(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる投影システムの構成を示す図である。100a、100b、100c、100dはプロジェクタ、200はパーソナルコンピュータ(PC)、DVDプレイヤー、テレビチューナー等の信号源である。300は信号源200から受け取った画像信号をプロジェクタ100a、100b、100c、100dに分配する分配器(画像分配器)、400はプロジェクタ100a、100b、100c、100dからの投影画像を映し出すスクリーンである。本実施形態では、4台のプロジェクタを使用して縦横2画面ずつの画像を構成する例を示して説明するが、プロジェクタの台数はこれに限ったものではない。また、画面の構成も縦横2画面ずつに限ったものではなく、横一列、縦一列等の他の構成でも差し支えない。
なお、以下の説明で言及されるスタック投影とは、プロジェクタを複数台用いて、同一映像を同一スクリーン上に1画面に重ね合わせて投影する投影方法である。また、マルチ投影とは、プロジェクタを複数台用い、一つの画像を分割して分割した各部分を各プロジェクタに送り、各プロジェクタからそれぞれの画像を同一スクリーンに投影して張り合わせ、1画面に合成する投影方法である。
図2は、図1のプロジェクタ100の主要な構成を示した図である。101はプロジェクタの各ブロックを制御するための制御部、102はユーザからの操作を受け付ける操作部、103はプロジェクタの各ブロックへの電源供給を制御する電源部である。
104は液晶部であり、1枚の液晶パネルや3枚の液晶パネル等で構成されており、この液晶パネル上に画像を形成する。105は、入力された画像信号に基づいて、液晶部104の液晶パネルに画像を形成させるための液晶駆動部である。106は、液晶部104に光を供給する光源である。107は、光源106から発せられた光を液晶部104に供給することにより得られた光学像をスクリーン400に投影するための投影光学系である。108は、光源106の光量等を制御するための光源制御部である。109は、投影光学系107に備えられたズームレンズ、フォーカスレンズ、シフトレンズ等の動作を制御し、ズーム倍率、焦点調整、投影位置制御等を行う光学系制御部である。
110は、PCやDVDプレイヤー、テレビチューナー等からのアナログ映像信号を受け付けるアナログ入力部であり、RGB端子、S端子等からなる。111は、アナログ入力部により得られた映像信号をディジタル信号に変換するA/D変換部である。112は、PCやDVDプレイヤー等からディジタル映像信号を受け付けるディジタル入力部であり、HDMI端子等からなる。HDMI端子の場合には、外部から制御信号も同時に送信されてくる場合があり、これにより、映像の制御等が行われることもある。113は、外部から映像データ、画像データ、映像ファイル等の各種の情報データのファイルを受け取ったり、外部に送り出したりする、USBインタフェースである。ここには、ポインティングデバイスや、キーボード、USB型のフラッシュメモリ等も接続されることもある。114は、カード型の記録媒体に対し、映像データ、画像データ、映像ファイル等の各種の情報データのファイルを読み書きするカードインタフェースであり、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等が挿入可能である。115は、イントラネット、インターネットから映像データ、画像データ、映像ファイル等の各種の情報データのファイル、その他の命令信号を受信したり送信したりする通信部であり、例えば、有線LANや無線LAN等で構成されている。116は、映像データ、画像データ、映像ファイル等の各種の情報データのファイルを保存する内蔵メモリであり、半導体メモリやハードディスク等で構成される。
例えば、カードインタフェース114より入力されたドキュメントファイルは、ファイル再生部132により再生される。そして、ファイル再生部132は、ドキュメントファイルから、ユーザに掲示するための画像信号を生成して、画像抽出部133に出力する。
画像抽出部133ではマルチ投影/スタック投影に応じて入力画像の所定の領域を切り出して抽出し、さらに、マルチ投影/タック投影に必要な処理を施して画像信号を画像処理部117に送る。また、ディジタル入力部112により入力された映像信号や画像信号は直接、画像抽出部133に送信される。
画像処理部117は、画像抽出部133から入力された画像信号や制御部101により得られた映像信号等に、液晶部104で表示するのに適した補正を行う。例えば、画像信号の画素数を液晶パネルの画素数にあわせて変換し、液晶パネルの交流駆動のため、入力された映像信号のフレーム数を倍にし、液晶パネルによる画像形成に適した補正をする。因みに、液晶パネルの交流駆動とは、液晶パネルの液晶にかける電圧の方向を交互に入れ替えて表示させる方法であり、液晶パネルの、液晶にかける電圧の方向が正方向でも逆方向でも画像を生成できる性質を利用したものである。このとき、液晶駆動部105には、正方向用の画像と、逆方向用の画像を1枚ずつ送る必要があるので、画像処理部117では、映像信号のフレームの数を倍にする処理を行う。液晶駆動部105は、画像処理部117により得られた画像信号に基づいて、液晶部104の液晶パネルに画像を形成させる。
