JP5493578B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光源からの光を投影面に走査して画像を表示させるプロジェクタに関する。
従来、レーザ光によって外部より入力された画像を投影するプロジェクタとして、レーザプロジェクタが知られている。そして、このようなレーザプロジェクタで用いられるスキャナミラーなどの走査部は、アクチュエータに共振周波数が与えられることによって上下方向及び左右方向にレーザ光の走査を行い、画像を投影領域に形成するようにしている。そして、このような走査部は、周囲の温度が変化すると共振周波数が変化するという特性を有している。
従来のレーザプロジェクタの走査部はこのような特性を有しているので、図9に示すように、起動時においては、レーザプロジェクタの温度が動作によって生じる熱などによって一定の温度となるまでは、共振周波数の変化の幅が大きく、走査部の動作が安定しないので、その間、レーザプロジェクタの使用を待たなければならないという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、電源ON時に回転多面鏡を回転駆動させ、これにより発生した熱によって温められた空気を攪拌させることによって光走査装置を速やかに温めるようにしたものがある(特許文献1)。
また、画像描画期間及び帰線期間において走査手段をレーザ光によって加熱するようにしたものがある(特許文献2)。
特許第3809717号公報 特開2009−139430号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、走査部を間接的に温める構成であるため、走査部が一定の温度となるまでには、やはり時間がかかるものである。
また、上記特許文献2の技術を上記特許文献1に適用しようとしても、稼働させるまでの間は安全のためレーザ光をレーザプロジェクタの外部に導出させることはできないので、上記各特許文献に記載の技術を単純に組み合わせることはできない。また、帰線期間においてのみ加熱させようとしても、加熱時間が短いことから、走査部が一定の温度となるまでには相当の時間がかかってしまう。
本発明の課題は、起動時に生じる温度変化の影響を低減し、短時間で良好に安定した動作を行わせるとともに、起動させてから稼働までの間においても安全に取り扱うことができるレーザプロジェクタを提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源からのレーザ光を反射する走査部と、
前記走査部によって反射されたレーザ光を外部に出力する開口部と、
前記走査部を共振駆動させる第1の駆動部と、
共振方向と略直交する方向に駆動させる第2の駆動部と、
起動してから所定期間、レーザ光を前記走査部に向けて出射するとともに、前記走査部を第1の駆動部のみにより駆動するように制御する制御部と、
前記走査部によって反射されたレーザ光を前記走査部に向けて反射させる光反射手段と、を備え
前記制御部は、前記光反射手段を機能させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプロジェクタであって、
記制御部は、前記レーザ光源より出射されたレーザ光を前記開口部から外れた位置に反射させるように前記第2の駆動部を制御することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源より出射されたレーザ光を外部に設けられた投影領域に向けて反射させ、共振させて走査を行う走査部と、
前記走査部によって反射されたレーザ光を外部に出力する開口部と、を備えたプロジェクタにおいて、
前記走査部によって反射されたレーザ光を前記走査部に向けて反射させる光反射手段を有し、前記レーザ光源より出射されたレーザ光を前記開口部から垂直方向に外れた位置に反射させるように前記走査部を制御して前記レーザ光源から出射されたレーザ光の外部への出力を阻止する阻止手段と、
起動してから所定期間、前記レーザ光源にレーザ光を該レーザ光源における最大出力にて前記走査部に向けて出射させ、前記走査部に水平方向への駆動電力を与えるとともに、前記阻止手段を機能させる起動時制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、起動時に生じる温度変化の影響を低減し、短時間で良好に安定した動作を行わせるとともに、起動させてから稼働までの間においても安全に取り扱うことができるプロジェクタを提供することができる。
本発明に係るプロジェクタが設置された状態を示す外観図である。 本発明に係るプロジェクタの要部構成を示すブロック図である。 本発明に係るレーザ光の走査の態様を説明する図である。 本発明に係るプロジェクタにおいて実行されるプログラムを表すフローチャートである。 本発明に係るプロジェクタの起動調整期間における動作を説明する図である。 スキャナミラーの共振周波数の特性を表す図である。 本発明の第2の実施形態に係るプロジェクタの反射部について説明する模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るプロジェクタのシャッタ部材について説明する模式図である。 スキャナミラーの共振周波数の特性を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
