JP2022076978A - 燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法。 - Google Patents

燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法。 Download PDF

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Abstract

Figure 2022076978000001
【課題】燃料電池から排出される特定割合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含むガスに転化することができる、燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】燃料電池から排出される二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含むオフガスから水を除去して低含水CO2リッチガスを得、得られた低含水CO2リッチガスに水素を添加して混合ガスを得、該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む、燃料電池から排出されるオフガスの処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法に関する。より詳細に、本発明は、燃料電池から排出される特定割合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含むガスに転化することができる、燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法に関する。
温室効果ガスの一つである二酸化炭素を水素で還元反応させてメタンを製造する技術が知られている。しかし、二酸化炭素の回収法、メタネーション反応で得られるメタンの活用法などに関して、電力供給量、設備コスト、運転コスト、二酸化炭素の回収効率、熱効率などの観点からの総合的な検討が要求される。
例えば、特許文献1は、燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムであって、前記燃料もしくは前記燃料を改質して生成される改質ガスが供給される燃料極と、陰イオンを透過させる電解質とを備える燃料電池と、前記燃料極から排出される燃料極排出ガスが供給され、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させメタンに変換するメタン生成手段と、を有する燃料電池発電システムを開示している。
特許文献2は、化石燃料に含まれる水素と空気中の酸素とを化学反応させて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池から排出される排出ガス中に含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、前記二酸化炭素分離手段により分離された二酸化炭素と水素とを反応させることにより炭化水素を生成する炭化水素生成手段と、前記炭化水素生成手段に水素を供給する水素供給手段と、を備え、前記炭化水素生成手段により生成された前記炭化水素を前記燃料電池に供給する燃料電池発電システムを開示している。
特許文献3は、カソード、アノード、及びカソードとアノードとの間に挿入された電解質でそれぞれが形成された少なくとも1つの固体酸化物個別電気化学セルを含む燃料電池(SOFC)と、燃料電池の出口に接続された気液相分離器と、メタン化反応を実施するのに適したメタン化反応器であって、その入口が相分離器の出口に接続され、その出口が燃料電池の入口に接続され、メタン化反応器から生じる混合物が燃料電池内に導入される、メタン化反応器と、水素を貯蔵するのに適した水素の可逆貯蔵用タンクであって、その出口がメタン化反応器の入口に接続されている、水素の可逆貯蔵用タンクと、を含む、固体酸化物燃料電池(SOFC)を用いて発電する可逆システムを開示している。
特許文献4は、系統電力以外の電源であり且つ都市ガスを燃料とする負荷変動に制約がある分散型電源(例えば、燃料電池など)の余剰エネルギーから得られる水素と、前記余剰エネルギーから得られる水素と運転システム内および/または運転システム外から得られる二酸化炭素とからメタン、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素燃料を製造する炭化水素燃料製造手段と、前記炭化水素燃料製造手段が製造した炭化水素燃料を都市ガス導管系に注入する炭化水素燃料注入手段と、都市ガスを燃料とする負荷変動に制約がある分散型電源の運転時に発生する二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置とを、少なくとも備えることを特徴とする系統電力の安定運用の目的で備えられる分散型電源の運転システムを開示している。
特許文献5は、メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給される燃料電池と、前記燃料電池から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、該ガスタービン装置によって駆動される発電機と、炭素含有ガスと水素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置と、前記燃料電池に水素を供給する水素供給系統と、該水素供給系統から前記燃料電池に水素を供給する際に、前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃焼器に供給する制御部と、を備えていることを特徴とする燃料電池複合発電システムを開示している。
