JP5494144B2 - 防眩性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の電子画像表示装置に使用される防眩性フィルムに関し、特に、防眩性と表示コントラストを両立した防眩性フィルムに関する。
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の電子画像表示装置は、その視認性を高めるために、蛍光灯などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められる。それは、外部からの光がその表面(表示面)で反射すると、そこには前方の像が映り込み、内部の画像が非常に見難くなるからである。そこで、従来から、ディスプレイ表面には外部からの光の反射を低減するために防眩処理が施されてきた。従来は、透明基材フィルムの表面にサンドブラスト、エンボスロール、又は化学エッチング等の方式で粗面化処理して表面に微細凹凸構造を付与したり、別途透明基材フィルム表面に設けられたハードコート層に微粒子を分散含有させて微細凹凸構造を付与する方法等で防眩処理を行ってきた。
中でも、現在最も使用されている防眩処理の一つである、透明基材フィルムに防眩処理を行なった防眩性フィルムは、通常、熱硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂に粒径が数μmの球形又は不定形の無機又は有機微粒子を分散した防眩層(ハードコート層)を、透明基材上に形成して得られる。この方法で作製した防眩性フィルムは、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止する防眩性には優れているが、明所でのコントラスト、特に黒表示時における黒の色の濃さが不足する課題があった。これは、活性エネルギー線硬化型樹脂と微粒子の屈折率差による内部散乱に起因するものであり、従来の微粒子を使用した方法では表示コントラスト低下の課題解決が困難であった。
この様な防眩性フィルムに於ける表示コントラストの低下に対し、特許文献1には、防眩層に微粒子を用いず表面凹凸を形成することで内部散乱を低減し、防眩性と表示コントラストに対応した防眩性フィルムが記載されている。具体的には、少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体とを均一に溶解した溶液から溶媒を蒸発させて防眩層を形成する際に、適当な条件で特定のポリマーをスピノーダル分解させ、その後硬化性樹脂前駆体を硬化させることで、相分離構造に対応した表面凹凸構造を形成している。すなわち、表面凹凸構造は、相分離構造においてポリマーが島状ドメインを形成した液滴相構造ないし海島構造によって形成される。さらに、このような規則性を有する相分離構造を有する防眩層に低屈折率の樹脂層を積層することで、入射光を等方的に透過して散乱し、かつ散乱光強度の極大値を示す散乱角が0.1〜10°であるとともに、全光線透過率が70〜100%であり、ヘーズ1〜30%及び0.5mm幅の光学櫛を用いた写像性測定器で測定した透過像鮮明度10%以上70%未満である防眩性フィルムを得ている。このような防眩性フィルムを液晶ディスプレイなどに装着することで、映り込みを防止している。特に、最表層に低屈折率層を配設することで、大型ディスプレイであっても黒表示の映像における白浮きを抑制でき、黒色が引き締まったコントラスト感の強い画像を表示できるとされている。なお、相分離構造におけるドメイン間の平均距離は実質的に規則性又は周期性を有しており、そのドメインの平均相間距離は30〜300μm程度とされている。
特許文献1では、上記作用効果を得るために、ポリマーの種類や割合を選択することによって達成している。すなわち、安定した液液相分離を行うポリマーとして少なくともセルロース誘導体を必須成分として用い、そのセルロース誘導体の配合比を、防眩層を形成する固形分のうちの5〜10重量%としている。特に、セルロース誘導体の配合において、硬化反応に関与する官能基を有するポリマーや硬化性樹脂前駆体などの硬化性成分と、セルロース誘導体との割合を、硬化性成分/セルロース誘導体=90/10〜95/5としている。
特開2006−103070号公報
特許文献1の防眩性フィルムでは、防眩層に微粒子を使用していないので、内部散乱に起因する表示コントラストの低下には効果的である。しかし、ポリマーをスピノーダル分解させた相分離構造に基づく表面凹凸形状では表示コントラストの低下をある程度抑制することが出来るとしても、その効果が十分ではない。すなわち、特許文献1では表面凹凸形状の制御が不十分であり、防眩性が不必要に強く表示コントラストの向上には至っていない。
