JP5490447B2 - シートバックフレーム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用のシートの背もたれ部分の骨格をなすシートバックフレームに関する。
従来より、四輪自動車等の車両用のシートの背もたれ部分の骨格をなすシートバックフレームにおいては、その形状を工夫することによって強度の向上が図られている。
例えば、シートの側方を支持するサイドフレームの横断面形状を略U字状とする技術が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。また、閉じた外形を有する筒状のチューブを潰すことによってサイドフレームを含むフレーム要素を製造する技術も知られている(例えば、特許文献3を参照)。また、各々が深絞り加工されたフロントシェルとリアシェルとをシートの前後方向に重ねることによってシートフレームを構成する技術も知られている(例えば、特許文献4を参照)。
特開昭58−93630号公報 特開平6−205716号公報 特開平8−308677号公報 特表2008−514490号公報
ところで、近年の地球温暖化対策の一環として、自動車の燃費を改善して二酸化炭素の排出量を削減することが求められている。燃費を改善するには、車体を軽量化するのが望ましい。このような車体の軽量化を実現するには、フレームを含むシートの軽量化を図ることも重要である。しかしながら、上述した従来技術では、強度の向上を実現することはできるものの、フレームの構造が複雑であるため、軽量化を実現することが難しかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、強度の向上および軽量化をともに実現することができるシートバックフレームを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るシートバックフレームは、車両用のシートの背もたれ部分の内部に設けられ、該背もたれ部分の骨格をなすシートバックフレームであって、各々が複数の部材を接合してなり、横断面が閉じた中空形状をなし、前記シートの左右側方をそれぞれ支持する一対のサイドフレームを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るシートバックフレームは、上記発明において、前記サイドフレームは、前記シートの前面に沿った湾曲形状をなす第1主面部を有する板状の第1湾曲部材と、前記シートの背面に沿った湾曲形状をなす第2主面部を有する板状の第2湾曲部材と、前記第1および第2湾曲部材の端部同士であって前記シートの外側に面する端部同士を連結する平板状の第1連結部材と、前記第1および第2湾曲部材の端部同士であって前記シートの内側に面する端部同士を連結する平板状の第2連結部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るシートバックフレームは、上記発明において、前記第1および第2湾曲部材の板厚は、前記第1および第2連結部材の板厚より大きいことを特徴とする。
本発明に係るシートバックフレームによれば、各々が複数の部材を接合してなり、横断面が閉じた中空形状をなし、車両用のシートの左右側方をそれぞれ支持する一対のサイドフレームを備えているため、サイドフレームの軽量化によるシートバックフレーム全体の軽量化を実現するとともに、閉断面構造による強度の向上を実現することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るシートバックフレームの構成を示す斜視図である。 図2は、図1の分解斜視図である。 図3は、図2の矢視A方向からみた右サイドフレームの側面図である。 図4は、図3のB−B線横断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るシートバックフレームの構成を示す斜視図である。また、図2は、図1の分解斜視図である。これらの図に示すシートバックフレーム1は、四輪自動車等の車両のシートの背もたれ部分の内部に設けられ、該背もたれ部分の骨格をなすものである。具体的には、シートバックフレーム1は、シートの左右側方部をそれぞれ支持して対をなす左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2Rと、左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2Rの上方を連結する略平板状のアッパーフレーム3と、左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2Rの下方を連結する平板状のロアフレーム4と、端部が左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2Rの上端にそれぞれ接合され、図示しないヘッドレストフレームを取り付ける取付部5aが設けられた略U字状のアッパー部5と、を備える。
図3は、図2の矢視A方向から見た右サイドフレーム2Rの側面図である。また、図4は、図3のB−B線横断面図である。これらの図に示す右サイドフレーム2Rは、シートの前面側に沿って湾曲する形状をなす第1主面部21aを有するとともに横断面が略U字状をなす板状の第1湾曲部材21と、シートの背面側に沿って湾曲する形状をなす第2主面部22aを有するとともに横断面が略U字状をなす板状の第2湾曲部材22と、第1湾曲部材21および第2湾曲部材22の端部同士であって左サイドフレーム2Lに面する端部同士を連結する平板状の第1連結部材23と、第1湾曲部材21および第2湾曲部材22の端部同士であって左サイドフレーム2Lと面しない端部同士を連結し、第1連結部材23と平行に配置される平板状の第2連結部材24と、を有する。第1連結部材23および第2連結部材24は、前後方向の幅が上方から下方へ行くにつれて徐々に大きくなっている。
図4に示すように、右サイドフレーム2Rの横断面は閉じた中空矩形形状をなしている。このように右サイドフレーム2Rの横断面が閉じた断面をなしているため、外力によるねじれにも強いフレーム構造を実現することができる。
