JP5489431B2 - 無線通信モジュールおよび無線端末、無線通信方法 - Google Patents

無線通信モジュールおよび無線端末、無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、音声コーデックを用いて符号化された符号化音声データを復号する無線通信モジュールおよび無線端末、無線通信方法に関する。
PHS(Personal Handy phone System)端末や携帯電話等の無線端末では、ユーザの音声によるアナログ信号を一旦デジタル信号に変換して他のユーザの無線端末に送信し、そこで再びアナログ信号に戻して音声が再生される。しかし、アナログ信号を単純にデジタル信号に変換するだけではその情報量が大きくなり、伝送可能な情報量が制限されている通信経路においてすべての音声データを伝達できないことになる。そこで、この制限された通信経路でも伝送できるように、音声データの情報量を圧縮する音声コーデックが必要となる。
音声コーデックは、音声デジタルデータの符号化(エンコード)と復号(デコード)からなり、音声符号化装置で符号化された音声データが、音声再生装置でデコードおよび、再生される。上述したPHS端末等の無線端末で用いられる音声コーデックとしては、例えば、ADPCM(適応差分PCM:Adaptive Differential Pulse Code Modulation)符号化技術が挙げられる。かかるADPCMは、音声等のアナログデータが連続的に変化する性質を利用し、音声データの差分を符号化する技術である。
無線端末では、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調方式において32kbpsのADPCM(ITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication sector)勧告G.726)が採用され、ここでは、聴覚上違和感のない再生を行うため、窓関数を用いて窓掛けを行い、時間軸上に並んだ現在のフレームデータと前回のフレームデータとの連続性を維持した音声データを生成することができる。
無線端末では、無線回線の有効利用の観点から上述したQPSK変調方式における32kbpsADPCMに加えてBPSK変調方式における16kbpsADPCMの並行利用が検討されている。16kbpsADPCMは32kbpsADPCMに比べ単位時間に伝送する情報量は少ないものの、電波強度が弱いときでも比較的安定して通信することができ、多くのリソースを確保できる利点を有する。また、弱電界でも安定した通信が可能であることから通信可能範囲の拡大を図ることも可能となる。
ここで、ADPCMによる動作を簡単に説明すると、図11に示すように、音声符号化装置10では、送信すべきPCMデータPCMnと前回のPCMデータ予測値PCM'n-1との差分dnを量子化幅Δnで量子化して符号を割り当て、符号化された符号化音声データ(ADPCMデータ)ADPCMnを音声再生装置12に送信する。音声符号化装置10では、さらに符号化音声データADPCMnを逆適応量子化し、逆適応量子化された差分d'nを前回値PCM'n-1に加算して次回に備える。そして、音声再生装置12では、この符号化音声データADPCMnを、量子化幅Δnを用いて逆適応量子化し、逆適応量子化された差分d'nを前回値PCM'n-1に加算してPCMデータPCMnを得る。
このようにADPCMでは、振幅が小さいアナログデータでも再現できるように、振幅変化幅に応じて量子化の分解能を変化させ得る特性を有し、図11に示すように符号化音声データADPCMnに応じて、アナログデータの振幅範囲が大きいところでは量子化幅Δnを大きくし、小さいところでは量子化幅Δnを小さくする。このようなADPCMを用いることで、圧縮された少ない情報量から音声符号装置10のPCMデータPCMnをほぼ復元することができる。
しかし、このようなADPCMの復号回路を16kbpsADPCMに適用した場合、その特性上、伝送データの情報量が少なく(例えば、32kbpsADPCMが1シンボル4ビットであるのに対して16kbpsADPCMでは2ビット)、量子化ノイズが大きくなり元の音声の再現性が劣化する場合がある。特に、無音時のホワイトノイズ(バックグランドノイズ)の増大や、音声の歪みを招くおそれがある。
このような無音状態におけるホワイトノイズを低減する方法として、通話の際の無音時のみ受話アンプのゲインを低く抑えることで無音時のノイズを低減する技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、無音時に所定電圧を出力してホワイトノイズを削減する技術も公開されている(例えば、特許文献2)。さらに、このような無音状態を検知するため、通話を開始する前に送話器から入力される周囲雑音の音量と通話中の音量とを比較して通話の有無を判断する技術も開示されている(特許文献3)。
また、通話時においても、周囲の雑音が大きくて通話相手の声が聞こえにくい場合、その都度、受話音量を調整しなくてはならないという煩わしさがあったが、携帯電話端末における周囲雑音のレベルを検知して、この周囲雑音に応じて当該携帯電話端末への音声信号の音量レベルを自動的に調整する技術も知られている(例えば、特許文献4)。
特開平9−130282号公報 特開平11−298333号公報 特開平8−79163号公報 特開平10−341201号公報
上述したように、16kbpsADPCMは、32kbpsADPCMとの比較において、何ら加工をしない場合に伝送データの情報量の少なさから、無音時のホワイトノイズの増大や、音声の歪みを招くおそれがある。
しかし、このような無音時のホワイトノイズや音声の歪みは通話に支障を来すものではなく、通話が継続している間、同一の音声コーデックが維持されていればその音質の低さを感じるほどではない。従って、16kbpsADPCMによる、弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を踏まえると、16kbpsADPCMは率先して導入すべき技術である。