そこで、本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意検討の結果、特定の表面凹凸形状であれば、防眩層に微粒子を使用せずに防眩性と表示コントラストの双方を向上できることを知見し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の目的とするところは、特定の表面凹凸形状によって防眩性と表示コントラストを両立した防眩性フィルムを提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、透明基材フィルム上に防眩層を形成した防眩性フィルムであって、前記防眩層が、活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とからなる。すなわち、表面凹凸を積極的に形成するような微粒子を含んでいない。そのうえで、前記防眩層の表面粗さRaが0.05〜0.35μmであり、かつ、250μm四方の単位面積あたりに占める凸部の割合Sが35〜45%であることを特徴とする。
なお、表面粗さRaとは、JIS B0601−1994で定義される算術平均粗さである。
凸部の割合Sは次式(1)によって求められる。
=[凸部の総断面積/(250μm×250μm)]×100・・・(1)
また、凸部は次式(2)で定義される。
凸部≧(Rp−Rv)×0.50・・・(2)
凸部の総断面積は、(Rp−Rv)×0.50で規定される中心線における個々の凸部の合計断面積である。
Rp及びRvは、JIS B0601で定義される最大山高さ及び最大谷深さである。
前記ポリマー成分としては、例えばスチレン・(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
本発明によれば、防眩層が活性エネルギー線硬化型樹脂とポリマー成分とからなり、微粒子を含んでいないので、内部散乱に起因する表示コントラストの低下を防止できる。そのうえで、特定の表面粗さ及び凸部割合に基づく表面凹凸形状を有することで、適切な防眩性を有しつつ、黒表示時に於ける黒の色の濃さが向上され、表示コントラストに優れている。
ポリマー成分としてスチレン・(メタ)アクリル樹脂を使用すれば、上記効果に加えてより適切な防眩性を有し、黒表示時に於ける黒の色の濃さがより向上され、表示コントラストが一層良好となる。
凹凸形状を規定する要素の定義を示す模式図である。 防眩層の指定面内をZ=(Rp−Rv)0.50で切断した模式図である。 実施例1の指定面内をZ=(Rp−Rv)0.50で切断した図である。 比較例5の指定面内をZ=(Rp−Rv)0.50で切断した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。本実施形態の防眩性フィルムは、透明基材フィルム上に、防眩層が形成されている。
〔透明基材フィルム〕
透明基材フィルムは防眩性フィルムの基材(ベース材)となるものであって、透明樹脂フィルム等が用いられ、特に制限されない。防眩性フィルムを形成する樹脂材料として具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性などの観点からトリアセテートセルロース(TAC)系樹脂及びポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が好ましい。透明基材フィルムの厚みは、通常10〜500μm、好ましくは25〜200μmである。
〔防眩層〕
防眩層はその表面に凹凸を有し、その凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。さらに、黒の色の濃さが向上され、表示コントラストに優れる機能を備えている。このような機能を発現するために、防眩層の凹凸形状は、表面粗さRa(JIS B0601−1994)が0.05〜0.35μmであり、かつ、250μm四方の単位面積あたりの凸部の割合Sが35〜45%を満たす必要がある。ここで、凸部の割合Sとは、防眩層表面において、任意の250μm四方あたりの凸部の割合として、式(1)で表される。
=[凸部の総断面積/(250μm×250μm)]×100・・・(1)
凸部は、式(2)で定義される(図1参照)。
凸部≧(Rp−Rv)×0.50・・・(2)
Rp及びRvは、それぞれ防眩層表面の任意の250μm四方面内においてJIS B0601で定義される最大山高さ及び最大谷深さのことである。
凸部の総断面積は、図2に示すように、防眩層表面の任意の250μm四方面(指定面)を、Z=(Rp−Rv)×0.50で規定される中心線で切断した面内において、個々の凸部の断面積を合計した断面積である。
防眩層の表面粗さが0.05μmより小さい場合、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。一方、0.35μmを超える場合、防眩性が必要以上に強くなりすぎ、表示コントラストが低下する。また、単位面積あたりの凸部の割合Sが35〜45%の範囲から外れると、ディスプレイに配置した際白くぼけた感じとなり表示コントラストが低下する。
防眩層は、活性エネルギー線硬化型樹脂とポリマー成分とからなる防眩層用塗液を硬化させた硬化物により形成される。また、防眩層用塗液中には、通常希釈溶剤、光重合開始剤、或いはその他の成分が配合される。但し、本発明では凹凸を積極的に形成する微粒子を含まない。すなわち、防眩層としては、活性エネルギー線硬化型樹脂と微粒子からなるものが良く知られているが、所定の防眩特性を得るために微粒子の添加量を調整すると、活性エネルギー線硬化型樹脂と微粒子の屈折率差に起因した内部散乱により表示コントラストが低下するため、本願の目的を達成するには相応しくない。
