JP5317846B2 - 駆動装置 - Google Patents
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Description
請求項4に記載の発明では、係合部は、モータケースの壁面に形成されている。特別端子は、前記壁面に形成された溝に挿入されることで係合部に係合されるよう、封止体の下面から突出している。本発明では、係合部は、特別端子に係合することによって、モータケースに対する半導体モジュールの「前面」方向、「背面」方向、「右側面」方向、および、「左側面」方向の位置ずれを規制可能である。ここで、「前面」方向とは、封止体の「背面」から「前面」へ向かう方向をいう。同様に、「背面」方向とは、封止体の「前面」から「背面」へ向かう方向をいう。「右側面」方向および「左側面」方向についても同様の意味である。
請求項4〜10に記載の発明は、阻害要因がない限りそれぞれの構成を組み合わせることが可能である。請求項4〜10に記載の発明のそれぞれの構成を組み合わせることにより、半導体モジュールの位置ずれを抑制する効果をより高めることができる。
請求項15に記載の発明では、特別端子と半導体チップとの間は、電気的に接続されている。この構成の場合、特別端子を「半導体モジュールの位置ずれを抑制するための端子」としてだけではなく、「半導体チップと他の部材との間を電気的に接続するための端子」としても利用できる。これにより、特別端子を例えば半導体チップのグランド用端子として利用することができる。
あるいは、封止体から突出する半導体チップのグランド用端子を「半導体モジュールの位置ずれを抑制する」ための特別端子として利用することとしてもよい。この場合、グランド用端子に対応する係合部をモータケースに形成すれば、半導体モジュールの位置ずれを抑制する効果を奏することができる。
請求項17に記載の発明では、半導体モジュールは、モータケースのシャフトの中心線方向の反ロータ側に、半導体チップのチップ面の垂線がシャフトの中心線と非平行となるよう縦配置されている。なお、以下では、必要に応じて適宜「シャフトの中心線」を単に「モータ軸線」と記載し、「シャフトの中心線方向」を単に「モータ軸方向」と記載することとする。本発明では、モータケースは、例えば有底筒状に形成されたものを考えることができる。この場合、半導体モジュールは、モータケースのモータ軸方向の反ロータ側、すなわちモータケースの底部の反ロータ側に配置されている。このように本発明では、半導体モジュールをモータケースのモータ軸方向に配置しているため、ステータの周りに半導体モジュールを配置する構成(例えば、特許文献3参照)と比べ、径方向の体格を小さくすることができる。
請求項21に記載の発明では、特別端子は、封止体の少なくとも1つの面の複数箇所から突出するよう、1つの面あたり複数設けられている。そのため、本発明では、請求項11に記載の発明による効果と同様、半導体モジュールの位置ずれを抑制する効果をより一層高めることができる。
請求項25に記載の発明では、特別端子と半導体チップとの間は、電気的に接続されている。この構成の場合、請求項15に記載の発明と同様、特別端子を「半導体モジュールの位置ずれを抑制するための端子」としてだけではなく、「半導体チップと他の部材との間を電気的に接続するための端子」としても利用できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による駆動装置は、電動パワーステアリング(以下「EPS」という)の駆動装置として適用されるものである。
駆動装置1は、モータ30、パワー部50、および、制御部70を備えている。駆動装置1は、車両のステアリング91の回転軸たるコラム軸92に取り付けられたギア93を介しコラム軸92に回転トルクを発生させ、ステアリング91による操舵をアシストする。具体的には、ステアリング91が運転者によって操作されると、当該操作によってコラム軸92に生じる操舵トルクをトルクセンサ94によって検出し、また、車速情報をCAN(Controller Area Network)から取得して(不図示)、運転者のステアリング91による操舵をアシストする。もちろん、このような機構を利用すれば、制御手法によっては、操舵のアシストのみでなく、高速道路における車線キープ、駐車場における駐車スペースへの誘導など、ステアリング91の操作を自動制御することも可能である。
3つのFET61〜63のドレインが、電源ライン側に接続されている。また、FET61〜63のソースがそれぞれ、残り3つのFET64〜66のドレインに接続されている。さらにまた、これらのFET64〜66のソースが接地されている。また、6つのFET61〜66のゲートは、後述するプリドライバ71の6つの出力端子に接続されている。そして、図2中で上下ペアとなるFET61〜66同士の接続点がそれぞれ、モータ30のU相コイル、V相コイル、W相コイルに接続されている。
検出電圧増幅部77は、パワー部50に設けられたシャント抵抗53の両端電圧を検出し、当該両端電圧を増幅してマイコン74へ出力する。
本実施形態では、逆接保護用のFET67、FET(Su+)61、および、FET(Su−)64が半導体チップとして構成されており、当該半導体チップが樹脂モールドされて一つの半導体モジュールとなっている。
最初に、図1に基づいて、駆動装置1の構成を説明しておく。
駆動装置1は、その外郭として、円筒状のモータケース101とフレームエンド102とカバー103とを備えている。モータケース101は、一方の端部が隔壁107で塞がれている。フレームエンド102は、モータケース101の反隔壁107側端部を塞いでいる。本実施形態では、隔壁107の反フレームエンド102側に電子回路(パワー部50および制御部70)が設けられている。カバー103は、この電子回路を覆うようにしてモータケース101に取り付けられている。