ただし、人の耳は変化に対しては敏感であり、2つの音声コーデックが切り換わると、ユーザはその音質の変化によって聴覚に違和感を覚えてしまう。
このような16kbpsADPCMによる音声データに対してノイズ除去手段を講じることによりノイズ自体の抑制は可能であるが、音声データに対して一様にノイズ除去を施してしまうと、32kbpsADPCMの音質も同等に高くなり、全体として高音質となるが、両音声コーデックの差分は縮まることなく切り換え時の違和感は残ってしまう。
本発明は、このような問題に鑑み、インフラ側や音声再生ユニットの変更を伴うことなく、音声コーデックに応じて個々に音質を改善し、安定した音質で音声通話を遂行することが可能な、無線通信モジュールおよび無線端末、無線通信方法を提供することを目的としている。
本発明は、符号化音声データを復号した直後の音声データの加工を目的とし、無線端末の無線通信に関わる部分に対して有効に機能する。従って、このような無線端末の無線通信機能の共通部分をモジュール化した無線通信モジュールに適用するのが特に効果的である。ここでは、無線通信モジュールに特化した説明を行う。
上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、基地局から無線通信を介して受信した符号化音声データを復号し、音声再生ユニットに復号した音声データを伝送する無線通信モジュールであって、ADPCM方式である複数の音声コーデックから選択された1の音声コーデックまたは第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックによって基地局からの前記符号化音声データを復号する復号部と、音声再生ユニットとの接続端子に音声データを伝送する複数の伝送経路であって、音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部が設けられた第1の伝送経路と、ノイズ抑制部が設けられていない第2の伝送経路と、を含む複数の伝送経路と、第1の音声コーデックが選択された場合にノイズ抑制部が設けられた第1の伝送経路を選択し、第2の音声コーデックが選択された場合にノイズ抑制部が設けられていない第2の伝送経路を選択する経路選択部と、を備えることを特徴とする。
上述したように、ノイズ除去手段をすべての音声データに対して講じると、音声コーデックの種類に拘わらず一様に音質が高まってしまう。従って、本発明では、音声データそれぞれの音声コーデックを認識し、その音声コーデックに応じて音声データのノイズを抑制することで、音声コーデックに対して個々に音質を改善できる。こうして音質の最低レベルを高く維持することが可能となり、周囲の雑音が大きい環境下においても安定した音質で音声通話を遂行することができる。また、音質改善が不要な相対的に音質の高い音声コーデックに対しては意図的に音質改善処理を施さないことで処理負荷および消費電力の削減を図ることが可能となる。
さらに、本発明では音質改善のため音声コーデックを把握する必要があるが、かかる把握構成を無線通信機能側、即ち本発明による無線通信モジュールに適用することで、インフラ側や音声再生ユニット側の何らの変更を伴うことなく、音質を改善できる。従って、音声再生ユニットにおいても、本発明による無線通信モジュールを搭載するだけで音質の向上を図ることが可能となる。
ノイズ除去手段をすべての音声データに対して講じると、音声コーデックの種類に拘わらず一様に音質が高まってしまい、音声コーデックによる音質差は残ってしまう。本発明では、相対的に音質が低い音声コーデックの音声データのノイズを抑制し、相対的に音質が高い音声コーデックに近づけることで、音声コーデック間の音質差を縮めることができる。従って、音声コーデックの選択による音質の差をユーザに意識させることなく、違和感のない安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。
上記構成により、16kbpsADPCMの場合であっても32kbpsADPCMと同等の音質を確保でき、高音質を維持しつつ、弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を活かすことができる。
複数の変調方式を切り換えて基地局と通信可能であり、復号部は、通信を行う基地局との間で用いる変調方式に応じて、複数の音声コーデックのうちのいずれかを選択してもよい。
当該無線通信モジュールは基地局との通信において複数の変調方式を用いることができ、その変調方式にはそれぞれ1または複数の音声コーデックが準備されている。本発明では、変調方式に応じて複数のコーデックから適切なコーデックを選択することで、音質を改善し、安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。
経路選択部は、ハンドオーバする際に、切換先基地局において使用する音声コーデックに対応した伝送経路を再選択してもよい。
ユーザは、音声コーデックによる音質の違いを特にその変換時に感じとる。本発明では、ハンドオーバにおいても迅速かつ適切に伝送経路を変更することで、音声コーデックの変更による音質の差をユーザに意識させることなく、違和感のない安定した音質で音声通話を遂行させることが可能となる。
音声再生ユニットとの接続端子は、音声再生ユニットに対する音声データとしてPCMデータが出力されてもよい。
このように音声再生ユニットと無線通信モジュール間で伝達する音声データをPCMデータに定めることで、互いを独立して開発することができ、開発コストや開発負担を軽減することが可能となる。
