、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する。主要チャネルMRピストンアセンブリはさらに同軸ロッドを含み、中を通る同軸の開口を規定する。ロッドは第1の端部プレートに取付けられる。ロッドの開口は、第1の端部においてピストン本体の穴と略整合する。開口は導電体と電気的に接続される導電手段を含む。MR減衰器の改良点は、主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体の本体外面に規定される二次的チャネルにある。二次的チャネルはコイル溝から第1の端部に向かって延在し、非磁性材で満たされている。MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体にある二次的チャネルは、向上した低速MR減衰力性能を与える。
本発明の別の実施例に従い、磁性流体(MR)減衰器は長手方向の軸を有する。MR減衰器は、中にMR流体が配置されている同軸シリンダを含む。MR減衰器はさらにシリンダ内に同軸的に配置されるマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリを含む。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは、中で軸方向の往復運動を可能にするために、シリンダ内において摺動可能に係合するよう適合されている。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは、中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含む。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体は本体外面を含む。ピストン本体はさらに第1の端部と第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1および第2の端部は軸に対して略垂直である。ピストン本体はさらに第1の端部に取付けられる第1の端部プレートと、第2の端部に取付けられる第2の端部プレートとを含む。ピストン本体はさらに軸を中心として、本体外面に規定される第1および第2の円周コイル溝を含む。ピストン本体の第2の円周コイル溝は、第1の円周コイル溝よりも第1の端部に近く、軸の周りの本体外面に規定されている。ピストン本体の第2の円周コイル溝は、ピストン本体の第1の円周コイル溝と重ならない。ピストン本体はさらに、本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する第1の主要チャネルを含む。ピストン本体はさらに、本体外面に規定され、第1のコイル溝から第2のコイル溝に延在する第2の主要チャネルを含む。ピストン本体はさらに、穴、第1の主要チャネル、第1のコイル溝、第2の主要チャネル、および第2のコイル溝に配置される導電体を含む。導電体は、第1のコイル溝に配置される第1の電気コイルと、第2のコイル溝に配置される第2の電気コイルとを形成するよう構成されている。ピストン本体はさらに、第1のコイル溝、第2のコイル溝、第1の主要チャネル、第2の主要チャネル、および第2の端部の穴を満たし、導電体ならびに第1および第2の電気コイルを有効に封止するよう構成されている非磁性材を含む。ピストン本体はさらに、本体外面に規定され、第2のコイル溝から第1の端部に向かって延在する二次的チャネルを含む。二次的チャネルは非磁性材で満たされている。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリはさらに環状構造体を含み、これは軸を中心としてピストン本体を取囲み、ピストン本体に取付けられている。環状構造体は、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路をさらに規定する。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは、中を通る同軸の開口を規定し、かつ第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドをさらに含む。ロッドの開口は第1の端部においてピストン本体の穴と略整合する。ロッドの開口は、導電体と電気的に接続される導電手段を含む。二次的チャネルは向上した低速MR減衰力性能を与える。
本発明のさらなる実施例に従い、低速磁性流体(MR)減衰力性能を向上させるための方法が提供される。本方法は長手方向の軸を有するMR減衰器を設けるステップを含む。MR減衰器は中にMR流体が含まれる同軸シリンダを有する。MR減衰器は、シリンダ内に同軸的に配置され、かつ中で軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合される主要チャネルMRピストンアセンブリを含む。主要チャネルMRピストンアセンブリは、中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含む。主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体は本体外面を有する。ピストン本体はさらに第1の端部と、第1端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1および第2の端部は軸に対して略垂直である。ピストン本体はさらに第1の端部に取付けられる第1の端部プレートと、第2の端部に取付けられる第2の端部プレートとを含む。ピストン本体はさらに軸に対して本体外面に規定される円周コイル溝を含む。ピストン本体はさらに本体外面に、第2の端部の穴からコイル溝に延在する、主要チャネルを含む。ピストン本体はさらに穴および主要チャネル内に配置される導電体を含む。ピストン本体の導電体は、コイル溝に配置される電気コイルを形成するよう構成されている。ピストン本体は、コイル溝、主要チャネル、および第2の端部の穴を満たすよう構成されている非磁性材を含み、導電体および電気コイルを有効に封止する。ピストン本体はさらにピストン本体の外面に配置され、コイル溝から第1の端部に向かって延在する二次的チャネルを含む。二次的チャネルは非磁性材で満たされている。主要チャネルMRピストンアセンブリは、軸に対してピストン本体を取囲み、ピストン本体に取付けられる環状構造体を含む。主要チャネルMRピストンアセンブリの環状構造体は、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する。主要チャネルMRピストンアセンブリはさらに中を通る同軸開口を規定する同軸ロッドを含む。ロッドは第1の端部プレートに取付けられ、ロッド内の同軸開口は第1の端部におけるピストン本体の穴と略整合し、開口は導電体と電気的に接続される導電手段を含む。MR減衰器は、MR減衰器の動作中有効である減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度性能動作範囲を含む。主要チャネルおよび二次的チャネルは、性能動作範囲内においてMR減衰器のベース性能曲線を確立するのに有効である。ベース性能曲線は第1のy切片値を有し、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において一般に右上がりの単一斜線の傾斜ランプが続く。単一斜線の傾斜ランプはベース性能曲線において第1のニーポイントに移る。第1のニーポイントは、第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にある。第1のニーポイントは、ベース性能曲線において一般に穏やかな右上がりの斜線傾斜ランプに遷移する。穏やかな右上がりの斜線傾斜ランプは、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたる。
本発明のさらなる実施例に従い、磁性流体(MR)減衰システムは、コントローラと、コントローラと電気的に接続される少なくとも1つのMR減衰器とを含み、コントローラはMR減衰器の動作を動作可能に制御する。この少なくとも1つのMR減衰器は、長手方向の軸を有する。MR減衰器は中にMR流体が含まれる同軸シリンダを有する。MR減衰器はシリンダと同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合されている主要チャネルMRピストンアセンブリを含む。主要チャネルMRピストンアセンブリは中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含む。ピストン本体は本体外面と、第1の端部と、第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含む。ピストン本体の第1および第2の端部は軸に対して略垂直である。ピストン本体は第1の端部に取付けられる第1の端部プレートと、第2の端部に取付けられる第2の端部プレートとをさらに含む。ピストン本体はさらに軸に対して本体外面に規定される円周コイル溝と、本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する主要チャネルとを含む。ピストン本体はさらに穴および主要チャネル内に配置される導電体を含み、コイル溝に配置される電気コイルを形成するよう構成されている。ピストン本体はさらに第2の端部において主要チャネルおよび穴を満たすよう構成されている非磁性材を含み、導電体および電気コイルを有効に封止する。MR減衰器は主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体の外面に規定される二次的チャネルを含む。二次的チャネルはコイル溝から第1の端部に向かって延在し、非磁性材で満たされている。主要チャネルMRピストンアセンブリは軸を中心としてピストン本体をほぼ取囲み、ピストン本体に取付けられ、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する環状体をさらに含む。主要チャネルMRピストンアセンブリはさらに中を通る同軸開口を規定し、第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドを含む。ロッドの開口はピストン本体の穴と略整合する。開口は導電体と電気的に接続される導電手段を含む。ピストン本体に規定される二次的チャネルを有する主要チャネルMRピストンアセンブリは、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度においてMR減衰システム性能を向上させる。
本発明は添付の図面を参照してさらに説明される。
