JP5489753B2 - フィルタープレスにおける濾枠 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルタープレスにおいて濾板間に配置される濾枠に関する。
従来、この種の濾枠は、特許文献1に開示される様に、四角形状の外枠内側に支持された断面方形状で円環状の芯枠に取付けたゴム製シール材から成り、該シール材(濾枠)はフィルタープレスの閉板時の圧縮で芯枠から外れない様に、その外周にC形溝を形成し、該C形溝で芯枠を抱持する様にして濾枠の芯枠からの脱落防止を図っている。
実公平4−50883号公報
そして、上記濾枠は、閉板時に濾板との密封性を高めるためにゴム硬度の低い軟質なものを用いているとはいえ、外枠(芯枠)に対する濾枠の取付けにあたっては、円環状の濾枠外周全体のC形溝をその弾性力に抗して拡げながら芯枠をC形溝内に抱持せねばならないので、作業者はその両手先に相当な力を込めて芯枠に対する濾枠の取付けに望まねばならず、その作業は手先に痛みを生じるなど甚だ面倒で手間を要していた。
そこで、本発明では、芯枠に容易に取付けられる様にしたフィルタープレスにおける濾枠を提供することを目的としている。
上記課題に鑑み、本発明のフィルタープレスにおける濾枠は、濾板間に配置され、且つ、外枠内側に支持される円環状の芯枠に装着可能な円周溝を外周に設けた円環状のゴム製シール材から成るものにして、その円周方向で複数に分割形成された円弧状の分割体から成ることを特徴とする。
又、濾枠は高硬度のゴム製シール材から成り、円周溝は芯枠の方形な断面形状に合致する断面凹字状に形成したことを特徴とする。
又、分割体は濾枠の円周方向で複数に等分されて成ることを特徴とする。
要するに本発明に係る濾枠は、芯枠に装着可能な(上記円周溝が円周方向で分割された)円弧溝を外側に設けた複数の円弧状の分割体から成るので、各分割体は、従来の様な無端の円環状に一体形成されたゴム製シール材から成る濾枠に比し短く、両端を有する円弧であるから、手先が痛くなるほどの相当な力を要することなく、芯枠へ装着するために円弧溝を容易に拡げることができ、これにより各分割体を芯枠に沿った円環状の濾枠に組み付け構成できるから、該濾枠を労せずして簡単容易に芯枠に取付けでき、その作業効率を向上できる。
又、上記の如く円環状に組み付けられた濾枠において、隣接する分割体同士間に隙間を生じていても、各分割体はフィルタープレスの閉板による濾板間の圧縮介装で弾性変形してその隙間をシールでき、この様に継ぎ目のシール性が良好な一連の濾枠を濾板間に構成できて従前と変わりのない濾過を実施できる。
よって、本発明によれば、分割体は高精度な成形を要せずとも従前同様の濾過機能を有し、しかも従来の様な円環状の濾枠用の大型な成形型も不要で、製造も比較的簡単であると共に、外枠(芯枠)への濾枠(分割体)の組み付けが上記の様に非常に容易であるから従来に比しコストを低減できる。
更に、分割体は、上記の様に小型に成形可能であるから、運搬や保管も容易である。
又、円周溝は芯枠の方形な断面形状に合致する断面凹字状に形成したので、分割体の外側に形成される円弧溝も当然に芯枠の方形な断面形状に合致する断面凹字状であり、かかる円弧溝を弾性力に抗して拡げることなく、円弧溝に芯枠を押し込む様に、芯枠に対し分割体を押圧するだけで芯枠に分割体を簡単容易に装着でき、芯枠への分割体(濾枠)の取付け作業をより一層向上させることができる。
そして、上記の通り芯枠への取付けが容易であるとしても、分割体(濾枠)は高硬度ゴム製から成るために分割体の円弧溝が芯枠に堅固に嵌着し、芯枠から各分割体が簡単に脱落することはない。
又、分割体は、濾枠の円周方向で複数に等分すれば全て同一形状であるから、芯枠に対する各個の取付位置を考えることがないので、芯枠への取付け作業が迅速に着手でき、その作業効率を高められ、しかも分割体の製造は、従来の円環状に一体化した濾枠に比し、小型で安価な1つの成形型で済ませられるため、従来に比し低廉な濾枠を提供できる等その実用的効果甚だ大である。
濾枠の分割例を示す正面図である。 外枠に濾枠を取付けた状態を示す正面図である。 図2のA−A拡大断面図である。 閉板状態を示す要部断面図である。 開板直後状態を示す要部断面図である。
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
