JP2007089023A - 信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサからの出力信号に含まれるノイズをノイズの大きさに変動して適切に除去することができる信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号処理装置1は、物体の運動状態量を感知する検出手段からの入力信号uから特定周波数以上の信号を減じる濾波手段2と、入力信号uと濾波手段2から出力される濾波信号S1との差信号を得る減算手段3と、減算手段3から出力される減算信号S2から減算信号S2の値に応じて、不感帯の幅を規定する不感帯基準値S5を算出する不感帯基準値演算手段4と、減算信号S2と不感帯基準値S5を比較し、その大小に応じて減算信号S2を処理し不感帯処理信号S6を出力する不感帯処理手段5と、濾波信号S1と不感帯処理信号S6とを加算する加算手段6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号に対し所定周波数領域の不感帯を設定し、入力信号からこの不感帯内の信号を除去することにより、入力信号のノイズ成分の除去等を行う信号処理装置に関し、特に、産業用ロボットのフィードバック制御装置に適用して有効な技術に関する。
自動車製造工場等にて使用されている産業用ロボットには、位置センサや速度センサ等の各種のセンサが用いられており、例えば、車体塗装等に使用されるロボットアームにおいては、アームの位置や速度をセンシングするため、それらのセンサが用いられている。しかしながら、このような各種センサからのセンサ信号には、装置周辺の電磁ノイズや電源ノイズ等によりノイズが含まれてしまうことは避けがたく、ノイズを含んだセンサ信号をそのまま利用すると、ロボットの制御等に不都合が生じるおそれがある。
例えば、センサ信号と目標とする運動状態との偏差を求め、それを減少させるように制御を行うフィードバック制御を実施する装置では、センサ信号にノイズが含まれていると、制御に必要な信号を的確に得ることができず、目標とする運動状態の実現が困難となる場合がある。このため、センサ信号を利用するに際し、ノイズの影響によって必要とする信号をその内容通りに入手できない場合には、センサ信号から不要なノイズ成分を除去する必要が生じる。
一般に、センサ信号等からノイズを除去する手法としては、特定周波数の信号を減衰させるローパスフィルタやハイパスフィルタ等にセンサ信号を通す方式が知られている。しかしながら、ローパスフィルタを通す手法では、図8に示すように、必要な信号の周波数がノイズの周波数に近い場合には、ノイズと共に必要な信号まで減衰されてしまうという問題がある。さらに、ローパスフィルタ処理の場合、入力信号とノイズ除去処理後の信号との間に位相遅れが生じ、必要な信号が遅延するという問題もある。
このため、例えば、フィードバック制御におけるフィードバック信号として、前記手法によってノイズを除去したセンサ信号を用いると、信号の減衰や遅延によって、ロボット等を的確かつ迅速に駆動制御できなくなるおそれがある。すなわち、制御上必要な信号が減衰すると、ロボット等の状態を正確に認識できず、所望の動作を行わせることができなくなる。また、処理後の信号に位相遅れが生じると、運動状態の制御に遅れが生じてしまい、ロボット等を速やかに反応させることが難しくなる。
そこで、ノイズのみを有効に除去する手法として、例えば、特開平10-16811号公報には、予め所定の周波数領域を有する不感帯を設定しておき、この不感帯内の信号をカットオフして一定のノイズを除去する方法が提案されている。そこではまず、ノイズを含むセンサ信号から低周波信号を抽出する。次に、センサ信号から先に抽出した低周波信号成分を減算して高周波信号を取り出し、この高周波信号から不感帯内の信号をカットオフする。これにより、不感帯内の一定のノイズが除去される。そして、ノイズ除去後の信号に、当初抽出しておいた低周波信号を加算する。この手法によれば、減算後の高周波信号をフィルタに通さないため、制御上必要な信号の周波数がノイズ周波数に近い場合でも、ノイズ除去処理後の信号に振幅の減少や遅れがほとんど生じず、ノイズ成分が有効に除去される。
特開平10-16811号公報
