JP5496503B2 - 水素生成装置を備える燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は水素生成装置を備える燃料電池システムに関する。
近年、地球温暖化の原因物質の一つとして二酸化炭素が挙げられ、二酸化炭素排出量の削減が強く要望されている。このため、工場、ビル、自動車、家庭等の電力供給源として、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の発生がない燃料電池の開発が進められている。燃料電池の燃料として水素が用いられるが、燃料の水素を随時供給できるように、オンサイト型の水素製造装置と燃料電池とを組み合わせた燃料電池システムの開発が活発化している。
水素の製造方法として、軽質炭化水素(例えばメタン)を原料とした水蒸気改質反応(スチームリフォーミング)、オートサーマルリフォーミング(ATR)、部分酸化等が知られている。例えば、スチームリフォーミングは、水蒸気を軽質炭化水素に添加し、加熱炉中で改質用触媒の存在下に反応させ、水素と一酸化炭素を主成分とする改質ガスを生成し、次いでこの改質ガス中の水素を分離して、水素を製造する方法である。スチームリフォーミングは吸熱反応であり、反応には800℃以上という高い温度を必要とする。さらに、炭素析出を抑制するために過剰の水蒸気を供給しなければならない。このため、水素の製造に大きな熱エネルギーが必要となる。
ATRは軽質炭化水素の酸化反応と触媒反応を組み合わせて水素を合成する方法である。即ち、反応の第一段階で軽質炭化水素の燃焼により二酸化炭素と水蒸気が生成し、逐次反応として生成した二酸化炭素、水蒸気を用いて触媒反応部で軽質炭化水素の改質反応を行い、水素と一酸化炭素を主成分とする改質ガスを生成し、次いでこの改質ガス中の水素を分離して、水素を製造する方法である。ATRでは、第一段階で生成する反応熱をその場で改質反応に伝播できるため、スチームリフォーミングに比べ熱エネルギーの損失が少ないものの、反応温度が依然として高い(1000℃以上)ことや、熱発生部において炭素生成が起こりやすく、この炭素生成により、触媒部及び触媒反応部の下流機器でのトラブルを誘発しやすい。加えて、反応には高純度の高価な酸素を必要とし、設備費用及びランニングコストが高い。
部分酸化法は、軽質炭化水素の一部をOの添加により燃焼させ、生成した高温のガスを触媒の使用なし(無触媒)で改質するものであり、エネルギー効率の面で優れた方法である。しかし、部分酸化法では、ATRよりさらに高い温度(1300℃程度)で改質を行うこととなり、炭化物の発生が生じやすいという問題がある。加えて、冷却法は直接冷却(ダイレクトクエンチ)によらなくてはならず、運転操作が煩雑となる。さらに、高純度の高価な酸素を必要とし、設備費用及びランニングコストが高い。
上述した軽質炭化水素の改質方法は、いずれも次の(1)〜(3)式の基本反応に基づくものであり、水素の生成には800〜1300℃程度という高い温度が必要である。
2CH+O→4H+2CO ・・・(1)
CH+HO⇔3H+CO ・・・(2)
CO+HO⇔H+CO ・・・(3)
上述の基本反応に基づいて、得られた生成ガス中には、水素の他、一酸化炭素、二酸化炭素が含まれている。このため、固体高分子形燃料電池(PEFC)への水素供給を考えた場合には、さらに前記生成ガスから一酸化炭素、二酸化炭素を除去する工程が必要となる。従来、前記生成ガスから一酸化炭素、二酸化炭素を分離するには、シフト反応後の脱炭酸処理等の分離工程が必要となり、水素生成工程が複雑化すると共に、分離工程において水素の一部が消費され、水素生成の効率が低下するという問題があった。
こうした問題に対し、近年、水素透過膜を備えた水素生成装置を用い、メタンを低温で改質して高純度の水素を生成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
石原達己、外3名「New Reforming Process for H2Production from Natural Gas by Using H2 Permeating Membrane Reactor」、第15回世界水素エネルギー会議プレプリント(CD−ROM)、講演番号;28D−09、2004年6月28日、パシフィコ横浜会議センター
しかしながら、軽質炭化水素のリフォーミングによって生成する水素を燃料電池に用いるためには、より高い純度の水素を製造する必要がある。加えて、軽質炭化水素のリフォーミングによって生成する水素を用いた燃料電池システムでは、よりエネルギー効率の高いシステムの構築が求められている。
そこで本発明は、純度の高い水素を燃料電池に供給でき、かつ、エネルギー効率の高い燃料電池システムを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、酸化触媒が充填され、該酸化触媒に可燃ガスを接触して燃焼する触媒燃焼装置と、水素透過膜により仕切られた触媒反応室と透過水素受容室とが設けられ、前記触媒反応室には下記(1)〜(6)式で表される反応を生起させる炭化水素リフォーミング触媒(以下、リフォーミング触媒Aということがある)が充填されている水素生成装置と、前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を用いて軽質炭化水素を加熱する原料予熱装置と、前記原料予熱装置で加熱した軽質炭化水素を前記触媒反応室に供給する手段と、前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を用いて酸素を含む流体を加熱する酸素予熱装置と、前記酸素予熱装置で加熱した酸素を含む流体を前記触媒反応室に供給する手段と、前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を用いて水蒸気を加熱する水蒸気予熱装置と、前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気を前記触媒反応室に供給する手段と、前記水素生成装置で生成した水素を前記燃料電池に供給する手段とを有し、前記触媒反応室で軽質炭化水素から生成された水素を前記水素透過膜で仕切られた前記透過水素受容室に透過し、前記触媒反応室に残存する残存ガスと分離することを特徴とする。