特許文献6は、水素と一酸化炭素とを燃料とし、これらの燃料と酸化剤との電気化学的結合により電気と熱とを発生させるSOFC(固体電解質型燃料電池)モジュールと、このSOFCモジュールの燃料排ガス路に、排気中に含まれる二酸化炭素と水蒸気から水素および一酸化炭素を生成させる第1の反応槽と、この第1の反応槽で生成した前記水素および一酸化炭素をSOFCに戻す還流路と、前記還流路途中に、水素と未反応二酸化炭素とからメタノールおよび/またはメタンを生成させる第2の反応槽を設けたことを特徴とするSOFC燃料リサイクルシステムを開示している。
特許文献7は、燃料電池電力生産システムにおいて、二酸化炭素および酸素を含む煙道ガスを発生するように構成された煙道ガス発生装置と、燃料供給部と、燃料電池アセンブリであって、前記煙道ガス発生器により発生された前記煙道ガスを受取り、且つカソード排気を出力するように構成されたカソード部と、前記燃料供給部から燃料を受け取り、水素および二酸化炭素を含むアノード排気を出力するように構成されたアノード部と、前記アノード排気を受け取り、該アノード排気中の水素の少なくとも一部をメタンに変換し、メタン化されたアノード排気を排出するように構成されたメタン化装置と、前記メタン化されたアノード排気を所定温度に冷却して、前記メタン化されたアノード排気中の二酸化炭素を液化させるように構成された冷却器アセンブリと、前記冷却された前記メタン化されたアノード排気を受け取り、前記液化した二酸化炭素を残留燃料ガスから分離するように構成されたガス分離アセンブリを含む前記燃料電池アセンブリとを具備する、前記燃料電池電力生産システムを開示している。特許文献7は、いくつかの実施形態において、アノード排ガス中の二酸化炭素の濃度は、それらの間の全ての範囲および値を含めて60~75モル%(乾燥基準)の範囲であると、メタン化前のアノード排気は、乾燥基準で20~25モル%の水素および65~75モル%の二酸化炭素を含み、前記メタン化されたアノード排気は、乾燥基準で5~10モル%の水素および75~85モル%の二酸化炭素を含むと、教示している。
また、メタン製造装置として、例えば、特許文献8は、水素と二酸化炭素を原料ガスとしてメタンを製造するメタン製造装置であって、前記原料ガスから前記メタンへの反応であるメタネーション反応を促進する触媒が収容された複数の反応器と、前記複数の反応器における隣り合う2つの反応器をそれぞれ連通し、前段の反応器において生成された生成ガスを後段の反応器に送出する複数の連通路と、前記複数の反応器のうち、最も前段の反応器に前記原料ガスを導入する原料ガス導入部と、前記連通路において、前記前段の反応器で生成された前記生成ガスを、前記メタネーション反応が開始する温度以上、該メタネーション反応が停止する温度未満に冷却する冷却部と、少なくともいずれかの前記連通路のうち、前記冷却部と前記後段の前記反応器との間において、該冷却部によって冷却された生成ガスから水を除去する水除去部と、を備えたことを特徴とするメタン製造装置を開示している。
特許文献9は、二酸化炭素と水素からメタンを製造するメタン製造装置であって、メタンへの転化性能を有する触媒を収容し、供給源から供給された二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第1反応器と、前記第1反応器の下流側に配置され、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第2反応器と、前記第1反応器と前記第2反応器との間のガス流路上に配置され、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力を、前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くする反応混合ガス昇圧部と、を備える、メタン製造装置を開示している。
特開2008-204783号公報 特開2019-8908号公報 特表2018-519617号公報(特許第6615220号公報) 特開2009-77457号公報 特開2007-152313号公報 特開2003-109638号公報 特表2019-515442号公報 特開2015-107942号公報 特開2019-142807号公報
本発明の課題は、燃料電池から排出される特定割合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含むガスに転化することができる、燃料電池から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法を提供することである。
上記課題を解決すべく検討した結果、以下のような態様を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含むオフガスを排出する燃料電池、 二酸化炭素をメタンに転化するためのCO2メタネーション反応装置、 水素源からCO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのライン、および 燃料電池からCO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインを具備する、燃料電池から排出されるオフガスの処理システム。
