以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特別図柄が、図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。
特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置13の右方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では上側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では下側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、演出表示装置11の右方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図2に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32が装着されている。
サブ統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板32を制御する。また、演出表示制御基板32は、主制御基板30とサブ統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31及び演出表示制御基板32の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、普図当り判定用乱数、及び特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特別図柄による図柄変動ゲームでは、特別図柄の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特別図柄の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された変動パターンの一部について図3に従って説明する。
はずれ変動用の変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が定められている。通常変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過毎に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。また、はずれリーチ変動用の変動パターンP2,P3,P4は、変動内容に、リーチ形成後、最終停止図柄が導出されるまでの変動内容が異なる「リーチA」、「地図リーチ」、又は「地図経由リーチA」を含む変動パターンである。その一方で、大当り変動用の変動パターンP5,P6,P7は、変動内容に「リーチA」、「地図リーチ」、又は「地図経由リーチA」を含む変動パターンである。「リーチA」は、キャラクタKYをテーマとしたリーチ演出である一方で、「地図リーチ」は、キャラクタKYが登場せず、日本地図Mの特定地方が紹介されるリーチ演出内容である。また、「地図経由リーチA」は、キャラクタKYが特定地方を訪問するリーチ演出内容である(例えば、図7(b)参照)。
また、変動内容としての「リーチA」、「地図リーチ」、及び「地図経由リーチA」では、「リーチA」<「地図リーチ」<「地図経由リーチA」の順に大当り期待度が高く設定されている。「大当り期待度の高低」とは、大当り抽選で大当りに当選した場合にこれらの変動内容が対応付けられた変動パターンが選択されたことに基づいて演出が出現する割合と、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合にこれらの変動内容が対応付けられた変動パターンが選択されたことに基づいて演出が出現する割合をもとに算出される。そして、大当り抽選で大当りに当選した場合及び大当りに当選しなかった場合の全体の出現率に対して、大当り抽選で大当りに当選した場合の出現率が高くなるほど、大当り期待度の高い演出となる。つまり、本実施形態では、「リーチA」<「地図リーチ」<「地図経由リーチA」の順に大当り抽選で大当りに当選した場合に出現し易い。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値、リーチ判定値、及び普図当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜399迄の全400通りの整数)の中から定められている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムや各種のテーブルを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。演出振分用乱数は、図柄変動ゲームにおける遊技演出の演出内容を決定する際に用いる乱数である。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
次に、演出表示制御基板32について説明する。
演出表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31及び演出表示制御基板32が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。保留記憶数が4未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口15で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、始動入賞口15に遊技球が入球していない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球のうち、最も早く記憶した始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。
そして、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かの大当り判定をする。この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該特図振分用乱数の値をもとに特別図柄の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート19を遊技球が通過し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aがサブ制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として大当り図柄の図柄組み合わせを決定する。その一方で、統括制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。その一方、統括制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。
次に、演出表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。表示制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機では、変動内容として「地図リーチ」が対応付けられた変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかが選択された場合、複数の地方の中からいずれかの地方が決定されるようになっている。より詳しくは、はずれリーチ変動用の変動パターンP3,P4が選択された場合、予め定めたリセット条件が成立するまで、選択された地方が統括制御用RAM31cにて履歴として累積的に記憶保持される。そして、再度、変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかが選択された際には、統括制御用RAM31cに記憶されている記憶数に応じて、今回選択した地方を変更するか否かが決定される。なお、履歴の数が多いときには履歴と重複する地方が決定され易い一方で、履歴の数が少ないときには履歴と重複しない地方が決定され易くなっており、なるべく多くの地方を遊技者に視認させるような構成となっている。本実施形態では、変動パターンP3,P4,P6,P7が特定変動パターンに相当する。