また、画像処理部117は、スクリーンに対して斜め方向から映像を投影し投影画面が例えば台形状に歪んでしまう場合に、投影画像に対し台形状の歪みを打ち消すように画像の形状を変形させるキーストーン補正も行う。キーストーン補正をする際は、液晶パネルに表示される画像の水平方向及び/又は垂直方向の拡大/縮小率を変更している。このようにして、投影画面の台形状の歪みと表示素子上での映像領域の歪みとが相殺され、正常なアスペクト比の長方形の映像表示領域に近づくようにしてスクリーンに表示させるのである。このキーストーン補正は、後述する傾きセンサ118により得られた傾き角に基づいて、自動的に動作しても良いし、ユーザが操作部102等を操作することにより、動作させてもよい。
118は、プロジェクタ100の傾きを検出する傾きセンサである。119は、プロジェクタ100の動作時間、各ブロックの動作時間等を検出するタイマである。120は、プロジェクタの光源106の温度、液晶部104の温度、外気温等を計測する温度計である。
121、122は、プロジェクタ100付属のリモコンやその他の機器からの赤外線を受信し、制御部101に信号を送る赤外線受信部であり、例えば、プロジェクタの前後方向等の複数箇所に設置されている。本実施形態では、赤外線受信部121はプロジェクタ本体の後方、赤外線受信部122はプロジェクタ本体の前方に配置されている。
123は、プロジェクタ100とスクリーン400の距離を検出し、焦点距離を検出する焦点検出部である。124は、スクリーン400の方向を撮像する撮像部である。125は、スクリーンにより反射される光の光量や輝度を計測するスクリーン測光部である。126は、光源から発せられる光の光量や輝度を計測する光源測光部である。
127は、プロジェクタ100本体に配置され、プロジェクタの状態や警告等を表示する表示部である。128は、表示部127を制御する表示制御部である。129は、プロジェクタ100本体を持ち運んで使用するとき等に、電力を供給するバッテリである。130は、外部からの交流電力を受け入れ、所定の電圧に整流して電源部103に供給する電源入力部である。131は、プロジェクタ100内の熱を外部に放出するなどして、冷却するための冷却部であり、例えば、ヒートシンクとファンにより構成されている。
引き続き、プロジェクタ100の通常の動作について説明する。本実施形態のプロジェクタの制御部101は、操作部102により電源ONの指示がなされたことにより、電源部103に各ブロックに電源を供給するように指示し、各ブロックを待機状態にする。そして、電源が投入された後、制御部101は、光源制御部108に光源106からの発光を開始するように指示する。次に、制御部101は、焦点検出部123により得られた焦点の情報等から、投影光学系107を調整するよう光学系制御部109に指示する。光学系制御部109は、投影光学系107のズームレンズやフォーカスレンズを動作させてスクリーン画面上に投影光が結像するよう制御する。
このようにして、投影の準備が整う。次に、例えば、ディジタル入力部112に入力された映像信号は、画像抽出部133を経て画像処理部117により液晶部104に適した解像度に変換され、同時に、ガンマ補正や輝度ムラ対策用補正、キーストーン補正が加えられる。そして、画像処理部117により補正を加えられた映像信号は、液晶駆動部105により液晶部104に画像として形成される。
そして、液晶部104の液晶パネルに形成された画像は、光源106から発せられた光により投影光学系107に導かれ、投影光学系107はスクリーン400に画像を投影する。投影中は、制御部101は、光源106等の温度を温度計120により検出し、例えば、光源の温度が40度以上になったとき等に、冷却部131を動作させて冷却する。
そして、操作部102により電源OFFの指示がなされたことにより、制御部101は、各ブロックに終了処理を行うよう通信をする。そして、終了の準備が整うと、電源部103は各ブロックへの電源供給を順次終了する。冷却部131は、電源OFFされた後しばらく動作し、プロジェクタを冷却する。
ここでは、ディジタル入力部112から入力された映像信号を表示する場合について説明したが、上記各種インタフェースから入力された映像データを表示する場合も同様の処理を行う。
図3に画像抽出部133の主要な構成を示す。301は入力画像の所定の領域を抽出して切り出す画像切り出し回路、302は入力画像の領域に応じて輝度や色の補正をする輝度・色補正回路である。303は各回路の出力信号を制御部101に送ったり、制御部101からのデータやパラメータを各回路に送ったりするためのデータバス、304は入力画像のレンジ制限を掛けるリミッタである。
入力画像は、リミッタ304でデータバス303を介した制御部101の命令に応じて入力画像のレンジ制限を掛けられ、画像切り出し回路301に送られる。画像切り出し回路301ではデータバス303を介した制御部101の命令に応じて入力画像の所定の領域を抽出して切り出す。画像切り出し回路301で所定の領域を切り出した後、輝度・色補正回路302で画像の領域に応じて輝度や色の補正を行い、画像処理部117へ送られる。
次に、本実施形態のマルチ投影・スタック投影の切り替えについて説明する。本実施形態では操作部102から入力される投影光学系107内のズームレンズの倍率に応じてマルチ投影/スタック投影を切り替える。操作部102から入力される投影光学系107内のズームレンズの倍率が所定の値よりも小さいときは、図4に示すスタック投影を行う。一方、操作部102から入力される投影光学系107内のズームレンズの倍率が所定の値以上のときは、図5に示すマルチ投影を行う。
