JP5496141B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部材同士の隙間を接着剤にて封止している例えば半導体やMEMS(micro electro mechanical system)などの電子部品の製造方法に関する。
電子部品では、部材同士の隙間を接着剤にて封止することにより内部を密封したものがある。例えばインクジェットヘッドの場合には、インク吐出口を有するヘッド本体とこのヘッド本体を保持する取付枠などを有し、これら部材の隙間は、例えばエポキシ系の接着剤が充填され、固化により隙間が封止されている。
このようなインクジェットヘッドでは、インクに含まれる溶剤や、インク吐出口を洗浄する際の洗浄液の溶剤などに侵されることがないように、使用する接着剤は耐薬品に優れたものを選択して用いる。耐薬品性に優れ且つ耐久性を有するものとしては、熱硬化樹脂、例えばエポキシ系の接着剤がある。
しかしながら、耐薬品性に優れた接着剤を用いても、封止工程においてボイド(気泡)が発生することがある。これは、隙間に接着剤を注入し充填する際に、隙間の全てに接着剤を充填することは困難であり、接着剤が充填されなかった部分が閉じられた空間となり、隙間の内部に空隙が発生することに起因する。この空隙は次の加熱処理工程で加熱によって空気が膨張すると、接着剤層を破裂させることがある。破裂した部分はボイドとして残り、封止性や耐薬品性、耐久性が低下する。このため、ボイドの発生がない接着方法や封止方法の開発が望まれていた。
特許文献1の電子部品の封止構造および封止方法では、接着剤として、硬化時の温度上昇による呼吸時間より長いゲルタイムを有する接着剤を用いる。これにより、呼吸現象により微小な通気穴が発生しても、接着剤は依然として流動性を持った液状であるため、通気穴を周囲の接着剤が流動して埋め戻すことができ、ボイドの発生を防止することができる。
また、特許文献2のセラミックスパッケージの接着封止方法では、回路基板およびキャップ部材に接着剤により閉塞可能な小さな流通孔を設け、この流通孔を用いて、内部と外部とを連通状態にして接着接合している。これにより、接着接合時に内圧を上昇させることのない封止構造にして気密性を確保する。
特開平9−293807号公報 特開2002−26162号公報
特許文献1記載の接着方法の場合には、呼吸現象を防止したり、呼吸現象が終わるまでゲル化しないように硬化反応を遅らせたりするため、例えば硬化剤の添加量を調整する必要があり、接着剤の機能に影響し、接着力、耐久性、耐薬品性などが低下することがある。また、接着剤として、硬化時の温度上昇による呼吸時間より長いゲルタイムを有する接着剤を用いるため、製造時における封止工程のタクトタイムが長くなって、効率の良い製造ができなくなる。
特許文献2記載の接着方法では、外部に通じるガス流通孔を設けて、ピンホールの発生を防止しているため、ガス流通孔を塞ぐ必要があり、再度の加熱処理や接着剤注入処理などが必要になり、作業性が低下する。
このため、試行錯誤を繰り返した結果、ボイドが発生しない程度の温度(例えば室温)で仮硬化させ、加熱処理しても空気膨張による破裂が抑えられる粘度となった時点で加熱処理することを試みたところ、ボイドの発生がなくなることが判った。しかし、同じ接着剤を用いても、同じ仮硬化時間では一部のものにボイドが発生することも判明した。
原因を究明したところ、接着剤が同じメーカーの同一製品であっても製造ロットが異なると、重合速度が異なってしまい接着剤の最終硬化時間や仮硬化時間にばらつきがあることが判明した。図8は、接着剤の製造ロット毎の硬化時間の一例であり、例えば、信越化学工業製の接着剤(製品名SIFELというフッ素樹脂)を用いた実験結果では、同一製品であっても、2液混合して重合開始した後に、26時間経過して仮硬化が完了するもの(製品ロットL01)、重合開始後34時間経過して仮硬化が完了するもの(製品ロットL02,L03)、同じく40時間経過後に仮硬化が完了するもの(製品ロットL04)、同じく43時間経過後に仮硬化が完了するもの(製品ロットL05)などのように、約17時間程度のばらつきがあることが判明した。このため、用いる接着剤によって封止工程の処理時間にばらつきが発生し、タクトタイムが一定な効率のよい製造ができなくなる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、接着剤内にボイドが発生することがなく、しかも効率良く製造が可能な電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品の製造方法は、第1の外装部材と第2の外装部材との内部に電子部品素子を配置し、熱硬化性の接着剤を用いて両外装部材を接合して、電子部品を製造する方法であって、前記接着剤として2液混合により重合を開始するものを用い、前記重合の開始後に一定時間の予備重合を行う第1工程と、前記第1工程で予備重合された前記接着剤を用いて、前記各外装部材を接合する第2工程と、前記第2工程を経た両外装部材を接着剤硬化温度まで昇温させ、接着剤硬化温度で前記接着剤が硬化するまで保持する第3工程を有し、前記接着剤の接合による接合エリア内の残存空隙が第3工程での温度上昇による空気膨張によって前記接合エリアに破裂が発生しない破裂抑制粘度に前記接着剤がなってから、前記第3工程を開始する。