このように、特許文献1のような従来の手法によれば、図9(a)に示すように、予め設定された所定の不感帯が実際のノイズの大きさと同程度であれば、図9(b)のようにフィードバック制御に必要な信号のカットオフを必要最小限に抑えつつノイズを有効に除去することができる。しかしながら、実際にセンサ信号に含まれるノイズの大きさはセンサ周辺の環境や電源ノイズの作用により一般に変動するものである。従って、図10(a)に示すように、予め設定された所定幅の不感帯に比べ、実際に生じているノイズの大きさが過大である場合には、図10(b)のようにノイズを十分に除去しきれない。
また、図11(a)に示すように、予め設定された所定幅の不感帯に比べ、実際に生じているノイズの大きさが過小である場合には、図11(b)のように確かにノイズは完全に除去できるがフィードバック制御に必要な信号まで必要以上にカットオフされてしまう。すなわち、特許文献1のようなノイズ除去処理では、常にセンサ信号の高周波信号から所定幅の不感帯がカットオフされるため、ノイズの大きさが変動した場合には、フィードバック制御に必要な信号の振幅減少を極力抑えつつ、ノイズを大幅に除去することができないという問題がある。
一方、産業用ロボットにおいては、ロボットアーム等に対象物が衝突する際の衝撃を緩和し、ロボットアームを保護するためフィードバック制御が行われる場合がある。一般に、産業用ロボットは位置剛性が高いため、ロボットアームが対象物に衝突した場合、衝撃を関節で緩和できず、対象物またはロボットアーム等を破損させてしまうおそれがある。このような不都合を解消するため、産業用ロボットにおけるロボットアームの駆動部である関節部の柔軟性を向上させることが求められ、その方法の一つとして、コンプライアンス制御と呼ばれる制御方法が存在する。
このコンプライアンス制御は、ロボットアームの関節部にバネ等を連結した場合と同様の動作をアクチュエータによって実現するものであり、外力の大きさに応じて、外力の作用する方向に対し逃げる動作をロボットアームに積極的に行わせる。コンプライアンス制御では一般に、フィードバック信号として、ロボットアームに取り付けた力センサからのセンサ信号が使用され、この場合も、センサ信号に含まれるノイズを十分に除去する必要があると共に、ロボットを素早く駆動させるため、センサ信号を遅れなくフィードバックする必要がある。すなわち、ロボットを的確かつ迅速に駆動制御するためには、制御上必要な信号の振幅減少や位相遅れをほとんど生じさせることなく、センサ信号からノイズを有効に除去することが求められる。ところが、ロボットの衝突挙動を示すセンサ信号は、高周波領域を含みノイズの周波数帯に近いため、特許文献1のようなノイズ除去処理を行うと、位相遅れの防止の観点からは有効ではあるが、必要な信号まで減衰されてしまい易い。
また、産業用ロボットでは、小さい力の衝突時でもロボットアームを適切に制御する必要があり、そのためには、力センサを高感度のものとする必要がある。ところが、センサが高感度化すると、それに伴いノイズ自体の値やその変動幅も大きくなる。制御上、このような変動するノイズに対応して有効にノイズを除去することは非常に重要であるが、特許文献1のような処理では、変動するノイズへの対応は困難である。特に、ロボットアームのコンプライアンス制御では、力センサのセンサ信号からノイズを除去するに際し、変動するノイズに対応して、センサ信号からノイズを適切に除去することは極めて重要な要素であり、位相遅れを生じさせないことを前提として、かかる変動ノイズを有効に除去する手法が求められていた。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その主な目的は、例えば、センサ信号に含まれるノイズが、センサ周辺の環境の変化や電源ノイズの影響によって変動する場合でも、センサ信号として必要な信号の振幅の減少や位相遅れをほとんど生じさせることなく、変動するノイズの大きさに対応してセンサ信号からノイズを有効に除去可能な信号処理装置を提供することにある。
本発明の信号処理装置は、入力信号に対し所定幅の不感帯を設定し、前記入力手段から前記不感帯内の信号を除去する信号処理装置であって、前記入力信号から特定周波数以上の信号を減じる濾波手段と、前記入力信号と前記濾波手段の出力との差信号を得る減算手段と、前記減算手段の出力に基づいて、前記不感帯の幅を規定する不感帯基準値を算出する不感帯基準値演算手段と、前記不感帯基準値演算手段にて算出した前記不感帯基準値と前記減算手段の出力とを比較し、その大小に応じて所定の信号を出力する不感帯処理手段と、前記不感帯処理手段の出力と前記濾波手段の出力の和信号を得る加算手段からなることを特徴とする。
