JP5495465B1 - 導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

優れた分散安定性を有し、かつ、比較的低温での金属部品の接合に好適に用いることができる導電性ペーストを提供する。表面の少なくとも一部に炭素数6以下のアルキルアミンを有する無機粒子と、顔料親和性基を主鎖及び/若しくは複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、又は、主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子を含む高分子分散剤と、分散媒と、を含む導電性ペーストであって、導電性ペーストの固形分を熱分析によって室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であること、を特徴とする導電性ペースト。

Description

本発明は、金属粒子を含有する導電性ペーストに関し、より具体的には、優れた分散安定性を有し、かつ、比較的低温での金属部品の接合に好適に用いることができる導電性ペーストに関する。
従来、比表面積が大きく反応活性が高い金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)は、バルクや金属原子に比べて、低温で融着(低温焼結)する性質を有することが知られており、この特性を活かし、例えば導電性ペーストとして多様な分野への応用が期待されている。
例えば、特許文献1(特開2009−097074号公報)、特許文献2(特開2011−058092号公報)及び特許文献3(特開2010−202943号公報)等においては、基板上に微細な配線パターンを形成する金属ナノ粒子ペーストが提案されている。
上記特許文献1には、アミン類と炭素数4以上のカルボン酸から成る保護コロイドにより被覆された金属ナノ粒子ペーストが開示されており、低温でのパターン形成及び150℃以下の低温焼結が可能であるとされているが、金属ナノ粒子ペーストの分散安定性に関して未だ改善の余地がある。
また、上記特許文献2には、金属化合物、還元剤、及び有機アミン等の安定剤を含む実質的に無溶媒の反応混合物中で、金属化合物を安定剤存在下で還元剤と反応させ、無溶媒還元プロセスにより、表面上に安定剤の分子を有する複数の金属含有ナノ粒子を形成するプロセスが開示されており、得られた金属ナノ粒子は長い保存寿命(安定性)及び低いアニール温度を有するとされているが、安定性の評価方法は外観目視のみであり、分散安定性に未だ改善の余地がある。
更に、上記特許文献3には、金属ナノ粒子と分散剤とを含む金属コロイド粒子の凝集体について開示されており、分散剤は、窒素原子を有する基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも一種の官能基を有する凝集助剤と、高分子分散剤と、で構成されているが、粒子を凝集させて回収することが目的とされており、分散安定性は考慮されていない。
また、上記のような金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)はその低温焼結性から金属部品の接合用途への活用が期待されている。焼結後の金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)は同種のバルク材と同様の特性を示すことから、これを用いれば、非常に高い耐熱性、信頼性及び放熱性等を有する接合部を得ることができる。
例えば、特許文献4(特開2011−094223号公報)においては、金属ナノ粒子、分散剤及び溶媒で構成された無機素材用接合剤が開示されており、金属ナノ粒子の粒径を50nm以下及び100〜200nmに制御することにより、低温及び低圧の接合条件で強固に無機素材を接合することができるとしている。しかしながら、幅広い粒径を有する金属ナノ粒子を得るためには凝集助剤等の使用を必要とし、分散安定性と高強度との両立は達成されていない。
また、特許文献5(特開2006−252976号公報)においては、固形分中の金属濃度が93質量%以上の金属ナノ粒子溶液から得られる固体ゾルに、沸点が185〜250℃である有機溶剤を加えて得られる金属ナノペーストについて開示されている。しかしながら、金属濃度、溶媒添加量及び粘度等を最適化することで、スクリーン印刷を用いた導電性パターンの形成に好適に用いることができる金属ナノペーストを調整することが目的であり、当該金属ナノペーストは金属接合用組成物としては全く考慮されていない。
特開2009−097074号公報 特開2011−058092号公報 特開2010−202943号公報 特開2011−094223号公報 特開2006−252976号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の第一の目的は、低温焼結性を有しかつ長期的な分散安定性を有する導電性ペーストを提供することにある。更に、本発明の第二の目的は、優れた分散安定性を有し、かつ、比較的低温での金属部品の接合に好適に用いることができる導電性ペーストを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく導電性ペーストの組成や加熱時の重量減少率等について鋭意研究を重ねた結果、金属粒子の表面に付着している有機物、高分子分散剤及び分散媒等を最適化することが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
表面の少なくとも一部に炭素数6以下のアルキルアミンが付着している無機粒子と、
顔料親和性基を主鎖及び/若しくは複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、又は、主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子を含む高分子分散剤と、
分散媒と、
を含む導電性ペーストであって、
前記導電性ペーストの固形分を熱分析によって室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であること、
を特徴とする導電性ペーストを提供する。
上記の構成を有する本発明の導電性ペーストは、低分子量のアミンを含むため低温での焼結が可能、即ち低温焼結性に優れており、高分子分散剤を含むため分散性に優れており長期的な分散安定性が確保できる。また、低温焼結性に寄与する成分(主として炭素数6以下のアルキルアミン)と分散安定性に寄与する成分(主として高分子分散剤)を併用することで金属粒子の表面に両成分が吸着し、それぞれの性質を発現する。なお、上記のように高分子分散剤を含むことにより分散安定性が確保できることから、任意に希釈することが可能となるため(希釈性)、汎用印刷適性のために種々の物性調製剤の添加が可能である。
ここで、本発明における熱分析は、本発明の導電性ペーストの固形分(即ち、上記アルキルアミン及び上記高分子分散剤が付着している無機粒子)に対して、例えば10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行って重量減少率を求めるものである。上記固形分を500℃まで加熱すると、有機物等が酸化分解され、大部分はガス化されて消失する。このため、500℃までの加熱による減量は、ほぼ固形分中の有機物の量に相当することになる。なお、本発明における「室温」とは、例えば15〜30℃程度の温度のことをいう。
また、上記高分子分散剤は、顔料親和性基が側鎖に存在し、溶媒和部分を構成する側鎖を有するグラフト構造のもの(下記櫛形構造の高分子(1));主鎖に、顔料親和性基を有するもの(下記高分子(共重合体)(2)及び上記直鎖状の高分子(3))であるので、無機粒子からなるコロイド粒子の分散性が良好であり、無機粒子に対する保護コロイドとして好適である。上記高分子分散剤を使用することにより、無機粒子を高い濃度で含有する無機粒子分散体からなる導電性ペーストを得ることができる。
なお、本発明の導電性ペーストを用いて実際に塗布・焼成する場合には、本発明において規定する上記熱分析において基準となる温度(200℃や500℃)まで温度を上昇させなくても、有機物が減少することがあるが、上記熱分析によって温度上昇を伴う塗布・焼成時の有機物の減少挙動を詳細に分析することができ、これにより、本発明の導電性ペーストの加熱(塗布・焼成)時の性質を明確に規定することができるのである。
本発明の導電性ペーストは、500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下と少ないため、上記のように加熱により高温になって無機粒子の融着が活発になった際に気体となって出て行く有機物の量が少なく、融着した無機粒子の繋がりの一体性が損なわれにくく、十分な低温焼結性が得られ、よって導電性や熱伝導性も向上する。
加えて、本発明の導電性ペーストにおいては、アミンの一分子内におけるアミノ基が、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、これら官能基以外の部分は比較的低い極性を有する。更に、アミノ基は、それぞれアルカリ性的性質を示し易い。したがって、アミンは、本発明の導電性ペースト中で、無機粒子の表面の少なくとも一部に局在化(付着)すると(即ち、無機粒子の表面の少なくとも一部を被覆すると)、有機物と無機粒子とを十分に親和させることができ、無機粒子同士の凝集を防ぐ。
また、必要に応じて分散媒が添加された場合においても、有機物が分散剤の作用をするため、分散媒中における無機粒子の分散状態が著しく向上する。即ち、本発明の導電性ペーストによれば、特定の組合せの有機物を含んでいるため、無機粒子が凝集しにくく、分散安定性に優れ、塗膜中でも無機粒子の分散性がよく、均一に融着して強い低温焼結性が得られる。
ここで、上記の本発明の導電性ペーストは、言い換えると、無機粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とする組成物であるが、更に分散媒とを含むコロイド分散液であってもよい。「分散媒」は上記コロイド粒子を分散液中に分散させるものであるが、上記コロイド粒子の構成成分の一部は「分散媒」に溶解していてもよい。なお、「主成分」とは、構成成分のうちの最も含有量の多い成分のことをいう。
また、上記の本発明の導電性ペーストにおいては、顔料を構成する前記無機粒子が、金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ又は白金族元素のうちの少なくとも1種の金属の粒子であること、が好ましい。このような構成による導電性ペーストを用いれば、優れた導電性や耐熱性も得られる。
また、上記本発明の導電性ペーストは、前記分散媒の含有量が1〜20質量%であり、前記分散媒のオクタノール/水分配係数(logP値)が1.5〜5.5であり、25℃における粘度がせん断速度10s−1において100〜1000000mPa・sである場合に、特に低温において優れた焼結特性を有している(特に接合用途)。
ここで、オクタノール/水分配係数(logP値)とは、対象物質のオクタノール/水の2成分系における分配比P([オクタノール中濃度Co]/[水中濃度Cw])の対数値で定義される値である。
logP値は具体的にはフラスコ振盪法等の測定方法によって測定することができる。フラスコ振盪法の手順の一例においては、精製水とオクタノールを24時間以上混合してそれぞれを飽和させ、当該混合液を十分に精製した測定対象物質と共にフラスコに入れて温度を保った状態でよく振盪する。当該フラスコを遠心分離器にかけ完全に相分離させ、それぞれの相に含まれる測定対象物質の量を当該測定対象物質に適した機器分析(例えば、高速液体クロマトグラフィー)によって測定する。オクタノール中の測定対象物質濃度Coと水中の測定対象物質濃度Cwとをそれぞれ求め、濃度比の常用対数を算出することでlogP値を得ることができる。