プロジェクタ100a、100b、100c、100dのズームレンズの倍率が最小値に設定されているときは、図4(a)のようにスクリーン400上にプロジェクタ100a、100b、100c、100dからの画像を重ね合わせる。そして40aに示す画像を投影する。
スタック投影の場合、プロジェクタ100a、100b、100c、100dが投影する画像は全て同一の内容である。そして、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影光学系107を光学系制御部109で制御してズーム倍率や投影方向を制御することで、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影領域が完全に重なるようにする。
操作部102から入力されるズームレンズの倍率が上がるにつれて図4(b)の40b、図4(c)の40cに示すように投影倍率を上げていく。図4ではスタック投影時に投影倍率を上げる段階を図4(a)、(b)、(c)の3つ示したがこれに限ったものではなく、さらに多くの段階を持ってもよい。
プロジェクタ100a、100b、100c、100dの操作部102から入力されるズームレンズの倍率が所定の値以上になったら、図5に示すマルチ投影に移行する。所定の値を僅かに超えたときの投影状態を図5(a)、(b)を用いて説明する。
図5(a)において、50aはプロジェクタ100aが投影する画像全体、50bはプロジェクタ100bが投影する画像全体、50cはプロジェクタ100cが投影する画像全体、50dはプロジェクタ100dが投影する画像全体である。また、51aはプロジェクタ100aが投影する画像の中でプロジェクタ100cが投影する画像と重なっている領域、52aはプロジェクタ100aが投影する画像の中でプロジェクタ100bが投影する画像と重なっている領域である。53aはプロジェクタ100aが投影する画像の中でプロジェクタ100b、100c、100dが投影する画像と重なっている領域である。
51bはプロジェクタ100bが投影する画像の中でプロジェクタ100dが投影する画像と重なっている領域、52bはプロジェクタ100bが投影する画像の中でプロジェクタ100aが投影する画像と重なっている領域である。53bはプロジェクタ100bが投影する画像の中でプロジェクタ100a、100c、100dが投影する画像と重なっている領域である。
51cはプロジェクタ100cが投影する画像の中でプロジェクタ100aが投影する画像と重なっている領域、52cはプロジェクタ100cが投影する画像の中でプロジェクタ100dが投影する画像と重なっている領域である。53cはプロジェクタ100cが投影する画像の中でプロジェクタ100a、100b、100dが投影する画像と重なっている領域である。
51dはプロジェクタ100dが投影する画像の中でプロジェクタ100bが投影する画像と重なっている領域、52dはプロジェクタ100dが投影する画像の中でプロジェクタ100cが投影する画像と重なっている領域である。53dはプロジェクタ100dが投影する画像の中でプロジェクタ100a、100b、100cが投影する画像と重なっている領域である。
各プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影光学系107を光学系制御部109で制御して投影ズームの倍率や投影方向を制御する。このことで、上述の重なり領域51a、52a、53a、51b、52b、53b、51c、52c、53c、51d、52d、53dが所望の通り重なるようにして、図5(b)のマルチ画像を実現する。
ここで、図4(c)から図5(a)に移行する場合、投影画面全体の投影倍率は上がっているが、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dが投影する画像の投影倍率は下がってもよい。つまり、図5(b)での投影画像50a、50b、50c、50dは、図4(c)の投影画像40cよりも小さくてもよい。このときは、複数のプロジェクタが重複して投影する領域51a、52a、53a、51b、52b、53b、51c、52c、53c、51d、52d、53dを調整することにより、図5(a)の投影画像は、図4(c)の投影画像よりも大きくなる。なお、図4(c)から図5(a)に移行する場合、投影画面全体の投影倍率は上がると共に、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dが投影する画像の投影倍率も上がってもよいことは言うまでもない。
操作部102から入力されるズームレンズの倍率が上がるにつれて図5(a),(b)、図5(c),(d)、図5(e),(f)のように投影倍率を上げていく。ズーム倍率増大に伴い、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dが投影する画像50a、50b、50c、50dは図5(b)、図5(d)、図5(f)に示す通り拡大されていく。また、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dが重複して投影する領域51a、52a、53a、51b、52b、53b、51c、52c、53c、51d、52d、53dは図5(b)、図5(d)、図5(f)に示す通り小さくなっていく。このようにして、マルチ投影の画像は図5(a)、(c)、(e)のようにズームレンズの倍率に応じて拡大される。