ここでは、最初にパワー部50の構成について説明し、次に、制御部70の構成について説明する。
半導体モジュール501〜506は、モータケース101の隔壁107からシャフト401の中心線方向へ延設されたヒートシンク601に対し取り付けられている。
ヒートシンク601は、図3および図6に示すように、中心に円柱状の空間が形成されている。また、当該円柱状の空間の略中心には、シャフト401が位置している。ヒートシンク601は、肉厚の筒形状とも言え、シャフト401の中心線の周りに側壁602を有している。側壁602には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部603、604が設けられている。
図7は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール501、および、モータケース101の隔壁107の一部を概略的に示す模式図である。なお、半導体モジュール501〜506はいずれも同様の構成のため、6つの半導体モジュール(501〜506)のうち半導体モジュール501のみを図7に図示する。また、図7では、巻線用端子508、制御用端子509およびコンデンサ用端子510について図示を省略している。
半導体モジュール501の半導体チップ(511)が逆接保護用のFET67、FET(Su+)61、および、FET(Su−)64を構成することは既に述べたとおりである(図2参照)。すなわち、半導体チップ511は、複数相を構成するコイル線205に流れる巻線電流を切り換えるためのものである。
本実施形態では、半導体モジュール502〜506は、上述の半導体モジュール501と同等の構成を採る。
溝109は、壁面108に平行な仮想平面(xy平面)による断面が、特別端子530の端部の断面よりやや大きく、あるいは概ね同等に形成されている。そのため、特別端子530は、溝109に挿入された場合、溝109に係合される。すなわち、モータケース101の溝109が形成された部分は、特許請求の範囲における「係合部」をなす。当該「係合部」は、図7において係合部110で示す部分である。
駆動装置1の製造工程では、特に半導体モジュールに関係する工程として、例えば次の工程を含む。(1)半導体モジュール設置工程、(2)巻線接続工程、(3)コンデンサ接続工程、および、(4)プリント基板接続工程である。
(2)巻線接続工程では、モータケース101に設置された半導体モジュール501〜506の巻線用端子508でコイル線205の取出線206を挟持する、または取出線206を巻線用端子508に当接させることにより、巻線用端子508と取出線206とを接続する。
(3)コンデンサ接続工程では、半導体モジュール501〜506のコンデンサ用端子510とコンデンサ701〜706の端子とを接続する。
(4)プリント基板接続工程では、電子部品が実装されたプリント基板80を、その端子孔に半導体モジュール501〜506の制御用端子509が挿通されるようにして、モータケース101から延出する複数の支柱106に螺着する。そして、半導体モジュール501〜506の制御用端子509を、プリント基板80の配線パターンに半田付けする。
ここで、説明を容易にするために、封止体520の背面521から前面522へ向かう方向を「前面」方向とし、封止体520の前面522から背面521へ向かう方向を「背面」方向とし、封止体520の左側面526から右側面525へ向かう方向を「右側面」方向とし、封止体520の右側面525から左側面526へ向かう方向を「左側面」方向とする。また、以下で「上面」方向または「下面」方向という場合、「上面」方向は封止体520の下面523から上面524へ向かう方向を意味し、「下面」方向は封止体520の上面524から下面523へ向かう方向を意味することとする。
さらに、本実施形態では、特別端子530と半導体チップ511との間は、電気的に絶縁されている。そのため、特別端子530を純粋に「半導体モジュールの位置ずれを規制するための端子」として用いることができ、特別端子530に電磁的なノイズや意図しない電圧等が印加された場合でも半導体チップ511への影響を低減することができる。
本発明の第2実施形態による駆動装置を図8に基づいて説明する。第2実施形態では、半導体モジュールに埋設される特別端子の数、および、モータケースに形成される係合部の数が第1実施形態と異なる。
図8は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール810、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第2実施形態では、第1実施形態と同様、半導体モジュール810と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
以上説明したように、本実施形態では、半導体モジュール810は、2つの特別端子(特別端子811および特別端子812)を有し、これら2つの特別端子によってモータケース101に対する位置ずれが規制される。したがって、本実施形態では、第1実施形態に比べ、モータケース101に対する半導体モジュールの位置ずれを規制する効果が高い。
本発明の第3実施形態による駆動装置を図9に基づいて説明する。第3実施形態では、半導体モジュールに埋設される特別端子の位置、および、モータケースに形成される係合部の位置が第2実施形態と異なる。