また、以下の説明では、図1におけるプロジェクタ100の左右方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
プロジェクタ100は、例えば、図1に示すように、テーブル120上に設置され、スクリーン130に向けて出射されたレーザ光が、投影部380に設けられた開口部380aよりプレゼンテーション等に用いる表示用の画像132Aとして投影されるレーザプロジェクタである。
次いで、プロジェクタ100は、例えば、図2に示すように、フロントエンド用のFPGA(Field Programmable Gate Array)310と、レーザ出射部350と、操作パネル330と、バックエンドブロック340と、ROM344と、ビデオRAM345と、RAM346と、を含んで構成される。
FPGA310は、タイミングコントローラ311と、データコントローラ312と、ビットデータ変換部313と、データ/階調変換部314と、を含むプログラミングが可能なLSI(Large Scale Integration)である。FPGA310は、バックエンドブロック340とともに、一時的にビデオRAM345に記憶される画像信号の表示制御を行う。
タイミングコントローラ311は、バックエンドブロック340に含まれるCPU341から送られる指令に基づいてデータコントローラ312を介してビデオRAM345に一時的に記憶されている画像信号を読み出す。そして、タイミングコントローラ311は、当該画像信号に含まれる同期信号(水平同期信号(HSYNC)、画素クロック信号(PCLK)等を含む)を取得する。さらに、タイミングコントローラ311は、当該同期信号に基づいて、後述のレーザ出射部350,アクチュエータ374のレーザ出射/モータ駆動のタイミングをコントロールする命令を生成し、当該命令をビットデータ変換器313,駆動ドライバ373にそれぞれ送信する。
データコントローラ312は、ビデオRAM345より読み出した画像信号をビットデータ変換器313に送出する。
ビットデータ変換器313は、タイミングコントローラ311からの命令に基づいて、データコントローラ312から送出された画像信号を、レーザ光によって投影するための形式に適合したデータに変換した後、当該画像信号をデータ/階調変換部314に送出する。
データ/階調変換部314は、ビットデータ変換器313から出力されたデータを、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色として表示するための色の階調に変換し、変換後のそれぞれの信号を、レーザ出射部350に送出する。
レーザ出射部350は、レーザ制御回路351と、LD361,362と、偏光ビームスプリッタ363と、レーザ検出器370と、レンズ371と、スキャナミラー372と、駆動ドライバ373と、アクチュエータ374と、ハーフミラー375と、ミラー検出器376と、調整部377と、を含んで構成される。
LD(Laser Diode)361は、緑色のレーザ光を出射するダイオードであり、LD362は、赤色及び青色のレーザ光を出射するダイオードであり、それぞれがレーザ制御回路351により制御される。
なお、本実施の形態に係るLD362は、赤色のレーザ光を出射するLDと青色のレーザ光を出射するLDとが一体として構成されているが、別個に構成されているものでもよい。
このように、LD361,362は、入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源を構成する。
レーザ制御回路351は、データ/階調変換部314から送られる信号に基づいてLD361,362の出射量/タイミング等を制御する。また、レーザ制御回路351は、後述のレーザ検出器370にて検出されるレーザ光の出力量よりレーザ光の出射状態を検知し、当該出射状態に基づいてLD361,362の出射量の調整を行う。
また、レーザ制御回路351は、後述するように、CPU341からの制御信号に応じてLD361,362にレーザ光を出射させる制御を行う。
偏光ビームスプリッタ363は、LD361から出射されるレーザ光の光路上に配置され、入射されたレーザ光をP偏光とS偏光とに分離する光学部材である。そして、偏光ビームスプリッタ363は、LD361から出射された緑色のレーザ光の一部をレンズ371に向けて透過させ、残りをレーザ検出器370に向けて反射させる。一方で、偏光ビームスプリッタ363は、LD362から出射された赤色及び青色のレーザ光の一部をレーザ検出器370に向けて透過させ、残りをレンズ371に向けて反射させる。