ピストン本体を含み、MR流体が入っているシリンダ内に配置される、主要チャネルMRピストンアセンブリを含む先行技術の磁性流体(MR)減衰器の長手方向の断面図である。 図1の主要チャネルMRピストンアセンブリに含まれる先行技術のピストン本体であってその詳細を示すイメージ図である。 主要チャネル、二次的チャネル、および実質的磁気消勢可能MR流体通路を示す、本発明のピストン本体のイメージ図である。 図3のピストン本体を含む、主要チャネルMRピストンアセンブリを備える、MR減衰器ピストンおよびロッドアセンブリであって、その詳細を示す長手方向の断面図である。 図3のピストン本体の二次的チャネルであって、その詳細を示す断面図である。 図3のピストン本体の主要チャネルおよび二次的チャネルを示す拡大図である。 図4の主要チャネルMRピストンアセンブリの実質的磁気付勢可能MR流体通路であって、その詳細を示す拡大図である。 種々のピストンアセンブリについての、減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の数学モデルデータのグラフ図である。 本発明に係わるさまざまなチャネル幅についての、磁化可能MR流体通路の中間ギャップにおける単位あたりの流束密度対主要チャネルおよび二次的チャネルの中心からの距離の関係を示すグラフ図である。 バイパス穴を有する主要チャネルMRピストンアセンブリと、二次的チャネルを有しバイパス穴を有さない主要チャネルMRピストンアセンブリとに対する測定された減衰力対ピストン速度を示すグラフ図である。 図4の二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリに対する、主要チャネルピストンアセンブリに配置される実質的磁気消勢可能MR流体通路の数についての、減衰力対主要チャネルピストンアセンブリ速度曲線を示すグラフ図である。 図4の主要チャネルピストンアセンブリの減衰力対主要チャネルピストンアセンブリ速度曲線、および本発明の代替実施例に従いコントローラによって電子的に実施される複数の他の減衰力対主要チャネルピストンアセンブリ速度曲線を示すグラフ図である。 本発明の代替の実施例に従い、二次的チャネルおよびその詳細を含むマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリの長手方向の断面図である。 本発明の代替実施例に従い、図4のMR減衰器を含むMR減衰システムを示す図である。 本発明の代替の実施例に従い、図4のMR減衰器を含む車両におけるサスペンションシステムを示す図である。 本発明の代替実施例に従い、軸方向に整合しかつ主要チャネルに対してずれている二次的チャネルを有するピストン本体を示す図である。 本発明の代替の実施例に従い、主要チャネルと軸方向において整合していない、ピストン本体に配置される二次的チャネルを示す図である。
好ましい実施例の詳細な説明
本発明の第1の実施例に従い、図3から図7を参照すると、MR減衰器110は長手方向の軸A′を有する。減衰器110は同軸シリンダ114を含む。シリンダ114は中にMR流体116を有する。流体116はMR型の減衰器で用いられる当該技術分野において既知のどの種類のMR流体であってもよい。配線のための主要チャネルを有する円周MRピストンアセンブリ、すなわち主要チャネルMRピストンアセンブリ112は、シリンダ114内において同軸的に配置される。シリンダ114および主要チャネルMRピストンアセンブリ112は、たとえば鋼、アルミニウム、金属、金属合金、複合材料などの多様な十分に剛性の材料からなり得る。アセンブリ112は軸方向の往復運動を可能にするために、シリンダ114内において摺動可能に係合するよう適合されている。摺動可能な係合を確実にするために、アセンブリ112はシリンダ114の直径とほぼ同じ直径を有する。
アセンブリ112は中を通る同軸穴132を規定するピストン本体118を含む。ピストン本体118は低炭素鋼または同様の軟磁性材からなり得る。当業者なら、流体116の性質およびアセンブリ112の構成材は、本発明の動作範囲を限定することなく変えることができることは理解されるであろう。
穴132は典型的に穴あけ動作によって形成される。ピストン本体118は典型的に円筒形の固体であるが、ピストン本体は本発明の動作を制限することなく他の形をとってもよい。本体118の径幅は、シリンダ114の直径よりも小さい。本体118は本体外面134を含む。本体118はさらに第1の端部124と、第1の端部124と軸方向に離れている第2の端部126とを含む。端部124および126は軸A′に対して略垂直である。本体118はさらに第1の端部124に隣接する第1の端部プレート128、および第2の端部126に隣接する第2の端部プレート130をさらに含む。
円周コイル溝136が軸A′を中心として、本体外面134に規定される。図3に示されるように、円周コイル溝136は第1の端部124と第2の端部126との間の約半分の距離にあり、軸A′に対して略垂直である。代替的に、コイル溝136は第1の端部と第2の端部との間の半分以外の距離において、軸A′に対して垂直な配向以外の配向で配置されてもよい。主要チャネル138は第2の端部126の穴132からコイル溝136に向かって延在し、本体外面134に規定される。主要チャネル138は第1の主要部139および第2の主要部139Aを含む。第1の主要チャネル部139は、第2の端部126からコイル溝136に延在する。第2の主要チャネル部139Aは穴132から第2の端部126で延在し、第1の主要チャネル部139と整合する。コイル溝136および主要チャネル138は、本体外面134を機械加工または材料をリーマーで広げることにより、本体外面134に形成することができる。導電体140は第2の端部126において穴132に配置される。導電体140は電流を送るために適する金属材、好ましくは銅からなる。導電体140は主要チャネル138を通り、コイル溝136内に配線される。導電体140はさらにコイル溝136に構成されて電気コイル142を形成する。電気コイル142はコイル溝136に配置される。
非磁性材144は主要チャネル138および第2の端部126の穴132を満たすよう構成されている。非磁性材144は中に導電体140および電気コイル142を有効に封止する。非磁性材144は絶縁性であり、コイルおよび導体がピストン本体と電気的に導通するのを防ぐよう、電気的に非導通の材料である。非磁性材144は、アセンブリ112がシリンダ114内に配置された場合、導電体140およびコイル142がMR流体116と接触するのを妨げる。したがって、MR減衰器110において不所望の短絡が防止される。非磁性材144はオーバーモールド材から形成されてもよい。オーバーモールド材は典型的にはポリマー材からなる。
環状の流速リング構造体120は、軸A′を中心に本体118をほぼ取囲む。プレート128、130は、環状構造体120をプレート128、130上にクリンピングすることにより、ピストン本体118に対して固定および保持することができる。環状構造体120は軸A′に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する、実質的磁気付勢可能MR流体通路122を規定する。「通路」の用語は貫く通路を意味する。実質的磁気付勢可能MR流体通路は典型的には、円の断面を有する円筒形の通路である。実質的磁気付勢可能MR流体通路は線形のまたは非線形の形状で形成され得る。実質的磁気付勢可能MR流体通路122はある長さを有し、MR流体116はMR減衰動作において、シリンダ114内の主要チャネルMRピストンアセンブリ112を通ってその長さにわたって流れる。実質的磁気付勢可能MR流体通路の環状径は典型的に20から40ミリメートルである。実質的磁気付勢可能MR流体通路122の長さには、第1の端部プレート128および第2の端部プレート130のそれぞれの開口が含まれる。MR流体116に付随するMR流体特性は、MR減衰器動作において実質的磁気付勢可能MR流体通路122において電気的に制御される。代替的に、実質的磁気付勢可能MR流体通路は実質的に円形のリングの流通断面形状のセグメントを有する実質的に環状の円筒通路である。実質的磁気付勢可能MR流体通路122の流通断面積は、通路長さに沿って実質的に一定である。
同軸ロッド146は中を通る同軸開口148を規定する。ロッド146は第1の端部プレート128に取付けられる。ロッド146は本体118に圧入することによりピストン本体118に取付けられ、クリンピングされる流速リング構造体120によって定位置に保持されるスチール保持リング135および第1の端部プレート128によって保持される。第1の端部プレート128と離れたロッド146の他方端部は、MR減衰器の外にある構造体に接続される。ロッド146の開口148は、第1の端部124において、本体118の穴132と整合する。開口148は、導電体140と電気的に接続される導電手段150を含む。導電体140に供給する電流は、MR減衰器における減衰力を動的に規制するために外部から供給および制御することができる。たとえば、可変の電流を与えるために、外部電源またはコントローラが適し得る。
図3に示されるように、実質的磁気消勢可能MR流体通路152はシリンダ114内のMR流体116が、MR減衰器動作の際、本体118および端部プレート128、130を自由に通過することを可能にする。実質的磁気消勢可能MR流体通路152は中を通るピストン本体118、第1のプレート128、および第2のプレート130によって規定される。第一の実質的磁気消勢可能MR流体通路152は、穴132から出発し、軸方向において軸A′に対して半径方向に離れている関係を有する。実質的磁気消勢可能MR流体通路は典型的に線形であり、MR減衰器動作の際に、MR流体がピストン本体を自由に流れることを可能にする。実質的磁気消勢可能MR流体通路は与えられる磁界によって実質的に影響されない。
実質的磁気消勢可能MR流体通路152は当該技術分野において非磁性の流体圧バイパス穴として、またはもっと簡単にはバイパス穴として既知である。当業者にとって、バイパス穴の使用は、特定のMR減衰器の用途で必要な力の性能に依存することは理解されるであろう。さらに、磁気消勢可能通路の特定の流れの断面積は、特定の減衰器用途に応じて選択される。実質的磁気消勢可能MR流体通路の中央線の半径は典型的には8から11ミリメートルであり、その大きさは使用用途に依存する。実質的磁気消勢可能MR流体通路の大きさは、MR減衰器の用途に依存する。
二次的チャネル154は、コイル溝136から第1の端部124に向かって延在して、本体外面134に規定される。二次的チャネル154は非磁性材144で満たされる。材料144はMR流体116が二次的チャネル154内に流れ込むのを防ぐ。この二次的チャネルの非磁性材は、実質的磁気付勢可能MR流体通路の断面積を維持し、かつ二次的チャネル上の流束密度を主要チャネルのものと同程度に減少させるために必要である。したがって、主要チャネルおよび二次的チャネルの組合せは、非磁性バイパス穴と同様の態様で働く。図6から図7を参照して、二次的チャネル154は長さL、幅W、および深さDを有する。図6に示されるように、二次的チャネル154の長さLは、コイル溝136から第1の端部124に延在する。二次的チャネルの長さLは、MR減衰器に必要な性能要件に依存した適切な長さとなり得る。コイル溝136から第1の端部124に延在する長さLは一般に幅Wおよび深さDよりも大きい。
