JP5489800B2 - リップル検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リップル検出装置に関し、より特定的には、電流波形に含まれるリップルを検出するリップル検出装置に関する。
従来、モーターによって車両用シートを移動可能にした電動式のシート装置が開発されている。このようなシート装置の一種として、ユーザーによりシート位置が調整された際に当該シートの移動量をモーターの回転数に基づいて記憶する、所謂、メモリシート装置が知られている。メモリシート装置は、ユーザーが車両に搭乗する際、予め記憶した移動量だけ当該シートを移動させることによって、シート位置を自動的に調整する。上記のようなメモリシート装置では、シートの移動量を正確に検出および制御するために、モーターの回転数を正確に検出する必要がある。
ところで、上記メモリシート等に利用される直流モーターの駆動電流信号には、当該直流モーターの回転に応じて発生するリップルが含まれることが知られている。このようなリップルは、直流モーターの回転に応じて発生する性質を有することから、モーターの回転数を測定したり、回転に応じたパルス信号を生成したりするために利用することが可能である。このような観点から、電流信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置が開発されている。
上記のようなリップル検出装置の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されるモータ回転パルス生成装置は、先ず、リップルを正確に検出するために直流モーターから入力される電流信号に対して、ノイズを除去するフィルタ処理を実行する。具体的には、モータ回転パルス生成装置は、電流信号の所定の周波数成分を遮断するフィルタ処理を実行する。そして、モータ回転パルス生成装置は、ノイズが除去された電流信号に基づいてリップル発生周期に応じたパルス信号を出力する。
また、従来、上記のような電流信号の所定の周波数成分を遮断するフィルタ処理を実行した後、当該電流信号の立ち上がり振幅値および立ち下がり振幅値が所定値以上である場合にリップルを検出したと判定するリップル検出装置が知られている。
特開2000−116168号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されるようなフィルタ処理では、電流信号中のノイズを適正に除去することができず、当該信号に含まれるリップルを正確に検出できない場合があった。
例えば、ブラシ付直流モーターから出力される電流信号には、図15中に示すノイズN1およびノイズN2ような急峻なヒゲ状のピークノイズが含まれている場合がある。なお、図15は、直流モーターからリップル検出装置へ入力される電流信号の一例を示す図である。図15において、縦軸は電流信号の大きさを示し、横軸は時間を示す。そして、図16は、図15に示した電流信号に対して所定の周波数を遮断する従来のフィルタ処理を施した後の出力信号を示す図である。
図16に示すフィルタ処理後の入力信号の極大値fPα、fPβ、fPδ、および極小値fPγは、図15におけるフィルタ処理前の入力信号の極大値Pα、Pβ、Pδ、および極小値Pγに各々対応する。図16に示すように、従来のフィルタ処理後の電流信号では、ピークノイズの極大値fPβの直後に存在する極小値fPγの値が、フィルタ処理前の値Pγに比べて比較的大きな値となる。すなわち、従来のフィルタ処理後の信号では、ピーク値として確定した極大値Pαから極小値Pγまでの振幅値Bが極端に小さくなってしまう。そのため、上述のような入力信号の振幅値に応じてリップルを検出する装置では、本来リップルの谷部のピークとして認識されるべき極小値fPγがピーク値として認識されなくなってしまう場合があった。また、極小値fPγがリップルの谷部のピーク値として認識されない場合、本来、次のリップルの山部のピークとして認識されるべき極大値fPδも同様にピークとして認識されなくなる場合があった。すなわち、リップルの検出抜けが発生する場合があった。なお、図16において白丸で示す信号値はリップルのピークとして認識された信号値である。また、図16において黒丸で示す信号値はリップルのピークとして認識されなかった信号値である。
このように、従来のリップル検出装置では、当該電流信号に含まれるリップルを正確に検出できない場合があった。そして、メモリシート等のモーターのリップルが正確に検出されなかった場合、当該モーターの回転数を正確に検出できず、シートの位置を正確に制御できない場合があった。
本発明は上記の課題を鑑みて成されたものであり、入力信号に含まれるリップルを正確に検出可能なリップル検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本願は以下の構成を採用した。まず、最初に挙げる発明は、外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、
前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、
前記バンドパスフィルタは、前記入力信号が入力されるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、前記ハイパスフィルタは、前記入力信号に対して微分を行ってから積分を行うことによりハイパスフィルタ処理を行うとともに、前記ハイパスフィルタ処理中に、前記ハイパスフィルタの出力値を所定範囲内にクランプする処理を行うリップル検出装置である。他に以下の発明が挙げられる。すなわち、第1の発明は、外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、前記バンドパスフィルタは、前記入力信号が入力されるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、前記ハイパスフィルタは、前記入力信号を微分する微分手段と、前記微分手段を経て入力された信号を積分して前記ハイパスフィルタの出力信号として出力する積分手段と、前記微分手段の出力信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するように設けられた、あるいは、前記積分手段の内部に前記積分手段から出力される信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するように設けられた、クランプ手段とを備えるリップル検出装置である。
第2の発明は、外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、前記バンドパスフィルタは、入力された信号を微分する微分手段と、入力された信号を積分する積分手段と、入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するクランプ手段とを備え、前記バンドパスフィルタは、入力された信号を減衰するリーク手段、前記微分手段、前記積分手段、および前記クランプ手段を備えるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、前記微分手段は、前記外部から入力される入力信号を微分して前記クランプ手段へ出力し、前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして前記リーク手段へ出力し、前記リーク手段は、前記クランプ手段から入力された信号を減衰させて前記積分手段へ出力し、前記積分手段は、前記リーク手段から入力された信号を積分した値を前記ローパスフィルタへ出力することを特徴とするリップル検出装置である