前記第3工程の開始時に、前記接着剤の粘度が前記破裂抑制粘度になるように、前記第1工程で予備重合を行うことが好ましい。この場合には、第1工程で予備重合を一定時間行うことで、接着剤により接合された電子部品全てが破断抑制粘度に達してから加熱されるため、ボイドの発生が抑えられる。
前記破裂抑制粘度となるまでの前記接着剤の硬化速度に基づき、前記破裂抑制粘度に達するまでの破裂抑制粘度到達時間を求め、この破裂抑制粘度到達時間から第2工程の作業完了時間を差し引いて第1工程の処理時間とすることが好ましい。この場合には、接着工程の中に予備重合時間が含まれないため、接着に要するタクトタイムを短縮することができる。
前記接着剤に関し同一製品における製造ロットが異なるものを用いる場合に、製造ロット毎に前記第1工程の処理時間を求め、求めた処理時間で製造ロット毎に第1工程を処理することが好ましい。この場合には、製造ロットが異なる接着剤を混在させて用いても、接着工程を同じタクトタイムとして、処理することができ、効率の良い製造が可能になる。しかも、ボイドの発生も確実に抑えることができる。
前記接着剤は、前記破裂抑制粘度到達時間が1日以上であり、製造ロットによる前記破裂抑制粘度到達時間差が8時間以上であることが好ましい。この場合には、硬化に要する時間が長いもので、破裂抑制粘度到達時間が製造ロット毎に差がある接着剤を混在して、同一の電子部品を一まとまりにバッチ処理する方式で、有効になる。
第1工程は、重合を開始させた接着剤を、重合を鈍化させる条件で一定時間保管する保管工程を含むことが好ましい。この場合には、スケジュール的に,2液を混合して重合を開始させる作業を、第1工程の作業開始時間に合せることが困難な場合に、予め2液混合して重合を開始させたものを、重合速度を抑えて保管することにより、工程管理に柔軟性が出て、作業員の運用に弾力性を持たせることが可能になる。
前記第3工程は、室温から前記接着剤硬化温度まで所定の速度で昇温させる昇温工程を含むことが好ましい。この場合には、速度を抑えた昇温が可能になり、ボイドの発生を確実に抑えることができる。
前記第1の外装部品は、インク吐出口を有する吐出ダイであり、前記第2の外装部品は、前記吐出ダイを保持する取付枠であり、前記接着剤を前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面に充填することにより、接着エリアにボイドの発生がなく、耐久性、耐薬品性が向上する。
前記吐出ダイは、前記インク吐出口に通じポンプ室を有するインク流路と、前記インク吐出口とは反対側の面に配置され、前記ポンプ室を作動させる圧電素子と、前記インク吐出口とは反対側の面に配置され、前記圧電素子を駆動制御する電気信号を送るプリント配線回路基板部を有し、前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面には、前記プリント配線回路基板部に電気的に接続されるフレキシブル配線回路基板を配置し、前記吐出ダイの外側面から前記プリント配線回路基板部が収納されている前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面に、前記接着剤を充填することにより、耐薬品性に優れたインクジェットヘッドを、接着エリアにボイドの発生を無くして、製造することができる。
前記両外装部材を前記接着剤により接合し、前記両外装部材の間の隙間を前記接着剤により封止することにより、電子部品の封止を確実に行い、耐久性や耐薬品性に優れた電子部品を製造することができる。なお、本発明でいう接合は、両外装部材の一部接合を含み、この一部接合によって両外装部材の隙間を封止することができる。したがって、両外装部材を予め別な接着剤または同じ接着剤で固着した後に、この固着された両外装部材の隙間をボイドの発生無く、封止することができる。