(活性エネルギー線硬化型樹脂)
活性エネルギー線硬化型樹脂は、防眩性を発現するための防眩層用塗液の主成分であり、任意に用いることができる。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂としては、単官能単量体、多官能単量体の中から1種又は2種以上が選択して用いられる。単官能単量体として具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
(ポリマー成分)
ポリマー成分は、防眩層用組成物中に溶解する化合物であり、そのような化合物としては、重量平均分子量1000〜500,000の熱可塑性樹脂や(メタ)アクリロイル基を有する重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、スチレン・(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、などが挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、例えば(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂、などが挙げられる。中でも、スチレン・(メタ)アクリル系樹脂が防眩性を最適に発現する観点から好ましい。
ポリマー成分の配合量としては、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して25〜45質量部が好ましい。25質量部よりも少ない場合は、防眩性が必要以上に強くなりすぎ、白くぼけた感じとなり表示コントラストが低下する。一方、45質量部よりも多い場合は、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。
(希釈溶剤)
防眩層用塗液の調製に用いられる希釈溶剤は、主に防眩層用塗液を透明基材フィルム上に塗布するにあたり、防眩層用塗液の粘度を調整するために用いられ、非重合性のものであれば特に制限されない。希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
(その他の成分)
防眩層用塗液には、その他の成分を配合することができる。その他の成分としては、金属酸化物、光増感剤、安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤等が用いられる。
〔防眩層の形成〕
まず、防眩層用塗液を透明基材フィルム上に塗布し、乾燥させた後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、透明基材フィルム上に防眩層が積層される。防眩層用塗液の塗布方法は特に制限されず、通常行なわれている塗布方法、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用される。乾燥温度も特に制限されず、この種のフィルムにおいて通常行なわれている温度であればよい。具体的には、常温(23℃)〜90℃程度であればよい。但し、乾燥時間が長いほど凸部割合Sが大きくなる傾向があるので、凸部割合Sを本願発明の範囲に制御するには、比較的高温(70〜90℃程度)で短時間(1〜4分程度)で乾燥することが好ましい。防眩層用塗液の塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源等が使用される。この場合、活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、防眩層用塗液の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
なお、防眩層を形成するにあたり、防眩層の膜厚が薄いと表面粗さRaが小さくなり、防眩層の膜厚が厚いと表面粗さRaが大きくなる傾向がある。また、乾燥時間を長くするに伴い、凸部割合Sが大きくなる傾向がある。従って、表面粗さRaが0.05〜0.35μmであり、かつ、250μm四方の単位面積あたりに占める凸部の割合Sが35〜45%である本発明の防眩層を形成するには、防眩層の膜厚及び乾燥条件を調整することで達成できる。
具体的には、防眩層の膜厚を1.5〜9μm、好ましくは2〜8μm、より好ましくは3μm〜7μmとする。防眩層の膜厚が1.5μmよりも薄い場合は、表面粗さRaが0.05μmより小さくなる。一方、9μmよりも厚い場合は、表面粗さRaが0.35μmを越えてしまう。
防眩層用塗液を透明基材フィルム上に塗布した後の乾燥時間は1〜4分、好ましくは1〜3分とする。乾燥時間が1分未満では、良好に凸部が形成されず、凸部割合Sが35%に満たない。一方、乾燥時間が4分を超えると、凸部割合Sが45%を超えてしまう。
本発明の防眩性フィルムは、テレビ、ビデオカメラ、ワープロ、パソコン、携帯電話などの電子画像装置やタッチパネルにおける、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などの各種ディスプレイに適用できる。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。ここで、各実施例及び比較例の防眩性フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に防眩層が積層された構成のものである。また、各例におけるS、Ra、防眩性、黒のしまりについては、下記に示す方法により測定した。