CH⇒C+2H ・・・(1)
2n+2⇒nC+(n+1)H ・・・(2)
C+(1/2)O⇒CO ・・・(3)
C+HO⇒H+CO ・・・(4)
CH+HO⇔3H+CO ・・・(5)
CO+HO⇔H+CO ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
前記燃料電池システムは、前記透過水素受容室に水蒸気を供給する水蒸気供給手段を有することが好ましく、前記水蒸気供給手段は前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気の一部を前記透過水素受容室に供給する手段であることがより好ましく、前記残存ガスを前記触媒燃焼装置に供給する手段を有することが好ましく、前記触媒反応室に残存する残存ガス、及び/又は、透過水素受容室に透過した水素を熱源として水蒸気を発生する水蒸気発生装置を有することが好ましく、前記透過水素受容室には、不活性粒子が充填されていることが好ましい。
本発明の燃料電池システムによれば、純度の高い水素を燃料電池に供給でき、かつ、エネルギー効率の向上が図れる。
本発明の燃料電池システムについて、以下に実施形態を挙げて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態の燃料電池システムについて、図1、2を用いて説明する。図1は、燃料電池システム10の模式図である。図2は、燃料電池システム10に用いる水素生成装置の一例を示す断面図である。
図1に示すとおり、燃料電池システム10は、複合予熱器20と触媒燃焼装置80と水素生成装置100と水蒸気発生装置150と燃料電池300とを有している。
原料供給源12は、配管14により複合予熱器20と接続されている。配管14には配管16が接続され、配管16は触媒燃焼装置80と接続されている。触媒燃焼装置80には配管82が接続され、配管82は複合予熱器20と接続されている。
空気供給源30には配管32が接続され、配管32は第二空気ブロワ42を介して、分岐45で配管44と配管46とに接続されている。配管44は触媒燃焼装置80に接続され、配管46は燃料電池300のカソード320と接続されている。配管32には配管34が接続され、配管34は第一空気ブロワ36を介して複合予熱器20と接続されている。
複合予熱器20は、配管152により水蒸気発生装置150と接続されている。複合予熱器20には、配管210と、配管220と、配管230と、配管240とが接続されている。配管210は、複合予熱器20で加熱した空気を流通させる流路である。配管210は、水素生成装置100の触媒反応室130と接続されている。配管220は、複合予熱器20で加熱された軽質炭化水素を流通させる流路である。配管220は、配管210と接続されている。配管230は、複合予熱器20で加熱された水蒸気を流通させる流路である。配管230は、分岐233で配管232と配管234とに分岐し、配管234は配管210に接続され、配管232は水素生成装置100の透過水素受容室120と接続されている。配管240は、水蒸気発生装置150と接続されている。
透過水素受容室120には配管122が接続され、配管122は配管124と接続されている。配管124は水蒸気発生装置150と接続されている。触媒反応室130には、配管132が接続され、配管132は水蒸気発生装置150と接続されている。配管132にはガスタービン134が設けられ、該ガスタービン134は図示されない発電機と接続されている。
水蒸気発生装置150には、配管152と配管154と配管156と配管158とが接続されている。配管152は分岐153で配管140に接続され、配管140は軟水化装置60と接続されている。配管140にはスチームタービン142が設けられ、該スチームタービン142は図示されない発電機と接続されている。
配管154は熱交換装置155を介して気液分離装置190と接続されている。気液分離装置190には配管192と配管194が接続されている。配管192は配管16と接続され、配管194は軟水化装置60と接続されている。配管158は熱交換装置160と接続されている。熱交換装置160には、配管162と配管166と配管68とが接続されている。配管162は温水貯槽164と接続されている。配管162には配管161が接続され、配管161は水蒸気発生装置150と接続されている。配管166は、気液分離装置170と接続されている。配管68は、分岐67で配管62と配管66に接続されている。気液分離装置170には、配管172と配管174とが接続されている。配管172は燃料電池300のアノード330と接続され、配管174は軟水化装置60と接続されている。配管156は熱交換装置180と接続されている。熱交換装置180には、配管182と配管184と配管66とが接続されている。配管182は配管162と接続され、配管184は図示されない排気口と接続されている。配管66は、分岐67で配管62と配管68とに接続されている。軟水化装置60には配管52と配管62とが接続されている。配管52は、水源50と接続され、配管62は分岐63で配管64と接続されている。
