JP4976873B2 - 信号検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータから出力されるリップル信号を検出する信号検出装置に関する。
従来より、モータの回転に伴って出力されるリップル信号のカウント数に基づいてモータの回転量を検出するシステムが提案されていた。このようなシステムは、例えば、車載用のメモリ付電動シートシステム等に利用されている。これは、検出されたリップル信号のカウント数からシートの移動距離を計算できるため、シートの移動位置を検出するためのセンサを別途取り付ける必要がなく、シートシステムをセンサレスにできるからである。
このモータの回転量の検出精度を向上させるために、無負荷状態でモータを起動し、その時のリップル周期を基準データとして蓄積しておき、実装状態において検出した各リップル信号の周期を基準データと比較することにより、リップル信号の検出精度を改善する手法がある(例えば、特許文献1参照)。また、回転量検出の基準とする一連のリップル信号のデータを記憶しておいたうえで順次リップル信号を検出し、検出したリップル信号を記憶データと比較することによって正確にリップル信号を検出する手法がある(例えば、特許文献2参照)。
特表2003−536355号公報 特表2004−528797号公報
上述のように、従来の手法では、モータの出力をバンドパスフィルタを通してから検出しており、その通過帯域の制御においては、制御処理開始後の初期段階では通過帯域を広くとり、リップル信号の周波数を用いて通過帯域をフィードバック制御し、通過帯域を徐々にモータのリップル信号の周波数近傍に近づけている。しかし通過帯域の幅が安定した時に、リップル信号が通過帯域に入らないことがある。これは、誤検出されたノイズに基づいてフィードバック制御が行われ、リップル信号がフィルタの遮断域に入って除去されることによって生じる。
ブラシレスモータの場合、モータが回転するとスイッチングノイズ等の多くのノイズが発生する。通過帯域のフィードバック制御における初期状態や移行状態では、ある周波数のノイズの影響を受けることがある。このとき、誤ってノイズに基づいてフィードバックが行われると、フィルタの通過帯域が徐々にノイズに近づき、通過帯域がノイズの周波数の近傍で安定し、その結果、リップル信号がフィルタの遮断域に入ってしまうことがある。
本発明は、ノイズの誤検出を抑制し、リップル信号を正しく検出することのできる信号検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面の信号検出装置は、第1カットオフ周波数と、この第1カットオフ周波数よりも低い第2カットオフ周波数との間に可変の通過帯域を有するフィルタ手段を介して、モータから出力されるリップル信号を検出すると共に、この検出結果を用いて前記通過帯域の最適化処理を行う信号検出装置において、前記最適化処理の過程で、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、前記最適化処理の過程において、前記通過帯域の幅が所定幅より広いか否かの判定処理をさらに行い、前記通過帯域の幅が前記所定幅以下であると判定した場合は、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、前記通過帯域の幅が前記所定幅より広いと判定した場合は、前記フィルタ手段によってノイズが除去されるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理を行い、前記通過帯域を狭める処理は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第1カットオフ周波数に乗じて前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第2カットオフ周波数に乗じて前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理である。また、本発明の他の局面の信号検出装置は、第1カットオフ周波数と、この第1カットオフ周波数よりも低い第2カットオフ周波数との間に可変の通過帯域を有するフィルタ手段を介して、モータから出力されるリップル信号を検出すると共に、この検出結果を用いて前記通過帯域の最適化処理を行う信号検出装置において、
前記最適化処理の過程で、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、前記通過帯域を拡げる処理は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第1カットオフ周波数に乗じて前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第2カットオフ周波数に乗じて前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理である。