また、前記信号処理装置において、前記不感帯基準値演算手段を、前記減算手段の出力を正の値とする絶対値化手段と、前記絶対値化手段の出力を平滑化して前記不感帯基準値を得る平滑化手段とを備える構成としても良い。さらに、前記信号処理装置において、前記不感帯基準値演算手段を、前記減算手段の出力を正の値とする絶対値化手段と、前記絶対値化手段の出力を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化手段の出力に所定係数を乗じて前記不感帯基準値を得る比例手段とを備える構成としても良い。
一方、前記信号処理装置において、前記不感帯処理手段は、前記不感帯基準値から不感帯を設定し、前記減算手段の出力が前記不感帯を超える場合は、前記減算手段の出力から前記不感帯分の信号を減じた値を出力し、前記減算手段の出力が前記不感帯を超えない場合は、ゼロ値を出力するようにしても良い。
本発明の信号処理装置によれば、入力信号に対し所定周波数領域の不感帯を設定し、入力信号から不感帯内の信号を除去する信号処理装置にて、ノイズを含む減算手段の出力から不感帯基準値を求めるようにしたので、入力信号にノイズが含まれている場合、周辺環境や電源ノイズにより変動する入力信号内のノイズの大きさに対応して、不感帯の大きさを変化させることができる。このため、実際のノイズよりも不感帯幅が小さ過ぎノイズを十分に除去しきれない不都合や、実際のノイズよりも不感帯幅が大き過ぎて必要な信号まで不用意に除去してしまう不都合を防止できる。従って、例えば、入力信号が各種センサの出力信号の場合、センサ周辺の環境や電源ノイズ等により変動するノイズの大きさに合わせてセンサ信号からノイズを適切に除去することが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の信号処理装置のブロック線図である。図1に示すように、本発明の信号処理装置1は、濾波手段2と、減算手段3、不感帯基準値演算手段4、不感帯処理手段5及び加算手段6から構成されており、例えば、ロボットアーム等の産業用ロボットの駆動制御装置に適用される。
ロボットアーム等に設けられた物体の挙動を感知するセンサは、低周波領域から高周波領域まで、幅広い周波数領域の信号を出力する。これらの信号に重畳してしまう電磁ノイズ等は、一般的に高周波領域のものが多く、周辺環境等によって大きさが変動する。本発明の信号処理装置1は、このようなセンサからの入力信号uから高周波ノイズを適切に除去し、ノイズ除去後の出力信号yを出力する。以下、このようなノイズ除去過程を、図1を用いて説明する。
図1において、濾波手段2は、入力された電気信号のうちの高い周波数領域を減じるものである。濾波手段2により、入力信号uからセンサ信号の高周波領域とノイズが除去され、センサ信号の低周波領域の濾波信号S1が抽出される。減算手段3は、入力される二つの電気信号のうち、一の電気信号から他の電気信号を差し引き、その値を出力する。減算手段3では、入力信号uから低周波領域の濾波信号S1を減じ、高周波領域とノイズからなる高周波信号である減算信号S2を出力する。
不感帯基準値演算手段4は、入力された電気信号から所定の不感帯基準値を演算し出力する。減算手段3から出力された高周波領域の減算信号S2は、不感帯基準値演算手段4にて処理され、ノイズの大きさに対応して不感帯基準値S5が算出される。不感帯処理手段5は、主として入力された電気信号から不感帯をカットオフして出力する。不感帯処理手段5では、不感帯基準値S5を用いて減算信号S2からノイズを除去し、不感帯処理信号S6を出力する。加算手段6は、複数の電気信号を加えて出力するものであり、不感帯処理信号S6と濾波信号S1を加算し、ノイズが除去された出力信号yを出力する。
図1に示すように、不感帯基準値演算手段4はさらに、絶対値化手段41、平滑化手段42及び比例手段43とから構成されている。ここで、絶対値化手段41は、入力された電気信号が正または零ならばそれ自身を、電気信号が負ならばそれに−1を乗じた値を出力する。平滑化手段42は、入力された電気信号をたいらでなめらかにし出力する。比例手段43は、入力された電気信号に一定の値を乗じて出力する。これらの手段により、ノイズの変動に対応した不感帯基準値S5が得られる。