以下、地図リーチの詳細内容について図4及び図7に従って説明する。
本実施形態における地方は、日本を9つの地方区分に分類している。具体的には、北海道(以下、地方K1と示す)、東北地方(以下、地方K2と示す)、関東地方(以下、地方K3と示す)が設定されている。さらに、中部地方(以下、地方K4と示す)、北陸地方(以下、地方K5と示す)、近畿地方(以下、地方K6と示す)、中国地方(以下、地方K7と示す)、四国地方(以下、地方K8と示す)、及び九州・沖縄地方(以下、地方K9)が設定されている。本実施形態では、選択された地方でリーチ演出が実行される遊技演出が実行されるようになっている。
そして、地図リーチが開始されると、図7(b)に示すように、画像表示部GHに白抜きかつ9つの地方に区分された日本地図Mが表示され、9つの地方のうちいずれかの地方が選択されると、選択された地方に該当する区分が点滅するようになっている。なお、本実施形態の地図リーチでは、前回選択された地方と今回選択された地方が重複する場合もあり得る。この場合も、選択された地方に該当する区分が点滅する。そして、実行中の地図リーチが終了した場合、画像表示部GHに表示されていた日本地図Mは非表示状態となるが、統括制御用RAM31cでは、変動パターンP3,P4が選択されているのであれば、選択された地方が履歴として記憶されている。したがって、再度、変動内容として「地図リーチ」が対応付けられた変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかが選択された場合、画像表示部GHに日本地図Mが表示されるが、前回選択された地方が履歴として記憶されているため、履歴に対応する地方が色付けされた状態で表示されることになる(図7(e)参照)。
このように、選択済み(以下の説明では、「実行済み」と示す場合がある)の地方に対応する地方を色付けして区別することにより、日本地図Mにおいて色付けされた地方が存在するか否かを視認するだけで、遊技者に実行済みの地方を認識させることができる。その一方で、今回選択された地方に対応する区分は、点滅表示されるので、遊技者に今回選択された地方を認識させることができる。そして、本実施形態の地図リーチでは、大当り抽選に当選した場合、又は全ての地方が選択された場合に、統括制御用RAM31cに記憶された履歴がリセットされるようになっている。また、本実施形態の地図リーチでは、遊技者にとって有利な遊技状態(本実施形態では、大当り抽選に当選すること)が付与される場合には、結果的に統括制御用RAM31cに記憶された履歴の種類が多くなるように設定されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機では、地方を選択した後に現在の履歴数を確認し、その履歴数に応じて地方を選択するための選択条件を変更するか否かを決定する。そして、選択条件を変更する場合には、変更後の選択条件に従って新たな地方が選択されるようになっている。なお、選択条件とは、統括制御用RAM31cに記憶されている記憶数が規定数以下であるか否かの判定結果に応じて差別化された演出内容の選択方法である。
以下、変動内容として「地図リーチ」が対応付けられた変動パターンが選択された際に地方を決定するために、統括制御用CPU31aが実行する地方決定処理の流れについて図5及び図6に従って説明する。
統括制御用CPU31aは、変動内容として「地図リーチ」が対応付けられた変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかを指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合に、図5及び図6に示す地方決定処理を実行するようになっている。
地方決定処理において統括制御用CPU31aは、まず、9つの地方のうちいずれかの地方を抽選によって選択する(ステップS10)。なお、ステップS10で行われる抽選は、統括制御用CPU31aが、統括制御用RAM31cから読み出して取得した演出振分用乱数の数値に基づいて行われる。具体的には、地方K1〜K9のうちいずれかを選択可能となるように、各地方K1〜K9に対して演出振分用乱数の取り得る数値が所定個数ずつ振分けられた抽選テーブルが設定されている(図示せず)。そして、統括制御用CPU31aは、抽選テーブルの中から、取得した演出振分用乱数に基づいて地方を選択する。なお、抽選テーブルでは、地方K1〜K9のうちいずれかが選択される確率が略同確率となるように演出振分用乱数の数値が振分けられている。また、前述した9つの地方は、変動パターンP3,P4,P6,P7のうちどの変動パターンが指示された場合であっても選択可能にしているため、選択肢としての地方K1〜K9が、選択グループに相当する。
そして、統括制御用CPU31aは、選択した地方が履歴と重複しているか否かを確認する(ステップS11)。具体的には、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの実行済みフラグにセットされた値を参照し、選択した地方が履歴と重複しているか否かを確認する。なお、実行済みフラグとは、既に実行した地方を特定するためのフラグである。
本実施形態において統括制御用CPU31aは、地方を決定した後、決定した地方を指示する指示データとしての実行指示コマンドを送信バッファにセットする。なお、実行指示コマンドとは、選択した地方を演出表示制御基板32に指示するためのコマンドであり、具体的なコマンド構成については後述する。そして、統括制御用CPU31aは、タイマ割り込み処理中のコマンド出力処理において、次回以降の制御周期で演出表示制御基板32に出力するようになっている。このとき、統括制御用CPU31aは、実行指示コマンドを送信バッファにセットするとともに、送信バッファにセットした実行指示コマンドで特定される地方に対応する値を実行済みフラグにセットするようになっている。例えば、実行済みの地方が存在しない場合には「0」がセットされる一方で、地方K1が決定された場合には「1」がセットされる。また、地方K2が決定された場合には「2」がセットされる一方で、地方K3が決定された場合には「3」がセットされる。なお、実行済みの地方が複数存在する場合、実行済みフラグには実行済みの地方に対応する数だけ値がセットされることになる。例えば、地方K1及び地方K2が実行済みであった場合、実行済みフラグには「1」と「2」がセットされる。
ステップS11の説明に戻り、ステップS11の判定結果が肯定の場合、すなわち、ステップS10で選択した地方が履歴と重複している場合、統括制御用CPU31aは、実行済みの地方の合計数が第1規定数(本実施形態では5つ)以下であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、ここで言う「実行済みの地方」とは、実行済みの地方の種類を指し、例えば、地方K1が2回の図柄変動ゲームで出現した場合、実行済みの地方の数は「2」ではなく、「1」となる。このとき、統括制御用CPU31aは、ステップS11と同様、実行済みフラグの値を確認することで、実行済みの地方の合計数を把握する。ステップS12の判定結果が肯定(実行済みの地方の数≦5)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算する(ステップS13)。