また、前記最適化処理の過程において、前記通過帯域の幅が所定幅より広いか否かの判定処理をさらに行い、前記通過帯域の幅が前記所定幅以下であると判定した場合は、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、前記通過帯域の幅が前記所定幅より広いと判定した場合は、前記フィルタ手段によってノイズが除去されるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理を行ってもよい。
また、前記最適化処理の過程において、前記所定幅との判定処理の前に、前記通過帯域が当該所定幅に所定マージンを加えた幅以下であるか否かを判定する予備判定処理をさらに行い、前記通過帯域の幅が所定幅に所定マージンを加えた幅以下であると判定した場合に、前記判定処理を行ってもよい。
また、前記所定幅は、前記ノイズの周波数と前記リップル信号の周波数との差で表される値以下であってもよい。
本発明によれば、リップル信号を正しく検出することのできる信号検出装置を提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の信号検出装置を適用した実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の信号検出装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ブラシレスモータ1(以下、単にモータ1と記す)に接続される信号検出装置10は、アクティブバンドパスフィルタ11(以下、単にフィルタ11と記す)、信号検出部12、及び、制御処理部13を備える。
モータ1は、例えば、車両用のセンサレスメモリ付き電動シートシステムに用いられるブラシレスモータであり、このモータ1からは、回転子の回転に伴い、所定の周波数のリップル信号が出力される。
モータ1は、静止状態から回転する際には、図2に示すように、動き始めの起動状態(昇速する状態)、及び、昇速後に定常状態へ移行する状態移行状態を経て、定速回転する定常状態へと移行する。起動状態から定常状態への移行時間は、非常に短いが、モータ1をメモリ付電動シートシステム等に使用する場合は、正確な回転移動量の計測が必要であり、起動状態及び移行状態におけるリップル信号の正確な検出が求められる。なお、このモータ1からはノイズも出力される。このノイズ及びリップル信号の周波数及び振幅の平均値は既知である。
フィルタ11は、可変制御可能な通過帯域を有するフィルタであり、例えば、可変制御可能なカットオフ周波数を有するハイパスフィルタ(以下、HPFと記す)と、同じく可変制御可能なカットオフ周波数を有するローパスフィルタ(以下、LPF)とを組み合わせることによって構成される。このLPFのカットオフ周波数は、HPFのカットオフ周波数よりも高く設定され、これら2つのカットオフ周波数の間がフィルタ11の通過帯域となる。フィルタ11は、通過帯域を通過した信号を出力する。フィルタ11の出力は、信号検出部12に入力される。
信号検出部12は、フィルタ11の出力を所定の判定値と比較し、この比較結果に基づくカウントを行い、カウント値を出力する。信号検出部12の出力(カウント値)は、信号検出装置10の出力として外部に出力されると共に、制御処理部13に入力される。
ここで図3を用いて、信号検出部12における信号検出の原理について説明する。図3(a)乃至(c)は、モータ1のある回転によって得られる出力に含まれるリップル信号及びノイズを概念的に周波数と振幅で表す図である。図3(d)は、モータ1の出力を周波数解析して得られるリップル信号とノイズAの振幅(平均値)を示す。図3(e)は、図3(a)乃至(c)で表されるモータ1の出力からリップル信号が検出されるか否かを概念的に示す図である。
図3(a)は、モータ1のある回転によって得られる出力に含まれるリップル信号と微小なノイズAの振幅の関係を概念的に示しており、この微小なノイズAの振幅は、リップル信号の振幅の例えば10分の1とする。
図3(b)は、モータ1のある回転によって得られる出力に含まれるリップル信号とノイズAの振幅の関係を概念的に示しており、このリップル信号とノイズAとは略同一の振幅を有している。
図3(c)は、モータ1のある回転によって得られる出力に含まれるリップル信号と巨大なノイズAの振幅の関係を概念的に示しており、巨大なノイズAの振幅は、例えば、リップル信号の振幅の2倍とする。