図に示す濾枠1は、フィルタープレスの長手方向で濾板2間に介在される様に多数並列配置されるものにして、金属製で門型又は図示しない方形枠状の外枠3内側に支持され、且つ外枠3の厚み方向前後に突出する様に肉厚に形成したJISゴム硬度が65°から90°範囲内から選択される高硬度のゴム製シール材から成る。
外枠3は、図示例では上記の様に門型に形成され、その上側辺と左右側辺に断面方形状で円環状の芯枠4を内接固着し、左右側辺の内側下端部より芯枠4外周下部へ向かって支持杆5を斜設し、左右側辺の外側中間部位にはアーム6を突設している。
又、濾枠1は円環状に形成されると共に、内周面1aは、その断面形状を凹形に湾曲(凹面状に)形成し、その厚み方向の圧縮による弾性変形前後の曲率差が大きく成る様に設定しており、外周には、芯枠4の方形な断面形状に合致して装着可能な断面凹字状の円周溝1bを形成している。
そして、濾枠1は、その円周方向で複数に分割形成された円弧状の分割体7から構成されており、各分割体7の外側には、円周溝1bが分割された円弧溝7aを有する。
各分割体7は、図示例の様に濾枠1をその円周方向で等分するのが好ましく、図示例では、濾枠1は4等分(図1参照)されているが、その等分数は適宜に設定される。
そして、外枠3の芯枠4に沿ってこれを各分割体7の円弧溝7aに嵌着、即ち円弧溝7aを弾性力に抗して拡げることなく、円弧溝7aに芯枠4を押し込む様にして、該芯枠4に対し分割体7を押圧するだけで、各分割体7を芯枠4に沿って円環状の濾枠1に組み付けられ、この様に濾枠1が円環状に構成されることで外枠3の内側に支持される。
濾枠1における各分割体7は、それぞれの円弧溝7aに断面方形状の芯材4が単純に嵌着されているだけで取付けが容易であるが、分割体7(濾枠1)は上記の如く高硬度ゴム製から成るために分割体7の円弧溝7aが芯枠4に堅固に嵌着し、芯材4に対する各分割体7の装着状態が保持され、芯枠4から分割体7が簡単に脱落することはない。
上記の様に構成された濾枠1にあっては、フィルタープレスの閉板時に前後の濾板2間に挟持されることで濾過室8の周壁を構成する。
尚、濾板2の挟持前(開板)状態で、濾枠1において隣接する分割体7同士の端面間に隙間を生じていても、上記閉板時による濾板2間での圧縮介装により、分割体7が弾性変形することで、その隙間をシールし、この様に継ぎ目のシール性が良好な一連の濾枠1(濾過室8の周壁)が濾板2間に構成されることになる。
かかる閉板状態において、濾枠1は外枠3の厚み方向前後に突出する様に肉厚に形成した高硬度のゴム製シール材から成るので、濾板2間に圧接されても、型崩れすることなく、濾過室8の最適形状を保持している。
そして、濾枠1において濾板2に濾布(図示せず)を介して接触する部分が密着する様に弾性変形して良好な密封(シール)性を保持しつつ、耐久性を維持できる。
この様に、濾布に直接接触するのが、ゴム製シール材から成る濾枠1のため、濾布を傷つけることがない。
フィルタープレスにおいて、上記閉板状態で濾過室8に原液を注入して濾過が終了すると、開板されて濾過室8内に残存する濾滓Wが外部へ排出される。
かかる濾滓Wの排出にあっては、濾枠1がその厚み方向で圧縮される閉板時よりも、該圧縮が解除される開板時の方が、濾枠内周面1aの凹面湾曲の曲率が大きいから、閉板時の濾過によって濾過室8内に生ずる濾滓W外周が濾枠内周面1aに密着していても、開板時に濾枠1に対する圧縮が解除されると同時に濾滓W外周よりも曲率大に濾枠内周面1aが弾性復帰するため、濾枠内周面1aと濾滓W外周との間に隙間を生じさせられると共に、濾枠1の変形時に生ずる弾力も相俟って容易にして確実に濾滓Wを濾枠1より離脱させられる(図4、5参照)。
1 濾枠
1b 円周溝
2 濾板
3 外枠
4 芯枠
7 分割体

Claims (3)

  1. 濾板間に配置され、且つ、外枠内側に支持される円環状の芯枠に装着可能な円周溝を外周に設けたゴム製シール材から成る円環状の濾枠であって、該濾枠はその円周方向で複数に分割形成された円弧状の分割体から成ることを特徴とするフィルタープレスにおける濾枠。
  2. 濾枠は高硬度のゴム製シール材から成り、円周溝は芯枠の方形な断面形状に合致する断面凹字状に形成したことを特徴とする請求項1記載のフィルタープレスにおける濾枠。
  3. 分割体は濾枠の円周方向で複数に等分されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルタープレスにおける濾枠。
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