また、本発明の導電性ペーストにおいては、前記無機粒子が、前記アルキルアミンと、前記無機粒子を構成する無機元素を含む無機化合物と、を含む錯化合物を生成した後、加熱分解させることで生成されたものであること、が好ましい。この場合、前記無機元素は、特に、金、銀又は銅であるのが好ましい。
このように錯化合物を生成させて無機粒子を合成すれば、通常の合成系と異なり反応溶剤を使用する必要がないため、環境面(投入エネルギー低減)で有利である。また、微細で粒度分布の小さい無機微粒子を製造することができる。
本発明によれば、低温焼結性を有しかつ長期的な分散安定性を有する導電性ペーストを提供することができる。また、本発明によれば、優れた分散安定性を有し、かつ、比較的低温での金属部品の接合に好適に用いることができる導電性ペーストを提供することができる。
以下、本発明の導電性ペーストの好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態を示すに過ぎずこれらによって本発明が限定されるものではなく、また、重複する説明は省略することがある。
本実施形態の導電性ペーストは、
表面の少なくとも一部に炭素数6以下のアルキルアミンが付着している無機粒子と、
顔料親和性基を主鎖及び/若しくは複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、又は、主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子を含む高分子分散剤と、
分散媒と、を含み、
前記導電性ペーストの固形分を熱分析によって室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であること、
を特徴とする。
ここで、上述のように、本発明における熱分析は、本発明の導電性ペーストの固形分に対して、例えば10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行って重量損失(重量減少率)を求めるものである。上記固形分を500℃まで加熱すると、有機物等が酸化分解され、大部分はガス化されて消失する。このため、500℃までの加熱による減量は、ほぼ固形分中の有機物の量に相当することになる。本実施形態の導電性ペーストにおいては、熱分析によって室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であることから、加熱時の有機物の揮発と金属粒子の融着のバランスが良好であり、低温焼結性に優れるものと推測される。
本実施形態の導電性ペーストは、室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であるため、上記のように加熱により高温になって金属粒子の融着が活発になった際に気体となって出て行く有機物の量が比較的少なく、融着した金属粒子の繋がりの一体性が損なわれにくいので、十分な低温焼結性が得られ、よって導電性や熱伝導性も向上する。室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%を超えると、上記のように高温になって金属粒子の融着が活発になった時に、有機物が一気に気体として出ていくため、融着した金属粒子の繋がりがまばらになってしまう。
上記質量減少率が大きいほど金属コロイドの分散安定性は優れるが、大きすぎる場合は焼成後に有機物が残存して空隙を生じるため、接合強度及び接合層の導電性を低下させる原因となる。特に、200℃程度の低温接合によって導電性の高い接合層を得るためには、質量減少率は15質量%以下であることが好ましい。一方、質量減少率が小さすぎるとコロイド状態での分散安定性が損なわれるため、0.01質量%以上であることが好ましい。質量減少率のより好ましい範囲は0.05〜7質量%である。
なお、有機物量を所定の範囲に調整する方法は、後述するが、加熱を行って調整するのが簡便である。金属粒子を作製する際に添加する有機物の量を調整することで行ってもよい。金属粒子調整後の洗浄条件や回数を変えてもよい。加熱はオーブンやエバポレーターなどで行うことができ、減圧下で行ってもよい。常圧下で行う場合は、大気中でも不活性雰囲気中でも行うことができる。更に、有機分量の微調整のためにアミンやカルボン酸を後で加えることもできる。
本実施形態の導電性ペーストは、更に、熱分析によって室温から200℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であり、かつ、200℃から500℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であること、が好ましい。ここで、200℃までの重量減少率は主として低温焼結性に寄与する低温成分(主として炭素数6以下のアルキルアミン)の含有量を示し、200〜500℃での重量減少率は主として分散安定性に寄与する高温成分(主として高分子分散剤)の含有量を示す。
低温成分が過剰になると分散安定性が損なわれ、高温成分が過剰になると低温焼結性が損なわれる。即ち、室温から200℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であれば分散安定性がより優れ、200℃から500℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であれば低温焼結性がより優れる。
本実施形態の導電性ペーストには、主成分として、後述する金属粒子がコロイド化した金属コロイド粒子が含まれるが、かかる金属コロイド粒子の形態に関しては、例えば、金属粒子の表面の一部に有機物が付着して構成されている金属コロイド粒子、上記金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、それらが混在して構成されている金属コロイド粒子等が挙げられるが、特に限定されない。なかでも、金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子が好ましい。当業者は、上述した形態を有する金属コロイド粒子を、当該分野における周知技術を用いて適宜調製することができる。
本実施形態の導電性ペーストは、金属粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とする流動体であり、金属粒子、金属コロイド粒子を構成する有機物のほかに、金属コロイド粒子を構成しない有機物、分散媒又は残留還元剤等を含んでいてもよい。
本実施形態の導電性ペーストの粘度は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整すればよいが、25℃における粘度が、せん断速度10s−1において、100〜1000000mPa・Sであることが好ましく、100〜100000mPa・Sであることがより好ましい。当該粘度範囲とすることにより、基材上に導電性ペーストを塗布する方法として幅広い方法を適用することができる(接合用途)。
更に、本実施形態の導電性ペーストの粘度は、更には、例えば1〜5000mPa・Sの粘度範囲であればよく、1〜1000mPa・Sの粘度範囲がより好ましく、1〜500mPa・Sの粘度範囲であることが特に好ましい(インク用途)。
基材上に本実施形態の導電性ペーストを塗布する方法としては、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコート法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、ピントランスファー法、スタンピング法、刷毛による塗布方式、流延法、フレキソ法、グラビア法、オフセット法、転写法、親疎水パターン法、又はシリンジ法等のなかから適宜選択して採用することができるようになる。
粘度の調整は、金属粒子の粒径の調整、有機物の含有量の調整、分散媒その他の成分の添加量の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。本実施形態の導電性ペーストの粘度は、コーンプレート型粘度計(例えばアントンパール社製のレオメーターMCR301)により測定することができる。
(1−1)金属粒子について
次に、本実施形態の導電性ペーストの各成分について説明する。本実施形態の導電性ペーストの金属粒子としては、特に限定されるものではなく、例えば金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ、鉄並びに白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)のうちの少なくとも1種が挙げられる。上記金属としては、金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ又は白金族元素よりなる群から選択される少なくとも1種の金属の粒子であることが好ましく、更には、銅又は銅よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属、即ち、金、白金、銀及び銅のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。これらの金属は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよく、併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
例えば、上記導電性ペーストの金属粒子として銀粒子を用いる場合、本実施形態の導電性ペーストを用いて形成した塗布層(塗膜)の導電率は良好となるが、マイグレーションの問題を考慮して、銀及びその他の金属からなる導電性ペーストを用いることによって、マイグレーションを起こりにくくすることができる。当該「その他の金属」としては、上述のイオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウムが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストにおける金属粒子(乃至は金属コロイド粒子)の平均粒径は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、融点降下が生じるような平均粒径を有するのが好ましく、例えば、1〜200nmであればよい。更には、2〜100nmであるのが好ましい。金属粒子の平均粒径が1nm以上であれば、良好な塗膜を形成可能な導電性ペーストが得られ、金属粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、200nm以下であれば、金属粒子の分散性が経時的に変化しにくく、好ましい。
また、必要に応じてミクロンメートルサイズの金属粒子を併用して添加することも可能である。そのような場合は、ナノメートルサイズの金属粒子がミクロンメートルサイズの金属粒子の周囲で融点降下することにより、良好な導電パスを得ることができる。
本発明者は、特にこのように融点降下を発現する粒径の小さい金属粒子を用い、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に付着しているアミンを含む導電性ペーストにおいて、特定の温度範囲における加熱時の重量減少率を特定の範囲に最適化にすることで、そうではない導電性ペーストに比べて、低温焼結性及び分散安定性がバランスよく向上することを見出した。