不感帯基準値演算手段4では、次のようにして不感帯基準値S5を算出する。まず、減算手段3から出力された減算信号S2は、絶対値化手段41により全て正の値である絶対値信号S3に変換される。次に、絶対値信号S3は、平滑化手段42により平滑化処理され平滑信号S4とされる。平滑化処理としては、例えば、以下の方法が実施される。図2は、平滑化手段42による信号平滑化処理の一例を示す説明図である。なお、以下に示す括弧内の数字は計算方法の一例である。
図2に示すように、ここまず、平滑信号S4の初期値(S4)を任意の数(例えば0;α=S4=0)とする。この際、αがノイズの平均値に近いほど、平滑化処理後の信号値はノイズの平均値に早く収束する。αを得た後、S4に所定の係数(a=0.8)を乗じたものに、絶対値信号S3の初期値(S3=0)に所定の係数(1−a=0.2)を乗じたものを加える。これにより、最初の平滑信号S4(S4=0)が得られる。
平滑化手段42では、この処理を絶対値信号S3の各サンプリング周期毎(S3n)に順次行い(S3=0.5、S3=0.87、S3=1.0、・・・)、平滑信号S4(S4n)を得る(S4=0.1、S4=0.25、S4=0.40、S4=0.50、・・・)。この場合、絶対値信号S3は、高周波領域とノイズを含んだ減算信号S2の絶対値であり、ノイズの大きさによって絶対値信号S3も変動する。従って、このように絶対値信号S3を平滑化処理することにより、時々刻々変動するノイズの変化を反映しつつ平滑信号S4(S4n)を得ることができる。なお、nは自然数であり、aは0〜1の値である(式1参照)。なお、aが小さいほどS3の変化の影響を受けにくく、また、aが大きいほどS3の変化の影響を受け易くなる。
Figure 2007089023
前記算出方法では、ノイズのピーク値(S3等)以外もサンプリングされて平滑化されるため、平滑信号S4はノイズのピーク値よりも小さくなる。従って、当該信号処理装置1では、比例手段43にて平滑信号S4に所定の値を乗じ、不感帯の幅を、ノイズを適切にカットできる適切な値とする。例えば、減算信号S2が正弦波信号である場合、それを平滑化すると、平滑後の振幅値は元の振幅値の70%程度に減じる。このため、比例手段43は、その際には平滑信号を1.5倍して不感帯基準値S5とする。このように、比例手段43では、平滑信号S4が実際の入力信号に即した形に補正され、ノイズを有効に除去可能な不感帯基準値S5が算出される。
このように、不感帯基準値演算手段4にて、高周波信号(減算信号S2)を処理して不感帯基準値S5を求めることにより、ノイズが大きい場合には不感帯基準値S5も大きくなり、ノイズが小さい場合には不感帯基準値S5も小さくなる。すなわち、ノイズの大きさに応じて不感帯基準値S5も変化する。このため、センサ周辺の環境や電源ノイズの影響によってノイズの大きさが変動しても、その変化に追従して不感帯基準値S5を適宜設定することが可能となる。そして、このようにして求めた不感帯基準値S5を用いて、不感帯処理手段5にて減算信号S2からノイズ成分を除去する。
図3は不感帯処理手段5による不感帯処理前の減算信号S2を示す説明図、図4は不感帯処理後の不感帯処理信号S6を示す説明図である。不感帯処理手段5では、減算信号S2が不感帯基準値S5を用いて処理され、不感帯処理信号S6が出力される。不感帯処理手段5では、不感帯基準値S5を不感帯Bの上限Bt、−S5を不感帯Bの下限Bbと設定し、減算信号S2が不感帯Bを超えている場合には、減算信号S2から不感帯Bを減じた値を出力する。これに対し、減算信号S2が不感帯Bを超えない場合には、不感帯処理手段5は、不感帯処理信号S6としてゼロ値(0)を出力する。
すなわち、領域(1)のように、減算信号S2が不感帯Bの上限Btより大きい場合には、不感帯処理信号S6は高周波信号S2から不感帯基準値S5を減じた値を出力とする(式2参照)。また、領域(2)のように、減算信号S2が不感帯Bの下限Bbより小さい場合、不感帯処理信号S6は減算信号S2から−S5を減じた値を出力する(式3参照)。一方、領域(3)のように、減算信号S2が下限Bb以上であり、かつ、上限Bt以下の場合には、カットオフ処理を行わず不感帯処理信号S6としてゼロ値を出力する(式4参照)。このように、不感帯処理手段5では、ノイズの変動に対応して変動する不感帯基準値S5を用いて減算信号S2を処理する。このため、ノイズの変動に応じて、ノイズ除去が適切になされ、ノイズが変動する場合でも制御等に必要な信号を的確に取り出すことが可能となる。