第3の発明は、外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、前記バンドパスフィルタは、入力された信号を微分する微分手段と、入力された信号を積分する積分手段と、入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するクランプ手段とを備え、前記バンドパスフィルタは、入力された信号を減衰するリーク手段、前記微分手段、前記積分手段、および前記クランプ手段を備えるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、前記微分手段は、前記外部から入力される入力信号を微分して前記リーク手段へ出力し、前記リーク手段は、前記微分手段から入力された信号を減衰させて前記積分手段へ出力し、前記積分手段は、前記クランプ手段を内部に含んでおり、前記リーク手段から入力された信号に前記クランプ手段の出力を遅延してフィードバックした信号を加算して成る加算信号を、前記クランプ手段に入力し、前記クランプ手段の出力を前記ローパスフィルタへ出力し、前記クランプ手段は、入力された前記加算信号を前記許容範囲内にクランプして成る信号を出力することを特徴とするリップル検出装置である
第4の発明は、第3の発明において、前記ハイパスフィルタを通過した高周波信号のスルーレートを制限して前記ローパスフィルタへ出力するスルーレート制限手段をさらに備えることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記スルーレート制限手段は、前記高周波信号を所定時間遅延させて成る遅延信号を出力する遅延手段と、現在入力されている前記高周波信号と、前記遅延信号との差分値を算出する差分手段と、前記差分値が予め定められた範囲内である場合、前記高周波信号をそのまま出力信号として前記ローパスフィルタへ出力し、前記差分値が予め定められた範囲外である場合、前記遅延信号に所定値を加算した値を出力信号として前記ローパスフィルタへ出力する制限手段とを含むことを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至5の発明の何れか1つにおいて、前記リップル検出手段によって検出されたリップルのピーク値を記憶するピーク記憶手段と、前記クランプ手段における前記許容範囲を前記ピーク記憶手段に記憶された過去のリップルのピーク値に基づいて設定する許容範囲設定手段とをさらに備えることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記許容範囲設定手段は、前記クランプ手段における前記許容範囲の上限値を前記ピーク記憶手段に記憶された前記リップルの山部のピーク値の平均値に基づいて設定し、前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値が前記上限値以上である場合には、当該微分信号の値を当該上限値にクランプして出力することを特徴とする。
第8の発明は、第6および7の発明の何れか1つにおいて、前記許容範囲設定手段は、前記クランプ手段における前記許容範囲の下限値を前記ピーク記憶手段に記憶された前記リップルの山部のピーク値の平均値に基づいて設定し、
前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値が前記下限値以下である場合当該微分信号の値を当該下限値にクランプして出力するように設けられていることを特徴とする。
第9の発明は、第1の発明において、入力信号は、車両のシートを移動させるモーターの駆動電流信号であり、リップルの数に応じて前記モーターを駆動させることによりシートの移動量を制御するシート制御手段とをさらに備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、入力信号に含まれるリップルを正確に検出可能である。より詳細には、バンドパスフィルタに含まれるクランプ回路によって信号値が所定範囲内にクランプされることによって、入力信号に含まれる急峻なヒゲ状のピークノイズおよびその直後のピーク値を適切な値に補正することができる。したがって、入力信号をリップル検出に適した波形に整形し、リップルのピークを正確に検出することができるのである。また、入力信号を微分する微分回路が予め搭載されているリップル検出装置にクランプ回路を追加するだけで、安価且つ容易に上記の効果を奏するリップル検出装置を構成することができる。
第2の発明によれば、入力信号の微分値がクランプ回路によって所定範囲内に制限される。すなわち、入力信号のスルーレート(単位時間当たりの変化量)が制限される。したがって、入力信号において、他の信号波形に影響を与えることなく、急峻なピークノイズおよびその直後のピーク値のみを適正な値に補正することができる。
第3の発明によれば、許容範囲を超えるピークノイズの値は当該許容範囲内にクランプされ、過去にクランプされた信号値に基づいて積分処理が継続されるため、ピークノイズおよびその直後のピーク値を適切な値に補正することができる。
第4の発明によれば、ハイパスフィルタを通過した信号に含まれるピークノイズの立ち上がりを制限し、ローパスフィルタから出力される信号において、さらにピークノイズ直後のピーク値における振幅を大きくすることができる。
第5の発明によれば、スルーレートの制限を簡単な処理で実現することができる。
第6の発明によれば、クランプ手段の許容範囲を過去のリップルのピーク値に応じて設定することができる。したがって、例えば、クランプ手段に入力される信号がリップルの山と谷を繰り返しながら漸増または漸減している場合、クランプの許容範囲も共に漸増または漸減するため、ピークノイズおよびその直後のピーク値のみが補正されるよう、クランプの許容範囲を適切に設定することができる。
第7の発明によれば、クランプ手段の許容範囲の上限値を過去のリップルのピーク値に応じてより適切な値に算出することができる。
第8の発明によれば、クランプ手段の許容範囲の下限値を過去のリップルのピーク値に応じてより適切な値に算出することができる。
第9の発明によれば、車両のシートの位置を移動させるモーターの駆動電流に含まれるリップル数を正確に検出することができる。また、上記リップル数はモーターの回転数に等しいため、当該リップル数に応じてモーターを任意の量だけ正確に回転駆動することが可能である。したがって、車両のシートの位置を正確に制御することができる。
第1の実施形態に係るリップル検出装置1の構成を示す図 第1の実施形態に係るハイパスフィルタ回路10の構成を示す図 第1の実施形態に係るクランプ回路100が実行するクランプ処理の詳細を示すフローチャート リップル検出回路30が実行するリップル検出処理の詳細を示すフローチャート リップル検出回路30において検出されるリップルの一例を示す図 第1の実施形態に係るリップル検出装置1に入力された入力信号がハイパスフィルタ回路10を通過した後に得られる高周波信号を示す図 第1の実施形態に係るリップル検出装置1のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図 第2の実施形態に係るハイパスフィルタ回路50の構成を示す図 第2の実施形態に係るリップル検出装置のハイパスフィルタ回路50から出力される高周波信号の波形の一例を示す図 第2の実施形態に係るリップル検出装置のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図 第2の実施形態に係るリップル検出装置のハイパスフィルタ回路50から出力される高周波信号の波形の一例を示す図 第2の実施形態に係るリップル検出装置のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図 第3の実施形態に係るリップル検出装置3の構成を示すブロック図 スルーレート制限回路60が実行するスルーレート制限処理の詳細を示すフローチャート 直流モーターからリップル検出装置へ入力される電流信号の一例を示す図 図15に示した電流信号に対して所定の周波数を遮断する従来のフィルタ処理を施した後の出力信号を示す図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るリップル検出装置1について説明する。先ず、図1を参照してリップル検出装置1の構成について説明する。なお、図1は、第1の実施形態に係るリップル検出装置1の構成を示す図である。図1に示すように、リップル検出装置1は、ハイパスフィルタ回路10、ローパスフィルタ回路20、リップル検出回路30、およびクランプ値計算回路40を備える。なお、以下では、車両用シートの位置を移動させるシートモーターの駆動電流が入力信号としてリップル検出装置1に入力される例について説明する。