図4に示すように、本実施形態における実行指示コマンドは、上位バイト「B4H」(1バイト目)と下位バイト「00H」〜「08H」(2バイト目)からなる2バイトの制御データで構成されている。具体的には、地方K1を指示する実行指示コマンドを「B4H00H」として先頭に設定している。そして、地方K2よりも1つ北の地方である地方K1を指示する実行指示コマンド「B4H00H」の下位バイト「00H」から一定値(+1)オフセットすることで特定される「B4H01H」を、地方K2を指示する実行指示コマンドとして設定している。以下同様に、本実施形態では、先頭である「B4H00H」から一定値ずつオフセットされることで、次の実行指示コマンドの下位バイトが特定されるように序列している。
したがって、ステップS13においてステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算した場合、ステップS10で選択した地方よりも1つ南に位置する地方が新たに選択されることになる。例えば、ステップS10で地方K1が選択された場合、ステップS13において統括制御用CPU31aは、地方K1を特定する「B4H00H」の下位バイトに1加算することで「B4H01H」を算出するので、結果的に地方K2を選択したことになる。なお、ステップS10で地方K9が選択された場合、地方K9を特定する「B4H08H」の下位バイトに1加算することで「B4H09H」を算出することになる。ところが、本実施形態において「B4H09H」を設定していないため、下位バイトを1加算した結果として「B4H09H」を算出した場合、統括制御用CPU31aは、先頭に戻って地方K1を選択する。また、ステップS13では、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算することで新たな地方を選択しているので、結果的にステップS10で選択した地方の近郊が選ばれることになる。
ちなみに、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算することで新たに選択された地方は、ステップS10で選択された地方とは異なる地方である。ただし、本実施形態では、下位バイトに1加算してステップS10で選択した地方とは異ならせているため、ステップS13で選択された地方が、既に履歴として記憶されている地方と重複していることもある。
その後、統括制御用CPU31aは、図6に示すステップS14に移行し、ステップS13で新たに選択した地方に対応する実行指示コマンドを送信することを確定する。そして、統括制御用CPU31aは、ステップS13で選択した地方を指示する実行指示コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS14の処理を実行した統括制御用CPU31aは、ステップS15に移行する。ステップS15において統括制御用CPU31aは、変動内容として「地図リーチ」が対応付けられた大当り変動用の変動パターンP6,P7が指示されていたか否かを確認する。この判定結果が肯定(変動パターンP6,P7が指示されていた)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS17に移行する。
その一方で、ステップS15の判定結果が否定(変動パターンP6,P7が指示されていなかった)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS14で確定した地方によって、全ての地方が選択されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において統括制御用CPU31aは、ステップS11,S12と同様、実行済みフラグの値を確認することで、実行済みの地方の合計数を把握する。そして、ステップS16の判定結果が肯定(全ての地方が選択された)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS17に移行する。
ステップS17において統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定された実行済みフラグの値をリセットする。つまり、今回の変動で大当り変動用の変動パターンP6,P7が選択された場合、又は今回の変動で全ての地方が選択された場合、これまで履歴として記憶されていた選択内容がリセットされることになる。なお、統括制御用CPU31aは、実行中の図柄変動ゲームの終了後に実行済みフラグの値をリセットすることになる。したがって、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、実行済みフラグの値をリセットする。また、実行済みフラグの値をリセットした統括制御用CPU31aは、日本地図Mを初期段階(白抜きの状態)に戻すことを指示するリセット指示コマンドを演出表示制御基板32に出力する。
本実施形態では、大当り変動用の変動パターンP6,P7が選択されること又は全ての地方が選択されることが、リセット条件の成立に相当する。加えて、本実施形態では、電源投入時には必ず統括制御用RAM31cに記憶された実行済みフラグの値がリセットされるようになっている。
なお、ステップS16の判定結果が否定(全ての地方が選択されていない)の場合、統括制御用CPU31aは、地方決定処理を終了する。すなわち、大当り抽選に当選しておらず、かつ全ての地方が選択されていないときには、実行済みフラグの値がリセットされないため、次回、変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかが選択された場合、日本地図Mにおいて実行済みフラグにセットされた値に対応する地方が色付きで表示された状態から図柄変動ゲームが開始されることになる。
その一方で、ステップS12の判定結果が否定(実行済みの地方の数>5)の場合、統括制御用CPU31aは、今回の変動で大当り変動用の変動パターンP6,P7が指示されていたか否かを確認する(ステップS18)。この判定結果が肯定(変動パターンP6,P7が指示されていた)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS10で選択した地方を変更するか否かを決定する(ステップS19)。
ステップS19において統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cから読み出して取得した乱数の数値に基づいて変更するか否かの抽選を行う。本実施形態では、「変更しない」が3/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている一方で、「変更する」が8/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられており、「変更しない」場合よりも「変更する」場合が多くなるようになっている。そして、ステップS19の判定結果が肯定(変更する)の場合、統括制御用CPU31aは、未選択の地方を選択する(ステップS20)。具体的には、統括制御用CPU31aは、実行済みフラグの値を確認し、実行済みフラグにセットされていない値に対応する地方を選択する。これにより、本実施形態では、ステップS10で選択した地方が履歴と重複しており、かつ実行済みの地方の数が5つよりも多かった場合、今回の変動が大当り変動用の変動パターンP6,P7に基づいて実行されるのであれば、最終的に履歴と重複しない地方のリーチ演出を経て大当りの図柄組み合わせが導出され易くなる。その後、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行する。つまり、ステップS20で選択される地方は、ステップS13で選択される地方とは異なり、既に履歴として記憶されている地方とは重複していない地方となる。