図3(d)は、モータ1の出力を周波数解析することによって得られるパルスを周波数と振幅(平均値)で示している。モータ1のある回転で得られる出力は、図3(a)に示すように、ノイズAの振幅がリップル信号に比べて微小である場合や、図3(b)に示すように、リップル信号とノイズAの振幅が略同一である場合や、図3(c)に示すように、ノイズAの振幅がリップル信号に比べて極めて大きい場合があるが、本実施の形態で扱うモータ1は、出力を周波数解析して得られるリップル信号とノイズAの振幅の平均値が図3(d)に示すように略同一であるものとする。また、モータ1の周波数解析の結果には、図3(d)に示すようにリップル信号及びノイズAの他に、リップル信号又はノイズAの定数倍成分(ノイズの3倍、4倍成分や、リップルの2倍成分)の信号が含まれる。周波数解析の結果は、定常状態において得られるモータ1の出力に含まれるリップル信号及びノイズAの振幅を平均値で表すものである。
図3(e)に示すように、図3(a)及び(b)で表されるモータ出力は、判定値によって全てのリップル信号を正しく検出することができるが、図3(c)に示すように巨大なノイズが含まれると、全てのリップル信号を正しく検出できない場合が生じる(検出されなかったリップル信号を破線で示す)。
図4は、リップル信号を正しく検出できる場合と正しく出来ない場合におけるリップル信号及びノイズ信号と通過帯域との関係で示す図である。常にリップル信号を検出できるのは、図4(a)に示すように、通過帯域にリップル信号のみが入っている場合と、図4(b)に示すように、通過帯域にリップル信号及びノイズAのみが入っている場合である。また、リップル信号を正しく検出できないのは、図4(c)に示すように、通過帯域にノイズAのみが入っている場合と、図4(d)に示すように、通過帯域にリップル信号、ノイズA、及び、これらの定数倍成分が入っている場合である。なお、図4(d)の場合は、リップル信号を検出できる場合もあるが、常に正しく検出できるわけではない。
制御処理部13は、後述する処理手順により、信号検出部の出力を用いて、フィルタ11に含まれるHPFとLPFのカットオフ周波数をそれぞれ制御し、フィルタ11の通過帯域にリップル信号が入るようにフィルタ11の通過帯域を最適化する。
上述のように、モータ1の起動状態及び移行状態では、リップル信号の正確な検出が求められる。制御処理部13は、モータ1の回転数が安定していない起動状態及び移行状態においてもリップル信号を正確に検出できるようにHPFとLPFのカットオフ周波数を制御する。なお、モータ1を回転させるために、図示しないメモリシートECUからモータ1に送られる回転指令は、制御処理を開始させるために、制御処理部13にも送られるように構成されている。
なお、信号検出装置10のうち、フィルタ11は、ディスクリートと電子回路(オペアンプ等)で構成することができ、この電子回路並びに信号検出部12及び制御処理部13は、例えば、LSI(Large Scale Integration)回路により実現される。
図5は、本実施の形態の信号検出装置における制御処理部の処置手順を示す図である。この処理手順の説明に際し、図6を用いてフィルタ11の通過帯域とリップル信号及びノイズAの関係を説明する。ここでは、モータ1から出力されるノイズの周波数に対するリップル信号の周波数の比が2倍である場合について説明する。なお、上述したように、このノイズとリップル信号の振幅の平均値は略同一である。
モータ1に回転指令が送られると、この回転指令により制御処理部13による処理がスタートする。
制御処理部13は、フィルタ11のLPF及びHPFのそれぞれのカットオフ周波数f1及びf2を初期化する(ステップS1)。このとき、LPF及びHPFのカットオフ周波数f1及びf2は、予め設定された初期状態の値にされる。この状態を図6(a)に示す。このように、初期状態のカットオフ周波数f1は、リップル信号の周波数よりも十分に高い所定値に設定され、同様に、初期状態のカットオフ周波数f2は、ノイズAの周波数よりも十分に低い所定値に設定される。このようにして、通過帯域が拡げられる。なお、この状態では、ノイズA及びリップル信号の定数倍成分(図6(a)中の右側に示す)も通過帯域内にあり、モータ1の出力波形が歪むため、リップル信号を検出することはできない。
制御処理部13は、LPFのカットオフ周波数f1を所定値だけ低下させる(ステップS2)。この所定値は予め設定されている。また、このステップS2の処理は、信号検出部12の検出結果に基づいて制御処理部13がフィードバック制御を行うことによって実行される。
このステップS2の状態における通過帯域は、図6(b1)又は(b2)に示すような状態である。図6(b1)に示す状態は、LPFのカットオフ周波数f1がリップル信号よりも高く、通過帯域にノイズAとリップル信号とが入っている状態を示す。上述したようにリップル信号の振幅とノイズAの振幅(平均値)は略同一であるため、この状態では、リップル信号を検出することができる。
次いで、制御処理部13は、LPFのカットオフ周波数f1の制御処理時間を判定する。(ステップS3)。すなわち、ステップS2におけるLPFの制御処理時間が所定時間に達したか否かを判定するこの所定時間は、例えば、モータ1の出力特性における起動状態及び移行状態に要する時間に基づき、予め設定された時間でよい。
