JP5493728B2 - 車両用ガラスアンテナ及び車両用窓ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異なる周波数帯に使用される第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体とがデフォッガ付窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナ、及び該車両用ガラスアンテナを備える車両用窓ガラスに関する。
従来技術として、高周波数帯、特には地上波デジタルテレビ放送帯の電波の受信に適した給電部とアース側給電部とを備える2極タイプの車両用高周波ガラスアンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的には、給電部には線状のアンテナ導体が接続され、アース側給電部には線状のアース導体が接続されている。そして、ガラスアンテナで受信した信号を取り出す給電線として同軸ケーブルが用いられ、同軸ケーブルの内部導体が給電部に接続され、同軸ケーブルの外部導体がアース側給電部に接続され、車体側などに設けられたアンプに同軸ケーブルを介して接続されている。同軸ケーブルの外部導体は、アンプのグランドを介して車体のグランドに接続されることになる。特許文献1に記載された2極タイプのガラスアンテナの場合、アース導体として窓ガラスの曇りを除去するためのヒータ線からなるデフォッガがアース側給電部に接続される。アース側給電部とデフォッガとを電気的に接続することによって、アンテナ利得の向上が図られている。
一方、車両の後部に取り付けられるリヤガラスには、地上波デジタルテレビ用のガラスアンテナの他にも様々なメディアの、例えばFM帯用のガラスアンテナが設置されている。FM用ガラスアンテナは、給電部のみの単極タイプが多いが、アンテナ利得を向上させるために、アンテナ導体とデフォッガとを電気的に接続することがある。
デフォッガには、ヒータ線に給電するための複数のバスバが設けられている。例えば、窓ガラスに設けられた一対のバスバのうち、一方のバスバは直流電源の正極側に電気的に接続され、もう一方のバスバは車体側のグランドに電気的に接続されている。
従来、FM用ガラスアンテナをデフォッガに電気的に接続する場合、FMの周波数帯で高インピーダンスになるコイル(例えば、特許文献2参照)をバスバに接続することによって、受信した電波が車体側のグランドに流れることによって生ずるアンテナ利得の低下を防止していた。
国際公開第2009/001798号パンフレット 特開2001−167937号公報
しかしながら、2極タイプのガラスアンテナのアース側給電部が電気的に接続されたデフォッガに、FMなどの他のメディアのガラスアンテナを電気的に接続する場合、上述のようなコイルがデフォッガのバスバに電気的に接続されていても、電波の受信により生じた信号が該2極タイプのガラスアンテナのアース側給電部を介して車体側のグランドに漏洩してしまうため、他のメディアのガラスアンテナのアンテナ利得が低下するおそれがある。
一方、2極タイプのガラスアンテナで受信される周波数帯の信号は、デフォッガとアース側給電部との間で遮断されると、該2極タイプのガラスアンテナのアンテナ利得が低下するおそれがあり、他のメディアのアンテナ利得のみを考慮すればよいという問題ではない。
そこで、本発明は、2極タイプのガラスアンテナのアース側給電部が電気的に接続されたデフォッガに、他のメディアのガラスアンテナのアンテナ導体を電気的に接続しても、これらの両ガラスアンテナのアンテナ利得の低下を抑えられ、同じ窓ガラスに両ガラスアンテナを共存させることができる、車両用ガラスアンテナ及び車両用窓ガラスの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用ガラスアンテナは、 第1の周波数帯用の第1のアンテナ導体と、前記第1の周波数帯より高域の第2の周波数帯用の第2のアンテナ導体と、前記第2のアンテナ導体の一対の給電点である給電部及びアース側給電部と、前記アース側給電部と電気的に接続されたデフォッガと、が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
前記第1のアンテナ導体が前記デフォッガに電気的に接続されており、
前記第2のアンテナ導体は、前記第2のアンテナ導体によって受信された電波の受信信号を前記アース側給電部を接地の基準として取り出す2極タイプのガラスアンテナを構成し、
前記デフォッガから前記アース側給電部を経由して車体側のグランドに到達する経路中に、容量性カップリングが形成された容量結合部が直列に設けられ
前記第1の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、200Ω以上であり、前記第2の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、300Ω以下であることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る車両用窓ガラスは、該車両用ガラスアンテナを備えるものである。
本発明によれば、2極タイプのガラスアンテナのアース側給電部が電気的に接続されたデフォッガに、他のメディアのガラスアンテナのアンテナ導体を電気的に接続しても、これらの両ガラスアンテナのアンテナ利得の低下を抑えられ、同じ窓ガラスに両ガラスアンテナを共存させることができる。