レーザ検出器370は、例えば、レーザ光の出力量(強度)を検出するセンサであり、LD362から出射されるレーザ光の光路上に配置されている。
レンズ371は、偏光ビームスプリッタ363を透過したレーザ光を集光する。
スキャナミラー372は、後述のアクチュエータ374により所定の駆動力が付与されることにより共振し、この共振によって2軸方向に独立して回動するガルバノミラーであり、当該回動によりミラー傾斜角を水平方向及び垂直方向に調整することで、入射された光の反射方向を調整することができる。
そのため、例えば、スクリーン130上に形成される走査領域に、レンズ371を透過したレーザ光の反射方向をスキャナミラー372により順次調整することで、レーザ光の走査が可能となる。
このように、スキャナミラー372は、レーザ光源より出射されたレーザ光を外部に設けられた投影領域に向けて反射させ、共振させて走査を行う走査部を構成する。
駆動ドライバ373は、例えば、タイミングコントローラ311より送信される命令に応じて、アクチュエータ374に駆動周波数に対応するパルス信号を与えることで、スキャナミラー372によるレーザ光の走査を制御する。また、駆動ドライバ373は、後述するように、CPU341からの制御信号に応じて、スキャナミラー372を開口部380aから外れた位置に向けるようにアクチュエータ374に信号を与える。
アクチュエータ374は、例えば、スキャナミラー372の2軸各々に接続された2つのパルスモータであり、それぞれが後述の駆動ドライバ373より指示される駆動周波数(共振周波数)に基づいて駆動し、スキャナミラー372を所定角回動させるように構成されている。また、アクチュエータ374は、スキャナミラー372の駆動に際し、電力を供給するように構成されている。
ハーフミラー375は、スキャナミラー372にて反射したレーザ光の一部を投影部380に向けて透過させるとともに、残りをミラー検出器376に向けて反射させる。
ミラー検出器376は、例えば、ハーフミラー375にて反射したレーザ光を受光し、スキャナミラー372の2軸方向の傾斜角(振れ角)を検出する傾斜角検出器である。このミラー検出器376にて検出された傾斜角はアナログ電気信号として調整部377に入力される。
調整部377は、例えば、図示は省略するが、四則算用の演算器、コンパレータ、アナログ信号増幅用のアンプ、A/D変換器、等を含んで構成され、ミラー検出器376より
入力されるスキャナミラー372の傾斜角に関するアナログ電気信号について、増幅、四則算、比較等を介して所望の値に調整し、デジタル信号に変換してCPU341に送信するように構成されている。
つまり、スキャナミラー372は、設置環境(例えば、温度,湿度,気圧等)によって共振周波数が変動し、レーザ光の走査位置にずれが生じるおそれがあるため、ミラー検出器376及び調整部377によりスキャナミラー372の傾斜角を検出してCPU341に送信し、CPU341及びタイミングコントローラ311が駆動ドライバ373による駆動周波数を逐次調整出来る様に構成されている。
操作パネル330は、例えば、プロジェクタ100の筐体部表面あるいは側面に設けられ、操作内容を表示するためのディスプレイ装置(図示省略)と、使用者がプロジェクタ100に対する入力操作を実行するためのボタンやスイッチ(図示省略)と、を含んで構成される。そして、操作パネル330は、使用者による操作が実行されると、当該操作に応じた信号をCPU341に送信する。
バックエンドブロック340は、CPU341と、ビデオI/F342と、外部I/F343と、を含んで構成されるプロジェクタ100のバックエンド部分である。
CPU341は、ROM344に記憶された各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムを実行して各部に出力信号を送信することにより、プロジェクタ100の動作全般を統括制御する。
また、CPU341は、電源が投入されると、後述するROM344から起動調整プログラム344aを読み出し、LD361,362からレーザ光を出射させ、スキャナミラー372を開口部380aから下方へ外れた方向に向け、開口部380aからレーザ光が出力されないようにしてスキャナミラー372を加熱するための制御を行う。
また、CPU341は、操作パネル330から送信される信号に基づいて、ビデオI/F342、外部I/F343を介してプロジェクタ100に入力された画像信号に基づく映像の投影を制御する。つまり、CPU341は、FPGA310のタイミングコントローラ311と相互に通信を行い、ビデオRAM345に一時的に保持されている画像信号に基づく映像の表示を制御する。
このように、CPU341は、スキャナミラー372とともに、起動調整プログラム344aを実行することにより、レーザ光源から出射されたレーザ光の外部への出力を阻止する阻止手段を構成する。