図9は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール820、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第3実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール820と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
モータケース101(隔壁107)の壁面108には、半導体モジュール820がモータケース101に設置されるときの特別端子811および特別端子812の位置、ならびに、特別端子811および特別端子812の突出側端部の形状にそれぞれ対応するよう、溝111および溝112が形成されている。
また、本実施形態では、特別端子811および特別端子812が下面523の対角線上に設けられているため、第2実施形態に比べ、半導体モジュール820をより安定した状態でモータケース101に設置する(立たせる)ことができる。
本発明の第4実施形態による駆動装置を図10に基づいて説明する。第4実施形態では、封止体からの特別端子の突出方向(面)、ならびに、モータケースに形成される係合部の位置および形状等が上述の実施形態と異なる。
図10は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール830、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第4実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール830と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
さらに、本実施形態では、半導体モジュール830は、上述の実施形態と同様、封止体520の背面521がヒートシンク601の側壁面605に当接するよう設けられるため、ヒートシンク601によっても「背面」方向の位置ずれが規制される。
本発明の第5実施形態による駆動装置を図11に基づいて説明する。第5実施形態では、封止体からの特別端子の突出方向(面)、ならびに、モータケースに形成される係合部の位置および形状等が上述の実施形態と異なる。
図11は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール840、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第5実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール840と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
また、本実施形態では、前端子受け部141は、半導体モジュール840の前面522に当接あるいは前面522との間に僅かな隙間を形成するよう設けられている。一方、ヒートシンク601は、側壁面605が半導体モジュール840の背面521に当接するよう設けられている。すなわち、前端子受け部141とヒートシンク601との間の距離は、半導体モジュール840の封止体520の厚み(前面522から背面521までの距離)と同等、あるいは当該厚みよりやや大きく設定されている。そのため、半導体モジュール840は、前端子受け部141とヒートシンク601との間に位置することにより、モータケース101に対する「前面」方向および「背面」方向(x軸方向)の位置ずれが規制される。
本発明の第6実施形態による駆動装置を図12に基づいて説明する。
図12は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール840、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第6実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール840と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
このような構成であっても、第5実施形態と同様、半導体モジュールの位置ずれを規制する効果を奏することができる。
本発明の第7実施形態による駆動装置を図13に基づいて説明する。第7実施形態では、封止体に埋設される特別端子の数、および、モータケースに形成される前端子受け部の数等が第5実施形態と異なる。
図13は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール860、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第7実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール860と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
本実施形態では、図13に示すように特別端子861および特別端子862は、前面522の下面523近傍に配置されている。本実施形態の変形例としては、特別端子861または特別端子862が、前面522の上面524近傍あるいは上面524と下面523との略中間に配置されるような構成を考えることもできる。つまり、特別端子861および特別端子862は、前面522において「上面」方向(z軸方向)のどの位置に配置されていてもよい。