本発明に係る車両用ガラスアンテナを備える車両用窓ガラス100の平面図である。 容量リアクタンスと容量との関係図である。 容量結合部10の第1の実施形態である。 容量結合部10の第2の実施形態である。 容量結合部10の第3の実施形態である。 図5に示したA‐Aにおける車両用窓ガラス100の断面図である。 容量結合部10の第4の実施形態である。 車両用窓ガラス100の具体例である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、アンテナの形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には図面上での方向をいうものとする。また、それらの図面は、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視の図であるが、車外視の図として参照してもよい。例えば、窓ガラスが車両の後部に取り付けられるリヤガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。また、本発明は、リヤガラスに限定されず、車両の前部に取り付けられるフロントガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスでもよい。また、本発明でいう「電気的に接続する」とは直流的に接続する(導体が直接繋がり、直流的に導通している状態)ことと、交流的に接続する(導体は分離されているが、高周波的には導通している状態)ことのどちらでもよいことを意味する。
図1は、本発明に係る車両用ガラスアンテナを備える車両用窓ガラス100の平面図である。車両用窓ガラス100は、車両の窓開口部の形状に適用できるように成形されたガラス板12を備える。
ガラス板12には、第1の周波数帯の電波を所定の要求基準を満たして受信できるようにチューニングされた第1の周波数帯用の第1のアンテナ導体であるガラスアンテナ22(L帯用ガラスアンテナ)と、第1の周波数帯より高い第2の周波数帯の電波を所定の要求基準を満たして受信できるようにチューニングされた第2の周波数帯用の第2のアンテナ導体であるガラスアンテナ21(H帯用ガラスアンテナ)と、L帯用ガラスアンテナ22のL帯用アンテナ導体14に電気的に接続されたデフォッガ30とが平面的に設けられている。
例えば、第1の周波数帯としてVHF帯が設定され、第2の周波数帯としてUHF帯が設定される。30M〜0.3GHzに含まれるVHF帯の電波の用途として、例えば、FMラジオ放送やVHFテレビ放送などが挙げられる。また、0.3G〜3GHzに含まれるUHF帯の電波の用途として、例えば、UHFテレビ放送、地上デジタルテレビ放送などが挙げられる。
L帯用ガラスアンテナ22は、車体側に搭載された信号処理装置(例えば、アンプなど)に結線された信号線に導通可能に接続されるL帯用給電部15と、L帯用給電部15に接続されたL帯用アンテナ導体14とを備える。L帯用給電部15は、いわゆる給電点である。L帯用アンテナ導体14は、L帯用ガラスアンテナ22が受信すべき周波数帯の電波の受信に適した形状と寸法によって形成される。すなわち、L帯用アンテナ導体14の形状と寸法は、L帯用ガラスアンテナ22が受信すべき周波数帯の電波を受信するために必要なアンテナ利得の要求値を満たすように設定されていればよい。
例えば、第1の周波数帯が日本のFM放送帯76〜90MHzの場合、日本のFM放送帯76〜90MHzの電波の受信に適するようにL帯用アンテナ導体14は形成される。同様に、第1の周波数帯が米国のFM放送帯88〜108MHzの場合、米国のFM放送帯88〜108MHzの電波の受信に適するようにL帯用アンテナ導体14は形成される。もちろん、日本と米国を合わせたFM放送帯76〜108MHzの電波の受信に適するようにL帯用アンテナ導体14は形成されてもよい。
また、L帯用ガラスアンテナ22が受信すべき周波数帯の電波の受信に適した位置であれば、L帯用ガラスアンテナ22のガラス板12上の配置位置は、特に限定されない。図1の場合、デフォッガ30とガラス板12の上側縁部との間のガラス板12の空白領域に配置されている。なお、L帯用ガラスアンテナ22は、アース側給電部を備えていない単極タイプのガラスアンテナであるが、アース導体とアース側給電部とを備える2極タイプのガラスアンテナであってもよく、その場合でもL帯用アンテナ導体14がデフォッガに電気的に接続される。
L帯用ガラスアンテナ22は、ダイバーシティアンテナを構成する複数のガラスアンテナのうちの一つであってもよい。例えば、L帯用ガラスアンテナ22と、ガラスアンテナ22と同じガラス板12に設けられた同じ周波数帯用の第2L帯用ガラスアンテナ23(図1に点線で表示)とによって、ダイバーシティガラスアンテナが構成される。デフォッガ30に電気的に非接続な又は容量的に接続された第2L帯用ガラスアンテナ23は、車体側に搭載された信号処理装置(例えば、アンプなど)に結線された信号線に導通可能に接続される第2L帯用給電部19と、第2L帯用給電部19に接続された第2L帯用アンテナ導体20とを備える。第2L帯用ガラスアンテナ23についても、L帯用ガラスアンテナ22と同様に、受信すべき周波数帯の電波を受信するために必要な寸法等の条件を満たすように設定されていればよい。
一方、H帯用ガラスアンテナ21は、信号線側の給電部16と、アース線側のアース側給電部17と、給電部16に接続されたアンテナ導体18とを備える2極タイプのガラスアンテナである。給電部16は、車体側に搭載された信号処理装置(例えば、アンプなど)に結線された信号線に導通可能に接続される。アース側給電部17は、車体側のグランド部位に結線された接地線に導通可能に接続される。車体側のグランド部位として、例えば、ボディーアース、給電部16に接続される信号線が結線される信号処理装置のグランドなどが挙げられる。アース側給電部17には、アンテナ利得調整用の導体が接続されてもよい。アンテナ導体18は、H帯用ガラスアンテナ21が受信すべき周波数帯の電波の受信に適した形状と寸法によって形成される。すなわち、アンテナ導体18の形状と寸法は、H帯用ガラスアンテナ21が受信すべき周波数帯の電波を受信するために必要なアンテナ利得の要求値を満たすように設定されていればよい。
