JP5489224B2 - モータ、および、それを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ、および、それを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロータとともに回転するマグネットを備えるモータ、および、それを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ロータの回転角度に応じて巻線に供給する電力を制御するブラシレスモータなどには、回転角度を検出するための位置センサが備えられる。位置センサは、ロータと共に回転する部位にマグネットを取り付け、そのマグネットが発生する磁気をホール素子や磁気抵抗素子等の磁気センサが検出するタイプのものが一般に知られている。特許文献1に開示されるモータでは、マグネットは、保持装置(ホルダ)の内側に接着剤により接着され、当該ホルダを介してロータシャフトに取り付けられる。マグネットとホルダとを接着する接着剤が高温硬化型の場合、接着剤を硬化させるのに高温にする必要がある。また、接着剤が2液混合硬化型の場合、2液を混合する必要がある。
また、経年により接着剤が劣化すると、マグネットとホルダとの間の接着力が低下し、マグネットが位置ずれして検出精度を低下させるおそれがある。検出精度が低下すると、モータのトルクリップルの増大あるいは出力低下を招くおそれがある。特に、自動車用の電動パワーステアリング装置において操舵アシストトルクを発生するためのモータとして使用される場合、モータのトルクリップルが僅かでも増大すると操舵アシストトルクが増幅される結果、運転者はスムーズな操舵アシストトルクを得ることができないこととなる。
特表2004−537048号公報
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マグネットのホルダへの固定に接着剤を必要とせず、マグネットのホルダに対する位置ずれを長期に亘って防止可能なモータを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ステータと、ロータと、シャフトと、ホルダと、マグネットと、磁気センサと、を備える。ステータには、複数の巻線が巻回される。ロータは、ステータの径方向内側に回転可能に設けられる。シャフトは、ロータと同軸に設けられ、ロータとともに回転する。ホルダは、接続筒部、板部および収容筒部を有し、ロータおよびシャフトとともに回転する。接続筒部は、筒状に形成され、シャフトと同軸にシャフトの一端に接続するよう設けられる。板部は、接続筒部の一端から径方向外側へ延びるようにして形成されている。収容筒部は、板部の外縁端から筒状に延びるようにして形成されている。マグネットは、シャフト側に面する底面、シャフトとは反対側に面する頂面、および、底面と頂面とを接続する側面を有している。マグネットは、収容筒部の内側に設けられ、ロータ、シャフトおよびホルダとともに回転する。磁気センサは、マグネットと対向するようシャフトの軸方向に設けられ、マグネットが発生する磁気を検出することでロータの回転角度を検出する。
そして、本発明では、ホルダの収容筒部は、端部または内壁から内側へ向かって延びるよう、または、突出するよう塑性加工により形成されマグネットを係止することでマグネットの収容筒部からの脱落を規制可能な脱落規制部を有する。つまり、マグネットは、脱落規制部によりホルダに固定される。そのため、本発明では、マグネットをホルダに固定するための接着剤は不要である。これにより、製造コストの増大を抑制することができる。
また、接着剤を用いないため、経年後においてもマグネットは、脱落規制部によってホルダに固定された状態を良好に維持することができる。これにより、マグネットのホルダからの脱落、および、マグネットのホルダに対する位置ずれを長期に亘って防止することができる。そのため、ロータの回転角度の検出精度が向上する。したがって、モータのトルクリップルの増大あるいは出力低下を抑制することができる。
請求項2〜7に記載の発明は、請求項1に記載の発明をより具体的に例示するものである。
請求項2に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、収容筒部の板部とは反対側の端部から、収容筒部の内側へ向かって延びるよう形成されている。そして、脱落規制部は、マグネットの頂面を係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項3に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、収容筒部の板部とは反対側の端部から、収容筒部の内側かつ板部とは反対側の方向へ接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成されている。そして、脱落規制部は、マグネットの頂面と側面との境界である角部を係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項4に記載の発明では、マグネットは、角部が面取りされることにより形成される面取り部を有している。そして、脱落規制部は、マグネットの面取り部を係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項3に記載の発明では、マグネットの角部は面取りされていないため、脱落規制部が角部を係止するとき、角部に応力が集中することが懸念される。一方、請求項4に記載の発明では、脱落規制部は面取り部を係止するため、マグネットの角部に応力が集中するのを抑制することができる。これにより、脱落規制部によってマグネットの角部を係止する場合であっても、脱落規制部によるマグネットの欠けや削れ等を抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、収容筒部の板部とは反対側の端部から、収容筒部の内側かつ板部側の方向へ接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成されている。