JP5489948B2 - 洗浄水タンクにおける手洗水用流路の接続構造 - Google Patents
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Description
接続端部同士を接続する際には、まず、他方の流路の接続端部を案内面に対して径方向に当接させることにより、双方の接続端部を概ね同軸状に位置決めし、その後、他方の流路の接続端部を案内面に摺接させることによって、双方の接続端部を軸線方向に接近させればよい。本発明では、ガイドに対し、他方の流路の接続端部を径方向に接近させるようにしているので、ガイドをテーパ状に拡がった形状にする必要がない。したがって、本発明のガイドは、接続端部の軸線と交差する径方向においてスペース上の制約がある洗浄水タンクに対しても、適用することが可能である。
案内面に摺接する他方の流路の接続端部は、一方の流路の接続端部に到達する前に、ガイドと規制部との間で径方向に挟まれた状態となるので、ガイド部に対して径方向に大きく離間することがない。これにより、接続端部同士は、接続を開始するまでのあいだ概ね同心状の位置関係に保たれるので、作業性がよい。
案内面は、接続端部の仮想延長軸線と略平行をなしているので、テーパ状に拡がった形態のものに比べると、径方向においてガイドの配置に必要なスペースが小さくて済む。また、他方の流路の接続端部が案内面に引っ掛かる虞を軽減させることができる。
接続端部同士が接続する際には、他方の流路の接続端部がパッキンに対して弾性変形させるように当接し、パッキンの弾性復元力に起因する接続抵抗が生じるため、この対策として、本発明では、他方の流路の接続端部の先端面を軸線に対して傾斜させた。この構成によれば、他方の流路の接続端部がパッキンに当接し始めたときには、接続端部の先端縁のうち周方向における一部のみがパッキンに当接することになり、パッキンにおいては、弾性変形させられるのが周方向における一部のみとなるので、パッキンの弾性変形に起因する接続抵抗が低減され、接続端部とパッキンとの嵌合が円滑に進む。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。本実施形態の洗浄水タンクTは、水洗タイプの便器に設けられたものであって、図1,2に示すように、洗浄水を貯留する貯留槽(図示省略)をカバーで覆って構成されるタンク本体10と、タンク本体10の内部に設けた給水用流路20(本発明の構成要件である他方の流路)と、タンク本体10のカバー上面の開口部11に取り付けられる蓋30と、蓋30に設けた吐水用流路40(本発明の構成要件である一方の流路)とを備えている。そして、給水用流路20の上端部(下流端)と吐水用流路40の下端部(上流端部)とを液密状に雌雄嵌合して接続することにより、後述する手洗鉢31に手洗水を供給するための手洗水用流路15が構成されている。この雌雄嵌合部分においては、給水用流路20が雄側の流路となり、吐水用流路40が雌側の流路となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、吐水用流路が雌側の流路であり、給水用流路が雄側の流路である場合について説明したが、本発明は、吐水用流路側が雄側の流路であり、給水用流路が雌側の流路である場合にも適用できる。
(2)上記実施形態では、ガイドを吐水用流路側に設けたが、ガイドを給水用流路側に設けてもよい。この場合、吐水用流路は、雌側の流路に限らず、雄側の流路であってもよい。つまり、ガイドは、雌側の流路と雄側の流路のいずれの流路にも設けることが可能である。
(3)上記実施形態では、ガイドを他方の流路(給水用流路)に対して後方から対向するように配置したが、ガイドは、他方の流路に対し側方かから対向するように配置してもよい。この場合、ガイドは、左右いずれか一方のみに配置してもよく、左右両方に配置してもよい。
(4)上記実施形態では、ガイドを、パッキンを介して吐水用流路に組み付けた(支持した)が、ガイドは、吐水用流路にではなく、蓋に組み付けられ(支持され)ていてもよい。また、ガイドを給水用流路側に設ける場合、ガイドは、給水用流路とタンク本体のいずれに組み付けられ(支持され)ていてもよい。
(5)上記実施形態では、ガイドを、一方の流路(吐水用流路)の接続端部の先端(下端)から更に先端側(下方)へ片持ち状に延出する形態としたが、ガイドを、接続端部の先端に対し先端側に離間した位置に配置し、接続端部の軸線方向において接続端部の先端とガイドとの間にスペースが介在するようにしてもよい。この場合、ガイドは、ブラケット等を介して蓋に支持すればよい。
(6)上記実施形態では、接続端部の周方向において連続する単一のガイドを設けたが、これに替えて、複数のガイドを周方向に間隔を空けて並ぶように配置してもよい。
(7)上記実施形態では、ガイドの下端面(延出端面)を、接続端部の軸線と直角な水平な面としたが、ガイドの下端面は、接続端部の軸線に対して斜め方向の面としてもよい。
(8)上記実施形態では、案内面の曲率半径を、給水用流路の接続端部の外周面の曲率半径よりも大きい寸法としたが、案内面の曲率半径は、給水用流路の接続端部の外周面の曲率半径とほぼ同じ寸法であってもよい。
(9)上記実施形態では、接続端部の周方向における案内面の形成領域を、180°よりも少し狭い範囲としたが、周方向における案内面の形成領域は、実施形態より狭い範囲(概ね180°〜120°)であってもよく、実施形態より広い角度範囲(概ね、180°〜約200°)であってもよい。この案内面の形成領域は、接続端部の外周の曲率半径と案内面の曲率半径とに基づいて、適宜に設定することが好ましい。