例えば、第2の周波数帯が地上デジタルテレビ放送帯470〜770MHzの場合、地上デジタルテレビ放送帯470〜770MHzの電波の受信に適するようにアンテナ導体18は形成される。
また、H帯用ガラスアンテナ21が受信すべき周波数帯の電波の受信に適した位置であれば、H帯用ガラスアンテナ21のガラス板12上の配置位置は、特に限定されない。図1の場合、デフォッガ30とガラス板12の上側縁部との間のガラス板12の右側空白領域に配置されている。
デフォッガ30は、複数の並走するヒータ線(図1では、14本のヒータ線30a〜30nを例示)と該ヒータ線に給電するための複数の帯状のバスバ(図1では、2つのバスバ31A,31Bを例示)とを有する通電加熱式のパターンである。複数のヒータ線は、例えば、窓ガラス12を車両に取り付けた状態で水平面(地平面)に対して平行な方向に並走するように窓ガラス12に配置される。互いに並走するヒータ線は、2本以上あればよい。並走する複数のヒータ線は短絡線32により短絡されている。短絡線32は、ヒータ線の並走方向でのデフォッガ30(又は、窓ガラス12)の中央部に、上下方向に延伸している。なお、短絡線はガラスアンテナのアンテナ利得の調整として利用され、長さは適宜調整され、2本以上あってもよい。また短絡線が無くてもよい。バスバ31A,31Bは、図1の場合、窓ガラス12の左側領域及び右側領域にそれぞれ少なくとも1本ずつ設けられており、窓ガラス12の縦方向又は略縦方向に伸長されている。
バスバ31Aは、コイル50Aを介して車体等のグランド部位に接続され、バスバ31Bは、コイル50Bを介して直流電源60の正極側に接続されている。直流電源60によって、ヒータ線に通電が行われる。コイル50A,50Bは、第1の周波数帯以上の周波数(第1の周波数帯内の周波数を含む)でインピーダンスが高くなることによって、当該周波数の電気信号の通過を抑制する。
L帯用ガラスアンテナ22のL帯用アンテナ導体14とデフォッガ30の少なくともいずれか一方によって受信された電波の受信信号が、L帯用給電部15に電気的に接続された導電性部材を介して、車両に搭載された信号処理装置に伝達される。
導電性部材として、AV線や同軸ケーブルなどの給電線が用いられる。同軸ケーブルを用いる場合には、同軸ケーブルの内部導体を給電部15に電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体を車体にアース接続すればよい。
また、信号処理回路に接続されている導線等の導電性部材とL帯用給電部15とを電気的に接続するための端子を、L帯用給電部15に実装する構成を採用してもよい。このような端子によって、給電線をL帯用給電部15に取り付けることが容易になる。さらにL帯用給電部15に突起状の導電性部材を設置し、ガラス板12が取り付けられる車体のフランジにその突起状の導電性部材が接触、嵌合するような構成としてもよい。
ダイバーシティを構成する第2L帯用ガラスアンテナ23についても同様である。
一方、H帯用ガラスアンテナ21のアンテナ導体18によって受信された電波の受信信号が、デフォッガ30に後述の容量結合部10を介して接続されたアース側給電部17を基準に、給電部16に電気的に接続された導電性部材を介して、車両に搭載された信号処理装置に伝達される。
アンテナ導体18に給電部16を介して給電するための給電線として、同軸ケーブルを用いる場合には、同軸ケーブルの内部導体を給電部16に電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体をアース側給電部17に接続すればよい。また、信号処理装置に接続されている導線等の導電性部材と給電部16、アース側給電部17それぞれとを電気的に接続するためのコネクタを、給電部16、アース側給電部17それぞれに実装する構成を採用してもよい。このようなコネクタによって、同軸ケーブルの内部導体を給電部16に取り付けることが容易になるとともに、同軸ケーブルの外部導体をアース側給電部17に取り付けることが容易になる。さらに、給電部16、アース側給電部17それぞれに突起状の導電性部材を設置し、ガラス板12が取り付けられる車体のフランジにその突起状の導電性部材が接触、嵌合するような構成としてもよい。
また、L帯用給電部15,給電部16,アース側給電部17,第2L帯用給電部19、L帯用アンテナ導体14,アンテナ導体18,第2L帯用アンテナ導体20及びデフォッガ30は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを窓ガラス板の車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、窓ガラスの車両側表面又は車外側表面に形成してもよく、窓ガラスに接着剤等により貼付してもよく、窓ガラス自身の内部に設けてもよい。
各給電部の形状、及び給電部16とアース側給電部17との間隔は、上記の導電性部材又はコネクタの実装面の形状や、それらの実装面の間隔に応じて決めるとよい。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。また、給電部16の面積と給電部17の面積は等しくても、異なっていてもよい。