そして、脱落規制部は、マグネットの頂面を係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項6に記載の発明では、マグネットの側面には、シャフトとは反対側に面する係止面が形成されている。ホルダの脱落規制部は、収容筒部の内壁から、収容筒部の内側かつ板部側の方向へ接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成されている。そして、脱落規制部は、マグネットの係止面を係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項7に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、収容筒部の内壁から、収容筒部の内側へ向かって突出するよう形成され、マグネットの側面を所定の圧力で押圧することでマグネットを係止する。これにより、マグネットは、ホルダの収容筒部からの脱落が規制される。
請求項8に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、複数形成されている。したがって、ホルダからのマグネットの脱落を規制する効果をより高めることができる。
請求項9に記載の発明では、ホルダの脱落規制部は、互いに対向する位置に形成されている。そのため、マグネットは、脱落規制部によって係止されているとき、その位置が安定する。したがって、ホルダからのマグネットの脱落を規制する効果をより高めることができるとともに、磁気センサによるロータの回転角度の検出精度を向上することができる。
請求項10に記載の発明では、モータケースと、半導体モジュールと、をさらに備えている。モータケースは、ステータおよびロータを収容する。半導体モジュールは、モータケースに当接するよう設けられ、複数の巻線へ供給する電力を切り替えるスイッチング素子を有する。つまり、本発明によるモータは、ステータおよびロータ等の駆動部と、当該駆動部の作動を制御する制御部とが一体となった構成のブラシレスモータである。ブラシレスモータでは、ロータの回転角度に応じて巻線に供給する電力を制御する。
本発明では、マグネットをホルダに固定するための接着剤は不要である。そのため、製造コストの増大を抑制することができ、かつ、経年後においてもマグネットは脱落規制部によってホルダに固定された状態を良好に維持することができる。これにより、マグネットのホルダからの脱落、および、マグネットのホルダに対する位置ずれを長期に亘って防止することができる。したがって、ロータの回転角度の検出精度が向上する。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のモータを用いた電動パワーステアリング装置の発明である。本発明に用いられるモータは、マグネットのホルダからの脱落、および、マグネットのホルダに対する位置ずれを長期に亘って防止することができるため、ロータの回転角度の検出精度が高い。そのため、モータのトルクリップルの増大あるいは出力低下を抑制することができる。したがって、当該モータを用いた電動パワーステアリング装置において、運転者はスムーズな操舵アシストトルクを得ることができる。
本発明の第1実施形態によるモータを示す断面図。 (A)は本発明の第1実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 (A)は本発明の第2実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 (A)は本発明の第3実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 (A)は本発明の第4実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 (A)は本発明の第5実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た斜視図。 (A)は本発明の第6実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 (A)は本発明の第7実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 本発明の第8実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図。 (A)は本発明の第9実施形態によるモータのホルダ近傍を示す断面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるモータを図1に示す。モータ1は、図示しない電動パワーステアリング装置に用いられ、運転者による操舵をアシストする。
モータ1は、ステータ20、ロータ30、シャフト40、ホルダ50、マグネット60、磁気センサ12、モータケース70および半導体モジュール80などを備えている。
ステータ20は、複数の突極21からなる。本実施形態では、6つの突極21が等間隔で環状をなすよう配置されてステータ20を構成している。突極21は、磁性材料の薄板を積層してなる積層鉄心23と、当該積層鉄心23に径方向から嵌合される筒状のインシュレータ24とを有している。インシュレータ24には巻線22が巻回されている。突極21は、巻線22に電力が供給されると磁力を生じる。
ロータ30は、例えば鉄などの磁性材料で筒状に形成されている。ロータ30は、ロータコア31と、当該ロータコア31の径方向外側に設けられる永久磁石32とを有している。永久磁石32は、N極とS極とがロータコア31の周方向に交互に設けられている。
シャフト40は、金属により棒状に形成され、ロータコア31の中心軸上に形成された軸穴33に圧入固定されている。