本発明によれば、接着剤による接着エリア内の残存空隙が第3工程での温度上昇による空気膨張によって前記接着エリアに破裂が発生しない破裂抑制粘度に接着剤の粘度がなってから、第3工程を開始することにより、残存空隙の破裂が抑えられ、接着エリアに破裂によるボイドの発生がなくなる。したがって、ボイドに起因する接着力の低下や封止機能の低下が抑えられ、電子部品の耐久性が向上する。特に、インクジェットヘッドの製造方法に適用する場合に、インクジェットヘッドの耐薬品性や耐久性が向上する。
インクジェットヘッドを示す全体斜視図である。 インクジェットヘッドを分解して示す斜視図である。 吐出ダイの斜視図である。 吐出ダイとヘッド本体の一部を示す断面図である。 吐出ダイの一部を示す斜視図である。 インクジェットヘッドを切り欠いて示す斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法を示すフローチャートである。 製造ロット毎の接着剤の時間経過による粘度変化を示すグラフである。
図1に示すように、インクジェットヘッド10は、ヘッド本体11、1対のフレキシブル配線回路基板12、1対の取付枠13から構成される。図2に示すように、ヘッド本体11は矩形体状に形成され、上部にチューブ接続ノズル15が、下部に吐出ダイ17が形成される。チューブ接続ノズル15は供給用と回収用の2本が形成され、不図示のインクジェットプリンタに実装されたときに、インク供給タンク及びインク回収タンクからのインクチューブがそれぞれ接続される。
ヘッド本体11の両側部には、フレキシブル配線回路基板12が取り付けられる。また、このフレキシブル配線回路基板12を保護するようにヘッド本体11の両側部に、取付枠13が接合される。フレキシブル配線回路基板12及び取付枠13の接合は、例えば2液タイプの接着剤を用いる。
図3に示すように、吐出ダイ17は平行四辺形状の板部材からなる。図4に示すように、内部にはインク流路21が形成され、このインク流路21の一部にポンプ室22が形成される。このポンプ室22に対応する位置で薄膜23を介し上部には、圧電素子24が形成される。圧電素子24は薄膜23を変形させ、ポンプ室22の容量を変化させる。この変形によって、吐出口25からインク滴が吐出する。
図5に示すように、吐出ダイ17の上部には、圧電素子24の他に、流体通路開口30、駆動IC31、フレキシブル配線回路基板接続用導電パターン32が形成される。圧電素子24はプリント配線パターン33を介し駆動IC31に接続される。駆動IC31はフレキシブル配線回路基板接続用の導電パターン32に接続される。この導電パターン32には、図4に示すように、フレキシブル配線回路基板12が電気的に接続される。フレキシブル配線回路基板12は、図示しない制御回路に接続される。そして制御回路からの駆動信号がフレキシブル配線回路基板12、駆動IC31に送られる。駆動IC31では、制御信号に基づき圧電素子24の駆動信号を生成して、各圧電素子24を個別に駆動する。これにより各吐出口25から駆動信号に応じたインク滴が吐出される。インク滴は不図示の記録材料に主走査方向に記録され、インク滴の吐出に応じて記録材料が主走査方向に交差する副走査方向に移動するため、記録材料には画像が記録される。
吐出ダイ17において各吐出口25は、主走査方向に沿う行方向と、主走査方向に対して直交しない一定の交差角度を有する斜めの列方向とに沿って千鳥状に隣接するもの同士をずらしてマトリックスに配置される。これにより、吐出口25の高密度実装が可能になり、複数の吐出口列によって例えば1200dpiでの出力解像度で画像が記録される。
図4に示すように、吐出ダイ17にはヘッド本体11を組み立てる前に、吐出ダイ17の基板接続用導電パターン32に、フレキシブル配線回路基板12の導電接続パターンを合せて、電気的に接合される。
図6に示すように、このフレキシブル配線回路基板12の取り付け後に、吐出ダイ17の上面を覆うように、支持体35やハウジング36、仕切り板37などが被せられて、これらが接着剤にて固着され、ヘッド本体11が形成される。
ヘッド本体11は、仕切り板37を挟むようにハウジング36を両側から取り付けて構成される。この仕切り板37によってヘッド本体11内にはインク入口室40及びインク出口室41が形成される。さらに、各室40,41には、各室40,41の対角線方向にステンレス製のフィルタ42,43が収納される。
図4に示すように、フレキシブル配線回路基板12は支持体35の両側の湾曲部35aに沿って密着し、90°に折り曲げられて、ヘッド本体11の両側面に沿うように配置される。なお、図4は、微小な圧電素子24や駆動IC31を図示するために、高さ方向に誇張して記載しており、図6に切り欠いて示す全体の断面図とは寸法的には対応していない。