また、各アンテナ導体からなる導体層を合成樹脂製フィルムの内部又はその表面に設け、導体層付き合成樹脂製フィルムを窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。さらに、各アンテナ導体が形成されたフレキシブル回路基板を窓ガラスの車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。
また、容量性カップリングが形成された容量結合部10が、デフォッガ30からアース側給電部17を経由して車体側のグランドに到達するまでの経路中に直列に設けられている。図1には、アース側給電部17とデフォッガ30のバスバ31Bとの間に形成された上下方向の間隙部(直流的に分離されている)に容量結合部10が設けられる例を示している。図1では、ガラス板12上の容量結合部10は、アース側給電部17とデフォッガ30とを容量的に結合することで構成される。容量結合部10は、アース側給電部17とデフォッガ30との間に形成された左右方向の間隙部に設けられていてもよい。また、容量結合部10は、アース側給電部17に最近接のヒータ線との間に形成された間隙部に設けられていてもよい。例えば、容量結合部10は、最上段のヒータ線30aとの間に形成された間隙部に設けられる。
容量結合部10は、車体に取り付けられた窓ガラスに設けられたデフォッガと車体側のグランドとの間に流れる電気信号(漏洩信号)を濾波するための部位である。
図1の場合、容量結合部10は、デフォッガ30のバスバ31Bと車体側のグランド部位に導通可能に接続されたアース側給電部17とを容量的に結合することによって形成された信号経路である。容量結合部10は、デフォッガ30とアース側給電部17とを容量的に結ぶ信号経路に流れる微小な電気信号の低周波数成分を減衰させる交流遮断機能を備える。すなわち、容量結合部10は、いわゆるハイパスフィルタの特性を有する。容量結合部10を流れる微小な電気信号は、デフォッガ30とデフォッガ30に電気的に接続されたガラスアンテナ22の少なくともいずれか一方が電波を受信することによって発生する。また、ガラスアンテナ21が電波を受信することによっても発生する。
容量結合部10は、デフォッガから流れ出る直流電流の通過を遮断する直流遮断機能も備える。直流遮断機能は、デフォッガ30とアース側給電部17とを容量的に結合し、信号経路を直流的に分離することで実現されている。直流電源60から供給される直流電流を遮断しなければ、アース側給電部17に接続された接地線側から車体側に設けられた信号処理装置まで直流電流が流れて信号処理装置の故障の原因となるおそれがある。よって、直流遮断機能を備えることにより、直流電流を完全に遮断できる。
なお、容量結合部10は必ずしもデフォッガ30とアース側給電部17との間隙に設ける必要はなく、後述する例のようにデフォッガから信号処理装置などの故障のおそれのある電子機器までの信号経路に設ければよい。
また、バスバ31A,31Bがコイル50A,50Bを介して車体側に接続されているので、L帯用アンテナ導体14がそのアンテナ利得向上のためにヒータ線(図1の場合、最上段のヒータ線30a)に接続点Pで接続されていても、L帯用アンテナ導体14とデフォッガ30の少なくともいずれか一方が電波を受信することにより生じた微小な電気信号が車体側のグランドに漏洩することによって、アンテナ利得が低下することを防ぐことができる。
さらに、デフォッガ30からアース側給電部17を経由して車体側のグランドに到達する経路中に、容量結合部10が直列に設けられていることによって、H帯用ガラスアンテナ21のアース側給電部17が電気的に接続されたデフォッガ30に、L帯用ガラスアンテナ22を電気的に接続しても、これらの両ガラスアンテナのアンテナ利得の低下を抑えられ、同じ窓ガラス12に両ガラスアンテナ21,22を共存させることができる。
図1のように容量結合部10を設けることによって、第1の周波数帯の電気信号は、容量結合部10を設けずにアース側給電部17とデフォッガ30とが導体で直結(直流的に接続)している形態(直結形態)に比べて、アース側給電部17とデフォッガ30との間を通過しにくくなる。これにより、第1の周波数帯用のガラスアンテナ22のアンテナ利得の低下を抑えることができる。一方、容量結合部10を設けることによって、第1の周波数帯より高域の第2の周波数帯の電気信号は、容量結合部10を設けずにアース側給電部17とデフォッガ30とが直流的にも容量的にも接続されていない形態(オープン形態)に比べて、アース側給電部17とデフォッガ30との間を通過しやすくなる。これにより、第2の周波数帯用のガラスアンテナ21のアンテナ利得の低下を抑えることができる。
すなわち、アンテナ導体18が電波(例えば、UHF帯の電波)を受信することにより生じた微小な電気信号は、容量結合部10によってほとんど減衰されずにそのまま通過するので、H帯用ガラスアンテナ21のアンテナ利得の低下を抑制することができる。一方、L帯用アンテナ導体14とデフォッガ30の少なくともいずれか一方が電波(例えば、VHF帯の電波)を受信することにより生じた微小な電気信号は、容量結合部10によって大きく減衰されるので、デフォッガ30とアース側給電部17とが電気的に接続されていても、アース側給電部17を通じて電波が車体側のグランドに漏洩することを防ぎ、L帯用ガラスアンテナ22のアンテナ利得の低下を抑制することができる。
第1の周波数帯の中心周波数における容量結合部10の容量リアクタンスが、特に200Ω以上(好ましくは、300Ω以上)である場合(容量リアクタンスが無限大になる場合を除く)、第1の周波数帯の電気信号は上述の直結形態の場合に比べて通過しにくくなるため、第1の周波数帯用のガラスアンテナ22のアンテナ利得の低下を抑えることができる。これに加えて、第2の周波数帯の中心周波数における容量結合部10の容量リアクタンスが、特に300Ω以下(好ましくは、200Ω以下)である場合、第2の周波数帯の電気信号は上述のオープン形態の場合に比べて通過しやすくなるため、第2の周波数帯用のガラスアンテナ21のアンテナ利得の低下を抑えることができる。