ハイパスフィルタ回路10は、入力信号の低周波数成分を遮断し、高周波数成分のみを通過するフィルタ回路である。リップル検出装置1に入力された入力信号は、先ず、ハイパスフィルタ回路10に入力される。そして、ハイパスフィルタ回路10は、入力信号の高周波成分のみをローパスフィルタ回路20へ出力する。なお、以下では、ハイパスフィルタ回路10へ入力される入力信号を入力信号Xnとし、ハイパスフィルタ回路10から出力される信号を高周波信号Ynとする。なお、入力信号Xnおよび高周波信号Ynの添え字のnは、現在時刻を表し、n−1,n−2,…は各々、1サンプリング時間前、2サンプリング時間前、…の時刻を示す。すなわち、Xnは、現在入力されている入力信号の値を示し、Xn-1は、1サンプリング前に入力されていた入力信号の値を示す。
以下、図2を参照して第1の実施形態に係るハイパスフィルタ回路10の詳細な構成について説明する。なお、図2は、第1の実施形態に係るハイパスフィルタ回路10の構成を示す図である。ハイパスフィルタ回路10は、大別して、微分回路11、リーク回路12、積分回路13、およびクランプ回路100を備える。
微分回路11は、入力された入力信号を微分する回路である。具体的には、微分回路11は、入力された入力信号を1サンプリング期間だけ遅延させて成る遅延信号と、現在入力されている入力信号との差分を微分信号として出力する。以下、微分回路11が実行する処理について説明する。
入力信号Xnは、先ず、微分回路11内において分岐され、第1減算器111および第1遅延器112へ入力される。第1遅延器112は、入力された信号を遅延して出力するデバイスである。第1遅延器112は、入力信号Xnの入力を受け付けると、当該Xnの値を保持し、前回保持したXn-1の値を遅延信号として第1減算器111へ出力する。そして、第1減算器111は、入力された現在の入力信号XnからXn-1を減算したΔXnを微分信号としてクランプ回路100へ出力する。
クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値を上限クランプ値CP以下、下限クランプ値CM以上にクランプする回路である。以下、クランプ回路100が実行する処理について図3を参照して説明する。なお、図3は、第1の実施形態に係るクランプ回路100が実行するクランプ処理の詳細を示すフローチャートである。
クランプ回路100は、微分信号ΔXnを受信すると、先ず、当該微分信号ΔXnの値が上限クランプ値CPより大きいか否か判定する(ステップA1)。そして、クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値が上限クランプ値CPより大きいと判定した場合(ステップA1でYes)、微分信号ΔXnの値を上限クランプ値CPに置換して(ステップA2)、微分信号ΔXnの値をリーク回路12へ出力する(ステップA5)。一方、クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値が上限クランプ値CP以下であると判定した場合(ステップA1でNo)、微分信号ΔXnの値が下限クランプ値CMより小さいか否か判定する(ステップA3)。クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値が下限クランプ値CMより小さいと判定した場合(ステップA3でYes)、微分信号ΔXnの値を下限クランプ値CMに置換して(ステップA4)、リーク回路12へ出力する(ステップA5)。また、クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値が上限クランプ値CP以下(ステップA1でNo)、且つ下限クランプ値CM以上(ステップA3でNo)であると判定した場合、入力された微分信号ΔXnの値をそのままリーク回路12へ出力する(ステップA5)。クランプ回路100は、ステップA5の処理を完了すると処理をステップA1へ戻し、上述各ステップの処理を順次繰り返し実行する。
上記クランプ回路100によれば、微分信号ΔXnの値が、所定の範囲内に制限される。したがって、入力信号Xnの立ち上がりおよび立ち下がりの傾き(所謂、スルーレート)を制限することができる。
リーク回路12は、クランプ回路100から出力された微分信号ΔXnを減衰させて成る減衰信号を積分回路13へ出力する回路である。リーク回路12は、第2減算器121、半減器122、第1加算器123、および第1乗算器124を備える。
リーク回路12内において、先ず、微分信号ΔXnは、第2減算器121および半減器122へ分岐入力される。半減器122は、入力された微分信号ΔXnの値を半減して第1加算器123へ出力する。第1加算器123は、半減器122からの信号値、および積分回路13から入力される前回の高周波信号Yn-1の値を加算して第1乗算器124へ出力する。第1乗算器124は、第1加算器123から入力された信号値にハイパスカットオフ係数kHを乗算して第2減算器121へ出力する。ハイパスカットオフ係数kHは、ハイパスフィルタ回路10のカットオフ周波数を決定するための係数であり、予め定められた任意の定数である。第2減算器121は、微分信号ΔXnから第1乗算器124からの出力信号を減じて成る減衰信号を積分回路13へ出力する。なお、上記に説明したリーク回路12の構成は一例に過ぎず、リーク回路12は、従来周知の任意の手法を用いて微分信号を減衰させて構わない。
積分回路13は、リーク回路12から出力された減衰信号を積分する回路である。積分回路13は、第2加算器131および第2遅延器132を備える。減衰信号は、先ず、第2加算器131へ入力される。第2加算器131は、入力された減衰信号、および前回出力した高周波信号Yn-1を加算した加算信号を現在の高周波信号Ynとしてローパスフィルタ回路20および第2遅延器132へ出力する。第2遅延器132は、高周波信号Ynの入力を受け付けると、当該Ynの値を保持し、前回保持したYn-1の値を第2加算器131へ出力する。
図1の説明に戻り、ローパスフィルタ回路20は、ハイパスフィルタ回路10から出力された高周波信号の高周波数成分を遮断し、低周波数成分のみを通過するフィルタ回路である。ローパスフィルタ回路20の構成は、従来周知の任意の構成であって良い。また、ローパスフィルタ回路20において遮断する高周波信号の周波数帯は任意に設定して良い。以下、ローパスフィルタ回路20から出力される信号をノイズ除去信号と呼称する。ローパスフィルタ回路20から出力されたノイズ除去信号は、リップル検出回路30へ入力される。
リップル検出回路30は、ローパスフィルタ回路20から入力されたノイズ除去信号からリップルを検出する回路である。より具体的には、リップル検出回路30は、検出したリップルの山部のピーク値(以下、上ピーク値PTと呼称する。)および谷部のピーク値(以下、下ピーク値PBと呼称する。)を出力信号として出力する。また、リップル検出回路30は、上ピーク値PTをクランプ値計算回路40へ出力する。以下、図4を参照してリップル検出回路30が実行する処理について説明する。図4は、リップル検出回路30が実行するリップル検出処理の詳細を示すフローチャートである。
リップル検出回路30は、先ず、入力されたノイズ除去信号の極大値を検出する(ステップB1)。リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極大値を検出した場合(ステップB1でYes)、当該極大値を仮上ピーク値PTtとして記憶する(ステップB2)。一方、リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極大値を検出していない場合(ステップB1でNo)、極大値を検出するまで待機する(ステップB1)。
ステップB2の処理を完了すると、リップル検出回路30は、立ち上がり振幅BUを算出する(ステップB3)。具体的には、前回検出された下ピーク値PBと、上述ステップB2の処理で記憶した仮上ピーク値PTtとの差分値を立ち上がり振幅BUとして算出する。
