JP5489683B2 - 抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズ - Google Patents

抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズ Download PDF

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本発明は、温度ヒューズエレメントが実装される抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに、外部からの信号に基づいて発熱抵抗体を高温にし、発熱抵抗体の温度に起因して温度ヒューズエレメントを溶断する抵抗温度ヒューズに関する。
近年、抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズの作動特性を向上させる開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−96871号公報
抵抗温度ヒューズの開発において、温度ヒューズエレメントの作動特性を良好に維持する技術が求められている。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作動特性を良好に維持することが可能な抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実施の態様に係る抵抗温度ヒューズは、複数の基板を積層して成るとともに、最上層に位置する基板に凹部を有する基体と、前記凹部内に
設けられる温度ヒューズエレメントと、前記基体内に設けられ、平面透視して前記温度ヒューズエレメントと重なる領域であって、前記温度ヒューズエレメントと間を空けて設けられる発熱抵抗体と、を備え、前記発熱抵抗体と前記温度ヒューズエレメントとの間の基板には、伝熱層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、作動特性を良好に維持することが可能な抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズを提供することができる。
本実施形態に係る抵抗温度ヒューズの概観を示す斜視図である。 本実施形態に係る抵抗温度ヒューズパッケージの概観を示す斜視図である。 図1のX−X’に沿った抵抗温度ヒューズの断面図である。 図1のY−Y’に沿った抵抗温度ヒューズの断面図である。 本実施形態に係る抵抗温度ヒューズの発熱抵抗体を示す基板の透過斜視図である。 本実施形態に係る抵抗温度ヒューズと支持体とを接合した状態を示す斜視図である。 一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージの断面図である。 一変形例に係る抵抗温度ヒューズの断面図である。 一変形例に係る抵抗温度ヒューズの断面図である。 一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージの概観を示す斜視図である。 一変形例に係る抵抗温度ヒューズと支持体とを接合した状態を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる抵抗温度ヒューズの実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。
<抵抗温度ヒューズの概略構成>
図1は、本実施形態に係る抵抗温度ヒューズの概観斜視図であって、温度ヒューズエレメントを被覆するフラックスを形成したものである。図2は、本実施形態に係る抵抗温度ヒューズパッケージの概観斜視図であって、温度ヒューズエレメント及びフラックスを除いた状態を示すものである。
また、図3は、図1のX−X’に沿った抵抗温度ヒューズの断面図である。図4は、図1のY−Y’に沿った抵抗温度ヒューズの断面図である。図5は、抵抗温度ヒューズの発熱抵抗体を示す基板の透過斜視図である。
本実施形態の抵抗温度ヒューズ1は、回路保護素子として用いるものであって、特定の回路に異常検出器とともに組み込むものである。そして、回路の異常発生時に、異常検出器が回路の異常を検出し発熱抵抗体を通電する。その結果、抵抗温度ヒューズ1は、発熱抵抗体が高温となり、その温度によって温度ヒューズエレメントを溶断することで、回路の動作を緊急停止させるものである。