なお、本実施形態の導電性ペーストにおける金属粒子の粒径は、一定でなくてもよい。また、導電性ペーストが、任意成分として、後述する分散媒、樹脂成分、増粘剤又は表面張力調整剤等を含む場合、平均粒径が200nm超の金属コロイド粒子成分を含む場合があるが、凝集を生じたりせず、本発明の効果を著しく損なわない成分であればかかる200nm超の平均粒径を有する粒子成分を含んでもよい。
ここで、本実施形態の導電性ペーストにおける金属粒子の粒径は、動的光散乱法、小角X線散乱法、広角X線回折法で測定することができる。ナノサイズの金属粒子の融点降下を示すためには、広角X線回折法で求めた結晶子径が適当である。例えば広角X線回折法では、より具体的には、理学電機(株)製のRINT−UltimaIIIを用いて、回折法で2θが30〜80°の範囲で測定することができる。この場合、試料は、中央部に深さ0.1〜1mm程度の窪みのあるガラス板に表面が平坦になるように薄くのばして測定すればよい。また、理学電機(株)製のJADEを用い、得られた回折スペクトルの半値幅を下記のシェラー式に代入することにより算出された結晶子径(D)を粒径とすればよい。
D=Kλ/Bcosθ
ここで、K:シェラー定数(0.9)、λ:X線の波長、B:回折線の半値幅、θ:ブラッグ角である。
(1−2)炭素数6以下のアルキルアミン
本実施形態の導電性ペーストにおいて、金属粒子の表面の少なくとも一部に付着している炭素数6以下のアルキルアミン、即ち、金属コロイド粒子中の「炭素数6以下のアルキルアミン」は、後述する高分子分散剤として上記金属粒子とともに実質的に金属コロイド粒子を構成する。当該有機物には、金属中に最初から不純物として含まれる微量有機物、後述する製造過程で混入して金属成分に付着した微量有機物、洗浄過程で除去しきれなかった残留還元剤、残留分散剤等のように、金属粒子に微量付着した有機物等は含まれない概念である。なお、上記「微量」とは、具体的には、金属コロイド粒子中1質量%未満が意図される。
「炭素数6以下のアルキルアミン」は、金属粒子を被覆して金属粒子の凝集を防止するとともに金属コロイド粒子を形成するものであり、被覆の形態については特に規定しない。なお、この「炭素数6以下のアルキルアミン」は、金属粒子と化学的あるいは物理的に結合している場合、アニオンやカチオンに変化していることも考えられ、本実施形態においては、この「炭素数6以下のアルキルアミン」に由来するイオンや錯体等の状態をも取り得る。
「炭素数6以下のアルキルアミン」は直鎖状アルキルアミンでも側鎖を有するアルキルアミンであってもよい。具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン及びヘキシルアミンが挙げられるが、なかでも、ブチルアミン、ペンチルアミン及びヘキシルアミンからなる群より選択される少なくとも一種であること、が、低温焼結性及び分散安定性の観点から好ましい。
上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、アミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、アミンに由来するチッ素原子の数が、アミン以外の官能基の数以上であるのが好ましい。また、上記アミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常圧での沸点が300℃以下、更には250℃以下であるのが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストにおける「炭素数6以下のアルキルアミン」の含有量は、0.1〜15質量%であるのが好ましい。「炭素数6以下のアルキルアミン」の含有量が0.1質量%以上であれば、得られる導電性ペーストの導電性が良くなる傾向があり、15質量%以下であれば、導電性ペーストの分散安定性が良い傾向がある。「炭素数6以下のアルキルアミン」のより好ましい含有量は0.5〜5質量%であり、更に好ましい含有量は0.5〜4質量%である。
(1−3)高分子分散剤
本実施形態の導電性ペーストに含まれる高分子分散剤は、顔料親和性基が側鎖に存在し、溶媒和部分を構成する側鎖を有するグラフト構造のもの(下記櫛形構造の高分子(1));主鎖に、顔料親和性基を有するもの(下記高分子(共重合体)(2)及び上記直鎖状の高分子(3))である。そのため、金属粒子からなるコロイド粒子の分散性が良好であり、金属粒子に対する保護コロイドとして好適である。上記高分子分散剤を使用することにより、金属粒子を高い濃度で含有する金属粒子分散体からなる導電性ペーストを得ることができる。
上記高分子分散剤について、上記顔料親和性基とは、金属粒子からなる顔料の表面に対して強い吸着力を有する官能基をいい、例えば、第3級アミノ基、第4級アンモニウム、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等を挙げることができる。本発明において、上記顔料親和性基は、金属粒子に対して強い親和力を示す。上記高分子量顔料分散剤は、上記顔料親和性基を有することにより、金属粒子の保護コロイドとして充分な性能を発揮することができる。
上記櫛形構造の高分子(1)は、上記顔料親和性基を有する複数の側鎖とともに、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を主鎖に結合した構造のものであり、これらの側鎖があたかも櫛の歯のように主鎖に結合されているものである。本明細書中、上述の構造を櫛形構造と称する。上記櫛形構造の高分子(1)において、上記顔料親和性基は、側鎖末端に限らず、側鎖の途中や主鎖中に複数存在していてもよい。なお、上記溶媒和部分は、溶媒に親和性を有する部分であって、親水性又は疎水性の構造をいう。上記溶媒和部分は、例えば、水溶性の重合鎖、親油性の重合鎖等から構成されている。
上記櫛形構造の高分子(1)としては特に限定されず、例えば、特開平5−177123号公報に開示されている1個以上のポリ(カルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ)鎖を有し、これらの各鎖が3〜80個のカルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ基を有しかつアミド又は塩架橋基によってポリ(エチレンイミン)に結合されている構造のポリ(エチレンイミン)又はその酸塩からなるもの;特開昭54−37082号公報に開示されているポリ(低級アルキレン)イミンと、遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応生成物よりなり、各ポリ(低級アルキレン)イミン連鎖に少なくとも2つのポリエステル連鎖が結合されたもの;特公平7−24746号公報に開示されている末端にエポキシ基を有する高分子量のエポキシ化合物に、アミン化合物と数平均分子量300〜7000のカルボキシル基含有プレポリマーとを同時に又は任意順に反応させて得られる顔料分散剤等を挙げることができる。
上記櫛形構造の高分子(1)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、25〜1500個である。
上記櫛形構造の高分子(1)は、溶媒和部分を構成する側鎖が1分子中に2〜1000存在するものが好ましい。2未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、5〜500である。
上記櫛形構造の高分子(1)は、数平均分子量が2000〜1000000であることが好ましい。2000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、4000〜500000である。
上記主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子(共重合体)(2)は、複数の顔料親和性基が主鎖にそって配置されているものであり、上記顔料親和性基は、例えば、主鎖にペンダントしているものである。本明細書中、上記顔料親和部分は、上記顔料親和性基が1つ又は複数存在して、金属粒子からなる顔料表面に吸着するアンカーとして機能する部分をいう。
上記共重合体(2)としては、例えば、特開平4−210220号公報に開示されているポリイソシアネートと、モノヒドロキシ化合物及びモノヒドロキシモノカルボン酸又はモノアミノモノカルボン酸化合物の混合物、並びに、少なくとも1つの塩基性環窒素とイソシアネート反応性基とを有する化合物との反応物;特開昭60−16631号公報、特開平2−612号公報、特開昭63−241018号公報に開示されているポリウレタン/ポリウレアよりなる主鎖に複数の第3級アミノ基又は塩基性環式窒素原子を有する基がペンダントした高分子;特開平1−279919号公報に開示されている水溶性ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する立体安定化単位、構造単位及びアミノ基含有単位からなる共重合体であって、アミン基含有単量単位が第3級アミノ基若しくはその酸付加塩の基又は第4級アンモニウムの基を含有しており、該共重合体1g当たり0.025〜0.5ミリ当量のアミノ基を含有する共重合体;特開平6−100642号公報に開示されている付加重合体からなる主鎖と、少なくとも1個のC1〜C4 アルコキシポリエチレン又はポリエチレン−コプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる安定化剤単位とからなり、かつ、2500〜20000の重量平均分子量を有する両親媒性共重合体であって、主鎖は、30重量%までの非官能性構造単位と、合計で70重量%までの安定化剤単位及び官能性単位を含有しており、上記官能性単位は、置換されているか又は置換されていないスチレン含有単位、ヒドロキシル基含有単位及びカルボキシル基含有単位であり、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とスチレン基及びヒドロキシル基とプロピレンオキシ基又はエチレンオキシ基との比率が、それぞれ、1:0.10〜26.1;1:0.28〜25.0;1:0.80〜66.1である両親媒性高分子等を挙げることができる。
上記共重合体(2)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、25〜1500個である。
上記共重合体(2)は、数平均分子量が2000〜1000000であることが好ましい。2000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、4000〜500000である。
上記主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子(3)は、主鎖の片末端のみに1つ又は複数の顔料親和性基からなる顔料親和部分を有しているが、顔料表面に対して充分な親和性を有するものである。
上記直鎖状の高分子(3)としては特に限定されず、例えば、特開昭46−7294号公報に開示されている一方が塩基性であるA−Bブロック型高分子;米国特許第4656226号明細書に開示されているAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロック型高分子;米国特許第4032698号明細書に開示されている片末端が塩基性官能基であるA−Bブロック型高分子;米国特許第4070388号明細書に開示されている片末端が酸性官能基であるA−Bブロック型高分子;特開平1−204914号公報に開示されている米国特許第4656226号明細書に記載のAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロック型高分子の耐候黄変性を改良したもの等を挙げることができる。