制御処理部13は、LPFのカットオフ周波数f1の制御が終了したと判定した場合は、信号検出部12の検出結果に基づき、LPF又はHPFのカットオフ周波数f1又はf2をフィードバック制御する(ステップS4)。
制御処理部13は、ステップS4のフィードバック制御処理の処理時間を判定する(ステップS5)。すなわち、ステップS4におけるフィードバック制御の処理時間が所定時間に達したか否かを判定する。このステップS5の処理は、所定時間の経過が確認されるまで繰り返し行われる。この所定時間は、モータ1の出力特性等に基づき、予め設定された時間でよい。なお、この所定時間は、ステップS3における所定時間とは無関係に設定されてよい。
図6(c1)、(c2)及び(c3)は、ステップS5が終了した時点における通過帯域を示す図である。図6(c1)は、図6(b1)の後にHPFのカットオフ周波数f2がノイズAの周波数とリップル信号の周波数との間の周波数にまで上昇した状態を示す。図6(c2)は、図6(b1)の後にLPF及びHPFのカットオフ周波数f1及びf2がいずれも動かされなかった場合の状態(すなわち図6(b1)と同一の通過帯域)を示す。図6(c3)は、図6(b2)の後に、HPFのカットオフ周波数f2が少し上昇した状態を示す。
図6(c1)及び(c2)に示す状態は、それぞれ上述の図4(a)及び(b)に相当する状態であり、リップル信号を検出することができる。一方、図6(c3)に示す状態は、図4(c)に示す状態と同一であり、リップル信号を検出することはできない。
次いで、制御処理部13は、LPFのカットオフ周波数f1を2倍に上昇させる(ステップS6)。この処理は、信号検出部12の検出結果とは無関係に(すなわち、フィードバック制御ではなく)LPFのカットオフ周波数f1を上昇させる処理である。ここで、カットオフ周波数f1を上昇させる比率には、ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比を用いる。その理由は、リップル信号の周波数はノイズAの周波数の2倍であるため、図6(c3)に示すように通過帯域にノイズAしか入っていなくても、ステップS6によりカットオフ周波数f1を2倍にすれば、図6(d)に示すように、通過帯域にリップル信号が入り、リップル信号を検出できるからである。
このように、ステップS6では、LPFのカットオフ周波数f1を「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比(リップル信号の周波数をノイズAの周波数で割って得る比)」を乗じた周波数にまで上昇させる。なお、ステップS6では、「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数「以上」に上昇させてもよいが、ノイズA又はリップル信号の定数倍成分が通過帯域に含まれない程度にする必要がある。これは誤検出を防ぐためである。
以上のように、ステップS6の処理によれば、ステップS4のフィードバック制御によってノイズAのみが通過帯域に入るような状態が生じても、LPFのカットオフ周波数f1を上昇させることにより、リップル信号を正しく検出することが出来る。なお、通過帯域が図6(c1)及び(c2)に示される状態から、ステップS6の処理によりLPFのカットオフ周波数f1が上昇されることにより、通過帯域に定数倍成分等が含まれる状況が生じたとしても、その後のステップS8におけるフィードバック制御により、リップル信号を検出できるように通過帯域は最適化される。
次いで、制御処理部13は、LPF又はHPFのカットオフ周波数f1又はf2を最適化する(ステップS7)。この処理は、ステップS4の処理と同様に信号検出部12の検出結果に基づいて行われるフィードバック制御処理である。
制御処理部13は、ステップS7によるフィードバック制御が終了したか否かを判定する(ステップS8)。この処理は、ステップS7による処理の継続時間が所定時間に達したか否かによって行われる。この所定時間は、例えば、モータ1の出力特性における起動状態及び移行状態に要する時間に基づき、予め設定された時間でよい。
以上で図3に示す処理手順によるカットオフ周波数の最適化処理が終了する。
本実施の形態の信号検出装置によれば、リップル信号の振幅(平均値)をノイズの振幅(平均値)と同程度に調整しておけば、通過帯域の最適化処理の過程においてフィードバック制御を行わずに通過帯域を拡げるので、通過帯域にノイズのみが入るような状態が抑制され、正しくリップル信号を検出できる。従って、比較的大きなノイズを発生する低コストのモータの回転位置を正しく検出することができる。
また、通過帯域を拡げるときに、カットオフ周波数を、そのときのカットオフ周波数に「ノイズの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数に上昇又は低下させるので、通過帯域を拡げた分だけリップル信号の検出精度が上がる。すなわち、リップル信号の検出精度が当該「比」に応じて向上することになる。これは、本実施の形態のように、ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比が2倍である場合は、LPFのカットオフ周波数f1を2倍に上昇させることになるので、検出精度は2倍となる。