本実施形態に係る抵抗温度ヒューズ1は、抵抗温度ヒューズパッケージ2と、抵抗温度ヒューズパッケージ2に実装される温度ヒューズエレメント3とを備えている。
また、本実施形態に係る抵抗温度ヒューズパッケージ2は、複数の基板を積層して成るとともに、最上層に位置する基板に凹部Pが設けられ、凹部P内に温度ヒューズエレメント3が実装される実装面Rを有する基体4と、基体4内に設けられ、平面透視して実装面Rと重なる領域であって、実装面Rと間を空けて設けられる発熱抵抗体5と、を備えている。なお、ここで、間を空けてとは、厚み方向に間が空いていることをいう。
基体4は、絶縁性の基板を複数積層したものであって、例えば、アルミナ、ムライト又は窒化アルミ等のセラミック材料、或いはガラスセラミック材料等から成る。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。なお、基体4を構成する基板の厚みは、例えば、0.05mm以上2mm以下に設定されている。また、基板の熱伝導率は、例えば、14W/m・K以上200W/m・K以下に設定されている。
基体4の最上層に位置する基板4aの上面及び凹部P内には、温度ヒューズエレメント3を実装したときに、温度ヒューズエレメント3と電気的に接続される電極層6が形成されている。また、電極層6の一部は、基体4の上面から基体4の側面を介して基体4内にわたって形成されている。なお、本実施形態では、基体4の最上層に位置する第1基板を基板4aとし、基体4の中層に位置する第2基板を基板4bとし、基体4の最下層に位置する第3基板を基板4cとする。
基体4内にまで延在される電極層6の一部は、基板4bの下面にまで形成される。そして、基板4bの下面に形成される発熱抵抗体5と電気的に接続される。
本実施形態では、電極層6は、温度ヒューズエレメント3が溶断したときに、電極層6が電気的にオープンになるように形成されている。なお、電極層6は、温度ヒューズエレメント3と電気的に接続されるものであって、任意のパターンに形成されている。電極層6の幅は、例えば、0.05mm以上10mm以下に設定されている。ここで、電極層6の幅とは、電極層6に流れる電流方向と直交する方向の幅をいう。
電極層6は、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、銀、金又はアルミニウム等の金属材料、或いはそれらの合金、或いはこれらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料、或いはそれらの材料の複合層からなる。
基板4aに形成される凹部Pは、温度ヒューズエレメント3を設けるものである。凹部Pは、基板4aを貫通しており、基板4aと基板4bを重ね合わせたときに、凹部Pから基板4bの上面の一部が露出する。凹部Pは、平面視して一辺の長さが、例えば1mm以上11mm以下に設定されている。また、凹部Pの深さは、例えば0.2mm以上4mm以下に設定されている。
また、基体4の最下層に位置する基板4cは、抵抗温度ヒューズ1を外部の回路に設けるときに、土台となるものである。そして、基体4の最下層に位置する基板4cが外部の回路との接合用土台となることができる。
基体4の最下層に位置する基板4cの下面には、導電層7が形成されている。導電層7は、基体4の下面から基体4の側面を介して基板4bと基板4cとの間に形成される。抵抗温度ヒューズ1とともに回路に組込まれた異常検出器による回路の異常検出により、導電層7を介して、発熱抵抗体5に通電し、発熱抵抗体5の温度を上昇させる。さらに、発熱抵抗体5の温度に起因して、温度ヒューズエレメント3を溶断することができる。なお、導電層7の幅は、例えば、0.05mm以上10mm以下に設定されている。ここで、導電層7の幅とは、導電層7に流れる電流方向と直交する方向の幅をいう。
導電層7は、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、銀、金又はアルミニウム等の金属材料、或いはそれらの合金、複数の材料を混合した複合系材料、或いはそれらの材料の複合層からなる。
基体4の最上層に位置する基板4aの凹部Pには、温度ヒューズエレメント3が実装される。温度ヒューズエレメント3は、特定の温度以上になると溶断するものである。温度ヒューズエレメント3は、例えば、インジウム、ビスマス又は錫等の導電材料、或いはこれらの混合材料からなる。また、温度ヒューズエレメント3の溶断する融点は、例えば、80℃以上180℃以下に設定されている。