モータケース70は、例えばアルミ等の金属により形成され、筒部71、隔壁72、ヒートシンク73およびフレームエンド74を有している。筒部71は、略円筒状に形成されている。隔壁72は、筒部71の一方の端部から径方向内側へ延びるようにして形成されることで、当該端部を塞いでいる。ヒートシンク73は、隔壁72から筒部71とは反対の方向へ略六角の筒状に延びるようにして立設されている。フレームエンド74は、筒部71の他方の端部を塞ぐようにして設けられている。
ステータ20は、モータケース70の筒部71の内側に収容されている。ロータ30は、ステータ20の径方向内側に位置するよう、筒部71の内側に収容されている。モータケース70の隔壁72およびフレームエンド74の中央部には、それぞれ軸受け75および軸受け77が設けられている。軸受け75および軸受け77は、シャフト40のロータ30の軸方向両側を軸受けしている。これにより、ロータ30は、シャフト40、軸受け75および軸受け77を介し、モータケース70に回転可能に支持されている。
ホルダ50は、シャフト40のヒートシンク73側端部に固定されている。マグネット60は、ホルダ50に収容されるようにして固定されている。これにより、マグネット60は、ホルダ50、シャフト40およびロータ30とともに回転可能である。ホルダ50およびマグネット60のシャフト40への固定については、後に詳述する。
半導体モジュール80は、スイッチング素子(図示せず)および当該スイッチング素子に接続する端子81および制御端子82を有している。スイッチング素子は、例えばMOSFETまたはIGBT等の半導体素子であり、巻線22に供給する電力を切り替える。スイッチング素子、端子81および制御端子82は、樹脂によりモールドされている。端子81は、巻線22に電力を供給するための取出線25に接続している。スイッチング素子は、作動時、熱を発生する。半導体モジュール80は、当該熱が伝達する放熱面が、ヒートシンク73の側壁面78に当接するようにして設けられている。これにより、スイッチング素子から発生する熱は、ヒートシンク73を経由して放熱される。本実施形態では、半導体モジュール80は、突極21の数に対応して6個設けられている。
モータケース70には、隔壁72からヒートシンク73と同じ方向へ延びるようにして形成される支柱76が設けられている。支柱76には、基板13がねじ14により固定されている。磁気センサ12は、シャフト40に固定されたマグネット60に対向するよう、基板13のシャフト40側の面に設けられている。磁気センサ12は、例えば磁気抵抗素子(MR素子)やホール素子などの磁気検出素子を有している。これにより、磁気センサ12は、マグネット60が発生する磁気を検出することでロータ30の回転角度を検出可能である。
基板13の磁気センサ12とは反対側の面には、マイコン等の電子部品(図示せず)が実装されている。当該電子部品は、半導体モジュール80の制御端子82および磁気センサ12に接続されている。そして、当該電子部品は、磁気センサ12で検出したロータ30の回転角度等に基づき、半導体モジュール80のスイッチング素子による電力の切り替えを制御する。複数の巻線22に供給する電力を順次切り替えると、ステータ20は回転磁界を生じ、これに伴い、ロータ30が回転する。このロータ30の回転力は、シャフト40のマグネット60とは反対側の端部から出力され、電動パワーステアリング装置における駆動力(運転者の操舵をアシストする力)となる。
本実施形態では、ヒートシンク73の内側に、シャフト40を取り囲むようにして6個のコンデンサ15が設けられている。各コンデンサ15は、各半導体モジュール80に接続されている。コンデンサ15は、半導体モジュール80のスイッチング作動時に生じるサージ電圧を吸収する。また、ヒートシンク73の内側には、トロイダル形状のコアを有するチョークコイル16が設けられている。チョークコイル16は、内側にシャフト40が挿通された状態で設けられている。チョークコイル16は、電源ノイズを低減する。このように、複数のコンデンサ15およびチョークコイル16を、ヒートシンク73の内側に形成される空間に効率的に配置することにより、モータ1の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、モータケース70のフレームエンド74とは反対側には有底筒状のカバー17が設けられ、半導体モジュール80および基板13等を保護している。
本実施形態のモータ1は、3相2系統駆動のブラシレスモータである。すなわち、各半導体モジュール80のそれぞれがU相、V相、W相に対応し、3個1組の半導体モジュール80で1系統を構成している。また、モータ1は、ステータ20およびロータ30等の駆動部と、当該駆動部の作動を制御する電子部品および半導体モジュール80等の制御部とが一体となった構成のモータである。そのため、モータ1は、例えば制御部が駆動部とは別体で設けられるようなモータと比べ、車両等におけるモータ全体(駆動部および制御部)の設置スペースを小さくすることができる。なお、本実施形態では、モータケース70の隔壁72が駆動部領域と制御部領域とを区画している。
次に、ホルダ50およびマグネット60のシャフト40への固定等について、図2を用いて説明する。なお、図2では、各部材の寸法を実際よりも誇張して示している。
ホルダ50は、鋼材などから形成される。ホルダ50は、接続筒部51、環状板部52および収容筒部53を有している。図2(A)に示すように、接続筒部51は、筒状に形成され、内壁がシャフト40の一端の外壁に嵌合するよう設けられている。すなわち、接続筒部51は、シャフト40と同軸に、シャフト40の一端に接続するよう設けられている。環状板部52は、接続筒部51の一端から径方向外側へ環状に延びるようにして形成されている。収容筒部53は、環状板部52の外縁端から筒状に延びるようにして形成されている。本実施形態では、図2(B)に示すように、収容筒部53は、接続筒部51の軸方向から見たときの形状が略矩形となるよう形成されている。また、環状板部52も、収容筒部53の形状に対応し、接続筒部51の軸方向から見たときの形状が略矩形となるよう形成されている。つまり、収容筒部53は矩形筒状であり、環状板部52は矩形板状である。ここで、環状板部52は、特許請求の範囲における「板部」に対応している。