〔2〕 オフガスは、燃料電池の排出口における温度が115℃以上185℃以下である、〔1〕に記載の処理システム。
〔3〕 燃料電池が、固体酸化物型燃料電池である、〔1〕または〔2〕に記載の処理システム。
〔4〕 CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器、ガスの圧力を高めるための加圧器若しくは圧縮器、および/もしくはガスの温度を調節するための熱交換器若しくは加熱器をさらに具備する、〔1〕~〔3〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔5〕 一酸化炭素を二酸化炭素に転化するためのCO選択酸化反応装置、 酸素源からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのライン、および CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのラインをさらに具備する、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔6〕 CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器をさらに具備する、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔7〕 CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインをさらに具備し、 CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器をさらに具備する、〔1〕~〔6〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔8〕 燃料電池から排出される二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含むオフガスから水を除去して低含水CO2リッチガスを得、 得られた低含水CO2リッチガスに水素を添加して混合ガスを得、 該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む、 燃料電池から排出されるオフガスの処理方法。
〔9〕 メタンリッチガスから水を除去して低含水メタンリッチガスを得ることをさらに含む、〔8〕に記載の処理方法。
〔10〕 燃料電池から排出されるオフガスが、二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下のうちの少なくともひとつを満たさないときに、該オフガスを大気にそのまま放出することを含む、〔9〕に記載の処理方法。
本発明のシステムおよび方法によると、燃料電池から排出される特定割合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含むガスに高効率で転化することができる。本発明によると、燃料電池から排出される二酸化炭素の大気への放出を減らすことができ、生成したメタンは、燃料、都市ガス原料などとして、利用できる。
本発明が規定する組成比のオフガスは、触媒を毒する物質をほとんど若しくは全く含まないので、CO2メタネーション反応装置もしくはCO選択酸化反応装置の反応器に在る触媒の劣化が防止され、触媒の交換無しで長期間の運転が可能である。また、本発明が規定する組成比のオフガスを用いると、CO2メタネーション反応でまたはCO2メタネーション反応とCO選択酸化反応とで得られるメタンリッチガスを、ガスグリッドのスペックを満たすようにすることが、容易である。なお、表1はガスグリッドの主要スペックの一例である。
Figure 2022076978000002
本発明の処理システムの一例を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明の技術的範囲はこれら実施形態によって何等制限されるものでない。
本発明の処理システムは、オフガスを排出する燃料電池、CO2メタネーション反応装置、CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインを具備する。
本発明の処理方法は、燃料電池から排出されるオフガスから水を除去して低含水CO2リッチガスを得、得られた低含水CO2リッチガスに水素を添加して混合ガスを得、該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む。
本発明に用いられる、燃料電池から排出されるオフガスは、二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、好ましくは28体積%以上33体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下、好ましくは8体積%以上18.3体積%以下、および水40体積%以上80体積%以下、好ましくは41体積%以上62体積%以下を含むものである。該オフガスには、アンモニア、一酸化炭素、または窒素が含まれていてもよい。また、前記オフガスは、燃料電池の排出口における温度が115℃以上185℃以下であることが好ましい。センサs1などでオフガスの組成比、温度、流量などをインラインにて測定してもよいし、ガスクロマトグラフィなどでオフガスの組成比をオフラインにて測定してもよい。オフガスの温度が極端に低い場合は、温度調整のために余分な熱量が必要になる。また、温度調整のための熱量が不足する場合はCO2メタネーション反応に適した温度に調整することが難しい。