例えば、このような信号検出装置をセンサレスのメモリ付電動シートシステムに用いれば、従来よりもノイズが大きいが安価なモータを用いても、従来のセンサレスのメモリ付電動シートシステムと同等あるいはそれ以上の移動精度を実現できる。
以上では、制御処理部13がHPF及びLPFのカットオフ周波数の初期化(ステップS1)を行った後に、LPFのカットオフ周波数f1を制御(ステップS2)する場合について説明したが、ステップS2においてHPFのカットオフ周波数f2を上昇させる制御を行うように構成してもよい。その場合の処理手順を図7に示す。
図7に示す処理手順は、ステップS2における処理対象をHPFのカットオフ周波数f2に変更した以外は、図5に示す処理手順と同一である。ステップS2においてHPFのカットオフ周波数f2を上昇させた後に、ステップS3を経て手順がステップS4に進行した場合においても、上述の説明の場合と同様に図6(c3)に示すように通過帯域にノイズAのみが入る場合がある。このような場合でも、ステップS6においてLPFのカットオフ周波数f1を上昇させることにより、図6(d)に示すように通過帯域にリップル信号が入り、この結果、リップル信号を正しく検出できる。
また、以上では、リップル信号の周波数がノイズAの周波数よりも高い場合について説明したが、リップル信号の周波数がノイズAの周波数よりも低い場合は、制御処理部13は、図8に示す処理手順によってHPF及びLPFのカットオフ周波数を制御する。
図8に示す処理手順は、ステップS6における処理対象がHPFになっていること以外は、図7に示す処理手順と同一である。また、図9(a)は、図6(c3)に対応しており、ステップS5までの処理により、通過帯域にノイズAのみが入った状態を示す図である。
制御処理部13は、図8に示すステップS5までの処理により、図9(a)に示すように通過帯域にノイズAのみが入っていたとしても、これに次ぐステップS6において、HPFのカットオフ周波数f2を「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数にまで低下させる。このときの通過帯域とリップル信号及びノイズAとの関係を図9(b)に示す。図9では、ノイズAの周波数に対するリップル信号の比が1/2であるため、ステップS6ではHPFのカットオフ周波数f2を「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」である1/2を乗じた周波数に低下させる。このため、通過帯域にリップル信号も入り、この結果、リップル信号を正しく検出できる。なお、このステップS6では、「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数以下に低下させてもよい。また、図8におけるステップS2では、LPFのカットオフ周波数を制御するように構成してもよい。これは、図7について説明した内容に対応するため、説明を省略する。
[実施の形態2]
図10は、実施の形態2の信号検出装置におけるHPF及びLPFのカットオフ周波数を最適化するための処理手順を示す。図10に示す処理手順は、実施の形態1における処理手順に通過帯域の制御処理に要する時間を短縮するための手順(ステップS16及びS17)を付加したものである。図10に示す処理手順のうち、ステップS11からステップS15は、図5に示すステップS1からS5と同一であり、また、ステップS18からステップ20は、図5に示すステップS6からステップS8と同一である。このように処理内容が同一のステップについては、その説明を省略する。
制御処理部13は、ステップS15に次ぐステップS16において、通過帯域の幅が所定値より広いか否かを判定する。この所定値は、リップル信号の周波数とノイズAの周波数との差で表される値以下に設定される。
通過帯域の幅が所定値より広いと判定した場合は、制御処理部13は、HPFのカットオフ周波数f2を2倍に上昇させる(ステップS17)。このときの倍率は、「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」によって設定される。
ステップS15までの処理により、図11(a)に示すように通過帯域にリップル信号とノイズAとの双方が入っているような場合は、ステップS16において所定値よりも広いと判定され、ステップS17においてHPFのカットオフ周波数f2が2倍に上昇される。本実施の形態では、リップル信号の周波数がノイズAの周波数の2倍であるため、ステップS17に進行した場合は、通過帯域にリップル信号とノイズAとの両方が含まれる可能性が高い。このため、HPFのカットオフ周波数f2を2倍に上昇させることにより、ノイズAがHPFの遮断領域に入ることによって除去され、図11(b)に示すように通過帯域にはリップル信号のみが入るようになる。なお、通過帯域の幅は、カットオフ周波数f1とf2の差で求まり、この差と所定値との比較を行えばよい。