左サイドフレーム2Lは、第1湾曲部材21、第2湾曲部材22、第1連結部材23および第2連結部材24を有し、右サイドフレーム2Rと左右対称な形状をなしている。すなわち、左サイドフレーム2Lは、第1湾曲部材21および第2湾曲部材22に対する第1連結部材23と第2連結部材24との位置関係が、右サイドフレーム2Rの場合と逆になっている。
以下、左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2Rに共通する事項を説明する場合には、両者を区別せず、単に「サイドフレーム2」という。
第1湾曲部材21および第2湾曲部材22の下端部は、第2連結部材24の下端部よりも下方まで延びている。また、第2連結部材24の下端部は、第1連結部材23の下端部よりも下方まで延びている。このように、サイドフレーム2は下端部において中空部が露出している。この露出した部分は、シートバックフレーム1の傾斜角度を調整するリクライナ(図示せず)の一部を嵌合して保持する保持部としての機能を有している。そのため、第2連結部材24の下端部には、リクライナをサイドフレーム2に固定するためのネジを螺合するネジ孔241が複数設けられている。なお、ここで説明したリクライナとサイドフレーム2との固定方法はあくまでも一例に過ぎない。
第1連結部材23および第2連結部材24には、シートのクッション部材を取り付けるための複数の取付孔231、242が設けられている。複数の取付孔231は、複数の取付孔242のいずれかと互いの中心軸が同軸をなすように配設されている。
第1湾曲部材21および第2湾曲部材22の板厚t1は、第1連結部材23および第2連結部材24の板厚t2よりも大きい。このようにすることで、サイドフレーム2の強度の向上を図りながら軽量化を実現することができる。また、サイドフレーム2が薄肉化されるため、レイアウトの自由度が増し、意匠性にも優れたシートを実現することが可能となる。
第1湾曲部材21、第2湾曲部材22、第1連結部材23および第2連結部材24は、アーク溶接またはレーザ溶接等によって互いに接合されており、隣接する部材の境界部分には複数の接合部wが形成されている。複数の接合部wは、各々の長さがほぼ等しく、隣り合う接合部wの間隔はほぼ一定である。
以上の構成を有するシートバックフレーム1は、高張力鋼材を用いて実現することができる。例えば、第1湾曲部材21、第2湾曲部材22の板厚t1を1mmとし、第1連結部材23、第2連結部材24の板厚t2を0.5mmとする場合、第1湾曲部材21および第2湾曲部材22は980MPa級鋼材を用いて実現される一方、第1連結部材23および第2連結部材24は270MPa級鋼材を用いて実現される。なお、シートバックフレーム1をハイテン材以外の金属鋼板によって実現することも可能である。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、各々が複数の部材を接合してなり、横断面が閉じた中空形状をなし、シートの左右側方をそれぞれ支持する一対のサイドフレーム2(左サイドフレーム2Lおよび右サイドフレーム2R)を備えているため、サイドフレームの軽量化によるシートバックフレーム全体の軽量化を実現するとともに、閉断面構造による強度の向上を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、第1湾曲部材21、第2湾曲部材22、第1連結部材23および第2連結部材24の4つの部材を接合することによって横断面が中空矩形形状をなすサイドフレーム2を形成するため、構造が単純であり、設計、開発および生産を効率よく行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第1湾曲部材21と第2湾曲部材22の板厚t1を、第1連結部材23および第2連結部材24の板厚t2より大きくしているため、サイドフレーム2をシートの左右方向に薄型化することができる。加えて、本実施の形態によれば、横断面を中空矩形形状としているため、第1湾曲部材21と第2湾曲部材22との距離を、強度的に問題がない範囲で最も小さくした態様で接合することができる。したがって、サイドフレーム2をシートの前後方向にも薄型化することができる。したがって、シートのレイアウトの自由度が増し、意匠性に優れたシートを実現することができる。
また、本実施の形態によれば、プレス前に板材を接合するテーラードブランクとは異なり、プレス後に溶接等を含む組立てを行うことができる。特に、本実施の形態においては、サイドフレーム2を構成する第1連結部材23、第2連結部材24は形状が略平板状であるため、生産工程、生産時間を効率化することができる。また、サイドフレーム2を現状の設備や現状の自動化設備を用いて効率良く生産することができる。
1 シートバックフレーム
2 サイドフレーム
2L 左サイドフレーム
2R 右サイドフレーム
3 アッパーフレーム
4 ロアフレーム
5 アッパー部
5a 取付部
21 第1湾曲部材
21a 第1主面部
22 第2湾曲部材
22a 第2主面部
23 第1連結部材
24 第2連結部材
231、242 取付孔
241 ネジ孔
w 接合部

Claims (1)

  1. 車両用のシートの背もたれ部分の内部に設けられ、該背もたれ部分の骨格をなすシートバックフレームであって、
    各々が複数の部材を接合してなり、横断面が閉じた中空形状をなし、前記シートの左右側方をそれぞれ支持する一対のサイドフレームを備え
    前記サイドフレームは、
    前記シートの前面に沿って湾曲する形状をなす第1主面部を有する板状の第1湾曲部材と、
    前記シートの背面に沿って湾曲する形状をなす第2主面部を有する板状の第2湾曲部材と、
    前記第1および第2湾曲部材の端部同士であって対をなす他の前記サイドフレームに面する端部同士を連結する平板状の第1連結部材と、
    前記第1および第2湾曲部材の端部同士であって対をなす他の前記サイドフレームに面しない端部同士を連結する平板状の第2連結部材と、
    を有し、
    前記第1および第2湾曲部材の板厚は、前記第1および第2連結部材の板厚より大きいことを特徴とするシートバックフレーム。
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