Figure 2007089023
Figure 2007089023
Figure 2007089023
不感帯処理手段5にて、減算信号S2からノイズを除去した後、最後に加算手段6により不感帯処理信号S6に濾波信号S1が加えられ出力信号yが出力される。ここで、不感帯処理信号S6は、ノイズが除去されたセンサ信号の高周波領域の信号であり、濾波信号S1はセンサ信号の低周波領域の信号である。従って、この加算手段6での処理により、ノイズが除去された全周波数領域の出力信号yを得ることができる。この際、不感帯がノイズの大きさに対し適切に計算されているため、減算信号S2に不感帯Bを超えるノイズが含まれている場合には、ノイズを相当の程度まで除去することができる。また、不感帯Bを超えない場合にはノイズを完全に除去することができる。なお、ローパスフィルタを通していないため必要な信号が遅れて出力されることもない。
図5は、図1の信号処理装置とローパスフィルタによる処理のノイズ除去効果を比較して示した説明図であり、(a)は未処理の入力信号、(b)は(a)の入力信号を図1の信号処理装置によってノイズ除去処理した後の信号、(c)は(a)の入力信号をローパスフィルタにてノイズ除去処理した後の信号をそれぞれ示している。図5(b)及び図8に示すように、ローパスフィルタにより入力信号を処理した場合には、振幅が減少するとともに位相の遅れが生じる。これに対し、信号処理装置1にて入力信号を処理した場合には、振幅の減少や位相の遅れがほとんど生じることなく、ノイズを適切に除去することができる。すなわち、本発明による信号処理装置1では、図5から明らかなように、位相遅れを生じさせることなく、ノイズの変動に応じて入力信号uから適切にノイズを除去することができる。
次に、実施の形態2として、コンプライアンス動作を行うロボットに本発明の信号処理装置を適用した場合について説明する。図6は、本発明の実施の形態2であるロボット駆動制御システムにて使用されるロボットの斜視図、図7は、本発明の実施の形態2であるロボット駆動制御システムのブロック図である。図6に示すように、ロボット21は、ロボットアーム10と、アーム駆動モータ11、力センサ12及び位置センサ13等を備えた構成となっている。また、ロボット駆動システム22は、図7に示すように、大別するとロボット21と駆動制御装置23とからなり、駆動制御装置23には、信号処理装置1と、ゲイン14、サーボ制御部15及び駆動回路16が設けられている。
ロボット21には、地面等に載置されるベースプレート24と、ベースプレート24上に揺動自在に支持されたアームベース25が設けられている。アームベース25は、ベースプレート24側の端部に取り付けられたベースモータ26によって駆動される。アームベース25の上端部には、ベースブロック27固定されている。ベースブロック27にはロボットアーム10の一端側が固定されている。ロボットアーム10は、アームベース25に取り付けられたアーム駆動モータ11によって上下方向に駆動される。アーム駆動モータ11は、ロボットアーム10にコンプライアンス動作を行わせ、ロボットアーム10を目標位置xrに移動させる。
ロボットアーム10の先端部には力センサ12が取り付けられている。力センサ12は、ロボットアーム10に作用する外乱力Fを測定し出力する。外乱力Fは、ロボットアーム10と対象物との間の干渉によって発生し、力センサ12はその大きさに応じた信号を出力し駆動制御装置23に送出する。ベースブロック27にはさらに、位置センサ13が取り付けられている。位置センサ13は、ロボットアーム10の位置(移動角度)を測定し、駆動制御装置23に出力する。
駆動制御装置23のゲイン14は、信号処理装置1の後段に配されており、信号処理装置1を経てノイズが除去された力センサ12からの信号が入力される。ゲイン14では、ノイズ除去後の力センサ信号yに所定係数を乗じ、外乱力Fの影響を緩和する変位を設定する。サーボ制御部15は、位置センサ13の出力と、ゲイン14からの出力及び目標位置xrへの移動距離を示す信号との偏差を零とするよう駆動回路16に指令を与える。駆動回路16は、サーボ制御部15の指令に基づいてアーム駆動モータ11を駆動させ、コンプライアンス動作を行わせつつロボットアーム10を目標位置xrに移動させる。