次ぎに、図2に示すように、ヘッド本体11の両側から取付枠13によりヘッド本体11を挟むようにし、例えば2液混合タイプの接着剤を用いて、ヘッド本体11、フレキシブル配線回路基板12、取付枠13が固着され一体化される。
図4に示すように、一体化されたヘッド本体11の吐出ダイ17と取付枠13との隙間45には、封止用の接着剤46が充填され、封止が行われる。接着剤46としては、エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、シリコーン系接着剤、フッ素ゲル系接着剤などの重合の進行に温度依存性がある2液タイプ(主剤と可塑剤(硬化剤))のものを用いる。本実施形態では、耐薬品性及び耐久性に優れる信越化学工業製のSIFELというフッ素ゲル系の接着剤46を用いる。
[第1実施形態]
次ぎに、インクジェットヘッド10の製造方法について説明する。図7に示すように、インクジェットの製造方法は、ヘッドの組み立て工程S1と封止工程(接着工程)S2とからなる。ヘッドの組み立て工程S1では、上記のようにして、インクジェットヘッド10が組み立てられる。
封止工程S2は、第1工程S3〜第3工程S5からなる。第1工程S3では、接着剤46を2液混合して、重合を開始させる。そして、一定時間T1の予備重合を行う。予備重合条件としては、接着剤46の種類によっても異なるが、本実施形態では室温から45℃以下の温度とする。この予備重合時間T1は、接着剤46の充填による封止エリア50内の残存空隙が第3工程S5での温度上昇による空気膨張によって封止エリア50に破裂が発生しない破裂抑制粘度V1(図8参照)に前記接着剤46がなるまで行う。
封止エリア50となる隙間45の奥には、フレキシブル配線回路基板12があり、このフレキシブル配線回路基板12は湾曲して直角に折り曲げられている。したがって、湾曲面と取付枠13の内面との間の隙間は、奥に向かうに従い次第に接近して矮小な空間となる。このため、微小な残存空隙が発生し、この微小な残存空隙の発生を回避することは隙間45の構造上、困難である。したがって、第3工程S5の開始時に、接着剤46の粘度が破裂抑制粘度(1000Pa・s)になるように、第1工程S3で予備重合を行う。なお、本発明でいう粘度は、JIS K7199に準じた方法で測定する。
第1工程S3の予備重合時間T1は、接着剤46の硬化速度に基づき、破裂抑制粘度V1に達するまでの時間T0に基づき求める。この破裂抑制粘度到達時間T0は、用いる接着剤46の製品種別や、同一製品であっても製造ロットL01〜L05毎に異なっているため、それぞれに求める。求めた一例を図8にグラフとして示す。そして、求めた破裂抑制粘度到達時間T01〜T05から第2工程S4の作業時間T2を差し引いた時間(T0*−T2)を第1工程S3の処理時間である予備重合時間T1とする(*は1〜5のいずれかの数字であり、各製造ロットを識別するものである)。
破裂抑制粘度V1は、用いる接着剤46毎に、次のようにして実験により求める。好ましくは、実際に接着剤46を充填する部品の隙間45を用いて,重合開始からの経過時間を変えて、そのときの粘度を測定し、その後、加熱を開始し、発泡が発生するか否かを確認する。そして、発泡が発生しない限界粘度に安全性を見込んで、破裂抑制粘度V1を決定する。図8に示す接着剤46の場合には、1000Pa・sの粘度が破裂抑制粘度V1である。なお、実際に封止や接着を行う電子部品(インクジェットヘッド10)を用いて破裂抑制粘度V1を求めることが好ましいが、これに代えて、所定の粘度のものに注射針などで所定サイズの気泡を形成し、この気泡が加熱により膨張し、ボイドになるか否かで破裂抑制粘度V1を決定してもよい。また、単に、実機を用いて、重合開始からの時間経過に基づき、ボイドが発生する限界値を求め、この限界値から破裂抑制粘度V1を決定してもよい。また、レオメータなどの粘度計を用いて、粘度計に設置してある接着剤を目視し液状からゲル(固化)状になったときの粘度を読み取り、破裂抑制粘度V1としてもよい。
第2工程S4では、第1工程S3で予備重合された接着剤46を、図4に示すように、インクジェットヘッド10の隙間45に充填する。この接着剤46の充填は、自動機械で行う場合には各隙間45に対応させて所定ピッチで設けた注入ノズルから一定量を注入することにより行う。また、手作業の場合には、注入器を用いて各隙間45に接着剤46を充填する。
第3工程S5では、第2工程S4を経たインクジェットヘッド10を接着剤46が硬化する温度まで昇温させて、一定時間加熱する。例えば、一定温度に加熱することができる加熱室に、パレットなどを用いて、インクジェットヘッド10を多数個収納させた状態で、加熱処理する。加熱温度は本実施形態の場合には、80℃である。