マグネット60は、図2(A)および(B)に示すように、略直方体状に形成されている。本実施形態では、マグネット60は、ネオジボンド磁石であり、図2(B)に示すように長手方向の端部のそれぞれがN極またはS極に着磁されている。マグネット60は、ホルダ50の収容筒部53の内側に収容されている。なお、本実施形態では、図2(B)に示すように、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりもやや小さく、または、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅と概ね同等に設定されている。
また、マグネット60は、略直方体状に形成されているため、1つの底面61、1つの頂面62、および、4つの側面63を有している。底面61はシャフト40側に面し、頂面62はシャフト40とは反対側に面している。4つの側面63は、それぞれ、底面61と頂面62とを接続している。これにより、頂面62と側面63との間に、頂面62と側面63との境界である角部64が形成されている。角部64は、側面63に対応し4箇所に形成されている。
図2(A)および(B)に示すように、ホルダ50の収容筒部53の環状板部52とは反対側の端部に4つの脱落規制部531が形成されている。本実施形態では、脱落規制部531は、収容筒部53の環状板部52とは反対側の端部から、収容筒部53の内側へ向かって延びるよう形成されている。脱落規制部531は、マグネット60の頂面62を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50からの脱落が規制されている。なお、本実施形態では、脱落規制部531は、互いに対向する位置に形成されている。
次に、第1実施形態におけるマグネット60のホルダ50への組み付け方法を説明する。
(挿入工程)
脱落規制部531が接続筒部51の軸方向に延びた状態の収容筒部53の内側にマグネット60を挿入する。
(かしめ工程)
脱落規制部531を収容筒部53の内側に折り曲げることでマグネット60をかしめる。これにより、脱落規制部531は、マグネット60の頂面62を係止した状態となる。
上記工程を経ることにより、マグネット60およびホルダ50は図2(A)および(B)に示す状態、すなわち、マグネット60がホルダ50に組み付けられて固定された状態となる。
上述のように、本実施形態では、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりもやや小さく、または、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅と概ね同等に設定されている。そのため、マグネット60の組み付け(挿入工程)時はマグネット60を収容筒部53の内側に容易に挿入することができ、組み付け後はマグネット60のホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、ホルダ50の収容筒部53は、マグネット60を係止することでマグネット60の収容筒部53からの脱落を規制可能な脱落規制部531を有する。つまり、マグネット60は、脱落規制部531によりホルダ50に固定される。そのため、本実施形態では、マグネット60をホルダ50に固定するための接着剤は不要である。これにより、製造コストの増大を抑制することができる。
また、接着剤を用いないため、経年後においてもマグネット60は、脱落規制部531によってホルダ50に固定された状態を良好に維持することができる。これにより、マグネット60のホルダ50からの脱落、および、マグネット60のホルダ50に対する位置ずれを長期に亘って防止することができる。そのため、ロータ30の回転角度の検出精度が向上する。したがって、モータ1のトルクリップルの増大あるいは出力低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、脱落規制部531は、収容筒部53の環状板部52とは反対側の端部から、収容筒部53の内側へ向かって延びるよう形成されている。脱落規制部531は、マグネット60の頂面62を係止する。本実施形態では、脱落規制部531は、複数形成されている。したがって、ホルダ50からのマグネット60の脱落を規制する効果をより高めることができる。また、脱落規制部531は、互いに対向する位置に形成されている。そのため、マグネット60は、脱落規制部531によって係止されているとき、その位置が安定する。したがって、ホルダ50からのマグネット60の脱落を規制する効果をより高めることができるとともに、磁気センサ12によるロータ30の回転角度の検出精度を向上することができる。
また、本実施形態では、モータケース70および半導体モジュール80を備えている。モータケース70は、ステータ20およびロータ30を収容する。半導体モジュール80は、モータケース70に当接するよう設けられ、複数の巻線22へ供給する電力を切り替えるスイッチング素子を有する。つまり、本実施形態によるモータ1は、ステータ20およびロータ30等の駆動部と、当該駆動部の作動を制御する制御部とが一体となった構成のブラシレスモータである。ブラシレスモータ(モータ1)では、ロータ30の回転角度に応じて巻線22に供給する電力を制御する。本実施形態では、マグネット60をホルダ50に固定するための接着剤は不要である。そのため、製造コストの増大を抑制することができ、かつ、経年後においてもマグネット60は脱落規制部531によってホルダ50に固定された状態を良好に維持することができる。これにより、マグネット60のホルダ50からの脱落、および、マグネット60のホルダ50に対する位置ずれを長期に亘って防止することができる。したがって、ロータ30の回転角度の検出精度が向上する。