次いで、リップル検出回路30は、立ち上がり振幅BUの値が予め定められた振幅閾値Bthより大きいか否か判定する(ステップB4)。リップル検出回路30は、立ち上がり振幅BUの値が振幅閾値Bthより大きいと判定した場合(ステップB4でYes)、検出した極大値がリップルの山部のピークであると判定し、仮上ピーク値PTtの値を上ピーク値PTとして確定する(ステップB5)。なお、同ステップB5において、リップル検出回路30は、上ピーク値PTを確定すると、当該値をリップル検出装置1に接続される外部機器およびクランプ値計算回路40へ出力する。一方、リップル検出回路30は、立ち上がり振幅BUの値が振幅閾値Bth以下であると判定した場合(ステップB4でNo)、次の極大値を検出するまで待機する(ステップB1)。
ステップB5の処理により上ピーク値PTを確定すると、次の下ピーク値PBを検出する処理を開始する。具体的には、先ず、リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極小値を検出する(ステップB6)。そして、リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極小値を検出した場合(ステップB6でYes)、当該極小値を仮下ピーク値PBtとして記憶する(ステップB7)。一方、リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極小値を検出していない場合(ステップB6でNo)、極小値を検出するまで待機する(ステップB6)。
ステップB7の処理を完了すると、リップル検出回路30は、立ち上がり振幅BUを算出する(ステップB8)。具体的には、前回検出された上ピーク値PTと、上述ステップB7の処理で記憶した仮下ピーク値PBtとの差分値を立ち下がり振幅BDとして算出する。
次いで、リップル検出回路30は、立ち下がり振幅BDの値が予め定められた振幅閾値Bthより大きいか否か判定する(ステップB9)。リップル検出回路30は、立ち下がり振幅BDの値が振幅閾値Bthより大きいと判定した場合(ステップB9でYes)、検出した極小値がリップルの谷部のピークであると判定し、仮下ピーク値PBtの値を下ピーク値PBとして確定する(ステップB10)。なお、同ステップB10において、リップル検出回路30は、下ピーク値PBを確定すると、当該値をリップル検出装置1に接続される外部機器へ出力する。そして、ステップB10の処理を完了すると、リップル検出回路30は、処理をステップB1へ戻す。一方、リップル検出回路30は、立ち下がり振幅BDの値が振幅閾値Bth以下であると判定した場合(ステップB9でNo)、次の極小値を検出するまで待機する(ステップB6)。リップル検出回路30は、ステップB10の処理を完了すると処理をステップB1へ戻し、上述各ステップの処理を順次繰り返し実行する。
以下、図5を参照し、上述した図4のリップル検出処理によってリップルが検出される様子について説明する。なお、図5は、リップル検出回路30において検出されるリップルの一例を示す図である。例えば、リップル検出回路30が、先ず、図5のようなノイズ除去信号において極大値Phを検出した場合を想定する。リップル検出回路30は、極大値Phを仮上ピーク値として設定し、前回検出した下ピーク値Pgとの差分値から立ち上がり振幅BUを算出する。そして、リップル検出回路30は、振幅BU1が振幅閾値Bthより大きい場合、極大値Phを上ピーク値として確定する。次に、リップル検出回路30は、極小値Piを検出し、当該値を仮下ピーク値として設定する。そして、前回確定した上ピーク値Phと今回検出した極小値Piとの差分値から立ち下がり振幅BD1を算出する。そして、リップル検出回路30は、振幅BU1が振幅閾値Bthより大きい場合、極小値Piを下ピーク値として確定する。
なお、上記に示したリップル検出回路30の処理は一例であり、リップル検出回路30は、ノイズ除去信号の極値および振幅に応じてリップルを検出する手法であれば、従来周知の任意の手法を用いてリップルを検出して良い。また、上述のリップル検出回路30の処理では、リップル検出回路30が出力信号として上ピーク値PTおよび下ピーク値PBの値を出力する例について説明したが、リップル検出回路30は、検出したリップルに基づいた任意の出力信号を生成および出力して構わない。例えば、リップル検出回路30は、検出したリップルの波数を出力信号として出力しても構わない。また、リップル検出回路30は、リップルの山部および/または谷部に対応したパルス波を出力しても構わない。
リップル検出回路30は、検出したリップルを示す信号を車両用シートの位置を制御するシート制御ECU(図示せず)へ出力する。シート制御ECUは、リップルの数に応じてシートモーターを駆動することにより、車両用シートの位置を制御する。なお、リップル検出装置1によって検出されたリップルはシートモーターの回転に応じて生ずるものである。また、車両用シートの位置はモーターの回転数に応じて移動する。
図1の説明に戻り、クランプ値計算回路40は、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出する回路である。具体的には、クランプ値計算回路40は、先ず、リップル検出回路30から入力された上ピーク値PTを記憶する。次いで、クランプ値計算回路40は、記憶した現在および過去の上ピーク値PTの平均値PTaを算出する。そして、クランプ値計算回路40は、式(1)に基づいて上限クランプ値CPを算出する。なお、式(1)において係数δは予め定められた任意の正の定数を示す。なお、係数δは、1以上の値に設定することが好ましい。
CP=PTa×kH×δ …(1)
同様に、クランプ値計算回路40は、式(2)に基づいて下限クランプ値CMを算出する。なお、式(2)において係数εは予め定められた任意の負の定数を示す。なお、係数εは、−1以下の値に設定することが好ましい。
CM=PTa×kH×ε …(2)
クランプ値計算回路40は、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出すると、当該各値をクランプ回路100へ出力する。
上述クランプ値計算回路40の処理によれば、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CM、すなわちクランプ回路100の許容範囲を過去のリップルのピーク値に応じて設定することができる。例えば、微分信号ΔXnが、リップルの山と谷を繰り返しながら漸増または漸減している場合、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMの値も微分信号ΔXnとともに漸増または漸減する。したがって、極端に急峻なピークノイズおよびその直後の極値のみがクランプの対象となり、クランプの不要なリップルのピーク等を誤ってクランプしてしまうことがない。故に、リップル検出回路30において、リップルのピークをより正確に検出可能となる。
なお、上記クランプ値計算回路40の処理は一例であり、クランプ値計算回路40は、他の手法を用いて上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出しても良い。例えば、クランプ値計算回路40は、ピーク値の平均値を算出することなく、1サンプリング前の上ピーク値のみに基づいて上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出しても良い。また、クランプ値計算回路40は、ハイパスカットオフ係数kHに限らず任意の定数を乗算して上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出しても良い。また、クランプ値計算回路40は、上ピーク値PTに代えて下ピーク値PBに基づいて上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出しても良い。
また、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMの値を固定値とし、リップル検出装置1がクランプ値計算回路40を備えない構成としても構わない。このような構成の場合、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMの値は予めクランプ回路100に記憶される。