第1の周波数帯としてFM帯(76〜90MHz)が設定された場合、容量結合部10の容量リアクタンスが200Ω以上(好ましくは、300Ω以上)になるようにするため、容量結合部10の容量を9.5pF以下(好ましくは、6.3pF以下)に設定すればよい。これにより、ガラスアンテナ22のFM帯のアンテナ利得の低下を抑えることができる。これに加えて、第2の周波数帯として地上デジタルテレビ放送帯(473〜713MHz)が設定された場合、容量結合部10の容量リアクタンスが300Ω以下(好ましくは200Ω以下)になるようにするため、容量結合部10の容量を0.9pF以上(好ましくは、1.4pF以上)に設定すればよい。これにより、ガラスアンテナ21の地上デジタルテレビ放送帯のアンテナ利得の低下を抑えることができる。
図2は、容量結合部10の、容量Cと容量リアクタンスXcとの関係を示した図である。図2は、第1の周波数帯としてFM帯(76〜90MHz)が設定された場合と、第2の周波数帯として地上デジタルテレビ放送帯(473〜713MHz)が設定された場合を示している。「83MHz」は、FM帯(76〜90MHz)の中心周波数に相当し、「593MHz」は、地上デジタルテレビ放送帯(473〜713MHz)の中心周波数に相当する。
図2によれば、例えば、容量結合部10を0.9pF以上6.3pF以下の容量に調整することによって、FM帯の中心周波数における容量リアクタンスは300Ω以上になるので、FM帯の信号を通しにくくなる一方で、地上デジタルテレビ放送帯の中心周波数における容量リアクタンスは300Ω以下になるので、地上デジタルテレビ放送帯の信号を通しやすくなる。その結果、FM帯、地上デジタルテレビ放送帯の両方を同一の窓ガラス上で効率よく共存させることができる。
次に、容量結合部10の実施形態について説明する。
図3は、容量結合部10の第1の実施形態である。デフォッガ30とアース側給電部とは直流的に分離して設けられている。デフォッガ30に連続して設けられた導体とアース側給電部17に連続して設けられた導体とがキャパシタ素子C1によって結合されている。キャパシタ素子C1の一方の端子が、アース側給電部17から下方に延伸した下端部13上にハンダ等によって実装され、もう一方の端子が、下端部13の下方に位置するバスバ31Bから上方に延伸した上端部33B上にハンダ等によって実装される。なお、デフォッガ30とアース側給電部17とを直接キャパシタ素子C1で接続させてもよい。
図4は、容量結合部10の第2の実施形態である。デフォッガ30とアース側給電部とは直流的に分離して設けられている。デフォッガ30に連続して設けられた導体とアース側給電部17に連続して設けられた導体とが所定の長さ近接した近接部を設けることによって、デフォッガ30とアース側給電部17とが容量的に結合されている。
デフォッガ30のバスバ31Bから上方に延伸した上端部33Bの形状と、アース側給電部17から下方に延伸した下端部13の形状において、所定の結合容量を有するように互いに所定の距離の間隙を有して近接部が形成される。なお、デフォッガ30とアース側給電部17とで直接近接部を形成させてもよい。
アンテナの設計時に近接部の長さを変更することにより、容量結合部10の容量を調節することができ、容量リアクタンスを適切な値に調整することが可能である。
図5は、容量結合部10の第3の実施形態である。デフォッガ30とアース側給電部とは直流的に分離して設けられている。フィルム状の導体35の一部をアース側給電部17に連続して設けられた導体に誘電体を介して設置し、フィルム状の導体35の他部をデフォッガ30に連続して設けられた導体に誘電体を介して設置することにより構成されている。フィルム状の導体35の一端が誘電体を介してアース側給電部17から下方に延伸した下端部13に容量的に接続され、フィルム状の導体35の他端が誘電体を介してデフォッガ30のバスバ31Bから上方に延伸した上端部33Bに容量的に接続される。フィルム状の導体35として、銅箔が好ましい。なお、デフォッガ30とアース側給電部17とに直接誘電体を介してフィルム状の導体を設置してもよい。
図6は、図5に示したA−Aにおける車両用窓ガラス100の断面図である。例えば、フィルム状の導体35の一端は、接着剤からなる接着剤層36によってバスバ31Bの上端部33Bに接着され、フィルム状の導体35の他端は、接着剤からなる接着剤層37によってアース側端子17の下端部13に接着される。
図7は、容量結合部10の第4の実施形態である。図7は、アース側給電部17とバスバ31Bとが直流的に接続されている例を示している。アース側給電部17とバスバ31Bは、直流的に接続されることによって、一つの導体として一体化している。
図7において、給電部16とアース側給電部17に、コネクタ80が実装される。コネクタ80は、容量結合部10であるコンデンサC1と、H帯用ガラスアンテナ21によって受信された受信信号を増幅するためのアンプ回路89とを内蔵する。また、コネクタ80は、窓ガラス12上の給電部16に設置可能な端子構造を有する給電部端子86と、窓ガラス12上のアース側給電部17に設置可能な端子構造を有するアース側給電部端子87と、同軸ケーブル70と嵌合可能な嵌合部88とを備える。嵌合部88は、同軸ケーブル70と着脱可能な構成を備える。なお、同軸ケーブルの先端に嵌合部88と容易に着脱可能なプラグを備えていることが好ましい。また、嵌合部88には同軸ケーブル70の内部導体に接続され得る内部導体端子88aと、同軸ケーブル70の外部導体に接続され得る外部導体端子88bとを有している。