第1の主要チャネル部139は長さL1、幅W1および深さD1(図示されない)を有する。第1の主要チャネル部139と同様に、第2の主要部は長さL2、幅W2、および深さD2を有する。第1の主要チャネル部139の幅W1および深さD1は、二次的チャネル154の幅Wおよび深さDとほぼ等しく、さらに第2の主要チャネル部139Aの幅W2および深さD2と等しい。主要チャネルおよび二次的チャネルの均一な深さおよび幅により、MR減衰器動作の際に、直進する均一なMR流体が実質的磁気付勢可能MR流体通路に入る/出ることを可能にする。主要チャネルおよび二次的チャネルの典型的な幅は、2から6ミリメートルの間である。二次的チャネルの深さDは、典型的に約1から4ミリメートルである。本発明はほぼ等しい均一の厚さおよび均一の深さを有する第1の主要チャネル部、二次的チャネル、および第2の主要チャネル部に限定されないことは理解されるであろう。たとえば、二次的チャネルは、第1の主要チャネル部の対応する幅および深さに対してより大きい幅および深さを有してもよい。異なるチャネルで用いられる異なる幅および深さは、異なるバイパス力特性を与え得る。図6を参照して、第1の主要チャネル部139および二次的チャネル154は、準矩形の断面形状を有して形成される。代替的に、第1の主要チャネル部、二次的チャネル、および第2の主要チャネル部は、半円、準三角形、準台形などのようなほかの形を有してもよい。代替の実施例としては、第1の主要チャネル部と異なる形を有する二次的チャネルを含み得る。チャネルの形状を変えることにより、ピストンアセンブリを特定の用途により適切に調整するための異なる力特性を与え得る。
図3を参照すると、主要チャネル部139および二次的チャネル154は、軸A′に対して軸方向に整合する。さらに、主要チャネル部139は、コイル溝136によって分離されて、二次的チャネル154と軸方向に整合する。代替的に、主要チャネル部および二次的チャネルは軸方向において整合してもよいが、二次的チャネルは第1の端部にまで完全に延在しない。図3および図6を参照すると、第1の主要チャネル部139の幅W1は、二次的チャネル139Aの幅Wと略軸方向に整合している。第1の主要部129の幅W1は一般に、二次的チャネル154の幅Wとずれていない。
動作していないとき、アセンブリ112はMR減衰器110のシリンダ114内において静止している。導電手段150、導電体140および電気コイル142は付勢されず、実質的磁気付勢可能MR流体通路122においてMR流体116に磁界は発生していない。実質的磁気付勢可能MR流体通路122に磁界が発生していない場合、金属粒子はMR流体116内において任意に懸濁されたままである。動作していない場合、MR流体116は液体の特性挙動を有する。
動作の際、アセンブリ112は可変速度でシリンダ114内において往復運動を行ない、アセンブリ112に働く力は、実質的磁気付勢可能MR流体通路122においてMR流体116にかかる可変磁界に依存する。磁界の大きさは、導電体140を介して導電手段150によって電気コイル142に与えられる印加される電流の量に依存する。MR流体116は実質的に磁界的影響がない、バイパス穴152に分流されてもよい。したがって、主要チャネルMRピストンアセンブリ112は、より低い主要チャネルMRピストンアセンブリ動作速度において、最小の減衰力を生成し得る。これはたとえば車両のサスペンションシステムにおいて、車両の乗員が所望する「滑らかな」車両乗り心地特性を与える。
動作している主要チャネルMR減衰器の性能は、MR減衰器の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を調べることにより理解される。図8を参照すると、複数の減衰力対MRピストンアセンブリ速度曲線160、162、164、および166が示される。曲線160および162は、主要チャネルおよび流体圧バイパス穴がない先行技術のMRピストンアセンブリ、およびバイパス穴がない主要チャネルを有する先行技術のMRピストンアセンブリそれぞれの理想的な動作性能を表す。性能曲線164および166は、主要チャネルおよび二次的チャネルを有しかつバイパス穴を有しないMR減衰器、およびバイパス穴を有する主要チャネルを備えたMR減衰器それぞれの理想的な動作性能を表す。
主要チャネルMRピストンアセンブリの理想的な性能曲線160は、主要ワイヤスロットチャネルを有する曲線162に対して、非磁性流体圧バイパス穴も主要ワイヤスロットチャネルも有さない。曲線160は約y=3,000ニュートンでy切片点を有する。曲線160のy切片点の次に、低中高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において、一般に単一の穏やかな右上がり斜線の傾斜ランプ、すなわち力シェルフが続いている。主要ワイヤスロットチャネルを有する曲線162は約y=1,975ニュートンでy切片点を有する。曲線162のy切片点には、約x=0.035メートル/秒においてニーポイントに移る略右上がりの傾斜ランプが続く。曲線162のニーポイントは、約0.035メートル/秒でのニーポイントのあと、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって、曲線160に示される一般に単一の穏やかな右上がり斜線の力シェルフに遷移する。理想的な性能曲線160および162に示される高いy切片点の力は、減衰器速度が零を通る場合に、不所望の乗り心地の悪さをもたらす。この切片を減少させるために、通常は流体圧バイパス穴が用いられる。
曲線164は約y=300ニュートンでy切片点を有する。曲線164のy切片点には、約x=0.05メートル/秒でニーポイントに移る略右上がりの単一斜線傾斜ランプが続く。164での二次的チャネルの追加により、主要チャネルだけの曲線162に対して切片力を著しく減少させる。曲線164のニーポイントは、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって、曲線160および162と同様に示されたように、約x=0.05でのニーポイントのあと、一般に単一の穏やかな右上がり斜線の力シェルフに遷移する。曲線166の主要チャネルMRピストンアセンブリは、単一の非磁性流体圧バイパス穴を含み、約y=75ニュートンでy切片点を有する。曲線166のy切片点には、約x=0.08メートル/秒においてニーポイントに移る略右上がりの単一傾斜ランプが続く。曲線166のニーポイントは、約0.08メートル/秒でのニーポイントのあと、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって、曲線160に示される力シェルフより一般に約200ニュートン低い略単一の穏やかな右上がり斜線力シェルフに遷移する。
二次的チャネルを有する主要チャネルMRピストンアセンブリを含むMR減衰器を備える車両サスペンションシステムでは、二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリの増加した低速範囲にわたり、より低いy切片点および右上がりの単一斜線の傾斜ランプが組合せられて、向上した車両性能をもたらす。図3に示される二次的チャネルは円周コイル溝から第1の端部に延在するが、二次的チャネルの長さは、主要チャネルMRピストンアセンブリに付随する、減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度ベース曲線のy切片点と関連する。二次的チャネルの長さが第1の端部に向かって長くなると、減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリベース曲線のy切片点は、対応して減少する。y切片点を減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリベース曲線の原点に向かって減少させることにより、MR減衰器が車両サスペンションシステムで用いられると、より「滑らかな」乗り心地を与える。
二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリに対する図8の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線は、使用用途に依存して至適化できる。たとえば、実質的磁気付勢可能MR流体通路122の幅に対して二次的チャネル154の幅Wを増やすと、ベースの減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の対応するニーポイントに対して、動作曲線上増加した主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあるニーポイントをもたらす減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を生成する。図9を参照すると、主要チャネルまたは二次的チャネルのすぐ上の流体ギャップの中間にある、流束密度について、0.1から1.0のこの比率に対する値に対して、チャネル幅に対するギャップ長さの比率の影響を示す。ゼロ(0)の距離は、チャネル(スロット)の中央線を指し、そこの流束密度は最小である。一(1)の距離は、磁化MR流体ギャップの単位半径長さあたり(per unitized radial length)に等しい。流束密度はチャネルの端に近づくにつれ増加し、チャネルの外端から単位当り1の公称ギャップ流束密度に近づく。この数値により、チャネル上のギャップの流束密度のレベルは、ギャップ長さに対応するスロットの幅によって制御され、ギャップ/スロット比が低ければ低いほど、流束密度も低くなる。バイパスの挙動は、スロット中央線での流束密度をできるだけ下げることにより強化される。
図10を参照すると、二次的チャネルを含む主要チャネルMR減衰器の測定された減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線170、172のグラフが示される。曲線170、172は、主要チャネルMRピストンアセンブリへのMR流体の入/出力点である、第1および第2の端部プレートで先細りの端部を含む、環状で実質的磁気付勢可能MR流体通路を含む。非磁性流体圧バイパス穴を有さない、二次的チャネル154を含む主要チャネルMRピストンアセンブリ112は、曲線170によって示される。曲線170のy切片点は約=500ニュートンである。略右上がりの単一斜線ランプがy切片点に続き、約x=0.4メートル/秒においてニーポイントに移る。約=500ニュートンのゼロ速度切片は、約x=0.04メートル/秒においてニーポイントのあと、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって、略単一の穏やかな右上がり斜線の力シェルフに遷移する。それに対して、曲線は単一のバイパス穴を有する単一のチャネルピストンのものである。曲線172のy切片点は約=100ニュートンにあり、そのあとでx=0.07メートル/秒でのニーポイントをもたらす2段のランプが続き、約x=0.07のニーポイントを過ぎると中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にわたって略単一の穏やかな右上がり斜線の力シェルフに遷移する。曲線172の力シェルフは、約x=0.27メートル/秒において約200ニュートン分だけ曲線174の力シェルフよりも低い。総合的に二次的チャネルの使用により、流体圧バイパス穴をなくすことができ、低い速度での著しい力の向上(+1000N)が見られ、さらにより高い速度ではさらなる力の向上(+200)が見られ、ニーポイントより下の2傾斜の力−速度特性をなくす。不利点は、この配置のゼロ速度の切片はバイパス穴のものよりもわずかに高いことであるが、これは非常に小さい流体圧MR流体バイパス穴を加えることによって、または図9で示唆されているように、主要チャネルおよび二次的チャネルを広げることによって改善することができる。
