JP5644061B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の発明によると、プレゼンターがディスプレイ領域で指し棒等を介して指示したポインティング位置を上記影の領域として検出することができる。
また、上記特許文献1に記載の発明では、外部障害物の位置検出において、CCDカメラのような高価な部品を使用しているので、コストがかかるという問題がある。
更に、上記特許文献1に記載の発明によると、基準値を分割エリアごとに最適な値に設定することによって、外部障害物の位置検出の精度を高めることが可能となるが、当該設定値はシステム起動時に設定された後、ユーザによって再設定の指示がなされない限り固定値となるため、プロジェクタの使用環境/条件次第で突然に検出精度が低下するというおそれがある。
本発明の課題は、簡易な構成で外部障害物の位置検出を行い、かつ、使用環境/条件に左右されることなく、当該位置検出の精度を維持できるプロジェクタを提供することである。
また、位置情報算出手段により、前記判断手段により外部障害物と判断されたタイミングと、水平同期信号及び画素クロック信号に基づいて、外部障害物の位置情報が算出できるので、外部障害物の位置検出のための特別な構成を要しない。
さらに、閾値算出手段により、特定手段により特定されたピーク値と、反射光の強度のベース値と、に基づいて新たな閾値が算出され、更新手段により、記憶部に記憶された閾値を、上記算出された閾値に更新することができる。つまり、プロジェクタの使用環境/条件が変動しても、それに応じて判断手段の判断基準となる閾値が逐次更新されるため、位置検出の精度を維持できる。
よって、本発明は、簡易な構成で外部障害物の位置検出を行い、かつ、使用環境/条件に左右されることなく、当該位置検出の精度を維持できるプロジェクタであるといえる。
また、以下の説明では、図1におけるプロジェクタ100の左右方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
また、プロジェクタ100は、テーブル120の上面に対して、プロジェクタ100の使用者が参照し得るように、投影部380により分離されたレーザ光(第1のレーザ光)が、画像132Aと同様の画像122Aを投影する(画像122Aの大きさは、総じて画像132Aの大きさよりも小さい)。ここで、この画像122Aには、使用者が棒やペン等の外部障害物10を操作することで画像132Aの編集等を行うための画像122Fも含まれている。そして、上記外部障害物10からの反射光が受光センサ400により検出されて外部障害物10が識別されるように構成されている。
ビットデータ変換器313は、タイミングコントローラ311からの命令に基づいて、データコントローラ312から送出された画像信号を、レーザ光によって投影するための形式に適合したデータに変換した後、当該画像信号をデータ/階調変換器314に送出する。
なお、本実施の形態に係るLD362は、赤色のレーザ光を出射するLDと青色のレーザ光を出射するLDとが一体として構成されているが、別個に構成されているものでもよい。
レンズ371は、偏光ビームスプリッタ363を透過したレーザ光を集光する。
そのため、例えば、図3のテーブル120上に形成されるレーザ光(第1のレーザ光)の投影面123に示されるように、レンズ371を透過したレーザ光の反射方向をスキャナミラー372により順次調整することで、レーザ光の走査が可能となる。
ここで、図3は、投影面123において、スキャナミラー372によるレーザ光の走査位置が、タイミングコントローラ311にて取得される画素クロック信号及び水平同期信号に応じて、P(1)、P(2)、・・・、P(k)、P(k+1)、・・・、P(2k)、・・・、と変化していくことを示している。また、上記画素クロック信号(PCLK)及び水平同期信号(HSYNC)は、例えば、それぞれが図4に示されるようなパルス波形を示す信号であり、時間ΔT1が1画素を描画する時間、時間ΔT2が1走査線を切換えるまでの時間を示すものである。
つまり、画素クロック信号の時間ΔT1の間に、スキャナミラー372がX方向に傾斜し、図3に示すレーザ光の走査位置がX方向にずれる(例えば、P(1)からP(2)へと変化する)。そして、上記X方向への走査が繰り返され、走査位置が投影面123のX方向端部(例えば、P(k))に到達したタイミングで、水平同期信号の時間ΔT2が経過して水平同期信号が検出される。スキャナミラー372は、上記時間ΔT2の間に、Y方向に傾斜し、図3に示すレーザ光の走査位置がY方向にずれる(例えば、P(k)からP(k+1)へと変化する)。
したがって、スキャナミラー372が画素クロック信号及び水平同期信号に基づいて上記走査を繰り返し、投影面123全体に亘って走査が終了した時点で1フレーム分の画像投影が完了する。
駆動モータ374は、例えば、スキャナミラー372の2軸各々に接続された2つのパルスモータであり、それぞれが後述の駆動ドライバ373より指示される駆動周波数(共振周波数)に基づいて駆動し、スキャナミラー372を所定角回動させるように構成されている。