本発明の代表的な他の構成は、操作部および音声出力部を有する音声再生ユニットと、当該音声再生ユニットに対して着脱可能、かつ基地局から無線通信を介して受信した符号化音声データを復号して音声再生ユニットに復号した音声データを伝送する無線通信モジュールと、を有する無線端末であって、無線通信モジュールは、ADPCM方式である複数の音声コーデックから選択された1の音声コーデックまたは第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックによって基地局からの前記符号化音声データを音声出力部にて再生可能な形式に復号する復号部と、音声再生ユニットとの接続端子に音声データを伝送する複数の伝送経路であって、音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部が設けられた第1の伝送経路と、ノイズ抑制部が設けられていない第2の伝送経路と、を含む複数の伝送経路と、操作部により通信の開始が指示された場合あるいはハンドオーバを行う場合、第1の音声コーデックが選択されるとノイズ抑制部が設けられた第1の伝送経路を選択し、第2の音声コーデックが選択されるとノイズ抑制部が設けられていない第2の伝送経路を選択する経路選択部と、を備えることを特徴とする。
本発明の無線通信方法の代表的な構成は、音声を再生可能な音声再生ユニットに接続された無線通信モジュールが、ADPCM方式である複数の音声コーデックから選択された1の音声コーデックまたは第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックによって基地局からの符号化音声データを復号し、音声再生ユニットとの接続端子に復号した音声データを伝送する複数の伝送経路から、第1の音声コーデックが選択された場合に音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部が設けられた第1の伝送経路を選択し、第2の音声コーデックが選択された場合にノイズ抑制部が設けられていない第2の伝送経路を選択することを特徴とする。
上述した無線通信モジュールにおける技術的思想に対応する構成要素やその説明は、当該無線端末および無線通信方法にも適用可能である。
以上説明したように本発明によれば、インフラ側や音声再生ユニットの変更を伴うことなく、音声コーデックに応じて個々に音質を改善し、安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。従って、音声コーデックの選択や変更に拘わらず、高音質を維持し、相対的に音質の低い音声コーデックによる、弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を活かすことができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
PHS端末や携帯電話等の無線端末と基地局との通信におけるデジタルデータの音声コーデックには、例えば、QPSKによる32kbpsのADPCM(以下、単に32kbpsADPCMという。)が利用されている。さらに近年、無線回線の有効利用の観点からこの32kbpsADPCMに加えてBPSKによる16kbpsADPCM(以下、単に16kbpsADPCMという。)の並行利用が検討されている。かかる16kbpsADPCMはその特性上、無音時のホワイトノイズ(バックグランドノイズ)が聴感として残り、音声の歪みも招くおそれがある。
本実施形態では、32kbpsADPCM、16kbpsADPCM等の音声コーデックの選択や変更に拘わらず、高音質を維持し、16kbpsADPCMの弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を活かすことを目的とする。ここでは、発明の理解を容易にするため、まず、無線通信システム全体を説明し、その後で本実施形態に特徴的な無線通信モジュールの構成と動作を説明する。
(無線通信システム100)
図1は、無線通信システム100の概略的な構成を示したブロック図である。かかる無線通信システム100は、無線端末110(110A、110B)と、基地局120(120A、120B)と、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線やインターネット、専用回線等の通信網130と、中継サーバ140とを含んで構成される。
上記無線通信システム100において、ユーザが自身の無線端末110Aから他の無線端末110Bへの通信回線の接続を行う場合、無線端末110Aは、通信可能範囲内にある基地局120Aに無線接続要求を行う。無線接続要求を受信した基地局120Aは、通信網130を介して中継サーバ140に通信相手との通信接続を要求し、中継サーバ140は、無線端末110Bの位置登録情報を参照し他の無線端末110Bの無線通信範囲内にある例えば基地局120Bを選択して基地局120Aと基地局120Bとの通信経路を確保し、無線端末110Aと無線端末110Bの通信を確立する。
このとき、無線端末110Aでは、ユーザから受話した音声データ(以下、PCMデータという。)を、ADPCM技術を通じて符号化音声データ(以下、ADPCMデータという。)に変換してから基地局120Aに送信している。基地局120Aでは、ADPCMデータを再度PCMデータに変換し、また、基地局120BにおいてADPCMデータに再変換される。そして、他の無線端末110BにおいてさらにPCMデータに変換され、音声として出力される。
無線端末110Aと基地局120Aまたは無線端末110Bと基地局120Bとの無線通信は、それぞれ32kbpsADPCMで実行されるが、無線端末110および基地局120が16kbpsADPCMにも対応している場合、その通信環境に応じて、32kbpsADPCMまたは16kbpsADPCMのいずれもが音声コーデックとして選択され得る。
(無線端末110)
また、無線端末110は、無線通信モジュールと音声再生ユニットとから構成することができる。無線通信モジュールは、無線端末110の無線通信機能を独立させたモジュールであり、例えば、25.6×42.0×4.0mmといった大きさで18ピンの接続端子を有する、独自に規格化されたシリアルインターフェースである。かかる無線通信モジュールは「W−SIM」と称することもある。音声再生ユニットは、無線端末110から無線通信モジュールを除いた被覆物であり、無線通信モジュールを嵌入して利用することから「ジャケット」と呼ばれることもある。