その一方で、ステップS18の判定結果が否定(変動パターンP6,P7が指示されていない)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行する。すなわち、統括制御用CPU31aは、今回の変動が変動パターンP3,P4に基づいて実行されるときには、ステップS10で選択した地方を変更しないことになる。また、ステップS19の判定結果が否定(変更しない)の場合も、統括制御用CPU31aは、ステップS10で選択した地方を変更することなく、ステップS14に移行する。
つまり、本実施形態では、選択された地方が履歴と重複していた場合(ステップS11を肯定判定)、実行済みの地方の数が第1規定数以下か否かが判定される。そして、実行済みの地方の数が規定数以下であれば(ステップS12を肯定判定)、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算することで、新たな地方が決定されることになる(ステップS13)。その一方で、選択された地方が履歴と重複していた場合(ステップS11を肯定判定)、実行済みの地方の数が第1規定数よりも多いのであれば(ステップS12を否定判定)、今回の変動が大当り変動用の変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームであるか否かに応じてステップS10で選択した地方を変更するか否かが決定される。今回の変動が大当り変動用の変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームである場合(ステップS18を肯定判定)、選択した地方を変更するか否かが抽選で決定され、変更することが決定されたときには、現時点で未選択の地方が決定される(ステップS20)。その一方で、今回の変動が変動パターンP3,P4に基づく図柄変動ゲームである場合(ステップS18を否定判定)、ステップS10で選択した地方は変更されない(ステップS14)。したがって、新たに選択された地方が履歴と重複していた場合、実行済みの地方が多いほど重複する地方が選ばれ易い一方で、実行済みの地方が少ないほど、実行済みの地方とは異なる地方が新たに選ばれ易くなり、遊技者により多くの地方を視認させることができる。本実施形態では、ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14の流れが第1選択条件に相当する。また、ステップS11→ステップS12→ステップS18→ステップS14の流れ、及びステップS11→ステップS12→ステップS18→ステップS19→ステップS14の流れが第2選択条件に相当する。
一方、ステップS11の判定結果が否定(選択した地方が履歴と重複していない)の場合、統括制御用CPU31aは、実行済みの地方の合計数が第1規定数(本実施形態では5つ)以下であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定(実行済みの地方の数≦5)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行して、選択した地方を変更することなく、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドを送信バッファにセットする。つまり、本実施形態では、ステップS10で選択した地方に関して、実行済みの地方の数が5つ以下である場合には、変動パターンに種類にかかわらず選択した地方を確定しているため、5つまでは到達し易くなっている。
その一方で、ステップS21の判定結果が否定(実行済みの地方の数>5)の場合、統括制御用CPU31aは、実行済みの地方の合計数が第2規定数(本実施形態では8つ)であるか否か、つまり、今回の変動で選択した地方が残り1つの地方であるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が否定(5<実行済みの地方の数<8)の場合、今回の変動で選択した地方が残り1つの地方ではないことになる。したがって、統括制御用CPU31aは、ステップS10で選択した地方を変更するか否かを決定する(ステップS23)。
ステップS23において統括制御用CPU31aは、今回の変動で選択された変動パターンの種類及び統括制御用RAM31cから読み出して取得した乱数の数値に基づいて変更するか否かの抽選を行う。本実施形態では、大当り変動用の変動パターンP6,P7に対して、「変更しない」が7/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている一方で、「変更する」が4/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられており、「変更する」場合よりも「変更しない」場合が多くなるようになっている。一方、はずれリーチ変動用の変動パターンP3,P4に対して、「変更しない」が2/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている一方で、「変更する」が9/11の確率で選択されるように乱数の値が振分けられており、「変更しない」場合よりも「変更する」場合が多くなるようになっている。また、大当り変動用の変動パターンP6,P7が選択された場合よりも、はずれリーチ変動用の変動パターンP3,P4が選択された場合の方が、ステップS10で選択した地方が変更され易くなるように乱数の値が振分けられている。
そして、ステップS23の判定結果が否定(変更しない)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行して、選択した地方を変更することなく、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドを送信バッファにセットする。その一方で、ステップS23の判定結果が肯定(変更する)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS13同様、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算して、新たな地方を選択する(ステップS24)。その後、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行する。
つまり、本実施形態では、選択された地方が履歴と重複していなかった場合(ステップS11を否定判定)、実行済みの地方の数が第1規定数以下であれば(ステップS21を肯定判定)、ステップS10で選択した地方が決定される(ステップS14)。その一方で、選択された地方が履歴と重複しておらず、(ステップS11を否定判定)、かつ選択された地方が残り1つの地方ではない場合(ステップS22を否定判定)、ステップS10で選択した地方を変更するか否かを抽選で決定する(ステップS23)。この抽選で「変更しない」が決定されたときには、ステップS10で選択した地方が決定される(ステップS14)。その一方で、「変更する」が決定されたときには、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算することで、ステップS10で選択した地方とは異なる地方が新たに決定される(ステップS24)。したがって、新たに選択された地方が履歴と重複していない場合、実行済みの地方が少ないほど、実行済みの地方とは異なる地方が選ばれ易い一方で、実行済みの地方が多いほど、実行済みの地方と重複する地方が新たに選ばれ易くなる。本実施形態では、ステップS11→ステップS21→ステップS14の流れが第3選択条件に相当する。また、ステップS11→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS14の流れが第4選択条件に相当する。また、本実施形態では、地方の増加態様も大当り変動用の変動パターンが指示されているか否かによって異なってくるため、増加態様によって大当り期待度が示唆されるとも言える。なお、「地方の増加態様」とは、例えば、実行済みの地方の数が5つ以下には到達し易いが、はずれリーチ変動用の変動パターンが選択されているときにはそれ以上の個数に増加し難いなどの態様が相当する。