なお、前端子受け部163および前端子受け部164は、少なくとも一方を、第6実施形態の前端子受け部141と同様の形状に形成することももちろん可能である。
本発明の第8実施形態による駆動装置を図14に基づいて説明する。第8実施形態では、封止体に埋設される特別端子の数、および、モータケースに形成される前端子受け部の形状等が第5実施形態と異なる。
図14は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール870、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第8実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール870と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
また、本実施形態では、第5実施形態と同様、前端子受け部171とヒートシンク601との間の距離が、半導体モジュール870の封止体520の厚み(前面522から背面521までの距離)と同等、あるいは当該厚みよりやや大きく設定されている。そのため、半導体モジュール870は、前端子受け部171とヒートシンク601との間に位置することにより、モータケース101に対する「前面」方向および「背面」方向(x軸方向)の位置ずれが規制される。
本発明の第9実施形態による駆動装置を図15に基づいて説明する。第9実施形態では、モータケースに形成される前端子受け部の数等が第8実施形態と異なる。
図15は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール880、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第9実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール880と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
また、本実施形態では、第8実施形態と同様、前端子受け部(第1前端子受け部181および第2前端子受け部182)とヒートシンク601との間の距離が、半導体モジュール880の封止体520の厚み(前面522から背面521までの距離)と同等、あるいは当該厚みよりやや大きく設定されている。そのため、半導体モジュール880は、第1前端子受け部181および第2前端子受け部182とヒートシンク601との間に位置することにより、モータケース101に対する「前面」方向および「背面」方向(x軸方向)の位置ずれが規制される。
本発明の第10実施形態による駆動装置を図16に基づいて説明する。第10実施形態では、封止体からの特別端子の突出方向(面)、および、モータケースに形成される係合部の位置等が第2実施形態と異なる。
図16は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール910、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第10実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール910と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
溝611および溝612は、それぞれ、側壁面605に平行な仮想平面(yz平面)による断面が、特別端子911の端部および特別端子912の端部の断面よりやや大きく、あるいは概ね同等に形成されている。この構成により、特別端子911および特別端子912のそれぞれが溝611および溝612に挿入されるようにして半導体モジュール910がモータケース101に設置された場合、特別端子911および特別端子912は、それぞれ、溝611および溝612に係合される。すなわち、ヒートシンク601の溝611および溝612が形成された部分は、特許請求の範囲における「係合部」をなす。当該「係合部」は、図16において係合部613および係合部614で示す部分である。
なお、本実施形態では半導体モジュール910は2つの特別端子(特別端子911および特別端子912)を有しているが、半導体モジュール910の構成として、前記2つの特別端子のうちの1つを有する構成を考えることもできる。
本発明の第11実施形態による駆動装置を図17に基づいて説明する。第11実施形態では、特別端子の形状、および、ヒートシンクに形成される溝の形状等が第10実施形態と異なる。
図17(A)は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール920、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第11実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール920と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
溝621および溝622は、それぞれ、側壁面605においてz軸方向へ延びるように形成され、一方の端部がヒートシンク601の上壁面609に開口している。ここで、上壁面609は、側壁面605の反壁面108側端部に隣接する壁面であり、壁面108と略平行に形成されている。溝621および溝622は、上壁面609に平行な仮想平面(xy平面)による断面が、特別端子921および特別端子923の封止体520からの突出部分の断面よりやや大きく、あるいは概ね同等に形成されている。すなわち、溝621および溝622は、それぞれ、上壁面609に平行な仮想平面(xy平面)による断面の形状が略L字状となるよう形成されている。