このように無線端末110を通信機能とそれ以外の機能とに分離することで、例えば、無線通信技術を有していない製造者であっても、当該無線通信モジュールを用いることで無線通信技術は確立されているものとして、音声再生ユニットのみを開発すればよく、開発負担が軽減される。かかる無線通信モジュールは、音声のみならずデータ通信にも利用できるので、このようなデータ通信に利用可能な信号処理装置も容易に開発することが可能となる。
また、無線端末110に一般的に用いられるSIMカード同様、無線回線を利用するための構成を無線通信モジュールに集約できるので、その無線通信モジュールを嵌入するだけの簡単な操作で、電話番号やその他の登録情報の変更を伴わず、複数の音声再生ユニットを交換して利用することができる。また、上述したように、製造者は、音声再生ユニットのみを製造すればよくなるので音声再生ユニットを低コストで供給することができ、ユーザは安価な音声再生ユニットを複数台所有し、利用用途に合わせて音声再生ユニットを自由に選択することが可能となる。
さらに、通信事業者と複数の契約を行っている場合、その数だけ無線通信モジュールを有すこととなり、無線通信モジュールを交換するだけで、ユーザの所望する音声再生ユニットにより複数の電話番号を使い分けることができる。また、将来、高速または高品質な無線技術が開発されたとしてもその無線技術に対応した無線通信モジュールに交換するだけで、改善された通信環境の下、特定の音声再生ユニットを使い続けることが可能となる。
(音声再生ユニット150、無線通信モジュール160)
以下、無線端末110として機能する音声再生ユニット150および無線通信モジュール160を説明する。
図2は、音声再生ユニット150および無線通信モジュール160のハードウェア構成の概略を示した機能ブロック図であり、図3は、音声再生ユニット150および無線通信モジュール160の外観を示した斜視図である。
音声再生ユニット150は、端末制御部210と、端末メモリ212と、表示部214と、操作部216と、音声入力部218と、音声出力部220と、二次電池222とを含んで構成されている。
端末制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により無線通信モジュール160を含む無線端末110全体を管理および制御する。また、端末制御部210は、端末メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、Web閲覧機能、メール送受信機能、撮像機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。端末メモリ212は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部210で処理されるプログラムや音声データ等を記憶する。
表示部214は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)等で構成され、端末メモリ212に記憶された、または通信網130を介してアプリケーション中継サーバ(図示せず)から提供される、WebブラウザやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。操作部216は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
音声入力部218は、マイク等の音声認識手段で構成され、通話時に入力されたユーザの音声を無線通信モジュール160内で処理可能なPCMデータに変換する。音声出力部220は、スピーカで構成され、無線通信モジュール160で受信した通話相手のPCMデータをD/A変換器や増幅器を介して出力する。また、着信音や、操作部216の操作音、アラーム音等も出力できる。二次電池222は、当該音声再生ユニット150の各構成回路および無線通信モジュール160に電源を供給する。
無線通信モジュール160は、基地局120から無線通信を介して受信したADPCMデータを復号し、音声再生ユニット150に復号したPCMデータを伝送する。また、音声再生ユニット150からのPCMデータをADPCMを通じて符号化し、基地局120に伝送する。
このような無線通信としては、同時双方向通信を実現するため通信経路を時間軸で区分けし交互に送信と受信とを行うTDD(Time Division Duplex)上で、さらにその送受信時間(フレーム)を複数のタイムスロットに時分割したTDMA(Time Division Multiple Access)/TDDが採用されている。また、単位時間軸上で多数の搬送波を利用し、変調対象となる信号波の位相が隣り合う搬送波間で直交するように搬送波の帯域を一部重ね合わせて周波数帯域を有効利用するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式やOFDMA方式も実現されている。
ここでは、無線通信モジュール160の接続対象としてPHS端末の機能を限定した音声再生ユニット150を用いているが、かかる場合に限らず、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、カーナビゲーション、ポータブルテレビ、ゲーム機器、DVDプレイヤー、リモートコントローラ等無線通信可能な様々な電子機器に接続して利用することができる。
本実施形態では、音声コーデックに応じて個々に音質を改善すべく、ADPCMデータを復号した直後のPCMデータを加工する。従って、本実施形態は、無線通信モジュール160に適用するのが特に効果的である。このように無線通信モジュール160のみに本実施形態を適用することで、インフラ側や音声再生ユニット150の構成の変更を伴うことなく、また、音声再生ユニット150の新旧を問わず、さらに音声再生ユニット150とのインターフェースも何ら変更することなく、安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。