また、CPU341は、起動調整プログラム344aを実行することにより、起動してから所定期間、レーザ光源にレーザ光を走査部に向けて出射させるとともに、阻止手段を機能させる起動時制御手段を構成する。
ビデオI/F342は、例えば、PC(Personal Computer)等の画像出力装置150と接続し、画像出力装置150から出力される画像信号を入力するためのインターフェースである。
外部I/F343は、例えば、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリやSDメモリカード等のメモリカード151を装着可能な外部記憶メディア用のインターフェースであり、メモリカード151に記憶された画像信号を読み出してプロジェクタ100に入力することができる。
ビデオRAM345は、ビデオI/F342や外部I/F343を介して入力された画像信号を一時的に記憶している。ビデオRAM345は、FPGA310による表示制御がなされる際に、タイミングコントローラ311により生成されるタイミングでデータコントローラ312により画像信号が読み出されるように構成されている。
ROM344は、例えば、不揮発性のメモリであり、CPU341により実行されるプログラムや当該プログラムの実行に必要な各種データ等の格納エリアを備えている。具体的には、ROM344は、起動調整プログラム344a等の制御プログラムを格納している。
RAM346は、例えば、CPU341のワークエリアとして用いられ、CPU341によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等を記憶する。
以上のように構成されたプロジェクタ100の動作について説明する。
プロジェクタ100は、図3に示されるように、LD361,362から出射されたレーザ光Lをスキャナミラー372によって反射させ、開口部380aから出力させるように構成されている。そして、プロジェクタ100は、スキャナミラー372を、レーザ光Lが開口部380aより出力可能な範囲で水平方向及び垂直方向に駆動することによって、レーザ光Lを走査領域上に走査させる。これに併せて、投影領域上においてLD361,362を発光させることにより、投影領域上に所定の画像が表示される。
次に、プロジェクタ100における起動調整処理について、図4を参照して説明する。起動調整処理は、CPU341がROM344に記憶された起動調整プログラム344aを読み出すことにより実行される処理である。
まず、CPU341は、駆動ドライバ373に対して、スキャナミラー372の垂直方向への駆動を開始し、スキャナミラー372を遮光領域、すなわち、走査領域の下方に移動するように制御信号を送信する(ステップS101)。
次に、CPU341は、レーザ制御回路351に対して、LD361,362に最大出力であるレーザ光を出力するように制御信号を送信する(ステップS102)。
次に、CPU341は、駆動ドライバ373に対して、遮光領域へ向けられたスキャナミラー372を水平方向に往復動作させるように制御信号を送信する(ステップS103)。駆動ドライバ373は、この制御信号を受信すると、アクチュエータ374によってスキャナミラー372が水平方向に駆動されるとともに、アクチュエータ374からスキャナミラー372に通常の動作において供給される電力よりも高い電力が供給され、スキャナミラー372の加熱を促進している。
そして、CPU341は、所定時間(例えば、5秒)のウェイトを行い(ステップS104)、ウェイト時間が経過したか否かを判定する(ステップS105)。
CPU341は、ウェイト時間が経過したと判定したときは(ステップS105:Y)、ステップS106の処理を実行し、ウェイト時間が経過したと判定しないときは(ステップS105:N)、再度ステップS105の処理を実行する。
そして、CPU341は、水平方向におけるスキャナミラーの共振点を探索するとともに、スキャナミラーの通常動作を開始するように駆動ドライバ373に制御信号を送信する(ステップS106)。
そして、CPU341は、ビデオRAM345に画像データを送るなどしてスクリーン130への画像の投影を開始する(ステップS107)。
このように制御が行われるプロジェクタ100の起動時の動作について説明する。
図5(a)は、スキャナミラー372が開口部380aの下方へ向き、レーザ光Lが投影部380の外部に出力しないように開口部380aの下方に照射している状態を示している。なお、図5(a)において、開口部380aの周囲は投影部380の内壁が形成されているものとする。また、図5(b)は、図5(a)を側面から見た状態を模式的に表している。
そして、図5(a)において破線にて示されるように、スキャナミラー372は、開口部380aからレーザ光Lが出力されないように下方を向いたまま、開口部380aの長辺に沿ってレーザ光Lが走査されるよう、水平方向に回動する。
以上の動作が、図4のステップS104において設定されたウェイト時間が経過するまで行われる。