温度ヒューズエレメント3は、平面透視したときに発熱抵抗体5と重なる領域に設けられ、矩形状に形成される。また、温度ヒューズエレメント3は、平面透視したときに発熱抵抗体5が存在する領域から食み出さないように設けられると、発熱抵抗体5の温度を効率良く温度ヒューズエレメント3に伝えることができる。なお、温度ヒューズエレメント3の厚みは、例えば、0.1mm以上3.0mm以下であって、平面視したときの一辺の長さが、例えば、0.1mm以上10.0mm以下に設定されている。
温度ヒューズエレメント3は、凹部Pから食み出さないように形成されている。温度ヒューズエレメント3が、凹部P内から上方に向かって突出しないことにより、抵抗温度ヒューズ1を外部の回路に実装するときに、抵抗温度ヒューズエレメント3が外部の部材と接触する虞を低減することができる。その結果、抵抗温度ヒューズエレメント3が抵抗温度ヒューズパッケージ2から剥離する機会を低減することができる。
また、凹部Pが設けられていることで、温度ヒューズエレメント3を形成する際に、温度ヒューズエレメント3の一部が凹部P内から食み出しにくいため、抵抗温度ヒューズパッケージ2に対する温度ヒューズエレメント3の位置ずれを抑制することができる。
図2又は図3に示すように、基体4の最上層に位置する基板4aの凹部P内には、温度ヒューズエレメント3と重なる領域の一部に被覆層8が形成されている。被覆層8は、基板4の温度ヒューズエレメント3が実装される実装面R上に形成されている。被覆層8は、温度ヒューズエレメント3の溶融体との濡れ性が基板4の上面に形成された温度ヒューズエレメント実装面Rの濡れ性よりも小さい濡れ性の材料であって、例えば、ガラス又はポリテトラフルオロエチレン等の材料から成る。
実装面Rは、温度ヒューズエレメント3が溶断したときに、温度ヒューズエレメント3を構成する材料の溶融体が濡れやすくするためのものであって、被覆層8上に溶断した温度ヒューズエレメント3の一部が付着しにくくするものである。実装面Rは、実装面R上に溶断した温度ヒューズエレメント3を構成する材料の溶融体が濡れ、溶融体の表面張力作用により被覆層8上の温度ヒューズエレメント3を構成する材料の溶融体を吸収する作用により、被覆層8上に温度ヒューズエレメント3を構成する材料の溶融体が残存付着しにくくなり、温度ヒューズエレメント3の直下に位置する一対の電極層6間を電気的にオープンにすることができる。
基体4の最上層に設けられ、平面透視して温度ヒューズエレメント3と重なる領域であって、温度ヒューズエレメント3と間を空けて発熱抵抗体5が形成されている。なお、間を空けてとは、厚み方向に間が空いていることをいう。発熱抵抗体5は、図2又は図4に示すように、基体4の中層に位置する基板4bの下面に形成されている。発熱抵抗体5は、温度ヒューズエレメント3に発熱した温度を伝えて、温度ヒューズエレメント3を溶断するものである。発熱抵抗体5は、平面透視して温度ヒューズエレメント3と重なる領域であって、温度ヒューズエレメント3と基板4aを介して設けられている。
発熱抵抗体5は、図5に示すように、一端が電極層6と接続され、他端が導電層7と接続される。発熱抵抗体5は、所要の発熱量を確保するための抵抗値を有しており、その抵抗値確保方法の例示として、そのパターン形状は基板4の下面にて何度も折れ曲がって形成されている。そして、発熱抵抗体5の幅は、電極層6及び導電層7の幅よりも小さく設定されている。発熱抵抗体5の幅を電極層6及び導電層7の幅よりも小さくすることで、発熱抵抗体5の電気抵抗を大きくし、発熱抵抗体5部分にて発生するジュール熱の制御を容易にすることができる。
発熱抵抗体5には、抵抗温度ヒューズとともに回路に組込まれた異常検出器による回路の異常検出によって、導電層7を介して発熱抵抗体5に通電する。そして、発熱抵抗体5の電気抵抗が大きいために、発熱抵抗体5の温度が上昇する。さらに、その温度が、基板4を介して温度ヒューズエレメント3に伝わり、温度ヒューズエレメント3が所定温度以上になると溶断する。なお、発熱抵抗体5は、例えば、タングステン又はプラチナ等の材料から成る。
温度ヒューズエレメント3は、フラックス9で被覆されている。フラックス9は、熱伝導性の優れた材料であって、例えば、松脂をテレピン油に溶かしてペースト状にしたもの、或いは塩化亜鉛等の材料から成る。フラックス9は、温度ヒューズエレメント3に発熱抵抗体5の温度を伝えやすくするものである。そして、発熱抵抗体5の温度と温度ヒューズエレメント3の温度差を小さくすることができる。