一方、ステップS22の判定結果が肯定(実行済みの地方の数=8)の場合、今回の変動で選択した地方が残り1つの地方となる。したがって、統括制御用CPU31aは、ステップS23同様、ステップS10で選択した地方を変更するか否かを決定する(ステップS25)。ステップS25において統括制御用CPU31aは、図3に示す実行可否決定テーブルを用いてステップS10で選択した地方を変更するか否かを決定する。図3では、変動パターンP3,P4,P6,P7に対して、「変更する」又は「変更しない」を選択可能となるように、残り1つの地方を変更するか否かを決定する際に用いられる乱数の取り得る数値(0〜100までの全101通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、はずれリーチ変動用の変動パターンP3には、「変更する」のみが選択されるように乱数の値が振分けられている。その一方で、はずれリーチ変動用の変動パターンP4には、「変更する」が13/101の確率で選択されるとともに「変更しない」が88/101の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている。
また、大当り変動用の変動パターンP6には、「変更する」が21/101の確率で選択されるとともに「変更しない」が80/101の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている。また、大当り変動用の変動パターンP7には、「変更する」が6/101の確率で選択されるとともに「変更しない」が95/101の確率で選択されるように乱数の値が振分けられている。つまり、大当り抽選に当選している場合、大当り抽選に当選していない場合に比して、ステップS10で選択した地方が変更されずに、残り1つの地方が出現し易い。また、大当り期待度が高く設定された変動パターン(変動パターンP4,P7)が選択された場合、大当り期待度が前記変動パターンP4,P7よりも低く設定された変動パターン(変動パターンP3,P6)が選択された場合に比して、残り1つの地方が出現し易い。このような設定とすることで、大当り抽選に当選している場合であっても残り1つの地方が決定されない場合もあるため、全部の地方が選択されなかったとしても大当りとなることに期待を持たせることができる。
そして、ステップS25の判定結果が肯定(変更する)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS24に移行して、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算して、新たな地方を選択する。その後、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行する。その一方で、ステップS25の判定結果が否定(変更しない)の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS14に移行して、選択した地方を変更することなく、ステップS10で選択した地方を指示する実行指示コマンドを送信バッファにセットする。
前述したように、統括制御用CPU31aは、変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかの変動パターンが指示される度に図5及び図6に示す地方決定処理を実行する。このとき、統括制御用CPU31aは、ステップS12,S21,S22において、実行済みフラグの値で特定される地方の種類を確認しているため、実行済みフラグの値で特定される地方を示す実行済みコマンドを、次回以降の制御周期で演出表示制御基板32に出力する。図4に示すように、統括制御用CPU31aは、「地方K1」を決定した場合、実行済みコマンドとして「B4H21H」を、「地方K2」を決定した場合、実行済みコマンドとして「B4H22H」を演出表示制御基板32にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU31aは、ステップS25の判定結果が否定(変更しない)の場合、全ての地方が選択されたことを示す制覇画像(図7(i)において「COMPLETE!!」で示すメッセージ画像)を表示させるための制覇指示コマンドを次回以降の制御周期で演出表示制御基板32に出力する。本実施形態では、ステップS11→ステップS21→ステップS22→ステップS25→ステップS24→ステップS14の流れが第5選択条件に相当する。
本実施形態では、変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれかが指示された際に、地方K1〜K9の中からいずれかを選択する統括制御用CPU31aが、演出内容選択手段として機能する。実行済みフラグが設定される統括制御用RAM31cが記憶手段として機能する。さらに、実行済みフラグの値を参照して選択条件を変更する統括制御用CPU31aが、変更手段として機能する。また、統括制御用CPU31aは、演出制御手段としても機能する。
次に、地図リーチを実行するために表示制御用CPU32aが実行する制御内容について説明する。
表示制御用CPU32aは、実行指示コマンドを入力する度に、指示されたコマンドで特定される地方に対応する区分を点滅表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。その一方で、表示制御用CPU32aは、実行済みコマンドを入力する度に、指示されたコマンドで特定される地方に対応する区分を色付けした状態で表示させる。また、表示制御用CPU32aは、制覇指示コマンドを入力すると、所定時間の経過後、より詳しくは、リーチ演出中であって、選択された地方にキャラクタKYが訪問する演出の終了後に制覇画像を表示させる。また、表示制御用CPU32aは、制覇画像を表示させた後、又は大当り変動用の変動パターンP6,P7が指示された場合、リーチ演出が発展することを示す発展画像(図7(j)参照)を表示させる。なお、表示制御用CPU32aは、大当り変動用の変動パターンP6,P7が指示されている場合、制覇指示コマンドを入力していなくても発展画像を表示させる。また、表示制御用CPU32aは、リセット指示コマンド入力すると、次回、地図リーチが実行されるときには白抜きの日本地図Mから図柄変動ゲームを開始させる。本実施形態では、表示制御用CPU32aが演出制御手段として機能する。
以下、演出表示装置11において地図リーチが実行された際の遊技の流れを図7及び図8に従って説明する。
まず、電源投入後、今回の変動で初めて変動パターンP3,P4,P6,P7のうちいずれか(この例では変動パターンP4)が選択されたとする。このとき、地方K1を選択したとすると、実行済みフラグには実行済みの地方を特定する値が設定されていないため、統括制御用CPU31aは、選択した地方K1を変更しない(図5のステップS21を肯定判定)。この場合、図7(a)に示すように、演出表示装置11においてリーチ状態が形成された後、図7(b)に示すように地方K1が点滅表示されるとともに、キャラクタKYが地方K1を訪問している演出(例えば、草原など)が実行される。