二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリについての減衰力対主要チャネルMRピストン速度曲線は、主要チャネルMRピストンアセンブリに配置されるバイパス穴の数に依存してさらに至適化できる。図11を参照すると、数学モデル曲線174、176および178は、それぞれバイパス穴がない主要チャネルMRピストンアセンブリ、バイパス穴を2つ有する主要チャネルMRピストンアセンブリ、およびバイパス穴を3個有する主要チャネルMRピストンアセンブリを示す。図11に示されるように、バイパス穴の数を増加させることは、減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ曲線でのニーポイントの位置を、x軸上のより高い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度に置くことにより、低い端部速度応答を増加させる。したがって、新しい減衰力対主要チャネルMRピストン速度曲線172および174ならびに対応するニーポイントは、バイパス穴を含まない、ベース減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線174の右側にあって、上昇している。曲線のニーポイント範囲は、主要チャネルMRピストンアセンブリに含まれるバイパス穴の数に依存して確立することは当業者にとって理解されるであろう。バイパス穴の必要な量は、MR減衰器用途で必要な性能特性に依存する。
図12を参照すると、本発明のさらに代替の実施例は、MR減衰器(図示されていない)の主要チャネルおよび二次的チャネルMRピストンアセンブリ(図示されていない)と電気的に接続されるコントローラ(図示されていない)の使用を含む。ルックテーブルは複数の値(示されていない)を含む。コントローラはこれらの値にアクセスし、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリのニーポイント動作範囲にわたり、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリを動作可能に電子制御する。力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を動的に電子制御するためには、実際にはバイパス穴を構成しない、または非常に小さいバイパス穴のみを主要チャネルMRピストンアセンブリに構成する。より低いy切片点を達成するために小さいバイパス穴が必要であるのなら、その小さいバイパス穴の大きさは約1.0ミリメートルより小さい。主要チャネルおよび二次的チャネルMRピストンアセンブリは、初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線180を含み、約y=150ニュートンでの初期y切片点と、約x=0.3メートル/秒にある初期ニーポイントとを有する。データ値は、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線182および184のうちの少なくとも1つの曲線の特性を表す。複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線182および184のうちの少なくとも1つの曲線は、図11の実施例に示されるように、主要チャネルMRピストンアセンブリに規定される複数の実質的磁気消勢可能MR流体通路のうちの少なくとも1つの通路に伴う、複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線を表す。複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線は、複数のy切片点のうちの少なくとも1つのy切片点および複数のニーポイントのうちの少なくとも1つのニーポイントを含む。複数のニーポイントは、複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にある。複数のy切片点のうちの少なくとも1つのy切片点は、y=150ニュートンの初期y切片点より小さい。複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度(約x=0.2メートル/秒および約x=0.3メートル/秒)のうちの少なくとも1つの速度は、約x=0.03メートル/秒の初期主要チャネルMRピストンアセンブリ速度よりも大きい。ニーポイント動作範囲は、初期の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線180と、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線184、182のうちの少なくとも1つの曲線とを含む。コントローラは、初期の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線がMR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線を選択しない、および複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つが、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つ、の少なくとも一方を電子的に選択するよう構成されている。コントローラによる曲線の選択は、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作の間であって、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度で主要チャネルMRピストンアセンブリの性能を至適化するために発生する。図12の実施例では、図11の実施例に導入されるニーポイント範囲は、ピストン本体に複数のバイパス穴を設ける必要がなく、アクセスすることができる。単一の小さいバイパス穴を主要チャネルおよび二次的チャネルと組合せて、y切片点、即ちゼロ速度(メートル/秒)での力の切片を制御および下げるために、組合せることができる。したがって、リアルタイムでニーポイント範囲にわたって減衰器力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を電子制御することにより、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において、二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリを備えるMR減衰器の動作範囲を劇的に増加させる。さらに、実際のバイパス穴を用いる主要チャネルMRピストンアセンブリを実施する場合に比べて、力シェルフでの劣化は、中から高の周波数では明らかではない。これは、減衰器性能の限界がベース曲線180によって設定されることによる。主要チャネルMRピストンアセンブリにおいて実際にバイパス穴がないことにより、力シェルフでの劣化が見られない。ルックアップテーブルはコントローラの内部にあってもよい。代替的に、ルックアップテーブルはコントローラから離れた遠隔場所からアクセスすることができる。
本発明のさらに別の実施例は、コイル溝から第1の端部に向かう第1の長さと、コイル溝から第1の端部に向かう第2の長さとを含む二次的チャネルを備える。第2の長さは第1の長さよりも大きい。第1の長さは、第1のy切片点および第1のニーポイントを有する第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含む。第1のニーポイントは、第1の主要チャネルMRピストン速度にある。第2の長さは、第2のy切片点および第2のニーポイントを有する第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含む。第2のニーポイントは第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にある。第2のy切片点は第1のy切片点よりも小さい。第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度は、第1の主要MRピストンアセンブリ速度よりも高く、第2のニーポイントは第1および第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を描く減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリグラフの第1のニーポイントの右側にある。
図3から図12の実施例において、主要ピストンアセンブリは主要チャネルおよび単一の二次的チャネルを含むピストン本体で形成される。代替の第2の実施例は、複数の主要チャネルと二次的チャネル、またはデュアルコイルピストンアセンブリを含むピストン本体の構成を含む。図3から図12の実施例にある要素に対して100番違いの参照符号がつけられている図13では、MR減衰器(図示されていない)は、配線のための2つの主要チャネルを有するデュアルコイルピストンアセンブリ213を含む。以下において、配線のための2つの主要チャネルを有するデュアルコイルピストンアセンブリは、「マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ」と呼ぶ。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ213は長手方向の軸A″を有する。アセンブリ213は中にMR流体(図示されていない)が入っているシリンダ(図示されていない)内に配置される。アセンブリ213はシリンダ内において同軸的に配置され、中で軸方向の往復運動のために、シリンダ内において摺動可能に係合するよう適合される。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ213は、中を通る同軸穴232を規定するためのピストン本体219を含む。ピストン本体219は本体外面234を含む。ピストン本体219はさらに第1の端部224と、第1の端部224から軸方向に離れている第2の端部226とを含む。第1の端部224および第2の端部226は軸A″に略垂直である。第1の端部プレート228は第1の端部224に取付けられ、第2の端部プレート230は第2の端部226に取付けられる。第1の円周コイル溝285は軸A″を中心として、本体外面234に規定される。第2の円周コイル溝286は軸A″を中心として本体外面234に規定される。第2のコイル溝286は、軸A″の周りにある本体外面234に規定され、第1のコイル溝285より第1の端部224に近接している。第2のコイル溝286は第1のコイル溝285と重ならない。本体外面234に規定される第1の主要チャネル287は、第2の端部226の穴232から第1のコイル溝285に延在する。第1の主要チャネル287は、第2の端部226から第1のコイル溝285に配置される第1の主要チャネル部288を含む。第2の主要チャネル289は、第1のコイル溝285から第2のコイル溝286に延在して、本体外面234に規定される。