このような動作を行うプロジェクタ100の起動時から通常の投影動作に移行するまでのスキャナミラー372の共振周波数の変化について、図6を参照して従来のレーザプロジェクタにおけるスキャナミラーと比較しながら説明する。図6において実線Aは、従来のレーザプロジェクタにおけるスキャナミラーの共振周波数の変化を表し、破線Bは、本実施形態におけるプロジェクタ100におけるスキャナミラー372の共振周波数の変化を表している。
図6に示すように、起動調整期間においてレーザ光をスキャナミラーに照射したり、スキャナミラーを動作させるような制御を行っていない従来のレーザプロジェクタにおいては、起動調整期間においては、スキャナミラーは加熱されないので、スキャナミラーの温度は低温のままであり、共振周波数も大きくなっている。そして、通常投影期間に移り、レーザ光の発光及びスキャナミラーの駆動が開始されると、徐々にスキャナミラーの温度が上昇し、これに伴って、共振周波数も変化する。その結果、通常投影期間に移った直後からスキャナミラーの温度が安定するまでの間の温度差は大きいので、共振周波数の変位幅は図6においてaにて示すように大きく、また、時間当たりの変化量も大きい。このような状態において、投影を行うと、スキャナミラーの共振点の追従が困難となる結果、画像が劣化するという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、上述のように、起動調整期間において、スキャナミラー372にレーザ光を照射するとともに、スキャナミラー372自体を駆動させることにより、スキャナミラー372が短時間で加熱される。その結果、通常投影期間に移った直後には、スキャナミラー372は、ある程度高温の状態となっているので、共振周波数の変位幅は図6においてbにて示すように、従来のレーザプロジェクタのものよりも小さく、そして、時間当たりの変化量も小さい。これにより、スキャナミラーの共振点の追従が容易となり、画像の劣化を抑制することが可能になる。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について図7を用いて説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
本発明の第2の実施形態では、図7に示すように、開口部380aの下部に反射部380bを設け、スキャナミラー372によって反射されたレーザ光Lを再度スキャナミラー372へ反射させるものである。これにより、反射部380bによって反射されたレーザ光Lの熱をもスキャナミラー372に与えることができるので、スキャナミラー372の温度をより速やかに高めることができる。この反射部380bは、例えば、ミラー等が適用できる。
このように、反射部380bは、走査部によって反射されたレーザ光を走査部に向けて反射させる光反射手段を構成する。
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について図8を用いて説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
本発明の第3の実施形態では、図8に示すように、開口部380aを覆うシャッタ部材380cが図示しないソレノイド等のアクチュエータによって開口部380aに臨む位置(閉塞する位置)に対して進退可能に設けられている。このアクチュエータは、例えば、CPU341により、起動調整期間において作動するように制御される。そして、シャッタ部材380cには、反射部380bが一体的に取り付けられており、シャッタ部材380cの進退に伴って変位するように構成されている。
このような構成によれば、起動調整期間においてシャッタ部材380cを開口部380aに臨む位置に変位させることにより、スキャナミラー372を開口部380aの下部へ移動させる必要がなくなる。また、反射部380bを備えることにより、反射部380bによって反射されたレーザ光Lの熱をもスキャナミラー372に与えることができるので、スキャナミラー372の温度をより速やかに高めることができる。
このように、シャッタ部材380cは、開口部を閉塞する閉塞手段を構成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、CPU341は、起動してから所定期間、LD361,362にレーザ光をスキャナミラー372に向けて出射させるとともに、LD361,362から出射されたレーザ光の外部への出力を阻止する。その結果、スキャナミラー372は、短時間で温度が上昇し、レーザ光が外部に出力されないので、起動時に生じる温度変化の影響を低減し、短時間で良好に安定した動作を行わせるとともに、起動させてから稼働までの間においても安全に取り扱うことができる。
また、本実施形態によれば、CPU341は、LD361,362より出射されたレーザ光を、スキャナミラー372により開口部380aより外れた遮光領域に反射させるようにしたので、レーザ光の外部への出力を阻止するために特別な部材を必要とせず、制御のみで実現できるので、製造コストに優れる。