また、本実施形態のモータ1は、電動パワーステアリング装置に用いられる。本実施形態によるモータ1は、マグネット60のホルダ50からの脱落、および、マグネット60のホルダ50に対する位置ずれを長期に亘って防止することができるため、ロータ30の回転角度の検出精度が高い。そのため、モータ1のトルクリップルの増大あるいは出力低下を抑制することができる。したがって、モータ1を用いた電動パワーステアリング装置において、運転者はスムーズな操舵アシストトルクを得ることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるモータについて、図3に基づいて説明する。第2実施形態は、マグネットの大きさ、および、ホルダの一部の形状等が第1実施形態と異なるのみで、その他の構成は第1実施形態と実質的に同一である。
第2実施形態では、図3(A)および(B)に示すように、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、ホルダ50の収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりも小さく設定されている。そのため、マグネット60が収容筒部53の内側に収容された状態では、マグネット60の外壁と収容筒部53の内壁との間に所定の大きさの隙間が形成される。また、マグネット60の側面63の高さ(底面61と頂面62との間の長さ)は、収容筒部53の内壁の高さよりも大きく設定されている。
ホルダ50の脱落規制部532は、収容筒部53の環状板部52とは反対側の端部から、収容筒部53の内側かつ環状板部52とは反対側の方向へ延びるよう形成されている。つまり、脱落規制部531は、接続筒部51の軸に対して傾斜するよう形成されている。本実施形態では、脱落規制部532は、4つ形成されている。脱落規制部532は、互いに対向する位置に形成されている。脱落規制部532は、マグネット60の角部64を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれ、ならびに、ホルダ50からの脱落が規制されている。
マグネット60のホルダ50への組み付け方法については、第1実施形態で示した方法と同様である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態によるモータについて、図4に基づいて説明する。第3実施形態は、マグネットの一部の形状が第2実施形態と異なるのみで、その他の構成は第2実施形態と実質的に同一である。
第3実施形態では、図4(A)および(B)に示すように、マグネット60は、角部64が面取りされることにより面取り部641を有している。面取り部641は、角部64に対応し4箇所に形成されている。ホルダ50の脱落規制部532は、マグネット60の角部64に形成された面取り部641を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれ、ならびに、ホルダ50からの脱落が規制されている。
上述の第2実施形態では、マグネット60の角部64は面取りされていないため、脱落規制部532が角部64を係止するとき、角部64に応力が集中することが懸念される。一方、第3実施形態では、脱落規制部532は面取り部641を係止するため、マグネット60の角部64(面取り部641)に応力が集中するのを抑制することができる。これにより、脱落規制部532によってマグネット60の角部64を係止する場合であっても、脱落規制部532によるマグネット60の欠けや削れ等を抑制することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態によるモータについて、図5に基づいて説明する。第4実施形態は、ホルダの一部の形状等が第2実施形態と異なるのみで、その他の構成は第2実施形態と実質的に同一である。
第4実施形態では、図5(A)および(B)に示すように、第2実施形態と同様、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、ホルダ50の収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりも小さく設定されている。そのため、マグネット60が収容筒部53の内側に収容された状態では、マグネット60の外壁と収容筒部53の内壁との間に所定の大きさの隙間が形成される。第4実施形態では、マグネット60の側面63の高さ(底面61と頂面62との間の長さ)は、収容筒部53の内壁の高さよりも小さく設定されている。
ホルダ50の脱落規制部534は、収容筒部53の環状板部52とは反対側の端部から、収容筒部53の内側かつ環状板部52側の方向へ延びるよう形成されている。つまり、脱落規制部534は、接続筒部51の軸に対して傾斜するよう形成されている。本実施形態では、脱落規制部534は、4つ形成されている。脱落規制部534は、互いに対向する位置に形成されている。脱落規制部534は、マグネット60の頂面62を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50からの脱落が規制されている。
次に、第4実施形態におけるマグネット60のホルダ50への組み付け方法を説明する。
(折り曲げ工程)
接続筒部51の軸方向に延びた状態の脱落規制部534を、収容筒部53の内側に折り曲げ、収容筒部53の内側かつ環状板部52側の方向へ延びて接続筒部51の軸に対して傾斜した状態にする。
(挿入工程)
収容筒部53の内側にマグネット60を挿入する。このとき、脱落規制部534は、マグネット60の側面63に押されて弾性変形するものの、マグネット60の底面61が環状板部52に当接した時点で復元し、マグネット60の頂面62を係止した状態となる。
上記工程を経ることにより、マグネット60およびホルダ50は図5(A)および(B)に示す状態、すなわち、マグネット60がホルダ50に固定された状態となる。