導電体240は穴232、第1の主要チャネル287、第1のコイル溝285、第2の主要チャネル289、および第2のコイル溝286内に配置される。導電体240は、第1のコイル溝285に配置される第1の電気コイル290と第2のコイル溝286に配置される第2のコイル溝291とを形成するよう構成されている。非磁性材244は、第1のコイル溝285、第2のコイル溝286、第1の主要チャネル287、第2の主要チャネル289、および第2の端部230の穴232を満たすよう構成されており、導電体240、第1の電気コイル290、および第2の電気コイル291を有効に封止する。二次的チャネル254は、本体外面234に規定され、第2のコイル溝286から第1の端部224に向かって延在する。二次的チャネル254は非磁性材244で満たされる。環状構造体220は軸A″を中心としてピストン本体219を取囲む。環状構造体220はピストン本体219に取付けられ、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路222を規定する。同軸ロッド246は中を通る同軸開口248を規定する。ロッド246は保持リング235を介して第1の端部プレート228に取付けられる。ロッド246の開口248は、ピストン本体219の穴232と整合し、導電体240と電気的に接続する導電手段250を含む。ピストン本体219ならびに第1の端部プレート228および第2の端部プレート230は中を通る実質的磁気消勢可能MR流体通路252をさらに規定する。実質的磁気消勢可能MR流体通路252は穴232から出発するよう配置されており、軸A″に対して軸方向にあり、半径方向において離れている。ピストン本体219、構造体220およびアセンブリ213は、図3から図12の実施例の同様の対応構造とほぼ同じ直径幅を有するが、各構造体の軸方向の長さは図3から図12の実施例のものよりも大きい。第1の主要チャネル部288、第2の主要チャネル289、および二次的チャネル254は軸方向において整合している。第1の主要チャネル部288は第2の主要チャネル289と整合している。第1の主要チャネル部288および第2の主要チャネル289はさらに二次的チャネル254と整合する。二次的チャネル254は長さLを有し、長さLは第2のコイル溝286から第1の端部224に延在する。記載されるアセンブリ113の第1の実施例の構成、設計および変形は、アセンブリ213の第2の実施例に適用可能である。
図3から図12の実施例のように、アセンブリ213は同様にコントローラと電気的に接続できる。コントローラは、上記のMR減衰器のニーポイント動作範囲において別個のニーポイントを有する複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度性能曲線を表す値を含むルックアップテーブルをアクセスする。マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリを伴うデュアルコイルピストンは、一般にピストン本体の長さがピストン本体の直径よりも大きい場合に用いられる。
図4および図13に示されるように、導電手段は銅線150、250であり、ロッド146、246を通って穴132、232に入って導電体140、240と接続する。代替的に、ロッドは封止によって保護されているコネクタ(図示されていない)に接続される電極(図示されていない)を含む導電手段を含んでもよく、コネクタはピストン本体の電気コネクタに接続される。
さらなる代替実施例において、二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリの力性能は、バイパス穴の断面直径を増加させることによってさらに至適化できる。バイパス穴の断面径を増加させることにより、本来のバイパス穴に付随するy切片点およびニーポイントと比べて、より高い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度においてより低いy切片点およびニーポイントを有する新たな減衰力対速度曲線をもたらし得る。
さらなる代替の実施例において、二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリの力性能は、主要チャネルの幅および二次的チャネルの幅を設定することによりさらに至適化し得る。二次的チャネルの幅は、主要チャネルの幅とほぼ等しい。主要チャネルおよび二次的チャネルの幅は、実質的磁気付勢可能MR流体通路の半径方向のギャップ長さに関連しており、実質的磁気付勢可能MR流体通路の長さに対して主要チャネルおよび二次的チャネルの幅を増加させることにより、新たな減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ性能曲線をもたらす。新しい主要チャネルMRアセンブリ性能曲線は、MR減衰器の性能動作範囲において第2のy切片点および第2のニーポイントを含む。第2のニーポイントは、第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にある。第2の主要チャネルMRピストン速度は、ベース減衰力対MRピストンアセンブリ速度曲線での第1の主要チャネルMRピストン速度よりも高い。第2のy切片点は、ベース減衰力対MRピストンアセンブリ速度曲線での第1のy切片点よりも低い。
図14を参照して、本発明のさらなる代替の実施例は、上記の二次的チャネルを含む少なくとも1つの主要MR減衰器300と電気的に接続するコントローラ395を含む。この回路トポロジー構成は、運動抵抗をもたらすために衝撃吸収材を用いる、船漕ぎ型マシンや階段上り器のような運動機器装置での用途があり得る。使用において必要なMR減衰器の数は、装置の要件に依存する。さらなる代替の実施例は、地震にさらされる建物、橋や他の構造物に対する運動分離をもたらすためにMR減衰器300を使用することである。さらに別の代替の実施例において、MR減衰器300は振動減衰要件を有する宇宙での用途における車両や構造体で有用であり得る。その他の用途は当業者の判断による。
MR減衰器の別の代替の実施例は、運搬に用いられる車輪を含む装置のサスペンションシステムでの衝撃吸収材として使用できる。運搬装置は飛行機、自動車、ゴルフカート、モーターバイク、および他の種類の車両であり得る。車両の用途では、二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリを備えるMR減衰器は、アセンブリの速度範囲にわたって、車両の乗員によって感じられる望ましくない車両構造の振動を漸次的に減少させるまたは完全になくすことができる。図15を参照すると、MRサスペンションシステムが車両に配置され、二次的チャネルを含む主要チャネルMR減衰器400は、車両の各車輪497に対応付けられる。各車輪にあるMR減衰器はコントローラ595と電気的に接続し、コントローラ595はルックアップテーブル496を含み、MR減衰器400のニーポイント範囲にわたり、各車輪に対して個別の独自減衰力対MRピストンアセンブリ性能曲線をもたらす。したがって、各車輪に対する独自のサスペンション要件は満たされ、車両に対する独立したサスペンションシステムを実現することができる。図15の実施例は、上記の図12の実施例の応用である。代替的に、コントローラはルックアップテーブルの値を用いて同じ減衰力対MRピストンアセンブリ速度曲線を2つの前輪に適用し、各車輪の組の必要な減衰ニーズに応じて、2つの後輪には異なる減衰力対MRピストンアセンブリ性能曲線を与えることができる。さらに別の実施例において、コントローラはルックアップテーブルからの同じ減衰力対MRピストンアセンブリ性能曲線を同時に車両の車輪4個すべてに与えることができる。
本発明は、上記の図3の実施例で示したように、主要チャネルおよび二次的チャネルがピストン本体上で整合している構成に限定されない。一部のMR減衰器の応用では、特定の性能要件を満たすために、主要チャネルに対して二次的チャネルが別の態様で配置されるのが適する場合もある。さらに別の実施例において、図16を参照すると、主要チャネル539および二次的チャネル554は、ピストン本体518およびロッド546を通る、長手軸A″′と軸方向に整合される。主要チャネル593および二次的チャネル554は、円周コイル溝536によって分離されている。主要チャネル539および二次的チャネル554は軸方向に整合しているが、二次的チャネル554は軸A″′に対して、主要チャネル539と半径方向にずれている。したがって、二次的チャネル554は主要チャネル539に対して、軸A″′を中心とする回転角を有する。二次的チャネルは、ピストン本体518の本体外面上で、コイル溝536から第1の端部524まで配置される。さらなる代替の実施例において、図17を参照すると、二次的チャネル654はピストン本体618およびロッド646を通る軸A″″から離れている。二次的チャネル654は、軸方向に対してある角度のついた方向にそれ、コイル溝636から始まり、第1の端部624で終わる。代替的に、コイル溝で始まり、ピストン本体の第1の端部に達する前に終わる構成で、二次的チャネルをピストン本体の外面に規定することができる。二次的チャネルは、コイル溝からピストン本体の第1の端部の方にまたは第1の端部の方まで、ピストン本体の外側チャネル面においてどのような配置をとってもよい。
特定の理論には制限されないが、二次的チャネルを含めることにより、主要チャネルMRピストンアセンブリ性能が向上すると考えられる。二次的チャネルを含めることにより、力に対する望ましくないインパクトを有する非磁気流体圧バイパス穴をなくすまたはその数を減らすことができる。特に、有効な減衰制御のために大きな力が必要である、非常に低いピストン速度での場合に適用できる。主要チャネルおよび二次的チャネルは、ブレイクアウェイフォース(力の切片)を減少させるために軸方向に整合された場合に最も有効である。
理論上、二次的チャネルの長さがコイル溝から第一の端部にあり、主要チャネルおよび二次的チャネルが軸方向に整合するという二次的チャネルの配置および長さ以外の他の二次的チャネルの配置および長さでは、上記のものよりも低下した最良結果をもたらすと考えられる。この最良性能が低くなるのは、チャネルが整合していない場合に、ブレイクアウェイで必要なMR流体の流れる方向が変わることによる。
ここに記載される発明からいくつかの利点および効果が得られる。二次的チャネルを主要チャネルMRピストンアセンブリのピストン本体に規定することにより、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度でのMR減衰力性能が向上する。二次的チャネルを加えることにより、より低いy切片点が可能となり、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において略右上がりの単一斜線傾斜ランプが続く。低いy切片点および略右上がりの単一斜線の傾斜ランプは、車両の取扱いに著しいインパクトを有する、より低い減衰器速度においてより高い駆動力をもたらす。主要チャネルMRピストンアセンブリに単一のバイパス穴を加えることにより、y切片点をさらに減少させながら低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度範囲またはニーポイントを増加させることが可能となる。主要チャネルMRピストンアセンブリで二次的チャネルを使用することにより、特定の用途におけるMR減衰要件を満たすために複数のバイパス穴の必要性を減少させ得る。主要チャネルMRピストンアセンブリと電気的に接続しているコントローラは、複数のバイパス穴の少なくとも1つを含む主要チャネルMRピストンアセンブリの特性を表す値を示すルックアップテーブルをアクセスすることができる。これにより、主要チャネルMR減衰器アセンブリにバイパス穴を実際に実施する必要なく、動的性能動作性を向上させることができる。