(1)S
原子間力顕微鏡〔セイコーインスツルメンツ(株)製、型名 NPX 100〕を用いて表面形状を測定。画像処理ソフト〔セイコーインスツルメンツ(株)製、型名 Nanopics 1000〕を用い、面積250μm×250μmにおける凸部の割合を測定。
(2)Ra(表面粗さ)
表面粗さ測定器〔(株)小坂研究所製、型名 Surfcorder SE500〕を用い走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JIS B0601−1994の規定に準拠して算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(3)防眩性
防眩性フィルムの防眩層側とは逆の面を黒マジックインキで塗りつぶし、ルーバーなしのむき出し蛍光灯(2000 lx)を5度の角度から映し、−5度の方向から観察した場合と、45度の角度から映し、−45度の方向から観察した場合の反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
◎:−5度でも、−45度でも蛍光灯の輪郭がわずかに観察される程度
○:−5度では蛍光灯の輪郭がわずかに観察される程度だが、−45度では輪郭が比較的明瞭に分かる程度
×:−5度でも、−45度でも蛍光灯の輪郭がはっきり見える。
(4)黒のしまり
液晶表示装置の視認側表面に防眩性フィルムを粘着層を介して貼合し黒しまり感を官能評価した。評価法は、真正面から電源オフ時の黒味、電源オン時の黒味(黒い画像)をそれぞれのフィルムで比較し、以下の基準で評価した。黒味の強いほど画面のしまり感も強いという基準で評価した。
◎:黒味が強く、画面が非常に強くしまって見える。
○:黒味が強く、画面が強くしまって見える。
×:グレー味が強く、画面のしまり感がない。
(実施例1)
6官能ウレタンアクリレート
(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B) 86質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 14質量部
スチレン・(メタ)アクリル系樹脂
(三菱レイヨン(株)製BR−50) 38質量部
メチルイソブチルケトン 120質量部
光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製I−184) 5質量部
上記原料を混合して、防眩層用塗液(HC−1)とした。
防眩層用塗液(HC−1)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で1分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(実施例2)
防眩層用塗液(HC−1)のスチレン・(メタ)アクリル系樹脂の配合量を30質量部とし、防眩層用塗液(HC−2)を作製した。防眩層用塗液(HC−2)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が5.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で1分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(実施例3)
防眩層用塗液(HC−1)のスチレン・(メタ)アクリル系樹脂の配合量を26質量部とし、防眩層用塗液(HC−3)を作製した。防眩層用塗液(HC−3)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が6.7μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で1分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(比較例1)
防眩層用塗液(HC−1)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が1.0μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で1分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(比較例2)
防眩層用塗液(HC−3)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が10.1μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で1分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(比較例3)