図4は、無線通信モジュール160の概略的な機能構成を示した機能ブロック図である。無線通信モジュール160は、アンテナ250、データ受信部252、受信バッファ254、コーデック判定部256、復号部258、経路選択部260、伝送経路262、リニア変換部264、ノイズ抑制部266、フィルタ268、PCM変換部270を含んで構成される。特にここでは、本実施形態に特徴的なADPCMデータの復号、即ち、受信系統のみを説明し、既存の回路で構成される送信系統に関してはその説明を省略する。また、コーデック判定部256以降の構成要素は、ソフトウェアによって実現されるが、ハードウェアで構成することも当然可能である。
アンテナ250は、無線通信モジュール160における電気信号を電磁波に変換または電磁波を電気信号に変換することで、基地局120との無線通信を確立および継続する。
データ受信部252は、ADPCM(適応差分PCM)による音声コーデック、ここでは特に16kbpsADPCMおよび32kbpsADPCMを用いて符号化されたADPCMデータを5msec毎に受信し、受信バッファ254に格納する。例えば16bpsADPCMの場合、5msec毎に10byte(80ビット=40シンボル)分のデータを受信する。
ところで、PHS方式においては、より高速な通信を可能とするために、より高度な変調方式に対応させた基地局を増加させている。ただし、一度に送る情報量が増えれば増えるほど、耐ノイズ性が低くなるため、電波の受信状況によって、利用する変調方式を切り換えることで、この問題を解決しつつ、通信速度を平均的に向上させるように構成している。
具体的には、電波状態がある程度良い環境ではQPSK方式を、そして電波状況が悪い場所ではBPSK方式に切り換えて通信を行う。なお、電波状態が非常に良好であるときには8PSKを用いることもできるが、本実施形態においては説明を簡略化するため省略する。
また、QPSK方式とBPSK方式とでは、伝送レートが倍異なるため、音声通話を行う際には、それぞれ異なる音声コーデックを用いている。PHS方式では、基地局を含めたネットワーク側においてADPCMを使用することが規定されているため、QPSK方式とBPSK方式のいずれにおいても変換方式自体にはADPCMを使用するが、そのレートは変えている。具体的には、QPSK方式においては32kbpsを、そしてBPSK方式においては16kbpsをそれぞれ用いる。
図5は、32kbpsADPCMと16kbpsADPCMとのADPCMデータを比較するための説明図である。ここで、図5(a)は、32kbpsADPCMの無音時のADPCMデータを、図5(b)は、16kbpsADPCMの無音時のADPCMデータを示しており、縦軸のスケールは等しい。かかる図を参照して理解できるように、16kbpsADPCMにおいては、伝送データの情報量の少なさから無音に対する収束処理の絶対的な分解能が足りず、無音時のホワイトノイズが増大してしまう。
受信バッファ254は、データ受信部252が受信したADPCMデータを一時的に保持する。
コーデック判定部256は、受信バッファ254に保持されたADPCMデータが32kbpsADPCMのコーデックに従っているか16kbpsの音声コーデックに従っているかを判定する。そして、その判定結果を後段の復号部258および経路選択部260に伝達する。
復号部258は、コーデック判定部256が判定した音声コーデックに従って、ADPCMデータをPCMデータに復号する。
経路選択部260は、コーデック判定部256が判定した音声コーデックに応じて、後述する複数の伝送経路262から、その音声コーデックで復号されたPCMデータを伝送する1の伝送経路を選択する。本実施形態では、音声コーデックを認識し、その音声コーデックに応じて、後述するようにPCMデータのノイズを抑制することで、音声コーデックに対して個々に音質を改善できる。こうして音質の最低レベルを高く維持することが可能となり、周囲の雑音が大きい環境下においても安定した音質で音声通話を遂行することができる。また、音質改善が不要な相対的に音質の高い音声コーデックに対しては意図的に音質改善処理を施さないことで処理負荷および消費電力の削減を図ることが可能となる。
特に、経路選択部260は、コーデック判定部256が判定した音声コーデックが、他の音声コーデックよりも相対的に音質が低い音声コーデックである場合、例えば、16kbpsADPCMのとき後述するノイズ抑制部266を含む伝送経路を選択する。
ここでは、相対的に音質が低い音声コーデックである16kbpsADPCMのPCMデータのノイズを抑制し、相対的に音質が高い音声コーデック、ここでは32kbpsADPCMのPCMデータに近づけることで、音声コーデック間の音質差を縮めることができる。従って、音声コーデックの選択による音質の差をユーザに意識させることなく、違和感のない安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。こうして、16kbpsADPCMでは、弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を維持しつつ、高音質を確保することができる。
伝送経路262は、復号部258と、音声再生ユニット150との接続端子272とを接続する複数の経路で構成され、少なくともその1つには(第1の伝送経路には)後述するノイズ抑制部266が含まれる。その他の経路として何らの回路を含まない単なる接続線(第2の伝送経路)も含まれる。
リニア変換部264は、後述するフィルタ268のため、PCMデータを、ビット長が拡張されたリニアPCMデータに変換する。かかる変換は、8ビットPCMデータを16ビットのリニアPCMデータに変換するμ−lawまたはA−law変換が利用されている。かかるμ−law変換はITU−Tで規格化されている音声符号化における圧縮・解凍方式の1つである。
後述するフィルタ268の入力は、PCMデータのスケールが固定されたリニアPCMデータであることが望ましい。かかるリニア変換部264と後述するPCM変換部270の構成により、フィルタ268に対して所望する入力データを生成でき、かつ、データフォーマットを元のPCMデータに戻すことで32kbpsADPCMとの整合をとることができる。