なお、図5ではマルチ投影時に投影倍率を上げる段階を図5(a)、(c)、(e)の3つ示したがこれに限ったものではなく、さらに多くの段階を持ってもよい。また、ズーム倍率が最も大きいときの例として図5(e)のように、マルチ投影画像の大きさがスクリーン400の大きさと一致する例を示したがこれに限ったものではなく、スクリーン400の大きさより、小さくても大きくても差し支えない。また、図4、図5の切り替えではズーム倍率が上がる場合を例に挙げて説明したが、ズーム倍率が下がり図5から図4に移行しても差し支えない。
次に図4のスタック投影と図5のマルチ投影とを切り替える際の本実施形態の動作を図6のフローチャートを用いて説明する。ここで、図6の処理は、プロジェクタ100a、100b、100c、100dのいずれかの制御部101の指示により実行されるものである。まず、S601で図1のシステムの動作を開始する。次にS602で信号源200から映像信号を出力し、分配器300を介してプロジェクタ100a、100b、100c、100dに送る。本実施形態のようにプロジェクタを複数台用いて投影する場合は、予め操作部102で複数台用いる旨を設定しておくか、アナログ入力部110、ディジタル入力部112、通信部115等で他のプロジェクタと共に使用していることを検知する。これらからS603では複数台で投影しているか否かを判断し、単独で投影していればS616に進み通常の投影を行う。複数台で投影している場合は、S604で操作部102から入力された光学系107に備えられているズームレンズの倍率を制御部101に送る。
S605において、制御部101では取得したズームレンズの倍率を予め定められた閾値と比較し、閾値以上(所定値以上)であれば、図5のようなマルチ投影を行うべくS606に進む。所定の閾値よりも小さければ、図4のようなスタック投影を行うべくS609に進む。
ここで、マルチ投影の動作説明をする。S606では画像切り出し回路301で入力画像の所定の領域を抽出して切り出す。このとき、信号源200からの入力画像には、分配器300では処理を施さず、入力画像を4つに分岐させてプロジェクタ100a、100b、100c、100dに送る。各プロジェクタ100a、100b、100c、100dでは、予め操作部102で図5の50a、50b、50c、50dのどの画像を投影するかを設定しておく。あるいは、アナログ入力部110、ディジタル入力部112、通信部115等で他のプロジェクタとの接続関係を検知し、自らが50a、50b、50c、50dのどの画像を投影するべきかを決定してもよい。
各プロジェクタの画像切り出し回路301では入力画像から自らが投影する画像(50a、50b、50c、50dのうち所定のもの)を切り出す。本実施形態では、プロジェクタ100aは50a、プロジェクタ100bは50b、プロジェクタ100cは50c、プロジェクタ100dは50dをそれぞれ投影する例を挙げているが、組み合わせはこれに限ったものではない。
次にS607では各プロジェクタが投影する画像のうち他機の投影領域と重なっている領域51a、52a、53a、51b、52b、53b、51c、52c、53c、51d、52d、53dの明るさを下げる。そして、重なっていない領域と明るさが均一になるようにする。画像切り出し回路301の出力は輝度・色補正回路302に送られ、重なり領域51a、52a、53a、51b、52b、53b、51c、52c、53c、51d、52d、53dの輝度を下げる。53a、53b、53cでは4台のプロジェクタの投影領域が重なっているので、より輝度を下げる必要がある。また、輝度補正で色が変わった場合には色の補正も行う。
続いて、S608ではレンズズーム比の変換を行う。S604で操作部102から入力したズーム倍率は、マルチ投影では図5(a)、(c)、(e)に示す投影画像全体の倍率を意味する。言い換えれば、図5(a)、(c)、(e)に示す投影画像全体の大きさと、図5(b)、(d)、(f)に示す各プロジェクタ100a、100b、100c、100dが投影する画像50a、50b、50c、50dの大きさは異なる。そこで、制御部101では操作部102から入力されたズーム倍率を、各プロジェクタの投影光学系107に備えられているズームレンズの投影倍率に変換する。
次にS605でズーム倍率が予め定められた閾値より小さく、スタック投影をするときの動作を説明する。スタック投影の際はS609で、プロジェクタ100a、100b、100c、100dで信号源200から入力された画像の全領域を投影するか否かを判別する。
全領域を投影する場合は、S612に進む。一部の領域のみを投影する場合は、S610に移行し画像切り出し回路301が投影する領域を切り出す。このときはプロジェクタ100a、100b、100c、100dでは入力画像の同一の領域を切り出す。S611では必要に応じて液晶パネルの画素数に合わせるべく、画像処理部117で画像の解像度変換を行う。
S610、S611において信号源200からの画像信号のビット数とプロジェクタ100a、100b、100c、100dの内部処理のビット数が異なる場合、リミッタ304を動作させる。
リミッタ304の動作を図3、図7、図8を用いて説明する。ここでは、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの内部処理が8ビットで、信号源200から10ビットの信号が入力される例を挙げるがビット数はこれに限ったものではない。
この例では、リミッタ304は10ビットの信号を入力し8ビットの信号を出力する。10進で表すと0から1023のデータを入力し、0から255のデータを出力する。本実施形態では、4台のプロジェクタ100a、100b、100c、100dで信号源200からの10ビット信号のうち、所定のレベルを各々受け持って投影する。