次いで、上述の第1の実施形態に係るリップル検出装置1によって、入力信号に含まれるヒゲ状のピークノイズの影響が低減され、好適にリップルが検出される様子について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るリップル検出装置1のハイパスフィルタ回路10から出力される高周波信号の波形を示す図である。図6において、縦軸は信号値、横軸は時間を各々表す。図6では、本発明第1の実施形態に係るハイパスフィルタ回路10から出力された高周波信号Ynを実線で示す。また、クランプ回路100を備えない従来のハイパスフィルタから出力される信号(以下、クランプ無し高周波信号Yjと呼称する)を点線で示す。図6に示す高周波信号Yn、およびクランプ無し高周波信号Yjは、各々、同一の入力信号をハイパスフィルタ回路10、およびクランプ回路100を備えない従来のハイパスフィルタに通過させて各々に得られた信号である。
上述の通り、ハイパスフィルタ回路10では、微分回路11およびクランプ回路100により入力信号のスルーレートが制限されているため、図6に示す通り、高周波信号Ynに含まれるピークノイズの極大値P2の値は、クランプ無し高周波信号Yjに比べ小さな値となる。また、同様に、高周波信号Ynにおいて極大値P2の直後に続く極小値P3の値もクランプ無し高周波信号Yjに比べ小さな値となる。
上記図6に示した高周波信号Yn、およびクランプ無し高周波信号Yjがローパスフィルタ回路20を通過した後に得られるノイズ除去信号を図7に示す。図7は、第1の実施形態に係るリップル検出装置1のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図である。図7において、縦軸は信号値、横軸は時間を各々表す。図7では、高周波信号Ynをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をノイズ除去信号Znとして実線で示す。また、クランプ無し高周波信号Yjをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をクランプ無しノイズ除去信号Zjとして点線で示す。また、図7におけるノイズ除去信号Znの極大値fP1、極大値fP2、および極小値fP3は、各々、図6における極大値P1、P2、および極小値P3に対応する。
図7に示す通り、ノイズ除去信号Znにおいても、急峻なピークノイズの極大値fP2の値はクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ小さな値となっている。また、同様に、ノイズ除去信号Znにおいて極大値fP2の直後に続く極小値fP3の値もクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ小さな値となっている。すなわち、ハイパスフィルタ回路10におけるスルーレート制限の効果が、ローパスフィルタ回路20を通過した信号においても得られていることが確認できる。
次いで、リップル検出回路30が、上記のようにして得られたノイズ除去信号Znおよびクランプ無しノイズ除去信号Zj各々からリップルを検出する処理を想定する。
リップル検出回路30は、極大値fP1をリップルの上ピーク値として確定した後、次の下ピーク値を、上ピーク値fP1と極小値fP3との立ち下がり振幅BDの大きさに応じて確定する。この際、リップル検出回路30に入力された信号がクランプ無しノイズ除去信号Zjのような信号である場合、極小値fP3の値が比較的大きな値となっているため、当該極小値fP3における立ち下がり振幅BDの値は比較的小さな値BD2となる。そして、BD2が振幅閾値Bth以下である場合、リップル検出回路30は、本来、下ピーク値として確定されるべき極小値fP3を下ピーク値として確定できない。
一方で、リップル検出回路30に入力された信号がノイズ除去信号Znのような信号である場合、極小値fP3の値が比較的小さな値となっている。そのため、立ち下がり振幅BDの値が上述のBD2より大きな値BD2cとなる。すなわち、高周波信号Ynの方が、クランプ無し高周波信号Yjに比べて極小値fP3を下ピーク値として確定し易い。このように、入力信号をハイパスフィルタ回路10に通過させた場合、従来のハイパスフィルタに通過させた場合に比べて、ピーク値として認識すべき極値をピークとして確定し易くすることができる。
以上の通り、本発明の第1の実施形態に係るリップル検出装置1によれば、急峻なピークノイズの影響を受けることなくリップルのピーク値を比べ正確に検出することができる。すなわち、リップル検出装置1によれば、入力された入力信号に含まれるリップルを従来に比べ正確に検出することができる。
このように、本発明の第1の実施形態に係るリップル検出装置1によれば、シート制御ECUは、正確に検出されたリップルに基づいてシートモーターを駆動制御可能であるため、車両用シートの位置を正確に制御することができる。
また、本発明の第1の実施形態に係るリップル検出装置1によれば、クランプ回路100によって、入力信号の微分値のみをクランプして制限するため、急峻なピークノイズ以外の波形に影響を及ぼすことなく、適切にピークノイズを低減することができる。
また、既存のリップル検出装置に微分回路を備えるフィルタが既に備えられている場合、当該微分回路の直後にクランプ回路100を追加するだけで、容易且つ安価に本発明に係るリップル検出装置1と同様の構成とし、上記の効果を得ることができる。
なお、上述のクランプ処理では、クランプ回路100が微分信号ΔXnの値を上限クランプ値CP以下、下限クランプCM以上となるようクランプする例について説明したが、クランプ回路100は、上限クランプ値CPおよび下限クランプCMの何れか一方の値に基づいたクランプ処理のみを実行しても良い。例えば、クランプ回路100は、微分信号ΔXnの値を上限クランプ値CP以下とする処理のみを実行し、ステップA3およびステップA4の処理を省略しても構わない。入力信号において急峻なピークノイズが上側(山側)にのみ発生する場合においては、このように簡素化した処理によってもリップルの検出精度を向上することができる。逆に、入力信号において急峻なピークノイズが下側(谷側)にのみ発生する場合においては、微分信号ΔXnの値を下限クランプ値CM以上とする処理のみを実行し、ステップA1およびステップA2の処理を省略しても構わない。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、リップル検出装置1が差分回路11から出力された微分信号に対してクランプ処理を実行するクランプ回路100を搭載する例について説明したが、リップル検出回路はクランプ回路100の代わりに、積分回路の内部においてクランプ処理を実行するクランプ回路200を搭載していても良い。以下、第2の実施形態に係るリップル検出回路について説明する。
第2の実施形態に係るリップル検出回路は、ハイパスフィルタ回路50、ローパスフィルタ回路20、リップル検出回路30、およびクランプ値計算回路を備える。第2の実施形態に係るローパスフィルタ回路20およびリップル検出回路30の機能は、第1の実施形態において説明したものと同様であるため詳細な説明は省略する。以下では第2の実施形態に係るハイパスフィルタ回路50、およびクランプ値計算回路の処理について詳細に説明する。
図8は、第2の実施形態に係るハイパスフィルタ回路50の構成を示す図である。ハイパスフィルタ回路50は、微分回路11、リーク回路12、および積分回路53を備える。微分回路11およびリーク回路12の機能構成は上述第1の実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