配管64は燃料電池300の冷却部302と接続されている。冷却部302は配管322と接続され、配管322は配管162と接続されている。カソード320には未反応の空気を排出するカソードオフガスライン324が接続されている。アノード330には、未反応の水素を再度アノード330に供給するためのアノードオフガスリサイクルライン334が接続され、アノードオフガスリサイクルライン334は配管172と接続されている。アノードオフガスリサイクルライン334には、アノードオフガスリサイクルブロワ336が設けられている。
「前記原料予熱装置で加熱した軽質炭化水素を前記触媒反応室に供給する手段」は、配管220、210とで構成されている。「前記酸素予熱装置で加熱した酸素を含む流体を前記触媒反応室に供給する手段」は、配管210である。「前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気を前記触媒反応室に供給する手段」は、配管230、234、210で構成されている。「水蒸気供給手段」は、配管152、230、232と、水蒸気発生装置150と、水蒸気加熱部24とで構成されている。「前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気の一部を前記透過水素受容室に供給する手段」は、配管230、232で構成されている。「前記水素生成装置で生成した水素を前記燃料電池に供給する手段」は、配管122、124、158、166、172と、水素生成装置100と、水蒸気発生装置150と、熱交換装置160と、気液分離装置170とで構成されている。「前記残存ガスを前記触媒燃焼装置に供給する手段」は、配管16、132、154、192、ガスタービン134と、水蒸気発生装置150と、熱交換装置155と、気液分離装置190とで構成されている。
水素生成装置100は、酸素及び水蒸気の存在下で、軽質炭化水素をリフォーミング触媒Aに接触させて下記(1)〜(6)式で表される反応を生起させて水素を生成し、生成した水素と未反応の軽質炭化水素及び他の成分を含む残存ガスとを水素透過膜で分離するものである。水素生成装置100は、プレート型、固定床型、流動床型等が挙げられ、プレート型としては、例えば、図2に示すものが挙げられる。図2に示すように水素生成装置100は、水素透過膜112により仕切られ、触媒反応室130と、触媒反応室130を挟持する透過水素受容室120とが形成された本体110を有する。触媒反応室130には配管210と配管132とが接続され、透過水素受容室120にはそれぞれ配管122と配管232とが接続されている。触媒反応室130には、リフォーミング触媒Aが充填されている。透過水素受容室120には、不活性粒子(イナート粒子)が充填されている。
CH⇒C+2H ・・・(1)
2n+2⇒nC+(n+1)H ・・・(2)
C+(1/2)O⇒CO ・・・(3)
C+HO⇒H+CO ・・・(4)
CH+HO⇔3H+CO ・・・(5)
CO+HO⇔H+CO ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
水素透過膜112は公知の水素透過膜を用いることができ、例えば、パラジウム(Pd)合金膜等が挙げられる。市販の水素透過膜としては、田中貴金属工業株式会社製のPd−Ag膜、Pd−Cu(銅)膜等が挙げられる。
透過水素受容室120に充填する不活性粒子とは、水素に対して不活性な物質であれば特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ等を挙げることができる。透過水素受容室120に不活性粒子を充填することで、触媒反応室130で生成し水素透過膜112を透過して透過水素受容室120に移動してきた水素は、透過水素受容室120に供給された水蒸気と十分に混合され、効率的に透過水素受容室120から流出できるためである。
触媒反応室130に充填するリフォーミング触媒Aは、酸素及び水蒸気の存在下で、軽質炭化水素を前記(1)〜(6)式の反応により水素を生成するものである。このようなリフォーミング触媒Aとしては、Ni/SiO、Ni−Rh/SiO、Ni−Pt/SiO、Ni−Fe/SiO等のニッケル系触媒等が挙げられる。
複合予熱器20は、空気加熱部22と水蒸気加熱部24と原料加熱部26とを有する。複合予熱器20は、触媒燃焼装置80で発生した燃焼熱を取り込んで、軽質炭化水素、水蒸気、酸素を含む流体(空気)をそれぞれ加熱する装置である。本発明における酸素予熱装置は空気加熱部22が相当し、水蒸気予熱装置は水蒸気加熱部24が相当し、原料予熱装置は原料加熱部26が相当する。
触媒燃焼装置80は、酸化触媒を充填した触媒層に可燃ガスを供給して燃焼させる装置である。可燃ガスは、燃料電池システム10の定常運転時には触媒反応室130の残存ガスと補助燃料として用いる軽質炭化水素である。酸化触媒としては公知の酸化触媒を使用でき、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等の貴金属、又はこれらの貴金属をアルミナ多孔体等の単体に担持したものが挙げられる。
水蒸気発生装置150は、複合予熱器20で熱媒体として利用した触媒燃焼装置80の燃焼ガスと、水素生成装置100で分離された水素及び残存ガスを熱媒体とし、水蒸気を発生する装置である。このような水蒸気発生装置150としては、いわゆる複合ボイラ、煙道ボイラ、貫流ボイラ等が挙げられる。
燃料電池300は、水素を燃料ガスとして発電するものであり、固体高分子形燃料電池(PEFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のいずれを用いてもよい。燃料電池300は、電解質310を挟持するようにカソード320とアノード330とが設けられている。燃料電池300には、一対のカソード320とアノード330とを有するものの他、電解質310をカソード320とアノード330とで挟持し、さらにその外側をセパレータで挟持してセルを形成し、該セルを複数積層した燃料電池スタックをも含むものである。電解質310は、燃料電池300の種類に応じて決定することができる。