また、本実施形態によれば、CPU341は、起動調整期間においてシャッタ部材380cを機能させるようにしたので、CPU341は、スキャナミラー372の動作について特別な制御を必要としないので、簡便にスキャナミラー372の温度の上昇を行うことができる。
また、本実施形態によれば、反射部380bは、LD361,362によって発射されたレーザ光をスキャナミラー372に向けて反射させるようにしたので、スキャナミラー372の温度をより速やかに高めることができる。
なお、本実施の形態では、LD361,362に赤、緑、青の3種類の波長の光源を用いたが、単色であってもよく、また、4種類以上の波長の光源を用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、スキャナミラー372を開口部380aの下部へ向けたり、シャッタ部材380cを設けることによって投影部380の外部へレーザ光が出力されないようにしたが、他の形態によってレーザ光の投影部380の外部への出力を抑止するようにしてもよく、例えば、スキャナミラー372の一部を光吸収部材により構成してもよい。また、さらに、スキャナミラー372を銅などの熱伝導性素材により形成して、光吸収部材に接続するようにしてもよい。このような構成によれば、温度上昇効率がさらに良化される。
また、本実施の形態では、LD361,362からのレーザ光の出力を最大出力としたが、スキャナミラー372の温度上昇効率が良くなる態様であれば、レーザ光の出力は適宜設定することができる。
また、本実施の形態では、スキャナミラー372に通常投影期間における駆動電力よりも高い電力を与えるようにしたが、通常投影期間における駆動電力と同一の電力を与えるようにしてもよい。また、起動調整期間において、スキャナミラー372に水平方向への駆動電力を与えないようにしてもよい。
また、反射手段としての反射部380bをスキャナミラー372の反射面と対向する位置と退避した位置とに進退可能に構成することにより、反射部380b自体を阻止手段として構成してもよい。
100 プロジェクタ(レーザプロジェクタ)
130 スクリーン
310 FPGA
311 タイミングコントローラ
312 データコントローラ
313 ビットデータ変換器
314 データ/階調変換部
340 バックエンドブロック
341 CPU(起動時制御手段、阻止手段)
344 ROM
344a 起動調整プログラム
345 ビデオRAM
350 レーザ出射部
351 レーザ制御回路
361 LD(レーザ光源)
362 LD(レーザ光源)
370 レーザ検出器
372 スキャナミラー(走査部、阻止手段)
373 駆動ドライバ
374 アクチュエータ
380 投影部
380a 開口部
380b 反射部(光反射手段、阻止手段)
380c シャッタ部材(閉塞手段)

Claims (3)

  1. 入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源からのレーザ光を反射する走査部と、
    前記走査部によって反射されたレーザ光を外部に出力する開口部と、
    前記走査部を共振駆動させる第1の駆動部と、
    共振方向と略直交する方向に駆動させる第2の駆動部と、
    起動してから所定期間、レーザ光を前記走査部に向けて出射するとともに、前記走査部を第1の駆動部のみにより駆動するように制御する制御部と、
    前記走査部によって反射されたレーザ光を前記走査部に向けて反射させる光反射手段と、を備え
    前記制御部は、前記光反射手段を機能させることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 記制御部は、前記レーザ光源より出射されたレーザ光を前記開口部から外れた位置に反射させるように前記第2の駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源より出射されたレーザ光を外部に設けられた投影領域に向けて反射させ、共振させて走査を行う走査部と、
    前記走査部によって反射されたレーザ光を外部に出力する開口部と、を備えたプロジェクタにおいて、
    前記走査部によって反射されたレーザ光を前記走査部に向けて反射させる光反射手段を有し、前記レーザ光源より出射されたレーザ光を前記開口部から垂直方向に外れた位置に反射させるように前記走査部を制御して前記レーザ光源から出射されたレーザ光の外部への出力を阻止する阻止手段と、
    起動してから所定期間、前記レーザ光源にレーザ光を該レーザ光源における最大出力にて前記走査部に向けて出射させ、前記走査部に水平方向への駆動電力を与えるとともに、前記阻止手段を機能させる起動時制御手段と、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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