リーチ演出の終了後、変動パターンP4に定められた変動時間が経過すると、図7(c)に示すようにはずれリーチの図柄組み合わせ(この例では「343」)が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。このとき、統括制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが大当り変動ではなく、かつ全ての地方が選択されたわけではないので、実行済みフラグをクリアしない。なお、変動パターンP3,P4,P6,P7を除く変動パターン(例えば、変動パターンP1)に基づく図柄変動ゲームが複数回行われたとしても、これらの変動パターンには、地図リーチが対応付けられていない。この場合、演出表示装置11では地図リーチが行われないが、実行済みフラグの値は変化しない。
そして、再度、変動パターンP4が選択されたとする。このとき、地方K8を選択したとすると、実行済みフラグには地方K1に対応する値「1」が設定されているだけであって、今回の変動で選択した地方K8に対応する値「8」が設定されておらず、かつ実行済みの地方の数が5つ以下であるため、統括制御用CPU31aは、選択した地方K8を変更しない(図5のステップS21を肯定判定)。この場合、図7(d)に示すように、演出表示装置11においてリーチ状態が形成された後、図7(e)に示すように地方K8が点滅表示される。なお、この時点では実行済みフラグに地方K1に対応する値が設定されているため、日本地図Mにおいて地方K1に対応する区分が色付けされた状態で地方K8に対応する区分が点滅表示されることになる。そして、地方K8に対応する区分の点滅表示とともに、キャラクタKYが地方K8を訪問している演出(例えば、海など)が実行される。
リーチ演出の終了後、変動パターンP4に定められた変動時間が経過すると、図7(f)に示すようにはずれリーチの図柄組み合わせ(この例では「232」)が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。このとき、統括制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが大当り変動ではなく、かつ全ての地方が選択されたわけではないので、実行済みフラグをクリアしない。
その後、ここには図示しないが、はずれリーチ変動用の変動パターンP3,P4が選択された場合、今回選択された地方の種類と実行済みの地方の数によって、今回選択した地方を変更するか否かが決定される。具体的に説明すると、今回の変動で地方K8が選択され、かつ実行済みの地方の数が地方K8を含んで5つであった場合、地方K8を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算される。これにより、地方K8に代えて地方K9が新たに選択されることになる(ステップS11→ステップS12→ステップS13)。このとき、地方K9が実行済みであれば、色付けされている地方K9に対応する区分が点滅表示される一方で、地方K9が実行済みでなければ、遊技者は地方K9のリーチ演出を始めて視認することができる。また、今回の変動で地方K6が選択されるとともに、地方K6が履歴と重複しておらず、かつ実行済みの地方の数が6つであった場合、地方K6を変更するか否かが抽選で決定される。そして、変更することが決定された場合には、地方K6を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算される。これにより、地方K6に代えて地方K7が選択されることになる(ステップS11→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24)。一方、変更しないことが決定された場合には、地方K7を変更しない(ステップS11→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS14)。
その後、大当り変動用の変動パターンP7が選択されたとする。このとき、地方K4が選択されるとともに、実行済みフラグには地方K4に対応する値「4」を除く全ての値(「1」〜「3」,「5」〜「9」)が設定されていたとする。この場合、今回の変動で選択されたK4が残り1つの地方となるため、選択した地方K4を変更するか否かが抽選で決定される。このとき、「変更しない」ことが決定されたとすると(ステップS25を否定判定)、図7(g)に示すように、演出表示装置11においてリーチ状態が形成された後、図7(h)に示すように地方K4が点滅表示される。なお、この時点では実行済みフラグに地方K4を除く地方K1〜K3,K5〜K7に対応する値が設定されているため、日本地図Mにおいて地方K1〜K3,K5〜K7に対応する区分が色付けされた状態で地方K4に対応する区分が点滅表示されることになる。そして、地方K4に対応する区分の点滅表示とともに、キャラクタKYが地方K4を訪問している演出(例えば、城など)が実行される。
キャラクタKYが地方K4を訪問している演出が実行された後、図7(i)に示すように「COMPLETE!!」で示すメッセージ画像が表示される。その後、図7(j)に示すように、リーチ演出が発展することを示す発展画像が表示された後、図7(k)に示すように、再度、リーチ演出が実行され、リーチ演出の終了後、変動パターンP7に定められた変動時間が経過すると、図7(l)に示すように大当りの図柄組み合わせ(この例では「555」)が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。このとき、統括制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが大当り変動であるため、実行済みフラグをクリアする。
一方、実行済みフラグに記憶されている実行済みの地方の数が8つであるときに、はずれリーチ変動用の変動パターンP4が選択されるとともに、地方K4が選択されたとする。この場合、選択した地方K4を変更するか否かの抽選で「変更しない」ことが決定されたときには(ステップS25を否定判定)、図7(h)に示す「COMPLETE!!」で示すメッセージ画像及び図7(j)に示す発展画像が表示される。ただし、はずれリーチ変動用の変動パターンP4が選択されたことにより、「COMPLETE!!」で示すメッセージ画像が表示されたとしても、大当りの図柄組み合わせは導出されない(図7(m)参照)。また、統括制御用CPU31aは、全ての地方が選択されたため、実行済みフラグをクリアする。
次に、図8に示す遊技の流れについて説明する。なお、図8(a)は、図7(f)の続きとなっている。
図7(f)に示すように変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームの終了後にはずれリーチ変動用の変動パターンP3,P4が複数回選択されたことによって、実行済みの地方の数が4つになったとする。そして、この状態で大当り変動用の変動パターンP7が選択されたとする。このとき、地方K5が選択されるとともに、実行済みフラグには地方K5に対応する値「5」が設定されていなかったとする。この場合、前述したように実行済みの地方の数が4つであるため、統括制御用CPU31aは、地方K5を変更しない(図5のステップS21を肯定判定)。
これにより、演出表示装置11では、図8(a)に示すように、リーチ状態が形成された後、図8(b)に示すように地方K5が点滅表示される。なお、この時点では実行済みフラグに地方K1〜K4に対応する値が設定されているため、日本地図Mにおいて地方K1〜K4に対応する区分が色付けされた状態で地方K5に対応する区分が点滅表示される。そして、地方K5に対応する区分の点滅表示とともに、キャラクタKYが地方K5を訪問している演出(例えば、雪など)が実行される。