燃料電池300には、発電に伴い発生する熱を除去するための冷却部302が設けられている。冷却部302は、冷却水を熱媒体とする冷却板や冷却管等が挙げられる。また、燃料電池300が燃料電池スタックである場合には、燃料電池スタックの発熱量に応じて、冷却部302を複数設けてもよい。
気液分離装置170は特に限定されず、例えば、デミスター付き気液分離装置等が挙げられる。気液分離装置190は、気液分離装置170と同様である。
軟水化装置60は、水源50から供給される水に含まれるMg2+、Ca2+等のカチオン成分や、Cl等のアニオン成分を除去する装置である。例えば、カチオン交換樹脂等のカチオン交換体と、アニオン交換樹脂等のアニオン交換体とを充填したイオン交換装置等が挙げられる。
空気供給源30は酸素を含む流体を供給するものであり、例えば、空気を取り込む吸気口等が挙げられる。
燃料電池システム10の運転動作について説明する。
水源50の水は、配管52を経由して軟水化装置60に供給され、軟水化装置60では硬度成分を除去する軟化処理がされる。軟化処理された水の一部は、配管62、68、熱交換装置160、配管162、配管161を順に経由して、水蒸気発生装置150に供給される。また、軟化処理された水の他の一部は、配管62、66を順に経由して、熱交換装置180に供給される。また、軟化処理された水の他の一部は、配管62、64を順に経由して燃料電池300の冷却部302に供給される。冷却部302に供給された水は、燃料電池300を冷却しながら流通し、温水となって配管322に流出する。配管322に流出した温水は、配管162を経由して、温水貯槽164に貯水される。
第一空気ブロワ36、第二空気ブロワ42が起動される。空気は、空気供給源30から配管32、46を順に経由して、カソード320に供給される。また、空気は、空気供給源30から配管32、44を順に経由して、触媒燃焼装置80に供給される。さらに、空気は、空気供給源30から配管32、34を順に経由して、複合予熱器20の空気加熱部22に供給される。空気加熱部22に供給された空気は、空気加熱部22で加熱され予熱済空気となった後、配管210を経由して、触媒反応室130に供給される。
軽質炭化水素は、原料供給源12から配管14を経由して、複合予熱器20の原料加熱部26に供給される。原料加熱部26に供給された軽質炭化水素は、原料加熱部26で加熱され予熱済軽質炭化水素となった後、配管220を経由して配管210を流通する予熱済の空気に混合される。また、補助燃料としての軽質炭化水素は、原料供給源12から配管14、16を経由し、残存ガスと共に触媒燃焼装置80に可燃ガスとして供給される。触媒燃焼装置80に供給された可燃ガスは、触媒燃焼装置80に充填されている酸化触媒と接触して燃焼する。この燃焼により発生した燃焼ガスは、配管82を経由して複合予熱器20に供給される。複合予熱器20に供給された燃焼ガスは、空気加熱部22、水蒸気加熱部24、原料加熱部26の熱源として利用された後、配管240を経由して水蒸気発生装置150に供給される。
水蒸気発生装置150で発生した水蒸気は、配管152を経由して水蒸気加熱部24に供給される。水蒸気加熱部24に供給された水蒸気は、水蒸気加熱部24で加熱され、予熱済水蒸気となって配管230に流される。配管230に流された予熱済水蒸気の一部は、分岐233で配管234に流され、配管210を流通する予熱済空気と混合される。また、配管230に流された予熱済水蒸気の一部は、分岐233で配管232に流され、透過水素受容室120にスイープスチームとして供給される。
配管210では、予熱済軽質炭化水素、予熱済空気及び予熱済水蒸気が混合され、混合流体となる。該混合流体は、触媒反応室130に供給される。供給された混合流体は、リフォーミング触媒Aと接触しながら、所定の温度に調節された触媒反応室130内を流通する。この間、予熱済軽質炭化水素は、酸素及び水蒸気の存在下で下記(1)〜(6)式の反応により水素を生成する。
CH⇒C+2H ・・・(1)
2n+2⇒nC+(n+1)H ・・・(2)
C+(1/2)O⇒CO ・・・(3)
C+HO⇒H+CO ・・・(4)
CH+HO⇔3H+CO ・・・(5)
CO+HO⇔H+CO ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
触媒反応室130で生成した水素は、水素透過膜112を透過して透過水素受容室120に移動する。透過水素受容室120に移動した水素は、配管232を経由して透過水素受容室120に供給された予熱済水蒸気と混合され、配管122から含水素流体として流出する。そして、含水素流体は配管124を経由して水蒸気発生装置150に供給される。一方、水素透過膜112を透過できない未反応の軽質炭化水素、二酸化炭素、水等、及び、水素透過膜112を透過しなかった水素を含む残存ガスは、配管132から流出する。流出した残存ガスは、配管132を経由して水蒸気発生装置150に供給される。この間、残存ガスは、配管134に設けられたガスタービン134を駆動して発電する。
水蒸気発生装置150に供給された残存ガスは、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管154から流出する。水蒸気発生装置150に供給された含水素流体は、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管158から流出する。配管240を経由して水蒸気発生装置150に供給された燃焼ガスは、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管156から流出する。この間、水蒸気発生装置150内の水は水蒸気となって、配管152から流出する。水蒸気発生装置150で発生した水蒸気の内、余剰の水蒸気は配管152、140を経由してスチームタービン142を駆動して発電する。