(10)上記実施形態では、ガイドを接続端部の軸線と直角に切断したときの案内面の断面形状を、接続端部と同心の円弧形としたが、案内面の断面形状は、楕円形の一部、長円形の一部、台形等、円弧形以外の形状であってもよい。
(11)上記実施形態では、案内面を接続端部の仮想延長軸線と略平行な曲面としたが、案内面は、接続端部の仮想延長軸線に対して斜めをなしていてもよい。この場合、仮想延長軸線に対する案内面の傾斜角度は、省スペース化、及び他方の流路の接続端部の案内面との引っ掛かりを回避するという観点から、できるだけ小さい角度であることが好ましい。
(12)上記実施形態では、規制部の下端面(延出端面)を、接続端部の軸線と直角な水平な面としたが、規制部の下端面は、接続端部の軸線に対して斜め方向の面としてもよい。この場合、規制部の下端面とガイドの下端面は、共通の1つの傾斜した平面の一部を構成するような位置関係であってもよく、互いに平行な2つの平面の一部を構成するような位置関係であってもよく、互いに傾斜角度の異なる2つの平面の一部を構成するような位置関係であってもよい。
(13)上記実施形態では、ガイドの周方向における両端縁と、規制部の周方向における両端縁との間にスリットを設けたが、ガイドと規制部とが周方向において連なった形態であってもよい。
(14)上記実施形態では、接続端部の仮想延長軸線を挟んでガイドと対向する規制部を設け、接続端部同士が非接続の状態では、案内面のうち延出端部側の領域のみが仮想延長軸線を挟んで反対側の空間に向かって露出するようにしたが、このような規制部を設けず、案内面の全領域が、接続端部の仮想延長軸線を挟んで反対側の空間に向かって露出するようにしてもよい。
(15)上記実施形態では、上下方向において、規制部の下端と案内面の下端との高低差(寸法差)を、給水側接続端部の先端面の高さ寸法(先端面の上端と下端との高低差)とほぼ同じとしたが、規制部と案内面の高低差は、給水側接続端部の先端面の高さ寸法より大きくてもよく、小さくてもよい。
(16)上記実施形態では、パッキンを吐水用流路側に設けたが、パッキンは、給水用流路側に設けてもよい。
(17)上記実施形態では、パッキンを雌側の流路(吐水用流路)の内周に設けたが、パッキンは雄側の流路の外周に設けてもよい。この場合、ガイドや規制部を雄側の流路に設ける構成とすれば、パッキンの一部だけでもガイドで保護することが可能となる。
(18)上記実施形態では、他方の(つまり、ガイドが設けられていない)流路(給水用流路)の接続端部の先端面を、その軸線に対し、案内面によって案内されるときに仮想延長軸線を挟んで案内面とは反対の方向に面するように傾斜させたが、他方の流路の接続端部の先端面は、案内面側に面するように傾斜した形態としてもよく、軸線と直角な面としてもよい。
T…洗浄水タンク
10…タンク本体
11…タンク本体の開口部
15…手洗水用流路
20…給水用流路(他方の流路)
24…給水側接続端部(給水用流路の接続端部)
24S…給水側接続端部の先端面(他方の流路の接続端部の先端面)
30…蓋
31…手洗鉢
40…吐水用流路(一方の流路)
43…吐水側接続端部(吐水用流路の接続端部)
47…パッキン
55…ガイド
56…案内面
57…規制部
Claims (4)
- 洗浄水を貯留するタンク本体と、
前記タンク本体内に設けられた給水用流路と、
前記タンク本体の上面の開口部に取り付けられる蓋と、
前記蓋の上面の手洗鉢に臨むように前記蓋に設けられた吐水用流路とを備える洗浄水タンクにおいて、
前記給水用流路の接続端部に対し、前記吐水用流路の接続端部を同軸状に雌雄嵌合して構成される手洗水用流路の接続構造であって、
前記吐水用流路と前記給水用流路のうちいずれか一方の流路側には、前記接続端部同士の接続過程において他方の前記流路の前記接続端部の外周面と対向する案内面を有するガイドが設けられ、
前記接続端部同士が未接続の状態では、前記案内面が、前記一方の流路の前記接続端部の軸線を延長した仮想延長軸線を挟んで反対側の空間に向かって露出するようになっていることを特徴とする洗浄水タンクにおける手洗水用流路の接続構造。 - 前記ガイドは、前記一方の流路側から前記仮想延長軸線に沿うように片持ち状に延出した形態であり、
前記仮想延長軸線を挟んで前記ガイドと対向する位置には、前記一方の流路側から前記ガイドと概ね同じ方向へ片持ち状に延出した形態であって、前記一方の流路側からの延出寸法が前記ガイドよりも小さい規制部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗浄水タンクにおける手洗水用流路の接続構造。 - 前記案内面は、前記仮想延長軸線と略平行をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗浄水タンクにおける手洗水用流路の接続構造。
- 前記一方の流路の前記接続端部の周面には、前記他方の流路の前記接続端部の周面との隙間を液密状にシールするパッキンが設けられており、
前記他方の流路の前記接続端部の先端面は、その軸線に対し、前記案内面に背を向けるように傾斜していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の洗浄水タンクにおける手洗水用流路の接続構造。
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