本発明は好ましい実施例の観点から記載されているが、これら実施例に限定されるものではない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および変形を行なうことができる。たとえば、ピストン本体を含む主要チャネルMRピストンアセンブリは、特定の設計、構成、形状、大きさ、または配置に限定されない。特定的に、実質的磁気付勢可能通路、実質的磁気消勢可能通路(バイパス穴)、ロッドおよびピストン本体の開口、ならびにこれら構成要素の対応する構成、大きさ、形状、ジオメトリ、位置、配向および数は、本発明の有用性を制限することなく変えることができる。
本明細書および図面を検討することにより、本発明の多種多様な他の実施例が可能であり、このような実施例は想定されてクレームに記載の発明の範囲内に入ることは当業者にとって明らかである。本発明の範囲は特許請求項に示されており、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (20)

  1. 長手方向の軸を有する磁性流体(MR)減衰器であって、
    MR流体が中に入っている同軸シリンダと、
    シリンダ内に同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合されている、主要チャネルMRピストンアセンブリとを備え、主要チャネルMRピストンアセンブリは
    中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含み、ピストン本体は
    本体外面と
    第1の端部および第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1の端部および第2の端部は軸に対して略垂直であり、さらに
    第1の端部に取付けられる第1の端部プレートおよび第2の端部に取付けられる第2の端部プレートと、
    軸を中心に、本体外面に規定される円周コイル溝と、
    本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する主要チャネルと、
    穴および主要チャネル内に配置され、コイル溝に配置される電気コイルを形成するようさらに構成されている導電体と、
    主要チャネルおよび第2の端部の穴を満たし、導電体および電気コイルを中に有効に封止するよう構成されている非磁性材と、
    軸を中心としてピストン本体をほぼ取囲み、ピストン本体に装着され、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する環状構造体と、
    中を通る同軸開口を規定し、第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドとを含み、ロッド内の前記開口は、第1の端部におけるピストン本体の穴と略整合し、導電体と電気的に接続する導電手段を含み、
    改良点は、ピストン本体の本体外面に規定される二次的チャネルを備え、前記二次的チャネルはコイル溝から第1の端部に向かって延在し、二次的チャネルは非磁性材で満たされ、向上した低速MR減衰力性能を与える、MR減衰器。
  2. 二次的チャネルはある長さを有し、その長さはコイル溝から第1の端部に延在する、請求項1に記載のMR減衰器。
  3. 主要チャネルは、第2の端部からコイル溝に延在する第1の主要チャネル部をさらに含み、前記第1の主要チャネル部は前記二次的チャネルと軸方向において整合している、請求項2に記載のMR減衰器。
  4. 主要チャネルは、第2の端部からコイル溝に延在する第1の主要チャネル部をさらに含み、前記主要チャネル部は前記二次的チャネルと軸方向に整合する、請求項1に記載のMR減衰器。
  5. 二次的チャネルは、コイル溝から第1の端部への第1の長さと、コイル溝から第1の端部への第2の長さとを有し、第2の長さは第1の長さよりも長く、第1の長さは第1のy切片点および第1のニーポイントを有する第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含み、前記第1のニーポイントは第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、第2の長さは、第2のy切片点および第2のニーポイントを有する第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含み、前記第2のニーポイントは第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、第2のy切片点は第1のy切片点よりも低く、第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度は第1の主要MRピストンアセンブリ速度よりも高く、第2のニーポイントは、第1および第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を描く減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリグラフ上の第1のニーポイントの右側にある、請求項1に記載のMR減衰器。
  6. 主要チャネルMRピストンアセンブリは第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含み、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路はピストン本体ならびに中を通る第1および第2のプレートによって規定され、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路は、穴から出発し、かつ軸に対して軸上半径方向において離れている関係で配置される、請求項1に記載のMR減衰器。
  7. 主要チャネルMRピストンアセンブリは、初期y切片点および初期第1のニーポイントを有する初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を規定する前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含まず、前記初期ニーポイントは初期主要チャネルMRピストン速度にあり、主要チャネルMRピストンアセンブリは、第1のy切片点および第1のニーポイントを規定する前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含み、前記第1のニーポイントは第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、第1のy切片点は初期y切片点よりも低く、第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度は、初期主要MRピストンアセンブリ速度よりも高く、第1のニーポイントは、初期のおよび第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を描く減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリグラフ上の初期ニーポイントの右側にある、請求項6に記載のMR減衰器。
  8. 主要チャネルMRピストンアセンブリは、第2の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含み、前記第2の実質的磁気消勢可能MR流体通路は、ピストン本体ならびに中を通る第1および第2のプレートによって規定され、前記第2の実質的磁気消勢可能MR流体通路は穴から出発し、かつ軸に対して軸上半径方向において離れている関係で配置され、前記第2の実質的磁気消勢可能MR流体通路は第2のy切片点および第2のニーポイントを有する第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を規定し、前記第2のニーポイントは第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、第2のy切片点は第1のy切片点よりも低く、第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度は、第1の主要MRピストンアセンブリ速度よりも高く、第2のニーポイントは、初期のならびに第1および第2の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を描く減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリグラフ上の第1のニーポイントの右側にある、請求項7に記載のMR減衰器。
  9. MR減衰器はさらに、
    MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリと電気的に接続するコントローラと、
    複数の値を含むルックテーブルとを備え、前記値はルックアップテーブルに置かれ、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリのニーポイント動作範囲にわたり、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリを動作的に制御するために、前記値はコントローラによってアクセスされ、
    前記主要チャネルMRピストンアセンブリは、初期y切片点および初期ニーポイントを有する初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含み、前記初期ニーポイントは初期主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、
    前記値は、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の特性を含み、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つの曲線は、主要チャネルMRピストンアセンブリに規定される複数の実質的磁気消勢可能MR流体通路のうちの少なくとも1つの通路に付随する複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の少なくとも1つを表し、複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の前記少なくとも1つは、複数のy切片点のうちの少なくとも1つおよび複数のニーポイントのうちの少なくとも1つを含み、前記複数のニーポイントは複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、複数のy切片点のうちの少なくとも1つは初期y切片点よりも低く、複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度のうちの少なくとも1つは、主要チャネルMRピストンアセンブリ速度よりも高く、