駆動制御装置23は、次のような処理により、ロボット21にコンプライアンス動作を行わせる。まず、ロボットアーム10に作用する外乱力Fは、力センサ12で感知され、力センサ12からの入力信号uは、本発明による信号処理装置1に入力される。信号処理装置1では、ロボット21の衝突挙動による高周波領域を含む入力信号uから、位相遅れなくノイズを適切に除去し、信号yを出力する。ノイズ除去処理後の出力信号yには、ゲイン14にて、設定した仮想ばねのコンプライアンスを示すゲイン(=1/K)が乗じられ、衝撃を緩和する変位が算出される。なお、このゲインの調整により、見かけ上、ロボットアームの関節を柔らかくしたり硬くしたりすることができる。
その後、当初の位置指令xrに、衝撃を緩和するための変位(ゲイン14からの出力値)を加算する。次に、その位置をコンプライアンス動作のための目標位置とし、この目標位置と実際のロボットアームの位置との偏差を位置センサ13からのフィードバック信号から求める。サーボ制御部15では、この偏差を零とするように演算を行い、駆動回路16に対し、外乱力Fに対し適当な動作を行うよう指令する。その指令値に基づき、駆動回路16は、アーム駆動モータ11を駆動させる。このような動作を行わせることにより、ロボットアーム10は適切な柔軟性を有する動作を行い、対象物またはロボットアーム10等の破損を防止できる。
このように、駆動制御装置23では、信号処理装置1を力センサ12からのセンサ信号の処理に用いているため、位相遅れなく、しかも、制御に必要な信号を損なうことなく、ノイズの状態に合わせて適切にノイズを除去することができる。従って、ロボットアーム10のコンプライアンス動作が瞬時かつ的確になされ、対象物やロボットアーム10等を破損することなく、ロボット21の機能を存分に発揮させることが可能となる。なお、ロボット21では、コンプライアンス動作により、外乱力Fが作用しているときは、当初の位置指令xrからずれた位置にロボットアーム10が移動するが、外乱力Fが作用しなくなれば当初の位置指令xrまで駆動する。
以上のように、本発明の信号処理装置においては、センサからの出力をそのままローパスフィルタにかけるのではなく、高周波成分と低周波成分を分離し、高周波成分のみを不感帯処理する。このため、感知したい信号が高周波成分に存在する場合でも、位相遅れを生じさせることなく、ノイズを適切に除去することができる。また、変動するノイズの大きさに合わせて不感帯を変動させることができるので、感知したい必要な信号を不用意に減少させることなく、ノイズを適切に除去することが可能となる。さらに、この信号処理装置をコンプライアンス制御されるロボットに適用し、力センサからの出力信号を当該信号処理装置にて処理することにより、ロボットのコンプライアンス動作を遅れなく瞬時かつ的確に行わせることが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、本発明の信号処理装置は、ロボットの力センサの出力信号のノイズ除去のみならず、映像信号に含まれるノイズ除去にも適用することが可能である。これにより、鮮明な画像を遅れなく送信し、出力装置に写し出すことが可能となる。また、前述の実施例においては、不感帯基準値演算手段4として、絶対値化手段41と平滑化手段42、比例手段43を用いたが、ノイズの大きさに変動して不感帯を変動できるものであればその他の形態によるものでも良い。さらに、不感帯基準値S5を得るため、前述の実施例においては、式1に基づく平滑化処理を用いたが、不感帯基準値S5の算出方法はこれ限定されるものではなく、減算信号S2の標準偏差から求めることも可能である。