ノイズ抑制部(NS:Noise Suppressor)266は、16kbpsADPCMのホワイトノイズを減少させる。詳細には、時間領域のPCMデータをフーリエ変換で周波数スペクトル領域に変換し、低周波数領域では、信号対雑音比(SNR)の性質を利用して雑音スペクトルを単に減算し、高周波数領域では、雑音スペクトルの形状に応じてスペクトル振幅を一律に減衰させる。このときの減算量や減衰量は、そのPCMデータが雑音であるかどうかに応じて調整し、雑音である可能性が高いときには減算量や減衰量を大きくとる。
図6は、ノイズ抑制部266の効果を示した説明図である。かかる図6(a)および図6(b)の縦軸のスケールは等しい。ノイズ抑制部266には、図6(a)に示すような16kbpsADPCMによる無音時のリニアPCMデータが入力され、そのノイズが抑制されて図6(b)のような波形になる。こうして、16kbpsADPCMの無音時におけるホワイトノイズの増大も抑制されることが理解できる。
フィルタ268は、例えば、3.1kHzの低域通過フィルタ(LPF)で構成され、PCMデータの高域成分をカットし、PCMデータに含まれる歪成分を削減する。かかるフィルタ268は、IIR(Infinite duration Impulse Response)やFIR(Finite duration Impulse Response)いずれのデジタルフィルタで構成することもできる。
PCM変換部270は、フィルタ268の後段に設けられ、フィルタ268を通過したリニアPCMデータをPCMデータに変換し、32kbpsADPCMとデータ形式を揃える。
このように16kbpsADPCMにのみノイズ抑制部266やフィルタ268を施すことで、16kbpsADPCMのPCMデータを32kbpsADPCMのPCMデータ同等の音質に高めることができ、安定した音質で音声通話を遂行することが可能となる。
(無線通信方法)
次に、上述した無線通信モジュール160を用いた無線通信方法を説明する。ここでは、特に、ハンドオーバ時の音声コーデックの変更に関して詳述する。
図7は、無線通信方法の具体的な流れを示したフローチャートである。かかる無線通信方法において、現在の基地局120との無線通信の品質劣化を検出すると、無線通信モジュール160は、周囲の基地局120に対してキャリアセンスを実行する(S300)。そこで受信感度が一番高い基地局120をハンドオーバ対象の切換先基地局とし、その切換先基地局が16kbpsADPCM(BPSK)に対応しているかどうか判定する(S302)。
16kbpsADPCMに対応していない場合(S302のNO)、32kbpsADPCM(QPSK)による通信確立が決定され、リンクチャネル(LCH)確立要求を送信し(S304)、基地局120からのリンクチャネル割当を受信すると(S306)、コーデックを32kbpsADPCMに設定する(S308)。また、16kbpsADPCMに対応している場合(S302のYES)、通信環境に応じて16kbpsADPCMまたは32kbpsADPCMのいずれかの音声コーデックでリンクチャネル確立要求を送信し(S310)、リンクチャネル割当を受信すると(S312)、先程確立要求した音声コーデックに応じて(S314)、16kbpsADPCMであれば(S314のYES)、コーデックを16kbpsADPCMに設定し(S316)、そうでなければ(S314のNO)、コーデックを32kbpsADPCMに設定する(S308)。
そして、トラフィックチャネル(TCH)が確立され、さらにプロトコルレイヤL2およびプロトコルレイヤL3(CC、RT、MM)を設定する(S318)。
続いて、当該ハンドオーバが高速ハンドオーバの適用を受けているかどうか判断され(S330)、高速ハンドオーバであれば(S330のYES)、変調方式がQPSKであるか、即ち、32kbpsADPCMであるか否かが判断される(S332)。変調方式がQPSKであれば(S332のYES)、さらに切換先基地局から音声を受信しているか否か判断され(S334)、有音が検知されると(S334のYES)、音声パスを開く(S336)。
変調方式がBPSK、即ち、16kbpsADPCMであるか(S332のNO)または切換先基地局の有音が検知されなかった場合(S334のNO)、切換元基地局の無線チャネルの切断要求の有無を判断し(S338)、切断要求があれば(S338のYES)、音声パスを開く(S336)。高速ハンドオーバでもなく(S330のNO)、切換元基地局の切断要求もなければ(S338のNO)、CC(Cell Control)応答が受信されているかどうか判断され(S340)、CC応答がなければ(S340のNO)、何らかの応答があるまで、高速ハンドオーバ判定S330からを繰り返す。CC応答があれば(S340のYES)、音声パスを開く(S336)。
続いて、音声パスを開く(S336)と同時に、設定されたコーデックが16kbpsADPCMであるか否か判断され(S350)、16kbpsADPCMであれば(S350のYES)、経路選択部260が伝送経路を、ノイズ抑制部266を有する伝送経路に設定し、ノイズの抑制を実行する(S352)、16kbpsADPCMでなければ、即ち、32kbpsADPCMであれば(S350のNO)、ノイズの抑制を行わず、通常の復号を実行する(S354)。
かかる無線通信方法では、ハンドオーバにおいても迅速かつ適切に伝送経路を変更することで、音声コーデックの変更による音質の差をユーザに意識させることなく、違和感のない安定した音質で音声通話を遂行させることが可能となる。
次に、上述したハンドオーバ時における音声再生ユニット150、無線通信モジュール160および基地局120(120A、120B)間の制御信号の推移を説明する。
図8、図9、図10は、ハンドオーバの具体的な動作を示したシーケンス図である。特に図8では、無線通信モジュール160による基地局120Aへの発呼(通話開始)を、図9では、基地局120Aから基地局120Bへのハンドオーバを、図10では、基地局120Bとの終話を説明している。