    前記ニーポイント動作範囲は、初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線および複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つの曲線を含み、
    前記コントローラは、
    MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作の間であって、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度での主要チャネルMRピストンアセンブリの性能を至適化するために、
    (i) 初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線がMR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線を選択しない、および
    (ii) 複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つが、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つ、の少なくとも一方を電子的に選択するよう構成されている、請求項1に記載のMR減衰器。
  10. 長手方向の軸を有する磁性流体(MR)減衰器であって、
    MR流体が中に入っている同軸シリンダと、
    シリンダ内に同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合されている、マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリとを備え、マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは
    中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含み、ピストン本体は
    本体外面と
    第1の端部および第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1の端部および第2の端部は軸に対して略垂直であり、さらに
    第1の端部に取付けられる第1の端部プレートおよび第2の端部に取付けられる第2の端部プレートと、
    軸を中心に、本体外面に規定される第1の円周コイル溝と、
    軸を中心に、本体外面に規定される第2の円周コイル溝とを含み、前記第2のコイル溝は第1のコイル溝よりも第1の端部に隣接して軸の周りの本体外面に規定され、第2のコイル溝は第1のコイル溝に重ならず、さらに
    本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する第1の主要チャネルを含み、前記第1の主要チャネルは第2の端部からコイル溝に配置される第1の主要チャネル部を含み、
    本体外面に規定され、第1のコイル溝から第2のコイル溝に延在する、第2の主要チャネルと、
    穴、第1の主要チャネル、第1のコイル溝、第2の主要チャネル、および第2のコイル溝に配置される導電体とを含み、前記導電体は第1のコイル溝に配置される第1の電気コイルと、第2のコイル溝に配置される第2の電気コイルとを形成するようさらに構成され、さらに
    第1のコイル溝、第2のコイル溝、第1の主要チャネル、第2の主要チャネル、および第2の端部の穴を満たし、導電体ならびに第1および第2の電気コイルを有効に封止するよう構成されている非磁性材と、
    本体外面に規定され、第2のコイル溝から第1の端部に向かって延在する二次的チャネルとを含み、前記二次的チャネルは非磁性材で満たされ、
    軸を中心としてピストン本体をほぼ取囲み、ピストン本体に取付けられ、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する環状構造体と、
    中を通る同軸開口を規定し、第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドとを備え、ロッドの開口は第1の端部においてピストン本体の穴と略整合し、導電体と電気的に接続する導電手段を含み、
    二次的チャネルは向上した低速MR減衰力性能を与える、MR減衰器。
  11. 前記第1の主要チャネル部、前記第2の主要チャネル、および前記二次的チャネルは軸方向において整合し、二次的チャネルはある長さを有し、その長さは第2のコイル溝から第1の端部に延在する、請求項10に記載のMR減衰器。
  12. マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含み、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路はピストン本体ならびに中を通る第1および第2のプレートによって規定され、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路は、穴から出発し、かつ軸に対して軸上半径方向において離れている関係で配置される、請求項10に記載のMR減衰器。
  13. MR減衰器はさらに、
    MR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリと電気的に接続するコントローラと、
    複数の値を含むルックテーブルとを備え、前記値はルックアップテーブルに置かれ、MR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリのニーポイント動作範囲にわたり、MR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリを動作的に制御するために前記値はコントローラによってアクセスされ、
    前記マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリは、初期y切片点および初期ニーポイントを有する初期減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含み、前記初期ニーポイントは初期マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、
    前記値は、複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の特性を含み、複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つの曲線は、マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリに規定される複数の実質的磁気消勢可能MR流体通路のうちの少なくとも1つの通路に付随する複数の減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の少なくとも1つを表し、複数の減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の前記少なくとも1つは、複数のy切片点のうちの少なくとも1つおよび複数のニーポイントのうちの少なくとも1つを含み、前記複数のニーポイントは複数のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、複数のy切片点のうちの少なくとも1つは初期y切片点よりも低く、複数のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度のうちの少なくとも1つは、マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度よりも高く、
    前記ニーポイント動作範囲は、初期減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線および複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つの曲線を含み、
    前記コントローラは、
    MR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリの動作の間であって、低いマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度でのMR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリの性能を至適化するために、
    (i) 初期減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線がMR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線を選択しない、および
    (ii) 複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つが、MR減衰器のマルチ主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対マルチ主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つ、の少なくとも一方を電子的に選択するよう構成されている、請求項10に記載のMR減衰器。
  14. 低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において磁性流体(MR)減衰力性能を向上させるための方法であって、
    長手方向の軸を有するMR減衰器を設けるステップを含み、前記MR減衰器は、
    MR流体が中に入っている同軸シリンダと、
    シリンダ内に同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合されている、主要チャネルMRピストンアセンブリとを備え、主要チャネルMRピストンアセンブリは
    中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含み、ピストン本体は
    本体外面と
    第1の端部および第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1の端部および第2の端部は軸に対して略垂直であり、さらに
    第1の端部に取付けられる第1の端部プレートおよび第2の端部に取付けられる第2の端部プレートと、
    軸を中心に、本体外面に規定される円周コイル溝と、
    本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する主要チャネルと、
    穴および主要チャネル内に配置され、コイル溝に配置される電気コイルを形成するようさらに構成されている導電体と、