例えば、プロジェクタ100aが入力信号のレベル0から255、プロジェクタ100bは入力信号のレベル256から511、プロジェクタ100cは入力信号のレベル512から767、プロジェクタ100dは入力信号のレベル768から1023を受け持って投影する。
プロジェクタ100aのリミッタ304では、図8(b)に示すように、0から255が入力されたときはそのままの値を出力し、256以上が入力されたら255を出力する。プロジェクタ100bのリミッタ304では、図8(c)に示すように、0から255が入力されたときは0を出力し、256から511が入力されたときはそれに応じて0から255の値を出力し、511以上が入力されたら255を出力する。プロジェクタ100cのリミッタ304では、図8(d)に示すように、0から511が入力されたときは0を出力し、512から767が入力されたときはそれに応じて0から255を出力し、768以上が入力されたら255を出力する。プロジェクタ100dのリミッタ304では、図8(e)に示すように、0から767が入力されたときは0を出力し、768以上が入力されたらそれに応じて0から255を出力する。
本実施形態では、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの各リミッタ304の特性を制御部101の指示で決定する。8ビット処理を行う各プロジェクタ100a、100b、100c、100dの入力データ階調数に対する投影光量が図8(a)に示す特性であるとする。このとき、リミッタ304の動作により、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dの入力データ階調数に対する投影光量がそれぞれ図8(b)、図8(c)、図8(d)、図8(e)に示す特性になる。これらを重ね合わせてスタック投影することで、図1に示すシステム全体の入力データ階調数、即ち信号源200の出力値に対する投影光量が図8(f)に示す特性になる。すなわち、各プロジェクタが8ビットの信号しか処理しない場合でも、全体では10ビットの階調を表現した投影を実現できる。ここでは、プロジェクタ100a、100b、100c、100dがリミッタ304を備えている例を挙げて動作を説明した。この例では信号源200からの画像を分配器300で分岐させる。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、分配器300が画像切り出し回路301、ビット数検出回路304、及び図7に示すようなリミッタ701a、701b、701c、701dを備えていてもよい。リミッタ701a、701b、701c、701dはそれぞれ図8(b)、図8(c)、図8(d)、図8(e)に示す特性を有する。リミッタ701a、701b、701c、701dの出力はそれぞれ、プロジェクタ100a、100b、100c、100dに送られる。このときは、8ビット信号が各プロジェクタに入力される。
S610、S611で上述のようにリミッタ304またはリミッタ701a、701b、701c、701dを作動させることにより、図4(a)、(b)、(c)のようなスタック投影を行う際、入力画像の階調性を再現することができる。
スタック投影、マルチ投影何れの場合でも、S612では投影光学系107を光学系制御部109で制御して投影光学系107に含まれる不図示のレンズのズーム比を設定する。上述のように、図4のようなスタック投影を行う場合には、S604で入力した倍率で、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影光学系107に含まれる不図示のレンズから投影させる。一方、図5のようなマルチ投影を行う場合は、S604で入力した倍率に対し、S608で変換を施した倍率で、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影光学系107に含まれる不図示のレンズから投影させる。
また、このS612でのズーム比の設定は意図的に画像を拡大縮小するためだけではなく、後述のレンズシフト調整と合わせて、マルチ投影/スタック投影を正しく行うためのズーム比の微調整を含む。
S613では投影光学系107を光学系制御部109で制御して投影光学系107の不図示のレンズをシフトさせることで投影方向を設定する。このS613におけるレンズをシフトさせる方法については、図9を参照して後述する。さらに、S614では撮像部124がスクリーン400を撮影する。撮影画像は撮像部124でディジタル信号に変換され、続いて制御部101が処理するのに適したフォーマットに変換された後、制御部101に送られる。S615では、制御部101に送られたデータが制御部101でパターン認識等の解析を受ける。そして、マルチ投影時には図5(a)、(c)、(e)の画像が正しく構成され投影されているか、スタック投影時には図4(a)、(b)、(c)の画像が正しく構成され投影されているかを判断する。各プロジェクタの投影位置がずれていて、完全なマルチ投影画像やスタック投影画像になっていない場合は、S611、S612に戻ってズームやレンズシフトを再調整する。正しいマルチ投影画像或いはスタック投影画像が得られたら、S616で通常の投影を行う。
S617では、操作部102で終了を指示する操作がされたかどうか判断し、終了でなければS603に戻り投影を継続する。図6ではS603に戻っているがこれに限ったものではなく、マルチ投影/スタック投影の切り替えに必要な判断を省略してS614に戻っても差し支えない。終了であれば、S618へ進み動作を終了する。