なお、本実施形態では半導体モジュール920は同形状の2つの特別端子(特別端子921および特別端子923)を有しているが、半導体モジュール920の構成として、前記2つの特別端子のうちの1つを有する構成を考えることもできる。
本発明の第12実施形態による駆動装置を図18に基づいて説明する。第12実施形態では、特別端子の形状、および、ヒートシンクに形成される溝の形状等が第11実施形態と異なる。
図18(A)は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール930、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第12実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール930と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
本発明の第13実施形態による駆動装置を図19に基づいて説明する。第13実施形態では、特別端子の数および形状、ならびに、ヒートシンクに形成される溝の形状および数等が第11実施形態と異なる。
図19は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール940、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第13実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール940と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
溝641は、側壁面605においてz軸方向へ延びるように形成され、一方の端部がヒートシンク601の上壁面609に開口している。溝641は、上壁面609に平行な仮想平面(xy平面)による断面が、特別端子941の封止体520からの突出部分の断面よりやや大きく、あるいは概ね同等に形成されている。すなわち、溝641は、上壁面609に平行な仮想平面(xy平面)による断面の形状が略T字状となるよう形成されている。
本発明の第14実施形態による駆動装置を図20に基づいて説明する。第14実施形態は、上述の実施形態の組み合わせの一例を示すものである。
図20は、モータケース101への設置前の状態の半導体モジュール890、および、モータケース101の一部を概略的に示す模式図である。第14実施形態では、上述の実施形態と同様、半導体モジュール890と同じ形態のものが合計6つモータケース101に設置されている(図示せず)。
上述の第14実施形態では、第4実施形態および第5実施形態の要部を組み合わせた形態を示した。本発明の他の実施形態では、第14実施形態のように、構成上の阻害要因がない限り上述の各実施形態のいかなる構成をも組み合わせることができる。また、上述の各実施形態のように特別端子が封止体の1つの面あたり1つまたは2つ設けられる構成に限らず、特別端子が封止体の1つの面あたり3つ以上設けられる構成を考えることもできる。
あるいは、封止体から突出する半導体チップのグランド用端子を「半導体モジュールの位置ずれを抑制する」ための特別端子として利用することとしてもよい。この場合、グランド用端子の位置および形状等に対応する係合部をモータケースに形成すれば、半導体モジュールの位置ずれを抑制する効果を奏することができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
Claims (25)
- 筒状のモータケース、当該モータケースの径方向内側に配置され複数相を構成するよう巻線が巻回されたステータ、当該ステータの径方向内側に配置されるロータ、および、当該ロータと共に回転するシャフトを有するモータと、
前記複数相の巻線に流れる巻線電流を切り換えるための半導体チップ、当該半導体チップを覆う封止体、および、当該封止体に埋設される特別端子を有する半導体モジュールと、を備え、
前記モータケースは、前記特別端子に対応する係合部を有し、
前記特別端子は、前記係合部に係合されることで前記モータケースに対する前記半導体モジュールの位置ずれを規制可能なよう、前記封止体から突出していることを特徴とする駆動装置。 - 前記モータケースは、その壁面から延出する放熱部を有し、
前記半導体モジュールは、前記放熱部に当接するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。 - 前記封止体は、略直方体形状に形成され、
前記封止体の6つの面のうち、前記半導体チップのチップ面と略平行となる面を背面、当該背面の反対側の面を前面とし、その他の4つの面のうちの1つを下面とし、当該下面の反対側の面を上面とし、残る2つの面をそれぞれ右側面および左側面とすると、
前記半導体モジュールは、前記背面が前記放熱部に当接するよう設けられていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面に形成されており、
前記特別端子は、前記壁面に形成された溝に挿入されることで前記係合部に係合されるよう、前記下面から突出していることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面から延出する右端子受け部に形成されており、