    主要チャネルおよび第2の端部の穴を満たし、導電体および電気コイルを中に有効に封止するよう構成されている非磁性材と、
    ピストン本体の本体外面に規定される二次的チャネルとを備え、前記二次的チャネルはコイル溝から第1の端部に向かって延在し、二次的チャネルは非磁性材で満たされ、さらに
    軸を中心としてピストン本体をほぼ取囲み、ピストン本体に装着され、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する環状構造体と、
    中を通る同軸開口を規定し、第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドとを含み、ロッド内の前記開口は、第1の端部におけるピストン本体の穴と略整合し、導電体と電気的に接続する導電手段を含み、
    MR減衰器はMR減衰器の動作の間に有効な初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含み、前記減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線は初期y切片点を含み、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度において略右上がりの単一斜線傾斜ランプが続き、前記単一斜線傾斜ランプは減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線上の初期ニーポイントにつながり、前記初期ニーポイントは初期主要チャネルMRピストン速度にあり、初期ニーポイントは減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線上の略穏やかな右上がり斜線傾斜ランプに遷移し、前記穏やかな右上がり斜線傾斜ランプは、初期主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にある初期ニーポイントよりも高い、中から高の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にまたがる、方法。
  15. 主要チャネルMRピストンアセンブリを設けるステップは、第2の端部からコイル溝に延在する第1の主要チャネル部をさらに含む主要チャネルをさらに備え、前記主要チャネル部は前記二次的チャネルと軸方向に整合し、二次的チャネルの長さは、コイル溝から第1の端部に延在する、請求項14に記載の方法。
  16. 主要チャネルMRピストンアセンブリを設けるステップは、第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含む主要チャネルMRピストンアセンブリをさらに含み、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路は、ピストン本体ならびに中を通る第1および第2のプレートによって規定され、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路は穴から出発し、かつ軸に対して軸上半径方向において離れている関係を有するよう配置され、主要チャネルMRピストンアセンブリは、MR減衰器の動作の間有効である第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を含む、前記第1の実質的磁気消勢可能MR流体通路を含み、前記第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線は第1のy切片点および第1のニーポイントを含み、前記第1のニーポイントは第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、第1のy切片点は初期y切片点よりも低く、第1の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度は、初期主要MRピストンアセンブリ速度よりも高く、第1のニーポイントは、初期および第1の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線を描く減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリグラフ上の初期ニーポイントの右側にある、請求項14に記載の方法。
  17. 主要チャネルMRピストンアセンブリを設けるステップは、主要チャネルの幅を設定し、主要チャネルの幅とほぼ等しい二次的チャネルの幅を設定するステップをさらに含み、幅は実質的磁気付勢可能MR流体通路の長さに対応し、実質的磁気付勢可能MR流体通路の長さに対する幅を増加させることにより、新たな減衰力対主要チャネルMRアセンブリ性能曲線がもたらされ、前記新たな性能曲線はMR減衰器の性能動作範囲において第2のy切片点および第2のニーポイントを含み、前記第2のニーポイントは第2の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、前記第2の主要チャネルMRピストン速度は第1の主要チャネルMRピストン速度よりも高く、前記第2のy切片点は第1のy切片点よりも小さい、請求項14に記載の方法。
  18. コントローラを設けるステップをさらに含み、前記コントローラはMR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリと電気的に接続し、前記コントローラは複数の値を含むルックアップテーブルをアクセスし、前記値はルックアップテーブルに置かれ、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリのニーポイント動作範囲にわたり、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリを動作的に制御するために、前記値はコントローラによって用いられ、
    前記値は、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の特性を含み、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つは、主要チャネルMRピストンアセンブリに規定される複数の実質的磁気消勢可能MR流体通路のうちの少なくとも1つの通路に付随する複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の少なくとも1つを表し、複数の減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線の前記少なくとも1つの曲線は、複数のy切片点のうちの少なくとも1つおよび複数のニーポイントのうちの少なくとも1つを含み、前記複数のニーポイントは複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度にあり、複数のy切片点のうちの少なくとも1つは初期y切片点よりも低く、複数の主要チャネルMRピストンアセンブリ速度のうちの少なくとも1つは、主要チャネルMRピストンアセンブリ速度よりも高く、
    前記ニーポイント動作範囲は、初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線および複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの前記少なくとも1つの曲線を含み、
    前記コントローラは、
    MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作の間であって、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度でのMR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの性能を至適化するために、
    (i) 初期減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線がMR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線を選択しない、および
    (ii) 複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つが、MR減衰器の主要チャネルMRピストンアセンブリの動作を規定するよう、複数の所定の特徴付けられる減衰力対主要チャネルMRピストンアセンブリ速度曲線のうちの少なくとも1つの曲線の少なくとも1つ、の少なくとも一方を電子的に選択するよう構成されている、請求項14に記載の方法。
  19. 磁性流体(MR)減衰システムであって、
    コントローラと、
    コントローラと電気的に接続する少なくとも1つの磁性流体(MR)減衰器とを備え、コントローラはMR減衰器の動作を動作可能に制御し、
    MR減衰器は長手方向の軸を含み、
    MR流体が中に入っている同軸シリンダと、
    シリンダ内に同軸的に配置され、シリンダ内において軸方向の往復運動のためにシリンダ内で摺動可能に係合するよう適合されている、主要チャネルMRピストンアセンブリとを備え、主要チャネルMRピストンアセンブリは
    中を通る同軸穴を規定するピストン本体を含み、ピストン本体は
    本体外面と
    第1の端部および第1の端部から軸方向に離れている第2の端部とを含み、第1の端部および第2の端部は軸に対して略垂直であり、さらに
    第1の端部に取付けられる第1の端部プレートおよび第2の端部に取付けられる第2の端部プレートと、
    軸を中心に、本体外面に規定される円周コイル溝と、
    本体外面に規定され、第2の端部の穴からコイル溝に延在する主要チャネルと、
    穴および主要チャネル内に配置され、コイル溝に配置される電気コイルを形成するようさらに構成されている導電体と、
    主要チャネルおよび第2の端部の穴を満たし、導電体および電気コイルを中に有効に封止するよう構成されている非磁性材と、
    ピストン本体の本体外面に規定され、コイル溝から第1の端部に向かって延在する二次的チャネルとを含み、前記二次的チャネルは非磁性材で満たされ、さらに
    軸を中心としてピストン本体をほぼ取囲み、ピストン本体に装着され、軸に対して平行かつ環状空間が空けられている関係を有する実質的磁気付勢可能MR流体通路を規定する環状構造体と、
    中を通る同軸開口を規定し、第1の端部プレートに取付けられる同軸ロッドとを含み、ロッド内の前記開口は、第1の端部におけるピストン本体の穴と略整合し、導電体と電気的に接続する導電手段を含み、
    ピストン本体に規定される二次的チャネルを含む主要チャネルMRピストンアセンブリは、低い主要チャネルMRピストンアセンブリ速度におけるMR減衰システム性能を向上させる、MR減衰システム。
  20. MR減衰システムは、搬送に用いられる装置に配置されるMR減衰サスペンションシステムを備え、前記搬送装置は少なくとも1つの車輪を含み、少なくとも1つのMR減衰器は少なくとも1つの車輪に関連付けられる、請求項19に記載のMR減衰システム。
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