給電部端子86及びアース側給電部端子87は、例えば、窓ガラス12との接触面を備える電極構造を有する。接触面が平面であることによって、フィルタ装置80を窓ガラス12に安定して設置することができる。
アンプ回路89は、給電部端子86と内部導体端子88aとを接続する信号経路に直列に設けられる。アンプ回路89が不要な場合、給電部端子86と内部導体端子88aとを信号経路で直接接続すればよい。
給電部端子86は、アンプ回路89の入力端子89aに接続される。アンプ回路89の出力端子89bは、嵌合部88の内部導体端子88aと接続され、アンプ回路89のグランド端子89cは、嵌合部88の外部導体端子88bと接続される。キャパシタ素子C1の一方の端子がアース側給電部端子87に接続され、キャパシタ素子C1の他方の端子が外部導体端子88b(アンプ回路89のグランド端子89c)に接続される。
図7に示されるように、給電部端子86は給電部16にはんだ付けなどで電気的に導通した状態で固定され、アース側給電部端子87はアース側給電部17にはんだ付けなどで電気的に導通した状態で固定される。また、同軸ケーブル70が嵌合部88に嵌合することによって、アンプ回路89の出力端子89bに同軸ケーブル70の内部導体71が接続され、アンプ回路89のグランド端子89cに同軸ケーブル70の外部導体72が接続される。すなわち、コネクタ80を窓ガラスに直接設置することにより、アンテナ導体で受信した信号が同軸ケーブルなどの給電線を通る前にアンプによって増幅されるため、信号が減衰する前に増幅できる。
このように構成することによって、アース側給電部17から流れてくる第1の周波数帯の信号をアンプ回路89のグランドに漏洩する前に制限することが可能であり、前述の実施形態と同様の効果が得られる。また、直流電源60から供給される直流電流を遮断できる。
以上より、アンプ回路が実装されたコネクタ内に、容量結合部10(すなわち、キャパシタ素子C1)を実装することにより、アンプ内蔵のコネクタと容量結合部10とを一体化することが可能で部品点数を削減できて好ましい。また、このコネクタ80により、同軸ケーブル70と給電部及びアース側給電部との接続も容易となる。なお、アンプ回路は必ずしも必要ではなく、容量結合部のみ内蔵のコネクタとしても、同軸ケーブル70との接続が容易となり好ましい。
車両に対する窓ガラスの取り付け角度は、水平面(地平面)に対し、15〜90°、特には、30〜90°が好ましい。
上述の車両用ガラスアンテナと車両用窓ガラスの形態を実際の車両のリヤガラスの車内視上側に取り付けることにより作製された自動車用高周波ガラスアンテナについて、そのアンテナ利得の周波数特性などの実測結果について説明する。
図8は、車両用窓ガラス100の具体例である。図3,8に示された形態において、L帯用ガラスアンテナ22及びH帯用ガラスアンテナ21Bのアンテナ利得の実測確認を行った。
図8において、ガラスアンテナ22は、日本と米国を合わせたFM放送帯76〜108MHzの電波の受信に適したアンテナである。H帯用ガラスアンテナ21Bは、地上デジタルテレビ放送帯470〜770MHzの電波の受信に適したアンテナである。H帯用ガラスアンテナ21Bは、アース側給電部17Bと、アース側給電部17Bに接続された調整エレメント24B、25Bとを備える。H帯用ガラスアンテナ21Bは、ガラスアンテナ21Aとの組み合わせによって、ダイバーシティ方式を実現できる。
図8において、同軸ケーブル70Bの信号線(内部導体)が給電部16Bに接続され、同軸ケーブル70Bの接地線(外部導体)の一端がアース側給電部17Bに接続され、同軸ケーブル70Bの接地線の他端が車体側にアース接続される(同軸ケーブル70Aを測定する場合も同様)。また、同軸ケーブル70Cの信号線(内部導体)がL帯用給電部15に接続され、同軸ケーブル70Cの接地線(外部導体)の一端が不図示のアンプ等の車体側の信号処理装置に接続され、他端が車体側にアース接続される。
図8の各部の寸法は、
x1:400mm
x2:65mm
x3:150mm
x4:1160mm
x5:1100mm
y1:120mm
y2:15mm
y3:160mm
y4:700mm
y5:30mm
である。また、各アンテナエレメントの導体幅は0.8mmである。
Figure 0005493728
表1は、キャパシタ素子C1の各容量、並びに「直結」及び「オープン」の各測定条件
について、L帯用ガラスアンテナ22のFM帯(76MHz〜90MHz)とH帯用ガラ
スアンテナ21の地上デジタルテレビ放送帯(473MHz〜713MHz)のそれぞれにおいてアンテナ利得の測定結果を示している。「直結」とは、容量結合部10を設けずに、アース線側給電部17とバスバ31Bとを導体で直結した場合を示す。「オープン」とは、容量結合部10の設定や導線接続を行わずに、アース線側給電部17とバスバ31Bとが離間した場合を示す。
FM帯のアンテナ利得の測定は、水平面に対して15°傾斜させて取り付けられた窓ガラスに対して電波(周波数76〜90MHzの垂直偏波又は水平偏波)を照射しながら、水平面に配置されたターンテーブルによって当該窓ガラスを360°回転させて行われる。アンテナ利得の測定データは、回転角度3°毎に、照射周波数帯76〜90MHzにおいて1MHz毎に測定される。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。アンテナ利得は、L帯用給電部15で測定される端子電圧によって評価した。