第3工程S5ではインクジェットヘッド10を接着剤46が硬化する温度(80℃)として、一定時間保持する。この第3工程S5の処理時間T3は例えば5時間である。これにより、接着剤46は実用強度に達するまで硬化する。
第3工程S5では、昇温工程S6を前処理として行ってもよい。この場合には、室温から加熱硬化温度の80℃までを一定の加熱速度(1〜3℃/min)で加熱する。このように昇温工程S6(加熱時間T4)を行うことにより、急激な接着剤の加熱が避けられ、ボイドの発生が確実に抑えられる他に、線膨張差によるヘッドの破損を防ぐことができる。
第3工程S5は昇温工程S6を有する二つの工程として説明したが、昇温工程S6は省略しても良い。また、二つの工程S5,S6として処理する場合には、一つの加熱室を用いて順次工程を処理するほかに、二つの加熱室を用いてそれぞれの工程を処理してもよい。
上記実施形態では、インクジェットヘッド10の同一製造ロットの場合には、用いる接着剤は同一メーカーの同一製品における同一製造ロットのものが用いられる。このようにすることで、第1工程の処理時間を、接着剤に合せた最短時間として処理することができるので、室温での硬化時間を短縮することができ、効率の良いインクジェットヘッド10の製造が可能になる。
[第2実施形態]
接着剤46として同一メーカーの同一製品でありながら、同一製造ロットのものを用いることができずに、他の製造ロットのものを混在して用いる場合には、製造ロット毎に第1工程S3の予備重合時間T1*を求めて、製造ロット毎に求めた予備重合時間T1*で第1工程S3を処理する。このように製造ロット毎に第1工程S3を処理しておくことにより、第2工程S4及び第3工程S5では同一条件で処理することが可能になる。したがって、同じタクトタイムで処理が可能になる。接着剤46としては、破裂抑制粘度到達時間が1日以上であり、製造ロットによる前記破裂抑制粘度到達時間差が8時間以上のものに対して、製造ロットによるばらつきを効果的に抑えることができる。
[第3実施形態]
第1工程S3は、重合を開始させた接着剤を、重合を鈍化させる条件で一定時間保管する保管工程S7を含む。重合を鈍化させる条件としては、例えば室温の重合速度に対して、1/10以下の重合速度になるように、0℃以下の低温、例えば−20℃で保存する。保冷温度は、例えば−40℃以上−20℃以下である。この場合には、スケジュール的に、2液を混合して重合を開始させる作業を、第1工程S3の作業開始時間に合せることが困難な場合に、予め2液混合して重合を開始させたものを、重合速度を抑えて保管することにより、工程管理に柔軟性が出て、作業員の運用に弾力性を持たせることが可能になる。例えば、2液を混合して重合を開始させる第1工程S3の作業開始時刻が、第3工程S5の開始時間から逆算した第1工程S3の重合開始時刻と合わずに、作業時間外となってしまうことがある。この場合に、予め作業時間内に重合を開始させた接着剤を、その重合の進行を鈍化させる条件(例えば、0℃以下)で保存することにより、重合速度を抑えて第3工程の作業開始時間に合せるように保管することにより、工程管理に柔軟性が出て、作業員の都合のよい時間に第1工程S3を開始することができる。
また、第1工程S3の予備重合後から、第2工程S4を開始するまでに時間が空いてしまう場合に、この空き時間で重合が進み、接着剤46の充填が困難な粘度になってしまうことがないように、重合の進行を鈍化させるために保管工程S7を行ってもよい。
製造ロット毎に第1工程S3の処理時間T1を求めて、第1工程S3の処理を行うことに代えて、又は加えて、保管工程S7を加味して、第2工程S4または第3工程S5の処理開始時間を接着剤46の各製造ロットが混在する場合に統一させてもよい。例えば、第1製造ロット及び第2製造ロットの接着剤46には第1工程S3の処理時間で、第2工程S4の開始時間を統一させるようにし、第3製造ロットの接着剤46に対して、保管工程S7を加えて、第2工程S4の開始時間を他の第1製造ロット及び第2製造ロットの接着剤46に合せることができる。
本発明で用いる封止の接着剤46としては、エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、シリコーン系接着剤、フッ素ゲル系接着剤など、重合の進行に温度依存性がある樹脂が用いられる。また、室温硬化するのに例えば2日以上の長時間が必要な樹脂に対して好ましく用いられ、予備重合時間を封止時間の中に含ませることがないので、第2工程を効率よく行うことができる。