ミラー検出器376は、例えば、ハーフミラー375にて反射したレーザ光を受光し、スキャナミラー372の2軸方向の傾斜角(触れ角)を検出する傾斜角検出器である。このミラー検出器376にて検出された傾斜角はアナログ電気信号として調整部377に入力される。
調整部377は、例えば、図示は省略するが、四則算用の演算器、コンパレータ、アナログ信号増幅用のアンプ、A/D変換器、等を含んで構成され、ミラー検出器376より入力されるスキャナミラー372の傾斜角に関するアナログ電気信号について、増幅、四則算、比較等を介して所望の値に調整し、デジタル信号に変換してCPU341に送信するように構成されている。
つまり、スキャナミラー372は、設置環境(例えば、温度,湿度,気圧等)によって共振周波数が変動し、レーザ光の走査位置にずれが生じるおそれがあるため、ミラー検出器376及び調整部377によりスキャナミラー372の傾斜角を検出してCPU341に送信し、CPU341及びタイミングコントローラ311が駆動ドライバ373による駆動周波数を逐次調整出来る様に構成されている。
空間光変調器382は、例えば、所定の偏光方向の光のみを透過させるライトバルブ等であり、コリメートレンズ381を透過して平行光化されたレーザ光の透過率を画像信号に応じて変調し、ビームスプリッタ383に向けて出射する。
したがって、ビームスプリッタ383が配置された光路上を通過するレーザ光は、ビームスプリッタ383を透過してテーブル120方向へ投影され、かつ、ビームスプリッタ383にて反射(屈折)してスクリーン130方向へ投影される。その一方で、ビームスプリッタ383が配置されていない光路上を通過するレーザ光は、ビームスプリッタ383にて反射(屈折)することなくテーブル120方向にのみ投影される。
つまり、CPU341は、プレゼンテーション用の画像132Aを表示するためのレーザ光が、ビームスプリッタ383の配置された光路上を通過するように、画像132Aの編集等を行うための専用画像122Fを表示するためのレーザ光が、ビームスプリッタ383の配置されていない光路上を通過するように、FPGA310やレーザ出射部350を制御することで、スクリーン130上に画像132A、テーブル120上に画像122A、をそれぞれ投影することが可能となる。
なお、専用画像122Fは、たとえば、現在投影中の画像132Aに対応するコメントなどを入れたものであってもよい。これによって、画像132Aの表示中に使用者のみが専用画像122Fを参照することが可能になる。つまり、使用者が、画像132Aの表示中に話すべきコメントなどを覚えていなくても、スムーズにプレゼンテーションを進めることが可能になる。
そして、上記拡大レンズ384,385により拡大されたレーザ光は、図示しないミラーやレンズを介してスクリーン130,テーブル120に照射される。
また、CPU341は、操作パネル330から送信される信号に基づいて、ビデオI/F342、外部I/F343を介してプロジェクタ100に入力された画像信号に基づく映像の投影を制御する。つまり、CPU341は、FPGA310のタイミングコントローラ311と相互に通信を行い、ビデオRAM345に一時的に保持されている画像信号に基づく映像の表示を制御する。
また、受光センサ400は、スキャナミラー372が走査を行う度(1画素を描画する度)に、つまり、図4に示されるPCLKの時間ΔT1が経過するタイミングで、反射光を受光する(センシングする)ように構成されている。
具体的には、CPU341が強度算出プログラム344bを実行すると、受光センサ400により検出され、増幅部410及び変換部420を介して入力される、反射光の受光量に応じたデジタル信号に基づいて、例えば、光束の時間積分等の演算処理を行うことで取得される光量を、各々の反射位置における反射光の強度として算出する。
具体的には、CPU341が強度算出プログラム344bを実行し、例えば、投影面123のある走査線(例えば、図3の外部障害物10を通過する走査線L)上における各々の位置での、受光センサ400より受光された反射光の強度が図6のような分布を取るものとする(図6における各点が各々の反射位置に対応する)。
この場合、CPU341は判断プログラム344dを実行し、各々の反射位置での反射光の強度と閾値データ344aの閾値との比較を、受光センサ400にて反射光が受光される度に行い、最初に閾値を超えたタイミング(つまり、図6における点Q1に相当する反射光が受光センサ400にて検出されたタイミング)で外部障害物10と判断する。
具体的には、CPU341が位置情報算出プログラム344dを実行すると、判断プログラム344cの実行により外部障害物10であると判断したタイミングに基づいて、受光センサ400がセンシングを開始してから上記判断を行うまでの経過時間を計数する。そして、上述のように受光センサ400は、スキャナミラー372が走査を行う度に反射光の受光を行うため、当該経過時間と、図4に示されるPCLKの時間ΔT1及びHSYNCの時間ΔT2と、の関係より、当該経過時間におけるスキャナミラー372の走査位置を特定することで、受光センサ400が外部障害物10からの反射光を受光した位置(位置情報)を算出することが出来る。