また、フラックス9は、凹部P内から上方に食み出さないように形成されている。凹部P内にフラックス9が収まることで、フラックス9が外部の部材と接触する機会を低減することができ、フラックス9から温度ヒューズエレメント3への衝撃を与える機会を少なくすることができる。しいては、抵抗温度ヒューズパッケージ2から温度ヒューズエレメント3が剥離する虞を低減することができる。
図6は、抵抗温度ヒューズ1と支持体10とを接続した状態を示す概観斜視図である。
図5に示すように、抵抗温度ヒューズ1の基体4の最下層に位置する基板4cの下面には、支持体10が形成されている。支持体10は、抵抗温度ヒューズ1を外部の回路に実装するときに、外部の回路と電気的に接続するものである。抵抗温度ヒューズ1を外部の回路に実装するときに、仮に、支持体10が無く抵抗温度ヒューズ1の基体4を半田等の接着材を介して外部の回路と接続しようとすると、接着材の溶融温度によっては、抵抗温度ヒューズ1の温度ヒューズエレメント3が溶断する虞がある。このようなケースにおいては、抵抗温度ヒューズ1に支持体10を設け、支持体10の下面を介して外部の回路と接続することにより、抵抗温度ヒューズの実装作業を容易にするとともに、実装後の抵抗温度ヒューズの作動信頼性を向上させ得る。
支持体10には、図6に示すように、孔Hが形成されている。孔Hは、支持体10の下面の高さ位置よりも高い箇所であって、抵抗温度ヒューズ1と支持体10との間に設けられている。支持体10の下面を半田等の接着材を介して外部の回路と接続するときに、支持体10の下面の電気伝導性接合材の接合時の熱が抵抗温度ヒューズ1に伝わろうとする。支持体10と抵抗温度ヒューズ1との間に孔Hが形成されていることにより、支持体10の下面から抵抗温度ヒューズ1に向かって伝わる熱の熱伝導断面積を小さくすることができ、抵抗温度ヒューズ1に熱を伝わりにくくすることができる。
上述したように、本実施形態によれば、外部回路に抵抗温度ヒューズを実装するときに、凹部内に温度ヒューズエレメントが位置することで、温度ヒューズエレメント又はフラックスが外部の部材と接触する機会を低減することができる。そして、温度ヒューズエレメント又はフラックスに不用意に衝撃が伝わるのを低減することができ、温度ヒューズパッケージから温度ヒューズエレメント又はフラックスが剥離する機会を低減することができる。その結果、作動特性を良好に維持することが可能な抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズを提供することができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本実施形態の変形例について説明する。なお、本実施形態の変形例に係る抵抗温度ヒューズ1のうち、本実施形態に係る抵抗温度ヒューズ1と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
<変形例>
図7は、一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージ2の断面図であって、温度ヒューズエレメント3の実装面Rと発熱抵抗体5との間に伝熱層11を介在させたものである。
上述した実施形態では、図3に示すように、温度ヒューズエレメント3と発熱抵抗体5との間には基板4が介在されているのみの構成であったが、これに限られない。例えば、図7に示すように、温度ヒューズエレメント3と発熱抵抗体5との間に、熱伝導率の優れた伝熱層11を設けても良い。
伝熱層11は、図7に示すように、温度ヒューズエレメント3と発熱抵抗体5との間であって、平面透視して温度ヒューズエレメント3と発熱抵抗体5と重なる領域に設けられる。基体4の基板4bを複数層に形成することにより、その内部に伝熱層11を設けることができる。また、基板4aを複数層から構成し、その内部に発熱抵抗体5を形成することにより、発熱抵抗体5と温度ヒューズエレメント3との間の距離を短くすることができ、発熱抵抗体5の温度を温度ヒューズエレメント3に伝えやすくすることができる。
伝熱層11は、発熱抵抗体5から、発熱抵抗体5と伝熱層11の間に位置する基板4の一部を介して熱が伝わる。伝熱層11に伝わる熱は、伝熱層11から、伝熱層11と温度ヒューズエレメント3との間に位置する基板4の一部を介して熱が伝わる。伝熱層11は、発熱抵抗体5から熱が伝わりやすいように、例えば、銅又はタングステン等の熱伝導率の優れた材料、或いはこれらの混合材料から成る。