燃料電池から排出されるオフガスが、二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、好ましくは28体積%以上33体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下、好ましくは8体積%以上18.3体積%以下、および水40体積%以上80体積%以下、好ましくは41体積%以上62体積%以下のうちの少なくともひとつを満たさないときに、該オフガスを大気にそのまま放出することができる。燃料電池の定格負荷の30%以下の運転においては、燃料電池から排出される、オフガスの量が少なかったり、オフガスの温度が低かったり、二酸化炭素若しくは水素の量が少なかったり、するので、その場合にも、該オフガスを大気にそのまま放出することができる。センサs1、s2とバルブV1、V2とを制御システムによって繋ぎ、検出されたガス組成比に応じてバルブV1若しくはV2の開度を自動制御することができる。
上記のようなオフガスを排出する燃料電池は、その形式において特に制限されないが、固体酸化物型燃料電池(SOFC : Solid Oxide Fuel Cell)であることが好ましい。燃料電池の燃料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコールなどを挙げることができる。これらのうち、メタンを主に含むガス、例えば、都市ガスが好ましい。
燃料電池から排出されるオフガスは、ガス輸送ラインを介して、CO2メタネーション反応装置に供給することができる。オフガスの輸送途中において、冷却器9にて冷やしてドレーンセパレータ8でドレーン水21を除去して、低含水CO2リッチガスとすることができる。
水素源は水素を主に含むガスの供給源となるものであれば特に制限されない。水素を含むガスは、水の電気分解で得られるもの、石油や天然ガスなどの化石燃料もしくはバイオマスで生成するメタノールやメタンガスの改質において得られるもの、製鉄所、化学工場等で副生されるものであってもよい。再生可能エネルギーによる発電などで生じる余剰電力で水素を作ってもよい。水素源からの水素は、ガス輸送ラインを介して、CO2メタネーション反応装置に供給することができる。水素を主に含むガスの輸送途中において、冷却器にて冷やしてドレーンセパレータでドレーン水を除去することができる。水素源は、水素吸蔵合金タンクであってもよい。水素吸蔵合金タンクを用いる場合,低温で吸蔵させた合金を加熱するとその温度に対応する圧力の水素が得られるためコンプレッサが省略できる利点がある。
水素を主に含むガスと低含水CO2リッチガスとは、輸送途中においてラインミキサ、混合器などにおいて混ぜ合わせてもよいし、CO2メタネーション反応装置に在る反応器に至ったときに混ぜ合わせてもよい。さらに、ガス輸送途中において、加圧器若しくは圧縮器または熱交換器若しくは加熱器において、ガスを加圧若しくは圧縮または温度調整して、CO2メタネーション反応に適した圧力または温度にすることができる。水素を主に含むガスの供給量と低含水CO2リッチガスの供給量との比は、センサs3、s2などにて組成比、流量、温度などを測定し制御システム10にてバルブV3、V2などの開度を制御することによって変更できる。水素を主に含むガスの供給量は、低含水CO2リッチガスに含まれる一酸化炭素、二酸化炭素および水素の量に基づいて、例えば、下記の式にて、算出することができる。
(水素を主に含むガスによって供給されるH2流量)=
(低含水CO2リッチガス中のCO流量)×3
+(低含水CO2リッチガス中のCO2流量)×4
-(低含水CO2リッチガス中のH2流量)
CO2メタネーション反応装置は、原料ガス(水素と二酸化炭素とを含有するガス)の流入口と反応生成物(主にメタンと従に一酸化炭素とを含有するガス)の流出口とを有する反応器を具備する。反応器は管型または槽型であることができる。反応器には、反応器内の温度を調整するための設備を、通常、有する。温度調整のための設備は、通常、反応ガスとの間で熱交換するためのジャケットや伝熱管などと、交換される熱量をコントロールするための制御装置と、反応器内の温度を測定するための測定装置とを含んでなる。ジャケットや伝熱管などに通すことができる伝熱媒体は、温度が、好ましくは20~60℃である。伝熱媒体は、例えば、別途設ける冷却器(クーリングタワー)にて温度調整することができる。
CO2メタネーション反応は、二酸化炭素と水素とからメタンを生成する化学反応(CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O)である。CO2メタネーション反応における温度は、通常、200~500℃、好ましくは220~350℃である。CO2メタネーション反応時の圧力は、特に制限されないが、好ましくは常圧(約0.1MPa)以上1MPa未満である。
CO2メタネーション反応において、一酸化炭素を生成する化学反応(CO2 + H2 → CO + H2O)、メタノールを生成する化学反応(CO2 + 3H2 → CH3OH + H2O)が付随して生じることがある。