具体的には、CPU341が判断プログラム344cを実行し、外部障害物10が存在すると判断した場合、特定プログラム344eを実行し、各々の反射位置での反射光の強度が閾値を超えた時点から閾値を下回る時点まで(つまり、図6における点Q1から点Q2まで)、強度算出プログラム344bの実行により強度が算出される度に当該強度を記憶しておき、その記憶した強度からピーク値(つまり、図6における点Q4の値)を特定する。
具体的には、CPU341がベース値算出プログラム344hを実行すると、例えば、受光センサ400がセンシングを開始してから、判断プログラム344cの実行により外部障害物10が存在すると判断されるまで(つまり、図6における点Q1に相当する反射光が受光センサ400にて検出されるまで)の期間内に、強度算出プログラム344bの実行により各々の反射位置にて算出される強度を記憶しておき、当該記憶した強度の平均値をベース値として算出する。なお、当該ベース値は、初期状態では予め設定された値を有しており、ベース値算出プログラム344hの実行により新たなベース値が算出される都度、その算出された値に更新される。
ここで、例えば、図7に示されるように、投影面123のある走査線上における強度分布A1が、次フレームにて強度分布A1と同一走査線上の強度分布A2のように変化したものとする。
この場合、次フレームにおける判断プログラム344cの実行時に、もとの閾値を基準とした場合は点Q5にて外部障害物10であると判断されていたものが、新たな閾値の基では、点Q6にて外部障害物10であると判断されるようになる。つまり、前フレームにおける反射光の強度検出の結果を反映させた外部障害物10の検出が可能となる。
したがって、プロジェクタ100に入力される画像信号の変化や当該画像信号に基づく画像を投影する環境/条件の変化等により、受光センサ400にて受光される反射光の受光量にばらつきが生じたとしても、上記のように環境/条件の変化等に応じて逐次閾値が更新されることにより、外部障害物10の検出精度を維持することができる。
具体的には、CPU341がオフセットプログラム344iを実行すると、例えば、投影部380からレーザ光が出力されていない状態で、数走査線分等の反射光の強度を受光センサ400及び強度算出プログラム344bの実行等を介して取得し、当該取得した強度の平均からベース値を算出する。そして、CPU341は、スキャナミラー372による走査が数走査線分又は1フレーム分終了したタイミング等で、強度算出プログラム344bの実行により算出される強度を、そのベース値により補正する。
つまり、このような所定のタイミングで、反射光の強度のオフセットを実行することにより、投影面123上に生じる乱反射の影響等を好適に排除することが出来る。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態のプロジェクタ100において行われるゲイン調整処理の流れについて説明する。
次いで、CPU341は、強度算出プログラム344bを実行することにより、ステップS1にて受光センサ400が受光する反射光の強度を算出する(ステップS2)。
そして、CPU341は、1フレーム分終了していると判断した場合(ステップS4;Yes)、本処理を終了する。
一方で、CPU341は、1フレーム分終了していないと判断した場合(ステップS4;No)、ステップS1以降の処理を繰り返す。
次いで、CPU341は、閾値算出プログラム344fを実行し、ステップS6にて取得した反射光の強度のピーク値及びベース値に基づいて、新たな閾値を算出する(ステップS7)。
次いで、CPU341は、更新プログラム344gを実行し、閾値データ344aの閾値を、ステップS7にて算出された新たな閾値に更新する(ステップS8)。
一方で、CPU341は、オフセットするタイミングでないと判断した場合(ステップS9;No)、オフセットすることなく本処理を終了する。
つまり、プロジェクタ100によれば、ビームスプリッタ383によりスキャナミラー372で走査されるレーザ光が第1の方向と第2の方向とに分割して出力されるので、分割された一方のレーザ光を使用者の近辺に投影する(例えば、テーブル120上に投影する)ことにより、使用者の所望するポイントを容易に指示することができる。
また、CPU341が位置情報算出プログラム344dを実行することにより、判断プログラム344cを実行することで外部障害物10と判断したタイミングと、水平同期信号及び画素クロック信号に基づいて、外部障害物10の位置情報が算出できるので、外部障害物10の位置検出のための特別な構成を要しない。