このように、本実施形態では、マグネット60は、挿入工程においてスナップフィット(脱落規制部534が弾性変形および復元すること)によりホルダ50に組み付けられる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるモータについて、図6に基づいて説明する。第5実施形態は、マグネットの形状、および、ホルダの脱落規制部の形成される位置等が第2実施形態と異なるのみで、その他の構成は第2実施形態と実質的に同一である。
第5実施形態では、図6(A)および(B)に示すように、マグネット60の底面61は、頂面62よりも大きく形成されている。これにより、マグネット60の側面63には、シャフト40とは反対側に面する環状の係止面65が形成されている。また、接続筒部51の軸方向から見たときの底面61の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりもやや小さく、または、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅と概ね同等に設定されている。
ホルダ50の脱落規制部535は、図6(C)に示すように、収容筒部53を切り欠くことにより形成されている。脱落規制部535は、図6(A)〜(C)に示すように、収容筒部53の内壁から、収容筒部53の内側かつ環状板部52側の方向へ延びるよう形成されている。つまり、脱落規制部535は、接続筒部51の軸に対して傾斜するよう形成されている。本実施形態では、脱落規制部535は、4つ形成されている。脱落規制部535は、互いに対向する位置に形成されている。脱落規制部535は、マグネット60の係止面65を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50からの脱落が規制されている。
次に、第5実施形態におけるマグネット60のホルダ50への組み付け方法を説明する。
(折り曲げ工程)
収容筒部53を切り欠くことにより形成した脱落規制部535を、収容筒部53の内側に折り曲げ、収容筒部53の内側かつ環状板部52側の方向へ延びて接続筒部51の軸に対して傾斜した状態にする。
(挿入工程)
収容筒部53の内側にマグネット60を挿入する。このとき、脱落規制部535は、マグネット60の底面61側の側面63に押されて弾性変形するものの、マグネット60の底面61が環状板部52に当接した時点で復元し、マグネット60の係止面65を係止した状態となる。
上記工程を経ることにより、マグネット60およびホルダ50は図6(A)〜(C)に示す状態、すなわち、マグネット60がホルダ50に固定された状態となる。
このように、本実施形態では、マグネット60は、挿入工程においてスナップフィット(脱落規制部535が弾性変形および復元すること)によりホルダ50に組み付けられる。
上述のように、本実施形態では、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の底面61の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりもやや小さく、または、収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅と概ね同等に設定されている。そのため、マグネット60の組み付け(挿入工程)時はマグネット60を収容筒部53の内側に容易に挿入することができ、組み付け後はマグネット60のホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれを抑制することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態によるモータについて、図7に基づいて説明する。第6実施形態は、ホルダの脱落規制部の形状および形成される位置等が第2実施形態と異なるのみで、その他の構成は第2実施形態と実質的に同一である。
第6実施形態では、図7(A)および(B)に示すように、接続筒部51の軸方向から見たときのマグネット60の長手方向の幅および短手方向の幅は、それぞれ、ホルダ50の収容筒部53の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅よりも小さく設定されている。そのため、マグネット60が収容筒部53の内側に収容された状態では、マグネット60の外壁と収容筒部53の内壁との間に所定の大きさの隙間が形成される。
ホルダ50の脱落規制部536は、収容筒部53の内壁から、収容筒部53の内側へ向かって突出するよう形成されている。本実施形態では、脱落規制部536は、6つ形成されている。脱落規制部536は、互いに対向する位置に形成されている。脱落規制部536は、収容筒部53の環状板部52とは反対側において、接続筒部51の軸方向へ延びるようにして形成されている。脱落規制部536は、マグネット60の側面63を所定の圧力で押圧することでマグネット60を係止している。これにより、マグネット60は、ホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれ、ならびに、ホルダ50からの脱落が規制されている。
次に、第6実施形態におけるマグネット60のホルダ50への組み付け方法を説明する。
(挿入工程)
脱落規制部536が形成されていない状態の収容筒部53の内側にマグネット60を挿入する。
(脱落規制部形成工程)
所定の長さの凸条部を有する治具を収容筒部53の外壁に押し当てることで脱落規制部536を形成し、マグネット60をかしめる。これにより、脱落規制部536は、マグネット60の側面63を所定の圧力で押圧することでマグネット60を係止した状態となる。
上記工程を経ることにより、マグネット60およびホルダ50は図7(A)および(B)に示す状態、すなわち、マグネット60がホルダ50に組み付けられて固定された状態となる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態によるモータについて、図8に基づいて説明する。第7実施形態は、ホルダの脱落規制部の形成される位置等が第6実施形態と異なるのみで、その他の構成は第6実施形態と実質的に同一である。