また、ステップS16において、通過帯域が所定値以下であると判定した場合は、通過帯域の幅がリップル信号とノイズAとの両方が入りきらない幅であり、ノイズAのみが入っている可能性があるため、制御処理部13は手順をステップS18に進行させ、図5に示すステップS6と同一の処理を行う。ノイズAのみが通過帯域に入っていたとしても、ステップS18によってLPFのカットオフ周波数が2倍に上昇されることにより、リップル信号を検出できるようになる。
ステップS17又はステップS18が終了すると、制御処理部13は、図5のステップS7及びS8と同一のステップS19及びS20による処理を実行する。
以上、本実施の形態の信号検出装置によれば、通過帯域の最適化処理の途中で通過帯域の幅を判定し、リップル信号とノイズAとの両方が入る幅があると判定した場合にはHPFのカットオフ周波数f2を上昇させてノイズAをHPFで除去するため、実施の形態1の場合よりも短い時間でリップル信号を正しく検出できる。なお、実際に評価を行ったところ、起動状態及び移行状態の時間は、数マイクロ秒であった。これは、特に、移行状態の時間が短縮化されたためであり、従来の信号検出装置において最短で約60〜70ミリ秒程度かかっていたものに比べると大幅な短縮が実現された。
また、この場合、通過帯域にはリップル信号のみが入るため、検出精度が向上する。このように通過帯域に含まれる信号が振幅の大きなリップルのみになることで、フィルタの出力波形を安定させることができるので、信号検出部12の回路構成を簡素化できる。例えば、信号検出部12がリップル信号の周期のみで信号を検出するように構成できる。
また、通過帯域の最適化処理の途中で、実施の形態1と同様に、所定の場合に、LPF又はHPFのカットオフ周波数を、そのときのカットオフ周波数に「ノイズの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数に上昇又は低下させることによって通過帯域を拡げるので、通過帯域を拡げた分だけリップル信号の検出精度が向上する。
[実施の形態3]
図12は、実施の形態3の信号検出装置の制御処理部による処理手順を示す。この実施の形態3では、リップル信号とノイズAの関係は実施の形態1及び2の場合と同一であるが、これらの以外の信号の振幅の平均値は、リップル信号の検出に影響を与えない程度に小さいものとする。すなわち、図13(a)に示す状態でもリップル信号を検出することができる。
図12に示す処理手順は、制御処理に要する時間をさらに短縮するために、実施の形態2における処理手順の一部を入れ替えたものである。図12に示す処理手順のうち、ステップS11は、図10に示すステップS1と同一(すなわち図5のステップS1と同一)である。ステップS22は、図10に示すステップS14と同一(すなわち図5のステップS4と同一)である。ステップ23は、処理時間の短縮のために付加された予備判定処理のためのステップである。ステップS24からステップS28は、図10に示すステップS16からステップS20と同一である。これらのうち、ステップS21、S27及びS28の処理については、説明を省略する。
制御処理部13は、ステップS21によるカットオフ周波数の初期化を行った後に、信号検出部12の出力に基づき、LPF及びHPFのカットオフ周波数f1及びf2をフィードバック制御により最適化する(ステップS22)。
次いで、制御処理部13は、通過帯域の幅が、リップル信号とノイズAとの差の50%増しの幅以下になったか否かを判定する(ステップS23)。これは、通過帯域の幅を表す値が、リップル信号の周波数とノイズAの周波数との差に50%のマージンを加えた幅以下であるか否かによって判定される。このステップS23の処理は、ステップS22のフィードバック制御によって、リップル信号とノイズAとの差の50%増しの値によって表される幅以下になるまで繰り返し行われる。なお、このステップS23における判定閾値は、リップル信号の周波数とノイズAの周波数との差を表す値よりも大きい値であればよく、好ましくは、上述のように、当該差に対して所定割合のマージンの幅を加えた値であればよい。マージンの幅は、モータ1の出力特性等に応じて最適な値に設定することができる。
次いで、制御処理部13は、通過帯域の幅が、所定値以下であるか否かを判定する(ステップS24)。この所定値は、リップル信号の周波数とノイズAの周波数の差以下に設定される。
このステップS24において、所定値以下であると判定された場合は、通過帯域は、例えば、図13の(b1)又は(b2)に示す状態となる。図13(b1)は、通過帯域にリップル信号のみが入っている状態を示し、図13(b)は、通過帯域にノイズAのみが入っている状態を示す。