配管154から流出した残存ガスは、熱交換装置155で例えば常温まで冷却された後、気液分離装置190で軽質炭化水素を含むガス成分と水とに分離される。分離された残存ガスのガス成分は配管192を経由して配管16に至り、触媒燃焼装置80に供給される。一方、分離された水は、配管194を経由して軟水化装置60に供給され軟化処理される。ここで、残存ガスから分離したガス成分で、触媒燃焼装置80に必要な熱量が賄える場合には、原料供給源12からの軽質炭化水素の供給を停止できる。
配管156から流出した燃焼ガスは、熱交換装置180を経由して配管184により図示されない排気口へ送られる。この間、熱交換装置180では、配管66から供給された水と熱交換がなされる。そして、水は任意の温度(例えば、60〜70℃)の温水となって、配管182、162を順に経由して温水貯槽164に貯水される。配管158から流出した含水素流体は、熱交換装置160で配管68から供給された水と熱交換がなされ、所定の温度に冷却された後、配管166により気液分離装置170に供給される。熱交換された水は、任意の温度(例えば、60〜70℃)の温水となって、配管162を経由して温水貯槽164に至る。気液分離装置170に供給された含水素流体は、水とガス成分である水素とに分離される。分離された水素は、配管172によりアノード330に供給される。一方、分離された水は、配管174により軟水化装置60に供給され軟化処理される。
カソード320に空気が供給され、アノード330に水素が供給されると、カソード320では下記(7)式のような化学反応が生じ、アノード330では下記(8)式のような化学反応が生じて発電が行われる。
(1/2)O+2H+2e⇒HO ・・・(7)
⇒2H+2e ・・・(8)
そして、アノードオフガスリサイクルブロワ336が起動され、アノード330内の未反応の水素は、アノードオフガスリサイクルライン334、配管172を順に経由してアノード330に供給される。カソード320で生成した水は、カソード320内の未反応の空気と共にカソードオフガスライン324から排出される。
原料供給源30から供給される軽質炭化水素とは、天然ガス、油田随伴ガス、LPG等を指し、炭素数1〜5の炭化水素を示す。
複合予熱器20の出口における予熱済軽質炭化水素の温度は、水素生成装置100の触媒反応室130に充填したリフォーミング触媒Aの種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
複合予熱器20の出口における予熱済水蒸気の温度は、水素生成装置100の触媒反応室130に充填したリフォーミング触媒Aの種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
複合予熱器20の出口における予熱済空気の温度は、水素生成装置100の触媒反応室130に充填したリフォーミング触媒Aの種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
触媒反応室130に供給する混合流体における軽質炭化水素、水蒸気、空気の混合比は触媒反応室130に充填したリフォーミング触媒Aの種類に応じて決定することができる。例えば、混合流体中の水蒸気の混合比は、水蒸気のモル数/軽質炭化水素の炭素のモル数で表されるS/C比を1.0〜2.0とすることが好ましい。また、混合流体中の空気の混合比は、軽質炭化水素の炭素数を勘案して決定することができ、混合流体中の酸素のモル比/軽質炭化水素の炭素のモル比で表されるO/C比を0.2〜0.5とすることが好ましい。
触媒反応室130に供給する混合流体の圧力は、水素透過膜112の種類、リフォーミング触媒Aの種類等を勘案して決定することが好ましい。例えば、触媒反応室130の出口における残存ガスの圧力が253.3〜353.3kPaとなるように、触媒反応室130に供給する混合流体の圧力を調節することが好ましい。
透過水素受容室120に供給する予熱済水蒸気の供給量は、触媒反応室130に供給される混合流体の供給量を勘案して決定することができる。例えば、(触媒反応室の出口の残存ガスの水素分圧)/(透過水素受容室の出口の含水素流体の水素分圧)とで表される水素分圧比が、1.0〜1.1になるように調節することが好ましい。上記範囲内であれば、触媒反応室130で生成した水素が水素透過膜112を円滑に透過することができ、水素の生成効率が向上する。
透過水素受容室120に供給する予熱済水蒸気の圧力は、水素透過膜112の種類や触媒反応室130内の圧力、前記水素分圧比を勘案して決定することができ、例えば、110〜200kPaの範囲で決定することが好ましい。上記範囲内であれば、透過水素受容室120の水素を透過水素受容室120から効率的に押し出して、透過水素受容室120内の水素分圧を適切に保つことができる。そして、触媒反応室130で生成した水素は水素透過膜112を円滑に透過することができ、水素の生成効率が向上する。
触媒反応室130の温度はリフォーミング触媒Aの種類に応じて決定することができ、例えば、500〜700℃とすることが好ましく、500〜600℃とすることがより好ましい。上記範囲内であれば、軽質炭化水素から水素を効率的に生成することができるためである。
触媒燃焼装置80で発生した燃焼ガスの出口温度は、複合予熱器20の熱負荷や、軽質炭化水素、水蒸気、空気の供給量等を勘案して決定することができ、例えば、900〜1500℃とすることが好ましい。
水蒸気発生装置150で発生させる水蒸気の温度は特に限定されないが、例えば、140〜200℃の範囲で調節することが好ましい。