上記直鎖状の高分子(3)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、金属粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、5〜1500個である。
上記直鎖状の高分子(3)は、数平均分子量が1000〜1000000であることが好ましい。1000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、無機粒子からなるコロイド粒子の粒度分布が必要以上に広くなり、分散安定性が低下する場合がある。より好ましくは、2000〜500000である。
上記高分子分散剤としては、市販されているものを使用することもできる。上記市販品としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(日本ルーブリゾール(株)製;ディスパービック(DISPERBYK)142;ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック2155(ビックケミー・ジャパン(株)製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学工業(株)製)等を挙げることができる。
高分子分散剤は、これらのなかでも、前記が、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース28000、ディスパービック142又はディスパービック2155であること、が、低温焼結性及び分散安定性の観点から好ましい。
本実施形態の導電性ペーストにおける上記高分子分散剤の含有量は0.1〜15質量%であるのが好ましい。上記高分子分散剤の含有量が0.1質量%以上であれば、得られる導電性ペーストの分散安定性が良くなる傾向があり、15質量%以下であれば、導電性ペーストの導電性が良くなる傾向がある。上記高分子分散剤のより好ましい含有量は0.5〜5質量%であり、更に好ましい含有量は0.5〜4質量%である。
(1−4)分散媒
本実施形態の導電性ペーストは、顔料である金属粒子を分散させる分散媒を含む。かかる分散媒としては、従来公知のものを用いることができるが、なかでも、分散媒は、1.5〜5.5の範囲のlogP(オクタノール/水分配係数)を有すること、が好ましい。分散媒が1.5〜5.5の範囲のlogP(オクタノール/水分配係数)を有すれば、より良好な分散安定性を有する導電性ペーストが得られる。logP値が上記の範囲外であっても分散安定性は得られるが、長期の分散安定性に若干劣るコロイド分散液が得られる傾向にある。
ここで、logP値とは、上記のとおり、化合物のオクタノール/水の2成分系における分配比P(=[オクタノール中濃度Co]/[水中濃度Cw])の対数値で定義される値であり、化学物質の疎水性の指標である。logP値の具体的な測定方法としては、例えばフラスコ振盪法が挙げられる。十分に精製した水とオクタノールを24時間以上混合してそれぞれ飽和させ、十分に精製した測定対象物質と共にフラスコに取り、温度を保ってよく振盪する。得られた混合物を遠心分離器にかけて完全に相分離させ、それぞれの相に含まれる試料を高速液体クロマトグラフィー等の機器分析によって定量する。オクタノール中の濃度Coと水中の濃度Cwをそれぞれ求め、濃度比の常用対数を算出する。
上記分散媒の具体例としては、種々の化合物が挙げられるが、なかでも、ジエチレングリコールジブチルエーテル(logP値:1.9)、イソトリデカノール(logP値:5.4)、テトラリン(logP値:3.5)、シクロヘキシルベンゼン(logP値:4.9)、テルピネオール(logP値:1.8)、ジヒドロターピネオール(logP値:2.7)、ジヒドロターピニルアセテート(logP値:3.4)及びp−サイメン(logP値:4.1)からなる群より選択される少なくとも一種であること、長期の分散安定性及び希釈性の観点から好ましい。
本実施形態の導電性ペーストにおける上記分散媒の含有量は、10〜90質量%であるのが好ましい。上記分散媒の含有量が10質量%以上であれば、安定した分散性が得られる傾向があり、90質量%以下であれば、インクから形成した被膜が良好な導電性を発現する傾向がある。上記分散媒のより好ましい含有量は20〜80質量%であり、更に好ましい含有量は30〜70質量%である。
本実施形態の導電性ペーストにおける上記分散媒には、更には、沸点150℃以上の脂肪酸が0.5〜10質量%添加されていることが好ましい。分散媒に脂肪酸が含まれていることで、金属粒子の融着速度(焼成速度)を適度に遅らせることができ、有機成分の揮発と金属粒子の融着とのバランスがよくなり、より強固な接合層を得ることができる。
上記脂肪酸はカルボキシル基を少なくとも一つ有していればよく、カルボキシル基以外の官能基を有していてもよい。脂肪酸はステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びリシノール酸からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。また、脂肪酸の炭素数が18以上であれば上述の有機成分の揮発と金属粒子の融着とのバランスがよくなり、より強固な接合層を得ることができる。
本実施形態の導電性ペーストにおける上記分散媒の含有量は、1〜20質量%であるのが好ましい。上記分散媒の含有量が1質量%以上であれば、安定した分散性が得られる傾向があり、20質量%以下であれば焼成後に形成される空隙を抑制することができ、金属接合用組成物として好適に用いることができる。
(1−5)その他の成分
本実施形態の導電性ペーストには、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、分散媒や、例えばバインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
任意成分のうちの分散媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で種々のものを使用可能であり、例えば炭化水素及びアルコール等が挙げられる。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、環状炭化水素及び脂環式炭化水素等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。更に、脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等が挙げられる。
また、アルコールは、OH基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、OH基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和C6−30脂肪族アルコール等が挙げられる。環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。更に、脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ブロックドイソシアネート等のポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂又はテルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、上記の分散媒として挙げられたものを除き、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、重量平均分子量が200以上1,000以下の範囲内であるポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量が300以上1,000以下の範囲内であるポリプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、グリセリン又はアセトン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の金属コロイド分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の導電性ペーストに界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な塗膜を形成することができる導電性ペーストが得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
(2)導電性ペーストの調製
次に、本実施形態の金属コロイドを含んでなる導電性ペーストを製造するためには、主成分としての、「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子(金属コロイド粒子)を調製する。
なお、「炭素数6以下のアルキルアミン」量及び重量減少率の調整は、特に限定しないが、加熱を行って調整するのが簡便である。金属粒子を作製する際に添加する「炭素数6以下のアルキルアミン」の量を調整することで行ってもよい。金属粒子調整後の洗浄条件や回数を変えてもよい。また、加熱はオーブンやエバポレーター等で行うことができる。加熱温度は50〜300℃程度の範囲であればよく、加熱時間は数分間〜数時間であればよい。加熱は減圧下で行ってもよい。減圧下で加熱することで、より低い温度で有機物量の調整を行うことができる。常圧下で行う場合は、大気中でも不活性雰囲気中でも行うことができる。更に、有機分量の微調整のためにアミンを後で加えることもできる。
本実施形態の「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属粒子を含む分散液を調製し、次いで、その分散液の洗浄を行う方法等が挙げられる。金属粒子を含む分散液を調製する工程としては、例えば、下記のように、溶媒中に溶解させた金属塩(又は金属イオン)を還元させればよく、還元手順としては、化学還元法に基づく手順を採用すればよい。また、金属アミン錯体法を用いることもできる(詳細は後述)。
即ち、上記のような「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子は、金属粒子を構成する金属の金属塩と、「炭素数6以下のアルキルアミン」と、上記高分子分散剤と、上記分散媒と、を含む原料液を還元することにより調製することができる。なお、原料液の成分の一部が溶解せず分散していてもよく、また、水が含まれていてもよい。
この還元によって、「炭素数6以下のアルキルアミン」が金属粒子の表面の少なくとも一部に付着している金属コロイド粒子が得られる。この金属コロイド粒子は、それのみで本実施形態の導電性ペーストとして供することができるが、必要に応じて、これを後述する工程において分散媒に添加することにより、金属コロイド分散液からなる導電性ペーストとして得ることもできる。