CO2メタネーション反応には、メタネーション触媒を用いることができる。メタネーション触媒としては、Ni系触媒、白金族金属系触媒、その他の貴金属系触媒等などを挙げることができる。メタネーション触媒の具体例としては、ニッケルアルミネート(NiAlxy)、Ru/NiAlxy、Ru/Al23、Ru/TiO2、Ni/TiO2、Ru-Ni/TiO2などを挙げることができる。メタネーション触媒として、粉末、顆粒、ペレット、平板、波板、コルゲート、ハニカムなどの形状のものを適宜用いることができる。メタネーション触媒は、反応器の内腔に装填もしくは充填してもよいし、反応器の内腔の内壁に付着させてもよい。
CO2メタネーション反応は、CO2メタネーション反応装置を1段だけ繋いで行ってもよいし、CO2メタネーション反応装置を複数段、直列に繋いで行ってもよい。また、CO2メタネーション反応は、CO2メタネーション反応装置を複数、並列に繋いで行ってもよい。CO2メタネーション反応装置から排出されるガスから水分除去器などによって水をドレーン水として除き、低含水に調整されたガスを次段のCO2メタネーション反応装置若しくはCO選択酸化反応装置に供給することが好ましい。CO2メタネーション反応装置から排出されるガスに含まれる水が少ない場合には、エネルギー消費を減らすなどのために、水分除去器のバイパスライン(図示せず)にガスを流してもよい。CO2メタネーション反応装置を複数、並列に繋いだ態様においては、燃料電池から排出されるオフガスの流量が変動した場合における対処が容易である。
CO2メタネーション反応で生成するガスには一酸化炭素が含まれていることがある。一酸化炭素濃度は、特に制限されないが、100ppm以上であってもよい。一酸化炭素は人体に対し有毒であるので、一酸化炭素濃度が30ppm以下となるように、処理することが好ましい。一酸化炭素濃度を下げるための処理方法としては、例えば、COメタネーション反応で一酸化炭素をメタンに転化する、CO選択酸化反応で一酸化炭素を二酸化炭素に転化する、吸着剤や吸収剤などによって二酸化炭素を吸着または吸収する、などを挙げることができる。
本発明の一実施形態においてはCO2メタネーション反応で生成するガス中の一酸化炭素を、CO選択酸化触媒の存在下で、酸素を添加して、酸化反応(2CO + O2 → 2CO2)させる。CO選択酸化反応(PROX反応)における温度は、上限が、通常、200℃、好ましくは150℃、より好ましくは120℃、さらに好ましくは100℃であり、下限が、通常、20℃、好ましくは35℃、より好ましくは50℃、さらに好ましくは80℃である。CO選択酸化反応における温度が高くなるほどメタンの酸化反応が生じやすくなる傾向がある。酸素の添加は、一酸化炭素(CO)に対する酸素(O2)のモル比が2~6となるように行うことが好ましい。CO選択酸化反応時の圧力は、特に制限されないが、好ましくは常圧(約0.1MPa)以上1MPa未満である。
また、CO2メタネーション反応で生成するガスには、水素および水が含まれていることもある。この水素の一部は、PROX反応に用いられる酸素によって、水に化学変化する。
CO選択酸化反応装置は、CO2メタネーション反応で生成するガスの流入口と酸素を含有するガスの流入口と反応生成物(主にメタンを含有するガス)の流出口とを有する反応器を具備する。反応器は管型または槽型であることができる。反応器には、反応器内の温度を調整するための設備を、通常、有する。温度調整のための設備は、通常、反応ガスとの間で熱交換するためのジャケットや伝熱管などと、交換される熱量をコントロールするための制御装置と、反応器内の温度を測定するための測定装置とを含んでなる。また、温度調整のために、CO2メタネーション反応装置で生成したガスをCO選択酸化反応装置に供給するラインの途上に、CO2メタネーション反応装置で生成したガスを冷却する装置(熱交換器など)を有することが好ましい。この冷却によって水(H2O)を除去することができ、さらにCO選択酸化反応に適した温度に調整することができる。
CO選択酸化反応に用いられるCO選択酸化触媒としては、酸化物触媒、白金族金属(Pt,Ru,Rh,Pdなど)系触媒、その他の貴金属系触媒、光触媒等などを挙げることができる。CO選択酸化触媒の具体例としては、Ru/Al23、Ru/C、Rhポルフィリン/C、Cox-Fe2O、Co34、Cu/CeO2-ZrO2、Ni/CeO2-ZrO2、Co/CeO2-ZrO2、Fe/CeO2-ZrO2、Pt/Al23、CuMn24、CuZnO、Pt/SiO2,Pd/Al23、Pt/SnO2、Pd/CeO2、Pt/TiO2、PdCl2-CuCl2/C、Au/TiO2、Au/Fe23などを挙げることができる。CO選択酸化触媒として、粉末、顆粒、ペレット、平板、波板、コルゲート、ハニカムなどの形状のものを適宜用いることができる。CO選択酸化触媒は、C、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2などの担体に,Pt、Ru、Rh、Pdなどの酸化機能を有する元素を担持してなるものであってもよい。CO選択酸化触媒は、反応器の内腔に装填もしくは充填してもよいし、反応器の内腔の内壁に付着させてもよい。
CO選択酸化反応は、得られるメタンリッチガス中の一酸化炭素濃度が30ppm以下となるように行うことが好ましい。CO選択酸化反応装置の反応器における空間速度(GHSV)は、好ましくは4000~150000h-1、より好ましくは5000~10000h-1である。