前記特別端子は、前記右端子受け部に形成された溝に挿入されることで前記係合部に係合されるよう、前記右側面から突出していることを特徴とする請求項3または4に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面から延出する左端子受け部に形成されており、
前記特別端子は、前記左端子受け部に形成された溝に挿入されることで前記係合部に係合されるよう、前記左側面から突出していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面から延出する前端子受け部に形成されており、
前記特別端子は、前記前端子受け部に形成された溝に挿入されることで前記係合部に係合されるよう、前記前面から突出していることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面から延出する前端子受け部に形成されており、
前記特別端子は、第1特別端子および第2特別端子からなり、
前記第1特別端子および前記第2特別端子は、間に前記前端子受け部が位置することで前記係合部に係合されるよう、前記前面から突出していることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記壁面から延出する第1前端子受け部および第2前端子受け部に形成されており、
前記特別端子は、第1特別端子および第2特別端子からなり、
前記第1特別端子および前記第2特別端子は、前記第1前端子受け部と前記第2前端子受け部との間に位置することで前記係合部に係合されるよう、前記前面から突出していることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 前記係合部は、前記放熱部に形成されており、
前記特別端子は、前記放熱部に形成された溝に挿入されることで前記係合部に係合されるよう、前記背面から突出していることを特徴とする請求項3〜9に記載の駆動装置。 - 前記特別端子は、前記封止体の少なくとも1つの面の複数箇所から突出するよう、1つの面あたり複数設けられ、
前記モータケースには、複数の前記特別端子それぞれに対応する係合部が形成されていることを特徴とする請求項3〜10のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 前記特別端子は、少なくとも1つがL字状に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記特別端子は、少なくとも1つがT字状に形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記特別端子と前記半導体チップとの間は、電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記特別端子と前記半導体チップとの間は、電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記半導体モジュールは、複数設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記半導体モジュールは、前記モータケースの前記シャフトの中心線方向の反ロータ側に、前記半導体チップのチップ面の垂線が前記シャフトの中心線と非平行となるよう縦配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記半導体モジュールは、前記垂線が前記シャフトの中心線に垂直となるよう配置されていることを特徴とする請求項17に記載の駆動装置。
- 筒状のモータケース、当該モータケースの径方向内側に配置され複数相を構成するよう巻線が巻回されたステータ、当該ステータの径方向内側に配置されるロータ、および、当該ロータと共に回転するシャフトを有するモータに組み付けられる半導体モジュールであって、
前記複数相の巻線に流れる巻線電流を切り換えるための半導体チップと、
前記半導体チップを覆う封止体と、
前記モータケースに形成された係合部に係合されることで前記モータケースに対する前記半導体モジュールの位置ずれが規制されることが可能なよう、前記封止体から突出した状態で前記封止体に設けられる特別端子と、を備えることを特徴とする半導体モジュール。 - 前記封止体は、略直方体形状に形成されていることを特徴とする請求項19に記載の半導体モジュール。
- 前記特別端子は、前記封止体の少なくとも1つの面の複数箇所から突出するよう、1つの面あたり複数設けられていることを特徴とする請求項20に記載の半導体モジュール。
- 前記特別端子は、少なくとも1つがL字状に形成されていることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 前記特別端子は、少なくとも1つがT字状に形成されていることを特徴とする請求項19〜22のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 前記特別端子と前記半導体チップとの間は、電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項19〜23のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 前記特別端子と前記半導体チップとの間は、電気的に接続されていることを特徴とする請求項19〜23のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
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