「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を得るための出発材料としては、種々の公知の金属塩又はその水和物を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、ギ酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;例えば、塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナトリウム等の金塩;例えば、塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、塩化白金酸カリウム等の白金塩;例えば、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム等のパラジウム塩等が挙げられるが、適当な分散媒中に溶解し得、かつ還元可能なものであれば特に限定されない。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記原料液においてこれらの金属塩を還元する方法は特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、紫外線等の光、電子線、超音波又は熱エネルギーを照射する方法等が挙げられる。なかでも、操作の容易の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
上記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;例えば、一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;例えば、硫酸第一鉄、酸化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;例えば、エチレングリコール、グリセリン、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等が挙げられるが、分散媒に溶解し上記金属塩を還元し得るものであれば特に限定されない。上記還元剤を使用する場合は、光及び/又は熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
上記金属塩、「炭素数6以下のアルキルアミン」、分散溶媒及び還元剤を用いて、「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を調製する具体的な方法としては、例えば、上記金属塩を有機溶媒(例えばトルエン等)に溶かして金属塩溶液を調製し、当該金属塩溶液に分散剤としての有機物を添加し、ついで、ここに還元剤が溶解した溶液を徐々に滴下する方法等が挙げられる。
上記のようにして得られた「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を含む分散液には、金属粒子の他に、金属塩の対イオン、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の電解質濃度や有機物濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、電導度が高いので、金属粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。あるいは、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、還元剤の残留物、又は分散に必要な量以上の過剰な分散剤が残留していると、導電性を悪化させるおそれがある。そこで、上記金属粒子を含む溶液を洗浄して余分な残留物を取り除くことにより、有機物で被覆された金属粒子を確実に得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を含む分散液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、アルコール(メタノール等)を加えて再度撹枠し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。このような洗浄によって余分な残留物を取り除くと共に有機溶媒を除去することにより、本実施形態の「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子を得ることができる。
本実施形態のうち、金属コロイド分散液は、上記において得た「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子と、上記本実施形態で説明した分散媒と、を混合することにより得られる。かかる「炭素数6以下のアルキルアミン」で被覆された金属粒子と分散媒との混合方法は特に限定されるものではなく、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したりして、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当ててもよい。
複数の金属を含む金属コロイド分散液を得る場合、その製造方法としては特に限定されず、例えば、銀とその他の金属とからなる金属コロイド分散液を製造する場合には、上記の有機物で被覆された金属粒子の調製において、金属粒子を含む分散液と、その他の金属粒子を含む分散液とを別々に製造し、その後混合してもよく、銀イオン溶液とその他の金属イオン溶液とを混合し、その後に還元してもよい。
上記金属アミン錯体法を用いる場合は、例えば、炭素数が6以上のアルキルアミンと、炭素数が5以下であるアルキルアミンとを含むアミン混合液と、金属原子を含む金属化合物を混合して、当該金属化合物とアミンを含む錯化合物を生成する第1工程と、当該錯化合物を加熱することで分解して金属粒子を生成する第2工程と、により金属粒子を製造すればよい。
例えば、銀を含むシュウ酸銀等の金属化合物とアルキルアミンから生成される錯化合物をアルキルアミンの存在下で加熱して、当該錯化合物に含まれるシュウ酸イオン等の金属化合物を分解して生成する原子状の銀を凝集させることにより、アルキルアミンの保護膜に保護された銀粒子を製造することができる。
このように、金属化合物の錯化合物をアミンの存在下で熱分解することで、アミンにより被覆された金属粒子を製造する金属アミン錯体分解法においては、単一種の分子である金属アミン錯体の分解反応により原子状金属が生成するため、反応系内に均一に原子状金属を生成することが可能であり、複数の成分間の反応により金属原子を生成する場合に比較して、反応を構成する成分の組成揺らぎに起因する反応の不均一が抑制され、特に工業的規模で多量の金属粉末を製造する際に有利である。
また、金属アミン錯体分解法においては、生成する金属原子にアルキルアミン分子が配位結合しており、当該金属原子に配位したアルキルアミン分子の働きにより凝集を生じる際の金属原子の運動がコントロールされるものと推察される。この結果として、金属アミン錯体分解法によれば非常に微細で、粒度分布が狭い金属粒子を製造することが可能となる。
更に、製造される金属微粒子の表面にも多数のアルキルアミン分子が比較的弱い力の配位結合を生じており、これらが金属粒子の表面に緻密な保護被膜を形成するため、保存安定性に優れる表面の清浄な被覆金属粒子を製造することが可能となる。また、当該被膜を形成するアルキルアミン分子は加熱等により容易に脱離可能であるため、非常に低温で焼結可能な金属粒子を製造することが可能となる。
また、固体状の金属化合物とアミンを混合して錯化合物等の複合化合物が生成する際に、被覆銀粒子の被膜を主に構成する長鎖・中鎖アルキルアミンに対して、炭素数が5以下である短鎖のアルキルアミンを混合して用いることにより、錯化合物等の複合化合物の生成が容易になり、短時間の混合で複合化合物を製造可能となる。また、当該短鎖のアルキルアミンを混合して用いることにより、各種の用途に応じた特性を有する被覆銀粒子の製造が可能である。
以上のようにして得られる本実施形態の導電性ペーストは、そのままの状態で金属接合用組成物として使用することができるが、導電性ペーストの分散安定性及び低温焼結性を損なわない範囲で種々の無機成分や有機成分を添加することができる。
(3)塗布方法
本実施形態の導電性ペーストを用いれば、基材に塗布した後、比較的低温(例えば300℃以下、好ましくは150〜250℃)で加熱・焼成して焼結させて導電性被膜を得ることができる。焼成を行う際、段階的に温度を上げたり下げたりすることもできる。また、導電性ペーストを塗布する面に予め界面活性剤又は表面活性化剤等を塗布しておくことも可能である。
ここで、本実施形態の導電性ペーストの「塗布」とは、導電性ペーストを面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗布されて、加熱・焼成される前の状態の導電性ペーストからなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、加熱・焼成により焼結した本実施形態の導電性ペーストの塗膜は、面状の塗膜及び線状の塗膜のいずれも含む概念であり、これら面状の塗膜及び線状の塗膜は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
本実施形態において用いることのできる基材としては、導電性ペーストを塗布して加熱・焼成して焼結させることのできるものであればよく、特に制限はないが、加熱・焼成時の温度により損傷しない程度の耐熱性を具備した部材であるのが好ましい。
このような基材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミクス、ガラス又は金属等を挙げることができる。
また、基材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された部材や親水化処理等の表面処理を施した部材を用いてもよい。
導電性ペーストを基材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、ピントランスファー法、スタンピング法、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、オフセット法、転写法、親疎水パターン法、又はシリンジ式等のなかから適宜選択して用いることができる。
本実施形態においては、導電性ペーストがバインダー成分を含む場合は、塗膜の強度向上等の観点から、バインダー成分も焼結することになるが、場合によっては、各種印刷法へ適用するために導電性ペーストの粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
上記加熱・焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のオーブン等を用いて、基材上に塗布または描画した上記導電性ペーストの温度が、例えば300℃以下となるように加熱・焼成することによって焼結させることができる。上記加熱・焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、本発明の効果を損なわない範囲の温度であればよい。ここで、上記焼結後の塗膜においては、なるべく高い強度を得るという点で、有機物の残存量は少ないほうがよいが、本発明の効果を損なわない範囲で有機物の一部が残存していても構わない。
(4)接合方法
本実施形態の金属接合用組成物(導電性ペースト)を用いれば、加熱を伴う部材同士の接合において高い接合強度を得ることができる。即ち、上記金属接合用組成物を第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布する接合用組成物塗布工程と、第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布した接合用組成物を、所望の温度(例えば300℃以下、好ましくは150〜250℃)で焼成して接合する接合工程と、により、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを接合することができる。