次に、図9をもとに、図6におけるS612からS615で行われる動作について詳しく説明する。ここで図1に示すプロジェクタ100aをマスター投影機として、プロジェクタ100aが操作された場合に動作するものとする。なお、本実施形態においては、4台のプロジェクタを備えているが、ここでは説明を分かりやすくするために、2台のプロジェクタ間での動作について説明する。プロジェクタが4台の場合でも、2台の場合と同様の動作を適用することができる。
この時、プロジェクタ100aとプロジェクタ100bは既にマルチ投影/スタック投影の設置状態にあり、また投影面に対してほぼ並行に設置されている。なお、投影光学系107には、光軸と垂直な方向に移動して、投影光軸(投影画像)を平行にシフトさせるシフトレンズが備えられているものとする。
まず、S203では、投影光学系107に備えられたズームレンズのレンズ駆動を行う。プロジェクタ100aがズーム駆動されると、そのズーム位置がプロジェクタ100bの制御部101に通信により送られ、プロジェクタ100bの制御部101は、プロジェクタ100aの焦点距離(ズーム位置)を得る(S205)。この通信により得られプロジェクタ100aの焦点距離と焦点検出部123で得られたプロジェクタ100bから投影スクリーンまでの距離をもとにプロジェクタ100bのズームレンズの焦点距離を算出する。
算出式を表すと、プロジェクタのパネルと投影レンズを模式的に表した図10から、焦点距離は次のようになる。
f1:プロジェクタ100aのパネル−レンズ焦点距離
f2:プロジェクタ100bのパネル−レンズ焦点距離
L1:プロジェクタ100aからスクリーン400までの距離
L2:プロジェクタ100bからスクリーン400までの距離
として、
f2=f1/(L2/L1)
上記計算式を用いてプロジェクタ100aの制御部101はズーム駆動量を算出してプロジェクタ100bの制御部101に通信する(S206)。そして、プロジェクタ100bは、そのズーム駆動量によりズームレンズを駆動して(S207)、ズーム駆動完了の判定を行う(S209)。ズーム駆動が完了したらレンズシフト量演算を行う(S211)。レンズシフト量演算は、2台の異なる光軸上からとなり合うように投影を行うマルチ投影の場合、図11(A)、図12(A)のように夫々の投影画像の右端部と左端部が合うようにセットされている。しかしながら異なる光軸でテレ側にズームした場合は図11(B)のように夫々の投影画像の右端部と左端部が離れた画像となってしまう。またワイドにズームした場合は、図12(B)のように夫々の投影画像の右端部と左端部が重なった画像となってしまう。
また、図13(A)、図14(A)の2つの投影画像を重ねて投影するスタック投影のような場合は、ズームした場合はテレ、ワイドのズーム動作を行うと、夫々の画像が外側、或いは内側にずれてしまう。よって、ズーム動作により生じた投影画像のずれをマルチ投影では、左右の端の位置が合うように、また、スタック投影では2つの画像が重なり合うようにシフトレンズの光軸をずらして投影位置を補正する必要があり、その補正量を算出する。レンズシフト量演算S211の詳細は後述する。
算出されたレンズシフト量に基づいて、プロジェクタ100a,100bのそれぞれの制御部101は、シフトレンズを駆動制御して、光軸のシフトを行う(S213)。レンズシフト制御が終了(S215)したら投影画像の画像認識を行う(S217)。この画像認識は、プロジェクタ100aとプロジェクタ100bの画像が適正な位置になっているか否かの検出をプロジェクタ100aの撮像部124で投影画像を撮像することで行う。例えばプロジェクタ100aの投影表示画像は図15(A)のように投影され、プロジェクタ100bの投影画像は図15(B)のように投影されているとする。この場合、プロジェクタ100aの投影表示画像である図15(A)に対してプロジェクタ100bの投影表示画像である図15(B)は1画素分左にずれている。よってスタック投影すると投影画像は図15(D)のように画像が太くなってしまう。ここでまず、プロジェクタ100aの画像のみを投影して画像を取り込む。このときプロジェクタ100bは黒表示の投影を行う。そしてプロジェクタ100aの撮像部124により画像を取り込む。次にプロジェクタ100bの画像のみを投影して画像を取り込む。このときプロジェクタ100aは黒表示を行う。そして、プロジェクタ100aの撮像部124により画像を取り込む(S217)。そして夫々の画像データをもとに位置ズレを制御部101により検出する(S219)。そして検出したズレ量を書き込み位置をずらして図15(A)に示すように合致させる(S221)。例えば、プロジェクタ100bの表示位置に対して、プロジェクタ100aの表示位置が1画素分書き込み方向に対して後ろにずれていた場合は、データの入力タイミングを1データずつ前にシフトさせる。このようにデータをずらすことにより画素の位置を後ろにずらすことができプロジェクタ100aとプロジェクタ100bの画像位置を合わせる。そして、画素シフトS221を行って再度前述の画像認識S217とズレ検出S219を行う、そしてズレがないと判断されたら、ズームシーケンスを終了する。またズレがまだ大きいと判断された場合は再度前述の画素シフトS221を行い、再度前述の画像認識S217とズレ検出S219を行い、画素の位置ズレを最小にしてズームシーケンスを終了する。
次に前述のズームシーケンスの中のレンズシフト量演算S211のシーケンスの詳細を図16のフローチャートをもとに説明する。