地上デジタルテレビ放送帯のアンテナ利得の測定は、水平面に対して15°傾斜させて取り付けられた窓ガラスに対して電波(周波数473〜713MHzの水平偏波)を照射しながら、水平面に配置されたターンテーブルによって当該窓ガラスを360°回転させて行われる。アンテナ利得の測定データは、回転角度3°毎に、照射周波数帯473〜713MHzにおいて6MHz毎に測定される。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。アンテナ利得は、半波長ダイポールアンテナを基準とし、半波長ダイポールアンテナが0dBとなるように標準化した。
表1は、FM帯の水平偏波のときのアンテナ利得の76〜90MHzの平均値と、地上デジタルテレビ放送帯(DTV帯)のアンテナ利得の473〜713MHzの平均値とを示している。
FM帯の場合、バスバ31Bとアース線側給電部17とを導体で単に接続すると、アンテナ導体14等が電波を受信することにより生じた電気信号がその接続部から車体側に漏れてしまうことから、理論的には「オープン」のときが最もアンテナ利得が高いと考えられる。アンテナ利得を今回あらためて実測しても、表1に示されるように、「オープン」のときが最もアンテナ利得が高く、「直結」のときが最もアンテナ利得が低い。
一方、地上デジタルテレビ放送帯の場合、上述の特許文献1に記載の通り、バスバ31Bとアース線側給電部17とを導体等で「直結」したときが最もアンテナ利得が高い。アンテナ利得を今回あらためて実測しても、表1に示されるように、「直結」のときが最もアンテナ利得が高く、「オープン」のときが最もアンテナ利得が低い。
つまり、従来の考えでは、FM帯のアンテナ利得を高めようとすると地上デジタルテレビ放送帯のアンテナ利得が低下し、地上デジタルテレビ放送帯のアンテナ利得を高めようとするとFM帯のアンテナ利得が低下してしまうという、トレードオフの関係があることが障害となっていた。
しかしながら、表1に示されるように、容量結合部10を設けることによって、上述のトレードオフの関係を解消し、FM帯と地上デジタルテレビ放送帯の両方のアンテナ利得を向上させることができる。
特に、表1に示されるように、FM帯では、容量が小さくなるほどアンテナ利得が向上することがわかり、地上デジタルテレビ放送帯では、容量が大きくなるほどアンテナ利得が向上することがわかる。FM帯の各容量におけるアンテナ利得とFM帯で最大利得が得られる「オープン」のときのアンテナ利得との差、地上デジタルテレビ放送帯の各容量におけるアンテナ利得と地上デジタルテレビ放送帯で最大利得が得られる「直結」のときのアンテナ利得との差のそれぞれを考慮すると、本実施例の場合、1.8pFの容量を選択することによって、FM帯と地上デジタルテレビ放送帯を同一の窓ガラス上で共存させるのに最も効率が良い。
また、図5に示した形態の容量結合部10についても、L帯用ガラスアンテナ22及びH帯用ガラスアンテナ21Bのアンテナ利得の実測確認を行った。導体35として、縦20mm、横14mm、厚さ0.4mmの銅箔を使用した。その結果、FM帯での最大利得は48.9dBμV、地上デジタルテレビ放送帯での最大利得は−8.0dBdというデータが得られた。したがって、表1と同様の結果が得られ、図5に示した形態の容量結合部10であっても、上述のトレードオフの関係を解消し、FM帯と地上デジタルテレビ放送帯の両方のアンテナ利得を向上させることができる。
このように、上述の構成によれば、H帯用ガラスアンテナのアース側給電部が電気的に接続されるデフォッガに、L帯用ガラスアンテナを電気的に接続しても、これらの両ガラスアンテナのアンテナ利得の低下を抑えられ、同じ窓ガラスに両ガラスアンテナを共存させることができる。
本発明は、例えば、地上波デジタルテレビ放送、UHF帯のアナログテレビ放送及び米国のデジタルテレビ放送、欧州連合地域のデジタルテレビ放送又は中華人民共和国のデジタルテレビ放送を受信する自動車用ガラスアンテナに利用されると好適である。その他、日本のFM放送帯(76〜90MHz)、米国のFM放送帯(88〜108MHz)、テレビVHF帯(90〜108MHz、170〜222MHz)、車両用キーレスエントリーシステム(300〜450MHz)にも利用できる。
また、自動車電話用の800MHz帯(810〜960MHz)、自動車電話用の1.5GHz帯(1.429〜1.501GHz)、GPS(Global Positioning System)、人工衛星のGPS信号1575.42MHz)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System:2.5GHz)にも利用できる。
さらに、ETC通信(Electronic Toll Collection System:ノンストップ自動料金収受システム、路側無線装置の送信周波数:5.795GHz又は5.805GHz、路側無線装置の受信周波数:5.835GHz又は5.845GHz)、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication、915MHz帯、5.8GHz帯、60GHz帯)、マイクロ波(1GHz〜3THz)、ミリ波(30〜300GHz)、及び、SDARS(Satellite Digital Audio Radio Service (2.34GHz、2.6GHz))の通信に利用してもよい。
10 容量結合部
12 ガラス板
13A,13B アース線側給電部の下端部
14,20 L帯用アンテナ導体
18 H帯用アンテナ導体
15,19 L帯用給電部
16 給電部
17 アース側給電部
21,21A,21B H帯用ガラスアンテナ
22,23 L帯用ガラスアンテナ
24B,25 調整エレメント
30 デフォッガ