この接合工程の際には、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが対向する方向に加圧することもできるが、特に加圧しなくとも十分な接合強度を得ることができるのも本発明の利点のひとつである。また、焼成を行う際、段階的に温度を上げたり下げたりすることもできる。また、予め被接合部材表面に界面活性剤又は表面活性化剤等を塗布しておくことも可能である。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記金属接合用組成物塗布工程での金属接合用組成物として、上述した本実施形態の金属接合用組成物を用いれば、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを、高い接合強度をもってより確実に接合できる(接合体が得られる)ことを見出した。
ここで、本実施形態の金属接合用組成物の「塗布」とは、金属接合用組成物を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗布されて、加熱により焼成される前の状態の金属接合用組成物からなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、加熱による焼成後の本実施形態の接合体では、金属接合用組成物は、面状の接合層及び線状の接合層のいずれも含む概念であり、これら面状の接合層及び線状の接合層は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
本実施形態において用いることのできる第1の被接合部材及び第2の被接合部材としては、金属接合用組成物を塗布して加熱により焼成して接合することのできるものであればよく、特に制限はないが、接合時の温度により損傷しない程度の耐熱性を具備した部材であるのが好ましい。
このような被接合部材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミクス、ガラス又は金属等を挙げることができるが、なかでも、金属製の被接合部材が好ましい。金属製の被接合部材が好ましいのは、耐熱性に優れているとともに、無機粒子が金属である本発明の金属接合用組成物との親和性に優れているからである。
また、被接合部材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された部材や親水化処理等の表面処理を施した部材を用いてもよい。
金属接合用組成物を被接合部材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、ピントランスファー法、スタンピング法、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、オフセット法、転写法、親疎水パターン法、又はシリンジ式等のなかから適宜選択して用いることができる。
上記のように塗布した後の塗膜を、被接合部材を損傷させない範囲で、例えば300℃以下の温度に加熱することにより焼成し、本実施形態の接合体を得ることができる。本実施形態においては、先に述べたように、本実施形態の金属接合用組成物を用いるため、被接合部材に対して優れた密着性を有する接合層が得られ、強い接合強度がより確実に得られる。
本実施形態においては、金属接合用組成物がバインダー成分を含む場合は、接合層の強度向上及び被接合部材間の接合強度向上等の観点から、バインダー成分も焼結することになるが、場合によっては、各種印刷法へ適用するために接合用組成物の粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のオーブン等を用いて、被接合部材上に塗布または描画した上記金属接合用組成物の温度が、例えば300℃以下となるように焼成することによって接合することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、被接合部材同士を接合できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲の温度であることが好ましい。ここで、上記焼成後の金属接合用組成物においては、なるべく高い接合強度を得るという点で、有機物の残存量は少ないほうがよいが、本発明の効果を損なわない範囲で有機物の一部が残存していても構わない。
なお、本発明の金属接合用組成物には、有機物が含まれているが、従来の例えばエポキシ樹脂等の熱硬化を利用したものと異なり、有機物の作用によって焼成後の接合強度を得るものではなく、前述したように融着した金属粒子の融着によって十分な接合強度が得られるものである。このため、接合後において、接合温度よりも高温の使用環境に置かれて残存した有機物が劣化ないし分解・消失した場合であっても、接合強度の低下するおそれはなく、したがって耐熱性に優れている。
本実施形態の金属接合用組成物によれば、例えば150〜250℃程度の低温加熱による焼成でも高い導電性を発現する接合層を有する接合を実現することができるため、比較的熱に弱い被接合部材同士を接合することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、接合できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記被接合部材と接合層との密着性を更に高めるため、上記被接合部材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、無機粒子として金属粒子を採用した金属コロイド分散液について説明したが、例えば、導電性、熱伝導性、誘電性、イオン伝導性等に優れたスズドープ酸化インジウム、アルミナ、チタン酸バリウム、鉄リン酸リチウム等の無機粒子を用いることもできる。
以下、実施例において本発明の導電性ペーストについて更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実験1
≪実施例1≫
トルエン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)200mlとヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)15gと、を混合してマグネティックスターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながら硝酸銀(東洋化学工業(株)製の試薬特級)10gを添加し、硝酸銀が溶解した後、高分子分散剤であるソルスパース11200を10gとヘキサン酸(和光純薬工業(株)製の試薬特級)10gを添加した。ここに、イオン交換水50mlに水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)1gを添加して調製した0.02g/mlの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を滴下し、銀微粒子を含む液を得た。1時間撹拌した後、メタノール(和光純薬工業(株)製の試薬特級)200mlを添加して銀微粒子を凝集、沈降させた。さらに、遠心分離にて銀微粒子を完全に沈降させた後、上澄みであるトルエン及びメタノールを除去し、過剰の有機物を除去して、銀微粒子約6gを得た。得られた銀微粒子5gに分散媒としてテトラデカン(和光純薬工業(株)製の試薬特級、logP値7.2)10gを添加し、撹拌することにより本発明の導電性ペースト(銀コロイド分散液)1を得た。
[評価試験]
(1)分散性
上記のようにして得た銀コロイド分散液1を容器中に静置し、室温1日後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより、銀コロイド分散液1の分散性を評価した。容器下に沈降物がほとんど認められない場合を「○」、沈降物が少量認められた場合を「△」、容器上下で明らかに濃度差があり、沈降物がはっきり認められる場合を「×」と評価した。結果を表1に示した。
(2)希釈性
上記のようにして得た銀コロイド分散液1を分散媒に100倍希釈したときの分散性を目視で評価した。分散した場合を「○」、一部凝集や銀鏡が見られた場合を「△」、凝集・沈殿が生じた場合を「×」と評価した。結果を表1に示した。
(3)粘度測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液1の粘度を、コーンプレート型粘度計(アントンパール社製レオメーター,MCR301)を用いて測定した。測定条件は、測定モード:せん断モード,せん断速度:10s−1,測定治具:コーンプレート(CP−50−2;直径50mm,アングル2°,ギャップ0.045mm),測定温度:25℃とした。結果を表1に示した。
(4)体積抵抗値
上記のようにして得た銀コロイド分散液1をスライドガラスに刷毛塗りして塗膜を形成し、ギヤオーブン中で100℃及び1時間の条件で加熱・焼成することにより焼結させ、導電性被膜を形成した。この被膜の体積抵抗値を、横川メータ&インスツルメンツ(株)製の直流精密測定器「携帯用ダブルブリッジ2769」を用いて測定した。具体的には、以下の式に基づき、測定端子間距離と導電性被膜の厚みから体積抵抗値を換算した。体積抵抗値が20μΩ・cm以下の場合を「○」、20μΩ・cm超の場合を「×」と評価した。結果を表1に示した。
式:(体積抵抗値ρv)=
(抵抗値R)×(被膜幅w)×(被膜厚さt)/(端子間距離L)
(5)有機分測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液1に含まれる有機成分の含有量を、熱重量分析法で測定した。具体的には、銀コロイド分散液1の固形分を10℃/分の昇温速度で加熱し、室温〜500℃の重量減少量として有機成分の含有量を特定した。結果を表1に示した。
≪実施例2≫
高分子分散剤であるディスパービック140を0.40g、ヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)2.0gを混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を100℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対し、再度メタノール10mlを加え、撹拌、遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させ分離した。この銀微粒子に分散媒としてテトラデカン(logP値7.2)10gを加えて撹拌し、必要に応じて更に遠心分離を行うことで分散性に乏しい粒子成分を除去し、銀コロイド分散液2を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪実施例2a≫
なお、ドデシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)0.40gを添加した以外は上記実施例2と同様にして銀コロイド分散液を得たところ、収率が30%増加した。
≪実施例3≫
高分子分散剤であるソルスパース16000、分散媒であるジヒドロターピニルアセテート(日本テルペン化学(株)製、logP値3.4)を用いた以外は実施例2aと同様にして銀コロイド分散液3を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪実施例4≫
高分子分散剤であるソルスパース11200、分散媒であるジヒドロターピネオール(日本テルペン化学(株)製、logP値2.7)を用いた以外は実施例2aと同様にして銀コロイド分散液4を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪実施例5≫