図8は、一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージ2の断面図であって、凹部Pの内壁面の形状を変形させたものである。
図8に示すように、凹部Pの内壁面は、下部から上部に向かって漸次内方から外方に向かって広がるように形成する。凹部Pの内壁面の傾斜角度を、凹部Pの底面に対して緩やかにする。そうすることで、温度ヒューズエレメント3が溶断して、電極層8又は被覆層8上に濡れ広がるときに、凹部P内から基板4aの上面にまで広がりやすくすることができる。その結果、温度ヒューズエレメント3が溶断して、温度ヒューズエレメント3の溶融体の一部が、一対の電極層6同士の間に残存しにくくすることができる。そして、一対の電極層6同士の間を電気的にオープンにし、抵抗温度ヒューズ1又は抵抗温度ヒューズパッケージ2の作動特性を良好にすることができる。
図9は、一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージ2の断面図であって、基体4内にコーティング層4dを設けたものである。
図9に示すように、基板4aと基板4cとの間に、基板4bの代わりにコーティング層4dを設けることで、温度ヒューズエレメント3と発熱抵抗体5との距離を短くし、発熱抵抗体5から温度ヒューズエレメント3に熱を伝わりやすくすることができ、温度ヒューズエレメント3の溶断をスムーズにすることができる。
コーティング層4dは、例えばスクリーン印刷法を用いて、基板4a上に形成することができる。なお、コーティング層4dは、基板4a又は基板4bと同様に、例えば、アルミナ、ムライト又は窒化アルミ等のセラミック材料、或いはガラスセラミック材料等から成る。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。コーティング層4dの厚みは、例えば、5μm以上30μm以下に設定することができる。
図10は、一変形例に係る抵抗温度ヒューズパッケージ2の概観斜視図である。図10に示すように、凹部P内の電極層6の形状を平面視したときに、中央部側に円弧状に突出するように形成する。
溶断された温度ヒューズエレメント3の溶融体は、電極層6又は被覆層8上にて円くなろうとするため、電極層6を円弧状にすることにより、凹部P内の一対の電極層6同士の間にて溶融体が電極層6上に引っ張られ、電気的接続を速やかに遮断することができる。
図11は、一変形例に係る抵抗温度ヒューズ1と支持体10とを接合した状態を示す斜視図であって、支持体10を平板としたものである。
上述した実施形態では、図6に示すように、支持体10を基体4の下方に向かって延在したが、これに限られない。例えば、図11に示すように、支持体10を基体4の下面に沿って平面方向に沿って延在させてもよい。支持体10の厚みを小さくすることで、抵抗温度ヒューズ1を外部の回路に組み込む自由度を向上させることができる。
<抵抗温度ヒューズの製造方法>
ここで、図1に示す抵抗温度ヒューズ1、並びに抵抗温度ヒューズパッケージ2の製造方法について説明する。
先ず、基体4を構成する基板4a、基板4b及び基板4cを準備する。基体4を構成する各基板が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダー、可塑剤、および溶剤等を添加混合して得た混合物よりグリーンシートを成型する。
また、タングステン又はモリブデン等の高融点金属粉末を準備し、この粉末に有機バインダー、可塑剤又は溶剤等を添加混合して金属ペーストを得る。
次に、グリーンシートの状態の基板4aに貫通孔を形成する。なお、貫通孔は、複数の基板を積層後に、凹部として機能する。
そして、基板4aと同様に、基板4b及び基板4c用のグリーンシートを成形する。また、基板4bの上面及び下面のそれぞれに、例えばスクリーン印刷法を用いて、金属ペーストを塗って電極層6と、発熱抵抗体5を形成する。さらに、基板4cの下面に対して、例えばスクリーン印刷法を用いて、金属ペーストを塗って導電層7を形成する。
次に、基板4a、基板4b及び基板4cを積層し、約1600度の温度で一体焼成する。さらに、一体後の基体4の、温度ヒューズエレメント搭載部、回路基板実装部及び支持体の表面に所要のめっきを行う。ここでは、抵抗温度ヒューズについての個片製品の製法を述べたが、多数個取のシート形状による製造が量産性、コスト面からは好ましい。このようにして、抵抗温度ヒューズパッケージ2を作製することができる。