図8において、音声再生ユニット150は、操作部216を通じてユーザの発呼入力を検出すると(S400)、無線通信モジュール160に対して発呼を指令し(S402)、表示部214に発呼を開始したことを示す画面を表示する(S404)。
無線通信モジュール160は、音声再生ユニット150からの発呼指令を受けると、周囲の基地局120に対してキャリアセンスを実行し(S406)、受信感度が一番高い基地局120Aを通信確立先の基地局に決定して、リンクチャネル確立要求を送信する(S408)。ここで、無線通信モジュール160は、32kbpsADPCM(QPSK)によるリンクチャネルの確立を選択したとする。
引き続き、無線通信モジュール160は、リンクチャネル割当を受信すると(S410)、リンクチャネル確立フェーズを実行し(S412)、プロトコルレイヤL2、L3を設定し(S414)、他のユーザに対するCC呼出の確認を受けて(S416)、下り音声パスを開く(S418)。無線通信モジュール160は、音声コーデックとして32kbpsADPCMを選択しているので、ここではPCMデータのノイズ抑制を実行しない。このとき、音声再生ユニット150は、表示部214に呼出中を示す画面を表示する(S420)。
続いて、無線通信モジュール160は、他のユーザに対するCC応答の確認を受けて(S422)、上り音声パスも開く(S424)。このとき、音声再生ユニット150は、表示部214に通話中を示す画面を表示する(S426)。こうしてユーザは、音声再生ユニット150を通じて、他のユーザと通話を実行することが可能となる(S428)。
図9を参照すると、無線通信モジュール160と基地局120Aとが通信を遂行している際(S450)、基地局120Aが当該無線通信の通信品質の劣化を検出し、無線通信モジュール160にハンドオーバを要求する(S452)。無線通信モジュール160は、ハンドオーバの要求を受けて、周囲の基地局120に対してキャリアセンスを実行し(S454)、受信感度が一番高い基地局120Bをハンドオーバ対象の切換先基地局として、リンクチャネル確立要求を送信する(S456)。ここで、無線通信モジュール160は、16kbpsADPCM(BPSK)によるリンクチャネルの確立を選択したとする。
引き続き、無線通信モジュール160は、基地局120Bからリンクチャネル割当を受信すると(S458)、リンクチャネル確立フェーズを実行し(S460)、プロトコルレイヤL2、L3を設定する(S462)。無線通信モジュール160は、切換元の基地局120Aから無線チャネル切断要求を受信すると(S464)、音声パスを切り換える(S466)。かかる音声パスによるPCMデータは、16kbpsADPCMの音声コーデックにより生成されているので、無線通信モジュール160の経路選択部260は、ノイズ抑制部266を含む伝送経路262を選択し、ノイズ抑制が実行される(S468)。こうしてユーザは、音声コーデックの変更による聴覚の違和感を伴うことなく、音声再生ユニット150を通じて、他のユーザと通話を継続することが可能となる(S470)。
また、無線通信モジュール160は、切換元である基地局120Aに無線チャネルの切断完了を通知し(S472)、切換先の基地局120BからCC応答を受けると(S474)、ハンドオーバを完了する。
図10を参照すると、音声再生ユニット150は、操作部216を通じてユーザによる終話入力を検出すると(S500)、無線通信モジュール160に対して終話を指令し(S502)、無線通信モジュール160は、上下の音声パスを閉じると(S504)、そのパスを閉じた確認応答を音声再生ユニット150に通知する(S506)。音声再生ユニット150では、終話したことを示す画面が表示部214に表示される(S508)。
続いて、無線通信モジュール160は、基地局120Bに対してCC切断要求を行い(S510)、CC解放通知を受けると(S512)、それに応答してCC解放完了通知を行う(S514)。さらに基地局120Bから無線チャネルの切断要求を受信すると(S516)、無線チャネルの切断が完了した旨返信する(S518)。
以上、図8、図9、図10を用いて説明したように、当該無線通信方法によっても、音声コーデックの選択やハンドオーバによる音声コーデックの変更に拘わらず、高音質を維持し、ユーザに違和感を与えることなく、また、16kbpsADPCMの弱電界における安定通話、リソースの確保、無線可能範囲の拡大といった利点を活かすことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においては、説明を簡略化するためQPSK方式(32kbps)とBPSK方式(16kbps)とにのみ対応する例を用いて説明を行ったが、もちろんこの他の方式に対応するよう構成してもよい。
例えば、QPSK方式(32kbps)よりも高速なレートの通信方式に対応ている状況下で、その高速な通信方式にて通信する場合には、当然、より高解像な音声コーデックを使用することができることとなる。このような構成の場合には、最も高度な音声コーデックのみノイズ抑圧手段を使用せず、QPSK方式(32kbps)においてはわずかながらのノイズ抑圧手段を使用し、BPSK方式(16kbps)においては強力なノイズ抑圧手段を使用するよう構成することが好ましい。このように構成することで、いずれの変調方式に遷移しても、一定のレベルの安定した快適な音声通話が実現可能となり、変調方式が変更されたことに起因した格段の音質の変化が目立つ、ということが無くなる。
また、上述した実施形態では、相対的に音質が低い音声コーデックの音質を改善し、相対的に音質が高い音声コーデックに合わせる構成を説明したが、かかる場合に限られず、相対的に音質が高い音声コーデックの音質を敢えて下げることで聴覚の違和感を回避する等、最終的に音質が近似すれば本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の無線通信方法における各工程は、必ずしもフローチャートやシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、音声コーデックを用いて符号化された符号化音声データを復号する無線通信モジュールおよび無線端末、無線通信方法に利用可能である。