さらに、CPU341は、閾値算出プログラム344fを実行することにより、特定プログラム344eの実行により特定されたピーク値と、反射光の強度のベース値と、に基づいて新たな閾値が算出され、更新プログラム344gの実行により、記憶部344に記憶された閾値を、上記算出された閾値に更新することができる。つまり、プロジェクタ100の使用環境/条件が変動しても、それに応じて判断プログラム344cを実行する際の判断基準となる閾値が逐次更新されるため、位置検出の精度を維持できる。
よって、本発明は、簡易な構成で外部障害物の位置検出を行い、かつ、使用環境/条件に左右されることなく、当該位置検出の精度を維持できるプロジェクタであるといえる。
つまり、プロジェクタ100の置かれる環境/条件のフレーム毎の変化に応じて閾値が更新されることになるので、外部障害物10の検出精度を、上記環境/条件に左右されることなく維持することができる。
つまり、CPU341が閾値算出プログラム344fを実行することにより閾値を算出する際のベース値を固定値とせず、上記強度の平均から算出することにより、プロジェクタ100の置かれる環境/条件を一層反映した閾値を算出することが可能となる。
つまり、所定のタイミングで、CPU341がオフセットプログラム344iを実行することにより、反射光の強度のオフセットをすることで、投影面123上に生じる乱反射の影響等を好適に排除することが出来る。
例えば、上記実施形態において、CPU341が判断プログラム344cを実行する際の外部障害物10と判断するタイミングは、最初に閾値を超えたタイミングに限られるものではない。例えば、各々の反射位置での反射光の強度が閾値を超えた時点から閾値を下回る時点まで(つまり、図6における点Q1から点Q2まで)のタイミングを記憶しておき、反射光の強度が閾値を超える範囲における中間地点(つまり、図6における点Q1から点Q3までの中間地点である点Q4)を抽出し、当該中間地点におけるタイミングで外部障害物10であると判断するものであってもよい。
さらに、上記実施形態において、スキャナミラー372としてガルバノミラーを例示しているが、レーザ光を2軸方向に独立して制御可能な2次元のMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを用いてもよい。
361,362 LD(レーザ光源)
372 スキャナミラー(走査部)
383 ビームスプリッタ
400 受光センサ
341 CPU(強度算出手段、判断手段、位置情報算出手段、特定手段、閾値算出手段、更新手段、ベース値算出手段、オフセット手段)
344 記憶部
344a 閾値データ344a
344b 強度算出プログラム(強度算出手段)
344c 判断プログラム(判断手段)
344d 位置情報算出プログラム(位置情報算出手段)
344e 特定プログラム(特定手段)
344f 閾値算出プログラム(閾値算出手段)
344g 更新プログラム(更新手段)
344h ベース値算出プログラム(ベース値算出手段)
344i オフセットプログラム(オフセット手段)
Claims (4)
- レーザ光を照射し、被投射面に画像を表示するためのプロジェクタであって、
前記レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光を走査する走査手段と、
前記走査手段により走査される前記レーザ光を、第1方向と第2方向とに分割して出力するビームスプリッタと、
前記走査手段により走査され、前記第1方向の前記被投射面の上方の外部障害物により反射された前記レーザ光を検出する受光センサと、
前記走査の水平同期信号及び画素クロック信号に基づいて、前記受光センサの受光タイミングにより前記外部障害物の位置を算出する算出手段と、
前記受光センサの強度に基づいて前記外部障害物を認識する判断手段と、
前記外部障害物を認識するための閾値を算出する閾値算出手段と、
前記閾値算出手段により算出された前記閾値をフレーム単位で更新する更新手段と、
を備え、
前記第1方向の前記被投射面に画像を表示するためのレーザ光と、前記外部障害物によって反射されて検出されるためのレーザ光とが、同一のレーザ光源によるものであることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記閾値算出手段は、1フレーム毎に、閾値を算出することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 前記閾値算出手段は、前記受光センサが受光した前記レーザ光の光強度において前記閾値をこえたピーク値と、前記閾値以下の前記光強度の平均値から算出されたベース値とを用いて、新たな閾値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロジェクタ。
- 前記新たな閾値は、前記ピーク値と前記ベース値の中間値に設定することを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
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