30a〜30n ヒータ線
31A,31B バスバ
32 短絡線
33A,33B バスバの上端部
35 導体
36,37 接着剤層
40 中央線
50A,50B コイル
60 直流電源
70A,B,C 同軸ケーブル
80 接続装置
86 給電部端子
87 アース側給電部端子
88 嵌合部
88a 内部導体端子
88b 外部導体端子
89 アンプ回路
100 車両用窓ガラス

Claims (13)

  1. 第1の周波数帯用の第1のアンテナ導体と、前記第1の周波数帯より高域の第2の周波数帯用の第2のアンテナ導体と、前記第2のアンテナ導体の一対の給電点である給電部及びアース側給電部と、前記アース側給電部と電気的に接続されたデフォッガと、が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
    前記第1のアンテナ導体が前記デフォッガに電気的に接続されており、
    前記第2のアンテナ導体は、前記第2のアンテナ導体によって受信された電波の受信信号を前記アース側給電部を接地の基準として取り出す2極タイプのガラスアンテナを構成し、
    前記デフォッガから前記アース側給電部を経由して車体側のグランドに到達する経路中に、容量性カップリングが形成された容量結合部が直列に設けられ
    前記第1の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、200Ω以上であり、前記第2の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、300Ω以下であることを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
  2. 前記容量結合部の容量が、9.5pF以下である、請求項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  3. 前記容量結合部の容量が、0.9pF以上である、請求項1または2に記載の車両用ガラスアンテナ。
  4. 前記第1の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、300Ω以上である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  5. 前記容量結合部の容量が、6.3pF以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  6. 前記第2の周波数帯の中心周波数における前記容量結合部の容量リアクタンスが、200Ω以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  7. 前記容量結合部の容量が、1.4pF以上である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  8. 前記デフォッガと前記アース側給電部とは直流的に分離して設けられ、
    前記容量結合部は、前記アース側給電部または前記アース側給電部に連続して設けられた導体と、前記デフォッガまたは前記デフォッガに連続して設けられた導体とを接続するキャパシタである、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  9. 前記デフォッガと前記アース側給電部とは直流的に分離して設けられ、
    前記容量結合部は、前記アース側給電部または前記アース側給電部に連続して設けられた導体と、前記デフォッガまたは前記デフォッガに連続して設けられた導体とが、所定の長さ近接した近接部である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  10. 前記デフォッガと前記アース側給電部とは直流的に分離して設けられ、
    前記容量結合部は、フィルム状の導体の一部を前記アース側給電部または前記アース側給電部に連続して設けられた導体に誘電体を介して設置し、前記フィルム状の導体の他部を前記デフォッガまたは前記デフォッガに連続して設けられた導体に誘電体を介して設置することにより構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  11. 前記給電部と前記アース側給電部には、同軸ケーブルと着脱可能なコネクタが実装され、
    前記コネクタは、前記給電部に設置される給電端子と、前記アース側給電部に設置されるアース側給電端子と、前記同軸ケーブルの内部導体に接続され得る内部導体端子と、前記同軸ケーブルの外部導体に接続され得る外部導体端子とを含み、
    前記給電端子は、前記内部導体端子に信号経路を介して接続され、
    前記アース側給電端子は、前記容量結合部と接続され、
    前記容量結合部は、一端が前記アース側給電端子に接続され、他端が前記外部導体端子に接続されるキャパシタである、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  12. 前記第2のアンテナ導体用のアンプ回路が前記信号経路に設けられ、
    前記アンプ回路の入力端子が前記給電端子に接続され、
    前記アンプ回路の出力端子が前記内部導体端子に接続され、
    前記アンプ回路のグランドは、前記外部導体端子に接続される、請求項11に記載の車両用ガラスアンテナ。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナを備える車両用窓ガラス。
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