一方、ステップS24において、所定値より大きいと判定された場合は、通過帯域は、図13(b3)に示す状態になる。この図13(b3)は、通過帯域にリップル信号とノイズAの両方が入っている状態を示す。
なお、図13(a)に示す状態は、ステップS21によりカットオフ周波数が初期化された状態である。
制御処理部13は、ステップS24で、所定値より大きいと判定した場合は、HPFのカットオフ周波数f2を2倍に上昇させる(ステップS25)。この結果、通過帯域は、図13(b3)に示す状態から、図13(c3)に示す状態に遷移する。本実施の形態では、リップル信号の周波数がノイズAの周波数の2倍であるため、ステップS25に進行した場合は、通過帯域にリップル信号とノイズAとの両方が含まれるため、HPFのカットオフ周波数f2を2倍に上昇させることにより、図13(c3)に示すように、通過帯域には、リップル信号のみが入ることになる。なお、上述したように、このステップS25による処理は、実施の形態2におけるステップS17による処理と同一である。
制御処理部13は、ステップS24において、所定値以下だと判定した場合は、手順をステップS26に進行させる。このステップS26は、実施の形態1におけるステップS6、及び、実施の形態2におけるステップS18と同一の処理であり、LPFのカットオフ周波数f1が、そのときの値の2倍に上昇されるため、図13(b1)及び(b2)に示す通過帯域は、図13(c1)及び(c2)にそれぞれ示すように通過帯域が拡げられる。図13(c1)に示す通過帯域には、リップル信号及びノイズAの定数倍成分が入っているが、本実施の形態では、リップル信号とノイズAの関係は実施の形態1及び2の場合と同一であるが、これらの以外の信号の振幅の平均値は、リップル信号の検出に影響を与えない程度に小さい場合を想定しているため、図13(c1)の場合でもリップル信号は検出される。また、図13(c2)に示すように、通過帯域にリップル信号とノイズ信号の両方が入っている場合でも、リップル信号は検出される。
以下、制御処理部13は、ステップS27及びステップS28による処理を実行する。このステップS27及びS28の処理は、実施の形態2におけるステップS19及びS20と同一の処理である。
本実施の形態の信号検出装置によれば、リップル信号とノイズAの振幅(平均値)が略同一であり、かつ、これらの以外の信号(定数倍成分等)の振幅(平均値)がリップル信号の検出に影響を与えない程度に小さい場合において、カットオフ周波数の最適化処理の初期段階でHPF及びLPFのカットオフ周波数を同時に制御し(ステップS22)、通過帯域がマージンを含む所定値より狭くなった状態で(ステップS23)、HPF又はLPFのカットオフ周波数を「ノイズAの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた値に制御するので、最適化処理の初期段階において、LPF又はHPFのいずれかのカットオフ周波数が安定するまで待つ時間を短縮でき、実施の形態2の場合よりも、さらに早くカットオフ周波数の最適化処理を実行することができる。また、リップル信号又はノイズAの定数倍成分の振幅が十分に小さいので、より多くのリップルを高精度かつ安定的に検出できるようになる。
また、通過帯域の最適化処理の途中で、実施の形態1及び2と同様に、所定の場合に、LPF又はHPFのカットオフ周波数を、そのときのカットオフ周波数に「ノイズの周波数に対するリップル信号の周波数の比」を乗じた周波数に上昇又は低下させることによって通過帯域を拡げるので、通過帯域を拡げた分だけリップル信号の検出精度が向上する。
以上、本発明の例示的な実施の形態の信号検出装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本発明の信号検出装置は、センサレスのメモリ付電動シートシステム、電動スライドドアシステム、電動サンルーフシステム、又は、電動ベッド等に利用可能である。
実施の形態1の信号検出装置の構成を示すブロック図である。 モータの動き始めの起動状態、回転が安定するまでの移行状態、及び、定速回転する定常状態を概念的に表す図である。 実施の形態1における信号検出の原理について説明する図であり、(a)乃至(c)は、モータのある回転によって得られる出力に含まれるリップル信号及びノイズを概念的に周波数と振幅で表す図、(d)は、モータの出力を周波数解析することによって得られるリップル信号とノイズAの振幅(平均値)を示す図、(e)は、(a)乃至(c)で表されるモータの出力からリップル信号が検出されるか否かを概念的に示す図である。 リップル信号を検出できる場合と出来ない場合におけるリップル信号及びノイズ信号と通過帯域との関係で示す図である。 実施の形態1の信号検出装置における制御処理部の処置手順を示す図である。 フィルタの通過帯域とリップル信号及びノイズAの関係を説明するための図である。 実施の形態1の変形例による信号検出装置における制御処理部の処置手順を示す図である。 実施の形態1の他の変形例による信号検出装置における制御処理部の処置手順を示す図である。 フィルタの通過帯域とリップル信号及びノイズAの関係を説明するための図である。 実施の形態2の信号検出装置における制御処理部の処理手順を示す図である。 フィルタの通過帯域とリップル信号及びノイズAの関係を説明するための図である。 実施の形態3の信号検出装置における制御処理部の処置手順を示す図である。 フィルタの通過帯域とリップル信号及びノイズAの関係を説明するための図である。