その後、全ての地方が選択されていないため、図7(i)に示す「COMPLETE!!」で示すメッセージ画像は表示されないが、図8(c)に示すように、発展画像が表示される。そして、図8(d)に示すように、再度、リーチ演出が実行され、リーチ演出の終了後、変動パターンP7に定められた変動時間が経過すると、図8(e)に示すように大当りの図柄組み合わせ(この例では「333」)が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。このとき、統括制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが大当り変動であるため、実行済みフラグをクリアする。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)特定変動パターン(変動パターンP3,P4,P6,P7)が選択される度に、統括制御用RAM31cに記憶された演出内容(地方K1〜K9)を参照して、今回の選択条件(統括制御用RAM31cに記憶されている記憶数が規定数以下であるか否かの判定結果に応じて差別化された演出内容の選択方法)を変更可能とした。そして、選択条件を変更したときには、その選択条件に従って演出内容を選択するようにした。これにより、同じ演出内容ばかりが選択されてしまうことを防ぐとともに、遊技者に有利な遊技状態とならないにもかかわらず(実施形態では、大当り抽選に当選すること)、実行済みの演出内容の種類が多くなってしまうことを防ぐことができる。したがって、演出内容がなるべく偏らないようにすることができるため、複数回の図柄変動ゲームに跨って遊技者の期待感を保つことができる。
(2)第1選択条件に従って演出内容を選択する場合、実行済みの遊技演出が第1規定数(実施形態では、5つ)以下の場合には選択した演出内容とは異なる演出内容に変更する。したがって、第1選択条件によれば、実行済みの演出内容が少ない場合には、なるべく多くの種類の遊技演出を遊技者に視認させることができる。その一方で、実行済みの遊技演出が多くなるほど遊技者にとって有利な状態となることに期待させてしまうことになるので、第2選択条件に従って演出内容を選択する場合、実行済みの演出が第1規定数よりも多い場合には、実行済みの演出内容を選択したとしても選択された演出内容を変更しない。これにより、はずれとなるときには全ての演出を実行させ難くすることができ、結果的に、演出内容がなるべく偏らないようにすることができるようになり、複数回の図柄変動ゲームに跨って遊技者の期待感を保つことができる。
(3)第3選択条件に従って演出内容を選択する場合、未実行の演出内容が選択された場合であっても、実行済みの遊技演出が第1規定数以下の場合には選択した演出内容を変更しない。これにより、実行済みの演出内容が少ない場合には、なるべく多くの種類の遊技演出を遊技者に見せることができる。その一方で、実行済みの遊技演出が多くなるほど遊技者にとって有利な状態となることに期待させてしまうことになるので、第4選択条件に従って演出内容を選択する場合、実行済みの演出が第1規定数よりも多いときは、選択された演出内容を変更するか否かを抽選で決定する。そして、変更することを決定した場合には選択された演出内容とは異なる演出内容に変更することで、記憶済みの演出内容と同一内容が選択されることもあるので、結果的に、演出内容がなるべく偏らないようにすることができるようになり、複数回の図柄変動ゲームに跨って遊技者の期待感を保つことができる。
(4)第5選択条件に従って演出内容を選択する場合、新たに選択された演出内容が残り1つの演出内容であるときには、遊技者にとって有利な状態が付与されるか否かに応じて、残り1つの演出内容を変更するか否かを決定する際の抽選確率を異ならせているため、この抽選確率に従って残り1つの演出内容を変更するか否かが決定される。これにより、遊技者にとって有利な状態が付与される場合であっても、必ずしも全ての演出内容が出現するとは限らないので、全ての演出内容が選択されなかった場合であっても、遊技者にとって有利な状態となることに期待を持たせることができる。
(5)第5選択条件に従って演出内容を選択する場合、遊技者にとって有利な遊技状態が付与される場合よりも付与されない場合に、今回選択された演出内容が残り1つの演出内容であっても、高確率で演出内容が変更されるように設定した。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態が付与される場合には、選択グループとして設定された全ての演出内容が出現し易くなるため、全ての演出内容を視認させたいという遊技者の挑戦心を向上させることができ、遊技者に継続して遊技を行わせることができる。
(6)第4選択条件に従って演出内容を選択する場合、実行済みの演出内容が多い場合には、未実行の演出内容を選択し難くなるので、選択した演出内容を変更しない確率よりも変更する確率が高くなるように設定することで、記憶済みの演出内容と同一内容が、再度、選択されることもある。その結果、演出内容がなるべく偏らないようにすることができるようになり、複数回の図柄変動ゲームに跨って遊技者の期待感を保つことができる。
(7)選択された演出内容とは異なる演出内容を選択するときには、選択した演出内容を指示する指示データ(実行指示コマンド)に一定値(実施形態では、「1」)をオフセットした値で特定される指示データで指示される演出内容を選択するようにした。このようにすることで、選択した演出内容が実行済みであった場合、未実行の演出内容が選ばれるまで抽選を何度も繰り返して行う場合よりも、演出内容を再選択するために要する制御負担を軽減させ得る。
(8)実行指示コマンドを日本地図の北から順に対応付けるとともに、実行指示コマンドの下位バイトに一定値をオフセットすることで、ステップS10で決定した地方の近郊に位置する地方が新たに選択されることになる。これにより、地図リーチが選択されたときにキャラクタKYが訪問する地方の移動に際して統一感を与えることができる。すなわち、地方K1→地方K4→地方K9といったような訪問先にまとまりがない態様よりも、色付きで表示されている地方の周囲が選択された方が、まとまった印象を与えることができる。
(9)実行済みの演出内容を選択した場合であっても、今回の変動が大当りとなるのであれば、未選択の演出内容を選択させるようにした(図5のステップS20)。これにより、大当りとなるときには、同一の演出内容の重複を少なくし、なるべく多くの演出内容を遊技者に視認させることができる。また、実際は大当り抽選に当選していない場合であって、偶然、未選択の地方が選択された場合であっても、未選択の地方が選択された際には、大当りとなることに期待を持たせることができる。すなわち、未選択の地方が選択されることを大当りとなることに直結して印象付けることができる。
(10)大当り期待度が高い変動パターン(変動パターンP4,P7)が選択された場合、大当り期待度が低い変動パターン(変動パターンP3,P6)が選択された場合に比して、残り1つの地方が出現し易くなるように乱数値を振分けて設定した。このような設定とすることで、大当り抽選に当選していない場合であっても、全ての地方が選択されたときには、遊技者にとって有利な展開に発展することになり、大当りに期待を持たせることができる。
(11)大当り抽選に当選した際には、全ての地方が選択されていない状態であっても履歴をリセットするようにした。これにより、大当り遊技終了後には、再度、全ての地方を出現させようと挑戦させることができる。
(12)複数の特定変動パターン(変動パターンP3,P4,P6,P7)において、選択グループ(地方K1〜K9)を共通化した。これにより、変動パターンに定められる演出内容に共通部分(地図リーチ)があるが、変動時間が異なるなどして変動パターンを共通化できなかったとしても、演出内容に共通部分が設定されていることで選択グループを共通化することができるので、データの記憶領域の削減に繋がる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 実施形態において実行済みコマンドを省略し、履歴を確認する際には、地方決定処理を実行する度に統括制御用RAM31cに設定されている実行済みフラグの値を確認するようにしても良い。