まずPJ1シフト量演算S301にてプロジェクタ100a(フローチャート内のPJ1は、プロジェクタ100aを示す)のレンズシフト量の算出を行う。レンズシフト量の算出を以下説明する。図17はプロジェクタの液晶部104、投影光学系107、シフトレンズを含む投射光学系を模式的に示した図である。図17中の記号は、
f:投影レンズ焦点距離
Ls:レンズシフト量
L:投影距離
である。
また、
Ls1:初期のレンズシフト量
Ls2:ズーム後のレンズシフト量
f1:最初の投影焦点距離
f2:ズーム動作後の焦点距離(S203で行われたズーム駆動後の焦点距離)
としてプロジェクタ100aの算出式を表すと、次のようになる。
Ls2=Ls1+[{(L/f1)−(L/f2)}/2]÷(L/f2)
以上のような式でLs2を求める。このズーム後のレンズシフト量Ls2はプロジェクタ100aとプロジェクタ100bの夫々で均等にズームシフトを行った場合の計算式である。
また、図18に示すような、プロジェクタ100aとプロジェクタ100bの投射距離が異なる場合でも算出式は同様である。
次にズーム駆動2量算出S206で得られたプロジェクタ100bの焦点距離からPJ1シフト量演算S301と同様にPJ2シフト量演算S303を行う(フローチャート内のPJ2は、プロジェクタ100bを示す)。ここでのPJ2シフト量演算は、f2:ズーム動作後の焦点距離(ズーム駆動2量算出S206で得られたズーム駆動後の焦点距離)をもとにして算出する。このとき算出されたシフト量は、PJ1のシフト方向に対して反対のシフト方向となる。そして、算出されたプロジェクタ100aのレンズシフト量(調節量)が投影光学系のレンズシフト部がレンズシフト可能な範囲(調節範囲の限界)を超えていないかかの判定を行う(S305)。ここでプロジェクタ100aのレンズシフト量がシフト可能な場合は、プロジェクタ100aと同様に、プロジェクタ100bのレンズシフト量が投影光学系のレンズシフト部がレンズシフト可能な範囲を超えていないかかの判定を行う(S307)。そして、レンズシフト量がシフト可能な場合は、プロジェクタ100a、プロジェクタ100bのレンズシフト量を決定して(S317)レンズシフト量演算S211のシーケンスを終了する。
しかしながら、S305又はS307にてレンズシフト量がシフト可能でなかった場合、レンズシフト量の振り分け演算(S311)を行う。レンズシフト量の振り分け演算はプロジェクタ100a、或いはプロジェクタ100bの夫々算出されたレンズシフト量でレンズシフトが可能で無い方のレンズシフト量で行うようにする。例えば、レンズシフト量としてプロジェクタ100a、プロジェクタ100bで夫々±5のレンズシフト量を持っていたとする。ワイドにした場合、PJ1シフト量演算S301の結果でプロジェクタ100aがレンズシフト0から+3にレンズシフトが必要だったとする。PJ1シフト量演算S301でプロジェクタ100bはレンズシフト−3から−6にレンズシフトが必要な算出結果だったとする。しかしながら、プロジェクタ100bは、レンズシフト可能なレンズシフト量を超えてしまった算出結果である。即ち、画像を所望の位置にずらすことができない。よって、プロジェクタ100aのレンズシフト量をPJ1シフト量演算S301の結果の+3から+4として、プロジェクタ100bのレンズシフト量をPJ2シフト量演算S303の結果の−6から−5としてレンズシフト量を算出する(S309)。そして、振り分け演算判定(S311)を行い、レンズシフト可能なのでプロジェクタ100a、プロジェクタ100bのレンズシフト量を決定して(S317)、レンズシフト量演算S211のシーケンスを終了する。
しかしながら、PJ1シフト量演算S301の結果でプロジェクタ100aがレンズシフト0から+4にレンズシフトが必要だったとする。PJ1シフト量演算S301でプロジェクタ100bはレンズシフト−3から−7にレンズシフトが必要な算出結果だった場合である。即ち、プロジェクタ100aにプロジェクタ100bのレンズシフトの振り分けが出来なくなった場合、すなわち振り分け演算判定(S311)でNGとなった場合は、レンズシフトによって可能なズーム量にズーム動作の規制を行う(S313)。そして、ズーム規制の警告として、図19に示すようにズームが出来ないことを表示して、レンズシフト量演算S211のシーケンスを終了する。警告ズーム規制を行った時点で表示を消しシーケンスを終了する。
以上説明した通り、本実施形態では、複数台のプロジェクタを組み合わせて一つの画像を投影する際、プロジェクタの光学ズーム倍率が所定の閾値以上の場合はマルチ投影を行い、プロジェクタの光学ズーム倍率が所定の閾値より小さい場合はスタック投影を行う。
これにより、ズーム倍率を上げて画像の細部を見たい場合、つまり、解像感を優先したい場合は自動的にマルチ投影にして、一つの大画面を構成して高精細画を投影することができる。また、ズーム倍率を下げた場合は画像の細部を見る必要がないので、その代わりに明るさや階調性を優先すべく自動的にスタック投影にして、同じ画角の画像を重ね合わせて明るい画像を投影することができる。