熱交換装置160における冷却後の含水素流体の温度は、燃料電池300の種類に応じて決定することができる。例えば、燃料電池300としてPEFCを用いる場合には、含水素流体を70〜80℃に冷却することが好ましい。また、例えば、燃料電池300としてPAFCを用いる場合には、含水素流体を180〜210℃に冷却することが好ましい。
上述のとおり、リフォーミング触媒Aを用いることで、従来の炭化水素リフォーミング触媒に比べて低い温度で水素を生成することができ、エネルギー効率の向上が図れる。加えて、触媒反応と水素透過膜とを組み合わせた水素生成装置を用いるため、シフト反応、脱炭酸処理等の新たな工程を設けることなく、高純度の水素を得ることができる。
本実施形態の燃料電池システムは、水蒸気供給手段を設け透過水素受容室にスイープスチームを供給し、透過水素受容室に透過した水素を強制的に押し出すことで、触媒反応室から透過水素受容室への水素の透過速度の向上が図れる。加えて、透過水素受容室に供給するスイープスチームとして予熱済水蒸気を用いることで、水素生成装置の温度を安定させ、効率的に水素を発生させることができる。この結果、水素の生成効率を向上できる。
本実施形態の燃料電池システムは、水素生成装置で分離された残存ガスを用いて、触媒燃焼装置を運転できるため、燃料電池システム全体のエネルギー効率の向上を図れる。加えて、残存ガスと含水素流体とを用いて水蒸気を発生させるため熱エネルギーの有効利用ができ、燃料電池システム全体のエネルギー効率の向上が図れる。さらに、透過水素受容室に不活性粒子を充填することで、水素透過膜を透過してくる水素と透過水素受容室を流通する水蒸気とを整流し、触媒反応室内の水素分圧/透過水素受容室内の水素分圧で表される水素分圧比を適正に保つことができる。この結果、水素の生成効率を向上できる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態の燃料電池システムについて、図2、3を用いて説明する。図3は、燃料電池システム500の模式図である。なお、第一の実施形態の燃料電池システム10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、燃料電池システム500において、燃料電池システム10と異なる点は、複合予熱器20に供給する空気を酸素供給源510から供給する高純度の酸素(以下、純酸素ということがある)とした点である。
燃料電池システム500は酸素供給源510を有し、酸素供給源510は配管512により複合予熱器20と接続されている。酸素供給源510は、純酸素を供給するものであり、例えば、空気分離装置等が挙げられる。また、例えば、隣接装置の余剰酸素を利用するために、酸素供給源510は余剰酸素の貯留タンク等であってもよい。供給される純酸素の酸素濃度は、90質量%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
燃料電池システム500では、純酸素が酸素供給源510から配管512を経由して、複合予熱器20の空気加熱部22に供給される。供給された純酸素は、空気加熱部22で加熱され、予熱済酸素となる。予熱済酸素は配管210を流通し、配管220から供給される予熱済軽質炭化水素及び配管234から供給される予熱済水蒸気が予熱済酸素に混合されて混合流体となる。そして、混合流体は、触媒反応室130に供給されて、水素生成が行われる。
複合予熱器20の出口における予熱済酸素の温度は、水素生成装置100の触媒反応室130に充填したリフォーミング触媒Aの種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
本実施形態の燃料電池システムによれば、触媒反応室では純酸素の存在下で触媒反応を行うため、水素生成の効率向上を図ることができる。
(その他の実施形態)
本発明の燃料電池システムは上述の実施形態に限定されない。
第一、第二の実施形態では、透過水素受容室には不活性粒子が充填されているが、該不活性粒子は充填されていなくてもよい。ただし、透過水素受容室内での水素及び水蒸気を整流し、水素の生成効率の向上を図る観点からは、不活性粒子を透過水素受容室に充填することが好ましい。
第一、第二の実施形態では、水蒸気供給手段として複合予熱器で加熱した予熱済水蒸気をスイープスチームとして透過水素受容室に供給する手段が設けられている。しかし、本発明はこれに限られず、水蒸気供給手段は水蒸気発生装置で発生した水蒸気を加熱せずに透過水素受容室に供給する構成としてもよい。水素生成装置の触媒反応室の温度を安定させ、効率的に水素を発生させる観点から、水蒸気供給手段は水蒸気加熱部で加熱した予熱済水蒸気をスイープスチームとして透過水素受容室に供給する手段であることが好ましい。
第一、第二の実施形態では、水素生成装置の二次側にガスタービンが設けられているが、該ガスタービンは設けられていなくてもよい。
第一、第二の実施形態では、スチームタービンが設けられているが、該スチームタービンは設けられていなくてもよい。
第一、第二の実施形態は、水素生成装置で生成した含水素流体、残存ガス及び触媒燃焼装置で発生し複合予熱器を経由した燃焼ガスを熱源として水蒸気を発生しているが、水蒸気発生装置に用いる熱源は前述の含水素流体、残存ガス、燃焼ガスのいずれかのみであってもよい。
第一、第二の実施形態では、原料予熱装置と酸素予熱装置と水蒸気予熱装置とが一体化した複合予熱器が設けられているが、原料予熱装置と酸素予熱装置と水蒸気予熱装置とは個別に設けられていてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(製造例1)リフォーミング触媒1の製造