積分回路53は、リーク回路12から出力された減衰信号を積分する回路である。積分回路13は、第2加算器131、クランプ回路200、および第2遅延器132を備える。減衰信号は、先ず、第2加算器131へ入力される。第2加算器131は、入力された減衰信号、および前回出力した高周波信号Yn-1を加算して成る加算信号をクランプ回路200へ出力する。クランプ回路200は、第2加算器131から入力された加算信号に対して、上述図3と同様のクランプ処理を実行する。すなわち、クランプ回路200から出力される信号は、上限クランプ値CP以下、下限クランプ値CM以上の範囲内にクランプされる。但し、第2の実施形態における上限クランプ値CP以下、下限クランプ値CMの計算式は後述の通り、第1の実施形態とは異なっている。クランプ回路200は、クランプ処理後の加算信号を高周波信号Ynとしてローパスフィルタ回路20および第2遅延器132へ出力する。なお、第2遅延器132は上述第1の実施形態と同様にして遅延した高周波信号Yn-1の値を第2加算器131へ出力する。
次いで、第2の実施形態に係るクランプ値計算回路の処理について説明する。クランプ値計算回路40は、上述第1の実施形態と同様に、先ず、リップル検出回路30から入力された上ピーク値PTを記憶する。次いで、クランプ値計算回路40は、記憶した現在および過去の上ピーク値PTの平均値PTaを算出する。そして、クランプ値計算回路40は、式(3)に基づいて上限クランプ値CPを算出する。なお、式(3)において係数αは予め定められた任意の正の定数を示す。なお、係数αは、1以上の値に設定することが好ましい。
CP=PTa×α …(3)
同様に、クランプ値計算回路40は、式(4)に基づいて下限クランプ値CMを算出する。なお、式(2)において係数εは予め定められた任意の負の定数を示す。なお、係数βは、−1以下の値に設定することが好ましい。
CM=PTa×β …(4)
クランプ値計算回路40は、上限クランプ値CPおよび下限クランプ値CMを算出すると、当該各値をクランプ回路200へ出力する。
次いで、上述の第2の実施形態に係るリップル検出装置によって入力信号に含まれるヒゲ状のピークノイズの影響を低減し、好適にリップルが検出される様子について説明する。
図9は、第2の実施形態に係るリップル検出装置のハイパスフィルタ回路50から出力される高周波信号の波形の一例を示す図である。図9において、縦軸は信号値、横軸は時間を各々表す。図9では、クランプ回路200を備えるハイパスフィルタ回路50から出力された高周波信号Ynを実線で示す。また、クランプ回路200を備えない従来のハイパスフィルタから出力されるクランプ無し高周波信号Yjを点線で示す。高周波信号Yn、およびクランプ無し高周波信号Yjは、各々、同一の入力信号をハイパスフィルタ回路50およびクランプ回路200を備えない従来のハイパスフィルタに通過させて各々に得られた信号である。
図9に示す通り、高周波信号Ynにおいては、上限クランプ値CPを越える信号値は上限クランプ値CPにクランプされる。したがって、急峻なピークノイズの極大値P5の値を上限クランプ値CPに維持することができる。故に、高周波信号Ynにおいては、極大値P5の値をクランプ無し高周波信号Yjに比べ小さな値にすることができる。そして、積分回路13がクランプ処理により低減された過去の信号値に基づいての積分処理を繰り返すため、高周波信号Ynにおいては、低減された極大値P5の直後に続く極小値P6の値もクランプ無し高周波信号Yjに比べ小さな値となる。
上記図9に示した高周波信号Yn、およびクランプ無し高周波信号Yjがローパスフィルタ回路20を通過した後に得られるノイズ除去信号を図10に示す。図10は、第2の実施形態に係るリップル検出装置のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図である。図10において、縦軸は信号値、横軸は時間を各々表す。図10では、高周波信号Ynをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をノイズ除去信号Znとして実線で示す。また、クランプ無し高周波信号Yjをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をクランプ無しノイズ除去信号Zjとして点線で示す。また、図10におけるノイズ除去信号Znの極大値fP4、fP5、および極小値fP6は、図9における高周波信号の極大値P4、P5、および極小値P6に各々対応する。
図10に示す通り、ノイズ除去信号Znにおいても、急峻なピークノイズの極大値fP5の値をクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ小さな値となっている。また、ノイズ除去信号Znでは、ピークノイズの極大値fP5の直後に続く極小値fP6の値もクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ小さな値となっている。すなわち、ハイパスフィルタ回路50におけるクランプ回路200のクランプ処理の効果が、ローパスフィルタ回路20を通過した信号においても得られていることが確認できる。
次いで、リップル検出回路30が、上記のようにして得られたノイズ除去信号Znおよびクランプ無しノイズ除去信号Zj各々からリップルを検出する処理を想定する。
リップル検出回路30は、極大値fP4をリップルの上ピーク値として確定した後、次の下ピーク値を、上ピーク値fP4と極小値fP6との立ち下がり振幅BDの大きさに応じて確定する。この際、リップル検出回路30に入力された信号がクランプ無しノイズ除去信号Zjのような信号である場合、極小値fP6の値が比較的大きな値となっているため立ち下がり振幅BDが比較的小さな値BD3となる。そして、BD3が振幅閾値Bth以下である場合、リップル検出回路30は、本来、下ピーク値として確定されるべき極小値fP6を下ピーク値として確定できない。
一方で、リップル検出回路30に入力された信号がノイズ除去信号Znのような信号である場合、極小値fP6の値が比較的小さな値となっている。そのため、立ち下がり振幅BDの値が上述のBD3より大きな値BD3cとなる。すなわち、高周波信号Ynの方が、クランプ無し高周波信号Yjに比べて極小値fP6を下ピーク値として確定し易い。このように、入力信号をハイパスフィルタ回路50に通過させた場合、従来のハイパスフィルタに通過させた場合に比べて、ピーク値として認識すべき極値をピークとして確定し易くすることができる。
なお、上記では、上限クランプ値CPを越えるピークノイズが発生した場合について説明したが、下限クランプ値CM以下のピークノイズが発生した場合についても同様に、ピークノイズおよびピークノイズの直後の極値(ピーク値)を適切な値に補正することが可能である。
図11は、第2の実施形態に係るリップル検出装置のハイパスフィルタ回路50から出力される高周波信号の波形の一例を示す図である。図11は、図9とは異なる波形の高周波信号Ynおよびクランプ無し高周波信号Yjを示すグラフである。
図11に示す通り、高周波信号Ynにおいては、下限クランプ値CMを越える信号値は下限クランプ値CMにクランプされる。したがって、急峻なピークノイズの極小値P8の値を下限クランプ値CMに維持することができる。故に、高周波信号Ynにおいては、極小値P8の値をクランプ無し高周波信号Yjに比べ大きな値にすることができる。そして、クランプ処理により低減された過去の信号値に基づいて積分回路13の積分処理が繰り返されるため、高周波信号Ynにおいては、低減された極小値P8の直後に続く極大値P9の値もクランプ無し高周波信号Yjに比べ大きな値となる。
上記図11に示す高周波信号Yn、およびクランプ無し高周波信号Yjがローパスフィルタ回路20を通過した後に得られるノイズ除去信号を図12に示す。図12は、第2の実施形態に係るリップル検出装置のローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号の波形の一例を示す図である。図12において、縦軸は信号値、横軸は時間を各々表す。図12においても、高周波信号Ynをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をノイズ除去信号Znとして実線で示す。また、クランプ無し高周波信号Yjをローパスフィルタ回路20に通過させて得られる信号をクランプ無しノイズ除去信号Zjとして点線で示す。また、図12におけるノイズ除去信号Znの極小値fP7、fP8、および極大値fP9は、各々、図11における極小値P7、P8、および極大値P9に対応する。