・ 実施形態では、大当り抽選に当選せずに全ての地方が選択されたときだけリセット指示コマンドを出力するようにしても良い。すなわち、大当り抽選に当選したことを契機に履歴をリセットする場合、大当り遊技の開始を指示するオープニングコマンドを入力したことを契機に履歴をリセットしても良い。また、制覇指示コマンドにリセット指示を含ませても良い。
・ 実施形態における履歴のリセット条件(大当り抽選への当選を除く)は、遊技を行っている遊技者が新たな遊技者に替わったこととしても良い。なお、遊技者が替わったことを判定するための手法としては、遊技者の身体的特徴(身長、体重など)を検知するセンサを設けることとしても良い。また、図柄変動ゲームの終了後に始動保留球の記憶数が零となる場合に生起される待機状態が発生してから所定時間(例えば、1時間)が経過したことなどとしても良い。また、遊技者が操作可能な演出用操作手段(演出用操作ボタンなど)を設け、待機状態の発生に伴って実行されるデモンストレーション演出中に、履歴を消去するか否かを選択させる選択画面を演出表示装置11に表示し、演出用操作手段の操作によって履歴を消去するか否かを選択させる態様としても良い。
・ 実施形態における地方の選択方法として、新たな地方を選択する際には、未選択の地方を選択するまで抽選でランダムに選択する方法であっても良い。
・ 実施形態における地方の選択方法として、前回選択された地方に応じて設定された選択テーブルを設定しても良い。例えば、今回の変動で「地方K1」を選択した場合、次回の変動では、選択肢として「地方K1」を除く「地方K2」〜「地方K9」で構成された選択テーブルの中から地方を選択させるようにしても良い。
・ 実施形態における地方の選択方法として、未選択の地方を選択するまで、実行指示コマンドの下位バイトに1加算し続ける方法であっても良い。
・ 実施形態における地方の選択方法として、実行済みの地方の数を参照するのではなく、具体的な演出内容を参照して新たな地方を選択させるようにしても良い。例えば、今回の変動で「地方K1」が選択されたときに、地方K1〜地方K5が履歴として記憶されていたとする。このような場合、地方K1を指示する実行指示コマンドの下位バイトに1加算すると、地方K2が指示されることになるが、具体的な履歴内容を考慮して、未選択である地方K6を選択させるようにしても良い。
・ 実施形態における遊技者にとって有利な状態は大当り抽選に当選することであったが、どのような特典であっても良い。例えば、大当り遊技を構成するラウンド数の多少としても良い。また、開閉羽根16の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が付与される図柄変動ゲーム数の違いとしても良い。また、選択された演出内容が多いほど、大当り確定となるとともに出現率が低いプレミア演出が実行される確率が高くなるようにしても良い。
・ 実施形態において、複数種類の大当りを設定し、大当りの種類に応じて履歴をリセットするか否かを変更しても良い。例えば、ラウンド遊技時間を25秒とするとともに規定ラウンド数を「16」とした16R確変大当りと、ラウンド遊技時間を0.06秒とするとともに規定ラウンド数を「8」とした8R確変大当りを設定したとする。この場合、16R確変大当りに当選したときには履歴をリセットする一方で、8R確変大当りに当選したときには履歴をリセットしないようにしても良い。遊技者は、履歴の種類が多いほど、遊技者にとって有利どの高い大当りに当選することを望むため、複数回の図柄変動ゲームを経て履歴を集めたにもかかわらず、賞球獲得数の少ない大当り(8R確変大当り)に当選したことによって履歴がリセットされてしまうと、遊技者は落胆してしまう。そこで、8R確変大当りに当選したときには履歴をリセットしないようにすることで、再度、履歴を集めて、賞球獲得数の多い大当りに当選することに期待を持たせることができる。また、確変状態は、次回大当り抽選に当選するまでの間、付与されても良い。
・ 実施形態では、大当りの種類によってステップS19,S23,S25におけるステップS10で選択した地方を変更するか否かの割合を異ならせても良い。例えば、大当りの種類として、大当り遊技を構成するラウンド数及びラウンド遊技時間は同一であるが、確変状態を付与する確変大当りと確変状態を付与しない非確変大当りを設定したとする。この場合、大当り抽選の抽選確率が高確率状態となることで、非確変大当りよりも確変大当りのほうが遊技者にとって有利な大当りとなる。したがって、例えば、ステップS19では、非確変大当りよりも確変大当りが決定されたときに、ステップS10で選択した地方を変更する割合が高くなるように設定しても良い。これにより、遊技者にとって有利な特典を付与する大当りが決定されているときほど、実行される地方の種類が多くなる傾向を取り易い。
・ 実施形態では、大当り抽選に当選したか否かを問わず、実行済みの地方を選択し、かつ実行済みの地方の数が5つよりも多いときには、選択した地方を変更しないようにしても良い。同様に、大当り抽選に当選したか否かを問わず、未選択の地方を選択したが、実行済みの地方の数が5つより多く8つ未満であるときには、選択した地方を変更しないようにしても良い。
・ 実施形態における特定変動パターンは、何種類であっても良い。
・ 実施形態では、履歴として記憶される遊技演出の演出内容はどのような内容であっても良い。例えば、パチンコ遊技機に設定されている全キャラクタのリーチ演出を出現させることとしても良いし、図柄変動ゲームとは別に行われる演出であって、大当り期待度を示唆する予告演出(カットイン予告など)などとしても良い。
・ 実施形態は、特定の変動パターンや特定の予告演出が選択された場合や特定の入賞口(例えば、ゲート19)に入賞したこと契機に、メータのメモリを上昇させ、メータが最大値に到達した際に遊技者にとって有利な状態が付与される態様としても良い。このような場合、メータの上昇率は一定であっても良いし、抽選で上昇率が決定されるような態様であっても良い。このような場合、図5に示す地方決定処理に替わる処理では、決定したメータの上昇値と現在のメータの値を参照し、決定したメータの上昇値を加算するとメータの上限を超えるときには、異なる上昇値を選択する処理を実行することになる。
・ 実施形態では、全部の地方が選択されたとしてもはずれる場合があるので、図5のステップS25の処理を省略しても良い。
・ 実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしても良く、これらを組み合わせた表示装置を用いても良い。
・ 実施形態では、サブ統括制御基板31を省略し、サブ統括制御基板31が実行していた制御を演出表示制御基板32が実行するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記選択グループとして設定された演出内容が全て選択された場合、又は遊技者にとって最も有利な遊技状態を付与する大当りに当選した際には、前記記憶手段に記憶された記憶内容をリセットするリセット手段を備えた。
(ロ)前記特定変動パターンは複数設定されており、複数の特定変動パターンにおいて前記選択グループを共通化した。これによれば、特定変動パターンとして分類される変動パターンの設定個数及び全体の変動パターンに占める特定変動パターンの出現割合が多くなるときには、特定変動パターンに基づく遊技演出の出現率が多くなる。その一方で、実行済みの演出内容が選択されたときには、再度、演出内容を選択し直したり、選択された演出内容を実行させたりすることにより、複数回の図柄変動ゲームに跨って遊技者にとって有利な状態となることへの期待感を保つことができる。