本発明の処理システムは、CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインをさらに具備し、CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器をさらに具備することが好ましい。CO選択酸化反応によって、主にメタンと従に一酸化炭素とを含有するガスから、一酸化炭素を減らすことができ、その結果、メタンリッチガスが得られる。本発明によって得られるメタンリッチガスは、燃料電池の燃料としてそのまま使用してもよい。本発明によって得られるメタンリッチガスは、水の除去、熱量調整(プロパン、エタンなどのガスの添加)、圧力調整などを適宜行うことによって、ガスグリッドのスペックを容易に満たすことができるので、ガスグリッドに供給することができる。ガスグリッドにおけるガスの圧力は、通常、5~7MPaである。水の除去は、その手段によって特に制限されず、例えば、吸着剤、乾燥材などによって、若しくは水分除去器などによって、行うことができる。
本発明によって得られるメタンリッチガスを燃料としてガスタービンに供給することができる。このガスタービンにより発電することができる。ガスタービンからの燃焼排ガスは、通常、二酸化炭素を含むので、これを上記メタンリッチガスの製造方法におけるCO2源として使用することができる。
(実施例)
図1に示す本発明の処理システムを用いて、表2に示す組成比のSOFCオフガスをH2/CO2モル比4にてCO2メタネーション反応させ、次いで得られたガスをCO選択酸化反応させて、メタンリッチガスを得た。センサs1、s4、s5、s6およびs7にてガスの温度、圧力、組成比およびガス量を測定した。その結果を表2に示す。水分除去器41から排出されるガスは、表1に示すスペックを満たしており、ガスグリッドに供給できることがわかる。
Figure 2022076978000003
3:CO選択酸化反応器
16:伝熱媒体流入路
17:伝熱媒体流出路
7:ガス混合器
10:制御システム
s1、s2、s3、s4、s5、s6、s7:センサ
V1、V2、V3:流量調整弁
19:第一伝熱媒体流入路
20:第一伝熱媒体流出路
29:第二伝熱媒体流入路
30:第二伝熱媒体流出路
11:第一CO2メタネーション反応器
21:第二CO2メタネーション反応器
12,22,32:熱交換器
9,15,25,35:冷却器
8,18,28,38:ドレーンセパレータ(水分除去器)
21:ドレーン水
40:コンプレッサ
41:水分除去器

Claims (10)

  1. 二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含むオフガスを排出する燃料電池、 二酸化炭素をメタンに転化するためのCO2メタネーション反応装置、 水素源からCO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのライン、および 燃料電池からCO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインを具備する、燃料電池から排出されるオフガスの処理システム。
  2. オフガスは、燃料電池の排出口における温度が115℃以上185℃以下である、請求項1に記載の処理システム。
  3. 燃料電池が、固体酸化物型燃料電池である、請求項1または2に記載の処理システム。
  4. CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器、ガスの圧力を高めるための加圧器若しくは圧縮器、および/もしくはガスの温度を調節するための熱交換器若しくは加熱器をさらに具備する、請求項1~3のいずれかひとつに記載の処理システム。
  5. 一酸化炭素を二酸化炭素に転化するためのCO選択酸化反応装置、 酸素源からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのライン、および CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのラインをさらに具備する、請求項1~4のいずれかひとつに記載の処理システム。
  6. CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器をさらに具備する、請求項1~5のいずれかひとつに記載の処理システム。
  7. CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインをさらに具備し、 CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器をさらに具備する、請求項1~6のいずれかひとつに記載の処理システム。
  8. 燃料電池から排出される二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含むオフガスから水を除去して低含水CO2リッチガスを得、 得られた低含水CO2リッチガスに水素を添加して混合ガスを得、 該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む、 燃料電池から排出されるオフガスの処理方法。
  9. メタンリッチガスから水を除去して低含水メタンリッチガスを得ることをさらに含む、請求項8に記載の処理方法。
  10. 燃料電池から排出されるオフガスが、二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下のうちの少なくともひとつを満たさないときに、該オフガスを大気にそのまま放出することを含む、請求項9に記載の処理方法。
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