図12に示す通り、ノイズ除去信号Znにおいても、急峻なピークノイズの極小値fP8の値をクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ大きな値となっている。また、ノイズ除去信号Znでは、極小値fP8の直後に続く極大値fP9の値もクランプ無しノイズ除去信号Zjに比べ大きな値となっている。すなわち、ハイパスフィルタ回路50におけるクランプ回路100のクランプ処理の効果を、ローパスフィルタ回路20を通過した信号においても得られていることが確認できる。
したがって上述図10における説明と同様に、リップル検出回路30は、比較的大きな振幅となった極大値fP9の値を上ピーク値として確定し易くなっている。このように、急峻なピークノイズが下方向へ発生する場合には、クランプ処理の許容範囲として下限値(下限クランプ値CM)を設定しておくことで、リップルを良好に検出可能となるのである。
以上の通り、本発明の第2の実施形態に係るリップル検出装置によれば、第1の実施形態と同様に、急峻なピークノイズの影響を緩和してリップルのピーク値を正確に検出することができる。すなわち、第2の実施形態に係るリップル検出装置によれば、入力された入力信号に含まれるリップルを正確に検出することができる。
(第3の実施形態)
上記第2の実施形態に係るリップル検出装置において、スルーレートを制限する処理回路を追加しても構わない。以下、第3の実施形態に係るリップル検出装置3について説明する。
図13は、第3の実施形態に係るリップル検出装置3の構成を示すブロック図である。図13に示すように、リップル検出装置3は、ハイパスフィルタ回路50、スルーレート制限回路60、ローパスフィルタ回路20、リップル検出回路30、クランプ値計算回路40、およびスルーレート制限値計算回路70を備える。なお、ハイパスフィルタ回路50、ローパスフィルタ回路20、リップル検出回路30、およびクランプ値計算回路40の機能および構成は上述第1および第2の実施形態において各々説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
スルーレート制限回路60は、ハイパスフィルタ回路50から出力された高周波信号のスルーレートを制限する回路である。スルーレート制限回路60は、ハイパスフィルタ回路50とローパスフィルタ回路20との間に接続される。そして、スルーレート制限回路60は、ハイパスフィルタ回路50から入力された高周波信号に対して図14に示すスルーレート制限処理を施して成るスルーレート制限信号Wnをローパスフィルタ回路20へ出力する。以下、スルーレート制限回路60が実行するスルーレート制限処理について説明する。なお、図14は、スルーレート制限回路60が実行するスルーレート制限処理の詳細を示すフローチャートである。
スルーレート制限回路60は、先ず、入力された高周波信号Ynを記憶する(ステップC1)。次いで、スルーレート制限回路60は、今回入力された高周波信号Ynと前回記憶された高周波信号Yn-1との差分値ΔYnを算出する(ステップC2)。そして、スルーレート制限回路60は、差分値ΔYnの値が上限スルーレート制限値RPより大きいか否か判定する(ステップC3)。スルーレート制限回路60は、差分値ΔYnの値が上限スルーレート制限値RPより大きいと判定した場合(ステップC3でYes)、前回入力された高周波信号Yn-1に上限スルーレート制限値PRを加算し(ステップC4)、当該加算値をスルーレート制限信号Wnとしてローパスフィルタ回路20へ出力する(ステップC8)。
一方、スルーレート制限回路60は、差分値ΔYnの値が上限スルーレート制限値RP以下であると判定した場合(ステップC3でNo)、差分値ΔYnの値が下限スルーレート制限値RMより小さいか否か判定する(ステップC5)。スルーレート制限回路60は、差分値ΔYnの値が下限スルーレート制限値RMより小さいと判定した場合(ステップC3でYes)、前回入力された高周波信号Yn-1に下限スルーレート制限値MRを加算し(ステップC6)、当該加算値をスルーレート制限信号Wnとしてローパスフィルタ回路20へ出力する(ステップC8)。
また、スルーレート制限回路60は、差分値ΔYnの値が上限スルーレート制限値RP以下(ステップC3でNo)、且つ下限スルーレート制限値RM以上(ステップC5でNo)であると判定した場合、今回入力された高周波信号Ynの値をスルーレート制限信号Wnとしてローパスフィルタ回路20へ出力する(ステップC8)。スルーレート制限回路60は、ステップC8の処理を完了すると処理をステップC1へ戻し、上述各ステップの処理を順次繰り返し実行する。
スルーレート制限値計算回路70は、上述の上限スルーレート制限値RPおよび下限スルーレート制限値RMを算出する回路である。スルーレート制限値計算回路70は、リップル検出回路30およびスルーレート制限回路60に接続される。以下、スルーレート制限値計算回路70が実行する処理について説明する。なお、第3の実施形態に係るリップル検出回路30は、上ピーク値PTをスルーレート制限値計算回路70へ出力する。
スルーレート制限値計算回路70は、先ず、リップル検出回路30から入力された上ピーク値PTを記憶する。次いで、スルーレート制限値計算回路70は、記憶した現在および過去の上ピーク値PTの平均値PTaを算出する。そして、スルーレート制限値計算回路70は、式(5)に基づいて上限スルーレート制限値RPを算出する。なお、式(5)における係数γは、予め定められた任意の正の定数を示す。また、式(5)におけるローパスカットオフ係数kLは、ローパスフィルタのカットオフ周波数を決定するための係数であり、予め定められた任意の定数である。なお、ローパスカットオフ係数kLは、当該kLの値が小さいほど、ローパスフィルタ回路20によって遮断される周波数帯が高くなるよう定められている。また、係数γは、1以上の値に設定することが好ましい。
RP=PTa×kL×γ …(5)
同様に、スルーレート制限値計算回路70は、式(6)に基づいて下限スルーレート制限値RBを算出する。なお、式(6)において係数ψは予め定められた任意の負の定数を示す。なお、係数ψは、−1以下の値に設定することが好ましい。
RM=PTa×kL×ψ …(6)
スルーレート制限値計算回路70は、上限スルーレート制限値RPおよび下限スルーレート制限値RMを算出すると、当該各値をスルーレート制限回路60へ出力する。
上記第3の実施形態に係るリップル検出装置3によれば、第2の実施形態に係るリップル検出装置に、スルーレート制限回路を追加することによって、高周波信号に含まれるピークノイズの立ち上がりを制限し、ローパスフィルタ回路20から出力されるノイズ除去信号において、さらにピークノイズ直後の下ピーク値を小さな値とすることができる。すなわち、急峻なピークノイズの直後の立ち下がり振幅値を、より確実に大きな値とすることができる。したがって、第3の実施形態に係るリップル検出装置3によれば、第1および第2の実施形態と同様に入力信号に含まれるリップルを正確に検出することができる。
なお、上記スルーレート制限値計算回路70の処理は一例であり、スルーレート制限値計算回路70は、他の手法を用いて上限スルーレート制限値RPおよび下限スルーレート制限値RMを算出しても良い。また、上限スルーレート制限値RPおよび下限スルーレート制限値RMの値を固定値とし、リップル検出装置1がクランプ値計算回路40を備えない構成としても構わない。このような構成の場合、上限スルーレート制限値RPおよび下限スルーレート制限値RMの値は予めクランプ回路100に記憶される。
また、上記各実施形態に示したリップル検出装置は、電気回路素子を連結した電気回路によってその一部または全部が構成されても良いし、上述した各回路が実行する信号処理を実行可能なプログラムおよびマイクロコンピュータによってその一部または全部が構成されていても構わない。
また、上記各実施形態では、車両用シートを駆動するシートモーターの駆動電流を入力信号とし、当該入力信号に含まれるリップルを検出する例について説明したが、本発明に係るリップル検出装置は、上記に限らず任意の入力信号に含まれるリップルを検出するよう適用可能である。