炭素数6以下のアルキルアミンであるブチルアミン、高分子分散剤であるソルスパース16000、分散媒であるイソトリデカノール(協和発酵ケミカル(株)製、logP値5.4)を用いた以外は実施例1と同様の方法で銀コロイド分散液5を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪比較例1≫
高分子分散剤を用いず、オレイン酸(和光純薬工業(株)製の試薬一級)を用いた以外は実施例1と同様にして銀コロイド分散液6を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪比較例2≫
ヘキシルアミンを除いた以外は実施例2aと同様にして銀コロイド分散液7を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪比較例3≫
高分子分散剤であるソルスパース11200を除いた以外は実施例4と同様にして銀コロイド分散液8を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪比較例4≫
ヘキシルアミンをデシルアミンとした以外は実施例3と同様にして銀コロイド分散液を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
≪比較例5≫
ヘキシルアミンをオクチルアミンとした以外は実施例3と同様にして銀コロイド分散液10を得た。実施例1と同様の評価試験を行ない結果を表1に示した。
Figure 0005495465
表1に示す結果からわかるように、実施例のとおり、炭素数6以下のアルキルアミンと高分子分散剤とを適量添加することで、低温焼結性と分散安定性の両立が実現できていることがわかる。分散剤が過剰に吸着すると(重量損失(重量減少率)より判断される。)特性が損なわれる。さらに、logP値が1.5〜5.5の分散媒を用いることで、より分散安定性が向上し、良好な希釈性が得られることがわかる。
また、炭素数6以下のアルキルアミンは含むが高分子分散剤を含まない金属微粒子では、低温焼結性は得られるが、希釈性が確保できず分散安定性が持続しないことがわかる(比較例1及び3)。また、炭素数6以下のアルキルアミンを含まず高分子分散剤のみを含む金属微粒子では、低温焼結性が得られず、分散性・希釈性の確保のみが達成されることがわかる(比較例2)。
なお、アミンや高分子分散剤の添加量は、金属粒子に吸着する量ではないため、金属粒子に吸着した量は重量減少率で判断することができ、室温〜200℃での重量減少率は炭素数6以下のアルキルアミンの吸着量で、200〜500℃での重量減少率を高分子分散剤の吸着量と近似できる。
実験2
≪実施例
トルエン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)200mlとヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)15gと、を混合してマグネティックスターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながら硝酸銀(東洋化学工業(株)製の試薬特級)10gを添加し、硝酸銀が溶解した後、高分子分散剤であるソルスパース11200を10gとヘキサン酸(和光純薬工業(株)製の試薬特級)10gを添加した。ここに、イオン交換水50mlに水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)1gを添加して調製した0.02g/mlの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を滴下し、銀微粒子を含む液を得た。1時間撹拌した後、メタノール(和光純薬工業(株)製の試薬特級)200mlを添加して銀微粒子を凝集、沈降させた。さらに、遠心分離にて銀微粒子を完全に沈降させた後、上澄みであるトルエン及びメタノールを除去し、過剰の有機物を除去して、銀微粒子約6gを得た。得られた銀微粒子1gに分散媒としてジヒドロターピニルアセテート(日本テルペン化学(株)製、logP値3.4)0.18gを添加し、撹拌することにより銀コロイド分散液11を得た。
[評価試験]
(1)接合強度測定
ダイボンダー(ハイソル社製)を用い、上記のようにして得た銀コロイド分散液11を表面に金めっきを施したアルミナ板(50mm角)に少量塗布し、その上に市販の青色LEDチップ(ジェネライツ社製、底面積600μm×600μm)を積層した。その際、外力を加えて青色LEDチップを加圧することはしなかった。その後、積層体を200℃に調整した熱風循環式オーブンに入れ、大気雰囲気下で120分間の焼成処理を施した。積層体を熱風循環式オーブンから取り出して空冷した後、ボンドテスター(レスカ社製)を用いて常温にて接合強度試験を行った。青色LEDチップ剥離時の接合強度をチップの底面積で除して、結果を表2に示した。なお、接合強度の単位はMPaである。
(2)有機分測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液11に含まれる有機成分の含有量を、熱重量分析法で測定した。具体的には、銀コロイド分散液11の固形分を10℃/分の昇温速度で加熱し、室温〜500℃の重量減少量として有機成分の含有量を特定した。結果を表2に示した。
(3)粘度測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液11の粘度を、コーンプレート型粘度計(アントンパール社製レオメーター,MCR301)を用いて測定した。測定条件は、測定モード:せん断モード,せん断速度:10s−1,測定治具:コーンプレート(CP−50−2;直径50mm,アングル2°,ギャップ0.045mm),測定温度:25℃とした。結果を表2に示した。
≪実施例
ディスパービック140を0.20gと、ドデシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)0.40gと、ヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)6.0gと、ブチルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)2.0gと、を混合してマグネティックスターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀(東洋化学工業(株)製の試薬特級)6.0gを添加して増粘させた。次に、得られた粘性物質を100℃の恒温槽に入れ、約15分反応させた。反応後の懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール(和光純薬工業(株)製の試薬一級)10mlを当該懸濁液に加えて攪拌後、遠心分離によって銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対して再度メタノール(和光純薬工業(株)製の試薬一級)10mlを加え、攪拌及び遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させて分離した。得られた銀微粒子6gに分散媒としてジヒドロターピニルアセテート0.8g及びオレイン酸0.2gを加えて攪拌し、銀コロイド分散液12を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪実施例
高分子分散剤にソルスパース16000を、分散媒にイソトリデカノール0.8g及びリシノール酸0.2gを用いた以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液13を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪比較例6≫
高分子分散剤を用いず分散剤としてオレイン酸を用いた以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液14を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪比較例7≫
高分子分散剤を用いず分散剤としてオレイン酸を用いた以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液15を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪比較例8≫
ヘキシルアミン及びブチルアミンを用いなかった以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液16を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪比較例9≫
分散媒にブタノール(logP0.9)を用いた以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液17を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
≪比較例10≫
分散媒の添加量を0.5gにした以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液18を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表2に示した。
Figure 0005495465
表2に示す結果からわかるように、本発明の導電性ペースト(銀コロイド分散液)を用いた場合、接合強度が20〜33MPaと高い値を示しており、低温及び無加圧の接合条件においても優れた強度を有する接合体が得られている(実施例)。特に、分散媒に脂肪酸が添加されている場合において、より高い接合強度を示している(実施例及び)。
一方、炭素数6以下のアルキルアミンを含むが高分子分散剤を含まない銀コロイド分散液(導電性ペースト)では、コロイドの分散安定性が持続せず、高強度が得られていない(比較例6及び比較例7)。
また、高分子分散剤は含むが炭素数6以下のアルキルアミンを含まない銀コロイド分散液では、優れた分散性は確保できるが低温焼結性に乏しく、接合強度が極めて低くなっている(比較例8)。
また、分散媒のlogP値が1.5〜5.5の範囲にない場合(比較例9)や分散媒の添加量が多すぎる場合(比較例10)は十分な接合強度が得られていない。
実験3
≪実施例
高分子分散剤であるディスパービック2155(ビックケミー社製)を0.40g、プロピルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)4.0gを混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質(錯体)を100℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対し、再度メタノール10mlを加え、撹拌、遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させ分離した。この銀微粒子に分散媒としてテトラデカン(logP値7.2) 10gを加えて撹拌し、必要に応じて更に遠心分離を行うことで分散性に乏しい粒子成分を除去し、銀コロイド分散液19を得た。
[評価試験]
(1)分散性
上記のようにして得た銀コロイド分散液19を容器中に静置し、室温1日後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより、銀コロイド分散液19の分散性を評価した。容器下に沈降物がほとんど認められない場合を「○」、沈降物が少量認められた場合を「△」、容器上下で明らかに濃度差があり、沈降物がはっきり認められる場合を「×」と評価した。結果を表3に示した。