防眩層用塗液(HC−3)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が6.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で5分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(比較例4)
6官能ウレタンアクリレート
(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B) 86質量部
透光性有機微粒子
(積水化成品工業(株)製SSX−105TND) 30質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 14質量部
メチルイソブチルケトン 84質量部
光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製I−184) 5質量部
上記原料を混合して、防眩層用塗液(HC−4)とした。
防眩層用塗液(HC−4)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が5.1μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
(比較例5)
防眩層用塗液(HC−4)を、透明基材フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、硬化後の防眩層の膜厚が9.8μmとなるようにロールコーターにて塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。
各実施例及び比較例の内容と、各試験結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例5の指定面内をZ=(Rp−Rv)0.50で切断した図を、それぞれ図3及び図4に示す。


表1に示した結果より、実施例1〜3では良好な防眩性を有し、且つ、黒表示時に於ける黒の色が濃く表示コントラストに優れている。一方、比較例1では、表面粗さRaが低いことから防眩性が弱く、外部からの光がその表面(表示面)で反射すると、そこには前方の像が映り込み、内部の画像が非常に見難く視認性に劣る。比較例2では、表面粗さRaが大きいことから防眩性が必要以上に強く、黒のしまりが悪い。比較例3では、凸部割合Sが大きいことから、グレー味が強く画面のしまり感がない。微粒子を配合した比較例4、5では、グレー味が強く画面のしまり感がない。これらの結果から、微粒子を配合していない防眩層において、その表面粗さRaが0.05〜0.35μmであり、かつ、250μm四方の単位面積あたりに占める凸部の割合Sが35〜45%であれば、防眩性と共に表示コントラストを向上できることがわかった。
組成や製造条件等に基づく傾向について見ると、実施例1〜3及び比較例1,2の結果から、防眩層の膜厚が厚いほど表面粗さRaが高くなり、膜厚が薄いほど表面粗さRaが小さくなる傾向が確認された。なお、ポリマー成分の配合割合が同じ実施例1と比較例1、及び実施例3と比較例2の結果から、ポリマー成分の配合割合は表面粗さRaに直接影響しないことが確認された。これにより、防眩層の膜厚は少なくとも1.5〜9μmとし、好ましくは3〜7μmとすべきことがわかった。
また、比較例3の結果から、乾燥時間が長いほど凸部割合Sが大きくなる傾向が確認された。特に、ポリマー成分や膜厚が同等の実施例3と比較例3とを対比すると、乾燥時間の長い比較例3は、実施例3に比べて凸部割合Sが大きく上昇している。これにより、防眩層の乾燥時間は、少なくとも1〜4分とし、好ましくは1〜3分とすべきことがわかった。
一方、比較例4,5では、微粒子の存在によって実施例1〜3と同等の表面粗さRaを形成しているが、凸部割合Sはかなり低い。乾燥時間を実施例1〜3より長くしているが、微粒子によっては凸部割合を向上できないことが確認された。特に、表面粗さRaが同じ実施例1と比較例5とを比較しても、図3,4からも明らかなように、凸部の割合が大きく異なる。

Claims (2)

  1. 透明基材フィルム上に防眩層を形成した防眩性フィルムにおいて、
    前記防眩層が、活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とからなり、
    前記防眩層の表面粗さRaが0.05〜0.35μmであり、かつ、250μm四方の単位面積あたりに占める凸部の割合であり、次式(1)によって求められるTが、35〜45%であることを特徴とする防眩性フィルム。
    T =[凸部の総断面積/(250μm×250μm)]×100・・・(1)
    なお、凸部は次式(2)で定義される。
    凸部≧(Rp−Rv)×0.50・・・(2)
    凸部の総断面積は、(Rp−Rv)×0.50で規定される中心線における個々の凸部の合計断面積である。Rp及びRvは、JIS B 0601で定義される最大山高さ及び最大谷深さである。
  2. 前記ポリマー成分が、スチレン・(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の防眩性フィルム。

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