前述の非特許文献1の記載に従い、リフォーミング触媒1の全体質量の10質量%となるように、NiをSiOに担持したNi/SiOを製造した。Niの供給源には硝酸ニッケルを用い、単体にはアエロジル社のSiO(表面積:380m/g)を用い、公知の含浸法により調製した。SiOに硝酸ニッケル水溶液を含浸させ乾燥させた後、300℃で4時間焼結し、さらに400℃で5時間加熱して、リフォーミング触媒1を得た。
(実施例1)
図1に示す燃料電池システム10と同一の構成からなる、燃料電池システムAを製作し発電試験を行った。
燃料電池としてPEFCの燃料電池スタックを採用し、試験設備の容量は、発電端出力(直流)で1.223kW、送電端出力(交流)として1kW級とした。水素生成装置は図2に示す水素生成装置100と同様の構造を有するプレートタイプとした。水素透過膜は、市販のPd−Ag膜(田中貴金属工業株式会社製)を用い、その透過面積は0.176m、水素透過フラックスは0.173kg−mol/h−H/mとした。「水素透過フラックス」とは、透過膜単位面積(m)における1時間当たりの透過水素流量(kg−mol/h)である(以降において同じ)。触媒反応室には、リフォーミング触媒1を3.52L充填した。透過水素受容室には、不活性粒子(アルミナ、質量平均粒子径:5mmφ、株式会社チップトン製)を5.28L充填した。触媒燃焼装置は固定床式とし、酸化触媒としてパラジウム触媒(炭化水素酸化触媒、ズードケミー触媒株式会社製)を5.4L充填した。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガス0.469Nm/hを複合予熱器で400℃に加熱後、触媒反応室に供給した。空気0.551Nm/hを複合予熱器で400℃に加熱後、触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度144℃、圧力395.5kPa)を複合予熱器で400℃に加熱後、0.706Nm/hをプロセススチームとして触媒反応室に供給し、4.467Nm/hをスイープスチームとして透過水素受容室に供給した。また、触媒燃焼装置に供給された補助燃料としての天然ガス流量は0.027Nm/hであり、燃焼ガス基準SVは4706(m/h)/m−Catであり、複合予熱器への伝熱量は2800kJ/h(669kcal/h)であった。
その他のプロセス条件は表1に示す値とした。なお、「Nm」とは、「m(標準状態)」を表す(以降において同じ)。「燃焼ガス基準SV」とは、酸化触媒の単位体積(m−Cat)当たりにおける、1時間当たりの燃焼ガス発生量(m/h)であり、単位(m/h)/m−Catで表される値である(以降において同じ)。
水素生成装置で生成した水素は0.758Nm/hであった。生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.682Nm/hであり、生成水素基準W/Fは26.1kg−Cat/kg−mol/h−Hであった。上記生成水素量は原料天然ガス転換率47.0%に相当するものである。「W/F」とは、1時間当たりの水素生成量(kg−mol/h−H)当たりの触媒量(kg−Cat)であり、kg−Cat/kg−mol/h−Hで表される(以降において同じ)。
また、水素生成装置の下記(9)式で定義される冷ガス効率は43.5%であった。なお、下記(9)式においてLHV(kJ/Nm)は低位発熱量を示す。
冷ガス効率=(生成H+CO(Nm/h)のLHV)/(供給天然ガス(Nm/h)のLHV)×100 ・・・(9)
(実施例2)
図3に示す燃料電池システム500と同一の構成からなる、燃料電池システムBを製作し発電試験を行った。
燃料電池としてPEFCの燃料電池スタックを採用し、試験設備の容量は、発電端出力(直流)で1.223kW、送電端出力(交流)として1kW級とした。水素生成装置は図2に示す水素生成装置100と同様の構造を有するプレートタイプとした。水素透過膜は、市販のPd−Ag膜(田中貴金属工業株式会社製)を用い、その透過面積は0.176m、水素透過フラックスは0.173kg−mol/h−H/mとした。触媒反応室には、リフォーミング触媒1を3.52L充填した。透過水素受容室には、不活性粒子としてアルミナを5.28L充填した。触媒燃焼装置は固定床式とし、酸化触媒としてパラジウム触媒を5.4L充填した。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガス0.462Nm/hを複合予熱器で400℃に加熱後、触媒反応室に供給した。純酸素(純度:99.9%以上)0.114Nm/hを複合予熱器で400℃に加熱後、触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度144℃、圧力395.5kPa)を複合予熱器で400℃に加熱後、0.695Nm/hをプロセススチームとして触媒反応室に供給し、2.883Nm/hをスイープスチームとして透過水素受容室に供給した。また、補助燃料としての触媒燃焼装置への天然ガスの供給は行わなかった。燃焼ガス基準SVは4241(m/h)/m−Catであり、複合予熱器への伝熱量は2001kJ/h(478kcal/h)であった。
その他のプロセス条件は表1に示す値とした。
水素生成装置で生成した水素は0.758Nm/hであった。生成した水素の内、透過水素受容室に透過した水素は0.682Nm/hであり、生成水素基準W/Fは26.1kg−Cat/kg−mol/h−Hであった。
上記生成水素量は原料天然ガス転換率47.6%に相当するものである。
また水素生成装置の前記(9)式で定義される冷ガス効率は44.4%であった。
Figure 0005496503