第7実施形態では、図8(A)および(B)に示すように、ホルダ50の脱落規制部537は、収容筒部53の環状板部52側において、接続筒部51の軸方向へ延びるようにして形成されている。脱落規制部537は、マグネット60の側面63を所定の圧力で押圧することでマグネット60を係止している。これにより、マグネット60は、第6実施形態と同様、ホルダ50に対する長手方向および短手方向の位置ずれ、ならびに、ホルダ50からの脱落が規制されている。
マグネット60のホルダ50への組み付け方法については、第6実施形態で示した方法と同様である。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態によるモータについて、図9に基づいて説明する。第8実施形態は、ホルダの接続筒部とシャフトとの接続方法が第1実施形態と異なるのみで、その他の構成は第1実施形態と実質的に同一である。つまり、第8実施形態は、第1実施形態の変形例である。
第8実施形態では、ホルダ50の接続筒部51は、環状板部52とは反対側の端部を塞ぐ底部511を有している。ホルダ50は、底部511がねじ18によりシャフト40の端部に固定されることによって、シャフト40に取り付けられている。その他の構成、および、マグネット60のホルダ50への組み付け方法については、第1実施形態と同様である。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態によるモータについて、図10に基づいて説明する。第9実施形態は、ホルダの収容筒部および環状板部、ならびに、マグネットの形状が第1実施形態と異なるのみで、その他の構成は第1実施形態と実質的に同一である。つまり、第9実施形態は、第1実施形態の変形例である。
第9実施形態では、図10(B)に示すように、収容筒部53は、接続筒部51の軸方向から見たときの形状が略円形となるよう形成されている。また、環状板部52も、収容筒部53の形状に対応し、接続筒部51の軸方向から見たときの形状が略円形となるよう形成されている。つまり、収容筒部53は円筒状であり、環状板部52は円形板状である。マグネット60の外径は、収容筒部53の内径よりもやや小さく、または、収容筒部53の内径と概ね同等に設定されている。また、マグネット60は、径方向の端部のそれぞれがN極またはS極に着磁されている。その他の構成、および、マグネット60のホルダ50への組み付け方法については、第1実施形態と同様である。すなわち、ホルダ50の脱落規制部531は、マグネット60の頂面62を係止している。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、上述の第2〜7実施形態で示したホルダの接続筒部とシャフトとの接続方法を、第8実施形態で示した接続方法としてもよい。つまり、接続筒部のシャフトへの接続については、嵌合に限らず、ねじ等その他の如何なる方法による接続としてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、上述の第2〜8実施形態で示したホルダの収容筒部および環状板部、ならびに、マグネットの形状を、第9実施形態で示した形状としてもよい。つまり、ホルダの収容筒部および環状板部、ならびに、マグネットは、接続筒部の軸方向から見たときの形状は、矩形および円形に限らず、多角形等、如何なる形状であってもよい。また、マグネットは、ネオジボンド磁石に限らず、フェライト磁石等であってもよい。また、磁石の極数は2極に限らず、多極磁石であってもよい。
上述の実施形態では、ホルダの収容筒部に脱落規制部が複数形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、脱落規制部は1つ形成されることとしてもよい。また、脱落規制部が複数形成される場合であっても、脱落規制部は、互いに対向しない位置に形成されることとしてもよい。さらに、脱落規制部のマグネットの頂面方向の幅は、任意の大きさに設定してもよい。
上述の第4実施形態では、折り曲げ工程の後に挿入工程を実施し、スナップフィットによりマグネットをホルダに組み付ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、先に挿入工程を実施し、その後、折り曲げ工程を実施することとしてもよい。この手順ではスナップフィットによる組み付けは行われないが、この手順で組み付ける場合は、接続筒部の軸方向から見たときのマグネットの長手方向の幅および短手方向の幅を、それぞれ、収容筒部の長手方向の内壁の幅および短手方向の内壁の幅と概ね同等に設定することができる。これにより、組み付け後においては、マグネットのホルダに対する長手方向および短手方向の位置ずれを抑制することができる。
同様に、上述の第5実施形態では折り曲げ工程の後に挿入工程を実施する例を示したが、本発明の他の実施形態では、先に挿入工程を実施し、その後、折り曲げ工程を実施することとしてもよい。
また、上述の第5実施形態では、マグネットの側面に、シャフトとは反対側に面する環状の係止面が形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えばマグネットの側面の一部を窪ませることで、シャフトとは反対側に面する係止面を形成し、当該係止面を脱落規制部により係止する構成としてもよい。