本発明の実施の形態1である信号処理装置のブロック線図である。 図1の信号処理装置における平滑化処理の一例を示す説明図である。 図1の信号処理装置における不感帯処理前の減算信号の一例を示す説明図である。 図1の信号処理装置における不感帯処理後の不感帯処理信号の一例を示す説明図である。 図1の信号処理装置とローパスフィルタによる処理のノイズ除去効果を比較して示した説明図であり、(a)は未処理の入力信号、(b)は(a)の入力信号を図1の信号処理装置によってノイズ除去処理した後の信号、(c)は(a)の入力信号をローパスフィルタにてノイズ除去処理した後の信号をそれぞれ示している。 本発明の実施の形態2であるロボット駆動制御システムにて使用されるロボットの斜視図である。 本発明の実施の形態2であるロボット駆動制御システムのブロック図である。 ローパスフィルタによるノイズ除去処理を実施した場合におけるノイズ除去前後の信号変化を示す説明図である。 不感帯が適正な場合における従来の不感帯処理を示す説明図であり、(a)は不感帯処理前の信号状態、(b)は不感帯処理後の信号状態をそれぞれ示している。 不感帯がノイズより小さい場合における従来の不感帯処理を示す説明図であり、(a)は不感帯処理前の信号状態、(b)は不感帯処理後の信号状態をそれぞれ示している。 不感帯がノイズより大きい場合における従来の不感帯処理を示す説明図であり、(a)は不感帯処理前の信号状態、(b)は不感帯処理後の信号状態をそれぞれ示している。
符号の説明
1 信号処理装置
2 濾波手段
3 減算手段
4 不感帯基準値演算手段
41 絶対値化手段
42 平滑化手段
43 比例手段
5 不感帯処理手段
6 加算手段
10 ロボットアーム
11 アーム駆動モータ
12 力センサ
13 位置センサ
14 ゲイン(仮想ばねのコンプライアンス)
15 サーボ制御部
16 駆動回路
21 ロボット
22 ロボット駆動システム
23 駆動制御装置
24 ベースプレート
25 アームベース
26 ベースモータ
27 ベースブロック
u 入力信号(センサ信号)
y ノイズ除去後の出力信号
S1 濾波信号
S2 減算信号
S3 絶対値信号
S4 平滑信号
S5 不感帯基準値
S6 不感帯処理信号
B 不感帯
Bt (不感帯Bの)上限
Bb (不感帯Bの)下限
xr ロボットアーム目標位置
F 対象物との干渉による外乱力

Claims (4)

  1. 入力信号に対し所定幅の不感帯を設定し、前記入力手段から前記不感帯内の信号を除去する信号処理装置であって、
    前記入力信号から特定周波数以上の信号を減じる濾波手段と、
    前記入力信号と前記濾波手段の出力との差信号を得る減算手段と、
    前記減算手段の出力に基づいて、前記不感帯の幅を規定する不感帯基準値を算出する不感帯基準値演算手段と、
    前記不感帯基準値演算手段にて算出した前記不感帯基準値と前記減算手段の出力とを比較し、その大小に応じて所定の信号を出力する不感帯処理手段と、
    前記不感帯処理手段の出力と前記濾波手段の出力の和信号を得る加算手段からなることを特徴とする信号処理装置
  2. 請求項1記載の信号処理装置において、前記不感帯基準値演算手段は、前記減算手段の出力を正の値とする絶対値化手段と、前記絶対値化手段の出力を平滑化して前記不感帯基準値を得る平滑化手段とを有することを特徴とする信号処理装置
  3. 請求項1記載の信号処理装置において、前記不感帯基準値演算手段は、前記減算手段の出力を正の値とする絶対値化手段と、前記絶対値化手段の出力を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化手段の出力に所定係数を乗じて前記不感帯基準値を得る比例手段とを有することを特徴とする信号処理装置
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の信号処理装置において、前記不感帯処理手段は、前記不感帯基準値から不感帯を設定し、前記減算手段の出力が前記不感帯を超える場合は、前記減算手段の出力から前記不感帯分の信号を減じた値を出力し、前記減算手段の出力が前記不感帯を超えない場合は、ゼロ値を出力することを特徴とする信号処理装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016052043A (ja) * 2014-09-01 2016-04-11 アンリツ株式会社 濾波装置および濾波方法
CN115225080A (zh) * 2022-09-15 2022-10-21 苏州聚元微电子股份有限公司 带刹车功能的死区可配置互补输出电路

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