なお、本実施形態では信号源200からの画像を分配器300では分岐させるのみであり、操作部102から入力された投影光学系107のズーム倍率を基に、画像切り出し回路301で各自が投影すべき画像を切り出している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、画像切り出し回路301を分配器300に内蔵してもよい。このときは、操作部102から入力されたズーム倍率を通信部115経由で分配器300に送り、ズーム倍率に基づき、分配器300内の画像切り出し回路301で画像の切り出しを行う。このように、マルチ投影時には分配器300から各プロジェクタ100a、100b、100c、100dへは画像切り出し回路301で切り出した画像50a、50b、50c、50dをそれぞれ送ってもよい。
また、本実施形態では各プロジェクタ100a、100b、100c、100dに同じズーム倍率を設定する。その際、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dの操作部102からその都度ズーム倍率を入力してもよいし、各プロジェクタ100a、100b、100c、100dのうち一台の操作部102からのみズーム倍率を入力してもよい。一台のみ操作するときは、操作部102から入力されたズーム倍率を通信部115経由で他のプロジェクタに送る。
また、本実施形態は図1に示す複数台のプロジェクタを有するシステムに適用される例を挙げたが、本発明はこれに限ったものではなく、図2の構成を持つ複数台のプロジェクタは同一の筐体からなるものでもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、マルチ投影/スタック投影で投影領域の調整をする際には、投影光学系107を光学系制御部109で制御して投影光学系107に含まれる不図示のレンズのズーム比を設定する。続いて投影光学系107を光学系制御部109で制御して投影光学系107の不図示のシフトレンズをシフトさせることで投影方向を設定する。一方、本実施形態では、投影光学系107でレンズシフトを行う代わりにプロジェクタの投影方向を外部機器で調節する。
本実施形態の適用例を図20に示す。100a、100b、100c、100dはプロジェクタ、200はパーソナルコンピュータ(PC)、DVDプレイヤー、テレビチューナー等の信号源である。300は信号源200から受け取った画像信号をプロジェクタ100に分配する分配器、400はプロジェクタ100からの投影画像を映し出すスクリーンである。また、500a、500b、500c、500dはそれぞれプロジェクタ100a、100b、100c、100dを載置し、それらを水平方向・垂直方向に動かして投影方向を調整する雲台である。
本実施形態では4台のプロジェクタを使用して縦横2画面ずつの画像を構成する例を示して説明するが、プロジェクタの台数はこれに限ったものではない。また、画面の構成も縦横2画面ずつに限ったものではなく、横一列、縦一列等の他の構成でも差し支えない。
図2がプロジェクタ100の主要な構成を示し、図3が画像抽出部133の主要な構成を示す点では第1の実施形態と同様である。
図21に雲台500の内部構成を示す。501は雲台の各ブロックを制御するための制御部である。502は、イントラネット、インターネットから映像データ、画像データ、映像ファイル等の各種の情報データのファイル、その他の命令信号を受信したり送信したりする通信部であり、例えば、有線LANや無線LAN等で構成されている。503は取り付けたプロジェクタを垂直方向に回転させるための垂直方向モータ、504は取り付けたプロジェクタを水平方向に回転させるための水平方向モータである。505は垂直方向モータをプロジェクタに取り付けるための取付け部、506は水平方向モータをプロジェクタに取り付けるための取付け部である。通信部502にはプロジェクタ100からの通信データが送られてくる。
図4及び図5に示したマルチ投影/スタック投影を切り替える際の本実施形態の動作を図22のフローチャートに示す。S1013で雲台の制御を行うところを除いては図6のフローチャートと同じ動作であるので説明を省略する。
S1013では正確なマルチ投影/スタック投影を実現するために、プロジェクタ100a、100b、100c、100dからの情報に基づき雲台500a、500b、500c、500dを制御する。ここでは、プロジェクタ100a、100b、100c、100dからの情報を通信部502で受け取り制御部501に送る。受け取った情報を基に制御部501では垂直方向モータ503、水平方向モータ504を制御して、プロジェクタ100a、100b、100c、100dの投影方向を個別に調整し、マルチ投影/スタック投影のうちいずれか一方を実現する。
なお、投影方向の調整を行う場合に、いずれかの雲台の可動範囲を超えてしまう場合の制御は、第1の実施形態におけるシフトレンズのシフト量の振り分けの場合と全く同じように行われる。また、シフト量を振り分けてもいずれかの雲台が可動範囲を超えてしまう場合に、ズーム量を制御し、警告を出す動作も第1の実施形態と同様である。
以上説明した通り、本実施形態では、複数台のプロジェクタを組み合わせて一つの画像を投影する際に、プロジェクタにレンズシフトの機能が無くても雲台に取り付けて投影方向を調整することで、マルチ投影/スタック投影をズーム倍率で切り替えるときの投影方向の調整を可能にしたものである。
なお、本実施形態では、プロジェクタ100a、100b、100c、100dと雲台500a、500b、500c、500dを接続し通信する例を挙げたがこれに限ったものではない。、プロジェクタ100a、100b、100c、100dと雲台500a、500b、500c、500dは分配器300を介して接続しても何ら問題は無い。
(他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。