無線通信システムの概略的な構成を示したブロック図である。 音声再生ユニットおよび無線通信モジュールのハードウェア構成の概略を示した機能ブロック図である。 音声再生ユニットおよび無線通信モジュールの外観を示した斜視図である。 無線通信モジュールの概略的な機能構成を示した機能ブロック図である。 32kbpsADPCMと16kbpsADPCMとのADPCMデータを比較するための説明図である。 ノイズ抑制部の効果を示した説明図である。 無線通信方法の具体的な流れを示したフローチャートである。 ハンドオーバの具体的な動作を示したシーケンス図である。 ハンドオーバの具体的な動作を示したシーケンス図である。 ハンドオーバの具体的な動作を示したシーケンス図である。 従来技術における音声コーデックを説明するためのブロック図である。
符号の説明
110 …無線端末
150 …音声再生ユニット
160 …無線通信モジュール
258 …復号部
260 …経路選択部
262 …伝送経路
266 …ノイズ抑制部
268 …フィルタ
272 …接続端子

Claims (6)

  1. 基地局から無線通信を介して受信した符号化音声データを復号し、音声再生ユニットに該復号した音声データを伝送する無線通信モジュールであって、
    ADPCM方式である、第1の音声コーデック及び該第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックの2種類を備え、そのいずれかの音声コーデックによって基地局からの前記符号化音声データを復号する復号部と、
    前記音声再生ユニットとの接続端子に音声データを伝送する複数の伝送経路であって、該音声データのデータ形式を変換するデータ形式変換部、該音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部、フィルタ及び当該音声データのデータ形式を前記データ形式変換部による変換前の形式に再変換する再変換部の順にそれぞれが設けられた第1の伝送経路と、前記データ形式変換部、前記ノイズ抑制部、前記フィルタ及び前記再変換部のいずれも設けられていない第2の伝送経路と、を含む複数の伝送経路と、
    前記第1の音声コーデックが選択された場合に前記第1の伝送経路を選択し、前記第2の音声コーデックが選択された場合に前記第2の伝送経路を選択する経路選択部と、
    を備えることを特徴とする無線通信モジュール。
  2. 複数の変調方式を切り換えて基地局と通信可能であり、
    前記復号部は、通信を行う基地局との間で用いる変調方式に応じて、前記複数の音声コーデックのうちのいずれかを選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信モジュール。
  3. 前記経路選択部は、ハンドオーバする際に、切換先基地局において使用する音声コーデックに対応した伝送経路を再選択することを特徴とする請求項2に記載の無線通信モジュール。
  4. 前記音声再生ユニットとの接続端子は、該音声再生ユニットに対する音声データとしてPCMデータが出力されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信モジュール。
  5. 操作部および音声出力部を有する音声再生ユニットと、当該音声再生ユニットに対して着脱可能、かつ基地局から無線通信を介して受信した符号化音声データを復号して前記音声再生ユニットに該復号した音声データを伝送する無線通信モジュールと、を有する無線端末であって、
    前記無線通信モジュールは、
    ADPCM方式である、第1の音声コーデック及び該第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックの2種類を備え、そのいずれかの音声コーデックによって基地局からの前記符号化音声データを前記音声出力部にて再生可能な形式に復号する復号部と、
    前記音声再生ユニットとの接続端子に音声データを伝送する複数の伝送経路であって、該音声データのデータ形式を変換するデータ形式変換部、該音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部、フィルタ及び当該音声データのデータ形式を前記データ形式変換部による変換前の形式に再変換する再変換部の順にそれぞれが設けられた第1の伝送経路と、前記データ形式変換部、前記ノイズ抑制部、前記フィルタ及び前記再変換部のいずれも設けられていない第2の伝送経路と、を含む複数の伝送経路と、
    前記操作部により通信の開始が指示された場合あるいはハンドオーバを行う場合、前記第1の音声コーデックが選択されると前記第1の伝送経路を選択し、前記第2の音声コーデックが選択されると前記第2の伝送経路を選択する経路選択部と、
    を備えることを特徴とする無線端末。
  6. 音声を再生可能な音声再生ユニットに接続された無線通信モジュールが、
    ADPCM方式である、第1の音声コーデック及び該第1の音声コーデックよりも変換レートが高い第2の音声コーデックの2種類を備え、そのいずれかの音声コーデックによって基地局からの符号化音声データを復号し、
    前記音声再生ユニットとの接続端子に復号した音声データを伝送する複数の伝送経路から、前記第1の音声コーデックが選択された場合に前記音声データのデータ形式を変換するデータ形式変換部、該音声データのノイズを抑制するノイズ抑制部、フィルタ及び当該音声データのデータ形式を前記データ形式変換部による変換前の形式に再変換する再変換部の順にそれぞれが設けられた第1の伝送経路を選択し、前記第2の音声コーデックが選択された場合に前記データ形式変換部、前記ノイズ抑制部、前記フィルタ及び前記再変換部のいずれも設けられていない第2の伝送経路を選択することを特徴とする無線通信方法。
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