(2)希釈性
上記のようにして得た銀コロイド分散液19を分散媒に100倍希釈したときの分散性を目視で評価した。分散した場合を「○」、一部凝集や銀鏡が見られた場合を「△」、凝集・沈殿が生じた場合を「×」と評価した。結果を表3に示した。
(3)粘度測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液19の粘度を、コーンプレート型粘度計(アントンパール社製レオメーター,MCR301)を用いて測定した。測定条件は、測定モード:せん断モード,せん断速度:10s−1,測定治具:コーンプレート(CP−50−2;直径50mm,アングル2°,ギャップ0.045mm),測定温度:25℃とした。結果を表3に示した。
(3)体積抵抗値
上記のようにして得た銀コロイド分散液19をスライドガラスに刷毛塗りして塗膜を形成し、ギヤオーブン中で100℃及び1時間の条件で加熱・焼成することにより焼結させ、導電性被膜を形成した。この被膜の体積抵抗値を、横川メータ&インスツルメンツ(株)製の直流精密測定器「携帯用ダブルブリッジ2769」を用いて測定した。具体的には、以下の式に基づき、測定端子間距離と導電性被膜の厚みから体積抵抗値を換算した。体積抵抗値が20μΩ・cm以下の場合を「○」、20μΩ・cm超の場合を「×」と評価した。結果を表3に示した。
式:(体積抵抗値ρv)=
(抵抗値R)×(被膜幅w)×(被膜厚さt)/(端子間距離L)
(4)有機分測定
上記のようにして得た銀コロイド分散液19に含まれる有機成分の含有量を、熱重量分析法で測定した。具体的には、銀コロイド分散液19の固形分を10℃/分の昇温速度で加熱し、室温〜500℃の重量減少量として有機成分の含有量を特定した。結果を表3に示した。
≪実施例10
高分子分散剤であるソルスパース39000(日本ルーブリゾール社製)を0.40g、ヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)2.0gを混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を100℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対し、再度メタノール10mlを加え、撹拌、遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させ分離した。この銀微粒子に分散媒としてテトラデカン(logP値7.2) 10gを加えて撹拌し、必要に応じて更に遠心分離を行うことで分散性に乏しい粒子成分を除去し、銀コロイド分散液20を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪実施例10a≫
なお、ドデシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)0.40gを添加した以外は上記実施例10と同様にして銀コロイド分散液を得たところ、収率が30%増加した。
≪実施例11
高分子分散剤であるソルスパース16000(日本ルーブリゾール社製)を用いた以外は実施例10aと同様にして銀コロイド分散液21を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪実施例12
分散媒としてイソトリデカノール(協和発酵ケミカル(株)製、logP値5.4)を用いた以外は実施例10aと同様にして銀コロイド分散液22を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪実施例13
ヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)の配合量を4.0gとした以外は実施例10aと同様の方法で銀コロイド分散液23を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪実施例14
高分子分散剤であるソルスパース16000(日本ルーブリゾール社製)を0.40g、ヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)2.0gを混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を100℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対し、再度メタノール10mlを加え、撹拌、遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させ分離した。この銀微粒子に分散媒としてジヒドロターピニルアセテート(日本テルペン化学(株)製、logP値3.4) 10gを加えて撹拌し、必要に応じて更に遠心分離を行うことで分散性に乏しい粒子成分を除去し、銀コロイド分散液24を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪実施例15
高分子分散剤であるソルスパース17000(日本ルーブリゾール社製)を用いた以外は実施例14と同様の方法で銀コロイド分散液25を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例11≫
高分子分散剤を用いず、オレイン酸(和光純薬工業(株)製の試薬一級)を用いた以外は実施例と同様にして銀コロイド分散液26を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例12≫
ヘキシルアミンを除いた以外は実施例11と同様にして銀コロイド分散液27を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例13≫
高分子分散剤であるソルスパース39000を除いた以外は実施例12と同様にして銀コロイド分散液30を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例14≫
高分子分散剤であるソルスパース39000の添加量を3倍とした以外は実施例12と同様にして銀コロイド分散液29を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例15≫
ヘキシルアミンをデシルアミンとした以外は実施例11と同様にして銀コロイド分散液30を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
≪比較例16≫
ヘキシルアミンをオクチルアミンとした以外は実施例11と同様にして銀コロイド分散液31を得た。実施例と同様の評価試験を行ない結果を表3に示した。
Figure 0005495465
表3に示す結果からわかるように、実施例のとおり、炭素数6以下のアルキルアミンと高分子分散剤とを適量添加することで、低温焼結性と分散安定性の両立が実現できていることがわかる。分散剤が過剰に吸着すると(重量損失(重量減少率)より判断される。)特性が損なわれる。さらに、logP値が1.5〜5.5の分散媒を用いることで、より分散安定性が向上し、良好な希釈性が得られることがわかる。
また、炭素数6以下のアルキルアミンは含むが高分子分散剤を含まない金属微粒子では、低温焼結性は得られるが、希釈性が確保できず分散安定性が持続しないことがわかる(比較例11及び13)。また、炭素数6以下のアルキルアミンを含まず高分子分散剤のみを含む金属微粒子では、低温焼結性が得られず、分散性・希釈性の確保のみが達成されることがわかる(比較例12)。
なお、アミンや高分子分散剤の添加量は、金属粒子に吸着する量ではないため、金属粒子に吸着した量は重量減少率で判断することができ、室温〜200℃での重量減少率は炭素数6以下のアルキルアミンの吸着量で、200〜500℃での重量減少率を高分子分散剤の吸着量と近似できる。


Claims (12)

  1. 表面の少なくとも一部に炭素数6以下のアルキルアミンを有する無機粒子と、
    顔料親和性基を主鎖及び/若しくは複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、又は、主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子を含む高分子分散剤と、
    分散媒と、
    を含む導電性ペーストであって、
    前記導電性ペーストの固形分を熱分析によって室温から500℃まで加熱したときの重量減少率が15質量%以下であること、
    を特徴とする導電性ペースト。
  2. 熱分析によって室温から200℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であり、かつ、200℃から500℃まで加熱したときの重量減少率が5質量%以下であること、
    を特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記分散媒の含有量が1〜90質量%であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記分散媒の含有量が1〜20質量%であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  5. 前記アルキルアミンが、ブチルアミン、ペンチルアミン及びヘキシルアミンからなる群より選択される少なくとも一種であること、
    を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 前記分散媒のオクタノール/水分配係数(logP値)が1.5〜5.5であること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. 前記分散媒が、ジエチレングリコールジブチルエーテル、イソトリデカノール、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、テルピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、p−サイメンからなる群より選択される少なくとも一種であること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  8. 前記分散媒が沸点150℃以上の脂肪酸を0.5〜10質量%含んでいること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  9. 前記脂肪酸がステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びリシノール酸からなる群より選択される少なくとも一種であること、
    を特徴とする請求項に記載の導電性ペースト。
  10. 25℃における粘度がせん断速度10s-1において100〜1000000mPa・sであること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  11. 25℃における粘度がせん断速度10s-1において1〜5000mPa・sであること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
  12. 前記無機粒子が、前記アルキルアミンと、前記無機粒子を構成する無機元素を含む無機化合物と、を含む錯化合物を生成した後、加熱分解させることで生成されたこと、
    を特徴とする請求項1〜1のうちのいずれかに記載の導電性ペースト。
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