上述の第6、7実施形態では、挿入工程の後に脱落規制部形成工程を実施する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、先に脱落規制部形成工程を実施し、その後、挿入工程を実施することとしてもよい。すなわち、先にホルダの収容筒部に脱落規制部を形成しておき、その後、収容筒部にマグネットを挿入することで脱落規制部によりマグネットの側面が係止されるのである。なお、この手順で組み付ける場合は、治具を収容筒部の外壁に押し当てることにより脱落規制部を形成するに限らず、切削あるいは型抜き等、如何なる方法により脱落規制部を形成してもよい。また、第6、7実施形態における脱落規制部を第1〜5、8、9実施形態のホルダに形成してもよい。このように、本発明では、阻害要因がない限り、各実施形態の脱落規制部を組み合わせることができる。
また、第1〜5、8、9実施形態において、環状板部からマグネット側に延びるようにして形成され弾性変形することでマグネットを軸方向に押圧可能な切り起こし片等の弾性突出部を設けてもよい。これにより、マグネットは、脱落規制部と弾性突出部とで挟圧され、一層確実に軸方向に保持される。
本発明は、磁気センサ以外の制御部と駆動部とが別体のブラシレスモータに適用することができる。また、ブラシレスモータに限らず、ロータの回転角度を検出するブラシ付きモータに適用することもできる。
また、本発明のモータは、電動パワーステアリング装置に限らず、種々の装置または機器類に用いることができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・モータ
12 ・・・磁気センサ
20 ・・・ステータ
22 ・・・巻線
30 ・・・ロータ
40 ・・・シャフト
50 ・・・ホルダ
51 ・・・接続筒部
52 ・・・環状板部
53 ・・・収容筒部
531、532、534、535、536、537 ・・・脱落規制部
60 ・・・マグネット
61 ・・・底面
62 ・・・頂面
63 ・・・側面

Claims (11)

  1. 複数の巻線が巻回されるステータと、
    前記ステータの径方向内側に回転可能に設けられるロータと、
    前記ロータと同軸に設けられ、前記ロータとともに回転するシャフトと、
    前記シャフトと同軸に前記シャフトの一端に接続するよう設けられる筒状の接続筒部、当該接続筒部の一端から径方向外側へ延びる板部、および、当該板部の外縁端から筒状に延びる収容筒部を有し、前記ロータおよび前記シャフトとともに回転するホルダと、
    前記シャフト側に面する底面、前記シャフトとは反対側に面する頂面、および、前記底面と前記頂面とを接続する側面を有し、前記収容筒部の内側に設けられ、前記ロータ、前記シャフトおよび前記ホルダとともに回転するマグネットと、
    前記マグネットと対向するよう前記シャフトの軸方向に設けられ、前記マグネットが発生する磁気を検出することで前記ロータの回転角度を検出する磁気センサと、を備え、
    前記収容筒部は、端部または内壁から内側へ向かって延びるよう、または、突出するよう塑性加工により形成され前記マグネットを係止することで前記マグネットの前記収容筒部からの脱落を規制可能な脱落規制部を有することを特徴とするモータ。
  2. 前記脱落規制部は、前記収容筒部の前記板部とは反対側の端部から、前記収容筒部の内側へ向かって延びるよう形成され、前記マグネットの前記頂面を係止することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記脱落規制部は、前記収容筒部の前記板部とは反対側の端部から、前記収容筒部の内側かつ前記板部とは反対側の方向へ前記接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成され、前記マグネットの前記頂面と前記側面との境界である角部を係止することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  4. 前記マグネットは、前記角部が面取りされることにより形成される面取り部を有し、
    前記脱落規制部は、前記マグネットの前記面取り部を係止することを特徴とする請求項3に記載のモータ。
  5. 前記脱落規制部は、前記収容筒部の前記板部とは反対側の端部から、前記収容筒部の内側かつ前記板部側の方向へ前記接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成され、前記マグネットの前記頂面を係止することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  6. 前記マグネットの側面には、前記シャフトとは反対側に面する係止面が形成され、
    前記脱落規制部は、前記収容筒部の内壁から、前記収容筒部の内側かつ前記板部側の方向へ前記接続筒部の軸に対して傾斜して延びるよう形成され、前記マグネットの前記係止面を係止することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  7. 前記脱落規制部は、前記収容筒部の内壁から、前記収容筒部の内側へ向かって突出するよう形成され、前記マグネットの前記側面を所定の圧力で押圧することで前記マグネットを係止することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  8. 前記脱落規制部は、複数形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のモータ。
  9. 前記脱落規制部は、互いに対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項8に記載のモータ。
  10. 前記ステータおよび前記ロータを収容するモータケースと、
    前記モータケースに当接するよう設けられ、前記複数の巻線へ供給する電力を切り替えるスイッチング素子を有する半導体モジュールと、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のモータ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のモータを用いた電動パワーステアリング装置。
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