次に、基体4の最上層に位置する基板4a上の所定箇所に温度ヒューズエレメント3を実装する。そして、温度ヒューズエレメント3と電極層6とを電気的に接続する。また、基体4上に、温度ヒューズエレメント3を被覆するようにフラックス9を形成する。このようにして、抵抗温度ヒューズ1を作製することができる。
なお、多数個取のシート形状にて作成した抵抗温度ヒューズパッケージ2の個々の抵抗温度ヒューズに相当する部位の所定箇所に温度ヒューズエレメント3を実装した後に、温度ヒューズエレメント3を被覆するようにフラックス9を形成し、その後に多数個取シートを個片に分割することが量産性、コスト面からは好ましい。
<温度ヒューズエレメントの実装方法>
ここで、温度ヒューズエレメント3の実装方法について説明する。まず、温度ヒューズエレメント3となる固形物と、凹部P内に収まる大きさの重しを準備する。
次に、凹部P内に固形物を載置し、固形物が溶融する温度まで、抵抗温度ヒューズパッケージ2を温める。そして、重しを凹部P内に入れて、溶融物を平らになるようにする。その後、溶融物が広がった状態で、抵抗温度ヒューズパッケージ2を冷却し溶融物を固化する。さらにその後、重しを外すことで、温度ヒューズエレメント3を形成することができる。
また、一変形例として、凹部P内に少なくとも突起を三箇所設けておく。凹部P内に突起を設けておくことで、凹部P内に重しを載置したときに、突起と重しが接することで、温度ヒューズエレメントの溶融物の厚みを制御することができる。溶融物の厚みは、突起の厚みに合わさせることができ、発熱抵抗体から熱を伝わりやすくすることができる。
また、一変形例として、凹部P内に突起を設ける代わりに、温度ヒューズエレメント3となる固形物の中に、予めスペーサを混入させておき、固形物を溶融させて重しで平らにするときに、溶融物の厚みをスペーサの厚みに制御することができる。
また、重しにガス抜き用の孔を設けておき、固形物を溶融させて重しで平らにするときに、溶融物から発生するガスを重しの孔から外部に放出することができ、溶融物に気泡が混入するのを抑制することができる。そして、固化した温度ヒューズエレメントに気泡が混入して、発熱抵抗体から伝わる熱が不均一になるのを抑制することができ、温度ヒューズエレメントの溶断する作動特性を良好に維持することができる。
1 抵抗温度ヒューズ
2 抵抗温度ヒューズパッケージ
3 温度ヒューズエレメント
4 基体
4a,4b,4c 基板
5 発熱抵抗体
6 電極層
7 導電層
8 被覆層
9 フラックス
10 支持体
11 伝熱層
P 凹部
R 実装面
H 孔

Claims (5)

  1. 複数の基板を積層して成るとともに、最上層に位置する基板に凹部を有する基体と、
    前記凹部内に設けられる温度ヒューズエレメントと、
    前記基体内に設けられ、平面透視して前記温度ヒューズエレメントと重なる領域であって、前記温度ヒューズエレメントと間を空けて設けられる発熱抵抗体と、を備え
    前記発熱抵抗体と前記温度ヒューズエレメントとの間の基板には、伝熱層が設けられていることを特徴とする抵抗温度ヒューズ。
  2. 請求項1に記載の抵抗温度ヒューズであって、
    前記温度ヒューズエレメントと電気的に接続される電極層が、前記最上層に位置する基板の上面から前記凹部内にわたって形成されることを特徴とする抵抗温度ヒューズ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の抵抗温度ヒューズであって、
    前記凹部の内壁面は、下部から上部に向かって漸次内方から外方に向かって広がっていることを特徴とする抵抗温度ヒューズ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の抵抗温度ヒューズであって、
    前記温度ヒューズエレメントと前記基体の前記温度ヒューズエレメントが実装される実装面との間には、溶融した前記温度ヒューズエレメントとの濡れ性が前記実装面との濡れ性よりも小さい被覆層が形成されていることを特徴とする抵抗温度ヒューズ。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の抵抗温度ヒューズであって、
    前記温度ヒューズエレメントは、フラックスで被覆されていることを特徴とする抵抗温度ヒューズ。
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