表1の実施例1の結果に示すように、燃料電池システムAに投入されたエネルギーは、原料天然ガス+補助燃料天然ガスであり、その熱量は5.658kWであった。燃料電池システムAのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムAを構成する空気ブロワ等の付属機器の消費動力は0.083kW、回収動力(ガスタービン)は0.074kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムAの送電端出力(交流)として1.091kWが得られ、燃料電池システムAの送電端効率は19.3%であった。PEFC燃料電池スタック、含水素流体及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は67.49kg/hであり、この値は熱量換算で3.338kWに相当し、温水生産効率として59.0%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として78.3%が得られた。
表1の実施例2の結果に示すように、燃料電池システムBに投入されたエネルギーは、原料天然ガスであり、その熱量は5.267kWであった。燃料電池システムBのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムBを構成する空気ブロワ等の付属機器の消費動力は0.048kW、回収動力(ガスタービン及びスチームタービン)は0.130kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムBの送電端出力(交流)として1.182kWが得られ、送電端効率は22.4%であった。PEFC燃料電池スタック、含水素流体及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は48.23kg/hであり、この値は熱量換算で2.423kWに相当し、温水生産効率として46.0%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として68.4%が得られた。
上述のように、触媒反応室に空気を供給した実施例1に比べて、純酸素を供給した実施例2において、送電端効率が高いことが判った。
本発明の第一の実施形態にかかる燃料電池システムを示す模式図である。 本発明の燃料電池システムに用いる水素生成装置を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる燃料電池システムを示す模式図である。
符号の説明
10、500 燃料電池システム
16、122、124、132、152、154、158、166、172、192、210、230、232、234 配管
20 複合予熱器
22 空気加熱部
24 水蒸気加熱部
26 原料加熱部
80 触媒燃焼装置
100 水素生成装置
112 水素透過膜
120 透過水素受容室
130 触媒反応室
134 ガスタービン
150 水蒸気発生装置
155、160 熱交換装置
170、190 気液分離装置
300 燃料電池

Claims (3)

  1. 燃料電池と、
    水蒸気発生装置と、
    酸化触媒が充填され、該酸化触媒に可燃ガスを接触して燃焼する触媒燃焼装置と、
    水素透過膜により仕切られた触媒反応室と透過水素受容室とが設けられ、前記触媒反応室には下記(1)〜(6)式で表される反応を生起させる炭化水素リフォーミング触媒が充填されている水素生成装置と、
    前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を熱媒体として、軽質炭化水素を加熱する原料予熱装置と、
    前記原料予熱装置で加熱した軽質炭化水素を前記触媒反応室に供給する手段と、
    前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を熱媒体として、酸素を含む流体を加熱する酸素予熱装置と、
    前記酸素予熱装置で加熱した酸素を含む流体を前記触媒反応室に供給する手段と、
    前記触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を熱媒体として、前記水蒸気発生装置で生じた水蒸気を加熱する水蒸気予熱装置と、
    前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気を前記触媒反応室及び前記透過水素受容室に供給する手段と、
    前記水素生成装置で生成した水素を前記燃料電池に供給する手段とを有し、
    前記触媒反応室で軽質炭化水素から生成された水素を前記水素透過膜で仕切られた前記透過水素受容室に透過し、前記触媒反応室に残存する残存ガスと分離し
    前記水蒸気発生装置は、前記触媒反応室に残存する残存ガス、前記透過水素受容室に透過した水素、並びに、前記原料予熱装置、前記酸素予熱装置及び前記水蒸気予熱装置で熱媒体として利用された前記の触媒燃焼装置で生じた燃焼熱を熱媒体として、水蒸気を発生することを特徴とする、燃料電池システム。
    CH⇒C+2H ・・・(1)
    2n+2⇒nC+(n+1)H ・・・(2)
    C+(1/2)O⇒CO ・・・(3)
    C+HO⇒H+CO ・・・(4)
    CH+HO⇔3H+CO ・・・(5)
    CO+HO⇔H+CO ・・・(6)
    [上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
  2. 前記水蒸気発生装置で熱媒体として用いられた前記残存ガスを前記触媒燃焼装置に供給する手段を有する、請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記透過水素受容室には、不活性粒子が充填されている、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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