上記実施形態では、インクジェットヘッド10を例にとって説明したが、本発明はインクジェットヘッド10以外の例えば半導体やMEMSなどの各種電子部品の製造方法、特に隙間部分の封止方法に適用することができる。また、隙間部分の封止以外にも、接着剤を用いて複数の部材を接合する場合の接合面にも本発明を実施することができる。この場合には、治具などを用いて、部材同士がばらけることが無いように保持して加熱処理することが好ましい。
10 インクジェットヘッド
11 ヘッド本体
12 フレキシブル配線回路基板
13 ハウジング
17 吐出ダイ
21 インク流路
22 ポンプ室
24 圧電素子
35 支持体
45 隙間
46 接着剤
50 封止エリア

Claims (10)

  1. 第1の外装部材と第2の外装部材との内部に電子部品素子を配置し、熱硬化性の接着剤を用いて両外装部材を接合して、電子部品を製造する方法であって、
    前記接着剤として2液混合により重合を開始するものを用い、前記重合の開始後に一定時間の予備重合を行う第1工程と、
    前記第1工程で予備重合された前記接着剤を用いて、前記各外装部材を接合する第2工程と、
    前記第2工程を経た両外装部材を接着剤硬化温度まで昇温させ、接着剤硬化温度で前記接着剤が硬化するまで保持する第3工程を有し、
    前記接着剤の接合による接合エリア内の残存空隙が第3工程での温度上昇による空気膨張によって前記接合エリアに破裂が発生しない破裂抑制粘度に前記接着剤がなってから、前記第3工程を開始することを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記第3工程の開始時に、前記接着剤の粘度が前記破裂抑制粘度になるように、前記第1工程で予備重合を行うことを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記破裂抑制粘度となるまでの前記接着剤の硬化速度に基づき、前記破裂抑制粘度に達するまでの破裂抑制粘度到達時間を求め、この破裂抑制粘度到達時間から第2工程の作業完了時間を差し引いて第1工程の処理時間とすることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記接着剤に関し同一製品における製造ロットが異なるものを用いる場合に、製造ロット毎に前記第1工程の処理時間を求め、求めた処理時間で製造ロット毎に第1工程を処理することを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記接着剤は、前記破裂抑制粘度到達時間が1日以上であり、製造ロットによる前記破裂抑制粘度到達時間差が8時間以上であることを特徴とする請求項4記載の電子部品の製造方法。
  6. 第1工程は、重合を開始させた接着剤を、重合を鈍化させる条件で一定時間保管する保管工程を含むことを特徴とする請求項3から5いずれか1項記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記第3工程は、室温から前記接着剤硬化温度まで所定の速度で昇温させる昇温工程を含むことを特徴とする請求項3から6いずれか1項記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記第1の外装部品は、インク吐出口を有する吐出ダイであり、前記第2の外装部品は、前記吐出ダイを保持する取付枠であり、前記接着剤を前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面に充填することを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記吐出ダイは、前記インク吐出口に通じポンプ室を有するインク流路と、前記インク吐出口とは反対側の面に配置され、前記ポンプ室を作動させる圧電素子と、前記インク吐出口とは反対側の面に配置され、前記圧電素子を駆動制御する電気信号を送るプリント配線回路基板部を有し、
    前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面には、前記プリント配線回路基板部に電気的に接続されるフレキシブル配線回路基板を配置し、
    前記吐出ダイの外側面から前記プリント配線回路基板部が収納されている前記吐出ダイと前記取付枠との合せ面に、前記接着剤を充填することを特徴とする請求項8記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記両外装部材を前記接着剤により接合し、前記両外装部材の間の隙間を前記接着剤により封止することを特徴とする請求項9記載の電子部品の製造方法。
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