符号の説明
1…ブラシレスモータ
10…信号検出装置
11…バンドパスアクティブフィルタ
12…信号検出部
13…制御処理部

Claims (5)

  1. 第1カットオフ周波数と、この第1カットオフ周波数よりも低い第2カットオフ周波数との間に可変の通過帯域を有するフィルタ手段を介して、モータから出力されるリップル信号を検出すると共に、この検出結果を用いて前記通過帯域の最適化処理を行う信号検出装置において、
    前記最適化処理の過程で、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、
    前記最適化処理の過程において、前記通過帯域の幅が所定幅より広いか否かの判定処理をさらに行い、
    前記通過帯域の幅が前記所定幅以下であると判定した場合は、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、
    前記通過帯域の幅が前記所定幅より広いと判定した場合は、前記フィルタ手段によってノイズが除去されるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理を行い、
    前記通過帯域を狭める処理は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第1カットオフ周波数に乗じて前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第2カットオフ周波数に乗じて前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理である、ことを特徴とする信号検出装置。
  2. 第1カットオフ周波数と、この第1カットオフ周波数よりも低い第2カットオフ周波数との間に可変の通過帯域を有するフィルタ手段を介して、モータから出力されるリップル信号を検出すると共に、この検出結果を用いて前記通過帯域の最適化処理を行う信号検出装置において、
    前記最適化処理の過程で、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、
    前記通過帯域を拡げる処理は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第1カットオフ周波数に乗じて前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記ノイズ信号の周波数に対するリップル信号の周波数の比を前記第2カットオフ周波数に乗じて前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理である、ことを特徴とする信号検出装置。
  3. 前記最適化処理の過程において、前記通過帯域の幅が所定幅より広いか否かの判定処理をさらに行い、
    前記通過帯域の幅が前記所定幅以下であると判定した場合は、前記通過帯域にリップル信号が含まれるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を上昇させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を低下させることにより、前記通過帯域を拡げる処理を行い、
    前記通過帯域の幅が前記所定幅より広いと判定した場合は、前記フィルタ手段によってノイズが除去されるように、ノイズ信号とリップル信号の周波数の大小関係に応じて、前記第1カットオフ周波数を低下させることにより、又は、前記第2カットオフ周波数を上昇させることにより、前記通過帯域を狭める処理を行うことを特徴とする請求項に記載の信号検出装置。
  4. 前記最適化処理の過程において、前記所定幅との判定処理の前に、前記通過帯域が当該所定幅に所定マージンを加えた幅以下であるか否かを判定する予備判定処理をさらに行い、
    前記通過帯域の幅が所定幅に所定マージンを加えた幅以下であると判定した場合に、前記判定処理を行うことを特徴とする請求項またはに記載の信号検出装置。
  5. 前記所定幅は、前記ノイズの周波数と前記リップル信号の周波数との差で表される値以下であることを特徴とする請求項1、3または4に記載の信号検出装置。
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