本発明に係るリップル検出装置は、入力信号に含まれるリップルを正確に検出可能なリップル検出装置などとして有用である。
1、3 リップル検出装置
10、50 ハイパスフィルタ回路
11 微分回路
12 リーク回路
13 積分回路
20 ローパスフィルタ回路
30 リップル検出回路
40 クランプ値計算回路
70 スルーレート制限値計算回路
100、200 クランプ回路

Claims (11)

  1. 外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、
    前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、前記入力信号が入力されるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、
    前記ハイパスフィルタは、前記入力信号に対して微分を行ってから積分を行うことによりハイパスフィルタ処理を行うとともに、前記ハイパスフィルタ処理中に、前記ハイパスフィルタの出力値を所定範囲内にクランプする処理を行うリップル検出装置。
  2. 外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、
    前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、前記入力信号が入力されるハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、
    前記ハイパスフィルタは、
    前記入力信号を微分する微分手段と、
    前記微分手段を経て入力された信号を積分して前記ハイパスフィルタの出力信号として出力する積分手段と、
    前記微分手段の出力信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するように設けられた、あるいは、前記積分手段の内部に前記積分手段から出力される信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するように設けられた、クランプ手段とを備えるリップル検出装置。
  3. 外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、
    前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、
    入力された信号を微分する微分手段と、
    入力された信号を積分する積分手段と、
    入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するクランプ手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、
    入力された信号を減衰するリーク手段、前記微分手段、前記積分手段、および前記クランプ手段を備えるハイパスフィルタと、
    前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、
    前記微分手段は、前記外部から入力される入力信号を微分して前記クランプ手段へ出力し、
    前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして前記リーク手段へ出力し、
    前記リーク手段は、前記クランプ手段から入力された信号を減衰させて前記積分手段へ出力し、
    前記積分手段は、前記リーク手段から入力された信号を積分した値を前記ローパスフィルタへ出力することを特徴とするリップル検出装置。
  4. 外部から入力される入力信号に含まれるリップルを検出するリップル検出装置であって、
    前記入力信号の所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した信号に基づいてリップルを検出するリップル検出手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、
    入力された信号を微分する微分手段と、
    入力された信号を積分する積分手段と、
    入力された信号の値を予め定められた許容範囲内にクランプして出力するクランプ手段とを備え、
    前記バンドパスフィルタは、
    入力された信号を減衰するリーク手段、前記微分手段、前記積分手段、および前記クランプ手段を備えるハイパスフィルタと、
    前記ハイパスフィルタを通過した前記入力信号の予め定められた周波数以下の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタとを含み、
    前記微分手段は、前記外部から入力される入力信号を微分して前記リーク手段へ出力し、
    前記リーク手段は、前記微分手段から入力された信号を減衰させて前記積分手段へ出力し、
    前記積分手段は、前記クランプ手段を内部に含んでおり、前記リーク手段から入力された信号に前記クランプ手段の出力を遅延してフィードバックした信号を加算して成る加算信号を、前記クランプ手段に入力し、前記クランプ手段の出力を前記ローパスフィルタへ出力し、
    前記クランプ手段は、入力された前記加算信号を前記許容範囲内にクランプして成る信号を出力することを特徴とするリップル検出装置。
  5. 前記ハイパスフィルタを通過した高周波信号のスルーレートを制限して前記ローパスフィルタへ出力するスルーレート制限手段をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のリップル検出装置。
  6. 前記スルーレート制限手段は、
    前記高周波信号を所定時間遅延させて成る遅延信号を出力する遅延手段と、
    現在入力されている前記高周波信号と、前記遅延信号との差分値を算出する差分手段と
    前記差分値が予め定められた範囲内である場合、現在入力されている前記高周波信号をそのまま出力信号として前記ローパスフィルタへ出力し、前記差分値が予め定められた範囲外である場合、前記遅延信号に所定値を加算した値を出力信号として前記ローパスフィルタへ出力する制限手段とを含むことを特徴とする、請求項に記載のリップル検出装置。
  7. 前記リップル検出手段によって検出されたリップルのピーク値を記憶するピーク記憶手段と、
    前記クランプ手段における前記許容範囲を前記ピーク記憶手段に記憶された過去の前記リップルのピーク値に基づいて設定する許容範囲設定手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項乃至の何れか1つに記載のリップル検出装置。
  8. 前記許容範囲設定手段は、前記クランプ手段における前記許容範囲の上限値を前記ピーク記憶手段に記憶された前記リップルの山部のピーク値の平均値に基づいて設定し、
    前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値が前記上限値以上である場合には、当該微分信号の値を当該上限値にクランプして出力することを特徴とする、請求項に記載のリップル検出装置。
  9. 前記許容範囲設定手段は、前記クランプ手段における前記許容範囲の下限値を前記ピーク記憶手段に記憶された前記リップルの山部のピーク値の平均値に基づいて設定し、
    前記クランプ手段は、前記微分手段から入力された信号の値が前記下限値以下である場合当該微分信号の値を当該下限値にクランプして出力するように設けられていることを特徴とする、請求項およびの何れか1つに記載のリップル検出装置。
  10. 前記入力信号は、車両のシートを移動させるモーターの駆動電流信号であり、
    前記リップルの数に応じて前記モーターを駆動させることにより前記シートの移動量を制御するシート制御手段とをさらに備える、請求項に記載のリップル検出装置。
  11. 前記微分手段から出力された信号は、入力された信号を減衰するリーク手段を経てから前記積分手段に入力されることを特徴とする請求項2、7−10のいずれか1項に記載のリップル検出装置。
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